JP2001274464A - n型熱電変換材料およびその製造方法 - Google Patents
n型熱電変換材料およびその製造方法Info
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- JP2001274464A JP2001274464A JP2000082775A JP2000082775A JP2001274464A JP 2001274464 A JP2001274464 A JP 2001274464A JP 2000082775 A JP2000082775 A JP 2000082775A JP 2000082775 A JP2000082775 A JP 2000082775A JP 2001274464 A JP2001274464 A JP 2001274464A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】熱電変換効率が高く、800℃以上の耐熱性を
備え、廃熱から電気エネルギーを取り出す用途での実用
的なn型熱電変換材料を提供する。 【解決手段】β型炭化ケイ素を80〜99%、金属窒化
物を1〜10%、金属ホウ化物を0〜5%、窒素含有有
機物を0〜8%、それぞれ含む原料を成形後、窒素ガス
雰囲気下1800〜2300℃で焼結してn型熱電変換
材料とする。
備え、廃熱から電気エネルギーを取り出す用途での実用
的なn型熱電変換材料を提供する。 【解決手段】β型炭化ケイ素を80〜99%、金属窒化
物を1〜10%、金属ホウ化物を0〜5%、窒素含有有
機物を0〜8%、それぞれ含む原料を成形後、窒素ガス
雰囲気下1800〜2300℃で焼結してn型熱電変換
材料とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、n型熱電変換材料
およびその製造方法に関する。
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】廃熱の有効利用法として、熱電変換材料
により廃熱から電気エネルギーを取り出して発電するこ
とが注目されている。この発電の効率は、熱電変換材料
の熱電変換効率と熱電変換材料で構成された2接点間の
温度差とに比例する。したがって、熱電変換材料として
は高い熱電変換効率と前記2接点間の温度差を大きくす
るための耐熱性とが要求されるが、現状では充分なもの
は得られていない。
により廃熱から電気エネルギーを取り出して発電するこ
とが注目されている。この発電の効率は、熱電変換材料
の熱電変換効率と熱電変換材料で構成された2接点間の
温度差とに比例する。したがって、熱電変換材料として
は高い熱電変換効率と前記2接点間の温度差を大きくす
るための耐熱性とが要求されるが、現状では充分なもの
は得られていない。
【0003】なお、熱電変換材料の熱電変換効率は、式
1で示される性能指数Zで評価され、この性能指数Zが
高いものほど熱電変換効率がよい。 Z=α2・σ/κ=α2/(ρ・κ)・・・式1 (α:ゼーベック係数、σ:電気伝導率、κ:熱伝導
率、ρ:比抵抗) 式1においてα2・σは、一般にパワーファクターと呼
ばれ、熱電変換材料から取り出せる電力の大きさの指標
となる。
1で示される性能指数Zで評価され、この性能指数Zが
高いものほど熱電変換効率がよい。 Z=α2・σ/κ=α2/(ρ・κ)・・・式1 (α:ゼーベック係数、σ:電気伝導率、κ:熱伝導
率、ρ:比抵抗) 式1においてα2・σは、一般にパワーファクターと呼
ばれ、熱電変換材料から取り出せる電力の大きさの指標
となる。
【0004】また、熱電変換材料にはn型とp型の2種
類あり、ゼーベック係数がマイナス値を示すものがn型
であり、ゼーベック係数がプラス値を示すものがp型で
ある。
類あり、ゼーベック係数がマイナス値を示すものがn型
であり、ゼーベック係数がプラス値を示すものがp型で
ある。
【0005】熱電変換材料の耐熱性としては、600℃
未満であると従来の蒸気タービンシステムを用いて発電
する方法に比べて発電効率が低いため、600℃以上が
要求されている。従来から知られていた熱電変換材料で
あるケイ化鉄(FeSi2)、ケイ化ゲルマニウム(G
eSi)は、耐熱温度が600℃未満であるため耐熱性
の点で問題があった。
未満であると従来の蒸気タービンシステムを用いて発電
する方法に比べて発電効率が低いため、600℃以上が
要求されている。従来から知られていた熱電変換材料で
あるケイ化鉄(FeSi2)、ケイ化ゲルマニウム(G
eSi)は、耐熱温度が600℃未満であるため耐熱性
の点で問題があった。
【0006】炭化ケイ素は、耐熱性が800℃以上と高
いことから熱電変換材料として有望視されている。しか
し、炭化ケイ素は耐熱性に優れているものの熱伝導率や
電気抵抗が比較的高いため、熱電変換効率がケイ化ゲル
マニウムなどの約1/3と低い問題がある。
いことから熱電変換材料として有望視されている。しか
し、炭化ケイ素は耐熱性に優れているものの熱伝導率や
電気抵抗が比較的高いため、熱電変換効率がケイ化ゲル
マニウムなどの約1/3と低い問題がある。
【0007】炭化ケイ素の熱電変換効率を向上させる手
段として特開平7−231121に炭化ケイ素質多孔体
にケイ素を含浸した熱電変換材料が提案されているが、
充分な熱電変換効率が得られていない。
段として特開平7−231121に炭化ケイ素質多孔体
にケイ素を含浸した熱電変換材料が提案されているが、
充分な熱電変換効率が得られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、熱電変換効
率が高く、耐熱性に優れるn型熱電変換材料の提供を目
的とする。
率が高く、耐熱性に優れるn型熱電変換材料の提供を目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、β型炭化ケイ
素80〜99質量%と金属窒化物1〜10質量%とを含
むn型熱電変換材料であって、熱電変換材料中に窒素元
素を0.5〜5質量%含むn型熱電変換材料およびその
製造方法を提供する。
素80〜99質量%と金属窒化物1〜10質量%とを含
むn型熱電変換材料であって、熱電変換材料中に窒素元
素を0.5〜5質量%含むn型熱電変換材料およびその
製造方法を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のn型熱電変換材料(以
下、本熱電変換材料という)は、β型炭化ケイ素80〜
99質量%(以下、質量%を単に%と記す)と金属窒化
物1〜10%とを含み、かつ熱電変換材料中に窒素元素
を0.5〜5%含む。
下、本熱電変換材料という)は、β型炭化ケイ素80〜
99質量%(以下、質量%を単に%と記す)と金属窒化
物1〜10%とを含み、かつ熱電変換材料中に窒素元素
を0.5〜5%含む。
【0011】本発明においてβ型炭化ケイ素は熱電変換
材料中80%未満であると熱電変換効率が低くなり、9
9%を超えると熱電変換効率が変化しなくなるため、8
0〜99%である。β型炭化ケイ素は、できるだけ多い
方が好ましく85%以上であるとさらに好ましい。
材料中80%未満であると熱電変換効率が低くなり、9
9%を超えると熱電変換効率が変化しなくなるため、8
0〜99%である。β型炭化ケイ素は、できるだけ多い
方が好ましく85%以上であるとさらに好ましい。
【0012】本熱電変換材料において、β型炭化ケイ素
以外にα型炭化ケイ素を含んでいてもよい。α型炭化ケ
イ素は、β型炭化ケイ素に比べて禁制帯幅が大きく、電
子および正孔の移動度が小さく、熱電変換特性が劣るた
め、その量はできるだけ少量が好ましい。α型炭化ケイ
素は、β型炭化ケイ素に対して外掛で5%以下、さらに
は2%以下が好ましい。
以外にα型炭化ケイ素を含んでいてもよい。α型炭化ケ
イ素は、β型炭化ケイ素に比べて禁制帯幅が大きく、電
子および正孔の移動度が小さく、熱電変換特性が劣るた
め、その量はできるだけ少量が好ましい。α型炭化ケイ
素は、β型炭化ケイ素に対して外掛で5%以下、さらに
は2%以下が好ましい。
【0013】本発明において金属窒化物は熱電変換材料
中1〜10%含む。金属窒化物を含むことで式1中のゼ
ーベック係数や電気伝導率が大きくなり、熱電変換効率
が向上する。金属窒化物が1%未満では熱電変換効率が
ほとんど向上せず、10%を超えるとゼーベック係数が
小さくなり熱電変換効率が低下する。
中1〜10%含む。金属窒化物を含むことで式1中のゼ
ーベック係数や電気伝導率が大きくなり、熱電変換効率
が向上する。金属窒化物が1%未満では熱電変換効率が
ほとんど向上せず、10%を超えるとゼーベック係数が
小さくなり熱電変換効率が低下する。
【0014】金属窒化物が周期表の第3〜7族の金属元
素の窒化物であると電気伝導率、入手性、取扱性などの
点で好ましい。TiN、ZrN、HfN、VN、Nb
N、TaNなどが例示される。金属窒化物がTiNおよ
び/またはZrNを含むものであると電気伝導率が大き
くなるためさらに好ましい。
素の窒化物であると電気伝導率、入手性、取扱性などの
点で好ましい。TiN、ZrN、HfN、VN、Nb
N、TaNなどが例示される。金属窒化物がTiNおよ
び/またはZrNを含むものであると電気伝導率が大き
くなるためさらに好ましい。
【0015】本熱電変換材料は窒素元素を熱電変換材料
中0.5〜5%含む。該窒素元素には窒化物中の窒素元
素も含める。熱電変換材料中の窒素元素の一部は、炭化
ケイ素に固溶して炭化ケイ素の電子移動度を大きくし、
熱電変換効率を向上させているものと思われる。なお、
本明細書において、窒素元素量は原子吸光法により定量
される。
中0.5〜5%含む。該窒素元素には窒化物中の窒素元
素も含める。熱電変換材料中の窒素元素の一部は、炭化
ケイ素に固溶して炭化ケイ素の電子移動度を大きくし、
熱電変換効率を向上させているものと思われる。なお、
本明細書において、窒素元素量は原子吸光法により定量
される。
【0016】本発明において、窒化物以外の窒素源とし
ては窒素含有有機物や焼結過程での窒素雰囲気などがあ
る。窒素含有有機物としては、融点200℃以上で1分
子中に窒素原子を3個以上含む有機物であると、焼結後
も窒素の残存率が高いため電子移動度を大きくし、しか
も焼結体が多孔化することで熱伝導率の低下をもたし熱
電変換効率が向上するため好ましい。この場合、窒素含
有有機物の分子量が100以上であるとさらに好まし
い。窒素含有有機物がグアニンであると特に好ましい。
窒素含有有機物は成形原料中1%未満では添加効果がほ
とんどなく、8%を超えると焼結後の熱電変換効率が低
下するため、成形原料中1〜8%であると好ましい。
ては窒素含有有機物や焼結過程での窒素雰囲気などがあ
る。窒素含有有機物としては、融点200℃以上で1分
子中に窒素原子を3個以上含む有機物であると、焼結後
も窒素の残存率が高いため電子移動度を大きくし、しか
も焼結体が多孔化することで熱伝導率の低下をもたし熱
電変換効率が向上するため好ましい。この場合、窒素含
有有機物の分子量が100以上であるとさらに好まし
い。窒素含有有機物がグアニンであると特に好ましい。
窒素含有有機物は成形原料中1%未満では添加効果がほ
とんどなく、8%を超えると焼結後の熱電変換効率が低
下するため、成形原料中1〜8%であると好ましい。
【0017】本熱電変換材料が、周期表の第3〜7族の
金属元素のホウ化物(以下、単に金属ホウ化物と略す)
を含むと、熱電変換材料の高温での耐久性が向上するた
め好ましい。金属ホウ化物としては、ZrB2、Ti
B2、HfB2、NbB、CrB、MoB、WBなどが例
示される。金属ホウ化物としてZrB2および/または
TiB2を含むものであるとさらに好ましい。金属ホウ
化物の配合量は、熱電変換材料中1〜5%であると好ま
しい。本熱電変換材料が、600℃を超える温度領域に
おいてパワーファクターが1.0×10-3W/(m/K
2)以上であると好ましい。
金属元素のホウ化物(以下、単に金属ホウ化物と略す)
を含むと、熱電変換材料の高温での耐久性が向上するた
め好ましい。金属ホウ化物としては、ZrB2、Ti
B2、HfB2、NbB、CrB、MoB、WBなどが例
示される。金属ホウ化物としてZrB2および/または
TiB2を含むものであるとさらに好ましい。金属ホウ
化物の配合量は、熱電変換材料中1〜5%であると好ま
しい。本熱電変換材料が、600℃を超える温度領域に
おいてパワーファクターが1.0×10-3W/(m/K
2)以上であると好ましい。
【0018】本発明の熱電変換材料の製造方法(以下、
本製造方法という)では、β型炭化ケイ素80〜99%
と金属窒化物1〜10%とを含む成形原料を成形した
後、窒素ガス雰囲気下1800〜2300℃で焼結す
る。前記成形原料が金属ホウ化物を1〜5%含むと熱電
変換材料の高温での耐久性が向上し、前記成形原料が窒
素含有有機物を1〜8%含むと熱電変換材料の変換効率
が向上するため、それぞれ好ましい。
本製造方法という)では、β型炭化ケイ素80〜99%
と金属窒化物1〜10%とを含む成形原料を成形した
後、窒素ガス雰囲気下1800〜2300℃で焼結す
る。前記成形原料が金属ホウ化物を1〜5%含むと熱電
変換材料の高温での耐久性が向上し、前記成形原料が窒
素含有有機物を1〜8%含むと熱電変換材料の変換効率
が向上するため、それぞれ好ましい。
【0019】本製造方法において、β型炭化ケイ素、金
属窒化物、金属ホウ化物、窒素含有有機物はそれぞれ前
記したものを使用すると好ましい。本製造方法において
β型炭化ケイ素としては、純度が95%以上であり、平
均粒子直径が1.0μm以下であるものが好ましい。金
属窒化物および金属ホウ化物としては、純度が90%以
上であり、平均粒子直径が10μm以下であるものが好
ましい。なお、上記平均粒子直径はいずれもレーザー回
折式粒度分布測定機で測定した値である。
属窒化物、金属ホウ化物、窒素含有有機物はそれぞれ前
記したものを使用すると好ましい。本製造方法において
β型炭化ケイ素としては、純度が95%以上であり、平
均粒子直径が1.0μm以下であるものが好ましい。金
属窒化物および金属ホウ化物としては、純度が90%以
上であり、平均粒子直径が10μm以下であるものが好
ましい。なお、上記平均粒子直径はいずれもレーザー回
折式粒度分布測定機で測定した値である。
【0020】窒化物以外の窒素源となる窒素ガスおよび
グアニンなどの窒素含有有機物は純度の高いものが好ま
しく、窒素ガスは純度99%以上、窒素含有有機物は純
度95以上であるとさらに好ましい。
グアニンなどの窒素含有有機物は純度の高いものが好ま
しく、窒素ガスは純度99%以上、窒素含有有機物は純
度95以上であるとさらに好ましい。
【0021】本製造方法において、成形方法としては、
セラミックスや粉末冶金で通常実施されている方法を適
宜採用できる。所定の金型を用いてプレス成形で予備成
形した後、さらに冷間静水圧成形すると、熱電変換材料
の均質性が高くなるため好ましい。この場合プレス圧力
は9〜12MPa、冷間静水圧力は100〜200MP
aとするのが好ましい。
セラミックスや粉末冶金で通常実施されている方法を適
宜採用できる。所定の金型を用いてプレス成形で予備成
形した後、さらに冷間静水圧成形すると、熱電変換材料
の均質性が高くなるため好ましい。この場合プレス圧力
は9〜12MPa、冷間静水圧力は100〜200MP
aとするのが好ましい。
【0022】焼結方法としては窒素雰囲気下で1800
〜2300℃で焼結する。焼結温度が1800℃未満で
ある場合は、窒素が炭化ケイ素に固溶しにくいため熱電
変換効率が低い。一方、2300℃を超える場合は、β
型炭化ケイ素がα型に相転移しやすくなりゼーベック係
数および電気伝導率が下がり、その結果、熱電変換効率
が低下する。好ましくは焼結温度が1900〜2200
℃である。
〜2300℃で焼結する。焼結温度が1800℃未満で
ある場合は、窒素が炭化ケイ素に固溶しにくいため熱電
変換効率が低い。一方、2300℃を超える場合は、β
型炭化ケイ素がα型に相転移しやすくなりゼーベック係
数および電気伝導率が下がり、その結果、熱電変換効率
が低下する。好ましくは焼結温度が1900〜2200
℃である。
【0023】本製造方法において、焼結は窒素ガス雰囲
気下で行う。窒素ガス雰囲気下で焼結することにより、
熱電変換材料中に効果的に窒素が均一に分散、固溶され
る。焼結時の窒素ガス流量は0.5L/分以上にするこ
とが好ましい。流量が0.5L/分未満であると焼結中
に窒素が固溶しにくくなり、ゼーベック係数や電気伝導
度などの特性が低下するおそれがある。
気下で行う。窒素ガス雰囲気下で焼結することにより、
熱電変換材料中に効果的に窒素が均一に分散、固溶され
る。焼結時の窒素ガス流量は0.5L/分以上にするこ
とが好ましい。流量が0.5L/分未満であると焼結中
に窒素が固溶しにくくなり、ゼーベック係数や電気伝導
度などの特性が低下するおそれがある。
【0024】
【実施例】[例1(実施例)]β型炭化ケイ素粉末(平
均粒子直径0.5μm)91g、ZrN粉末(平均粒子
直径2.0μm)4g、ZrB2粉末(平均粒子直径
2.4μm)1.5g、グアニン(純度98%以上)4
gからなる原料にトルエンとエタノールの混合溶液(質
量比でトルエン/エタノール=90/10)250cm
3を分散溶媒として加え振動ミルにより混合した後、分
散溶媒を留去し乾燥粉を得た。
均粒子直径0.5μm)91g、ZrN粉末(平均粒子
直径2.0μm)4g、ZrB2粉末(平均粒子直径
2.4μm)1.5g、グアニン(純度98%以上)4
gからなる原料にトルエンとエタノールの混合溶液(質
量比でトルエン/エタノール=90/10)250cm
3を分散溶媒として加え振動ミルにより混合した後、分
散溶媒を留去し乾燥粉を得た。
【0025】得られた乾燥粉25gを、30mm×50
mmの金型に入れて圧力10MPaで予備成形した後、
圧力147MPaで冷間静水圧成形した。得られた成形
体を、電気炉中で窒素ガス雰囲気下、最高温度2000
℃にて2時間保持して焼結した。このときの窒素雰囲気
圧は10〜30kPa、窒素ガス流量は1L/分とし
た。ついで、この焼結体を5mm×5mm×30mmの
角柱状に加工して試料とした。
mmの金型に入れて圧力10MPaで予備成形した後、
圧力147MPaで冷間静水圧成形した。得られた成形
体を、電気炉中で窒素ガス雰囲気下、最高温度2000
℃にて2時間保持して焼結した。このときの窒素雰囲気
圧は10〜30kPa、窒素ガス流量は1L/分とし
た。ついで、この焼結体を5mm×5mm×30mmの
角柱状に加工して試料とした。
【0026】[例2(実施例)]ZrB2粉末を配合せ
ず、ZrN粉末4gの代わりにTiN粉末(平均粒子直
径1.4μm)5gを用いた以外は例1と同様にして試
料を作製した。
ず、ZrN粉末4gの代わりにTiN粉末(平均粒子直
径1.4μm)5gを用いた以外は例1と同様にして試
料を作製した。
【0027】[例3(実施例)]ZrB2粉末を配合せ
ず、ZrN粉末の量を4gの代わりに5gとした以外は
例1と同様にして試料を作製した。
ず、ZrN粉末の量を4gの代わりに5gとした以外は
例1と同様にして試料を作製した。
【0028】[例4(実施例)]ZrB2粉末とグアニ
ン粉末を配合せず、β型炭化ケイ素粉末の量を91gの
代わりに95gとし、ZrN粉末の量を4gの代わりに
5gとした以外は例1と同様にして試料を作製した。
ン粉末を配合せず、β型炭化ケイ素粉末の量を91gの
代わりに95gとし、ZrN粉末の量を4gの代わりに
5gとした以外は例1と同様にして試料を作製した。
【0029】[例5(比較例)]ZrN粉末とZrB2
粉末を配合せず、β型炭化ケイ素粉末の量を91gの代
わりに96gとした以外は例1と同様にして試料を作製
した。
粉末を配合せず、β型炭化ケイ素粉末の量を91gの代
わりに96gとした以外は例1と同様にして試料を作製
した。
【0030】[例6(比較例)]焼結時の雰囲気ガスを
窒素ガスの代わりにアルゴンガスとした以外は例5と同
様にして試料を作製した。
窒素ガスの代わりにアルゴンガスとした以外は例5と同
様にして試料を作製した。
【0031】[例7(比較例)]グアニンを配合せず、
アルゴンガスの流量を1L/分の代わりに0.1L/分
とした以外は例6と同様にして試料を作製した。
アルゴンガスの流量を1L/分の代わりに0.1L/分
とした以外は例6と同様にして試料を作製した。
【0032】[評価]例1〜例7により得られた試料に
ついて、β型炭化ケイ素の質量比率(%)を、粉末X線
回折装置(リガク社製、商品名:ガイガーフレックスR
AD−IIA)を用いて測定した。また、各試料におけ
る窒素含有量およびホウ素含有量を原子吸光分析法によ
り測定した。測定結果を表1に示す。
ついて、β型炭化ケイ素の質量比率(%)を、粉末X線
回折装置(リガク社製、商品名:ガイガーフレックスR
AD−IIA)を用いて測定した。また、各試料におけ
る窒素含有量およびホウ素含有量を原子吸光分析法によ
り測定した。測定結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】例1〜例7により得られた試料について比
抵抗ρ(μΩm)およびゼーベック係数α(μV/K)
を測定し、あわせてパワーファクター(10-3W/(m
/K 2))も算出した。比抵抗は四極端子法により測定
した抵抗値から算出した。ゼーベック係数は、試料の両
端にクロメル−アルメル熱電対(タイプK)を密着さ
せ、片方の端部を加熱し、別の端部を冷却することによ
り試料の両端に温度差をつけ、両熱電対間の起電力差を
測定することによって算出した。このとき標準試料とし
て白金を用いた。測定結果を表2(例1)、表3(例
2)、表4(例3)、表5(例4)、表6(例5)、表
7(例6)、表8(例7)に示す。
抵抗ρ(μΩm)およびゼーベック係数α(μV/K)
を測定し、あわせてパワーファクター(10-3W/(m
/K 2))も算出した。比抵抗は四極端子法により測定
した抵抗値から算出した。ゼーベック係数は、試料の両
端にクロメル−アルメル熱電対(タイプK)を密着さ
せ、片方の端部を加熱し、別の端部を冷却することによ
り試料の両端に温度差をつけ、両熱電対間の起電力差を
測定することによって算出した。このとき標準試料とし
て白金を用いた。測定結果を表2(例1)、表3(例
2)、表4(例3)、表5(例4)、表6(例5)、表
7(例6)、表8(例7)に示す。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】
【表6】
【0040】
【表7】
【0041】
【表8】
【0042】例1〜例4の試料は、例5〜例7の試料に
比較して、ゼーベック係数およびパワーファクターが大
きい。例1〜例7の試料はゼーベック係数がマイナス値
であることからいずれもn型である。
比較して、ゼーベック係数およびパワーファクターが大
きい。例1〜例7の試料はゼーベック係数がマイナス値
であることからいずれもn型である。
【0043】特に、例1で得られた試料は金属窒化物と
金属ホウ化物を含有しているため、700〜800℃の
高温域におけるパワーファクターが2以上であり、熱電
変換効率が高い。表6(例5)に比べて表4(例3)で
は、パワーファクターが大きくなっているが、これはZ
rNを加えることで窒素の炭化ケイ素への固溶量が増加
しているためと考えられる。参考のため従来の熱電変換
材料のゼーベック係数を表9に示すが、本熱電変換材料
が従来のケイ化ゲルマニウムなみのパワーファクターを
有することがわかる。
金属ホウ化物を含有しているため、700〜800℃の
高温域におけるパワーファクターが2以上であり、熱電
変換効率が高い。表6(例5)に比べて表4(例3)で
は、パワーファクターが大きくなっているが、これはZ
rNを加えることで窒素の炭化ケイ素への固溶量が増加
しているためと考えられる。参考のため従来の熱電変換
材料のゼーベック係数を表9に示すが、本熱電変換材料
が従来のケイ化ゲルマニウムなみのパワーファクターを
有することがわかる。
【0044】
【表9】
【0045】
【発明の効果】本熱電変換材料は、常温はもとより高温
でも高いパワーファクターを有し熱電変換効率が高い。
さらに、主として炭化ケイ素からなるため耐熱性にも優
れる。したがって、本発明により、廃熱から電気エネル
ギーを取り出して発電するなど、熱エネルギーから電気
エネルギーを取り出す用途での実用的なn型熱電変換材
料を提供できる。
でも高いパワーファクターを有し熱電変換効率が高い。
さらに、主として炭化ケイ素からなるため耐熱性にも優
れる。したがって、本発明により、廃熱から電気エネル
ギーを取り出して発電するなど、熱エネルギーから電気
エネルギーを取り出す用途での実用的なn型熱電変換材
料を提供できる。
Claims (8)
- 【請求項1】β型炭化ケイ素80〜99質量%と金属窒
化物1〜10質量%とを含むn型熱電変換材料であっ
て、熱電変換材料中に窒素元素を0.5〜5質量%含む
n型熱電変換材料。 - 【請求項2】金属窒化物が周期表の第3〜7族の金属元
素の窒化物である請求項1記載のn型熱電変換材料。 - 【請求項3】熱電変換材料中に周期表の第3〜7族の金
属元素のホウ化物を含む請求項1または2記載のn型熱
電変換材料。 - 【請求項4】熱電変換材料中に前記ホウ化物を1〜5質
量%含む請求項3記載のn型熱電変換材料。 - 【請求項5】β型炭化ケイ素80〜99質量%と金属窒
化物1〜10質量%とを含む成形原料を成形した後、窒
素ガス雰囲気下1800〜2300℃で焼結するn型熱
電変換材料の製造方法。 - 【請求項6】前記成形原料中に金属ホウ化物を1〜5質
量%含む請求項5記載のn型熱電変換材料の製造方法。 - 【請求項7】前記成形原料中に窒素含有有機物を1〜8
質量%含む請求項5または6記載のn型熱電変換材料の
製造方法。 - 【請求項8】窒素含有有機物が、融点200℃以上で1
分子中に窒素原子を3個以上含む有機物である請求項7
記載のn型熱電変換材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000082775A JP2001274464A (ja) | 2000-03-23 | 2000-03-23 | n型熱電変換材料およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000082775A JP2001274464A (ja) | 2000-03-23 | 2000-03-23 | n型熱電変換材料およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001274464A true JP2001274464A (ja) | 2001-10-05 |
Family
ID=18599529
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000082775A Pending JP2001274464A (ja) | 2000-03-23 | 2000-03-23 | n型熱電変換材料およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001274464A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008016474A (ja) * | 2006-07-03 | 2008-01-24 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 優れた熱電変換性能を有する金属酸窒化物熱電変換材料 |
WO2022059593A1 (ja) * | 2020-09-16 | 2022-03-24 | 三菱マテリアル株式会社 | 熱電変換材料、熱電変換素子、ペルチェ素子、および、熱電変換モジュール、ペルチェモジュール |
-
2000
- 2000-03-23 JP JP2000082775A patent/JP2001274464A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008016474A (ja) * | 2006-07-03 | 2008-01-24 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 優れた熱電変換性能を有する金属酸窒化物熱電変換材料 |
WO2022059593A1 (ja) * | 2020-09-16 | 2022-03-24 | 三菱マテリアル株式会社 | 熱電変換材料、熱電変換素子、ペルチェ素子、および、熱電変換モジュール、ペルチェモジュール |
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