JP2004299271A - スラリー成形装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スラリーを均一に展開するスラリー成形装置であって、展開前のスラリーを大量に保持することができ、かつ、展開後のスラリーの滞留する量を少なくすることが出来るスラリー成形装置を提供する。
【解決手段】スラリーを連続して展開し、このスラリーの厚さを規定するスラリー成形装置であって、複数の回転自在な第一ロールと、この第一ロールに巻き付けられ連続移動する第一ベルトとを備えた第一展開装置と、第一ロールの回転軸と平行な回転軸を有する回転自在な第二ロールを備えた第二展開装置とを有し、第一ベルトは、第一ロールと接触した複数の曲線部と、曲線部間の直線状部とを有し、第二展開装置は、第一ベルトの直線状部に対向しており、第一展開装置と第二展開装置の間の上方から供給されたスラリーを第一展開装置と第二展開装置の間に通過させることによりスラリーを展開する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スラリーを連続して所定の幅に展開するとともに所定の厚さに規定するスラリー成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
セメント組成物に代表される硬化性スラリーを板状に成形して成形体を製造するスラリー成形装置としては、例えば、移動ベルト上に成形型を配置してこの成形型に連続的に又は間欠的にスラリーを供給して成形型内でスラリーを硬化させるボックス方式の成形装置や、移動ベルト上に直接スラリーを供給し移動ベルト上に設けられたロール又はプレート等によって移動ベルト上にスラリーを展開させて硬化させるロール(又はプレート)方式のスラリー成形装置等が知られている。これらのスラリー成形装置は、硬化性スラリーの流動性による厚さ均一化(セルフレベリング)効果を利用して、硬化性スラリーを所定の厚さの板形状に成形して成形体を製造しようとするものである。
【0003】
一方で、硬化性スラリーは、成形するにあたり適度な流動性を有することが好ましいが、成形体の強度等に起因する様々な条件によって調整されるため、例えば、高濃度や高粘度等の組成条件によって流動性が低い硬化性スラリーに調整されることがある。
【0004】
また、硬化性スラリーは、成形体として十分な強度を発現することに加えて、速硬性であることが成形体の生産性を向上させる上で好ましいが、このような速硬性の硬化性のスラリーの中には、硬化の進行が速く、成形工程において流動性の低下を示すものがある。これらのような低流動性の硬化性のスラリー、速硬性の硬化性スラリー等は、セルフレベリング効果が期待できない一面を有しており、前述した従来のスラリー成形装置では、成形に支障を来す場合がある。
【0005】
例えば、前記セルフレベリング効果を利用する成形装置では、低流動性の硬化性スラリーが使用される場合に十分なセルフレベリング効果が発揮されず、移動ベルト上の硬化性スラリーに当接して硬化性スラリーを均すプレートやロール等の成形用部材を利用した場合でも、硬化性スラリーの流動性が低いために硬化性スラリーの展開、成形が困難になることがある。
【0006】
このような問題を鑑みて、本出願人は、既に、セルフレベリング効果が小さい低流動性の硬化性スラリーを幅及び厚さが規定された板状に成形することのできるスラリー成形装置を発明した。このスラリー成形装置は、図11及び図12に示すように、連続的に供給される未硬化の硬化性スラリーを移動面上に受け取って搬送する移動ベルト103と、この移動ベルト103上に設けられ移動ベルト103の搬送方向を横断する方向に沿う回転軸を有する回転自在な第一ロール101と、この第一ロール101よりも前記搬送方向における下流側において、第一ロール101に対向し、かつ前記移動面との間に所望の間隔を有して設けられ、第一ロール101の回転軸と平行な回転軸を有する回転自在な第二ロール102と、前記移動ベルトの幅方向の両端部に設けられ、前記移動面上の硬化性スラリーの流れ幅を規定する幅規定部材とを有し、前記第一ロール101と第二ロール102の上方からその両者間に前記硬化性スラリーが供給され、硬化性スラリーを前記第一ロール101及び第二ロール102によって前記移動ベルト103の幅方向に展開しつつ第一ロール101及び第二ロール102の間から前記移動面上に供給し、前記幅規定部材によって幅が規定されるとともに移動面と第二ロール102の間隔によって厚さが規定される板状成形体を成形することを特徴とする。
【0007】
前記スラリー成形装置によれば、前記硬化性スラリーを前記第一及び第二ロール上で移動ベルトの幅方向に展開して、移動ベルトの移動面上に供給することから、前記移動面上での硬化性スラリーの展開をスムーズに行うことが可能となる。そして、移動面上に供給された硬化性スラリーは、幅規定部材によって移動ベルト上での幅が規定されるとともに、移動面と第二ロールとの間隔によって移動ベルト上での厚さが規定されるため、幅及び厚さの両方が規定された板状の成形体に成形される。すなわち、前記スラリー成形装置は、セルフレベリング効果が小さい低流動性の硬化性スラリーを幅及び厚さが規定された板状に成形することができる。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−277222号公報
【0009】
しかし、前記スラリー成形装置は、断面積が円形である第一ロールと第二ロールを近接させて、その間からスラリーを移動面上に展開する。そのため、第一ロールと第二ロールとが近接する部分は、前記ロール円周のうち一部分であり、その下流側においては、第一ロールと第二ロールとは円弧状に離れてしまう。そのため、スラリーが展開された第一ロールと第二ロールとの間の下側においては、移動ベルトとの間に多くの空間が形成されていた。また、移動ベルトの搬送方向下流側には、上方に第二ロールが所定の間隔を離間して配置されており、その間隔は、前記空間に比べて小さいため、前記移動面上に供給された全てのスラリーが搬送されず、前記空間に展開後のスラリーが滞留していた。前記硬化性スラリーは速硬性を有するものも多く、前記空間に滞留したスラリーが硬化して、強度の劣化、厚み仕上げ等に悪影響を及ぼしていた。
【0010】
また、前記スラリー成形装置は、第一ロールと第二ロールの上方から硬化性スラリーが供給され、前記第一及び第二ロールにより移動ベルトの幅方向に展開するため、第一ロールと第二ロールの上方には、供給されたスラリーを受けるため一定容量の受け容量が必要である。特に、厚みのある成形体、幅の広い成形体を成形する際には、大量のスラリーが供給されるため、大きな受け容量が必要である。そのため、大きな受け容量を要する際には、前記第一ロール及び第二ロールの径を大きくしていた。
【0011】
しかし、前記第一及び第二ロールの径を大きくすると、スラリー成形装置全体が大きくなってしまい設置場所等に制限を伴うことがあった。また、第一ロール及び第二ロールの径を大きくすると、前述したスラリーが滞留する空間が更に大きくなり、更にスラリーの硬化が進行し、成形品への悪影響が顕著に表れていた。
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、このような問題を鑑みて成されたものであり、スラリーを均一に展開するスラリー成形装置であって、展開前のスラリーを大量に保持することができ、かつ、展開後のスラリーの滞留する量を少なくすることが出来るスラリー成形装置を提供することを技術的課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、スラリーを連続して展開し、このスラリーの厚さを規定するスラリー成形装置であって、複数の回転自在な第一ロールと、この第一ロールに巻き付けられ連続移動する第一ベルトと、を備えた第一展開装置と、前記第一ロールの回転軸と平行な回転軸を有する回転自在な第二ロールを備えた第二展開装置とを有し、前記第一ベルトは、前記第一ロールと接触した複数の曲線部と、前記曲線部間の直線状部と、を有し、前記第二展開装置は、前記第一ベルトの直線状部に対向して設けられており、第一展開装置と第二展開装置との間の上方から供給されたスラリーを第一展開装置と第二展開装置の間に通過させることにより、第一展開装置と第二展開装置の間の下方に前記スラリーを展開することを特徴とする。
【0014】
前記第一展開装置と第二展開装置との上方から供給されたスラリーは、第一展開装置の第一ベルトと第二展開装置との間に保持される。このとき、前記スラリーは、第一展開装置の第一ベルトの上面と第二展開装置とに挟まれた空間に保持されており、前記第二展開装置は第一ベルトの直線状部に近接しているため、前記直線状部の配置角度や長さを異ならせることで、供給されたスラリーを保持する空間を容易に大きくすることができる。また、従来のロールのみを用いた装置では、円形同士であるため、互いの回転軸の平行出しが難しく、配置位置の調整には手間を要していた。しかし、前記第一展開装置が直線状部を有しているため、平行出しが容易となる。
【0015】
また、第一展開装置は、複数の第一ロールに巻き付けられた第一ベルトを有し、この第一ベルトと第二展開装置の間を通すことにより前記スラリーを展開するため、第一展開装置のスラリーの展開能力は、第一展開装置の第一ロールの径に影響されない。また、前述した供給されたスラリーを保持する空間は、第一ベルトと第二展開装置に挟まれた空間であり、第一ロールの径に影響されない。そのため、前記第一ロールの径を小さくすることができる。前記第一ロールの径を小さくすることにより、スラリーを展開する第一展開装置と第二展開装置の間の位置を下方に配置することが可能となり、展開後の下流側におけるスラリーの滞留する容積を小さくすることができる。
【0016】
また、前記第二展開装置の第二ロールは、第一展開装置の第一ロールの回転軸と平行な回転軸を有するため、前記第一ロールと第二ロールの全幅にわたって均等な圧力を通過するスラリーに加えることができる。また、前記第一ロールと第二ロールとの間の距離も、前記両ロールの全幅にわたって均等に保つことができる。
【0017】
前記第一ロールと第二ロールは、互いに順方向に回転していても良いし、対向方向に回転していても良い。例えば、スラリーを両ロール間に導くように第二ロールを回転させ、この第二ロールに対して第一ロールを対向回転させる場合では、下流側に展開するスラリーに対して、前記第一ベルトの幅方向への展開をより優先させることが出来る。すなわち、スラリーの下流側への展開と、幅方向への展開のバランスは、第一ロールと第二ロールの回転方向によって調整することが可能である。加えて、前記第一ベルトの移動速度と前記第二ロールの周面における移動速度との関係は、互いに等しい速度であっても良いし、異なる速度で移動させても良い。
【0018】
また、本発明に係る前記第二展開装置は、前記回転自在な第二ロールを複数有し、この複数の第二ロールに巻き付けられ連続移動する第二ベルトを備え、前記第二ベルトは、前記第二ロールに接触した複数の曲線部と、この曲線部間の複数の直線状部とを有していることが望ましい。
【0019】
前記構成により、前記第一ロールと同様に、第二展開装置の第二ロールの径を小さくすることができる。そのため、スラリーを展開する第一展開装置と第二展開装置の間の位置を更に下方に配置することが可能となり、展開後の下流側におけるスラリーの滞留する空間をより小さくすることができる。また、供給されるスラリーは、第一ベルトの上面と第二ベルトの上面との間に保持されるため、第一ベルトの配置角度のみならず、第二ベルトの配置角度によっても、供給されたスラリーを保持する空間を調整することが可能となる。
【0020】
また、従来のスラリー成形装置においては、前記第二ロール102の下部を展開したスラリーに当接するよう下方に配置することにより、展開したスラリーの厚みを規定していた。しかし、前記第二ロール102の下端をスラリーに当接させてスラリーの厚みを規定すると、第二ロール102は断面形状が円形でありその回転半径が大きいため、スラリーとの肌分かれが悪く、第二ロール102の回転方向下流側までスラリーが流れてしまう(図11参照)。また、この下流側への流れを防ぐため、第二ロール102のスラリーと当接する部分の下流側にプレート104を設けた(図12参照)。そして、このプレート104を第二ロール102に接触させることにより、第二ロール102の回転方向下流側へのスラリーの流れを防止するとともに、プレート104の下面により展開されたスラリーの厚み制御を行っていた。
【0021】
しかし、前記スラリーは硬化性を有するため、取り除いたスラリーがプレートに付着しそのまま固着してしまうことがあった。また、前記スラリーには、成形体の強度向上のため繊維を混入されていることがあり、このようなスラリーを成形すると、前記繊維がプレートと第二ロールとの間に挟まることがあった。そのため、プレート表面を均一に保てず、プレートによる厚み制御等の効果を十分に得ることが出来ず、展開したスラリーの表面が荒れたり、厚み精度が悪くなっていた。
【0022】
しかし、前記第二ベルトの複数の直線状部のうちの一つの直線状部は、前記展開されたスラリーの下面と一定間隔を有して平行に配置することにより、前記プレートを設けず、ベルトの直線状部によりスラリーの厚みを均等に均すことができる。また、前記第二ベルトは連続移動しているため、付着したスラリーを除去・清掃することが容易である。さらに、前記第二ロールの径は小さくすることが可能であるため、スラリーとの肌分かれを向上させることができ、スラリーの当接部下流側への回り込みを抑えることも可能となる。
【0023】
また、前記第二展開装置の上方には、前記第一展開装置の直線状部と近接し、前記上方から供給されたスラリーを前記第一ベルトの幅方向に展開する第三展開装置が設けられていることが望ましい。
【0024】
本発明によって展開されるスラリーは、第一展開装置及び第二展開装置の上方から供給され、この供給されたスラリーを第一展開装置と第二展開装置とにより各々のロールの幅方向に展開する。しかし、大量のスラリーを展開する場合等一時に大量のスラリーが供給されると、十分に幅方向に展開できない場合がある。また、一般的に、両端部に比べて中央部の厚みが大きくなる傾向が強い。特に、高粘性を有するスラリーでは、この傾向が顕著に表れている。
【0025】
そこで、第二展開装置の上方に、第一ベルトの直線状部に近接する第三展開装置を設け、この第三展開装置により、前記スラリーを第一ベルトの幅方向に展開することが望ましい。この第三展開装置を設けることで、第二展開装置と併せて、二段階でスラリーをベルトの幅方向へ展開するため、スラリーをより確実に幅方向へ展開することができる。ここで、この第三展開装置とは、前記第一ベルトの中央部に位置するスラリーを幅方向の両端部に展開できるものであれば良く、例えば、第一ベルトの幅方向全長に対する他、第一ベルトの幅よりも短くして第一ベルトの中央部のみに近接する状態で配置して幅方向にスラリーを流す等、その構成に特に制限はない。
【0026】
しかし、前記第三展開装置を固定部材とすると、スラリーを展開させ続けた場合には、前述したプレート同様に、表面にスラリーが固着したり、繊維が挟まってしまうという問題が生じる。そのため、前記第三展開装置も連続移動可能な構成とすることが望ましい。
【0027】
このような第三展開装置として、例えば、第一展開装置及び第二展開装置のロールの回転軸と平行な回転軸を有する回転自在な第三ロールを設けることが望ましい。第三ロールは回転自在であるため、スラリーの固着等を防ぐことが出来る。さらに、前記第一ベルトと併せて移動可能であるため、スラリーの幅方向への展開をスムーズに行うこともできる。加えて、ベルトの端部まで、より多くのスラリーを展開するため、前記第三ロールの形状をその端部に向かって断面積が漸次減少するように形成することが望ましい。第三ロールの形状を、中央部から側端部に向かって先細りの形状とすることで、より多くのスラリーをベルトの端部に展開することができる。
【0028】
また、前記構成において、第三ロールの回転方向下流側へのスラリーの回り込みが多くなり、十分に幅方向に展開出来ない場合には、前記第三ロールを複数設け、この第三ロールに第三ベルトを巻き付け、このベルトにより前記スラリーを幅方向に展開することが望ましい。前記構成により、前記第三ロールの径を小さくすることが可能であり、スラリーの回転方向下流側への回り込みを防止できる。さらに、第一ベルトとの関係においても、配置角度を容易に調整することができるため好適である。
【0029】
加えて、前記第三展開装置による幅方向への展開効果を更に得たい場合には、第三展開装置を複数設けることが望ましい。さらに、第三展開装置を複数設けた場合には、前記第一ベルトの幅方向において、上方に位置する第三展開装置を下方に位置する第3展開装置より短く形成されていることが望ましい。前記構成により、更に第一ベルトの両側部にスラリーを流れやすくすることが出来る。
【0030】
また、前記各展開装置の各ロールの回転方向は、供給されるスラリーを互いの展開装置で巻きこむように回転させても良いし、前記と異なる方向に回転させても良く、スラリーの流動性、各ロールの配置位置等を考慮して適宜に選択することが望ましい。さらに、前記各ロールの回転速度は設定自在であり、スラリーの供給速度、成形体の厚み等に応じて設定することが望ましい。
【0031】
尚、前記各展開装置のベルトにおいて、曲線部とは、各展開装置のロールと接触している部分であり、直線状部とは、曲線部と曲線部の間を指し、直線の他、ベルト表面側に緩やかな円弧状に膨らんだものを含んでいる。
【0032】
また、本発明に係るスラリー成形装置は、前記スラリーとの接触面に付着したスラリーを取り除くクリーニング装置を備えていることが望ましい。
【0033】
本発明に係るスラリー成形装置は、スラリーを連続して展開するため、スラリーが接触する前記ロール又はベルトの表面には、付着したスラリーがそのままの状態で残り固着してしまうことがある。表面にスラリーが固着することにより、均一にスラリーを展開できず、成形体の表面の仕上げ状態、及び、寸法精度が低下する等種々の弊害が生じる。このような弊害を防止するため、スラリーとの接触面に付着したスラリーを取り除くクリーニング装置を設けることでが望ましく、このクリーニング装置を設けることで、スラリーとの接触面を付着物がなく平滑な状態で保つことが出来る。これにより、スラリーの展開に関しては、均一に展開する効果を更に得ることができ、スラリーの厚み制御に関しては、厚み精度を高く維持する効果を得ることができる。
【0034】
前記クリーニング装置は、スラリーと接触する面に当接し付着するスラリーを取り除ける構成で有れば良い。また、その設置箇所は、特に制限はないが、取り除いたスラリーを展開前あるいは展開後のスラリーに流れ込むように設けると、スラリーの無駄がなくなり好適である。例えば、スラリーが供給される第一展開装置と第二展開装置との間の上流側に当接するように設けると、取り除いたスラリーを展開前のスラリー内に流し込むことができ好適である。
【0035】
さらに、前記クリーニング装置は、前記各ベルトの直線状部に配置することが望ましい。例えば、クリーニング装置を前記各ロール、又は、ロールと接触するベルトの曲線部に配置すると、前記ロール回転軸と平行に配置しなければならない。前記ロールの回転軸と平行に配置しないと、前記ベルト又はロールの幅方向全体に亘って、クリーニング装置を当接させることが出来なくなるためである。しかし、前記クリーニング装置をベルトの直線状部に配置することにより、容易にベルトの全幅にわたって接触させて、表面の付着物を確実に取り除くことが可能となる。
【0036】
また、本発明にかかるスラリー成形装置は、前記供給されるスラリーに振動を付与する振動装置を備えていることを特徴とすることが望ましい。
【0037】
一般的に、低流動性の硬化性のスラリーは、一般に移動や変形の過程で気泡を巻きこみやすく、この気泡を含んだまま硬化すると成形体の強度が低下する。このようなスラリーを成形する際には、前記気泡を脱泡するために供給されるスラリーに振動を付与する振動装置を設けることが望ましい。また、振動装置を設けることにより、スラリー内の気泡を脱泡できるだけでなく、スラリーの展開性を向上させることができる。従って、結果として、粗大気泡のない、一定の厚みの成形体を成形することが可能となる。
【0038】
本発明にかかるスラリー成形装置では、前記第一展開装置と第二展開装置との間から展開されたスラリーを、例えば、型枠に流し込み、この型枠で成形体を成形しても良いし、移動面上にスラリー受け取って搬送する移動ベルトを備え、この移動ベルト上で搬送しつつ成形体を成形しても良い。しかし、移動ベルトを用いると、スラリーを連続して展開し、移動ベルト上で成形することが可能であるため、生産の効率等を向上させることが出来るため特に好適である。
【0039】
また、前記移動ベルトを用いた成形装置においては、前記第一展開装置は、前記移動ベルトの移動方向上流側に配置され、前記第二展開装置は、前記第一展開装置に対して前記移動ベルトの移動方向下流側に配置されており、前記第一展開装置の第一ベルトは、前記移動ベルトと当接していることが望ましい。
【0040】
第一展開装置と第二展開装置の間から連続して移動する移動ベルト上にスラリーを展開すると、大半のスラリーは移動ベルトの搬送方向に搬送される。しかし、厚みを厚く成形する場合のように、一度に大量スラリーを展開したとき等には、移動ベルト上に供給された全てのスラリーを下流方向へ搬送できず、上流側にスラリーが流れてしまう。この上流側へのスラリーの流れを防止するため、スラリーが展開される箇所に移動ベルトと当接するプレートを設け、このプレートによりスラリーの上流側への流れを防止することが考えられる。しかし、プレートを用いると、プレートに付着するスラリーを取り除くためのクリーニング装置を新たに設けなければならず、構成が複雑となる。
【0041】
これに対して、第一ベルトを移動ベルトに当接させると、上流側の流れを防止することができ、さらに、前記第一ベルトと移動ベルトとが摺動するため、各々のベルトの表面が擦られることにより、表面の付着物が除去される。そのため、前述したクリーニング装置を別途設けることなく、ベルトの表面を平滑に保つことができるため大変好適である。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るスラリー成形装置の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。前記スラリー成形装置は、未硬化の硬化性スラリーを移動ベルト上に展開して、幅及び厚さを成形しつつ搬送し、前記移動ベルト上で硬化させ成形体とするスラリー成形装置である。このようなスラリー成形装置により成形される成形体としては、例えば、建築資材としてのセメント系の建材パネルが例示できる。
【0043】
前記スラリー成形装置で成形される硬化性スラリーとは、無機質硬化性材料を主体とする混合物であり、少なくとも無機質硬化性材料と水を含有する。無機質硬化性材料は、自硬性のあるものであれば良く特に限定されるものではない。このような硬化性スラリーとしては、例えば、石膏、速硬性セメント組成物を例示することができる。前記速硬性セメント組成物とは、少なくともセメントと水とフィラーと含有し、速硬性を有する。本実施の形態では、物理的特性に優れ、成形体を高い生産性で製造することが可能である速硬性セメント組成物を用いた。尚、前記硬化性スラリーには、必要に応じて、好適な添加剤や、各種添加剤を混入しても良い。
【0044】
図1は、本実施の形態に係るスラリー成形装置の一部斜視図であり、図2は、図1に示したスラリー成形装置を側面からみた構成概略図である。図に示すように、このスラリー成形装置は、連続的に供給される未硬化のスラリー4を受け取ってX方向に搬送する移動ベルト5と、前記移動ベルト5の上面5aの両側部に設けられ、未硬化のスラリー4の流れ幅を規定する型枠としてのサイドベルト6と、前記移動ベルト5の上面5aに配置された第一展開装置1と、この第一展開装置1よりもX方向下流側において第一展開装置1に対向し、かつ前記移動ベルト5の上面5aに所望の間隔を有して配置された第二展開装置2とを備えている。
【0045】
また、第二展開装置2の上方には、第一展開装置1に対向して、供給されたスラリー4を前記移動ベルト5の幅方向に展開する第三展開装置3が設けられている。さらに、第一展開装置1と第三展開装置3との間の上方には、第一展開装置1と第三展開装置3との間に供給されたスラリーに振動を与える振動装置としてのバイブレーター71が設けられている。また、前記スラリー成形装置の上方には、硬化性スラリーの原材料を混練して硬化性スラリーを連続的に供給する連続ミキサー8の開口部が配置されている。
【0046】
前記第一展開装置1は、前記移動ベルト5の従動ロール51の回転軸と平行な回転軸を有する第一駆動ロール11aと、前記第一駆動ロール11aの回転軸と平行な回転軸を有し回転自在である複数の第一受けロール11b,11cと、前記第一駆動ロール11a、及び、第一受けロール11b,11cに巻き付けられP方向に連続移動する第一ベルト12と、を備えている。また、前記第一受けロール11b,11cは複数設けられており、最下端に位置する第一受けロール11cは、前記第一ベルト12を介して移動ベルト5の上面5aに接するように配置されている。
【0047】
前記第一受けロール11b,11cの径は、図11に示すような従来のスラリー成形装置のロールと比較して非常に小さい。例えば、従来のスラリー成形装置において、供給されるスラリーを保持する容量を本実施の形態のスラリー成形装置と同様の容量にすると、ロールの径は約1000mm必要である。これに対し、本実施の形態の受けロール11b,11cの径は20mmであり、非常に小さくすることができる。
【0048】
図3には、前記第一ベルト12と移動ベルト5との係合部の拡大図である。前記移動ベルト5の上面5a下部には、クッション部材93を介して、加圧装置94が設けられている。この加圧装置94は、移動ベルト5の下部から第一受けロール11cの方向に加圧するように配置されている。前記加圧装置94は、一定圧力を加圧できるものであれ良く、ゴム、ばね等の弾性部材が例示できる。また、移動ベルト5の上面にはスラリー4が供給されるため、上流側へのスラリーの漏れ防止と、第一ベルト12及び移動ベルト5とを摺動させ表面の付着物を取り除くために、前記移動ベルト5が若干弧を描くように前記加圧装置94、クッション部材93を設けることが望ましい。
【0049】
前記第二展開装置2は、前記第一駆動ロール11aと平行な回転軸を有する第二駆動ロール21a、受けロール21b,21c,21dと、前記駆動ロール21aと受けロール21b,21c,21dに巻き付けられ、Q方向に連続移動する第二ベルト22と、を備えている。前記受けロール21b,21c,21dは、複数設けられており、下端に配置された受けロール21b,21cは、展開されたスラリー4の厚さを規定する所望の間隔を前記移動ベルト5の上面5aから離間して各々配置されている。前記受けロール21b,21cの下部には前記第二ベルト22が配置されており、この受けロール21b,21c間の第二ベルト22の直線状部によりスラリー4の厚さが規定される。
【0050】
また、前記受けロール21cは、前記第一ベルト12と近接する箇所に配置されており、第一ベルト12と第二ベルト22との間には、一定の隙間が設けられている。この隙間をスラリー4が通過し、前記移動ベルト5の上面5aにスラリー4が展開される。そのため、前記隙間は、第一ベルト12及び第二ベルト22の周速、成形体の厚み、スラリーも粘性等に応じて適宜に調整することが望ましい。本実施の形態では、この隙間を1mm〜20mm程度の間で調整した。
【0051】
また、本実施の形態では、第二展開装置2は上記構成のものを用いたが、第一駆動ロール21eのみで構成することもできる(図4参照)。駆動ロール21eは回転自在であり、前記第一ベルト12と連続移動することにより、スラリー4を幅方向に展開しつつ、前記第一ベルト12の直線状部との隙間から移動ベルト5の上面5aにスラリーを供給することができる。しかし、前記第二受けロール21b,21cと比較すると、径が大きくなるため、スラリーの下流側への流れ込みが生じる。そのため、流れ込み防止のためのプレート91を設ける必要が生じる場合がある。
【0052】
また、前記第三展開装置3は、前記第一駆動ロール11aと平行な回転軸を有する第三駆動ロール31a、及び、複数の受けロール31b,31cと、前記第三駆動ロール31a、及び、第三受けロール31b,31cに巻き付けられQ方向に連続移動する第三ベルト32と、を備えている。前記受けロール31cは、前記第一ベルト12と近接する箇所に配置されており。第一ベルト12と第三ベルト32との間には、一定の隙間が設けられている。この隙間をスラリー4が通過することにより、スラリー4が幅方向に展開される。そのため、この隙間は、第一ベルト12と第二ベルト22との隙間同様に、適宜に調整することが望ましく、前記同様1mm〜20mmの間で調整した。
【0053】
また、本実施の形態に係る第三展開装置3は、第一ベルト12の全幅に亘って配置されているが、第三展開装置3を幅方向において短く形成し、第一ベルトの中央部のみ配置しても良い(図5参照)。このような構成にすることにより、ベルトの両側部に多くのスラリーを展開することができる。さらに、ベルトの両側部にスラリーを展開したい場合には、第三展開装置を複数設けると良い。例えば、第二展開装置2と第三展開装置3の間に、駆動ロール31dのみからなる第三展開装置を設けると良い(図6参照)。この駆動ロール31dは、前記第一展開装置1の第一駆動ロール11の回転軸と平行な回転軸を有しており、回転自在である。そのため、この駆動ロール31dと第一ベルト12の上面との隙間にスラリーを幅方向に展開させ通過させることが可能である。尚、前記第三展開装置は、前記駆動ロールのみで構成しても良いし、第三ベルトを備える構成としても良く、設置状況等に応じ適宜に選択すれば良い。
【0054】
前記移動ベルト5は、織布と合成樹脂を組合わせた無端ベルトからなり、前記従動ロール51と図示しない駆動ロールとに掛け回されてベルトコンベヤを構成しており、この移動ベルト5の動力源となる駆動ロールによって回行し、成形されたスラリーをX方向に搬送する。前記第一展開装置1の下端に位置する受けロール11cと接する第一ベルト12の曲線部が、前記移動ベルト5の上面5aと当接して配置されている。これに対して、前記第二展開装置2の下端に位置する受けロール21b,21cは、成形するスラリーの厚み分前記移動ベルト5の上面5aと離間して配置されている。そして、この下端の受けロール21b,21cの下部に配置される第二ベルト22の直線状部は、前記移動ベルトと平行に配されている。前記移動ベルト5の上面5aに供給されたスラリー4は、ベルト22の直線状部の下面を通過することにより、所定の厚みに仕上げられる。尚、前記第二ベルト22の下端に位置する直線状部の長さは、ベルトコンベアの速度、スラリーの粘性等により、適宜に調整することが望ましい。また、厚みが異なる成形体を成形する際には、前記受けロール21b,21cの配置位置を変更すれば良い。
【0055】
前記サイドベルト6は、無端状に形成され、前記移動ベルト5の上面5aの両側部に、移動ベルト5の上面5aに展開されたスラリー4の幅を規定する型枠として載置されている。このサイドベルト6は、移動ベルト5とともに移動する作用部分と、図示しないプーリを介して移動ベルト5の上面5aから離れて再び作用部分に戻るための復帰部分とを有し、移動ベルト5とともに移動する型枠となっている。また、本実施の形態では、成形品の幅方向を規定する部材としてサイドベルトを用いたが、これに限定されず、例えば、固定式のサイドプレートを用いて幅方向を規定しても良い。
【0056】
次いで、前記振動装置としてのバイブレーター71は、棒状であり、前記第一ベルト12の上面と第三ベルト32の上面との間に供給されたスラリー4内に配置されている。このバイブレーター71が振動することにより、スラリー4に振動を付与し、スラリー4に含まれた気泡を脱泡することができる。また、スラリーの展開性も向上する。なお、前記振動装置を設置する箇所には特に制限はない。しかし、前記連続ミキサーから供給されたばかりのスラリーは多くの気泡を含んでいることが多いため、複数の展開装置を設けている場合には、最上段に設置すると効果的である。
【0057】
また、本実施の形態では、振動装置として棒状のバイブレーター71を用いたが、これに限定されない。例えば、板状の振動装置72を用い、この振動装置72をベルトの裏面に配置することにより、広い範囲にわたって振動を付与することができる(図6参照)。このように用いる振動装置としては、液圧や気圧を利用した圧力シリンダ装置、カムを利用した機構や、スライダクランク機構や可動鉄心を備えるソレノイドを利用した機構を例示できる。
【0058】
加えて、前記振動装置72は、ベルトとの当接面が円弧を描く形状に形成されている。ベルトの裏面に振動装置やベルトガイド等のプレート状のものを取り付けた場合、ベルトとプレートの間にスラリーを巻きこんでしまう場合が多い。スラリーがこの間に入り込むとベルトの表面が凹凸になる等スラリーの展開性能に大きな影響を及ぼしてしまう。特に振動させた場合にこのような問題が多く発生する。そこで、プレートを大きな弧を描いた形状にすることでプレート上面に張られたベルトの張りが強くなり、プレートの全面とベルトが強力に押し付けられ、プレートとベルトの間にスラリーが巻き込まれる問題が少なくなる。
【0059】
次いで、このように構成されたスラリー成形装置の作動状態について説明する。まず、スラリー成形装置の上方に配置された前記連続ミキサー8の開口部から、前記第一ベルト12の上面と第三ベルト32の上面との間に未硬化の硬化性スラリー4が供給される。このとき、前記第一ベルト12の上面には、バイブレーター71が配置されているため、供給されたスラリー4中の気泡は脱泡される。そして、第一ベルト12はP方向、第三ベルト32はQ方向にそれぞれ連続して移動するため、前記スラリー4は第一ベルト12と第三ベルト32との隙間を前記ベルトの幅方向に展開されつつ通過する。
【0060】
そして、第一ベルト12と第三ベルト32の隙間を通過したスラリー4は、第三展開装置3の下方に配置された第二展開装置2の第二ベルト22の上面と前記第一ベルト12の上面との間に流下する。前記同様、第一ベルト12はP方向、第二ベルト22はQ方向にそれぞれ連続して移動するため、このスラリーは更にベルトの幅方向に展開されつつ、第一ベルト12と第二ベルト22の隙間を通過する。
【0061】
前記第一ベルト12と第二ベルト22の間を通過したスラリー4は、下方に位置する移動ベルト5の上面5aに流下する。この移動ベルト5はX方向に連続移動しており、上流部に前記第一ベルト11が接しているため上流側には流れず、流下したスラリー4はX方向に搬送される。そして、スラリー4が流下した移動ベルト5の下流側の上方には、前記第二ベルト22の直線部が配されている。そのため、移動面上に展開されたスラリー4は、第二ベルト22の下端の直線部により、表面が均され、均一になるとともに、厚みが規定される。また、移動ベルト5の上面5a両側部に設けられたサイドベルト6により幅方向は規定される。このようにして、スラリー4は板状に成形され、この形状を維持したまま移動ベルト5によって搬送される。
【0062】
前記スラリー成形装置によれば、上方から供給されたスラリーを幅方向に複数回展開するため、移動ベルト5の両側部にもスラリー4が十分に供給される。また、展開されたスラリー4の厚みを第二ベルト22の下端の直線状部により規定できるため、厚みを規定する新たな装置を設ける必要がなく好適である。さらに、前記第一ベルト12、第二ベルト22、第三ベルト32は、各々連続移動しておりスラリー4と接し続けることがないためスラリーが固着することは少ないが、前記各ベル12,22,32トの移動速度を調整することで更にスラリー4の固着を防ぐことができる。例えば、前記第二ベルト22の最下端部においては、下端の直線状部を移動する間は常にスラリー4と接しているため、直線状部の起点から終点までの移動時間をスラリーの固結が開始する時間より短くなるように設定する。一方、ベルトの移動速度を早くし過ぎると、前記第二ベルト22が下端の直線状部から曲線部へ移動する際に、スラリー4が第二ベルト22から離れずに付着した状態で移動してしまう。そのため、範囲内で適度な移動速度に設定する必要がある。
【0063】
また、前記各ベルト12,22、32は、表面の材質が離型性の良いものを用いたが、必要に応じてベルト洗浄部、離型塗布装置を介して洗浄、離型剤塗布を行っても良い。ここで、前記第一ベルト12は、上述のように移動ベルト5と摺動するため、互いのベルトにより表面の付着物を除去することができる。しかし、第二ベルト22と第三ベルト32は、付着物が除去されにくい。そのため、例えば、第二ベルト22と第三ベルト32の直線状部に表面の付着物を除去するクリーニング装置92を配置すること好適である(図7参照)。尚、図示するクリーニング装置92を離型塗布装置として配置しても良い。
【0064】
加えて、本実施の形態では、スラリー4を移動ベルト5に展開する際に、前記各展開装置を用いたが、成形した成形体の精度等により、必要に応じて前述した構成を種々組み合わせた装置を設置することが望ましい。例えば、移動ベルト5の搬送方向下流側に、前記振動装置を設けても良いし、前記展開装置を設けこの展開装置の直線状部を配置して成形体の表面の仕上げを行っても良い(図8参照)。
【0065】
本発明に係るスラリー成形装置は、前述した実施の形態のみならず、他の実施の形態としても良い。例えば、高流動性のスラリーを用いる場合には、幅方向への展開を容易に行うことができるため、図9に示すように、第三展開部材を設置しなくても良い。また、前記実施の形態では、第一展開装置3と対向するように第三展開装置3を配置したが、図10に示すように、第二展開装置2と対向するように第三展開装置3を配置しても良く、使用状況等に応じて適宜に選択可能である。すなわち、本発明にかかるスラリー成形装置は、上記構成のみならず、可能な限りこれらの組合せをも含むものである。
【0066】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、スラリー成形装置に供給された展開前のスラリーを大量に保持することができ、かつ、展開後のスラリーが滞留する量を少なくすることが出来る。そのため、連続して円滑にスラリーの成形を行うことが可能となる。また、前記第三展開装置等を適宜に選択して設けることにより、スラリーの展開性等を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るスラリー成形装置の一部斜視図である。
【図2】本実施の形態に係るスラリー成形装置の展開装置部分の側面概略図である。
【図3】第一ベルトと移動ベルトの係合部の拡大図である。
【図4】本実施の形態に係るスラリー成形装置の展開装置部分の側面概略図である。
【図5】本実施の形態1に係る繊維配向装置を用いた板状成形体の一例である。
【図6】本実施の形態に係るスラリー成形装置の展開装置部分の側面概略図である。
【図7】本実施の形態に係るスラリー成形装置の展開装置部分の側面概略図である。
【図8】本実施の形態に係るスラリー成形装置の展開装置部分の側面概略図である。
【図9】本実施の形態に係るスラリー成形装置の展開装置部分の側面概略図である。
【図10】本実施の形態に係るスラリー成形装置の展開装置部分の側面概略図である。
【図11】従来のスラリー成形装置の一部概略図である。
【図12】従来のスラリー成形装置の一部概略図である。
【符号の説明】
1 第一展開装置
2 第二展開装置
3 第三展開装置
4 スラリー
5 移動ベルト
6 サイドベルト
8 連続ミキサー
11a,11b,11c 第一ロール
21a,21b,21c,21d,21e 第二ロール
31a,31b,31c,31d 第三ロール
12 第一ベルト
22 第二ベルト
32 第三ベルト
51 従動ロール
101 第一ロール
102 第二ロール
103 移動ベルト
104 プレート

Claims (11)

  1. スラリーを連続して展開し、このスラリーの厚さを規定するスラリー成形装置であって、
    複数の回転自在な第一ロールと、この第一ロールに巻き付けられ連続移動する第一ベルトと、を備えた第一展開装置と、
    前記第一ロールの回転軸と平行な回転軸を有する回転自在な第二ロールを備えた第二展開装置とを有し、
    前記第一ベルトは、前記第一ロールと接触した複数の曲線部と、前記曲線部間の直線状部と、を有し、
    前記第二展開装置は、前記第一ベルトの直線状部に対向して設けられており、
    第一展開装置と第二展開装置との間の上方から供給されたスラリーを第一展開装置と第二展開装置の間に通過させることにより、第一展開装置と第二展開装置の間の下方に前記スラリーを展開することを特徴とするスラリー成形装置。
  2. 前記第二展開装置は、前記第二ロールを複数有し、この複数の第二ロールに巻き付けられ連続移動する第二ベルトを備えており、
    前記第二ベルトは、前記第二ロールと接触した複数の曲線部と、この曲線部間の複数の直線状部を有していることを特徴とする請求項1に記載のスラリー成形装置。
  3. 前記第二ベルトの複数の直線状部のうちの一つの直線状部は、前記展開されたスラリーの下面と一定間隔を有して平行に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のスラリー成形装置。
  4. 前記第二展開装置の上方には、前記第一展開装置の直線状部と近接し、前記上方から供給されたスラリーを前記第一ベルトの幅方向に展開する第三展開装置が設けられており、
    前記第三展開装置は、前記第一ベルトの幅方向において、第一ベルトと同じ長さ若しくはそれよりも短く形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のスラリーの成形装置。
  5. 前記第三展開装置は、前記第一ベルトの移動方向に沿って複数並設されており、この複数の第三展開装置のうち上方に位置する第三展開装置は、前記第一ベルトの幅方向において、下方に位置する第三展開装置より短く形成されていることを特徴とする請求項4に記載のスラリー成形装置。
  6. 前記第三展開装置は、前記第一ロールの回転軸と平行な回転軸を有する回転自在な第三ロールを備えていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のスラリー成形装置。
  7. 前記第三ロールは、その端部に向かって断面積が漸次減少する形状であることを特徴とする請求項6に記載のスラリー成形装置。
  8. 前記三展開装置は、前記第三ロールを複数有し、この第三ロールに巻き付けられ連続移動する第三ベルトとを備え、
    前記第三ベルトは、前記第三ロールに接触した複数の曲線部と、この曲線部間の複数の直線状部を有していることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のスラリー成形装置。
  9. 前記スラリーとの接触面に付着したスラリーを取り除くクリーニング装置を備えていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載のスラリー成形装置。
  10. 前記スラリーに振動を付与する振動装置を備えていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載のスラリー成形装置。
  11. 前記第一展開装置と第二展開装置との間を通過したスラリーを移動面上に受け取って搬送する移動ベルトを備えたスラリー成形装置であって、
    前記第一展開装置は、前記移動ベルトの移動方向上流側に配置され、
    前記第二展開装置は、前記第一展開装置に対して前記移動ベルトの移動方向下流側に配置されており、
    前記第一展開装置の第一ベルトは、前記移動ベルトと当接していることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載のスラリー成形装置。
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