JP2001276629A - 触媒用スラリーのコート装置 - Google Patents
触媒用スラリーのコート装置Info
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Abstract
スラリーのコート幅を調節することができる触媒用スラ
リーのコート装置を提供する。 【解決手段】 軸方向に管状通路を有する触媒担体基材
に、触媒用スラリーをコートする触媒用スラリーのコー
ト装置は、触媒担体基材6を保持する触媒担体基材保持
部41と、触媒用スラリーを保持するシリンダー室31
と、シリンダー室31の容積を変化させることができる
ピストン32と、を備えるスラリー保持部3と、シリン
ダー室31に供給される触媒用スラリーが循環するルー
プ回路2と、からなる。ループ回路2からシリンダー室
31に触媒用スラリーが供給され、シリンダー室31に
触媒用スラリーが保持された状態で、ピストン32でシ
リンダー室31の容積を所定量減少させることで触媒用
スラリーが触媒担体基材6の下端の端面に供給されるこ
とを特徴とする。
Description
の触媒担体基材に触媒用スラリーをコートする触媒用ス
ラリーのコート装置に関する。
される排気ガスは、炭化水素(HC)、一酸化炭素(C
O)、窒素酸化物(NOx)等の有害成分を含有してい
る。この排気ガスがそのまま大気中に排出されると、公
害や環境の悪化が引き起こされる。このため、排気ガス
は、排ガス浄化用触媒等を用いて浄化された後に、大気
中に排出されている。
材と、この触媒担体基材表面に形成された耐熱性無機酸
化物等よりなる耐熱性多孔質層と、この耐熱性多孔質層
に担持された触媒成分と、から構成されている。
る耐熱性粉末を主な成分とするスラリーである触媒用ス
ラリーを調整した後に、触媒担体基材の表面に塗布し、
この触媒用スラリーを乾燥、焼成することで形成され
る。
基材の形状により、モノリス形状、粒状、あるいはパイ
プ状等の種類に分類される。さらに、触媒担体基材の材
質としては、高温の排気ガスに曝されることから、耐熱
性材料が用いられ、このような材質として、たとえば、
コーディエライト等のセラミックス、ステンレス等の耐
熱性金属等をあげることができる。
過する管状通路を軸方向に有するモノリス型の触媒が広
く用いられている。モノリス型の触媒は、ウォームアッ
プ性能に優れることや、圧力損失も小さいことから、エ
ンジンに負荷をかけることなく排気ガスを浄化すること
ができるためである。
するときに、触媒担体基材の表面に触媒用スラリーをコ
ートする方法としては、触媒用スラリーを管状通路の一
端側に配置し、この触媒用スラリーに圧力を加えること
で触媒用スラリーを管状通路内に供給し、その後余分な
触媒用スラリーを排出させることで塗布する方法が一般
的に用いられている。
スラリーに加えられる圧力の向きにより、吸引コート法
と、加圧コート法と、の二種類に大別される。ここで、
吸引コート法とは、触媒担体の一端部側に配置したスラ
リーを他端側から管状通路を介して吸引することで管状
通路内にスラリーを供給し、塗布するコート方法であ
り、加圧コート法とは、触媒担体の一端部側に配置され
たスラリーを加圧して管状通路内に圧入することで、管
状通路内にスラリーを塗布するコート方法である。
は、吸引コート法によるスラリー塗布方法および装置が
開示されている。このスラリー塗布方法は、モノリス担
体の上端にスラリーを配置し、下端側からスラリーを吸
引することで、管状通路内に粘性のスラリーを供給する
とともに余分なスラリーを排出してスラリーを触媒担体
に塗布する方法が、スラリー塗布装置にはこの塗布方法
によるスラリー塗布装置が示されている。
リーのコート方法は、触媒担体基材の一方の端面側に配
置した触媒用スラリーを加圧あるいは吸引することで管
状通路内に供給するため、コート量にムラが生じたり、
コート量の調節が困難であるという問題を有していた。
みてなされたものであり、触媒担体基材の一端側から他
端側への触媒用スラリーのコート幅を調節することがで
きる触媒用スラリーのコート装置を提供することを課題
とする。
に本発明者等は触媒担体基材の一端側から他端側への触
媒用スラリーのコート方法について検討を重ねた結果、
触媒担体基材の所定のコート幅に対応した空隙量と同量
の触媒用スラリーを、触媒担体基材の下端側から圧入さ
せるコート装置とすることで上記課題が解決できること
を見出した。
ト装置は、軸方向に管状通路を有する触媒担体基材に、
触媒用スラリーをコートする触媒用スラリーのコート装
置であって、触媒担体基材の管状通路が鉛直方向に延在
するとともに、触媒担体基材の下端の端面に触媒用スラ
リーが供給または排出できる状態で、触媒担体基材の下
端周縁部を保持する触媒担体基材保持部と、触媒用スラ
リーを保持するシリンダー室と、シリンダー室の容積を
変化させることができるピストンと、を備えるスラリー
保持部と、シリンダー室に供給される触媒用スラリーが
循環するループ回路と、からなり、ループ回路からシリ
ンダー室に触媒用スラリーが供給され、シリンダー室に
触媒用スラリーが保持された状態で、ピストンでシリン
ダー室の容積を所定量減少させることで触媒用スラリー
が触媒担体基材の下端の端面に供給されることを特徴と
する。
スラリー保持部に保持された所定量の触媒用スラリーを
ピストンで触媒担体基材に供給することで、触媒用スラ
リーを任意のコート量でコートすることができる。ま
た、本発明の触媒用スラリーのコート装置は、触媒用ス
ラリーを任意のコート幅でコートすることができるた
め、両端面からのコート幅がそれぞれ異なってコートさ
れた排ガス浄化用触媒の製造に使用することができる。
装置は、軸方向に管状通路を有する触媒担体基材に、触
媒用スラリーをコートする触媒用スラリーのコート装置
である。本発明の触媒用スラリーのコート装置は、触媒
担体基材の管状通路に触媒用スラリーを供給することで
触媒用スラリーを接触させ、触媒担体基材の表面に触媒
用スラリーをコートする装置である。
は、通常の触媒担体基材として用いられている触媒担体
基材を用いることができる。このとき、触媒担体基材の
軸方向の管状通路の本数は、一本であっても、複数本で
あっても、どちらでもよいが、複数の管状通路を有する
触媒担体基材において、本発明のコート装置は特に効果
を示す。また、触媒担体基材としては、たとえば、モノ
リス触媒担体基材、パイプ触媒担体基材等の触媒担体基
材を用いることができる。触媒担体基材は、通常の触媒
コンバータに用いられる触媒担体と同様な材質で形成し
てあればよく、耐熱性セラミックス、耐熱性金属により
形成される。例えば、コーディエライト、ステンレス鋼
をあげることができる。
媒の耐熱性多孔質層を形成するための触媒用スラリーを
用いることができる。この触媒用スラリーとしては、無
機酸化物と、バインダーと、水を含むことが好ましい。
無機酸化物としては、たとえば、活性アルミナ、シリ
カ、チタニア、セリア、ジルコニア等からなる群より選
ばれる少なくとも1種以上の無機酸化物をあげることが
できる。また、触媒用スラリーは、触媒成分を含んだス
ラリーであってもよい。
触媒担体基材保持部と、スラリー保持部と、ループ回路
と、を有する。
状通路が鉛直方向に延在するとともに、触媒担体基材の
下端の端面に触媒用スラリーが供給または排出できる状
態で、触媒担体基材の下端周縁部を保持する。この触媒
担体基材保持部は、触媒担体基材を保持するとともに、
保持された触媒担体基材の下端の端面に均等に触媒用ス
ラリーを供給する部材である。すなわち、触媒担体基材
保持部が触媒担体基材を鉛直方向に保持することで、触
媒用スラリーが下端の端面から管状通路の内部に触媒用
スラリーが供給されたときに、触媒用スラリーの液面の
高さが複数の管状通路において一定となるため、コート
幅にばらつきが生じなくなる。
端周縁部を液密的に保持することが好ましい。液密的に
保持することで、触媒担体基材保持部を介して供給され
る触媒用スラリーが下端の端面から管状通路内にのみ供
給されるようになる。すなわち、触媒担体基材の外周面
側に触媒用スラリーが漏れ出なくなる。
触媒担体基材の管状通路と連通されるスラリー流路を区
画する基部と、基部と一体的に形成されスラリー流路の
開口部の周縁部に上方に突出して形成されたひだ部と、
からなる保持体をあげることができる。この保持体は、
ウレタン等の弾性を有する材料よりなり、触媒担体基材
の下端の周縁部を、ひだ部が密着することで液密的に触
媒担体基材を保持することで触媒担体基材の下端の端面
にのみ触媒用スラリーが供給される。
するシリンダー室と、シリンダー室の容積を変化させる
ことができるピストンと、を備える。シリンダー室は、
内部に触媒用スラリーを保持する。ピストンは、シリン
ダー室の壁面の一部を構成するように配置される。ここ
で、ピストンは、所望のコート幅に対応する触媒用スラ
リーを押し出すことができるだけの移動量を有する。こ
のとき、シリンダー室およびピストンの形状について
は、特に限定されるものではない。
せてシリンダー室の容積を減少させることで、シリンダ
ー室内に保持された触媒用スラリーをスラリー保持部の
外部に排出する。このとき、ピストンの移動量を調節す
ることで、シリンダー室の容積の減少にともなう触媒用
スラリーのスラリー保持部からの排出量を調節すること
ができる。
触媒用スラリーが循環する回路である。すなわち、シリ
ンダー室に保持される触媒用スラリーをループ回路で循
環させることで、触媒用スラリーに粘度のばらつきが生
じることをおさえることができる。ループ回路として
は、たとえば、触媒用スラリーが内部を流動する管路等
をあげることができる。このループ回路には、触媒用ス
ラリーを循環させるためのポンプ等の動力源を有するこ
とが好ましい。
おくと、触媒用スラリー中に分散した粒子成分が互いの
分子間力によりゆるく結合し、その粘度にばらつきが生
じるようになる。触媒用スラリーの粘度にばらつきが生
じると、触媒用スラリーの流動性が不均一となり、触媒
担体基材の管状通路内へのスラリーの供給も不均一にな
るという不具合を生じる。このため、触媒用スラリーの
粘度にばらつきが生じないようにその粘度を一定に保持
しておく必要がある。
持するスラリー調整手段を持つことが好ましい。すなわ
ち、スラリー調整手段は、触媒用スラリーを調整すると
ともに、ループ回路で循環される触媒用スラリーを貯留
する手段である。ここで、スラリー調整手段は、あらか
じめ調整された触媒用スラリーが供給されてもよい。こ
のスラリー調整手段を有することで、触媒用スラリーを
常にループ回路中に循環させることができるため、触媒
用スラリーのコートを連続的に行うことができる。
ループ回路からシリンダー室に触媒用スラリーが供給さ
れ、シリンダー室に触媒用スラリーが保持された状態
で、ピストンでシリンダー室の容積を所定量減少させる
ことで触媒用スラリーが触媒担体基材の下端の端面に供
給される。すなわち、ループ回路を循環する触媒用スラ
リーをシリンダー室に保持した状態で、ピストンを稼働
させることでスラリー保持部のシリンダー室の容積を所
定量減少させ、シリンダー室に保持された触媒用スラリ
ーがスラリー保持部から排出される。排出された触媒用
スラリーは、触媒担体保持部を介して、触媒担体基材の
下端の端面から管状通路内に供給され、触媒担体基材の
表面にコートされる。このとき、ピストンの移動量を調
節することで触媒用スラリーの触媒担体基材への供給量
が調節される。
定量とは、一端側から他端側への所定のコート幅におけ
る触媒担体基材の空隙体積量である。すなわち、シリン
ダー室の容積が触媒担体基材の空隙体積量に対応する量
減少することで、空隙体積量と同量の触媒用スラリーが
シリンダー室から排出され、排出された触媒用スラリー
が触媒担体基材に供給される。この結果、触媒用スラリ
ーが所定のコート幅における触媒担体基材の空隙に充填
されることとなり、所定のコート幅で触媒用スラリーを
コートすることができる。
排出される触媒用スラリーを触媒担体基材保持部に供給
するスラリー流路を有することが好ましい。このスラリ
ー流路を有することで、スラリー保持部のシリンダー室
が減容したときに排出される触媒用スラリーが触媒担体
基材保持部に供給されるようになる。
の流通を制御する制御手段を有することが好ましい。す
なわち、制御手段を有することで、触媒用スラリーを触
媒担体基材にコートする場合にのみ触媒担体保持部に触
媒用スラリーが供給されるようになる。この制御手段と
しては、たとえば、バルブをあげることができる。
ていることが好ましい。ここで、シリンダー室がループ
回路に組み込まれるとは、ループ回路を循環する触媒用
スラリーがシリンダー室に供給されたときに、触媒用ス
ラリーがシリンダー室を通って循環する状態を示す。こ
のため、シリンダー室に保持される触媒用スラリーは、
粘度のばらつきが生じなくなる。ここで、シリンダー室
がループ回路に組み込まれている状態とは、たとえば、
シリンダー室がループ回路中に配置された状態や、ルー
プ回路に両端が接続するとともに内部に触媒用スラリー
が循環する回路中に配置されている状態を示す。
には、触媒用スラリーの移動を制御する制御手段が配置
されていることが好ましい。制御手段を有することで、
ピストンを動かしてシリンダ室に保持された触媒用スラ
リーを触媒担体基材に供給するときに、所定量の触媒用
スラリーが触媒担体基材にのみ供給されるようになる。
このような制御手段としては、たとえば、バルブをあげ
ることができる。
度を保持する手段を有することが好ましい。すなわち、
スラリー調整手段は、ループ回路に循環する触媒用スラ
リーを貯留する手段を有するため、その貯留時に触媒用
スラリーの粘度の変化が生じないように、その粘度を一
定に保つ。この粘度を保持する手段を有するスラリー調
整手段としては、たとえば、触媒用スラリーを保持する
スラリーストックタンクと、触媒用スラリーを攪拌する
回転羽根等の攪拌手段と、からなる装置がある。このと
き、スラリーストックタンクは、その槽内形状は、攪拌
手段によって攪拌されたときに触媒用スラリーがタンク
内で均一に攪拌されるような形状を有していることが好
ましい。このような形状としては、たとえば、筒状をあ
げることができる。
度を測定する粘度測定手段を有することが好ましい。触
媒用スラリーの粘度を一定に保つために、触媒用スラリ
ーの粘度を測定し、測定された粘度から攪拌手段等の攪
拌条件を求めることができる。さらに、本発明のコート
装置はループ回路により触媒用スラリーが循環している
ため、粘度測定手段により測定された粘度は、シリンダ
ー室に保持された触媒用スラリーの粘度となるため、触
媒担体基材にコートされる触媒用スラリーの粘度を測定
することもできる。
度を調節する調温手段を有することが好ましい。すなわ
ち、触媒用スラリーの温度が変化すると、触媒用スラリ
ーのチキソトロピーが変化する。触媒用スラリーのチキ
ソトロピーの変化は、触媒用スラリーの粘度の変化を生
じさせ、さらには触媒担体基材への触媒用スラリー付着
量にばらつきが生じるようになるためである。
を供給する水供給手段を有することが好ましい。すなわ
ち、触媒用スラリーから水分が失われたような場合に
は、適切な粘度を保持するために水を供給する必要があ
るためである。
材から、余分な触媒用スラリーを除去するスラリー除去
手段を有することが好ましい。すなわち、スラリー除去
手段が触媒担体基材に供給された触媒用スラリーの余分
な触媒用スラリーを除去することで、触媒用スラリーの
コート量を調節することができる。
給された触媒担体基材の上端の端面にエアーを吹き付け
て余分な触媒用スラリーを吹き払う手段であることが好
ましい。すなわち、触媒担体基材の上端からエアーを供
給することで、余分なスラリーが下端の端面から排出さ
れる。また、エアーを吹き付けることで、触媒用スラリ
ーの表面の水分を蒸発させ、触媒用スラリーを触媒担体
基材の表面に固定することができる。
スラリーがスラリー調整手段に返送されるスラリー返送
手段を有することが好ましい。吹き払われた触媒用スラ
リーをスラリー調整手段に返送することで、返送された
触媒用スラリーを再度触媒担体のコートに用いることが
可能となり、スラリーのロスを低下させることができ
る。
のセラミックスにより形成されている場合には、触媒担
体基材の管状通路内に供給された触媒用スラリーは、水
分が担体基材に吸収され、スラリーの粘度に変化が生じ
る。このため、このような触媒用スラリーを再利用する
場合には、スラリー調整手段において粘度が調節され
る。
路に接続されていてもよい。すなわち、ループ回路を介
して吹き払われた触媒用スラリーをスラリー調整手段に
返送してもよい。
用スラリーのコート装置は、たとえば、以下の手順で、
触媒担体基材に触媒用スラリーのコートを行う。
触媒用スラリーを、ループ回路に循環させる。ループ回
路に触媒用スラリーを循環させることで、触媒用スラリ
ーの粘度が一定に保たれる。触媒用スラリーがループ回
路に十分に循環して、ループ回路中での粘度が一定にな
ったところで、シリンダー室を通って触媒用スラリーが
循環するようにループ回路を調節する。このため、シリ
ンダー室内には、粘度が一定に保持された触媒用スラリ
ーが保持される。
に保持させる。この保持は、触媒用スラリーがコートさ
れる触媒担体基材の管状通路が鉛直方向に向いた状態で
液密的に下端が保持される。
の触媒用スラリーの流通が遮断され、かつシリンダ室と
触媒担体基材保持部のスラリー流路とが連通するように
制御手段を操作する。この状態で、ピストンを稼働させ
て、シリンダー室の容積を減少させることで、シリンダ
ー室に保持されていた触媒用スラリーはシリンダー室か
ら押し出されて、触媒担体基材保持部に供給される。
ラリーは、触媒担体基材の下端の端面の開口部から管状
通路内に侵入する。管状通路内に侵入した触媒用スラリ
ーは、液面の高さが所定のコート幅に達するまで供給さ
れる。
の容積を増加させる。ピストンを戻すことで、触媒担体
基材の管状通路内に供給された触媒用スラリーは、シリ
ンダー室に吸引されて、管状通路から排出される。
を排出するときには、触媒担体基材の上端の端面側から
エアーを吹き付けて管状通路内から触媒用スラリーを排
出させる手段を用いてもよい。すなわち、触媒用スラリ
ーは、粘性を有するため、吸引するだけでは排出されに
くいためである。
との触媒用スラリーの流通を遮断するとともに、シリン
ダ室から排出される触媒用スラリーがスラリー調整手段
に排出されるように制御手段を調整し、触媒用スラリー
をスラリー調整手段に排出する。
トされた触媒担体基材は、スラリー除去手段に送られ
る。このとき、触媒担体基材の移送は、管状通路内の触
媒用スラリーが所定のコート幅からはみ出さないよう
に、管状通路が鉛直方向にのびる状態で移動する。
トされた過剰量の触媒用スラリーを吹き払うことで過剰
な触媒用スラリーを除去する。吹き払われた触媒用スラ
リーは、スラリー返送手段によりスラリー調整手段に返
送される。
以上の手順で触媒用スラリーを触媒担体基材に所定のコ
ート幅でコートする装置である。
担体基材に、触媒用スラリーの乾燥、焼成を行った後
に、触媒成分を担持させることで排ガス浄化用触媒を製
造することができる。
触媒担体基材への触媒用スラリーの供給量を制御してい
るため、触媒担体基材への触媒用スラリーの一端の端面
から他端側へのコート幅を調節することができる。
一端側の端面から他端側へ向かっての触媒用スラリーの
コート幅を制御することができるため、両端面から異な
るコート幅でスラリーがコートされた触媒担体を製造す
ることができる。さらに、異なるスラリーを用いること
で一つの排ガス浄化用触媒に異なる機能を付与すること
ができる。
実施例として、触媒用スラリーのコート装置を作成し
た。実施例の触媒用スラリーのコート装置の構成を図1
に示した。
ト装置は、スラリーストックタンク10と、攪拌機15
と、スラリー循環管2と、スラリー保持室3と、基材保
持体4と、スラリー吹き払い装置5と、から構成され
る。
た触媒用スラリーが投入され、内部に保持するととも
に、上方が開口した略円筒形状の槽状の容器よりなる。
れる触媒用スラリーの粘度を測定する粘度計11が設置
されている。
ー16と、モーター16の回転軸の先端にもうけられた
回転羽根17とから構成される。攪拌機15は、スラリ
ーストックタンク10内のに投入された触媒用スラリー
を攪拌できるように、回転羽根17が触媒用スラリー中
に浸漬した状態で設置されている。回転羽根17は、ス
ラリーストックタンク10のタンクの内径と同じくらい
の径を有する羽根を有する。
る。攪拌機15と粘度計11との接続は、攪拌機15の
回転数を制御する制御装置を介してなされている。すな
わち、攪拌機15が粘度計11と接続されていること
で、粘度計11により得られた触媒用スラリーの粘度を
フィードバックして、攪拌機15の回転数を制御するこ
とで触媒用スラリーの粘度を一定の値に保つことができ
る。
トックタンク10の底面に開口し、スラリーストックタ
ンク10の外部を通り他端部がスラリーストックタンク
10の上方の位置に開口した管路21、22、23であ
る。すなわち、スラリー循環管2により触媒用スラリー
を循環させることで触媒用スラリーの粘度が一定に保た
れる。
部の間に触媒用スラリーを循環させるためのポンプ(図
示せず)がもうけられている。このポンプにより触媒用
スラリーがスラリー循環管中を流れるようになる。
設けられている。バルブ25、26は、スラリー循環管
2を循環する触媒用スラリーの流路の切り替えおよび遮
断をおこなう。バルブ25は、スラリー循環管21から
スラリー保持室3へ触媒用スラリーの流路の切り替えを
行う。バルブ26は、スラリー保持室3からスラリー循
環管23へと触媒用スラリーを流入させる、あるいは、
基材保持体4へと触媒用スラリーが流れるように切り替
えを行う。また、このバルブ26は、基材保持体4から
スラリー循環管23に触媒用スラリーが流れるように制
御することもできる。
により区画されたシリンダー室31と、シリンダー室3
1の底面を区画するとともにシリンダー室31の内部を
往復動してシリンダー室31の容積を変化させるピスト
ン32と、ピストン32を移動させるピストン移動装置
(図示せず)と、から形成される。このとき、シリンダ
ー室31の上面は、シリンダー室31内に供給された触
媒用スラリーがシリンダー室31から排出されるスラリ
ー排出管36と連通している。また、シリンダー室31
は、内径が150mm、軸方向の長さが150mmの円
筒状に区画されていた。
スラリー導入管35で接続されている。スラリー導入管
35は、一端がバルブ25を介してスラリー循環管2に
接続され、他端側はシリンダー室31の壁面に開口して
いる。スラリー排出管36は、シリンダー室31の上面
に一端が開口し他端はバルブ26に接続されている。
ときに、触媒担体基材の管状通路と連通して触媒用スラ
リーを供給するスラリー流路が内部に形成されていると
ともに、触媒担体基材の下端の周縁部を液密的に保持す
る保持体41である。また、基材保持体4には、保持体
41に保持された触媒担体基材の上端の端面にエアーを
供給するエアーノズル45と、エアーノズル45から吹
き出すエアーを供給するエアー供給部(図示せず)と、
エアーノズル45から吹き出すエアーの流量を調節する
エアーバルブ46と、を有する。また、エアーノズル4
5の位置を移動させるシリンダー47が設けられてい
る。
の上端の端面に鉛直方向にエアーを吹き付けるエアーノ
ズル51と、エアーノズル51から吹き出すエアーを供
給するエアー供給部(図示せず)と、エアーノズル51
から吹き出すエアーの流量を調節するエアーバルブ52
と、からなる。また、スラリー吹き払い装置5には、エ
アーノズル51の位置を移動させるシリンダー53が設
けられている。ここで、スラリー吹き払い装置5のエア
ー供給部は、基材保持体4のエアー供給部と同じであ
る。
用スラリーのコート装置を用いて、円筒状のモノリスハ
ニカム担体に触媒用スラリーをコートした。
ノリスハニカム担体に、一方の端面から80mm、他方
の端面から20mmのコート幅で触媒用スラリーのコー
トを行った。
m、軸方向の長さが105mm、壁厚4ミル(うす
壁)、400セル/平方インチのコーディエライトより
なるモノリスハニカム担体が用いられた。
ルミナを主成分とする比重1.5のコーティングスラリ
ーが用いられた。コーティングスラリーは、スラリー調
整装置により粘度が60cps±10%となるように保
持されている。
80mmのコート幅で触媒用スラリーをコートした。こ
の80mmのコート幅でのコートは、以下の操作により
行われた。この操作を図1を用いて説明する。
置の基材保持体4に、モノリスハニカム担体6を装着し
た。モノリスハニカム担体6の装着は、モノリスハニカ
ム担体6の各セルが保持体41の触媒用スラリー流路と
連通した状態で、下端の周縁部を液密的に保持するよう
になされた。
ングスラリーを、スラリーストックタンク10に投入
し、ポンプを稼働させることでスラリー循環管2に循環
させた。このとき、スラリー循環管21、22、23に
のみコーティングスラリーが循環するようにバルブ2
5、26が調節されている。また、攪拌機15の回転羽
根17を300rpmで回転させた。
内を循環している状態で、コーティングスラリーがスラ
リー保持室3へと流れるようにバルブ25を切り替える
とともに、スラリー保持室3から排出されるコーティン
グスラリーがスラリーストックタンク10に向かって流
れるようにバルブ26を切り替えて、コーティングスラ
リーがシリンダー室31を通って循環するように調節し
た。このとき、シリンダー室31の一部を区画するピス
トン32は、往復動の最下限に位置していた。また、コ
ーティングスラリーがシリンダー室3を通って循環する
ことで、シリンダー室31内に充填された。
ティングスラリーがスラリー循環管21、22、23に
流れるようにした。このとき、シリンダー室31内に
は、コーティングスラリーが保持されている。また、バ
ルブ26を切り替えて、シリンダー室31から保持体4
1へとコーティングスラリーが流れるようにした。すな
わち、シリンダー室31から排出されるコーティングス
ラリーが保持体41の触媒用スラリー流路を介してモノ
リスハニカム担体6の各セルと連通した。
ピストン32を40mm上昇させた。このピストン32
の上昇により、シリンダー室31の容積が減少し、シリ
ンダー室31に充填されていたコーティングスラリー
は、シリンダー室31の減容量に対応した量がシリンダ
ー室31から押し出される。ここで、ピストン32の上
昇量は、80mmのコート幅におけるモノリスハニカム
担体6の空隙量に対応する量のコーティングスラリーを
押し出せる量であった。また、このピストン32の上昇
量は、あらかじめ求めたモノリスハニカム担体6の空隙
量から算出された。
は、保持体41を通ってモノリスハニカム担体6に供給
される。モノリスハニカム担体6に供給されると、モノ
リスハニカム担体6の下端の端面から各セル内に、端面
から80mmの高さまでコーティングスラリーが供給さ
れる。
ら、ピストン32を元に位置にまで下げた。ピストン3
2を下げることで、モノリスハニカム担体6に供給され
たコーティングスラリーは、シリンダー室31に逆流
し、モノリスハニカム担体6から排出された。
ハニカム担体6から排出は、ピストン32を下げるだけ
でなく、モノリスハニカム担体6の上端の端面側からエ
アーを供給することで行われた。すなわち、エアーをセ
ル内に通過させることで、エアーの圧力によりコーティ
ングスラリーを排出する。このときのエアーの圧力は、
0.8kg/cm2の圧力であった。また、コーティン
グスラリーの排出は約10秒で終了した。
ただけでは、モノリスハニカム担体6に過剰なコーティ
ングスラリーが残留しているため、スラリー吹き払い装
置5により過剰なコーティングスラリーを除去した。ス
ラリー吹き払い装置5へのモノリスハニカム担体6の移
送は、コートされたスラリーが所定のコート幅から流れ
出さないように、鉛直方向を保持した状態で行われた。
ニカム担体6は、管状通路が鉛直方向にのびるととも
に、コーティングスラリーがコートされた部分が下方に
なるように配された。この状態で、シリンダー53を動
かしてエアーノズル51がモノリスハニカム担体6の端
面に対向する位置に移動させた。その後、エアーバルブ
52を開いて、エアーノズル51から上端の端面にエア
ーを吹き付けることで行われた。また、吹き付けられた
エアーの圧力は、3kg/cm2であった。また、この
エアーの吹き付けは20秒間行われた。
6に80mmのコート幅でコーティングスラリーがコー
トされた。
体に乾燥処理を施して、セル内のコーティングスラリー
を十分に乾燥させた。
と同様の操作を行うことでコーティングスラリーがコー
トされていない端面側から20mmのコート幅でのコー
ティングスラリーのコートを行った。ここで、20mm
のコート幅でのコートに用いられたコーティングスラリ
ーは、80mmのときと同様なコーティングスラリーが
用いられた。
mと80mmのコート幅でコーティングスラリーがコー
トされた触媒担体が製造された。
コート幅でコーティングスラリーがコートされたことの
確認は、スラリーコート担体を軸方向に切断して、目視
により確認することでなされた。目視により、端面から
所定のコート幅でコーティングスラリーがコートされて
いることが確認された。
モノリスハニカム担体に一端側から他端側へ所望のコー
ト幅でコーティングスラリーをコートできる。このた
め、両方の端面から異なるコート幅でスラリーをコート
することができるとともに、異なるスラリーを用いるこ
とで、一つの触媒担体に異なる機能を保持させることが
できる効果を有する。
は、一端の端面から他端側へ所望のコート幅で触媒用ス
ラリーをコートすることができる。すなわち、触媒担体
基材の両端側から異なる種類の触媒用スラリーをコート
することができる。このため、一つの触媒担体に異なる
機能を付与することができる効果を有する。
を示した図である。
…回転羽根 2、21、22、23…スラリー循環管 25、26
…バルブ 3…スラリー保持室 31…シリンダー室 32
…ピストン 35…スラリー導入管 36…スラリー排出管 4…基材保持体 41…保持体 45
…エアーノズル 46…エアーバルブ 47…シリンダー 5…スラリー吹き払い装置 51…エアーノズル 52…エアーバルブ 53…シリンダー 6…モノリスハニカム担体
Claims (5)
- 【請求項1】 軸方向に管状通路を有する触媒担体基材
に、触媒用スラリーをコートする触媒用スラリーのコー
ト装置であって、 該触媒担体基材の該管状通路が鉛直方向に延在するとと
もに、該触媒担体基材の下端の端面に該触媒用スラリー
が供給または排出できる状態で、該触媒担体基材の下端
周縁部を保持する触媒担体基材保持部と、 該触媒用スラリーを保持するシリンダー室と、該シリン
ダー室の容積を変化させることができるピストンと、を
備えるスラリー保持部と、 該シリンダー室に供給される該触媒用スラリーが循環す
るループ回路と、からなり、 該ループ回路から該シリンダー室に該触媒用スラリーが
供給され、該シリンダー室に該触媒用スラリーが保持さ
れた状態で、該ピストンで該シリンダー室の容積を所定
量減少させることで該触媒用スラリーが該触媒担体基材
の下端の該端面に供給されることを特徴とする触媒用ス
ラリーのコート装置。 - 【請求項2】 前記シリンダ室は、前記ループ回路に組
み込まれている請求項1記載の触媒用スラリーのコート
装置。 - 【請求項3】 前記ループ回路は、前記触媒用スラリー
を調整、保持するスラリー調整手段を持つ請求項2記載
の触媒用スラリーのコート装置。 - 【請求項4】 前記触媒用スラリーがコートされた前記
触媒担体基材から、余分な触媒用スラリーを除去するス
ラリー除去手段を有する請求項1記載の触媒用スラリー
のコート装置。 - 【請求項5】 前記スラリー除去手段は、前記触媒用ス
ラリーが供給された前記触媒担体基材の上端の端面にエ
アーを吹き付けて前記余分な触媒用スラリーを吹き払う
手段である請求項4記載の触媒用スラリーのコート装
置。
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