JP2001273758A - 磁気メモリ - Google Patents

磁気メモリ

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JP2001273758A
JP2001273758A JP2000085565A JP2000085565A JP2001273758A JP 2001273758 A JP2001273758 A JP 2001273758A JP 2000085565 A JP2000085565 A JP 2000085565A JP 2000085565 A JP2000085565 A JP 2000085565A JP 2001273758 A JP2001273758 A JP 2001273758A
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mtj
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Ryoji Namikata
量二 南方
Masashi Michijima
正司 道嶋
Hidekazu Hayashi
秀和 林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の磁気トンネル接合(MTJ)素子をM
OSトランジスタのゲートに接続した構成の磁気メモリ
では、MTJ素子のMR比が不十分なため、MTJ素子
の記憶状態に応じて、MOSトランジスタを確実にON
/OFFすることができなかった。 【解決手段】 二つのMTJ素子11及び12をMOS
トランジスタ13のゲートに接続するとともに、外部磁
界に対してMTJ素子11及び12は逆の抵抗変化を有
する構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気トンネル接合素
子を用いた磁気メモリに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気トンネル接合(MTJ)素子
は、従来の異方性磁気抵抗効果(AMR)素子や巨大磁
気抵抗効果(GMR)素子に比べて大きな出力が得られ
ることから、HDD用再生ヘッドや磁気メモリへの応用
が考えられている。
【0003】特に、磁気メモリにおいては、半導体メモ
リと同じく稼動部の無い固体メモリであり、しかも、電
源が断たれても情報を失わない、繰り返し回数が無限回
である、放射線が入射しても記録内容が消失する危険性
が無い等、半導体メモリと比較して有用である。
【0004】従来のMTJ素子の構成を図4に示す。な
お、このような構造はたとえば特開平9―106514
号公報に示されている。
【0005】図4のMTJ素子は、反強磁性層41、強
磁性層42、絶縁層43、強磁性層44を積層したもの
である。強磁性層42及び強磁性層44の磁化はいずれ
も膜面内にあり、平行もしくは反平行となるように実効
的な一軸磁気異方性を有している。そして、強磁性層4
2の磁化は反強磁性層41との交換結合により実質的に
一方向に固定され、強磁性層44の磁化の方向で記録を
保持する。
【0006】反強磁性層41としてはFeMn、NiM
n、PtMn、IrMn等の合金が用いられ、強磁性層
42及び強磁性層44としてはFe、Co、Ni或はこ
れらの合金が用いられる。また、絶縁層43としては各
種の酸化物や窒化物が検討されているが、Al23膜の
場合に最も高い磁気抵抗(MR)比が得られることが知
られている。
【0007】また、この他に、反強磁性層41を除いた
構成で、強磁性層42と強磁性層44の保磁力差を利用
したMTJ素子の提案もなされている。
【0008】図4の構造のMTJ素子でランダムアクセ
ス可能な磁気メモリを実現する場合の概略図を図5に示
す。読み出し時には、ビット線53と読み出しワード線
54をアクティブにすることにより、MOSトランジス
タ51がONとなり、MTJ素子52が選択される。
“0”、“1”の情報は図4に示すMTJ素子の強磁性
層44の磁化方向によって記録されており、強磁性層4
2の磁化方向は固定されている。そして、強磁性層42
と強磁性層44の磁化が平行の時は抵抗値が低く、反平
行の時は抵抗値が高くなるという磁気抵抗効果を利用し
て情報を読み出す。一方、書込みは、ビット線53と図
示されていない書込みワード線が形成する合成磁界によ
って強磁性層44の磁化の向きを反転することで実現さ
れる。
【0009】上記図5の構成の磁気メモリにおいて、読
み出し速度を早くするためには、MTJ素子の絶縁層の
膜厚を薄くして抵抗値を小さくする必要が有る。しかし
ながら、絶縁層の膜厚を薄くすると絶縁破壊が発生しや
すくなる。また、図5の構成ではMTJ素子に数100
mV以上の電圧が印可され、MTJ素子のMR比がバイ
アス依存性のために低下するという問題があった。
【0010】このような問題を解決する方法として、特
開平11−204854号公報に示されている構成を図
6に示す。本構成では、MTJ素子52はMOSトラン
ジスタ51のゲートに接続されていることから、抵抗値
を小さくする必要が無く、また、MTJ素子52に印可
される電圧はゲート抵抗55で分圧されることから、小
さく設定することが可能となる。
【0011】同様の構成は、特開平11−266043
号公報にも開示されている。本構成では、MOSトラン
ジスタのゲート電極に磁性体を用い、この磁性体電極上
に磁性体とのトンネル接合及び非磁性体とのトンネル接
合を形成して、図6におけるMTJ素子52とゲート抵
抗55を構成している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記構成の
磁気メモリでは、MTJ素子の抵抗変化により、MOS
トランジスタをON或いはOFFする必要が有るが、現
在のMTJ素子のMR比は20%程度であり、不十分で
ある。
【0013】そのため、特開平11−204854号公
報においては、ホットエレクトロン・トランジスタや磁
性体超薄膜の使用が提案されているが、これらの素子は
通常のTMR素子に比して実現が困難であり、実用的と
は言い難い。また、ゲート抵抗の作成方法については記
載されていないが、MOSトランジスタを用いたデジタ
ル回路で抵抗素子を別個に作り込むことは、プロセスの
増加を招くとともに、集積度の点でも好ましくない。
【0014】一方、特開平11−266043号公報で
は、MOSトランジスタのゲート電極を磁性体で構成す
るとともに、その上にTMR素子とゲート抵抗を同様の
トンネル接合素子で作成する方法が開示されているが、
ゲート電極の磁性体を構成する遷移金属不純物がトラン
ジスタのゲート内に進入して、トランジスタの動作不良
を起こす危険性が非常に高い。
【0015】また、上記の従来例においては、いずれも
ゲート抵抗の一端はGNDに接続されており、同じワー
ド線上の選択した磁気メモリセル以外のMTJ素子及び
ゲート抵抗もGNDに接続されることになる。したがっ
て、選択した磁気メモリセルのアクセス時に、他の磁気
メモリセルにも無駄な電流が流れることになり、消費電
力の点で好ましくない。
【0016】本発明は上記課題を解決するために、MO
SトランジスタをON或いはOFFするのに十分なゲー
ト電圧の変化を得られるMTJ素子の具体的な構成方法
を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたものであって、MOSトランジスタ
と、該MOSトランジスタのゲートに接続された二つの
磁気トンネル接合素子とを具備する磁気メモリであっ
て、該二つの磁気トンネル接合素子は外部磁界に対して
互いに逆の抵抗変化を示すことを特徴とする。
【0018】また、上記の磁気メモリにおいて、前記二
つの磁気トンネル接合素子は積層されて一体として構成
されていることを特徴とする。
【0019】さらにまた、上記の磁気メモリにおいて、
前記二つの磁気トンネル接合素子は情報を記憶する共通
の磁性層を有することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図をもとに本発明の磁気メ
モリセルのアレイ方法について詳細に説明する。
【0021】本発明の実施例を図1に示す。図中、11
及び12はMTJ素子、13はMOSトランジスタ、1
4a及び14bはビット線、15はワード線を示してい
る。MTJ素子11及び12は直列に接続されるととも
に、MOSトランジスタ13のゲートに接続され、MT
J素子11のもう一端はワード線15に接続され、MT
J素子12のもう一端はビット線14bに接続されてい
る。
【0022】ワード線15は図示しない定電圧源に接続
され、この定電圧源の電圧レベルはMOSトランジスタ
13のしきい値電圧よりも高く設定されている。ビット
線14a及び14bは図示しない選択回路を通してそれ
ぞれセンシング回路及びGNDに接続されている。
【0023】情報の記憶は一組のMTJ素子11及び1
2の抵抗値で保持されており、例えば“0”はMTJ素
子11の抵抗値が高い即ち磁化が反平行で、MTJ素子
12の抵抗値が低い即ち磁化が平行の場合に対応し、
“1”はMTJ素子11の抵抗値が低い即ち磁化が平行
で、MTJ素子12の抵抗値が高い即ち磁化が反平行の
場合に対応する。上記の逆の組合わせで情報を記憶する
ことも可能なことは明らかである。
【0024】従って、MTJ素子11の抵抗値が高く、
MTJ素子12の抵抗値が低い場合には、MOSトラン
ジスタ13のゲート電圧がそのしきい値電圧より低くな
り、MTJ素子11の抵抗値が低く、MTJ素子12の
抵抗値が高い場合には、MOSトランジスタ13のゲー
ト電圧がそのしきい値電圧より高くなるように、ワード
線15の電圧レベルを設定すると、MOSトランジスタ
13のON/OFFをセンシング回路で検出することに
より、上記の“0”及び“1”を検出することが可能と
なる。
【0025】一方、情報の書込みは、ビット線14a及
びワード線15の組み合わせ或いは図示されない電流線
との組合わせで、MTJ素子11及び12の磁化状態を
同時に変更することで実現される。例えば、MTJ素子
11の磁化を反平行から平行に変更すると同時に、MT
J素子12の磁化を平行から反平行に変更する、或いは
この逆を行って、情報の書込みを行う。
【0026】本構成によれば、MTJ素子11と12
は、書込み時に逆の抵抗変化をすることから、MOSト
ランジスタのゲートに十分な電圧変化を供給することが
可能となり、MTJ素子11と12の組合わせで記憶さ
れる“0”、“1”の情報に対応して、MOSトランジ
スタのON/OFFを確実に実現することが可能とな
る。
【0027】また、本構成によれば、ゲート抵抗が不要
となるため、プロセスが簡略化するとともに、ビット線
14bは選択回路を通じてGNDに接続されていること
から、選択セル以外のMTJ素子はGNDに接続される
ことがないため、無駄な電流の消費が無くなる。
【0028】図1の構成を実現するMTJ素子11及び
12の具体例を図2に示す。反強磁性層21、強磁性層
22、絶縁層23、強磁性層24が順次積層されてMT
J素子11が構成されており、その上に図示されていな
いMOSトランジスタのゲートに接続するための電極層
25が積層され、さらにその上に反強磁性層26、強磁
性層27、金属層28、強磁性層29、絶縁層30、強
磁性層31が順次積層されてMTJ素子12が構成され
ている。図2においては、MOSトランジスタを初め、
磁気メモリに必要な周辺回路等は省略されている。
【0029】反強磁性層21と強磁性層22及び反強磁
性層26と強磁性層27はそれぞれ交換結合することに
より、強磁性層22及び27の磁化は同一方向に固定さ
れている。さらに強磁性層27及び29は金属層22を
介して反強磁性結合している。その結果、強磁性22と
強磁性29の磁化は反対方向に固定されている。強磁性
層24と強磁性層31は情報を記憶する記録層であり、
書込み時には外部電流磁界で同じ方向に磁化が反転され
る。
【0030】上記の構成とすることにより、例えば、M
TJ素子11のトンネル接合を構成する強磁性層22と
強磁性層24の磁化が平行の時には、MTJ素子12の
トンネル接合を構成する強磁性層29と強磁性層31の
磁化は反平行というように、常にMTJ素子11と12
の磁化状態を逆にすることが可能となる。
【0031】MTJ素子11及び12の別の構成例を図
3に示す。反強磁性層21、強磁性層22、絶縁層2
3、強磁性層24が順次積層されてMTJ素子11が構
成され、強磁性層24を図示されていないMOSトラン
ジスタのゲートに接続するための電極層25が設けられ
ている。さらに強磁性層24の上に絶縁層30、強磁性
層29、金属層28、強磁性層27、反強磁性層26が
順次積層されてMTJ素子12が構成されている。
【0032】図2の場合と同様、反強磁性層21と強磁
性層22及び反強磁性層26と強磁性層27はそれぞれ
交換結合することにより、強磁性層22及び27の磁化
は同一方向に固定されている。さらに強磁性層27及び
29は金属層22を介して反強磁性結合している。その
結果、強磁性22と強磁性29の磁化は反対方向に固定
されている。本実施例では、MTJ素子11及び12の
情報を記憶する記録層は強磁性層24で兼用されてお
り、書込み時には外部電流磁界で磁化が反転される。
【0033】本構成においても、例えば、MTJ素子1
1のトンネル接合を構成する強磁性層22と強磁性層2
4の磁化が平行の時には、MTJ素子12のトンネル接
合を構成する強磁性層24と強磁性層29の磁化は反平
行というように、常にMTJ素子11と12の磁化状態
を逆にすることが可能となる。
【0034】上記の実施例においては、常にMTJ素子
11と12の磁化状態を逆にするために、金属層28を
介して反強磁性結合する強磁性層27及び29を用い
て、MTJ素子11と12の磁化固定層である強磁性層
22と29の磁化方向を反平行にしている。しかしなが
ら、MTJ素子11と12の磁化固定層の磁化方向を反
平行にする方法は上記の実施例に限定されることはな
く、例えば、反強磁性層21と強磁性層22及び反強磁
性層26と強磁性層27の交換結合のブロッキング温度
が異なるように構成し、外部磁界の方向を変えて磁界中
熱処理を行うことにより、強磁性22と27の磁化方向
を反平行とすることが可能となる。この場合には、金属
層28と強磁性層29が不要となり、構成を簡略化でき
る。
【0035】また、上記の実施例において、MOSトラ
ンジスタのゲートに接続するための電極層25を省略し
て、反強磁性層26(図2)或いは強磁性層24(図
3)等で代替することも可能である。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明の磁気メモリによ
れば、MTJ素子に記憶された情報に応じて、MOSト
ランジスタを確実にON/OFFすることができ、大き
な出力が得られるとともに、ゲート抵抗を別個に設ける
必要がないことから、プロセスが簡単になる。また、選
択したセル以外には不要な電流が流れないことから、磁
気メモリの消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す図である。
【図2】本発明の実施例にあるMTJ素子の構成例であ
る。
【図3】本発明の実施例にあるMTJ素子の他の構成例
である。
【図4】従来のMTJ素子の構成を示す図である。
【図5】従来の磁気メモリを示す概略図である。
【図6】従来の他の磁気メモリを示す概略図である。
【符号の説明】
11、12 MTJ素子 13 MOSトランジスタ 14a、14b ビット線 15 ワード線 21、26 反強磁性層 22、24、27、29、31 強磁性層 23、30 絶縁層 25 電極層 28 金属層 41 反強磁性層 42、44 強磁性層 43 絶縁層 51 MOSトランジスタ 52 MTJ素子 53 ビット線 54 読み出しワード線 55 ゲート抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 秀和 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 5F083 FZ10 GA05 GA11 GA28

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MOSトランジスタと、該MOSトラン
    ジスタのゲートに接続された二つの磁気トンネル接合素
    子とを具備する磁気メモリであって、該二つの磁気トン
    ネル接合素子は外部磁界に対して互いに逆の抵抗変化を
    示すことを特徴とする磁気メモリ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁気メモリにおいて、前
    記二つの磁気トンネル接合素子は積層されて一体として
    構成されていることを特徴とする磁気メモリ。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の磁気メモリにおいて、前
    記二つの磁気トンネル接合素子は情報を記憶する共通の
    磁性層を有することを特徴とする磁気メモリ。
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