JP2001277413A - 制電性シート並びにその基材シート - Google Patents

制電性シート並びにその基材シート

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JP2001277413A
JP2001277413A JP2000101150A JP2000101150A JP2001277413A JP 2001277413 A JP2001277413 A JP 2001277413A JP 2000101150 A JP2000101150 A JP 2000101150A JP 2000101150 A JP2000101150 A JP 2000101150A JP 2001277413 A JP2001277413 A JP 2001277413A
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sheet
base sheet
resin
thermoplastic resin
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JP2000101150A
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English (en)
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Norio Uchiumi
典朗 内海
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Takiron Co Ltd
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Takiron Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性を損なわないで柔軟性と耐ブロッキン
グ性の双方を同時に向上させることができるた制電性シ
ートと、その製造に使用される基材シートを提供する。 【解決手段】 基材シート1は、芯層1aの両面に外層
1b,1bを積層一体化した三層構造のシートとし、耐
ブロッキング性を有する熱可塑性樹脂で外層1b,1b
を形成すると共に、この外層の熱可塑性樹脂よりも柔軟
性に富む熱可塑性樹脂又はエラストマーで芯層1aを形
成する。制電性シートは、基材シート1の少なくとも片
面に導電層2を積層一体化した構成とする。基材シート
1の芯層1aによって柔軟性が向上すると同時に、外層
1b,1bによって耐ブロッキング性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パーテーション素
材、機器類のカバー材や袋材などの用途に適した制電性
シートと、この制電性シートの製造に使用される基材シ
ートに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造用のクリーンルームのパーテ
ーションなどに用いる素材シートは、それに透明性をも
たせることによって見通しを確保し、パーテーションで
仕切られた内外間の移動作業に際して接触事故などを未
然に防止する機能と、粉塵の静電付着により透明性が低
下するのを防止する制電機能を備えていることが望まれ
る。また、素材シートの取扱いや加工作業や使用時の観
点からは、適度な柔軟性を備えていることが望まれる。
【0003】これらの要望に応える素材シートとして、
本出願人は、シンジオタクチックポリプロピレン樹脂、
又は、この樹脂とアイソタクチックポリプロピレン樹脂
との混合樹脂からなる単層の透明なベースシートの表面
に、導電層を積層一体化した制電性シートを既に出願し
た(特願平10−288883号)。
【0004】この素材シートは透明性、制電性、柔軟性
などをバランス良く備えているが、パーテーション用の
素材シートとして柔軟性においては、いまだ満足のいか
ない面があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、上記の素材シ
ートに用いるシンジオタクチックポリプロピレン樹脂、
又は、この樹脂とアイソタクチックポリプロピレン樹脂
との混合樹脂からなる上記のポリプロピレン樹脂の単層
のベースシートに替えて、柔軟性を向上させるための一
つの方法として柔軟性に富む合成樹脂からなるベースシ
ートを用いることが考えられるが、一般に柔軟性は改善
されても耐ブロッキング性が低下するといった不都合を
生じる。従って、これをロールに捲き取るとブロッキン
グが生じやすく、そのため、ベースシートの表面に導電
層を形成する工程において、ロールからのベースシート
の繰り出しがブロッキングにより困難になるという製造
上の問題があった。そして、製造された上記の素材シー
トをロールに捲き取って保管する際にも、ブロッキング
を生じる心配があった。
【0006】また、この耐ブロッキング性を改善させる
ために公知のアンチブロッキング剤を含有させることが
考えられるが、このようなアンチブロッキング剤を多量
(数万ppm程度)に含有させても耐ブロッキングがそ
れほど向上せず、却って透明性が大幅に低下するといっ
た不都合を生じるという問題があった。
【0007】以上のように、本出願人が先に提案した素
材シートは、ベースシートの合成樹脂を変更したり、ア
ンチブロッキング剤を含有させたりしても、透明性を損
なうことなく柔軟性と耐ブロッキング性の双方を同時に
向上させることが困難であった。
【0008】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、透明性を損なわないで柔
軟性と耐ブロッキング性の双方を同時に向上させた制電
性シートと、この制電性シートの製造に使用される基材
シートを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の制電性シートは、請求項1に記載したよう
に、芯層の両面に外層が積層一体化された基材シート
と、この基材シートの少なくとも片面に積層一体化され
た導電層とからなる透光性の制電性シートであって、上
記基材シートの外層が耐ブロッキング性を有する熱可塑
性樹脂で形成され、上記基材シートの芯層がこの外層の
熱可塑性樹脂よりも柔軟性に富む熱可塑性樹脂又はエラ
ストマーで形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0010】このような構成の制電性シートは、基材シ
ートの外層が耐ブロッキング性を有する熱可塑性樹脂で
形成されているので、該基材シートをロール捲きしても
ブロッキングを生じることがない。そのため、基材シー
トの少なくとも片面に導電層を積層一体化して制電性シ
ートを製造する工程において、ロールからの基材シート
の繰り出しがブロッキングによって妨げられる心配はな
くなり、また、製造された制電性シートをロールに捲き
取って保管する際にも、ブロッキングを生じる心配が解
消される。
【0011】しかも、この制電性シートは、基材シート
の大部分を占める芯層が上記外層の熱可塑性樹脂よりも
柔軟性に富む熱可塑性樹脂又はエラストマーで形成され
ているため、良好な柔軟性を有し、取扱いや加工作業が
容易であり、また、使用時の人体等への接触の肌触りが
良い。
【0012】また、この制電性シートは、基材シートの
外層にも芯層にもアンチブロッキング剤を含有させる必
要がないので、アンチブロッキング剤による透光性の低
下がなく、表面の導電層によって透光性が僅かに低下す
る程度であるから、アンチブロッキング剤を含有させた
制電性シートに比べると透光性が遥かに良好であり、表
面の導電層によって塵埃の静電付着を防止して良好な透
光性を維持することができる。
【0013】次に、上記の制電性シートの製造に用いる
本発明の基材シートは、請求項5に記載したように、芯
層の両面に外層が積層一体化された基材シートであっ
て、上記外層が耐ブロッキング性を有する熱可塑性樹脂
で形成され、上記芯層がこの外層の熱可塑性樹脂よりも
柔軟性に富む熱可塑性樹脂又はエラストマーで形成され
ていることを特徴とするものである。
【0014】この基材シートの作用効果は、上記の制電
性シートのところで説明した通りであるから、再度の説
明は省略する。
【0015】本発明の制電性シートや基材シートにおい
ては、請求項2,6に記載したように、外層と芯層との
厚さの比率が1:2〜1:1000の範囲にあることが
好ましく、また、外層を形成する熱可塑性樹脂としては
請求項3,7に記載したものが好適に使用され、更に、
芯層を形成する熱可塑性樹脂又はエラストマーとしては
請求項4,8に記載したものが好適に使用される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の具
体的な実施形態を詳述する。
【0017】図1は本発明の一実施形態に係る制電性シ
ートの断面図である。
【0018】この制電性シートは、基材シート1の片面
に導電層2が積層一体化された透光性のシートあって、
基材シート1は、芯層1aとその両面に積層一体化され
た外層1b,1bとで構成されている。
【0019】導電層2はバインダー樹脂に導電物質を混
合した層であり、0.1〜3μm程度の厚さに形成する
ことが好ましい。導電層2を0.1μmよりも薄く形成
すると、早期の磨滅により表面電気抵抗値が増大して制
電性能の低下を招く恐れがあり、逆に、3μmより厚く
形成すると、導電層によって透明性の大幅な低下を招く
恐れがある。導電層2の更に好ましい厚さは0.4〜
1.5μmである。
【0020】導電層2のバインダー樹脂としては、塩素
化ポリオレフィン樹脂(塩素化ポリプロピレン樹脂、塩
素化ポリエチレン樹脂など)、マレイン酸変性ポリオレ
フィン樹脂(マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂、マレ
イン酸変性ポリエチレン樹脂など)、無水マレイン酸変
性ポリオレフィン樹脂(無水マレイン酸変性ポリプロピ
レン樹脂、無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂な
ど)、マレイン酸変性塩素化ポリオレフィン樹脂(マレ
イン酸変性塩素化ポリプロピレン樹脂、マレイン酸変性
塩素化ポリエチレン樹脂など)、無水マレイン酸変性塩
素化ポリオレフィン樹脂(無水マレイン酸変性塩素化ポ
リプロピレン樹脂、無水マレイン酸変性塩素化ポリエチ
レン樹脂など)、アクリル酸変性ポリオレフィン樹脂
(アクリル酸変性ポリプロピレン樹脂、アクリル酸変性
ポリエチレン樹脂など)、アクリル酸変性塩素化ポリオ
レフィン樹脂(アクリル酸変性塩素化ポリプロピレン樹
脂、アクリル酸変性塩素化ポリエチレン樹脂など)、ウ
レタン樹脂、ポリアミド樹脂などが好適に使用される。
【0021】また、導電物質としては、金属酸化物、金
属粉、カーボン繊維、導電化有機繊維などが使用され、
特に、SnO2 やZnOなどの金属酸化物が好適に使用
される。
【0022】この導電層2は、表面電気抵抗値が1010
Ω/□を越えると塵埃の静電付着を防止することが難し
くなるので、表面電気抵抗値が1010Ω/□以下、好ま
しくは107 Ω/□以下となるように、導電物質の種類
や混合量(含有量)を決定することが大切である。導電
物質の混合量(含有量)は、導電物質の種類によって差
異はあるが、およそ40〜95重量%程度であり、好ま
しくは、60〜80重量%である。
【0023】以上のような導電層2は、例えば、導電物
質をバインダー樹脂に均一に混合して導電塗料を調製
し、この導電塗料を基材シート1の片面に塗布する等の
手段によって容易に形成することができる。
【0024】一方、基材シート1は、既述したように、
芯層1aの両面に外層1b,1bを積層一体化した三層
構造の透光性のシートであって、外層1b,1bが耐ブ
ロッキング性を有する熱可塑性樹脂で形成され、芯層1
aが外層1b,1bの熱可塑性樹脂よりも柔軟性に富む
熱可塑性樹脂又はエラストマーで形成されたものであ
る。
【0025】外層1b,1bを形成する熱可塑性樹脂と
しては、耐ブロッキング性および透明性の良好な、例え
ば、ポリプロピレン樹脂、密度が0.915g/cm3
より大きい直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、金属イオン
にてエチレン系共重合体の分子間を架橋したアイオノマ
ー樹脂(金属イオンにてエチレン−アクリル酸共重合体
の分子間を架橋したアイオノマー樹脂、金属イオンにて
エチレン−メタクリル酸共重合体の分子間を架橋したア
イオノマー樹脂など)が好適であり、これらは単独で又
は二種以上の混合して使用される。ポリプロピレン樹脂
は、ホモポリマー、ランダムコポリマー、ターポリマー
のいずれも使用できるが、透明性に劣るブロックコポリ
マーは不適当である。また、密度が0.915g/cm
3 以下の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂は、柔軟性に富
むけれども耐ブロッキング性に劣るので、外層1bの樹
脂としては不適当である。
【0026】これに対し、芯層1aを形成する熱可塑性
樹脂又はエラストマーとしては、上記外層1bの熱可塑
性樹脂よりも柔軟性に富む透明性の良好な、例えば、エ
チレン系共重合体(エチレン−アクリル酸共重合体、エ
チレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸エチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリ
ル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共
重合体など)、低密度ポリエチレン樹脂、密度が0.9
15g/cm3 以下の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、
スチレン系エラストマー、アクリル系エラストマー、オ
レフィン系エラストマー(エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−1ブテン共重合体、エチレン−1ブテン
−プロピレン三元共重合体、プロピレン−1ブテン共重
合体など)、ポリブタジエンゴムなどが好適であり、こ
れらは単独で又は二種以上混合して使用される。
【0027】外層1bと芯層1aの厚さの比率は、1:
2〜1:1000とすることが好ましく、外層1bの厚
さが芯層1aの厚さの1/2を越えると、基材シート1
の柔軟性が低下するので、取扱い性や加工作業性等の良
い柔軟な制電性シートを得ることが困難になる。また、
外層1bの厚さが芯層1aの厚さの1/1000を下回
ると、外層1bが薄くなりすぎて一様な厚さに積層形成
することが難しくなる。この外層1bは、耐ブロッキン
グ性と柔軟性の双方を同時に向上させる観点から、1μ
m以上でなるべく薄く形成することが望ましい。
【0028】上記のような基材シート1は、三層共押出
法、押出しラミネート法、熱ラミネート法などの公知の
方法を採用して、柔軟性に富む熱可塑性樹脂又はエラス
トマーの芯層1aの両面に、耐ブロッキング性の良い熱
可塑性樹脂の外層1b,1bを積層一体化することによ
り容易に製造され、ロール等に捲き取られる。
【0029】この基材シート1の捲き取り作業は、基材
シート1の芯層1aが柔軟性に富む熱可塑性樹脂又はエ
ラストマーで形成れさているため、スムーズに行うこと
ができ、このように基材シート1をロール等に捲き取っ
ても、芯層1aが外層1b,1bで被覆されて耐ブロッ
キング性が高められているため、ブロッキングを生じる
ことはない。
【0030】図1に示す制電性シートは、上記の基材シ
ート1をロールから繰り出し、その片面に導電層2を既
述した塗布等の手段で0.1〜3μmの厚さ(好ましく
は0.4〜1.5μmの厚さ)に形成することにより製
造されるものであるが、上記のようにロール捲きした基
材シート1にはブロッキングが生じないため、この製造
工程において、ロールからの基材シート1の繰り出しが
妨げられるといったトラブルはなくなり、効率良く制電
性シートを製造することが可能となる。そして、製造さ
れた制電性シートをロールに捲き取って保管する際に
も、ブロッキングを生じる心配が解消される。
【0031】また、この制電性シートは、基材シート1
の大部分を占める芯層1aが柔軟性に富む熱可塑性樹脂
又はエラストマーで形成されているため、シート全体が
柔軟で、その取扱いや加工作業が容易であり、また、使
用時の人体等への接触の肌触りが良く、しかも、基材シ
ート1の外層1bや芯層1aにはアンチブロッキング剤
が含有されていないので、アンチブロッキング剤による
透明性(透光性)の低下がなく、表面の導電層2によっ
て透明性が若干低下する程度である。従って、この制電
性シートは、アンチブロッキング剤を多量(数万ppm
程度)に含有させた制電性シートに比べると透明性が遥
かに良好であり、表面の導電層2によって塵埃の静電付
着を防止して良好な透明性を維持することができる。
【0032】なお、場合によっては、基材シート1の外
層1b,1bにアンチブロッキング剤を透明性を損なわ
ない範囲で少量(500〜6000ppm程度、好まし
くは1000ppm程度)混合し、耐ブロッキング性を
更に向上させるようにしてもよい。
【0033】図2は本発明の他の実施形態に係る制電性
シートの断面図であって、基材シート1の両面に導電層
2を形成したものである。この制電シートの基材シート
1や導電層2は、前述した図1の制電シートのものと同
様の構成であるので、図2において同一部材に同一符号
を付して説明を省略する。
【0034】次に、本発明の更に具体的な実施例を説明
する。
【0035】[実施例1]厚さ240μmのエチレン−
酢酸ビニル共重合体(EVA)のシートを芯層とし、そ
の両面に外層として厚さ30μmのポリプロピレン樹脂
(ランダムコポリマー)のフィルムを共押出しして、全
体の厚さが300μm、外層と芯層の厚さの比率が1:
8:1である三層構造の本発明の基材シート(実施品
1)を作製した。
【0036】一方、シンジオタクチックポリプロピレン
樹脂(SPP)とアイソタクチックポリプロピレン樹脂
(IPP)を4:1の重量比で混合した混合樹脂よりな
る厚さ300μmの単層構造の基材シート(比較品1)
と、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)からなる
厚さ300μmの単層構造の基材シート(比較品2)を
それぞれ準備した。
【0037】そして、上記の実施品1と比較品1,2に
ついて、透明性(全光線透過率とヘーズ値)、曲げ剛性
(B値と2HB値)、耐ブロッキング性を調べた。その
結果を下記の表1に示す。尚、耐ブロッキング性は、6
0℃のオーブン中に入れた実施品1、比較品1,2のシ
ート(A4サイズ)のそれぞれにおいて、シートを各々
2枚づつ重ね合わせ、その重ね合わせたシートの面全体
に3kgの重さが掛かるような錘を載せて、1日放置し
た後、オーブンから取出して調べたものであり、○はブ
ロッキングが生じなかったことを、×はブロッキングが
生じたことを表す。
【0038】
【表1】
【0039】この表1より、EVAの単層構造の基材シ
ート(比較品2)は、曲げやすさを表すB値、面への沿
いやすさを示す2HB値がいずれも低く、曲げ剛性が弱
くて柔軟性に富むものであるが、耐ブロッキング性に劣
っていることが分かる。またSPPとIPPを混合した
ポリプロピレン樹脂の単層構造の基材シート(比較品
1)は、B値、2HB値がともに高く、柔軟性が不足し
ていることが分かる。これに対し、EVAの芯層の両面
にポリプロピレン樹脂(PP)の外層を形成した三層構
造の本発明の基材シート(実施品1)は、B値が比較品
1の半分以下、2HB値が比較品1の2/3程度と低
く、柔軟性が比較品1よりかなり改善されていることが
分かる。
【0040】また、EVAの単層構造の基材シート(比
較品2)は、全光線透過率が90%であるが、表面の平
滑性が悪いため、ヘーズ値が10.4%とやや高くなっ
ている。これに対し、EVAの芯層の両面にPPの外層
を形成した三層構造の本発明の基材シート(実施品1)
は、外層によって表面平滑性が高められるためヘーズ値
が3.9%まで低下し、しかも、PPの外層が透明性に
優れるため全光線透過率が94.1%まで上昇して、透
明性に優れたポリプロピレン樹脂の単層構造の基材シー
ト(比較品1)と遜色のない程度にまで透明性が改善さ
れることが分かる。
【0041】[実施例2]バインダー樹脂である塩素化
ポリエチレンにSnO2 を混合して調製した導電塗料
を、実施例1で作製した三層構造の基材シート(実施品
1)の両面に塗布することにより、SnO2 を固形含有
率で70%含む厚さ1μmの導電層を基材シートの両面
に形成して本発明の制電性シート(実施品2)を作製し
た。
【0042】また、実施例1で作製したSPPとIPP
の混合樹脂よりなる単層構造の基材シート(比較品1)
の両面に上記の導電塗料を塗布することにより、SnO
2 を固形含有率で70%含む厚さ1μmの導電層を形成
して制電性シート(比較品3)を作製した。
【0043】そして、この実施品2と比較品3につい
て、曲げ剛性(B値と2HB値)、引張強度、伸び率、
引裂強度、表面電気抵抗率を測定した。その結果を下記
の表2に示す。尚、引張強度と伸び率はJIS C 2
318の試験方法に基づいて、また、引裂強度はJIS
K 7128Aのトラウザー引裂法に基づいて、表面
電気抵抗率はASTM D 257の方法に基づいて、
それぞれ測定したものである。
【0044】
【表2】
【0045】この表2より、本発明の制電性シート(実
施品2)のB値と2HB値、及び、比較品3の制電性シ
ートのB値と2HB値は、導電層の影響を実質的に受け
ないため、導電層を形成する前の本発明の基材シート
(実施品1)のそれら、及び、比較品1の基材シートの
それらと実質的に同一であり、本発明の制電性シート
(実施品2)の方が比較品3の制電性シートより遥かに柔
軟性に富むことが分かる。また、本発明の制電性シート
(実施品2)と比較品3の制電性シートは、伸び率がい
ずれも900%以上であるが、引張強度や引裂強度は、
本発明の制電性シート(実施品2)の方が比較品3の制
電性シートよりも向上しており、機械的強度の面でも改
善されることが分かる。更に、本発明の制電性シート
(実施品2)と比較品3の制電性シートは、表面電気抵
抗率がいずれも107 Ω/□であり、良好な制電性を具
備して塵埃の付着を防止できることが分かる。
【0046】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の制電性シート及び基材シートはいずれも、基材シート
を芯層とその両面の外層とで構成し、芯層により柔軟性
を付与すると共に、外層により耐ブロッキング性を付与
してアンチブロッキング剤の配合を不要としたため、透
明性を損なうことなく柔軟性と耐ブロッキング性の双方
を同時に改善できるといった顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る制電性シートの断面
図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係る制電性シートの断
面図である。
【符号の説明】
1 基材シート 1a 基材シートの芯層 1b 基材シートの外層 2 導電層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 7/04 CES C08J 7/04 CESZ H01B 5/14 H01B 5/14 Z 17/56 17/56 A // C08L 23:00 C08L 23:00 Fターム(参考) 4F006 AA04 AA12 AA13 AA14 AA15 AA22 AB13 BA07 BA12 CA07 DA04 4F071 AA10X AA12X AA14 AA15X AA18 AA20 AA21X AA28X AA31X AA76X AH04 BA01 BB06 BC01 4F100 AK01A AK01B AK01C AK04A AK04J AK06A AK07B AK07C AK29A AK63B AK63C AK68 AK70B AK70C AL01A AL09A AN02A AR00D AT00A AT00B AT00C BA04 BA06 BA07 BA10B BA10D BA13 GB90 JA13A JA13B JA13C JB16A JB16B JB16C JG01D JG03D JK07 JK13 JN01 JN01D YY00A YY00B YY00C 5G307 GA02 GC02 5G333 AA03 AB18 AB22 CC09 DA03 DA15 DA17

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯層の両面に外層が積層一体化された基材
    シートと、この基材シートの少なくとも片面に積層一体
    化された導電層とからなる透光性の制電性シートであっ
    て、上記基材シートの外層が耐ブロッキング性を有する
    熱可塑性樹脂で形成され、上記基材シートの芯層がこの
    外層の熱可塑性樹脂よりも柔軟性に富む熱可塑性樹脂又
    はエラストマーで形成されていることを特徴とする制電
    性シート。
  2. 【請求項2】前記基材シートの外層と芯層との厚さの比
    率が、1:2〜1:1000であることを特徴とする請
    求項1に記載の制電性シート。
  3. 【請求項3】前記基材シートの外層を形成する熱可塑性
    樹脂が、ポリプロピレン樹脂、密度が0.915g/c
    3 より大きい直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、金属イ
    オンにてエチレン系共重合体の分子間を架橋したアイオ
    ノマー樹脂のいずれか一種又は二種以上の混合樹脂であ
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の制電
    性シート。
  4. 【請求項4】前記基材シートの芯層を形成する熱可塑性
    樹脂又はエラストマーが、エチレン系共重合体、低密度
    ポリエチレン樹脂、密度が0.915g/cm3 以下の
    直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、スチレン系エラストマ
    ー、アクリル系エラストマー、オレフィン系エラストマ
    ー、ポリブタジエンゴムのいずれか一種又は二種以上の
    混合物であることを特徴とする請求項1ないし請求項3
    のいずれかに記載の制電性シート。
  5. 【請求項5】芯層の両面に外層が積層一体化された基材
    シートであって、上記外層が耐ブロッキング性を有する
    熱可塑性樹脂で形成され、上記芯層がこの外層の熱可塑
    性樹脂よりも柔軟性に富む熱可塑性樹脂又はエラストマ
    ーで形成されていることを特徴とする基材シート。
  6. 【請求項6】前記外層と前記芯層の厚さの比率が、1:
    2〜1:1000であることを特徴とする請求項1に記
    載の基材シート。
  7. 【請求項7】前記外層を形成する熱可塑性樹脂が、ポリ
    プロピレン樹脂、密度が0.915g/cm3 より大き
    い直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、金属イオンにてエチ
    レン系共重合体の分子間を架橋したアイオノマー樹脂の
    いずれか一種又は二種以上の混合樹脂であることを特徴
    とする請求項5又は請求項6に記載の基材シート。
  8. 【請求項8】前記芯層を形成する熱可塑性樹脂又はエラ
    ストマーが、エチレン系共重合体、低密度ポリエチレン
    樹脂、密度が0.915g/cm3 以下の直鎖状低密度
    ポリエチレン樹脂、スチレン系エラストマー、アクリル
    系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリブタ
    ジエンゴムのいずれか一種又は二種以上の混合物である
    ことを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれかに
    記載の基材シート。
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