JP2001278658A - 圧電セラミックス - Google Patents

圧電セラミックス

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JP2001278658A
JP2001278658A JP2000096886A JP2000096886A JP2001278658A JP 2001278658 A JP2001278658 A JP 2001278658A JP 2000096886 A JP2000096886 A JP 2000096886A JP 2000096886 A JP2000096886 A JP 2000096886A JP 2001278658 A JP2001278658 A JP 2001278658A
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Gakuo Tsukada
岳夫 塚田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉛を含まず、しかも、優れた圧電特性、特
に、大きな電気機械結合係数を有する圧電セラミックス
を提供する。 【解決手段】 ビスマス層状化合物であるSrBi4
415型結晶を含み、Sr、Bi、TiおよびFeを
含有し、これらの元素のモル比が Sr/(Sr+Bi)=(1−x)/5、 Fe/(Ti+Fe)=x/4 で表され、かつ、 0.1≦x≦0.6 である圧電セラミックス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レゾネータ等の各
種分野に幅広く応用可能な圧電セラミックスに関する。
【0002】
【従来の技術】圧電体は、外部から応力を受けることに
よって電気分極が変化する圧電効果と、電界を印加する
ことにより歪みを発生する逆圧電効果とを有する材料で
ある。圧電体は、センサ、レゾネータ、アクチュエータ
などに応用されている。
【0003】現在実用化されている圧電材料の大部分
は、正方晶系または菱面体晶系のPZT(PbZrO3
−PbTiO3固溶体)系や、正方晶系のPT(PbT
iO3)系などのペロブスカイト構造を有する強誘電体
が一般的である。そして、これらに様々な副成分を添加
することにより、様々な要求特性への対応がはかられて
いる。
【0004】しかし、PZT系やPT系の圧電材料は、
低温でも揮発性の極めて高い酸化鉛(PbO)を多量
(60〜70質量%程度)に含んでいるため、生態学的
な見地および公害防止の面からも好ましくない。具体的
には、これら鉛系圧電材料をセラミックスや単結晶とし
て製造する際には、焼成、溶融等の熱処理が不可避であ
り、工業レベルで考えた場合、揮発性成分である酸化鉛
の大気中への揮発、拡散量は極めて多量となる。また、
製造段階で放出される酸化鉛は回収可能であるが、工業
製品として市場に出された圧電材料に含有される酸化鉛
は、現状ではその殆どが回収不能であり、これらが広く
環境中に放出された場合、公害の原因となることは避け
られない。
【0005】鉛を全く含有しない圧電材料としては、例
えば、正方晶系に属するペロブスカイト構造のBaTi
3がよく知られているが、これはキュリー点が120
℃と低いため、実用的ではない。
【0006】また、ビスマス層状化合物は、鉛を全く含
有しないものも圧電性を示すが、鉛を含有しないビスマ
ス層状化合物は電気機械結合係数が小さいため、広く実
用に供されるに至っていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、鉛を
含まず、しかも、優れた圧電特性、特に、大きな電気機
械結合係数を有する圧電セラミックスを提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記(1)
および(2)の本発明により達成される。 (1) ビスマス層状化合物であるSrBi4Ti415
型結晶を含み、Sr、Bi、TiおよびFeを含有し、
これらの元素のモル比が Sr/(Sr+Bi)=(1−x)/5、 Fe/(Ti+Fe)=x/4 で表され、かつ、 0.1≦x≦0.6 である圧電セラミックス。 (2) 式I (1−x)SrBi4Ti415+xBiBi4
3FeO15 で表される組成を有する上記(1)の圧電セラミック
ス。
【0009】本発明の圧電セラミックスは、SrBi4
Ti415とBiBi4Ti3FeO15との固溶体であ
る。例えばランドルト‐ベルンシュタイン・テーブルの
第3巻(結晶と固体物理)に記載されているように、S
rBi4Ti415は圧電体として知られており、また、
BiBi4Ti3FeO15は強誘電体として知られてい
る。しかし、SrBi4Ti415にBiBi4Ti3Fe
15を固溶させることにより電気機械結合係数が向上す
ることは、従来知られていない。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の圧電セラミックスは、S
r、Bi、TiおよびFeを含有する複合酸化物であ
り、 式I (1−x)SrBi4Ti415+xBiBi4
3FeO15 で表される組成を有する。上記式Iにおいてxはモル比
を表し、 0.1≦x≦0.6 である。本発明では、SrBi4Ti415へのBiBi
4Ti3FeO15の固溶量xを制御することにより、電気
機械結合係数を向上させる。xが小さすぎても大きすぎ
ても、電気機械結合係数の向上が不十分となる。また、
xが大きすぎると、電気抵抗が低くなって分極が困難と
なる。なお、電気機械結合係数を十分に大きくするため
には、 0.2≦x≦0.6 とすることが好ましく、 0.3≦x≦0.5 とすることがより好ましい。
【0011】本発明の圧電セラミックスは、ビスマス層
状化合物であるSrBi4Ti415型結晶を含み、実質
的にこの結晶だけから構成されていることが好ましい
が、完全に均質でなくても、例えば異相を含んでいても
よい。すなわち、例えば、圧電セラミックス中のすべて
のSrBi4Ti415型結晶において固溶量が同一であ
る必要はなく、また、SrBi4Ti415型結晶以外の
異相が存在していてもよい。
【0012】本発明の圧電セラミックスの全体組成は、
上記式Iから偏倚していてもよい。上記式Iで示される
組成は、 式II Sr1-xBi4+x(Ti4-xFex)O15 と表すことができるが、この式IIにおいてTi+Feに
対するSr+Biの比率(5/4)が、化学量論組成か
ら±5%程度ずれていてもよい。すなわち本発明の圧電
セラミックスは、構成元素のモル比が Sr/(Sr+Bi)=(1−x)/5、 Fe/(Ti+Fe)=x/4 と表されるものであればよい。なお、酸素量も、金属元
素の価数や酸素欠陥などに応じて変化し得る。
【0013】また、本発明の圧電セラミックスには、不
純物ないし微量添加物として例えばPbなどの他の元素
が含有されていてもよいが、これらの合計含有量は、P
bOなどの酸化物に換算して全体の0.5質量%以下で
あることが好ましい。これらの元素の含有量が多すぎる
と、本発明の効果を損なうことがある。なお、本発明の
圧電セラミックスにはPbが含まれないことが最も好ま
しいが、上記程度の含有量であれば実質的に問題はな
い。
【0014】本発明の圧電セラミックスの結晶粒は、紡
錘状ないし針状である。その平均結晶粒径は特に限定さ
れないが、長軸方向において、好ましくは1〜10μ
m、より好ましくは3〜5μmである。結晶粒径が大きす
ぎる場合、焼結密度が低くなっており、十分に大きな電
気機械結合係数が得られにくい。一方、結晶粒径が小さ
すぎる場合、焼結が不十分であり、同様に焼結密度が低
くなっている。
【0015】本発明では、圧電セラミックスの電気機械
結合係数を17以上とすることができ、20以上とする
ことも容易である。
【0016】本発明の圧電セラミックスは、例えばレゾ
ネータに好適である。使用モードは特に限定されず、例
えば厚み縦振動や厚みすべり振動等のいずれのモードも
利用可能である。
【0017】次に、本発明の圧電セラミックスを製造す
る方法の一例を説明する。
【0018】まず、出発原料として、酸化物、または、
焼成により酸化物に変わりうる化合物、例えば、炭酸
塩、水酸化物、シュウ酸塩、硝酸塩等、具体的にはSr
CO3、Bi23、TiO2、Fe23等の粉末を用意
し、これらをボールミル等により湿式混合する。
【0019】次いで、800〜1000℃程度で1〜3
時間程度仮焼し、得られた仮焼物をスラリー化し、ボー
ルミル等を用いて湿式粉砕する。
【0020】湿式粉砕後、仮焼物の粉末を乾燥し、乾燥
物に水を少量(4〜8質量%程度)添加し、100〜4
00MPa程度の圧力でプレス成形して、成形体を得る。
この際、ポリビニルアルコール等のバインダを添加して
もよい。
【0021】次いで、成形体を焼成し、圧電セラミック
スを得る。焼成温度は、好ましくは1100〜1300
℃の範囲から選択し、焼成時間は、好ましくは1〜5時
間程度とする。焼成は大気中で行ってもよく、大気中よ
りも酸素分圧の低い雰囲気や高い雰囲気、あるいは純酸
素雰囲気中で行ってもよい。
【0022】
【実施例】以下の手順で、表1に示す圧電セラミックス
サンプルを作製した。
【0023】出発原料として、SrCO3、Bi23
TiO2、Fe23の各粉末を、最終組成が 式I (1−x)SrBi4Ti415+xBiBi4
3FeO15 で示されるものとなるように配合し、純水中でジルコニ
アボールを利用したボールミルにより10時間湿式混合
した。各サンプルにおけるxの値を表1に示す。
【0024】次いで、混合物を十分に乾燥し、プレス成
形した後、800〜900℃で2時間仮焼した。得られ
た仮焼物をボールミルで粉砕した後、乾燥し、バインダ
(ポリビニルアルコール)を加えて造粒した。得られた
造粒粉を一軸プレス成形機を用いて200〜300MPa
の圧力を加え、平面寸法20mm×20mm、厚さ約20mm
の柱状に成形した。得られた成形体に熱処理を施してバ
インダを揮発させた後、1100〜1300℃で2〜4
時間焼成した。得られた焼結体を切断し、さらに厚さ約
0.3mmとなるまで研磨して薄板状とした。その後、両
面の全面に銀電極を塗布し、焼き付けた。次いで、15
0〜250℃のシリコーンオイルバス中で7〜10MV/m
の電界を1〜30分間印加して分極処理を施し、特性測
定用サンプルとした。
【0025】各サンプルについて、ヒューレットパッカ
ード社製LCRメータHP4394Aを用いて容量の測
定を行い、誘電率を算出した。また、ラディアントテク
ノロジー社製RT−6000HVSを用いてD−Eヒス
テリシスを測定し、200℃における電気抵抗を求め
た。また、ヒューレットパッカード社製インピーダンス
アナライザHP4194Aによる測定を行い、共振反共
振法を利用して厚み縦方向電気機械結合係数(kt)を
求めた。なお、ktは下記式により算出した。これらの
結果を表1に示す。
【0026】
【数1】
【0027】
【表1】
【0028】表1から、SrBi4Ti415にBiBi
4Ti3FeO15を所定量固溶させることで、電気機械結
合係数が向上することがわかる。
【0029】図1に、 式I (1−x)SrBi4Ti415+xBiBi4
3FeO15 においてxを変化させたときの粉末X線回折の解析結果
を示す。同図には、ピーク同定結果も示してある。図1
から、BiBi4Ti3FeO15を固溶させても、SrB
4Ti415型結晶の単一相である焼結体が得られるこ
とがわかる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、鉛を含まず、かつ、優
れた圧電特性、特に、大きな電気機械結合係数を有する
圧電セラミックスを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(1−x)SrBi4Ti415+xBiBi4
Ti3FeO15においてxを変化させたときの粉末X線
回折の解析結果を示すチャートである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビスマス層状化合物であるSrBi4
    415型結晶を含み、Sr、Bi、TiおよびFeを
    含有し、これらの元素のモル比が Sr/(Sr+Bi)=(1−x)/5、 Fe/(Ti+Fe)=x/4 で表され、かつ、 0.1≦x≦0.6 である圧電セラミックス。
  2. 【請求項2】式I (1−x)SrBi4Ti415+x
    BiBi4Ti3FeO15 で表される組成を有する請求項1の圧電セラミックス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100924107B1 (ko) 2008-02-18 2009-10-29 창원대학교 산학협력단 비스무스(Bi)계에 3가 양이온이 첨가된 무연세라믹스의 조성물 및 그 제조방법

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