JP2001271834A - 高耐食性・非磁性直動装置 - Google Patents

高耐食性・非磁性直動装置

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JP2001271834A
JP2001271834A JP2000085211A JP2000085211A JP2001271834A JP 2001271834 A JP2001271834 A JP 2001271834A JP 2000085211 A JP2000085211 A JP 2000085211A JP 2000085211 A JP2000085211 A JP 2000085211A JP 2001271834 A JP2001271834 A JP 2001271834A
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corrosion resistance
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/58Raceways; Race rings
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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表面硬さが高くしかも耐食性にとみ、また転動
体により応力が集中してもクラックが発生せず、長期に
わたり表面硬化層を維持でき、ひいては長寿命化が達成
できる高耐食性・非磁性直動装置を安価に提供する。 【解決手段】例えば、外方部材であるベアリング2と内
方部材であるガイドレール1とが、その間に挿入された
複数個の転動体Bの転動を介して相対移動するようにし
た直動装置としてのリニアガイド10において、ベアリ
ング2とガイドレール1との少なくとも一方を、耐食性
に優れたオーステナイト系ステンレス鋼を用いて所定形
状に塑性加工したものとして硬さを高め耐久性を向上さ
せた。さらにその表面に特殊の炭素固溶化層を設けたこ
とで上記課題を達成できた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体関連
の機械装置類のような特に高い耐食性と非磁性とが要求
される分野に好適に使用できる直動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明にいう直動装置とは、外方部材と
内方部材とが、その間に挿入された複数個の転動体の転
動を介して相対移動するようにした装置の総称であっ
て、具体的には例えばボールねじや直動案内軸受(リニ
アガイド)等を包含する。ここで、外方部材とは、ボー
ルねじのナット,リニアガイドのベアリング(スライ
ダ)等を指し、内方部材とは、ボールねじのねじ軸,直
動案内軸受のガイドレール等を指すものとする。
【0003】一般的な直動装置の転動体及び外方部材や
内方部材の場合、その材料として軸受鋼であればSUJ
2が、肌焼鋼であればSCR420やSCM420相当
の鋼材等が使用されている。これらの直動装置は高面圧
下で繰り返しせん断応力を受けて用いられるため、その
せん断応力に耐えて疲労寿命を確保するべく、軸受鋼は
焼入・焼戻し、肌焼鋼は浸炭または浸炭窒化処理後に焼
入・焼戻しが施されてHRC58〜64の硬度とされて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、例えば液晶・
半導体製造設備や食品機械等の如く腐食環境下において
使用される機械装置類に組み込んで使用される直動装置
の場合は、材料に軸受鋼を用いたのでは早期に発錆して
短寿命に終わることがある。そこで、このように耐食性
や耐薬品性が要求される場合の材料にはステンレス鋼が
使用される場合が多い。また、半導体製造設備に用いら
れるものの場合は非磁性体であることも要求される。
【0005】ステンレス鋼は大きく分けて、オーステナ
イト系,フェライト系,オーステナイト・フェライト2
相系,マルテンサイト系,析出硬化系の5つに大別でき
るが、直動装置では転動体と外方部材あるいは内方部材
との接触部位において摩耗と大きなせん断応力を受ける
ため、硬さが大きくて耐摩耗性に優れるマルテンサイト
系ステンレス鋼が主として用いられている。中でも、最
も高硬度なSUS440Cの使用実績が高い。しかし、
SUS440Cに代表されるマルテンサイト系ステンレ
ス鋼は、他のステンレスに比較して耐食性に劣り、必ず
しも満足できるものではない。
【0006】一方、オーステナイト系,フェライト系な
どのステンレス鋼は耐食性には優れているが、直動装置
に要求される程度の十分な硬さがなく、耐摩耗性,寿命
など耐久性の点で劣り、素材として使用できなかった。
鋼材の表面硬度をあげて耐摩耗性を向上させる方法もあ
り、従来から窒化処理や真空浸炭処理法等が用いられて
はいる。しかし、窒化処理は化合物による界面が明確の
ため、転動体の転動によりクラックを生じる可能性があ
り、一方従来の真空浸炭処理法には炭化物の析出のため
耐食性が低下するという問題点がある。
【0007】そこで本発明は、このような従来技術の未
解決の問題点に着目してなされたものであり、表面硬さ
が高くしかも耐食性にとみ、また転動体により応力が集
中してもクラックが発生せず、長期にわたり表面硬化層
を維持でき、ひいては長寿命化が達成できる高耐食性・
非磁性直動装置を安価に供給することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る直動装置は、外方部材と内方部材と
が、その間に挿入された複数個の転動体の転動を介して
相対移動するようにした直動装置において、前記外方部
材と内方部材との少なくとも一方が、オーステナイト系
ステンレス鋼製の素材を所定の形状に塑性加工してな
り、且つその表面に炭素固溶化層を備えていることを特
徴とする。
【0009】ここで、前記炭素固溶化層の厚さを、使用
転動体径の0.5%以上、1%以下とすることができ
る。本発明にあっては、直動装置の材料として、素材自
体が耐食性に優れるオーステナイト系ステンレス鋼を使
用する。そして、この素材が面心立方格子金属であって
加工硬化を起こし易いことを利用し、転造または引き抜
き等の塑性加工を施すことで転位密度を高めて硬さを向
上させ、素材を強化する。さらに、特殊浸炭法により表
面に浸炭硬化層を形成して表面硬度を上げる。この特殊
浸炭法は、一般の浸炭法では焼入れできない不働態の酸
化クロム層で覆われたステンレス鋼表面を、薬液によっ
て活性化させ、その後炭素を固溶化させることで硬化層
を形成して表面を改質するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。多数個の転動体の転がりを利用し
た直動装置としては、いわゆるリニアガイド,リニアボ
ールベアリング等の直動案内軸受や各種のボールねじ等
があり、多くの産業機械の重要な機械要素として多用さ
れている。本実施の形態では、そのうちのリニアガイド
及びボールねじについて説明する。
【0011】図1は、第1の実施の形態であるリニアガ
イド10の一部を透視して示した斜視図である。軸方向
に延設された内方部材としてのガイドレール1と、その
上に移動可能に跨架された断面コ字形の外方部材として
のベアリング(スライダともいう)2とを備えている。
ガイドレール1の両側面にはそれぞれ軸方向に軌道溝3
が形成されている。一方、スライダ2のスライダ本体2
Aには、その両袖部の内側面に、それぞれ軌道溝3に対
向する図示されない負荷軌道溝が形成されると共に、両
袖部の内部に軌道溝3と平行なボール戻り通路が形成さ
れている。また、スライダ本体2Aの前後両端にエンド
キャップ2Bが装着されており、これに上記軌道溝とボ
ール戻り通路とを連通させる半ドーナツ状に湾曲したボ
ール循環路が形成されている。そして、軌道溝とボール
戻り通路とボール循環路とで構成されたボール無限循環
軌道内に、転動体としての多数の鋼製ボールBが充填さ
れ、それらボールBの転動を介してスライダ2が案内レ
ール1上を軸方向に沿って移動する(または、スライダ
2が固定され、レール1の方が移動する)ようになって
いる。
【0012】本実施形態のガイドレール1及びベアリン
グ本体2Aは、いずれもオーステナイト系ステンレス鋼
を素材としている。種々あるオーステナイト系ステンレ
ス鋼のなかで、汎用的で入手し易い点から、SUS30
3,304,316,316Lを挙げられるが、なかで
もSUS316は、安定的に表面を硬化でき且つ耐食性
に優れているため最適である。これらの材料鋼材を用い
て所定形状に引き抜き加工される。即ち、ガイドレール
1は、断面略方形の両側面に軌道溝3を有する形状に引
き抜き加工される。また、ベアリング本体2Aは、断面
凹形で両内側面に軌道溝を有する形状に引き抜き加工さ
れる。この塑性加工によって加工硬化を生じさせるため
である。すなわち、面心立方格子金属であるオーステナ
イト系ステンレス鋼素材の結晶格子内の転位密度を高め
て素材硬さを向上させ当該各部材を強化させるものであ
る。
【0013】ついで、ガイドレール1では、その軌道溝
3の溝底部にワイヤ保持器収納溝が切削加工されると共
に取り付けボルト用の孔明け加工がなされる。また、ベ
アリング本体2Aには、上面にテーブル取り付けボルト
用の孔明け加工がなされ、前後の両端面にエンドキャッ
プ2B取り付け用のねじ孔加工がなされると共に、ボー
ル戻り通路の貫通加工がなされる。
【0014】次に、外周及び溝の研削加工を行う。その
後、各部材に対して炭素の固溶化処理(すなわち低温浸
炭処理、処理温度500℃以下が望ましい)を施す。本
発明にあっては、ステンレス鋼の表面改質法として一般
的なイオン窒化やプラズマ浸炭処理は採用しない。放電
現象を利用するこれらの方法は、量産性に欠けるのみな
らず、複雑な形状をもつ製品に対して均一な処理層を形
成させることが難しい。よって、ガス反応による改質処
理の方が好ましいが、オーステナイト系ステンレス鋼に
おいてはガス反応を阻害するCr酸化被膜が存在するた
めに、従来の窒化や浸炭方法では均一な処理層を形成す
ることができない。
【0015】本発明は、先ずCr酸化被膜を除去するた
めの前処理としてフッ化処理を行ない、その後に表面硬
化処理を施すものである。その表面硬化処理として窒化
処理を採用すると、オーステナイト系ステンレス鋼の場
合、窒化層がオーステナイトから窒素化合物へと変化し
てHvl000以上の硬度が得られ、摺動性の点では飛
躍的に改善されるのであるが、反面、オーステナイト系
ステンレス鋼自体は非常に硬度が低いため、直動装置の
表面に形成されるごく薄い窒化層だけでは、窒化層が脆
い化合物からなるということもあって大きな接触応力を
支えきれず、十分な耐久性が得られないし、また母材の
持つ耐食性も損なわれてしまう。
【0016】よって、本発明では窒化系とは異なる浸炭
系のプロセスを使用する。具体的には、例えばパイオナ
イトプロセス(大同ほくさん株式会社の登録名)が好適
に利用できる。この処理は、浸炭処理の前処理として、
NF3(三フッ化窒素)等のフッ素ガスを用いて200
〜400℃程度でフッ化処理を行ない、その後浸炭性ガ
スによる浸炭処理を行なうものである。すなわち、フ
ッ素ガスを用いてフッ化処理を行なうプロセスと、浸
炭性ガスを用いて浸炭処理を行なうプロセスとからなっ
ている。
【0017】のフッ化処理により、浸炭反応を阻害す
るCr酸化層が除去されて表面層にごく薄いフッ化層が
形成され、表面が極めて活性化する。そのため、その後
の浸炭処理によって、安定した均一な浸炭硬化層を形
成させることが可能となる。なお、浸炭処理は800℃
以上の高温で行われるのが一般的であるのに対し、この
パイオナイトプロセスにあっては、500℃程度の低温
で浸炭処理する。
【0018】浸炭処理温度が600℃以上になると、炭
素が鋼中のCrと結合してCr炭化物となって耐食性が
低下すると共に、熱処理後の寸法変化が大きくなるか
ら、540℃以下とするのが好ましい。540℃より低
いと、浸炭により浸透する炭素がCrと結合しにくく、
オーステナイトの面心立方格子のすきまに単に固溶浸透
して硬化するため、実質炭化物の存在しない靭性の高い
表面硬化層が得られ、寸法変化も極めて小さい。好まし
くはその表面硬さをHRC60(Hv697)以上、さ
らに好ましくはHRC62(Hv746)以上とする。
【0019】なお、浸炭性ガスには、C0、C02、H2
等の混合ガスが使用される。本処理を行なった後は、最
表面層はC02ガスによるFeの酸化が起こり、Fe3
4からなる黒色の酸化層を形成し、耐食性が低下する。
したがって、浸炭処理後には酸洗処理を行ない、当該黒
色酸化層を除去することが好ましい。酸洗処理に用いる
処理液は特に限定されるものではなく、フッ酸,硝酸,
塩酸,硫酸あるいはこれらの混合液などを用いることが
できる。または、ホーニングやポリシング等による超仕
上げを施して黒色酸化層を除去してもよい。
【0020】また、浸炭性ガスとしてアセチレンあるい
はエチレン等の不飽和炭化水素ガスを用いて、133P
a以下の真空あるいは減圧下で浸炭処理を行なうと、耐
食性に有害な黒色酸化層の形成が抑制でき、且つ、浸炭
時に特に問題となるスーティングによる浸炭むら等も防
止できるためより好ましい。また、母材となるオーステ
ナイト系ステンレス鋼は固溶化熱処理を施されているこ
とが好ましい。これは、鋼中に残存するフェライトが、
浸炭時に浸炭性ガスと反応して炭化物となり耐食性を劣
化させるのを防止するためである。
【0021】かくして、本実施の形態のリニアガイド
(直動装置)10は、ガイドレール(内方部材)1とベ
アリング(外方部材)2にオーステナイト系ステンレス
鋼素材を使用して、それぞれ所定形状の引き抜き加工や
転造を施すことで転位による素材硬さを向上させ、しか
る後その表面をフッ化処理してCr酸化被膜からなる不
働態膜を除去することで表面を活性化した上で、当該表
面層に浸炭硬化層(但し、炭化物が耐食性を悪化させる
ので、表面でなく鉄原子の格子間に炭化物を固溶させ
る。以下、浸炭固溶化層ともいう)を形成させること
で、耐食性と耐久性とに優れたものとした。
【0022】もっとも、このパイオナイトプロセスによ
る表面改質処理は、必ずしもガイドレール(内方部材)
1とベアリング(外方部材)2との双方に施すとは限ら
ず、使用環境、運転条件等を勘案していずれか一方にの
み施すものとしてもよい。上記浸炭硬化層の深さは深い
ほど好ましいが、深さと共に処理費用が増大する。直動
装置において、転動体が内方部材や外方部材と転がり接
触する際の最大せん断応力が発生する深さについては、
ヘルツの弾性接触理論に基づいて明らかにされている。
すなわち、最大せん断応力値とその深さとは、転動体と
の接触部位に形成される接触楕円(長径2a,短径2
b)の形状b/aに応じて変化するのであるが、現状で
一般に使用されている直動装置の場合、接触楕円の短半
径bの47〜49%(一般的な条件ではおおよそ鋼球径
の0.5%)となる。荷重条件によりその大きさは異な
るものの、一般的な条件では最低限必要な浸炭硬化層
(固溶化層)の厚さは、およそ接触楕円の短半径(b)
相当になることから、使用転動体径の0.5%以上、安
全率を考慮して1%以下とする。
【0023】この第1の実施の形態によれば、リニアガ
イドのガイドレール(内方部材)とベアリング(外方部
材)との双方にオーステナイト系ステンレス鋼素材を使
用して、塑性加工することで転位により素材硬さを高め
耐久性を向上させた。さらにその表面をNF3等のフッ
素ガスでフッ化処理して、酸化クロム層を除去し活性化
した後に、炭素の固溶化処理を行って浸炭固溶化層を備
えたものとしたため、従来の固溶化処理のような界面の
形成がなく、転動体による応力が集中してもクラックが
発生せず、長期にわたり表面硬化層を維持できて、直動
装置の長寿命化が図れる。しかも、切削加工を多用する
ものに比べて安価な製品を供給できるという効果が得ら
れる。
【0024】続いて、本発明の直動装置の第2の実施の
形態を説明する。図2は、循環チューブ式のボールねじ
20の一部を切り欠いて示した斜視図である。外周面に
半円状ねじ溝11aを有して軸方向に延びる内方部材と
してのねじ軸11に、内周面に半円状ねじ溝12aを有
する外方部材としてのナット12が嵌合している。ねじ
軸11のねじ溝11aとこれと対向するナット12の半
円状のねじ溝12aとで、螺旋状の負荷ボール転動路が
形成されている。一方、ナット12の肉厚部には、この
螺旋状負荷ボール転動路に接線方向から連通する一対の
循環穴17,17が、ねじ軸11を斜めに跨いで形成さ
れ、ナット外部に開口している。この循環穴17,17
を略U字形のボールチューブ14Aで連結することによ
り、ボール循環経路18が構成されている(図ではボー
ル循環経路18を2経路設けてある)。
【0025】そして、ねじ溝11a,12aで形成され
た負荷ボール転動路とボール循環経路18とに充填され
た転動体としての多数の鋼製ボールBの転動を介して、
ねじ軸11とナット12とが軸方向に相対移動(例えば
ねじ軸11の軸回転でナット12が直線移動)する。こ
の移動につれて、ボールBも両ねじ溝11a,12aで
形成される負荷ボール転動路内を転動しつつ例えば1.
5巻き分移動した後にボール循環経路18に導かれて無
限循環を繰り返す。
【0026】本第2の実施形態の場合は、内方部材とし
てのねじ軸11の素材にオーステナイト系ステンレス鋼
であるSUS316を使用して、ねじ溝11aを転造加
工により形成している。この塑性加工により加工硬化さ
せてねじ軸11の硬さを向上させている。その後、ねじ
軸11に対して炭素の固溶化処理(すなわち浸炭処理)
を施し、表面にボールBの径の0.5%〜1%の厚さの
固溶化処理層を形成した。その浸炭処理としては、第1
の実施の形態の場合と同じくパイオナイトプロセスを用
いている。
【0027】そのパイオナイトプロセスによる処理及び
その後の表面処理等については、既に説明したとおりで
あり、重複する説明は省く。この第2の実施の形態によ
れば、ボールねじのねじ軸(内方部材)に、オーステナ
イト系ステンレス鋼素材を使用して、ねじを転造加工
(塑性加工)することで転位により素材硬さを高め耐久
性を向上させた。さらにその表面をNF3等のフッ素ガ
スでフッ化処理して、酸化クロム層を除去し活性化した
後に、炭素の固溶化処理を行って浸炭固溶化層を備えた
ものとしたため、従来の固溶化処理のような界面の形成
がなく、転動体による応力が集中してもクラックが発生
せず、長期にわたり表面硬化層を維持できて、ボールね
じの長寿命化が図れる。しかも、切削加工によるねじ軸
より安価な製品を供給できるという効果が得られる。
【0028】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、表面硬さが高くしかも耐食性にとみ、また転動体に
より応力が集中してもクラックが発生せず、長期にわた
り表面硬化層を維持できて長寿命の高耐食性・非磁性直
動装置を安価に供給することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態であるリニアガイド
の斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態であるボールねじの
斜視図である。
【符号の説明】
10 リニアガイド(直動装置) 1 ガイドレール(内方部材) 2 ベアリング(外方部材) 20 ボールねじ(直動装置) 11 ねじ軸(内方部材) 12 ナット(外方部材) B ボール(転動体)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外方部材と内方部材とが、その間に挿入
    された複数個の転動体の転動を介して相対移動するよう
    にした直動装置において、前記外方部材と内方部材との
    少なくとも一方が、オーステナイト系ステンレス鋼製の
    素材を所定の形状に塑性加工してなり、且つその表面に
    炭素固溶化層を備えていることを特徴とする高耐食性・
    非磁性直動装置。
JP2000085211A 2000-03-24 2000-03-24 高耐食性・非磁性直動装置 Withdrawn JP2001271834A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006112213A1 (ja) * 2005-03-31 2006-10-26 Thk Co., Ltd. オーステナイト系金属を用いた運動案内装置及びその製造方法
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