JP2001277222A - スラリー成形装置 - Google Patents

スラリー成形装置

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JP2001277222A JP2000089848A JP2000089848A JP2001277222A JP 2001277222 A JP2001277222 A JP 2001277222A JP 2000089848 A JP2000089848 A JP 2000089848A JP 2000089848 A JP2000089848 A JP 2000089848A JP 2001277222 A JP2001277222 A JP 2001277222A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルフレベリング効果が小さい低流動性の硬
化性スラリーを、幅及び厚さが規定された板状に成形す
ることができ、さらには、セルフレベリング効果が小さ
い低流動性の硬化性スラリーから連続的に気泡を脱泡し
て成形することができるスラリー成形装置を提供する。 【解決手段】 硬化性スラリーを連続して成形すべくこ
の硬化性スラリーを搬送する移動ベルト1と、移動ベル
ト1に周面が当接する第1ロール2と、移動ベルト1と
は所望の間隔を有して移動ベルト1上に配置され第1ロ
ール2よりも下流側に配置される第2ロール3と、移動
ベルト1の両側部に配置される一対のサイドプレート
4、4と、両ロール間上に供給された硬化性スラリーに
振動を与える上部振動装置5と、両ロール間から移動ベ
ルト1上に供給された硬化性スラリーに振動を与える下
部振動装置6及びタッピング装置7とを有するスラリー
成形装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セメント組成物等
の硬化性スラリーを連続して所定の幅に展開するととも
に所定の厚さに成形し、さらに硬化性スラリー内部の気
泡が連続的に脱泡された硬化性スラリーによって成形体
を製造することのできるスラリー成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】セメント組成物に代表される硬化性スラ
リーを成形して硬化させ、成形体を製造するためのスラ
リー成形装置としては、例えば、移動ベルト上に成形型
を配置してこの成形型に連続的又は間欠的にスラリーを
供給して成形型内でスラリーを硬化させるボックス方式
の成形装置や、移動ベルト上に直接スラリーを供給し移
動ベルト上に設けられたロール又はプレート等によって
移動ベルト上にスラリーを展開させて硬化させるロール
(又はプレート)方式の成形装置等が知られている。こ
れらのスラリー成形装置は、硬化性スラリーの流動性に
よる厚さ均一化(セルフレベリング効果)を利用して、
移動ベルト上における硬化性スラリーを所定形状に成形
して成形体を製造しようとするものである。
【0003】前記ロール方式の成形装置には、移動ベル
トへのスラリーの供給にロールを利用するものがあり、
このような成形装置としては、例えば、特開昭55−1
64108号公報、特開昭59−140013号公報、
特開昭51−74017号公報等に開示される成形装置
を例示することができる。
【0004】例えば、特開昭55−164108号公報
や特開昭59−140013号公報では、硬化性スラリ
ーを移動面上に受け取って搬送する移動ベルトと、移動
ベルト上に開口し移動ベルト上に硬化性スラリーを供給
するホッパと、ホッパ開口部の前部に移動ベルトから所
定の間隔を有して設けられる回転自在なロールとを備
え、前記所定の間隔によって移動ベルト上のスラリーの
厚さを規定する成形装置が開示されている。この成形装
置は、移動ベルトと前記ロールとの所定の間隔が硬化性
スラリーで満たされるように、移動ベルト上へ十分量の
硬化性スラリーを供給し、前記所定の間隔に厚さが均一
化された成形体を製造しようとするものである。
【0005】また、例えば、特開昭51−74017号
公報では、硬化性スラリーを移動面上に受け取って搬送
する移動ベルトと、この移動ベルト上で対向する回転自
在な一対のロールとを有し、硬化性スラリーが一対のロ
ールの上方から両者間に供給され、ロール間を通って移
動ベルト上に供給される成形装置が開示されている。こ
の成形装置は、一対のロールによって移動ベルト上に硬
化性スラリーをシート状に供給してほぼ均一な厚さの硬
化性スラリーとし、この硬化性スラリーから成形体を製
造しようとするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方で、硬化性スラリ
ーは、成形するにあたり適度な流動性を有することが好
ましいが、成形体の強度等に起因する様々な条件によっ
て調製されるため、例えば、高濃度や高粘度等の組成条
件によって流動性が低い硬化性スラリーに調製されるこ
とがある。
【0007】また、硬化性スラリーは、成形体として十
分な強度を発現することに加えて、速硬性であることが
成形体の生産性をより向上させる上で好ましいが、この
ような速硬性の硬化性スラリーの中には、硬化の進行が
速く、成形工程において流動性の低下を示すものがあ
る。これらのような低流動性の硬化性スラリーは、セル
フレベリング効果が期待できない一面を有しており、前
述した従来のスラリー成形装置では、成形に支障を来す
場合がある。
【0008】例えば、前記セルフレベリング効果を利用
する成形装置では、低流動性の硬化性スラリーが使用さ
れる場合に十分なセルフレベリング効果が発揮されず、
移動ベルト上の硬化性スラリーに当接して硬化性スラリ
ーを均すプレートやロール等の成形用部材を利用した場
合でも、硬化性スラリーの流動性が低いために硬化性ス
ラリーの展開、成形が困難となることがある。
【0009】また、セルフレベリング効果を利用する成
形装置では、硬化性スラリーの成形や脱泡が段階的に行
われるため、前述した速硬性の硬化性スラリーが使用さ
れる場合に、硬化性スラリーが成形中に硬化しはじめ、
前述した成形用部材前部でのしわよりや、成形用部材後
部での引きちぎれ等が発生し、硬化性スラリーの成形が
困難となることがある。
【0010】また、セルフレベリング効果を利用する成
形装置では、硬化性スラリーの成形や脱泡が段階的に行
われるため、低流動性の硬化性スラリーが使用される場
合に硬化性スラリー中に含まれる気泡が脱泡されにく
く、成形された硬化性スラリー中に気泡が残りやすい。
このような気泡の残存は、得られる成形体の強度などの
物性に影響を及ぼすことがある。また、硬化性スラリー
中の気泡の残存は、速硬性をさらに有する低流動性の硬
化性スラリーが使用される場合に、より顕著に現れやす
い。
【0011】一方、特開昭55−164108号公報等
に開示される成形装置は、移動ベルトとロールとの間隔
で硬化性スラリーの厚さが規定されることから、硬化性
スラリーの成形という点において、前記セルフレベリン
グ効果を利用するものよりも優れている。しかし、この
成形装置は、移動ベルト幅方向への硬化性スラリーの展
開について十分な検討がなされておらず、低流動性の硬
化性スラリーが使用される場合に、ホッパから移動ベル
ト上に供給された硬化性スラリーが移動ベルトの幅方向
へ十分に、又は均等に展開しないおそれがある。
【0012】また、この成形装置は、ホッパ内に硬化性
スラリーが滞留しやすい構成であることから、速硬性の
硬化性スラリーが使用される場合に、装置内部(特にホ
ッパ内)に硬化性スラリーが固着しやすく、硬化性スラ
リーの円滑な成形に支障を来すおそれがある。また、前
述したセルフレベリング効果を利用する成形装置と同
様、低流動性の硬化性スラリー中の気泡の脱泡について
十分な検討がなされておらず、低流動性の硬化性スラリ
ーが使用される場合に、硬化性スラリーに混入している
気泡を硬化前に十分脱泡することができず、得られる成
形体の強度等に影響を及ぼすおそれがある。
【0013】また、特開昭51−74017号公報に開
示される成形装置は、一対のロールによってシート状に
硬化性スラリーを移動ベルト上に供給することから、ほ
ぼ均一な幅に硬化性スラリーを移動ベルト上に供給する
ことができる点において、前記ロールで厚さを規定する
ものよりも優れている。しかし、この成形装置は、低流
動性の硬化性スラリーの成形について十分な検討がなさ
れておらず、特に速硬性を有する低流動性の硬化性スラ
リーが使用される場合に、安定かつ円滑な成形を行うた
めには検討の余地が残されている。
【0014】また、この成形装置は、前述した成形装置
と同様、低流動性の硬化性スラリー中の気泡の脱泡につ
いて十分な検討がなされておらず、低流動性の硬化性ス
ラリーが使用される場合に、硬化性スラリーに混入して
いる気泡を硬化前に十分脱泡することができず、得られ
る成形体の強度等に影響を及ぼすおそれがある。
【0015】本発明は、前記事項に鑑みなされたもの
で、セルフレベリング効果が小さい低流動性の硬化性ス
ラリーを幅及び厚さが規定された板状に成形することの
できるスラリー成形装置の提供を第1の技術的課題とす
る。また、本発明は、セルフレベリング効果が小さい低
流動性の硬化性スラリーから連続的に気泡を脱泡して成
形することができるスラリー成形装置の提供を第2の技
術的課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明のスラリー成形装
置は、少なくとも前記第1の技術的課題を解決するため
の手段として、以下のような構成とされている。すなわ
ち、本発明のスラリー成形装置は、連続的に供給される
未硬化の硬化性スラリーを移動面上に受け取って搬送す
る移動ベルトと、この移動ベルト上に設けられ移動ベル
トの搬送方向を横断する方向に沿う回転軸を有する回転
自在な第1ロールと、この第1ロールよりも前記搬送方
向における下流側において、第1ロールに対向し、かつ
前記移動面との間に所望の間隔を有して設けられ、第1
ロールの回転軸と平行な回転軸を有する回転自在な第2
ロールと、前記移動ベルトの両側部に設けられ、前記移
動面上の硬化性スラリーの流れ幅を規定する幅規定部材
とを有し、前記第1ロール及び前記第2ロールの上方か
らその両者間に前記硬化性スラリーが供給され、この硬
化性スラリーを、第1ロール及び第2ロールによって前
記移動ベルトの幅方向に展開しつつ第1ロール及び第2
ロールの間から前記移動面上に供給し、前記幅規定部材
によって幅が規定されるとともに移動面と第2ロールと
の間隔によって厚さが規定される板状成形体に成形する
ことを特徴とする。
【0017】前記構成によれば、第1ロール及び第2ロ
ールの上方からその両者間に供給された硬化性スラリー
が、両ロール上で移動ベルトの幅方向に展開して移動面
上に供給されることから、移動面上での硬化性スラリー
の展開をよりスムーズに行うことが可能となる。そし
て、移動面上に供給された硬化性スラリーは、幅規定部
材によって移動ベルト上での幅が規定され、移動面と第
2ロールとの間隔によって移動ベルト上での厚さが規定
されるため、幅及び厚さの両方が規定された板状の成形
体に成形される。
【0018】このように硬化性スラリーは、移動面上へ
の供給とほぼ同時に成形されるため、硬化性スラリーの
硬化が始まる前に成形を終了させることができる。例え
ば硬化性スラリーに速硬性セメント組成物を使用する場
合では、セメントの水和反応によって形成されつつある
組織を破壊することなく成形することができ、成形体や
最終製品の強度の低下などが抑制され、成形工程での品
質低下を抑制することが可能となる。さらに、第2ロー
ルが、移動面上の硬化性スラリーをほぼ全幅にわたって
押し出す押し出し機能を兼ね備えることにより、硬化過
程にある硬化性スラリーのしわよりや引きちぎれ等の発
生をより抑制することが可能である。
【0019】また、前記構成によれば、ほぼ静置状態と
なる硬化性スラリーの滞留が生じにくいことから、成形
装置への硬化性スラリーの固着をより抑制することが可
能となる。従って、硬化性スラリーの固着に起因する成
形装置の故障や清掃の必要性がより少なく、硬化性スラ
リーの成形をより円滑に、かつより安定して行うことが
可能である。
【0020】また、前記スラリー成形装置では、前記第
1ロール及び前記第2ロールの少なくとも何れか一方
は、ロール端部に向けて断面積が漸次減少する形状に形
成されていることが好ましい。この構成によれば、両ロ
ール上での硬化性スラリーの展開がより円滑に行われ、
かつ両ロール間から移動ベルト側部へ硬化性スラリーが
供給されやすく、移動ベルト側部へ硬化性スラリーをよ
り供給することが可能となる。この構成は、特に、幅広
の板状成形体を成形する場合や、より低い流動性の硬化
性スラリーを成形する場合等に効果的である。
【0021】一方、一般に低流動性の硬化性スラリー
は、移動や変形の過程で、成形体となったときの強度等
に影響を及ぼすような比較的大きな気泡を巻き込みやす
いことが知られている。そこで、前記スラリー成形装置
は、前述した第2の技術的課題を解決するための手段と
して、前記第1ロール及び前記第2ロールの間を通す前
の硬化性スラリー、及び前記移動面上に供給された硬化
性スラリー、の少なくとも何れかの硬化性スラリーに含
まれる気泡を脱泡する脱泡装置を有する。この構成によ
れば、成形工程において硬化性スラリーに含まれる気泡
が脱泡され、気泡の混入に起因する成形体等の品質低下
が防止され、品質の安定した成形体の製造が可能とな
る。
【0022】また、硬化性スラリーがほぼ静置状態とな
る溜まりを特に設けることなく硬化性スラリーに含まれ
る気泡が脱泡されることから、脱泡のための溜まりに起
因する成形装置への硬化性スラリーの固着を防止するこ
とが可能である。さらに、硬化性スラリーの展開、脱
泡、及び成形の三つの工程をほぼ同時に行うことができ
ることから、その後のライン設備がより簡単な構成とな
り、成形に要するライン長を短くすることができ、イニ
シャルコストがより低減され、設備のさらなる小型化も
可能であるとともに、保守点検等もより容易となる。
【0023】前記脱泡装置は、前記第1ロールと前記第
2ロールの間の上方に設けられ、両ロール間上に供給さ
れた硬化性スラリーに振動を与える上部振動装置である
と、両ロール上に供給された硬化性スラリーに含まれる
気泡が脱泡され、成形装置への供給によって混入した気
泡を硬化性スラリーから脱泡することが可能となる。ま
た、硬化性スラリーの展開とともに脱泡が可能であるこ
とから、硬化性スラリー中に気泡による空洞が形成され
にくいので移動面上への硬化性スラリーの供給が途切れ
にくく、連続して、かつ安定して硬化性スラリーを移動
面上へ供給することが可能となる。
【0024】また、前記脱泡装置は、前記第1ロールと
前記第2ロールの間の下方であるとともに前記移動ベル
トの上方に設けられ、前記移動面上に供給された硬化性
スラリーに振動を与える下部振動装置であると、移動面
上への硬化性スラリーの供給によって混入する気泡が脱
泡されることから、品質の安定した成形体を製造するこ
とが可能となる。
【0025】また、前記脱泡装置は、前記移動ベルトの
下方に設けられ、移動面上に供給された硬化性スラリー
に移動ベルトの下方から振動を与えるタッピング装置で
あると、前述した下部振動装置と同様に、品質の安定し
た成形体を製造することが可能となる。
【0026】また、前記スラリー成形装置は、前記第1
ロールの周面が前記移動面に当接していることが好まし
い。この構成によれば、第1ロールから移動ベルトの搬
送方向における上流側への硬化性スラリーの漏出を防止
することが可能となる。また、第1ロールの周面と移動
面とが摺接することから、第1ロール周面に付着する硬
化性スラリーが第1ロール周面から取り除かれやすく、
第1ロール周面への硬化性スラリーの固着を防止するこ
とが可能となる。
【0027】また、前記スラリー成形装置は、前記第1
ロールと前記移動ベルトの間に設けられるロールであっ
て、第1ロールの回転軸に平行な回転軸を有し、第1ロ
ールの周面と移動面との両方に周面が当接して第1ロー
ルの周面に付着した前記硬化性スラリーを取り除く回転
自在なクリーニングロールを有すると、第1ロールが移
動面に当接している構成と同様に、移動ベルト上流側へ
の硬化性スラリーの漏出を防止することが可能となり、
かつ第1ロール周面のクリーニング性をより向上させる
ことが可能となる。
【0028】また、前記スラリー成形装置は、前記板状
成形体の厚さを規定する所望の間隔を有して前記移動面
から離間して設けられ、前記第2ロールの周面に当接し
て第2ロールの周面に付着した前記硬化性スラリーを取
り除くクリーニング部材を有することが好ましい。この
構成によれば、クリーニング部材が第2ロールの周面に
当接することから、第2ロール周面への硬化性スラリー
の固着を防止することが可能となるとともに、厚さが規
定された硬化性スラリーの表面における平滑性をより向
上させることが可能となる。
【0029】また、前記スラリー成形装置の幅規定部材
としては、前記移動ベルトの両側部に設けられた一対の
サイドプレートであることが好ましい。この構成によれ
ば、簡単な構成によって硬化性スラリーの流れ幅を規定
することが可能となり、また、硬化性スラリーの流れ幅
を容易に調整することが可能となる。
【0030】また、前記幅規定部材は、その自重及び押
圧手段の少なくとも何れかにより前記移動ベルトの両側
部に向けて押圧されて、移動ベルトと同調して一体的に
移動する一対のサイドベルトであっても良い。この構成
によれば、移動ベルトと幅規定部材であるサイドベルト
とが一体的に移動することから、硬化性スラリーと幅規
定部材との摺接が防止され、幅及び厚さの規定された硬
化性スラリーのしわよりや引きちぎれ等をより抑制する
ことが可能となる。
【0031】また、前記スラリー成形装置で成形される
硬化性スラリーとしては、少なくともセメントと水とフ
ィラーとを含有し、かつ速硬性を有する速硬性セメント
組成物であることが好ましい。このような速硬性セメン
ト組成物を使用することによって、物理的特性や化学的
特性にも優れる成形体を高い生産性で製造することが可
能となる。
【0032】また、この速硬性セメント組成物は、内径
50mm、高さ50mmの円筒体である試験用ペースト
容器に前記速硬性セメント組成物を充填し、前記試験用
ペースト容器をJISR5201に規定するフローテー
ブル上に立て、前記試験用ペースト容器を引き抜き、前
記フローテーブルへ10秒間に10回の落下運動を与え
たとき、前記フローテーブル上に広がった前記速硬性セ
メント組成物の広がり直径が160mm以下となる速硬
性セメント組成物であることが好ましい。
【0033】速硬性セメント組成物が前記条件を満たす
ものであると、前記第1ロール、前記クリーニングロー
ル、及び前記幅規定部材(例えば前記サイドプレート)
等の部材同士、又はこれらの部材と移動ベルト表面との
間に隙間が生じる場合においても、その隙間が1.5m
m以下であれば、未硬化の速硬性セメント組成物の表面
張力によって、前記隙間からの速硬性セメント組成物の
漏出が防止され、安定かつ円滑な板状成形体の製造が可
能となる。以下、本発明のスラリー成形装置について、
より詳しく説明する。
【0034】前記移動ベルトは、前記硬化性スラリーの
浸透や漏れ、あるいは付着のない形態であることが望ま
しく、また、硬化性スラリーの硬化条件として加熱が有
利である場合などでは、前記硬化条件に耐えうるものが
望ましい。
【0035】前記移動ベルトとしては、可撓性を有する
無端ベルトを好ましくは例示することができ、この移動
ベルトと、移動ベルトを支持する二本以上の回転プーリ
と、この回転プーリの少なくとも一本を回転させる回転
駆動部と、回転プーリ間に位置して移動ベルトを裏側か
ら平坦に支える支持板等を有するベルトコンベアを構成
することによって、移動面上に受け取った硬化性スラリ
ーを搬送する移動ベルトを構成することが可能となる。
【0036】また、前記移動ベルトの材質としては、加
硫ゴム、ブタジエン系合成ゴム、テフロン(登録商標)
やその他樹脂のほか、硬化に際して加熱を用いる場合に
好適な移動ベルトの材質としては、ステンレス、高張力
鋼等のスチール、あるいはガラスクロス等を例示するこ
とができる。
【0037】前記第1ロールと前記第2ロールは、一対
のロールを形成し、硬化性スラリーを移動ベルトの幅方
向に展開しつつ移動面上に硬化性スラリーを供給するた
めの手段である。第1ロールと第2ロールは、同径のロ
ールであっても良く、また、径の異なるロールであって
も良い。
【0038】第1ロール及び第2ロールは、硬化性スラ
リーとによる磨耗の防止等の観点から、物理的特性に優
れた材質で構成されることが好ましく、かつ、硬化性ス
ラリーによる腐食の防止等の観点から、化学的特性に優
れた材料で構成されることが好ましい。このような材質
としては、例えば、ステンレス等の金属や、セラミック
ス等の無機材料等を例示することができる。
【0039】また、第1ロールと第2ロールは、互いに
順方向に回転していても良いし、対向方向に回転してい
ても良い。例えば、硬化性スラリーを両ロール間に導く
ように第2ロールを回転させ、この第2ロールに対して
第1ロールを対向回転させる場合では、硬化性スラリー
の移動ベルトへの供給に対して、硬化性スラリーの移動
ベルト幅方向への展開をより優先させることができ、よ
り低流動性の硬化性スラリーの成形等に好適である。こ
のように、硬化性スラリーの供給と展開のバランスは、
第1ロールと第2ロールの回転方向によって調整するこ
とが可能である。
【0040】また、第1ロールと第2ロールは、互いに
等速で回転していても良いし、異なる回転速度で回転し
ていても良い。例えば、第2ロールの回転数が第1ロー
ルの回転数よりも高い場合では、第2ロールによって移
動ベルト上の硬化性スラリーを押し出す作用がより強く
なり、より低流動性の硬化性スラリーの成形や、より大
きな厚さの成形体の製造等に好適である。このように、
硬化性スラリーの供給は、第1ロールと第2ロールの回
転速度によって調整することが可能である。
【0041】また、第1ロールと第2ロールは、互いの
周面が当接していても良いし、所望のクリアランスを有
して離間して設けられていても良い。例えば、硬化性ス
ラリーの成形厚さ(以下、「成形高さ」ともいう)が1
0〜40mm程度である場合では、概ね3mm程度のク
リアランスを有することが、硬化性スラリーの展開、所
望の成形厚さとなるような硬化性スラリーの成形等に好
適である。このように、硬化性スラリーの展開と供給の
バランスは、第1ロールと第2ロールのクリアランスに
よって調整することも可能である。
【0042】第1ロールと第2ロールは、所定の位置に
固定されて設けられていても良いが、移動ベルトの移動
面に対して接近、離間した任意の位置に固定位置を変更
自在であったり、移動ベルトの搬送方向に沿って固定位
置を変更自在であることが好ましい。また、第1ロール
と第2ロールは、一方が固定され他方が固定位置を変更
自在であっても良いし、両方が固定位置を変更自在であ
っても良い。
【0043】第1ロールや第2ロールにおいて、固定位
置を変更自在な構成としては特に限定されないが、例え
ば、ラック−ピニオン機構やウォームギヤ機構等、回転
運動を直線運動に変換する機構等を利用した構成を例示
することができる。
【0044】また、第1ロールと第2ロールは、少なく
とも何れかが、ロール端部に向けて断面積が漸次減少す
る形状であっても良く、このような形状としては、例え
ばテーパ状を例示することができるが、断面積の減少は
直線的なものに限定されるわけではなく、断面積が曲線
的に減少する形状であっても良い。なお、第1ロールと
第2ロールの両方がテーパ状等の形状に形成されていて
も良い。
【0045】前記幅規定部材は、移動面上の硬化性スラ
リーの流れ幅を規定することが可能であれば特に限定さ
れないが、前記流れ幅を所望の幅に規定自在であること
が、様々な規格の成形体を製造する上で好ましい。幅規
定部材は、使用される硬化性スラリーの種類や性状等に
よって使い分けられると良く、好適な幅規定部材とし
て、前述したサイドプレートやサイドベルト等を挙げる
ことができる。
【0046】前記サイドプレートは、前記移動ベルトと
同様、硬化性スラリーの浸透や漏れ、あるいは付着のな
い形態であることが望ましい。また、サイドプレート
は、未硬化の硬化性スラリーの硬化速度を速めるために
硬化性スラリーの加熱等を行う場合にも耐えうる素材で
あることが好ましい。さらに、サイドプレートは、移動
ベルトの幅方向に接近、又は離間した所望の位置に容易
に位置変更自在、かつ固定自在に構成されることが好ま
しい。なお、サイドベルトは、移動ベルトに接触して配
置されても良く、非接触に配置されても良い。
【0047】また、前記サイドプレートの長さは、硬化
性スラリーの種類や硬化条件、移動ベルトの運転状態等
によって様々だが、硬化性スラリーの成形状態が変化し
なくなるまで硬化性スラリーを保持できる長さであれば
良い。例えば、前述した速硬性セメント組成物を使用す
る場合では、前記スランプフロー試験で規定される速硬
性セメント組成物の流れ幅を概ね5分程度拘束できる長
さであれば十分である。
【0048】前記サイドプレートを移動ベルトに接触し
て配置する場合には、サイドプレートの接触による移動
ベルトの損傷を防止するために、サイドプレートを移動
ベルトよりも柔らかい材質によって形成しても良いし、
あるいは、サイドプレートの移動ベルトとの接触部分
に、サイドプレートと移動ベルトとの滑りを良くして移
動ベルトとの摩擦抵抗を軽減する滑り部材を設けても良
い。前記滑り部材には、表面がフッ素樹脂加工されたテ
ープ等を例示することができる。
【0049】また、サイドプレートを移動ベルトに対し
て非接触に配置する場合には、サイドプレートと移動ベ
ルトとの間に生じた隙間から硬化性スラリーの漏出を防
止する漏れ止め手段を設けても良い。このような漏れ止
め手段としては、例えば、前記隙間を移動ベルトの側方
から均一に押圧する気流等を発生する気流発生装置や、
前記隙間を閉塞するパッド等の閉塞部材等を例示するこ
とができる。
【0050】前記サイドベルトは、移動ベルトと同様
に、硬化性スラリーの浸透や漏れ、あるいは付着のない
形態であることが望ましく、また、硬化性スラリーの硬
化条件として加熱が有利である場合などでは、前記硬化
条件に耐えうるものが望ましい。また、サイドベルト
は、移動ベルトとの摩擦抵抗の大きな素材、あるいは形
状で形成されると、移動ベルトとの同調に対して好まし
い。
【0051】前記サイドベルトとしては、可撓性を有す
るとともに無端ベルトであり、かつ断面が矩形であるベ
ルトや、矩形のユニットを複数連結して無端ベルト状に
形成されるキャタピラ構造のサイドベルト等を例示する
ことができる。また、サイドベルトの材質としては、移
動ベルトのベルト同様、加硫ゴム、ブタジエン系合成ゴ
ム、テフロンやその他樹脂のほか、硬化に際して加熱を
用いる場合に好適なサイドベルトの材質としては、ステ
ンレス、高張力鋼等のスチールを例示することができ
る。
【0052】サイドベルトを押圧する押圧手段は、移動
ベルトにサイドベルトを押圧しつつ、サイドベルトの移
動に対して抵抗を生じにくい形態であることが望まし
く、前記硬化性スラリーの供給を受ける移動ベルト(往
路)側に位置するサイドベルトを押圧するだけでなく、
戻りの移動ベルト(復路)側に位置するサイドベルトを
押圧するように適所に配置されると、サイドベルトと移
動ベルトとの同調に好適である。
【0053】移動ベルトの往路側に配置される押圧手段
としては、例えば、回転自在に軸支されるとともにその
周面がサイドベルトに当接するロールを、移動ベルトへ
押圧する方向へ付勢した押圧手段を例示することができ
る。また、移動ベルトの復路側に配置される押圧手段と
しては、例えば、回転自在に軸支されるとともに周面が
サイドベルトに当接する一方のロールと、周面が移動ベ
ルトに当接する他方のロールとを有し、これらのロール
が互いに接近する方向へ付勢した押圧手段を例示するこ
とができる。
【0054】なお、前記付勢は、ばね等の弾性体を使用
することにより達成しても良い。また、サイドベルトに
当接するロールの周面には、サイドベルトがはまり込む
凹溝を全周にわたって設けると良い。
【0055】また、押圧手段のロールは、移動ベルトの
幅方向に接近、又は離間した所望の位置へサイドベルト
を案内するように設けられることが好ましい。このよう
なロールの設け方としては、ロールの位置をその回転軸
に沿う方向に変更自在な構成にすると良く、例えば、ベ
ルチャックや番いクランプ、鍔つかみ、主軸つかみ等、
締着によって回転軸に固定自在な固定部材を使用するこ
とにより、回転軸の軸方向におけるロールの位置を任意
に設定自在な構成にすると良い。
【0056】また、サイドベルトを所定の位置に案内す
る手段としては、前述したロールの位置変更の他に、サ
イドベルトと移動ベルトの接触部分に、サイドベルトを
所望の位置に案内する構成を設けても良く、このような
構成としては、例えば、移動ベルトの長手方向に延びる
凸条又は凹条を移動ベルトの両側部に設け、この凸条又
は凹条に嵌合する凹条又は凸条をサイドベルトに設ける
構成等を例示することができる。
【0057】前記脱泡装置は、硬化性スラリーに含まれ
る気泡を脱泡するための手段である。本発明における脱
泡装置は、前記第1及び第2ロールの間を通過する前に
硬化性スラリー中の気泡を脱泡する脱泡装置であって良
いし、第1及び第2ロール間を通過して移動面上に供給
された硬化性スラリー中の気泡を脱泡する脱泡装置であ
っても良い。また、これらの脱泡装置の複数を組み合わ
せて使用しても良い。
【0058】ロール通過前の硬化性スラリー中の気泡を
脱泡する脱泡装置としては、例えば、前述した上部振動
装置を挙げることができる。この上部振動装置として
は、両ロール上にロールの軸方向に沿って配置される上
部振動子と、この上部振動子を支持する支持アームとを
有し、この支持アームを振動させることによって上部振
動子を振動させ、硬化性スラリーに振動を与える構成を
例示することができる。
【0059】上部振動子の振動は、その振動方向につい
て特に限定されず、両ロールに接近、離間する方向(上
下方向)の振動であっても良いし、両ロールの軸方向に
沿う方向(左右方向)の振動であっても良いし、移動ベ
ルトの搬送方向に沿う方向(前後方向)の振動であって
も良い。さらに上部振動子の振動は、前述した振動を組
み合わせたものであっても良い。
【0060】上部振動装置が振動を生じる機構は、硬化
性スラリー中の気泡を脱泡することができる振動を生じ
させる機構であれば良く、例えば、液圧や気圧を利用し
た圧力シリンダ装置や、カムを利用した機構や、スライ
ダクランク機構や、可動鉄心を備えるソレノイドを利用
した機構等を例示することができる。
【0061】また、ロール通過前の硬化性スラリー中の
気泡を脱泡する脱泡装置の他の例としては、例えば、円
形の中空部を有するケーシングの適所に硬化性スラリー
の供給口を設けるとともに、このケーシングの外周部の
適所に硬化性スラリーの排出口を設け、硬化性スラリー
を前記ケーシングの外周部内面に叩き付ける回転体をケ
ーシング内に設け、前記排出口から排出された硬化性ス
ラリーが、前記両ロール上に供給されるように配置され
る脱泡装置を例示することができる。
【0062】前記移動面上の硬化性スラリー中の気泡を
脱泡する脱泡装置としては、例えば、前述した下部振動
装置やタッピング装置等を挙げることができる。下部振
動装置としては、前述した上部振動装置と同様の構成を
例示することができ、両ロール下にロールの軸方向に沿
って配置される下部振動子と、この下部振動子を支持す
る支持アームとを有し、この支持アームを振動させるこ
とによって下部振動子を振動させ、硬化性スラリーに振
動を与える構成を例示することができる。また、下部振
動子の振動、及び下部振動装置が振動を生じる機構につ
いても、前述した上部振動子の振動、及び上部振動装置
が振動を生じる機構と同様のものとすることができる。
【0063】前記タッピング装置は、硬化性スラリーか
ら気泡を脱泡させるのに十分な振動を硬化性スラリーに
与える振幅を生じるものであれば良い。硬化性スラリー
の脱泡に要する振動は、硬化性スラリーの性状や成形厚
さ等によって異なるが、例えば、硬化性スラリーの成形
厚さが5〜100mmである場合に、前記振幅は20〜
30mmであることが好ましく、また、前記振幅で移動
ベルトに加える打撃回数(すなわちタッピングの回数)
は、1〜90回/秒であることが好ましい。
【0064】タッピング装置の一例としては、移動ベル
トの下面にロッドを押し当てるタッピング装置を例示す
ることができる。このタッピング装置としては、油圧シ
リンダや空気圧シリンダ等を利用したシリンダ装置や、
ロッドとしての可動鉄心を備えるソレノイド等を例示す
ることができる。さらに、このタッピング装置は、ロッ
ドの先端と移動ベルトの下面との間に介在するタッピン
グプレートを有する構成であると、移動ベルトに加える
振動の伝達面積を大きくすることが可能となる。
【0065】また、タッピング装置の他の一例として
は、回転時に移動ベルトの下面を叩く打撃部を有する回
転体からなるタッピング装置を例示することができる。
このタッピング装置としては、円柱形でありその周面に
打撃部として突起を突設したものや、断面が三角形以上
の多角形でありその周面の角部を打撃部としたもの等を
例示することができる。さらに、このタッピング装置
は、回転体の回転軸の方向が、移動ベルトの移動方向に
直交するように配置されても良いし、移動ベルトの移動
方向と平行となるように配置されても良いし、直交と平
行を交互にして複数の回転体を配置しても良い。
【0066】回転体を利用するタッピング装置は、シリ
ンダ装置等を利用するタッピング装置に比べて、振動時
に上下方向だけでなく水平方向成分の力も硬化性スラリ
ーに与えることが可能である。
【0067】前記クリーニングロールは、移動ベルト上
流側への硬化性スラリーの漏出を防止するとともに、第
1ロール周面での硬化性スラリーの固着を防止するため
の手段である。クリーニングロールは、硬化性スラリー
の漏出を防止できる範囲であれば、移動ベルトに当接し
ていなくても良い。クリーニングロールは、第1ロール
に対向回転することが、第1ロール周面のクリーニング
性を高める上で好ましい。また、クリーニングロールの
周面に適度な硬さの弾性体、例えばシリコン等のゴムや
樹脂等を設けて、第1ロール周面のクリーニング性及び
移動ベルトとの密着性をより高めることも可能である。
【0068】前記クリーニング部材は、第2ロール周面
での硬化性スラリーの固着を防止するための手段である
が、第2ロールと移動ベルトとの間隔によって規定され
た硬化性スラリーの成形厚さを維持するとともに、成形
された硬化性スラリーの表面を平滑にするものであるこ
とがより好ましい。クリーニング部材は、このような作
用を示すものであれば、その形態は特に限定されず、例
えば、第2ロール周面に一辺が当接するとともに移動面
に対して平行に設けられたクリーニングプレートや、移
動面に対して所望の間隔を有して設けられ第2ロール周
面に当接する周面を有する回転自在な下流側クリーニン
グロール等を例示することができる。これらのクリーニ
ング部材は、第2ロールと同様に、移動面に対して、又
は搬送方向に沿って固定位置を変更自在な構成であるこ
とが好ましい。
【0069】前記硬化性スラリーは、無機質硬化性材料
を主体とする混合物であり、少なくとも無機質硬化性材
料と水とを含有する。無機質硬化性材料は、自硬性のあ
るものなら特に限定されるものではない。このような硬
化性スラリーとしては、例えば、石膏や前述した速硬性
セメント組成物等を例示することができる。なお、硬化
性スラリーには、好適な添加材や、各種添加剤等がさら
に含まれていても良い。
【0070】速硬性セメント組成物は、少なくともセメ
ントと水とフィラーとを含有する混合物であり、これら
の他にも各種添加剤として適当な添加剤を配合しても良
い。また、速硬性セメント組成物は、速硬性セメントを
含有するセメント組成物であっても良いし、速硬性を有
さないセメントに硬化を促進する硬化促進剤等の添加剤
を配合したセメント組成物であっても良い。また、速硬
性セメント組成物は、加温等の硬化条件によって硬化が
促進されるセメント組成物であっても良い。
【0071】前記速硬性セメント組成物に使用されるセ
メントとしては、普通セメント、早強セメント、超早強
セメント等のポルトラントセメント、高炉セメント、シ
リカセメント、フライアッシュセメント等の混合セメン
ト、あるいはアルミナセメント、ジェットセメント、Q
Tセメント、環境調和型セメント(エコセメント)、ア
ーウィン系セメント、アリナイト、ベリナイト等を例示
することができる。
【0072】前記添加材には、補強、加工性付与、軽量
化、増量等を目的に配合することができ、木片や木質繊
維のような木質フィラー、パルプ繊維、その他の無機質
補強用繊維、有機質補強用繊維、無機質軽量骨材、有機
質軽量骨材、砕石、細骨材、粗骨材等を例示することが
できる。これらのフィラー材の種類及び配合量は、目的
とする製品の性能に対して任意に設定すれば良い。
【0073】また、成形後の硬化性スラリーの養生条件
によっては、ALC(Autoclaved Lightweight Concret
e)の如く、珪酸カルシウム系板材も製造できるので、
こうした場合には、最終的に望まれる製品形態に応じて
適宜原料を選択する。また、硬化性スラリー中における
水の配合量は、得られる板材の比重、所望の強度等を勘
案して決定されるが、例えば水/セメント重量比とし
て、20〜300%である。
【0074】さらに、本発明における硬化性スラリー
は、前記の添加材のほかに各種添加剤を含むことができ
る。各種添加剤には、スラリー流動化剤、スラリー粘性
調整剤、硬化促進剤、各種分散剤等を例示することがで
きる。これらは、製造ライン上での硬化性スラリーの取
り扱いや、所望する製品の性能に応じてその種類や配合
量を調整すれば良い。
【0075】本発明のスラリー成形装置は、前述した構
成の他に、成形体の製造に有利な他の手段をさらに設け
ても良い。このような手段としては、例えば、仕上げ用
ロール、仕上げ用プレート、模様付けロール、模様付け
プレートなどのように、第2ロールよりも下流側に配置
され成形された硬化性スラリーに当接して成形を仕上げ
る仕上げ用手段や、ヒータを内蔵するとともに移動ベル
トを跨いで設けられる加熱養生ボックスなどのように、
移動ベルト上の硬化性スラリーの硬化を促進させる硬化
促進手段等を例示することができる。また、これら他の
手段は、複数を可能な限り組み合わせることができる。
【0076】
【発明の実施の形態】以下、本発明のスラリー成形装置
における実施の形態を、添付した図面に基づき例示する
とともに説明する。
【0077】<第1の実施の形態>本実施の形態におけ
るスラリー成形装置は、図1及び図2に示されるよう
に、連続的に供給される未硬化の硬化性スラリーを移動
面上に受け取って搬送する移動ベルト1と、移動ベルト
1上に設けられ移動ベルト1の搬送方向を横断する方向
に沿う回転軸を有する回転自在な第1ロール2と、第1
ロール2よりも前記搬送方向における下流側において第
1ロール2に対向し、かつ前記移動面との間に所望の間
隔を有して設けられ、第1ロール2の回転軸と平行な回
転軸を有する回転自在な第2ロール3と、移動ベルト1
の両側部に設けられ、前記移動面上に供給された硬化性
スラリーの流れ幅を規定する幅規定部材である一対のサ
イドプレート4、4とを有している。
【0078】また、前記スラリー成形装置には、第1ロ
ール2及び第2ロール3の間の上方に、第1ロール2上
及び第2ロール3上に供給された硬化性スラリーに振動
を与える上部振動装置5が設けられ、第1ロール2及び
第2ロール3の間の下方であるとともに移動ベルト1の
上方に、前記移動面上に供給された硬化性スラリーに振
動を与える下部振動装置6が設けられ、移動ベルト1の
下方に、移動面上の硬化性スラリーに移動ベルト1の下
方から振動を与えるタッピング装置7が設けられてい
る。
【0079】第1ロール2よりも上流側の移動ベルト1
上には、第1ロール2及び第2ロール3間の上方に開口
するスラリー排出口13aを有し、硬化性スラリーの原
材料を混練して硬化性スラリーを連続的に形成、供給す
る連続ミキサー13が設けられている。
【0080】また、第2ロール3よりも下流側には、第
2ロール3の周面に当接して第2ロール3の周面に付着
した硬化性スラリーを取り除くクリーニング部材8と、
仕上げ用ロール9と、仕上げ用プレート10、11と
が、硬化性スラリーの成形厚さを規定する所望の間隔を
有して前記移動面から離間して設けられている。仕上げ
用プレート11のさらに下流側には、硬化性スラリーの
硬化を促進すべく移動ベルト1上の硬化性スラリーを加
熱する加熱養生ボックス12が複数設けられている。
【0081】移動ベルト1は、合成ゴム製の無端ベルト
から成り、この移動ベルト1を2箇所で支持する回転プ
ーリ1b、1bと、この回転プーリ1b、1bの一方に
接続されて回転プーリ1bを回転駆動させることにより
移動ベルト1を移動させる駆動源である移動ベルト駆動
用モータ1cと、移動ベルト1の側方に張り出して設け
られるフレーム1dと、硬化性スラリーが供給される移
動ベルト1の移動面(往路側)を裏側から支持する支持
板1e等とともにベルトコンベア1aを構成している。
ここで支持板1eは、第1ロール2の直下には設けられ
ておらず、成形体の寸法精度を向上させるために第2ロ
ール3の直下に設けられている。
【0082】第1ロール2は、図1及び図3に示される
ように、周面が前記移動面に当接して設けられている。
第1ロール2は、下端が移動ベルト1の表面と同じ高さ
又は数mm程度低めになるように配設され、硬化性スラ
リーの漏れを防止するとともに、万一異物等が上流から
流れてきた場合に、第1ロール2と移動ベルト1の損傷
を防ぐ構造になっている。また、第1ロール2は、その
回転方向及び回転速度を設定自在に構成されている。な
お、第1ロール2は、前記移動面に対して接近、離間す
る方向へ固定位置を変更自在に構成されていても良い
し、移動ベルト1の搬送方向に沿って固定位置を変更自
在に構成されていても良い。
【0083】第2ロール3は、同じく図1及び図3に示
されるように、前記移動面から硬化性スラリーの成形厚
さとして所望の間隔だけ離間して設けられてる。また、
第2ロール3は、第1ロール2との間に適当な(例えば
1〜10mm程度)クリアランスを有して設けられてい
る。第2ロール3も、第1ロール2と同様、回転方向及
び回転速度を設定自在に構成されている。また、第2ロ
ール3も、前記移動面に対して接近、離間する方向へ固
定位置を変更自在に構成されていても良いし、移動ベル
ト1の搬送方向に沿って固定位置を変更自在に構成され
ていても良い。なお、第1ロール2の直径D2は、第2
ロール3の直径をD3、スラリーの成形高さをtとする
とき、計算式:D2=D3+tによって得られる値の直径
又はこの値に近似する直径であることが好ましい。
【0084】サイドプレート4、4は、図4に示される
ように、移動ベルト1の幅方向における所望の位置に、
フレーム1dに配置される複数のアーム4a、4a・・・
によって支持されている。サイドプレート4、4は、表
面がフッ素樹脂加工された滑り部材14が一側に接着さ
れ、この滑り部材14を介して移動ベルト1と接触する
ように配置されている。なお、アーム4a、4a・・・
は、図示しないが前記所望の位置にサイドプレート4、
4を配置自在に構成されている。なお、サイドプレート
4、4は、滑り部材14を設けずに、移動ベルト1との
隙間を1.5mm以下に設定して、移動ベルト1に対し
て非接触に配置されていても良い。
【0085】上部振動装置5は、図5及び図6に示され
るように、第1ロール2よりも若干短い円柱状の上部振
動子5aと、上部振動子5aの中央部に一端が接続され
て上部振動子5aを所定の高さに支持する上部振動アー
ム5bとを有している。上部振動アーム5bは、他端側
で図示しない振動発生装置と接続されている。
【0086】下部振動装置6は、同じく図5及び図6に
示されるように、第1ロール2よりも若干長い円柱状の
下部振動子6aと、下部振動子6aの両端にそれぞれ一
端が接続されて下部振動子6aを所定の高さに支持する
二本の下部振動アーム6b、6bとを有している。下部
支持アーム6b、6bも、他端側で図示しない振動発生
装置と接続されている。
【0087】タッピング装置7は、第1ロール2及び第
2ロール3の直下でかつ移動ベルト1の下方に設けら
れ、図7に示されるように、円柱形の回転体7aと、回
転体7aの周面に突起として突設された複数の打撃部7
bとを有している。回転体7aは、移動ベルト1上の硬
化性スラリーに対して所定の振幅(例えば20〜30m
m程度)の振動を与えるように、打撃部7bが移動ベル
ト1を押し上げる位置に配置されている。また、回転体
7aは、回転速度及び回転方向を設定自在に設けられて
いる。なお、打撃部7bは、移動ベルト1の幅方向にお
いて、硬化性スラリーに対して同期の振動を与えるべく
回転体7aの軸方向に沿って直線状に配置されていても
良いし、硬化性スラリーに対して若干ずれた周期の振動
を与えるべく回転体7aの軸方向に対して斜めに配置さ
れていても良い。
【0088】クリーニング部材8は、矩形のプレートに
形成されており、一辺が第2ロール3の周面を第2ロー
ル3のほぼ全幅にわたって当接するように配置されてい
る。また、クリーニング部材8は、下面が移動ベルト1
に対して平行になるように配置されており、移動ベルト
1との間隔を設定自在に設けられている。
【0089】仕上げ用ロール9は、第2ロール3と同様
に回転自在なロールであり、移動ベルト1の搬送方向に
対して順方向に回転するように設けられている。仕上げ
用ロール9は、回転速度が設定自在であり、また、固定
位置も変更自在に設けられている。
【0090】仕上げ用プレート10、11は、クリーニ
ング部材8と同様に矩形のプレートに形成されている。
仕上げ用プレート10は、一辺が仕上げ用ロール9の周
面を仕上げ用ロール9のほぼ全幅にわたって当接するよ
うに配置されている。仕上げ用プレート11は、仕上げ
用プレート10の下流側に独立して配置されている。仕
上げ用プレート10、11は、それぞれ下面が移動ベル
ト1に対して平行になるように配置されており、移動ベ
ルト1との間隔を設定自在に設けられている。
【0091】加熱養生ボックス12は、移動ベルト1の
往路側を覆う筺体内に赤外線加熱装置等の加熱装置を配
置した加熱装置である。加熱養生ボックス12による加
熱は、移動ベルト1の材質や硬化性スラリーの硬化条
件、あるいは移動ベルト1の運転条件等の条件によって
適宜設定される。
【0092】連続ミキサー13は、硬化性スラリーを形
成する種々の材料が所定量、あるいは所定割合で供給さ
れ、これらの材料を連続的に混練するミキサーである。
連続ミキサー13には様々な形態が考えられるが、安定
した混練性の点から、ピンミキサーあるいはピンレスミ
キサーの総称で知られる回転板式ミキサーが使用され
る。
【0093】次に、本実施の形態におけるスラリー成形
装置の作動状態について、硬化性スラリーとして速硬性
セメントの一種である環境調和型セメント(エコセメン
ト)を配合したセメント組成物から成形体であるコンク
リート板を製造する場合を例に説明する。
【0094】エコセメントは、都市ゴミ焼却灰や下水汚
泥等、塩素を含有する産業廃棄物を主成分として利用す
ることにより、速硬性の水硬性鉱物であるカルシウムク
ロロアルミネート(11CaO・7Al23・CaCl
2)を含有する速硬性のセメントである。エコセメント
を使用したコンクリートの強度は、一般のセメントを使
用したコンクリートと同等かそれ以上であり、凝結時間
が20〜40分という速硬性を有するため、コンクリー
ト板等の板状成形体や空洞ブロック等、様々なコンクリ
ート製品を連続的に生産するのに適している。
【0095】エコセメントは、水及びフィラーととも
に、所定の割合で連続的に連続ミキサー13へ供給され
る。このとき、各材料の割合は、前述したスランプフロ
ー試験での広がり直径が160mm以下となる割合で、
かつ強度等の観点からコンクリート板に適した割合で連
続ミキサー13に供給される。なお、フィラーは、補
強、加工性付与、軽量化、増量等を目的に配合されるも
ので、目的に応じて砂、スラグ、フライアッシュ、シリ
カヒュームのような粉粒状細骨材や、木や竹などの植物
繊維、又は紙片のような繊維等が使用される。
【0096】連続ミキサー13に供給された前記各材料
は、連続ミキサー13によって混練されて速硬性セメン
ト組成物であるエコセメント組成物となる。混練された
エコセメント組成物は、連続ミキサー13からスラリー
排出口13aを通って第1ロール2及び第2ロール3間
に上方から供給される。
【0097】第1ロール2及び第2ロール3は、両ロー
ル間にエコセメント組成物を導くように順方向に回転し
ており、この回転は、両ロール上でのエコセメント組成
物の展開、及び移動ベルト1上へのエコセメント組成物
の供給や成形条件等に適した回転速度に設定されてい
る。また、移動ベルト1も矢印X方向へ運転しており、
この運転は、エコセメント組成物の供給量、移動ベルト
1上でのエコセメント組成物の幅や厚さ、加熱養生ボッ
クス12によって促進されるエコセメント組成物の硬化
速度等の諸条件によって最適な移動速度で移動ベルト1
が矢印X方向へ移動するように設定されている。
【0098】両ロール間に上方から供給されたエコセメ
ント組成物は、両ロールの回転によって移動ベルト1の
幅方向に展開される。また、両ロール間に上方から供給
されたエコセメント組成物は、上部振動装置5による振
動を受け、この振動によってエコセメント組成物中に含
まれる気泡が脱泡される。両ロール上におけるエコセメ
ント組成物の展開及び脱泡はほぼ同時に行われ、エコセ
メント組成物は移動ベルト1の全幅にわたってほぼ均等
に供給される。
【0099】移動ベルト1上に供給された未硬化のエコ
セメント組成物は、下部振動装置6及びタッピング装置
7による振動を受ける。これらの振動によってエコセメ
ント組成物中に含まれる気泡が脱泡される。脱泡された
エコセメント組成物は、移動ベルト1によって矢印X方
向に移動するが、サイドプレート4、4によって移動ベ
ルト1上での流れ幅が規定され、第2ロール3通過時に
移動ベルト1と第2ロール3との間隔によって移動ベル
ト1上での厚さが規定される。このようにして、脱泡さ
れたエコセメント組成物は板状に成形され、この形状を
維持したまま移動ベルト1によって搬送される。
【0100】エコセメント組成物は、前記両ロールによ
って移動ベルト1の幅方向に展開しつつ移動ベルト1に
供給されるため、移動ベルト1の側部にもエコセメント
組成物が十分に供給される。このため、低流動性のエコ
セメント組成物であっても、サイドプレート4、4によ
って規定される流れ幅まで展開させることができる。ま
た、移動ベルト1と第2ロール3との間隔によって、第
2ロール3直下を通過できるエコセメント組成物の厚さ
が規定されるため、低流動性のエコセメント組成物であ
っても、均一に厚さを規定することができる。すなわ
ち、エコセメント組成物の展開、脱泡、及び成形がほぼ
同時に行われる。
【0101】第2ロール3直下を通過したエコセメント
組成物は、クリーニング部材8の下面に当接しながら、
移動ベルト1によって板状を維持したまま搬送される。
このとき第2ロール3は、板状に成形されたエコセメン
ト組成物を、移動ベルト1のほぼ全幅にわたって押し出
すことから、第2ロール3から下流側でのエコセメント
組成物のしわよりや引きちぎれ等が防止される。また、
クリーニング部材8が第2ロール3の周面に当接してい
ることから、第2ロール3周面に付着しているエコセメ
ント組成物が第2ロール3周面から掻き取られる。
【0102】移動ベルト1上のエコセメント組成物は、
クリーニング部材8の下面によって均され、平滑な表面
に成形される。その後仕上げ用ロール9、仕上げ用プレ
ート10、11によって同様に表面が均され、より平滑
な表面に成形される。このとき、仕上げ用プレート10
が仕上げ用ロール9の周面に当接していることから、前
述した第2ロール3及びクリーニング部材8と同様に、
仕上げ用ロール9周面でのエコセメント組成物の付着が
防止される。
【0103】仕上げ用プレート11を通過したエコセメ
ント組成物は、加熱養生ボックス12内に搬送される。
加熱養生ボックス12内を通ることによって、エコセメ
ント組成物の硬化が促進される。
【0104】加熱養生ボックス12を通過したエコセメ
ント組成物は、移動ベルト1の終端以降に設けられる切
断工程へ搬送され、そこで所定の長さに切断される。切
断されたエコセメント組成物は、その後、本格的に硬化
させる養生工程等に搬送されて最終製品であるコンクリ
ート板となる。
【0105】なお、本実施の形態では、移動ベルト1上
に供給された硬化性スラリーから気泡を脱泡する脱泡装
置として、下部振動装置6とタッピング装置7との両方
を備える形態として説明したが、これらの装置の何れか
一方のみを備える形態であっても良い。
【0106】また、本実施の形態では、第2ロール3に
比べてやや大きな直径の第1ロール2(D2=D3+t)
とすることが好ましいと説明したが、いずれか一方を他
方に対して大きく異なる径のロールとしても良い。例え
ば、図8に示されるように、第2ロール3に比べてより
大きなロール径(D2>D3+t)の第1ロール2を有す
る構成とすると、第1ロール2と第2ロール3とを同期
して回転させる場合に、第2ロール3の回転数が第1ロ
ール2の回転数よりもより一層高くなり、第2ロール3
による硬化性スラリーの押し出し作用がより一層発揮さ
れる。このため、板厚の大きな板状成形体を成形する場
合などに有利である。
【0107】以上の説明からわかるように、本実施の形
態におけるスラリー成形装置は、移動ベルト1上に一対
のロールを形成する第1ロール2及び第2ロール3と、
移動ベルト1上に供給された硬化性スラリーの流れ幅を
規定する幅規定部材である一対のサイドベルト4、4、
とを有し、かつ第2ロール3は、移動ベルト1との間に
硬化性スラリーの成形厚さを規定する所望の間隔を有し
て設けられていることから、硬化性スラリーによるセル
フレベリング効果の如何に関わらず、硬化性スラリーを
幅及び厚さの規定された板状成形体に成形することがで
きる。
【0108】また、本実施の形態におけるスラリー成形
装置は、第2ロール3が移動ベルト1上の硬化性スラリ
ーをほぼ全幅にわたって搬送方向へ押し出すことから、
板状に成形された硬化性スラリーのしわよりや引きちぎ
れ等を防止することができる。さらに、サイドプレート
4、4が用いられることから、移動ベルト1上における
硬化性スラリーの流れ幅を簡単な構成で規定することが
でき、また、この流れ幅を容易に変更することができ
る。
【0109】また、本実施の形態におけるスラリー成形
装置は、第1ロール2及び第2ロール3間に上方から供
給される硬化性スラリーに振動を与える上部振動装置5
と、両ロール間を通って移動ベルト1上に供給された硬
化性スラリーに振動を与える下部振動装置6及びタッピ
ング装置7とを有することから、気泡が脱泡された硬化
性スラリーを成形することができ、安定した品質の板状
成形体を製造することができる。
【0110】また、本実施の形態におけるスラリー成形
装置は、第1ロール2の周面が移動ベルト1に当接する
ように設けられていることから、第1ロール2よりも上
流側への硬化性スラリーの漏出を防ぐことができ、ま
た、第1ロール2周面への硬化性スラリーの固着が防止
され、硬化性スラリーの成形をより円滑に、かつより安
定して行うことができる。
【0111】また、本実施の形態におけるスラリー成形
装置は、クリーニング部材8を有することから、第2ロ
ール3周面への硬化性スラリーの固着が防止され、硬化
性スラリーの成形をより円滑に、かつより安定して行う
ことができる。また、板状に成形された硬化性スラリー
の表面における平滑性を向上させることができる。
【0112】また、本実施の形態におけるスラリー成形
装置は、仕上げ用ロール9、及び仕上げ用プレート1
0、11を有することから、板状に成形された硬化性ス
ラリーの表面における平滑性をより一層向上させること
ができる。また、仕上げ用プレート10が仕上げ用ロー
ル9の周面に当接していることから、仕上げ用ロール9
周面への硬化性スラリーの固着が防止され、硬化性スラ
リーの成形をより円滑に、かつより安定して行うことが
できる。
【0113】また、本実施の形態におけるスラリー成形
装置は、硬化性スラリーの展開、脱泡、及び成形が、移
動ベルト1に硬化性スラリーが供給された時点でほぼ同
時に行われることから、より短い製造ラインでの成形が
可能であるとともに、エコセメント組成物のような速硬
性セメント組成物を使用して、品質の安定したコンクリ
ート板を製造することができる。また、エコセメント組
成物のような速硬性セメント組成物を使用することによ
り、より一層短い製造ラインでコンクリート板を製造す
ることができる。
【0114】また、本実施の形態におけるスラリー成形
装置は、加熱養生ボックス12を有することから、成形
された硬化性スラリーの硬化が促進され、より一層短い
製造ラインで板状成形体を製造することができる。
【0115】<第2の実施の形態>本実施の形態におけ
るスラリー成形装置は、図9に示されるように、ロール
端部に向けて断面積が漸次減少するテーパ状に形成され
た第2ロール3を有しており、それ以外は前述した第1
の実施の形態と同様の構成とされている。なお、本実施
の形態では、第2ロール3の形状をテーパ状として説明
するが、第1ロール2がテーパ状に形成されていても良
く、また、第1ロール2及び第2ロール3の両方がテー
パ状に形成されていても良い。
【0116】本実施の形態における第2ロール3は、ロ
ール端部に向かって断面積が減少するテーパ状に形成さ
れていることから、第1ロール2と第2ロール3とのク
リアランスがロール端部でより大きくなる。このため、
両ロール間において中央付近からの硬化性スラリーの供
給が抑制され、両ロール上において移動ベルト1幅方向
へ硬化性スラリーが展開しやすくなる。また、移動ベル
ト1側部へ硬化性スラリーがより円滑に供給される。
【0117】以上の説明からわかるように、本実施の形
態におけるスラリー成形装置は、前記第1の実施の形態
における効果に加えて、移動ベルト1側部への硬化性ス
ラリーの展開と供給がより効果的に行われることから、
より幅広の板状成形体の製造に有利であり、また、より
低流動性の硬化性スラリーを使用する成形体の製造に有
利である。
【0118】<第3の実施の形態>本実施の形態におけ
るスラリー成形装置は、図10に示されるように、第1
ロール2と移動ベルト1の間にクリーニングロール15
を有しており、それ以外は前述した第1の実施の形態と
同様の構成とされている。クリーニングロール15は、
第1ロール2の回転軸に平行な回転軸を有し、第1ロー
ル2の周面と移動ベルト1との両方に周面が当接する回
転自在なロールである。クリーニングロール15の回転
方向や回転速度等は、前述した第1ロール2や第2ロー
ル3と同様、変更自在とされている。なお、クリーニン
グロール15を配設する場合、第1ロール2の直径D2
は、第2ロール3の直径をD3、スラリーの成形高さを
t、クリーニングロール15の直径をD15とするとき
に、計算式:D2=D3−D15+tによって得られる値の
直径又はこの値に近似する直径であることが好ましい。
【0119】クリーニングロール15は、回転すること
により第1ロール2の周面に付着した硬化性スラリーを
取り除く。このとき、図10に示されるように、移動ベ
ルト1及び第1ロール2の回転方向に対して順方向にク
リーニングロール15を回転させると、移動ベルト1の
磨耗を抑制しつつ第1ロール2周面への硬化性スラリー
の付着を防止することができる。また、移動ベルト1及
び第1ロール2の回転方向に対して対向方向にクリーニ
ングロール15を回転させると、第1ロール2周面に付
着した硬化性スラリーの掻き取り作用をより向上させる
ことができる。
【0120】以上の説明からわかるように、本実施の形
態におけるスラリー成形装置は、前述した第1の実施の
形態における効果に加えて、第1ロール2周面への硬化
性スラリーの固着がより防止され、硬化性スラリーの成
形をより円滑に、かつより安定して行うことができる。
【0121】<第4の実施の形態>本実施の形態におけ
るスラリー成形装置は、図11及び図12に示されるよ
うに、往路側押圧手段17及び復路側押圧手段18によ
って移動ベルト1に向けて押圧されて移動ベルト1と同
調して一体的に移動する一対のサイドベルト16、16
を有しており、それ以外は前述した第1の実施の形態と
同様の構成とされている。
【0122】サイドベルト16、16は、断面が矩形の
無端ベルト状に形成された合成ゴム製のベルトであり、
可撓性を有している。また、サイドベルト16、16
は、移動ベルト1よりも大きな環状を形成している。
【0123】往路側押圧手段17は、図13及び図14
に示されるように、移動ベルト1が形成する軌道を横断
する方向へ回動自在となるようフレーム1dの側面に基
端が支持される往路側押圧アーム17aと、往路側押圧
アーム17aの先端から移動ベルト1側へ垂直に延びる
往路側押圧シャフト17bと、往路側押圧シャフト17
bによって回転自在かつ摺動自在に軸支されてサイドベ
ルト16に周面が当接する往路側押さえプーリ17c
と、往路側押圧アーム17aの側面から移動ベルト1側
へ突出する上部突部17dと、上部突部17d及びフレ
ーム1dの間に架設され往路側押圧シャフト17bをフ
レーム1dに向けて付勢するコイルばね17eとから構
成されている。
【0124】復路側押圧手段18は、図15及び図16
に示されるように、基端が回動自在に支持されるととも
にフレーム1dに対して平行に配置される二本の復路側
押圧アーム18a、18aと、復路側押圧アーム18
a、18aの先端から移動ベルト1側へ垂直に延びる復
路側押圧シャフト18b、18bと、一方の復路側押圧
シャフト18bで回転自在に軸支されて移動ベルト1の
裏側に周面が当接する復路側押さえロール18cと、他
方の復路側押圧シャフト18bで回転自在かつ摺動自在
に軸支されてサイドベルト16に周面が当接する復路側
押さえプーリ18dと、それぞれの復路側押圧アーム1
8a、18aの側面から移動ベルト1側へ突出する下部
突部18e、18eと、下部突部18e、18eに係止
するとともにそれぞれの復路側押圧アーム18a、18
aが接近する方向へ付勢する鋏型ばね18fとから構成
されている。
【0125】往路側押さえプーリ17c及び復路側押さ
えプーリ18dの周面には、サイドベルト16のベルト
幅に合わせた凹溝が全周にわたって設けられている。ま
た、往路側押さえプーリ17c及び復路側押さえプーリ
18dを軸支する往路側押圧シャフト17b及び復路側
押圧シャフト18bには、摺動自在に外嵌する締着部材
19が配置されている。締着部材19は、前記シャフト
に対して摺動自在に外嵌するフランジ部と、このフラン
ジ部の外周面から内周面へ貫通するねじ孔と、このねじ
孔に螺合し、先端がシャフトの周面に当接してフランジ
部を前記シャフトに固定するねじとから構成されてい
る。
【0126】サイドベルト16、16は、移動ベルト1
の往路側で往路側押圧手段17によって押圧され、移動
ベルトの復路側で復路側押圧手段18によって押圧され
ることから、移動ベルト1と同調して一体的に移動す
る。このため、移動ベルト1上の硬化性スラリーと幅規
定部材であるサイドベルト16、16との摺接が防止さ
れる。
【0127】また、サイドベルト16、16によって規
定される硬化性スラリーの流れ幅を変更する場合には、
締着部材19を緩め、往路側押さえプーリ17c及び復
路側押さえプーリ18dを所望の位置へ摺動させるとと
もに、摺動させた往路側押さえプーリ17c及び復路側
押さえプーリ18dによって新たに設定される位置で締
着部材19を再び締めて両プーリを固定することによ
り、例えば、図14及び図16において破線部分で示さ
れる位置から実線部分で示される位置へ、サイドベルト
16、16の位置を容易に移動させることができる。
【0128】なお、サイドベルト16、16は、移動ベ
ルト1との間に水密性の高い滑り止め手段等を有するも
のであっても良く、このような滑りどめ手段としては、
例えば、マグネットプレートや静電気による接着、又
は、水の存在下等の所定の条件によって繰り返し移動ベ
ルト1との接着が可能な接着シート等を例示することが
できる。このような接着可能な滑り止め手段を設けるこ
とにより、移動ベルト1へサイドベルト16、16をそ
の自重によって押圧することも可能となる。また、本実
施の形態のような押圧手段と滑り止め手段とを併用する
ことにより、サイドベルト16、16と移動ベルト1を
より安定して一体的に移動させることができる。
【0129】以上の説明からわかるように、本実施の形
態におけるスラリー成形装置は、前述した第1の実施の
形態における効果に加えて、幅規定部材として一対のサ
イドベルト16、16を有することから、移動ベルト1
上の硬化性スラリーと幅規定部材との摺接が防止され、
成形された硬化性スラリーのしわよりや引きちぎれ等を
より抑制することができる。また、前述したサイドプレ
ート4、4に比べて、移動ベルト1上において硬化性ス
ラリーの幅をより長い間規定することができ、エコセメ
ント組成物に対して硬化に若干の時間を要する低流動性
の硬化性スラリーであっても、好適に板状成形体を製造
することができる。
【0130】
【発明の効果】本発明のスラリー成形装置は、前記第1
ロール及び前記第2ロールの上方からその両者間に供給
される硬化性スラリーを、第1ロール及び第2ロールに
よって前記移動ベルトの幅方向に展開しつつ第1ロール
及び第2ロールの間から前記移動面上に供給し、前記幅
規定部材によって幅を規定するとともに移動面と第2ロ
ールとの間隔によって厚さを規定して板状成形体に連続
して成形する構成とすることにより、セルフレベリング
効果が小さい低流動性の硬化性スラリーを、幅及び厚さ
が規定された板状に成形することができる。
【0131】また、本発明のスラリー成形装置は、第1
ロール及び第2ロールの間を通す前の硬化性スラリー、
及び移動面上に供給された硬化性スラリー、の少なくと
も何れかの硬化性スラリーに含まれる気泡を脱泡する脱
泡装置を有する構成とすることにより、セルフレベリン
グ効果が小さい低流動性の硬化性スラリーから連続的に
気泡を脱泡して成形することができる。
【0132】また、本発明のスラリー成形装置は、第1
ロール及び第2ロールの少なくとも何れか一方は、ロー
ル端部に向けて断面積が漸次減少する形状に形成されて
いる構成とすることにより、移動ベルト幅方向への硬化
性スラリーの展開をよりスムーズに行うことができ、よ
り低流動性の硬化性スラリーでも円滑に成形することが
できる。
【0133】また、本発明のスラリー成形装置は、第1
ロールの周面や第2ロールの周面に当接する部材を設け
たり、移動面に周面が当接するように第1ロールを設け
る構成とすることにより、第1ロールや第2ロールの周
面のクリーニング性がより向上し、硬化性スラリーの成
形をより一層円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における一例であるスラリ
ー成形装置の概略を示す側面図である。
【図2】図1に示されるスラリー成形装置の上面図であ
る。
【図3】図1に示されるスラリー成形装置の第1ロール
及び第2ロール付近を示す斜視図である。
【図4】図1に示されるスラリー成形装置のサイドプレ
ートを示す正面断面図である。
【図5】図1に示されるスラリー成形装置の上部振動装
置及び下部振動装置を示す正面図である。
【図6】図1に示されるスラリー成形装置の脱泡装置を
示す側面図である。
【図7】図1に示されるスラリー成形装置のタッピング
装置を示す側面図である。
【図8】本発明の実施の形態における他の一例であるス
ラリー成形装置を示す側面概略図である。
【図9】本発明の実施の形態における他の一例であるス
ラリー成形装置の第1ロール及び第2ロールを示す要部
上面図である。
【図10】本発明の実施の形態における他の一例である
スラリー成形装置を示す側面概略図である。
【図11】本発明の実施の形態における他の一例である
スラリー成形装置を示す側面概略図である。
【図12】図11に示されるスラリー成形装置の上面図
である。
【図13】図11に示されるスラリー成形装置における
往路側押圧手段を示す側面図である。
【図14】図13に示される往路側押圧手段の正面図で
ある。
【図15】図11に示されるスラリー成形装置における
復路側押圧手段を示す側面図である。
【図16】図15に示される復路側押圧手段の正面図で
ある。
【符号の説明】
1 移動ベルト 1a ベルトコンベア 1b 回転プーリ 1c 移動ベルト駆動用モータ 1d フレーム 1e 支持板 2 第1ロール 3 第2ロール 4 サイドプレート 4a アーム 5 上部振動装置 5a 上部振動子 5b 上部振動アーム 6 下部振動装置 6a 下部振動子 6b 下部振動アーム 7 タッピング装置 7a 回転体 7b 打撃部 8 クリーニング部材 9 仕上げ用ロール 10、11 仕上げ用プレート 12 加熱養生ボックス 13 連続ミキサー 13a スラリー排出口 14 滑り部材 15 クリーニングロール 16 サイドベルト 17 往路側押圧手段 17a 往路側押圧アーム 17b 往路側押圧シャフト 17c 往路側押さえプーリ 17d 上部突部 17e コイルばね 18 復路側押圧手段 18a 復路側押圧アーム 18b 復路側押圧シャフト 18c 復路側押さえロール 18d 復路側押さえプーリ 18e 下部突部 18f 鋏型ばね 19 締着部材 X 移動ベルトの運転方向(搬送方向)を示す矢印

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続的に供給される未硬化の硬化性スラ
    リーを移動面上に受け取って搬送する移動ベルトと、 この移動ベルト上に設けられ移動ベルトの搬送方向を横
    断する方向に沿う回転軸を有する回転自在な第1ロール
    と、 この第1ロールよりも前記搬送方向における下流側にお
    いて、第1ロールに対向し、かつ前記移動面との間に所
    望の間隔を有して設けられ、第1ロールの回転軸と平行
    な回転軸を有する回転自在な第2ロールと、 前記移動ベルトの両側部に設けられ、前記移動面上の硬
    化性スラリーの流れ幅を規定する幅規定部材とを有し、 前記第1ロール及び前記第2ロールの上方からその両者
    間に前記硬化性スラリーが供給され、この硬化性スラリ
    ーを、第1ロール及び第2ロールによって前記移動ベル
    トの幅方向に展開しつつ第1ロール及び第2ロールの間
    から前記移動面上に供給し、前記幅規定部材によって幅
    が規定されるとともに移動面と第2ロールとの間隔によ
    って厚さが規定される板状成形体に成形することを特徴
    とするスラリー成形装置。
  2. 【請求項2】 前記第1ロール及び前記第2ロールの少
    なくとも何れか一方は、ロール端部に向けて断面積が漸
    次減少する形状に形成されていることを特徴とする請求
    項1記載のスラリー成形装置。
  3. 【請求項3】 前記第1ロール及び前記第2ロールの間
    を通す前の硬化性スラリー、及び前記移動面上に供給さ
    れた硬化性スラリー、の少なくとも何れかの硬化性スラ
    リーに含まれる気泡を脱泡する脱泡装置を有することを
    特徴とする請求項1記載のスラリー成形装置。
  4. 【請求項4】 前記脱泡装置が、前記第1ロールと前記
    第2ロールの間の上方に設けられ、両ロール間上に供給
    された硬化性スラリーに振動を与える上部振動装置であ
    ることを特徴とする請求項3記載のスラリー成形装置。
  5. 【請求項5】 前記脱泡装置が、前記第1ロールと前記
    第2ロールの間の下方であるとともに前記移動ベルトの
    上方に設けられ、前記移動面上に供給された硬化性スラ
    リーに振動を与える下部振動装置であることを特徴とす
    る請求項3記載のスラリー装置。
  6. 【請求項6】 前記脱泡装置が、前記移動ベルトの下方
    に設けられ、前記移動面上に供給された硬化性スラリー
    に移動ベルトの下方から振動を与えるタッピング装置で
    あることを特徴とする請求項3記載のスラリー成形装
    置。
  7. 【請求項7】 前記第1ロールの周面が前記移動面に当
    接していることを特徴とする請求項1記載のスラリー成
    形装置。
  8. 【請求項8】 前記第1ロールと前記移動ベルトの間に
    設けられるロールであって、第1ロールの回転軸に平行
    な回転軸を有し、第1ロールの周面と移動面との両方に
    周面が当接して第1ロールの周面に付着した前記硬化性
    スラリーを取り除く回転自在なクリーニングロールを有
    することを特徴とする請求項1記載のスラリー成形装
    置。
  9. 【請求項9】 前記板状成形体の厚さを規定する所望の
    間隔を有して前記移動面から離間して設けられ、前記第
    2ロールの周面に当接して第2ロールの周面に付着した
    前記硬化性スラリーを取り除くクリーニング部材を有す
    ることを特徴とする請求項1記載のスラリー成形装置。
  10. 【請求項10】 前記幅規定部材が、前記移動ベルトの
    両側部に設けられた一対のサイドプレートであることを
    特徴とする請求項1記載のスラリー成形装置。
  11. 【請求項11】 前記幅規定部材は、その自重及び押圧
    手段の少なくとも何れかにより前記移動ベルトの両側部
    に向けて押圧されて、移動ベルトと同調して一体的に移
    動する一対のサイドベルトであることを特徴とする請求
    項1記載のスラリー成形装置。
  12. 【請求項12】 前記硬化性スラリーは、少なくともセ
    メントと水とフィラーとを含有し、かつ速硬性を有する
    速硬性セメント組成物であることを特徴とする請求項1
    記載のスラリー成形装置。
  13. 【請求項13】 前記速硬性セメント組成物は、内径5
    0mm、高さ50mmの円筒体である試験用ペースト容
    器に前記速硬性セメント組成物を充填し、前記試験用ペ
    ースト容器をJISR5201に規定するフローテーブ
    ル上に立て、前記試験用ペースト容器を引き抜き、前記
    フローテーブルへ10秒間に10回の落下運動を与えた
    とき、 前記フローテーブル上に広がった前記速硬性セメント組
    成物の広がり直径が160mm以下となることを特徴と
    する請求項12記載のスラリー成形装置。
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