JP2001276617A - 脱硝触媒および脱硝方法 - Google Patents

脱硝触媒および脱硝方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 窒素酸化物の除去性能に一層優れ、排ガス中
の窒素酸化物を除去するのに好適な脱硝触媒およびこれ
を用いた脱硝方法を提供する。 【解決手段】 触媒成分として、チタン酸化物(TiO
2)と、チタン−ケイ素複合酸化物(TiO2−Si
2)と、バナジウム酸化物と、モリブデン酸化物とを
含んでなる脱硝触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱硝触媒および脱
硝方法に関する。特に、排ガス中の窒素酸化物(NO
x)を除去するための脱硝触媒およびこれを用いた脱硝
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在実用化されている排ガス中の窒素酸
化物除去方法としては、アンモニアまたは尿素などの還
元剤を用いて排ガス中の窒素酸化物を脱硝触媒上で接触
還元し、無害な窒素と水とに分解する選択的触媒還元い
わゆるSCR法が一般的である。近年、酸性雨に代表さ
れるように窒素酸化物による環境汚染が世界的に深刻化
するに伴い、脱硝技術の高効率化が要求されている。こ
のような状況下、チタンとバナジウムの酸化物およびモ
リブデン、タングステンなどの酸化物からなる脱硝触媒
(特公昭53−28148号公報)や、チタンおよびケ
イ素からなる二元系酸化物と、バナジウム、タングステ
ン、モリブデンなどの金属酸化物とからなる脱硝触媒
(特公昭57−30532号公報)が実用化され、現
在、広く用いられている。
【0003】これらの触媒は、いずれも優れた窒素酸化
物の除去性能を有するとともに、排ガス中に共存する硫
黄酸化物の酸化性能も低く、かつ耐久性に優れている
が、さらに高性能の触媒が出現することは好ましいこと
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の課題
は、窒素酸化物の除去性能に一層優れ、排ガス中の窒素
酸化物を除去するのに好適な脱硝触媒およびこれを用い
た脱硝方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために、新しい触媒成分を求めた結果、チタン
酸化物とチタン−ケイ素複合酸化物の両方を含有し、か
つモリブデン酸化物を含有する触媒が有効であることを
見いだし、脱硝触媒とこれを用いた脱硝方法にかかる本
発明を完成した。すなわち、本発明にかかる脱硝触媒
は、触媒成分として、チタン酸化物(TiO2)と、チ
タン−ケイ素複合酸化物(TiO2−SiO2)と、バナ
ジウム酸化物と、モリブデン酸化物とを含んでなる。
【0006】本発明にかかる脱硝方法は、排ガスを、上
記脱硝触媒と接触させる方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】〔脱硝触媒〕本発明の脱硝触媒
は、触媒成分の主成分としてチタン酸化物(TiO2
を含有し、さらに触媒成分の第2主成分としてチタン−
ケイ素複合酸化物(TiO2−SiO2、以下、「Ti−
Si複合酸化物」という)を含有する。チタン酸化物は
脱硝活性に優れるが、同時に二酸化硫黄の三酸化硫黄へ
の酸化性能も高い。また、Ti−Si複合酸化物は、特
異な固体酸性を示すことが知られており、また、非晶質
であることから比表面積が大きく、これらの化学的性質
から、還元剤として用いられているアンモニアの吸着性
能に優れている。異なる性質を示す2種類の酸化物を均
密に混合することにより、両者の相互作用から相乗効果
が生まれ、二酸化硫黄の三酸化硫黄への酸化性能を抑制
しつつ、脱硝性能に優れた触媒となり得ると考えられ
る。
【0008】本発明の触媒における、酸化チタンと、T
i−Si複合酸化物との比率は、酸化物重量比で、酸化
チタン:Ti−Si複合酸化物=2:98〜90:10
の範囲内であることが好ましく、より好ましくは10:
90〜80:20の範囲内である。Ti−Si複合酸化
物の含有量が前記範囲を下回る場合も上回る場合も、各
々単独の性質しか得られない上に、目的とする触媒物性
が得られないため、排ガス処理性能が低下する。上記チ
タン酸化物の供給原料としては、酸化チタンのほか、焼
成してチタン酸化物を生成するものであれば、無機およ
び有機のいずれの化合物も使用することができる。例え
ば、四塩化チタン、硫酸チタンなどの無機チタン化合物
またはシュウ酸チタン、テトライソプロピルチタネート
などの有機チタン化合物を用いることができる。
【0009】上記Ti−Si複合酸化物の調製に用いる
チタン源としては、上記の無機および有機のいずれの化
合物も使用することができ、またケイ素源としては、コ
ロイド状シリカ、水ガラス、微粒子ケイ素、四塩化ケイ
素などの無機ケイ素化合物およびテトラエチルシリケー
トなどの有機ケイ素化合物から適宜選択して使用するこ
とができる。上記Ti−Si複合酸化物は、例えば、以
下の手順(a)〜(d)によって調製することができ
る。 (a)シリカゾルとアンモニア水を混合し、硫酸チタン
の硫酸水溶液を添加して沈澱を生じさせ、得られた沈澱
物を洗浄・乾燥し、次いで300〜700℃で焼成す
る。 (b)硫酸チタン水溶液にケイ酸ナトリウム水溶液を添
加し、反応して沈殿を生じさせ、得られた沈殿物を洗浄
・乾燥し、次いで300〜700℃で焼成する。 (c)四塩化チタンの水−アルコール溶液にエチルシリ
ケート(テトラエトキシシラン)を添加し、次いで加水
分解することにより沈殿を生じさせ、得られた沈殿物を
洗浄・乾燥し、次いで300〜700℃で焼成する。 (d)酸化塩化チタン(オキシ三塩化チタン)とエチル
シリケートとの水−アルコール溶液に、アンモニアを加
えて沈殿を生じさせ、得られた沈殿物を洗浄・乾燥し、
次いで300〜700℃で焼成する。
【0010】上記の方法のうち、(a)の方法が特に好
ましく、さらに具体的にはケイ素源とアンモニア水をモ
ル比が所定量になるように取り、チタン源として酸性の
水溶液またはゾル状態(1〜100g/リットル(チタ
ン源はTiO2で換算)の濃度の酸性の水溶液またはゾ
ル状態)で、10〜100℃に保ちながら、滴下し、p
H2〜10で10分間から3時間保持してチタンおよび
ケイ素の共沈物を生成し、この沈殿物をろ過し、充分洗
浄後、80〜140℃で10分間から3時間乾燥し、3
00〜700℃で1〜10時間焼成することにより目的
とするTi−Si複合酸化物を得ることができる。
【0011】本発明の触媒は、触媒成分の第1副成分と
してバナジウム酸化物を前記主成分(チタン酸化物とT
i−Si複合酸化物の合計量)に対して好ましくは0.
1〜25重量%、より好ましくは1〜15重量%含むと
ともに、第2副成分としてモリブデン酸化物を前記主成
分に対して好ましくは0.1〜25重量%、より好まし
くは1〜15重量%含む。バナジウム酸化物とモリブデ
ン酸化物の各含有量が0.1重量%より少ないと添加効
果が十分得られず、他方、25重量%を超えてもそれほ
ど大きな活性の向上は認められず、場合によっては活性
が低下することもある。
【0012】バナジウム酸化物やモリブデン酸化物の供
給原料としては、各々の酸化物自体のほかに、焼成によ
ってこれらの酸化物を生成するものであれば、無機およ
び有機のいずれの化合物も用いることができる。例え
ば、各々の金属を含む水酸化物、アンモニウム塩、シュ
ウ酸塩、ハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩などを用いるこ
とができる。本発明の触媒は、上記のような触媒成分を
含み、0.01〜0.05μmの範囲に孔径分布のピー
クを有する細孔群(以下、第一細孔群という場合もあ
る)と0.8〜4μmの範囲に孔径分布のピークを有す
る細孔群(以下、第二細孔群という場合もある)とを含
む細孔を有する。
【0013】本発明では、触媒の細孔は、それぞれ実質
的に独立した2つの孔径分布のピークを有し、しかもそ
れぞれのピークを含む細孔群の孔径分布は狭く、実質的
に均一なものである。孔径分布のピークはそれぞれの孔
径範囲に1つずつあるのが好ましい。もちろん、孔径分
布が実質的に均一でなく、孔径分布のピークがショルダ
ーを有するようなものであってもよいが、孔径分布が実
質的に均一な細孔を有する触媒が特に好適に用いられ
る。本発明の触媒の、水銀圧入法で測定した全細孔容積
は、0.2〜0.6cc/gの範囲にあるのがよい。
【0014】そして、本発明の触媒では、第一細孔群が
占める細孔容積は全細孔容積の20〜80%、また第三
細孔群が占める細孔容積は全細孔容積の5〜70%の範
囲にあるのがよい。本発明の触媒の平均粒子径は好まし
くは0.001〜100μm、より好ましくは0.01
〜100μmの範囲にあるのがよい。本発明の触媒のB
ET法による比表面積は好ましくは30〜250m2
g、より好ましくは40〜200m2/gの範囲にある
のがよい。したがって、本発明の触媒としては、触媒成
分としてチタン酸化物とTi−Si複合酸化物とバナジ
ウム酸化物とモリブデン酸化物を含み、水銀圧入法によ
る全細孔容積が0.2〜0.6cc/gであり、0.0
1〜0.05μmの範囲に孔径分布のピークを有する細
孔群と0.8〜4μmの範囲に孔径分布のピークを有す
る細孔群とを含む細孔を有し、しかも0.01〜0.0
5μmの範囲に孔径分布のピークを有する細孔群が占め
る細孔容積が、全細孔容積の20〜80%であり、0.
8〜4μmの範囲に孔径分布のピークを有する細孔群が
占める細孔容積が全細孔容積の5〜70%である触媒が
好適に用いられる。
【0015】しかも、上記好適な本発明の触媒におい
て、BET法による比表面積が30〜250m2/gの
範囲にあるのがさらに好適であり、また、平均粒子径が
0.001〜100μmの範囲にあるのがさらに好適で
ある。本発明の触媒の形状については特に制限はなく、
板状、波板状、網状、ハニカム状、円柱状、円筒状など
のうちから選んだ所望の形状で用いてもよく、またアル
ミナ、シリカ、コーディライト、チタニア、ステンレス
金属などよりなる板状、波板状、網状、ハニカム状、円
柱状、円筒状などのうちから選んだ所望の形状の担体に
担持して使用してもよい。 〔触媒の製造方法〕本発明の触媒は、任意の方法で調製
することができる。以下にその一例を示すが、本発明の
触媒の調製方法はこれらに限定されない。
【0016】本発明の触媒の調製方法としては、たとえ
ば、前記触媒成分の主成分の粉体に、触媒成分の第1副
成分および第2副成分の塩類またはその溶液を任意の順
序で添加して調製する方法を挙げることができる。ま
た、第1副成分および第2副成分の塩類またはその溶液
を予め混合した後に、主成分の粉体に添加する方法でも
よく、主成分の成型体に、第1副成分および第2副成分
の塩類の溶液またはその両方の混合物を含浸担持させる
方法でもよい。本発明の触媒の別の調製方法としては、
たとえば、触媒成分の主成分と第1副成分の混合物に、
触媒成分の第2副成分を担持させる方法や、触媒成分の
主成分と第2副成分の混合物に、触媒成分の第1副成分
を担持させる方法を挙げることができる。
【0017】主成分であるチタン酸化物とTi−Si複
合酸化物とを混合する場合は、従来公知の混合方法にし
たがえばよく、例えば、ニーダーなどの混合機に、チタ
ン酸化物粉末とTi−Si複合酸化物粉末とを投入し
て、撹拌・混合することができる。また、本発明で規定
する物理的特性を有する触媒を容易に得るには、前記し
た各調製方法において、触媒粉体を適当な粒子径にな
るように粉砕方法を制御する方法や、混練り時に添加
するデンプンなどの成形助剤や水分の添加量の制御、練
り具合いを制御する方法、触媒焼成時に分解または揮
発する樹脂を混練り時に添加する方法等をさらに行って
調製することが好ましく、これら方法を適宜組み合わせ
て調製してもよい。
【0018】これらの方法のうち、方法およびのよ
うに、焼成工程で、成形助剤や樹脂等の、分解または揮
発する化合物(本発明では易分解性化合物という)を触
媒調製時に添加して、焼成前の、チタン酸化物および/
または焼成によってチタン酸化物となるものを必須成分
とする触媒前駆体に所定量存在させ、その後の焼成工程
において、この易分解性化合物を焼成によって除去する
方法が好適に用いられる。前記方法の混練時に加える
樹脂としては、アセタール樹脂、アクリル樹脂、メタク
リル樹脂、フェノール樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂などを用いることができる。
【0019】この樹脂等の易分解性化合物の平均粒子径
は、5〜1000μmの範囲にあるのが好ましく、ま
た、その添加量は前述の触媒前駆体に対し、0.1〜3
0重量%の範囲にあるのが好ましい。易分解性化合物の
平均粒子径および添加量がこれらの範囲を外れると、本
発明で規定する物理的特性は得られない。なお、添加量
が多すぎると、得られる触媒の機械的強度が低下する。
この易分解性化合物は、触媒の焼成時に加熱分解・蒸散
し、その部分に細孔が形成されるが、易分解性化合物の
熱分解温度は100〜700℃であるのが好ましく、そ
の分解時の発熱量は、50kcal/g以下であるのが
好ましい。易分解性化合物の熱分解温度が700℃を超
えると、触媒焼成時に未燃の易分解性化合物が残存する
ことがあり、また、分解時の発熱量が50kcal/g
よりも大きいと、触媒焼成時の発熱が大きくなり、触媒
の比表面積が小さくなる他、活性成分のシンタリングな
どの原因となる。 〔脱硝方法〕本発明の脱硝触媒は、ボイラ、焼却炉、ガ
スタービン、ディーゼルエンジンおよび各種工業プロセ
スから排出される窒素酸化物の分解活性に優れるため、
これら窒素酸化物を含む排ガスの処理に好適に用いられ
る。さらには、これらの排ガス中には、一般に二酸化硫
黄が含まれており、二酸化硫黄が三酸化硫黄に酸化され
た場合、装置の腐食などの不具合が生じるが、本発明の
脱硝触媒は、二酸化硫黄の三酸化硫黄への酸化能が低い
ため、より好適に用いられる。
【0020】本発明の触媒を用いて脱硝を行うには、本
発明の触媒をアンモニアや尿素などの還元剤の存在下、
排ガスと接触させ、排ガス中の窒素酸化物を還元除去す
る。この際の条件については、特に制限がなく、この種
の反応に一般的に用いられている条件で実施することが
できる。具体的には、排ガスの種類、性状、要求される
窒素酸化物の分解率などを考慮して適宜決定すればよ
い。なお、本発明の触媒を用いて脱硝を行う場合の排ガ
スの空間速度は、通常、100〜100000Hr
-1(STP)であり、好ましくは200〜50000H
-1(STP)である。100Hr-1未満では、処理装
置が大きくなりすぎるため非効率となり、一方1000
00Hr-1を超えると分解効率が低下する。また、その
際の温度は、130〜450℃であることが好ましく、
130〜300℃である場合、特に顕著な効果が得られ
る。排ガス温度が130℃より低いと脱硝効率が低下
し、450℃を超えると活性成分のシンタリングなどの
問題が起こる。
【0021】なお、本発明の脱硝触媒を用いて、有機ハ
ロゲン化合物(ダイオキシン類など)と窒素酸化物を同
時に除去することもできる。
【0022】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。以下において、第一細孔群は、0.01〜
0.05μmの範囲に孔径分布のピークを有する細孔群
であり、第二細孔群は、0.8〜4μmの範囲に孔径分
布のピークを有する細孔群である。 (実施例1)まず、Ti−Si複合酸化物を次のように
調製した。10重量%アンモニア水700リットルにス
ノーテックス−20(日産化学(株)製シリカゾル、約
20重量%のSiO2含有)21.3kgを加え、攪
拌、混合した後、硫酸チタニルの硫酸溶液(TiO2
して125g/リットル、硫酸濃度550g/リット
ル)340リットルを攪拌しながら徐々に滴下した。得
られたゲルを3時間放置した後、ろ過、水洗し、続いて
150℃で10時間乾燥した。これを500℃で焼成
し、更にハンマーミルを用いて粉砕し、分級機で分級し
て平均粒子径10μmの粉体を得た。得られた粉体の組
成はTiO2:SiO2=8.5:1.5(モル比)であ
り、粉体のX線回折チャートではTiO2やSiO2の明
らかな固有ピークは認められず、ブロードな回折ピーク
によって非晶質な微細構造を有するチタンとケイ素との
複合酸化物(Ti−Si複合酸化物)であることが確認
された。
【0023】市販の酸化チタン粉体(DT−51(商品
名)、ミレニアム社製)1.8kgと上記で調製したT
i−Si複合酸化物16.2kgをニーダーに投入後、
撹拌してよく混合した。次いで、メタバナジン酸アンモ
ニウム1.43kg、蓚酸1.7kgおよびモノエタノ
ールアミン0.4kgを水5リットルに溶解させた溶液
と、パラモリブデン酸アンモニウム1.36kgおよび
モノエタノールアミン0.5kgを水3リットルに溶解
させた溶液とさらに成形助剤とを加えてよく混合し、適
量の水を加えつつニーダーでよく混練りした後、押出成
形機で外形80mm角、目開き4.0mm、肉厚1.0
mm、長さ500mmのハニカム状に成形した。次い
で、80℃で乾燥した後、450℃で5時間空気雰囲気
下で焼成して触媒Aを得た。
【0024】この触媒Aの組成は、チタン酸化物:Ti
−Si複合酸化物:V25:MoO 3=9:81:5:
5(酸化物換算重量%)であり、チタン酸化物とTi−
Si複合酸化物の混合比は、チタン酸化物:Ti−Si
複合酸化物=10:90(酸化物換算重量%)であっ
た。触媒Aの細孔径分布およびBET表面積を測定した
結果を表1に示した。触媒Aを用いて、下記の条件で脱
硝性能試験およびSO2酸化率の測定を行った。 <試験条件> ガス組成 NOx:200ppm、SO2:1000ppm、N
3:200ppmO2:10%、H2O:15%、N2
バランス ガス温度:250℃ 空間速度:10000Hr-1 なお、脱硝率およびSO2酸化率は下記の式にしたがっ
て求めた。
【0025】脱硝率(%)=[(反応器入口NOx濃
度)−(反応器出口NOx濃度)]÷(反応器入口NO
x濃度)×100 SO2酸化率(%)=(反応器出口SO3濃度)÷(反応
器入口SO2濃度)×100 得られた脱硝率およびSO2酸化率を表1に示した。 [実施例2〜4]チタン酸化物とTi−Si複合酸化物
の混合比を、それぞれ30:70、50:50、80:
20に変更した以外は、実施例1と同様の方法で触媒B
〜Dを調製した。各々の触媒の組成および物性測定結果
は表1に示したとおりである。
【0026】触媒B〜Dを用い、実施例1と同様にし
て、脱硝性能試験およびSO2酸化率を行った。結果を
表1に示した。次に、触媒Bを用いて、ガス温度を15
0〜400℃に変更した以外は実施例1と同様にして、
脱硝性能試験およびSO2酸化率の測定を行った。結果
を表2に示した。 [実施例5]市販の酸化チタン粉体(DT−51(商品
名)、ミレニアム社製)1.8kgと実施例1で調製し
たTi−Si複合酸化物16.2kgをニーダーに投入
後、撹拌してよく混合した。次いで、メタバナジン酸ア
ンモニウム1.43kg、蓚酸1.7kgおよびモノエ
タノールアミン0.4kgを水5リットルに溶解させた
溶液と、パラモリブデン酸アンモニウム1.36kgお
よびモノエタノールアミン0.5kgを水3リットルに
溶解させた溶液とを加え、さらにフェノール樹脂(ベル
パール(商品名)、カネボウ(株)製)1kgを成形助
剤とともに加えて混合し、適量の水を加えつつニーダー
でよく混練りした後、実施例1と同様のハニカム状の触
媒Eを得た。
【0027】触媒Eを用い、実施例1と同様にして、脱
硝性能試験およびSO2酸化率を行った。結果を表1に
示した。 [実施例6〜8]チタン酸化物とTi−Si複合酸化物
の混合比を、それぞれ30:70、50:50、80:
20に変更した以外は、実施例5と同様の方法で触媒F
〜Hを調製した。各々の触媒の組成および物性測定結果
は表1に示したとおりである。触媒F〜Hを用い、実施
例1と同様にして、脱硝性能試験およびSO2酸化率を
行った。結果を表1に示した。
【0028】[比較例1]市販の酸化チタン粉体(DT
−51(商品名)、ミレニアム社製)18kgに、メタ
バナジン酸アンモニウム1.29kg、蓚酸1.68k
gを水5リットルに溶解させた溶液と、パラモリブデン
酸アンモニウム1.23kgおよびモノエタノールアミ
ン0.55kgを水3リットルに溶解させた溶液とさら
に成形助剤とを加えてよく混合し、適量の水を加えつつ
ニーダーでよく混練りした後、押出成形機で外形80m
m角、目開き4.0mm、肉厚1.0mm、長さ500
mmのハニカム状に成形した。次いで、80℃で乾燥し
た後、450℃で5時間空気雰囲気下で焼成して触媒I
を得た。
【0029】この触媒Iの組成は、TiO2:V25
MoO3=90:5:5(酸化物換算重量%)であっ
た。物性測定結果は表1に示したとおりである。触媒I
を用い、実施例1と同様にして、脱硝性能試験およびS
2酸化率の測定を行った。結果を表1に示した。 [比較例2]市販の酸化チタン粉体の代わりに、実施例
1で調製したTi−Si複合酸化物を用いた以外は、比
較例1と同様の方法で触媒Jを調製した。この触媒Jの
組成は、Ti−Si複合酸化物:V25:MoO3=9
0:5:5(酸化物換算重量%)であった。物性測定結
果は表1に示したとおりである。
【0030】触媒Jを用い、実施例1と同様にして、脱
硝性能試験およびSO2酸化率の測定を行った。結果を
表1に示した。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明の触媒は窒素酸化物の除去性能の
除去性能に優れるので、窒素酸化物を含む各種排ガスを
処理して窒素酸化物を除去するに好適に用いられる。し
たがって、本発明の触媒は、排ガス中の窒素酸化物の除
去用触媒として有用であり、また、有機ハロゲン化合物
や窒素酸化物の同時除去用の触媒として有用である。本
発明にかかる脱硝方法は、上記触媒を用いるため、効果
的に窒素酸化物を除去することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D048 AA06 AB02 AB03 AB05 BA06X BA07X BA23X BA26X BA41X BA42X BB02 CA01 CC38 CC39 4G069 AA03 AA09 AA12 BA02A BA02B BA04A BA04B BB04A BB04B BB06A BB06B BC54A BC54B BC59A BC59B BD05A BD05B CA02 CA03 CA08 CA10 CA13 DA06 EA19 EC06X EC06Y EC07X EC07Y EC15X EC15Y FA01 FB67

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒成分として、チタン酸化物(TiO
    2)と、チタン−ケイ素複合酸化物(TiO2−Si
    2)と、バナジウム酸化物と、モリブデン酸化物とを
    含んでなる脱硝触媒。
  2. 【請求項2】0.01〜0.05μmの範囲に孔径分布
    のピークを有する細孔群と0.8〜4μmの範囲に孔径
    分布のピークを有する細孔群とを含む細孔を有する、請
    求項1記載の脱硝触媒。
  3. 【請求項3】水銀圧入法による全細孔容積が0.2〜
    0.6cc/gであり、0.01〜0.05μmの範囲
    に孔径分布のピークを有する細孔群が占める細孔容積が
    全細孔容積の20〜80%であり、0.8〜4μmの範
    囲に孔径分布のピークを有する細孔群が占める細孔容積
    が全細孔容積の5〜70%である、請求項1または2に
    記載の脱硝触媒。
  4. 【請求項4】チタン酸化物と、チタン−ケイ素複合酸化
    物との比率が、酸化物重量比で、チタン酸化物:チタン
    −ケイ素複合酸化物=2:98〜90:10の範囲内で
    ある、請求項1から3のいずれかに記載の脱硝触媒。
  5. 【請求項5】バナジウム酸化物の含有量がチタン酸化物
    とチタン−ケイ素複合酸化物の合計量の0.1〜25重
    量%であり、モリブデン酸化物の含有量がチタン酸化物
    とチタン−ケイ素複合酸化物の合計量の0.1〜25重
    量%である、請求項1から4のいずれかに記載の脱硝触
    媒。
  6. 【請求項6】 排ガスを、請求項1から5のいずれかに
    記載の脱硝触媒と接触させる、脱硝方法。
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