JP2001271424A - 接合具及びそれを用いた構造部材の接合構造並びに構造部材の接合方法 - Google Patents
接合具及びそれを用いた構造部材の接合構造並びに構造部材の接合方法Info
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Abstract
増築や既存建屋の耐震補強もでき、耐震性や安全性に優
れ、また、施工作業時の安全性に優れるとともに、汎用
性に優れ未熟練者でも簡単かつ確実に接合強度に優れた
接合ができる構造部材の接合構造の提供を目的とする。 【解決手段】 当接面14aで当接される縦構造部材1
1,横架構造部材12と、縦構造部材11の外周壁部か
ら当接面14aに対して直交して横架構造部材12と連
通して穿孔された接合具挿入部15と、接合具1の中空
部5に注入されて吐出口7から吐出され接合具1の外周
面と接合具挿入部15の周壁間に充填される接着剤と、
を備えている。
Description
士、又は、木材と石材やコンクリートとを接合する接合
具、及びそれを用いて柱,梁,桁、まぐさ等が木材や集
成材等からなる木造建築物の構造部材同士を確実に接合
して固結し、木造建築物の耐震性を向上するとともに、
耐力壁や筋交いを不要にすることも可能にし、更に、増
築や既存建屋の耐震補強もできる構造部材の接合構造、
並びに、構造部材を簡単かつ確実強固に接合できる構造
部材の接合方法に関するものである。
を設けたり、広縁や二間続きの和室等の続き間、大きな
床の間、等の開放的な間取りを設けた和風住宅や数寄屋
風住宅が多く建築されている。一方、最近では、敷地の
狭い都会地での木造3階建て住宅の着工数も増加してお
り、土地柄、敷地が狭いため1階に車庫を設けることを
要求され1階に大きな間口を要すものも多く建築されて
いる。以下、1階に車庫を設けた3階建ての住宅の一例
について、図面を用いて説明する。図11(a)は3階
建て住宅の1階平面図であり、図11(b)は3階建て
住宅の2階平面図であり、図11(c)は3階建て住宅
の3階平面図である。図中、100a,100bは柱、
101は柱100b間に配置された耐力壁、102は車
庫、102aは車庫102の開口した間口である。図1
1の3階建て住宅では、車庫102の間口102aを要
すため柱100a間には柱100b間のように、耐力壁
101を配置することができないとともに、車庫102
の上方に2階と3階の荷重がかかるため、従来から、柱
100aに大型の構造部材を使用したり、1階だけを鉄
骨構造やRC構造にしたりしている。
いて、建築時の省力化、合理化又は木造建築物の強度の
向上を目的として、接合具や金具、箱金物等を用いた仕
口や継手等により、梁と桁,柱と梁,胴差と通し柱等を
接合する構造部材の接合構造や接合方法が開発されてい
る。また、阪神大震災を含め毎年、地震や台風等で特に
木造住宅が大きな被害を被ることが多く、木造建築物の
各構造部材同士の接合構造において、仕口等の接合部分
の強度向上を含めて建築物全体の構造強度の向上を図っ
た構造部材の接合構造や接合方法が種々開発されてい
る。
(以下、イ号公報という)には、ボルトの一端に開口す
る中心孔とこの中心孔とボルト側面とを連通する横孔と
からなる硬化性樹脂接着剤注入路を有する木材組立用ボ
ルトが開示されている。
公報という)には、集成材を締結すると共に締結用のボ
ルト孔の隙間内に接着剤を導入するためのボルトであっ
て、該ボルトは、その軸部の外周に接着剤を流通させる
凹部を形成すると共にその頭部に凹部に連通して外方側
に開口する少なくとも2個の貫通路を形成した接着剤注
入ボルトが開示されている。
公報という)には、少なくとも2つの被連結材に共通の
継手を嵌挿するようにして、被連結材を衝合させるとと
もに、被連結材に設けられたボルト孔と、継手に設けら
れたボルト孔とにボルトを貫通させ、該ボルトをナット
にて締結固定する骨組みの連結機構において、ボルトに
は、ボルト締め付け時に外部に開口する一方の開口部
と、ボルト孔に開口する他方の開口部とを有する連通路
が設けられ、該連通路を通して少なくとも継手のボルト
孔と、ボルトとの間隙に充填剤が充填される骨組みの連
結機構が開示されている。
来の接合具や構造部材の接合構造,接合方法では、以下
の課題を有していた。木造建築物の構造部材の接合に金
具や金物等を用いた場合、構造部材に金具や金物等を装
着するとともに、これにボルトやナット等を介して構造
部材同士を固定せねばならず、施工作業性に欠けるとと
もに、施工時の作業が煩雑で作業性に欠け、また、木材
の伸縮により数年で固定力が低下しガタが生じ易く接合
強度の信頼性に欠ける。構造部材の接合部分には、曲げ
や引張り、圧縮、剪断等の物理的強度を要するため、構
造部材の接合に使用される金具や金物等が大型になり、
重量があり運搬性に欠け、特に高所作業での安全性に欠
ける。木材からなる構造部材同士をボルトやナットで固
定した場合、木材の伸縮により数年で締付力が低下しガ
タが生じ易いとともに、ボルトやナット、金物等の金属
部分の酸化により物理的強度が低下し信頼性や耐久性に
欠けるという課題を有していた。
がピン接合になっているため、木造建築物の強度が不十
分で、筋交い、構造用合板、鋼製ブレース等を要し、し
かも、地震時等には筋交いが折れたり外れたりして本来
の役目を果たさないことがあり、信頼性に欠ける。ま
た、開放的な間取りを有した和風住宅や数寄屋風住宅等
の場合、大きな開口や広縁,和室の続き間等の開放的な
間取りになっている部分では、筋交いや耐力壁を設ける
ことができず、筋交いや耐力壁の配置が偏り、建物の重
心と耐力壁の中心の剛心が離れ、地震等の場合に建物自
体が大きな揺れを生じ建物が倒壊する傾向が高く、建物
の剛性や耐震性,安全性に欠けるという課題を有してい
た。
では、1階に車庫102を設けているため、柱100a
間に耐力壁を配置することができないとともに、車庫1
02の上方に2階,3階の荷重がかかり、地震の際に
は、車庫102の柱100aから破壊される可能性が高
く、耐震性や安全性に欠ける。更に、車庫102の間口
102aに耐力壁101が形成できないため、地震や2
階乃至3階の振動で住宅全体が揺れ易く、その際、特
に、3階の壁のクロスが歪んだり破れたりする可能性が
有る。更に、柱100aに大型の構造部材を使用した
り、1階だけを鉄筋構造にした場合、建築の手間がかか
り建築施工性に欠けるとともに、コスト高を引き起こす
という課題を有していた。
を有していた。イ号乃至ハ号公報では、いずれも、部材
(被連結材)同士をボルト・ナットで連結した後に、ボ
ルトに形成された接着剤が注入(流通)される孔や凹部
を介して、ボルトの外周面とボルトを挿通したボルト孔
との間に接着剤を充填し部材同士を接合しているので、
ボルトが挿通されるボルト孔が、連結する部材同士に貫
通されていなければ部材同士を連結(接合)することが
できず、そのため、例えば、梁と柱等の接合にイ号乃至
ハ号公報のボルト・ナットは使用できず、汎用性や使用
性に欠ける。また、梁と柱を接合する場合、ハ号公報の
ように、被連結材に共通の継手を嵌挿し被連結材を衝合
させた後、ボルト・ナットで被連結材同士を接合しなけ
ればならず、ボルト・ナットの他に「継手」部材が必要
となり、部品点数が増え取扱性や部材の接合作業性に欠
ける。
で、簡単な構造でかつ接合作業性に優れ施工期間を著し
く短縮できるとともに、構造強度の高い接合具の提供、
及び、木造建築物の構造強度を向上できるとともに、増
築や既存建屋の耐震補強もでき、耐震性や安全性に優
れ、また、施工作業時の安全性に優れるとともに、汎用
性に優れ未熟練者でも簡単かつ確実に接合強度に優れた
接合ができる構造部材の接合構造、並びに、施工作業性
を著しく向上できるとともに、構造部材の接合技術を単
純化し作業工数を削減でき、施工期間を著しく短縮する
ことができる構造部材の接合方法を提供することを目的
とする。
るために本発明における接合具及びそれを用いた構造部
材の接合構造並びに構造部材の接合方法は、以下の構成
を有している。本発明の請求項1に記載の接合具は、
a.中実棒状の胴部と、b.前記胴部の一端部側に前記
胴部の軸心と略直角に貫通された貫通孔と、c.前記胴
部の他端部側に形成された雄螺子部と、d.前記胴部の
略軸心の長手方向に形成された中空部と、e.前記雄螺
子部側の前記胴部の端面から前記中空部に連通した接着
剤の注入口と、f.前記胴部の外周面から前記中空部に
連通して穿設された1乃至複数の接着剤の吐出口と、
g.前記雄螺子部に螺着されるナットと、h.前記貫通
孔に挿着される胴部固定部材と、を備えた構成を有して
いる。
口,吐出口を有した棒状の胴部と、ナットと、胴部固定
部材とからなり、該接合具の構造や形状が単純で加工性
に優れ、該接合具の生産性を向上できる。 (2)木材間や集成材間若しくは木材と集成材同士、又
は、木材と石材やコンクリート等の部材同士を接合する
際に、接合する部材に挿入部を形成して接合具を挿入部
に挿入し、部材の外周壁部側から接合具の貫通孔に胴部
固定部材を挿着し、胴部の雄螺子部にナットを螺着する
だけで、該接合具で部材同士を容易に接合することがで
きる。 (3)接合具の胴部の長手方向に中空部を備えていると
ともに、中空部に連通して穿設された接着剤の吐出口を
備えているので、注入口から中空部に接着剤を注入する
ことにより吐出口から接合具の胴部の外周面及び接合具
が挿入された部材の挿入部の周壁間に接着剤を充填する
ことができ、部材同士を確実に固結して剛接合すること
ができる。 (4)複数の接合具を用いて部材同士を接合する場合、
接合具の胴部の外径を小さくすることができ、部材の断
面欠損を減少させ部材の強度の低下を防止することがで
きる。 (5)部材に形成された接合具を挿入する挿入部に金属
製等の高強度部材からなる接合具が接着剤で埋設固定さ
れるので、高剪断,高張力の剛接合を維持することがで
き、また、接合具の胴部が貫通孔に挿着された胴部固定
部材で挿入部内に固定されるので、胴部固定部材の剪断
力や靱性により部材同士の接合強度を向上できる。 (6)部材に形成された挿入部に接合具を挿入し、部材
の外周壁部側から接合具の貫通孔に胴部固定部材を挿着
し、胴部の雄螺子部にナットを螺着することにより、部
材同士を引き寄せて部材同士の当接面を密着させること
ができ、部材同士の当接面から接着剤が漏れるのを防止
でき、部材同士を確実に密着して接合できる。 (7)特に、柱とまぐさを接合する際に、柱の外周壁部
からまぐさに連通して形成された挿入部に接合具を挿入
し、まぐさの外周壁部から接合具の貫通孔に胴部固定部
材を挿着して胴部の雄螺子部にナットを螺着した後、注
入口から中空部へ接着剤を注入するだけで、柱とまぐさ
を強固に接合することができ、柱間の開口部の耐力を向
上することができるとともに、水平力による軸組の変形
を防止できる。
形状に形成する他、略楕円形状,三角形や四角形,六角
形等の略多角形状等、任意の形状に形成してもよい。接
合具の材質としては、ステンレス鋼,クロム,鉄鋼,カ
ーボン鉄鋼等の鉄製品やアルミニウム合金等の金属製の
他、カーボン繊維やボロン繊維,ガラス繊維,金属繊維
等の有機や無機の繊維と合成樹脂で成形加工したものが
用いられる。
0.3倍〜0.8倍の大きさで形成するのが好ましい。
尚、貫通孔が胴部の外径の0.3倍より小さくなるにつ
れ、貫通孔に挿着される胴部固定部材の外径も小さくな
り、胴部固定部材の剪断力が低下し接合具を部材に挿着
した際の剛性が低下する傾向があり、また、貫通孔が胴
部の外径の0.8倍より大きくなるにつれ、胴部に形成
される貫通孔が大きくなるため胴部の剪断力が低下し胴
部の強度が低下する傾向がある。
剤の吐出口や注入口としては、接合具の胴部の外径の約
1/20倍〜16/20倍、好ましくは約1/10倍〜
5/10倍の大きさの直径を有した、断面が略円形状に
形成される。尚、接着剤の粘性や接合具の材質にもよる
が、直径が接合具の胴部の外径の1/10倍より小さく
なるにつれ中空部内での接着剤の流動性に欠け接着剤の
注入に時間がかかる傾向があり、また、5/10倍より
大きくなるにつれ接合具の機械的強度が損なわれる傾向
がある。
の胴部の直径方向に形成される。また、吐出口を2以上
形成する場合は、中空部に連通するとともに接合具の胴
部の直径方向に貫通して形成してもよく、また、中空部
を中心に略放射状に形成してもよい。尚、吐出口を2以
上形成した場合、中空部に注入された接着剤が複数の吐
出口から吐出されるので、接着剤の注入時間を短縮する
ことができる。更に、中空部から対称の位置に吐出口を
形成すると、中空部に注入された接着剤を接合具の外周
面に略均等に吐出することができ、接着剤の充填ムラを
防止できる。吐出口の形成位置としては、接合具を部材
の上面から下方に傾斜して挿入する場合、吐出口を接合
具の胴部の貫通孔側に形成し、接合具を部材の下面から
上方に傾斜して挿入する場合、吐出口を接合具の胴部の
雄螺子部側に形成するのが好ましい。これにより、接合
具の外周面及び接合具が挿入された部材の挿入部の周壁
間に接着剤を満遍なく充填することができる。胴部固定
部材としては、貫通孔に応じて貫通孔に挿着できる大き
さに形成され、棒状体のピンや釘,ラグスクリュー,コ
ーチスクリュー等のネジ等が用いられる。尚、市販の釘
やネジ等を用いた場合、該接合具の低コスト化を図るこ
とができる。
ク状の金物等の従来の接合金具で接合した後に、各部材
に挿入部を形成して該接合具を挿入し、部材の外周壁部
側から接合具の貫通孔に胴部固定部材を挿着して雄螺子
部にナットを螺着し、接合具の中空部に接着剤を注入し
て部材同士を固結してもよい。この場合、接合金具で部
材同士を仮固定した後に部材同士を接合でき部材の接合
作業性を向上できるとともに、接合精度を向上でき、ま
た、部材同士の当接面を密着して接着剤の漏れを防止で
き、また、接合金具に加えて該接合具で部材同士の剪
断,張力等の接合強度を維持することができるととも
に、接合金具と該接合具を併用することにより該接合具
の小型化を図ることができ、更に、地震等で接合金具と
該接合具のいずれか一方が万が一破損した場合にも建築
物が完全に破壊されるのを防止できる。
項1に記載の発明において、前記胴部の前記雄螺子部側
の端部及び/又は前記ナットに形成又は配設された接着
剤流出防止部を備えた構成を有している。
下の作用を有する。 (8)接着剤流出防止部を備えているので、部材に形成
された挿入部の開口部側を接着剤流出防止部で塞ぐこと
ができ、挿入部の周壁と挿入部に挿入された接合具の胴
部の外周面との間に接着剤を充填した際に、挿入部の開
口部側から接着剤が流出するのを防止できる。
の雄螺子部側の端部に挿入部の外径よりも大きく形成さ
れたツバ部からなるもの,ナットの部材の外周壁部と当
接する側に挿入部の外径よりも大きく形成されたツバ部
からなるもの,胴部に外嵌されナットと部材との間に配
設される座金からなるもの等、挿入部の開口部の外径よ
り大きく形成されナットと部材の外周壁部との間で挿入
部の開口部側を塞ぐことができる形状のものが用いられ
る。
項1又は2に記載の発明において、前記胴部が、一端に
前記雄螺子部を有し他端に接合部を有した頭部部材と、
両端に胴接合部を有した1又は2以上の胴部材と、一端
に接合部を有し他端側に前記貫通孔を有した先端部材
と、を備えた構成を有している。
下の作用を有する。 (9)頭部部材と胴部材,先端部材を順に各接合部で接
合して連結することにより、該接合具を容易に形成する
ことができ、また、接合する胴部材の数により接合具の
長さを任意に変更することができる。 (10)特に、吐出口が該接合具の貫通孔側に形成され
る場合、頭部部材と胴部材,先端部材の各々に中空部を
形成し、先端部材の中空部に連通した吐出口を先端部材
に形成することにより中空部や吐出口を形成することが
でき、該接合具の中空部を各部材毎に分割して形成する
ことができるので、各中空部の形成距離を短くでき、接
合具の貫通孔側に吐出口を形成する場合にも容易に中空
部や吐出口を形成することができる。
子部又は雄螺子部を形成したもの、嵌合凹部又は嵌合凸
部を形成したもの等、各部材が脱着自在に接合できる形
状のものが用いられる。また、頭部部材と先端部材を各
接合部で接合して該接合具を形成してもよい。また、中
空部は、各部材を連結した際に該接合具の長さ方向で略
一直線になるように吐出口まで形成される。尚、接合具
の胴部に形成される吐出口が貫通孔側に形成される場
合、胴部に形成する中空部の距離が長くなり、また、中
空部の形成距離が長すぎる場合には中空部の形成が不可
能になるため、吐出口が貫通孔側に形成される場合に、
頭部部材,胴部材,先端部材に分割された該接合具が好
適に用いられる。
項1乃至3の内いずれか1項に記載の発明において、前
記胴部の外周面が螺子状又は異型鉄筋状の凹凸面に形成
された構成を有している。
て、以下の作用を有する。 (11)接合具の注入口から中空部に接着剤を注入して
吐出口から接合具の胴部の外周面及び接合具が挿入され
た部材の挿入部の周壁間に接着剤を充填した際の、胴部
と挿入部との接着効果を向上することができ、該接合具
と部材との接着力を向上できる。
に螺旋状の凹凸面を形成したものや、所定間隔毎に外周
面に凸条部や凸部又は凹条部や凹部を形成したもの等が
用いられる。また、胴部として、外周面が螺子状に形成
されたボルト鋼や、外周面に凸条や凸状のリブや節を有
した異型鉄筋(異型棒鋼)等を用いてもよい。更に、胴
部全長の外周面に凹凸面を形成してもよく、胴部全長に
所定間隔で凹凸面を形成してもよく、また、胴部の両端
部側や胴部の長さ方向の中央部等、胴部の一部に凹凸面
を形成してもよい。
項1乃至4の内いずれか1項に記載の発明において、前
記胴部に外嵌されたスプリング等の螺旋状部材を備えた
構成を有している。
て、以下の作用を有する。 (12)接合具の中空部に接着剤を注入した際に、接合
具の吐出口から吐出される接着剤を接合具の外周面及び
接合具が挿入された部材の挿入部の周壁間で螺旋状部材
に沿って略均等に充填することができ、接着剤のショー
トパスを防ぎ、接着剤の充填ムラが生じることを防止で
き部材同士を確実に固結でき、また、粘度の大きい接着
剤も容易にムラなく充填することができる。 (13)接合具の胴部に螺旋状部材を外嵌しているの
で、部材の挿入部に接合具とともに螺旋状部材を接着剤
で埋設固定することができ、その結果、該接合具の耐久
性を向上でき接合具を補強材として使用することもで
き、部材同士の接合部分の剪断,引張り応力等を向上で
きる。
項1乃至5の内いずれか1項に記載の発明において、前
記注入口に嵌合される突起部を有した封止体を備えた構
成を有している。
て、以下の作用を有する。 (14)注入口から中空部へ接着剤を注入した後、注入
口に封止体の突起部を嵌合して注入口を封止することが
でき、特に、粘度の極めて低い接着剤や硬化に長時間を
要す接着剤を中空部へ注入した場合でも、接着剤が硬化
する前に注入口から接着剤が漏れるのを防止でき、部材
同士を確実に固結することができる。 (15)封止体で注入口を封止することができるので、
雄螺子部側(注入口側)の胴部の端面及び雄螺子部に螺
着されたナットの端面を封止体で覆うことができ、部材
の挿入部の外観を向上できる。
きる突起部を有していればよく、接合具の注入口側(雄
螺子部側)端部及び雄螺子部に螺着されたナットの端面
を覆設できる形状のものや、突起部を注入口に嵌合した
際に該接合具が挿入された部材表面と面一になるように
形成されたもの等が用いられる。
構造は、請求項1乃至6の内いずれか1項に記載された
接合具と、所定の当接面で当接される横架構造部材や縦
構造部材等の2以上の構造部材と、前記構造部材の外周
壁部から前記当接面に対して直交若しくは所定の傾斜角
度を有して他の前記構造部材と連通して穿孔された1以
上の接合具挿入部と、当接される前記構造部材の内いず
れか1の前記構造部材の外周壁部から前記接合具挿入部
に略直交して穿孔された固定部材挿入部と、前記接合具
の中空部に注入されて前記接合具の吐出口から吐出され
前記接合具の外周面と前記接合具挿入部の周壁間に充填
される接着剤と、を備えた構成を有している。
入部に接合具を挿入するとともに、固定部材挿入部から
接合具の貫通孔に胴部固定部材を挿着し、接合具の雄螺
子部にナットを螺着することにより、構造部材同士を接
合具で接合することができる。 (b)接合具の注入口から中空部に接着剤を注入するこ
とにより、接合具の吐出口から接着剤を吐出して、接合
具の外周面と接合具挿入部の周壁間に接着剤を充填する
ことができ、構造部材同士を固結することができる。 (c)機械的強度が著しく高い接合具を各構造部材に埋
設して構造部材同士を確実に固結して接合しているの
で、構造部材の曲げ,引張り,圧縮,剪断等に対する抵
抗力を向上でき、また、接合具を接合具挿入部に胴部固
定部材で固定しているので、胴部固定部材の剪断力によ
り構造部材の接合強度を向上できるとともに、胴部固定
部材の靱性により構造部材同士の接合部分の靱性を向上
できる。 (d)接合具を構造部材の当接面に対し所定の傾斜角度
を有して挿入した場合、鉛直荷重に対する変形に耐える
ことができ、構造部材同士の剛性を向上できる。 (e)構造部材間でクロス状になるように接合具挿入部
を形成した場合、接合具を接合具挿入部に挿入するだけ
で構造部材同士を連結,保持することができ構造部材同
士の接合が容易にでき、また、接合具を胴部固定部材と
ナットで構造部材に固定して接着剤を注入すると、構造
部材の上下左右からの荷重を各接合具の偶力で打ち消す
ことができ、極めて機械的強度に優れた接合を可能にす
ることができる。 (f)接合具が構造部材に埋設されるとともに、接合具
の外周面が接着剤で被覆されるため、接合具が酸化等す
るのを防止でき、接合具の耐久性を向上することができ
る。 (g)接合具を構造部材の接合具挿入部に挿着して構造
部材同士を接合し、更に、接合具の外周面と接合具挿入
部の周壁間に接着剤を充填して構造部材同士を固結して
いるので、構造部材同士を剛接合することができ、接合
強度を向上でき、また、接着剤で固結しているので、木
材等の構造部材の伸縮を吸収できガタつきを防止でき
る。 (h)構造部材同士の接合部分が、接合具と接着剤で強
固に接合されたラーメン構造となるので、耐力壁や筋交
いを使用することなく建築物の間口(スパン)を著しく
広げることができ、柱の無い空間を得ることができる。
ては、接合具の胴部の全長よりナットの締め代分(ナッ
トを雄螺子部に螺着できる長さ)だけ短く形成(接合具
挿入部に接合具を挿入した際に雄螺子部のナットが螺着
される部分が、接合具挿入部の開口側から突出する長さ
で形成)される。尚、接合具を接合具挿入部に挿着した
際に、接合具の貫通孔側の端部が接合具挿入部の底部側
に当接しないのが好ましい。これにより、接合具の貫通
孔側の端部と接合具挿入部の底部との間にも接着剤を充
填することができるとともに、接合具の外周面と接合具
挿入部の周壁間の全体に接着剤をスムーズに充填するこ
とができ、接着剤の充填ムラを防止でき構造部材同士を
確実に固結できる。
が、構造部材の外周壁面から内側に接合具の胴部の外径
の1.1倍〜6倍の位置に形成される。接合具挿入部
が、構造部材の外周壁面から接合具の胴部の外径の1.
1倍より小さい位置になるにつれ構造部材に大きな外力
がかかった際に構造部材の端部や表面が破損する傾向が
有り、6倍より大きい位置になるにつれ構造部材に形成
できる接合具挿入部の数が減少し構造部材同士の接合力
を向上させ難い傾向が有る。また、接合具挿入部の大き
さとしては、接合具の胴部の外径より3mm〜15m
m、好ましくは4mm〜12mm大きく形成される。構
造部材の材質や接着剤の種類等にもよるが、接合具挿入
部と接合具の胴部の外径との差が4mmよりも小さくな
るにつれ、接着剤の種類や施工時期(夏期,冬期)にも
よるが、吐出口から吐出された接着剤が接合具の胴部の
外周面と接合具挿入部の周壁間で流動し難くなる傾向が
有り、接合具の胴部と外径との差が12mmよりも大き
くなるにつれ必要以上に接着剤を要す傾向が有り、ま
た、接合具の胴部と外径との差が3mmよりも小さく若
しくは15mmよりも大きくなるとこれらの傾向が更に
強くなる。尚、接合具の胴部に螺旋状部材を外嵌し、接
合具挿入部に接合具と螺旋状部材を挿入する場合は、螺
旋状部材の外径や螺旋間隔等にもよるが、接合具挿入部
に螺旋状部材を挿入できるとともに接合具の胴部と接合
具挿入部の周壁間で接着剤を流動させることができる大
きさ(例えば、螺旋状部材の外径より0mm〜15mm
大きい径)で接合具挿入部が形成される。更に、接合具
挿入部は円形や楕円形,四角形や六角形等の多角形状等
任意の断面形状で形成される。
持ち梁等のように先端に特に大きな外力がかかる場合や
登り梁等を接合する場合等は、傾斜角度αを有して形成
するのが好ましい。傾斜角度αとしては、当接面に対し
て20°≦α<90°好ましくは20°≦α≦70°よ
り好ましくは30°≦α≦60°で形成される。構造部
材の材質や接合具の大きさ等にもよるが、傾斜角度が3
0°よりも小さくなるにつれ接合具挿入部の位置が構造
部材の端部に近づき大きな外力に対して構造部材が破損
し易くなる傾向が有り、傾斜角度が60°よりも大きく
なるにつれ接合具の長さが長くなりすぎて作業性が低下
する傾向が有り、また、傾斜角度が20°よりも小さく
なるとこれらの傾向が更に強くなる。
挿入部を形成した場合、該接合具を構造部材の上方から
接合具挿入部に容易に挿着することができ作業性を向上
できるとともに、構造部材の下外周壁部に接合具のナッ
ト等が露出するのを防止でき外観を向上でき、また、接
合具の外周面と接合具挿入部の周壁間に確実に接着剤を
充填できる。また、接合する構造部材の当接面で所定間
隔をあけて接合具挿入部とクロス状になるように他の接
合具挿入部を穿孔し、各接合具挿入部に接合具を挿入し
て構造部材を接合した場合、接合した構造部材の引張
り,曲げ,剪断等の上下左右からの荷重を各接合具の偶
力で打ち消すことができ、構造部材同士の接合力を向上
できる。更に、接合具挿入部を傾斜角度αを有して形成
若しくはクロス状に形成することにより、二方向ラーメ
ン構造の場合や3,4方向に構造部材が有る場合にも、
該接合具を用いて構造部材同士を接合できる。
径で形成される。また、固定部材挿入部を構造部材に貫
通して形成、若しくは、接合具挿入部に連通して所定深
さで形成してもよく、更に、胴部固定部材の一端部に頭
部が有る場合、頭部が嵌合できるように固定部材挿入部
の一端部側を大径に形成してもよい。更に、固定部材挿
入部に胴部固定部材を挿着した後、固定部材挿入部の開
口部に木栓等の込栓を打ち込み、構造部材の外周壁面と
面一にしてもよい。これにより、構造部材の外観を向上
できる。尚、固定部材挿入部の軸心が接合具挿入部の軸
心と直交するように形成するのが好ましい。これによ
り、接合具挿入部に挿入した接合具の貫通孔に固定部材
挿入部から胴部固定部材を挿着した際に、接合具の軸心
と接合具挿入部の軸心を略一致させて保持することがで
き、接合具の外周面と接合具挿入部の周壁間にムラなく
接着剤を充填することができる。接着剤としては、エポ
キシ樹脂系接着剤,ポリウレタン系接着剤,酢酸ビニル
樹脂系接着剤等が用いられる。
構造は、請求項7に記載の発明において、当接される前
記構造部材の内いずれか1の前記構造部材の外周壁部か
ら前記接合具挿入部に連通して穿孔された1乃至複数の
空気抜き部を備えた構成を有している。
下の作用を有する。 (i)構造部材の種類(コンクリート等のように通気性
がないものや集成材等のように通気性のあるもの)にも
よるが、接合具の中空部に接着剤を注入する際に、中空
部内や接合具挿入部内の空気が空気抜き部から排出され
て、接着剤をスムーズに接合具の外周面と接合具挿入部
の周壁間に充填できる。 (j)接着剤注入時に空気抜き部から接着剤が溢れ出る
のを確認することで、接合具の外周面と接合具挿入部の
周壁間に接着剤が満たされたことを確認できる。
出口から離れた位置に形成するのが好ましく、吐出口が
接合具の胴部の貫通孔側に形成されている場合は接合具
の胴部の注入口側、吐出口が接合具の胴部の注入口側に
形成されている場合は接合具の胴部の貫通孔側、に形成
される。これにより、接合具の外周面と接合具挿入部の
周壁間に接着剤が充填される前に空気抜き部から接着剤
が溢れ出るのを防止でき、確実に接合具の外周面と接合
具挿入部の周壁間に接着剤を充填できる。また、空気抜
き部は略円形や略楕円形,四角形等の多角形等任意の形
状で、接着剤をスムーズに注入できる大きさで穿孔され
る。また、空気抜き部から接着剤が溢れ出た後、空気抜
き部の径が大きいときは木栓等の込栓を打ち込み、構造
部材の外周壁面と面一にしてもよい。これにより、構造
部材の外観を向上できる。
構造は、請求項7又は8に記載の発明において、前記接
合具挿入部の開口部に穿設され前記接合具挿入部と直交
する1以上の座部を有し、前記座部の開口側を埋設し表
面が前記構造部材の外周壁面と略面一に形成された埋設
材を備えた構成を有している。
て、以下の作用を有する。 (k)胴部の雄螺子部に螺着したナットを座部に当接さ
せることができるので、ナットが構造部材の表面から大
きく突出するのを防止でき、構造部材の外観を向上でき
る。 (l)座部の開口側に埋設材を埋設することにより、接
合具のナットが構造部材の表面に露出するのを防止で
き、特に、火災時等に構造部材の炭化皮膜により接合具
を火災の高温から守ることができ安全性を向上すること
ができる。 (m)埋設材を構造部材の外周壁面と略面一にしている
ので、構造部材の外観を向上できる。 (n)接合具のナットを埋設材で構造部材内に埋設して
いるので、接合具に外部の熱が伝わるのを防止でき、外
部の熱が接合具を介して構造部材の内部に伝わるのを防
止できる。
に挿入自在な突起部を有したものを用い、突起部を注入
口に挿入して注入口を封止するとともに座部の開口側を
埋設してもよい。
合方法は、所定の当接面で当接される横架構造部材や縦
構造部材等の2以上の構造部材に、請求項1乃至6の内
いずれか1項に記載された接合具が挿入される接合具挿
入部及び前記接合具挿入部に略直交し前記接合具の胴部
固定部材が挿着される固定部材挿入部を形成する挿入部
形成工程と、前記接合具挿入部に前記接合具を挿入し前
記固定部材挿入部及び前記接合具の貫通孔に前記胴部固
定部材を挿着する胴部挿着工程と、前記接合具の雄螺子
部にナットを螺着し前記接合具を前記構造部材に固定す
るとともに前記構造部材同士を連結する固定工程と、前
記接合具の中空部に接着剤を注入して前記構造部材を固
結する固結工程と、を備えた構成を有している。
成し、接合具挿入部に接合具を挿入して固定部材挿入部
と接合具の貫通孔に胴部固定部材を挿着した後、接合具
の雄螺子部にナットを螺着するだけで、2以上の構造部
材に接合具を固定して構造部材同士を連結することがで
き、構造部材の接合作業性を向上できる。 (イ)構造部材を順に組み立てていくことができ、建設
現場で直接各構造部材の接合ができる。 (ウ)接合具を構造部材に固定した後、接合具の中空部
に接着剤を注入するだけで、接合具の外周面と接合具挿
入部の周壁間に接着剤を充填して構造部材同士を確実に
固結することができ、構造部材の接合作業が簡単で作業
性を向上できる。
しては、建設現場でドリル等で穿孔するか、又は、工場
でプレカット方式等で予め形成してもよい。尚、接合具
挿入部に連通した空気抜き部や、接合具挿入部の開口部
で接合具挿入部と直交した座部を形成する場合は、挿入
部形成工程で接合具挿入部や固定部材挿入部とともに形
成される。
施の形態1における接合具について、以下図面を用いて
説明する。図1は実施の形態1における接合具の要部分
解全体斜視図である。図1において、1は実施の形態1
におけるステンレス等の金属製の接合具、2は接合具1
の断面が円形状の中実棒状の胴部、3は胴部2の一端部
側に胴部2の軸心と略直角に貫通された貫通孔、4は胴
部2の他端部側に形成された雄螺子部、5は胴部2の雄
螺子部4側の軸心の長手方向に形成された中空部、6は
雄螺子部4側の胴部2の端面2aから中空部5に連通し
た接着剤の注入口、7は中空部5の端部と直交して胴部
2の雄螺子部4側に穿設され中空部5と連通して対称位
置に形成された接着剤の吐出口、8は胴部2の雄螺子部
4側に外嵌される接着剤流出防止部の座金、9は雄螺子
部4に螺着されるナット、10は貫通孔3に挿着される
棒状の胴部固定部材である。ここで、実施の形態1で
は、貫通孔3は胴部2の外径の0.3倍〜0.8倍の大
きさで形成されている。また、中空部5や注入口6,吐
出口7は、胴部2の外径の1/10倍〜5/10倍の大
きさの直径で断面略円形状に形成されている。尚、接着
剤流出防止部として座金8を胴部2の雄螺子部4側に外
嵌する代わりに、胴部2の端面2aに雄螺子部4の外径
より大きな径のツバ部を形成してもよく、また、ナット
9の端面にナット9の外径より大きな径のツバ部を形成
してもよい。また、ナット9の外径が大きい場合は、接
着剤流出防止部を備えなくてもよく、ナット9の端面を
接着剤流出防止部としてもよい。
合具1を用いて、以下、実施の形態2における木造建築
物の構造部材の接合構造について、図面を用いて説明す
る。図2は実施の形態2における構造部材間の仕口の接
合構造を示す要部側面断面図であり、図3は図2のA−
A線断面図である。図中、11は柱等の縦構造部材、1
2は桁等の横架構造部材、13は筋交い等の構造部材、
14aは縦構造部材11と横架構造部材12の当接面、
14bは縦構造部材11と構造部材13の当接面、1
5,16は縦構造部材11の外周壁部から当接面14
a,14bに対して直交して貫設され横架構造部材1
2,構造部材13の所定部に穿孔され穿孔部が連通して
形成された接合具挿入部、15a,16aは接合具挿入
部15,16の底部、17は横架構造部材12,構造部
材13の上面又は側面の外周壁部から接合具挿入部1
5,16の底部15a,16a側に連通して穿孔された
空気抜き部、18は横架構造部材12,構造部材13の
側面の外周壁部から接合具挿入部15,16に直交して
接合具挿入部15,16の底部15a,16a側に横架
構造部材12,構造部材13に貫通して穿孔された固定
部材挿入部である。
15,16は、接合具1の胴部2の外径より4mm〜1
2mm大きな直径で形成されている。また、接合具挿入
部15,16の開口部から底部15a,16aまでの長
さとしては、接合具1の胴部2の全長よりも雄螺子部4
にナット9が螺着される長さ分短く形成(接合具挿入部
15,16に接合具1を挿入した際に少なくともナット
9が螺着できる長さ分雄螺子部4が縦構造部材11の外
周壁部から突出する長さで形成)されている。更に、実
施の形態2では、固定部材挿入部18としては、接合具
1の貫通孔3と略同一径で形成されている。また、固定
部材挿入部18は、接合具1を接合具挿入部15,16
に挿入し貫通孔3に胴部固定部材10を挿着して接合具
挿入部15,16に接合具1を挿着した際に、接合具1
の貫通孔3側の端部が接合具挿入部15,16の底部1
5a,16aに当接しない位置に形成されている。これ
により、接着剤の注入口6から注入され吐出口7から吐
出された接着剤を接合具1の外周面と接合具挿入部1
5,16の周壁面との間にスムーズに充填することがで
きるとともに、接着剤の充填ムラを防止できる。
造部材の接合構造について、以下その接合方法を説明す
る。まず、挿入部形成工程において、横架構造部材12
を起重機等で持ち上げて縦構造部材11と横架構造部材
12を当接面14aで当接させ、縦構造部材11の外周
壁部から当接面14aに対して直角に横架構造部材12
の所定部まで接合具挿入部15を穿孔し、次いで、構造
部材13を起重機等で持ち上げて縦構造部材11と構造
部材13を当接面14bで当接させ、縦構造部材11の
外周壁部から当接面14bに対して直角に構造部材13
の所定部まで接合具挿入部16を穿孔する。次に、接合
具挿入部15,16の底部15a,16a側に、横架構
造部材12,構造部材13の側面の外周壁部から接合具
挿入部15,16に直交し横架構造部材12,構造部材
13を貫通した固定部材挿入部18を穿孔する。更に、
接合具挿入部15,16の底部15a,16a側に、横
架構造部材12,構造部材13の上面又は側面の外周壁
部から接合具挿入部15,16に連通した空気抜き部1
7を穿設する。尚、この挿入部形成工程は、建築物の建
築現場で行うこともできるが、予め工場でプレカット方
式等で形成しておくこともできる。
部15,16に接合具1を挿入し、固定部材挿入部18
から接合具1の貫通孔3に胴部固定部材10を挿着し、
接合具1の胴部2を接合具挿入部15,16に挿着す
る。次いで、固定工程において、縦構造部材11の外周
壁部に突出した接合具1の雄螺子部4に座金8を外嵌す
るとともにナット9を雄螺子部4に螺着し、接合具1を
接合具挿入部15,16に固定し、縦構造部材11と横
架構造部材12,縦構造部材11と構造部材13を各々
連結する。ここで、ナット9は雄螺子部4に緩く螺着
し、縦構造部材11と横架構造部材12,構造部材13
にガタつきを残しておくのが好ましい。これにより、他
の構造部材の接合作業性を向上できる。次に、他の構造
部材の接合等が終了した後、ナット9を締めつけて雄螺
子部4に確実に螺着して縦構造部材11と横架構造部材
12,縦構造部材11と構造部材13の各当接面14
a,14bを各々密着させる。これにより、接合具1の
注入口6から中空部5に注入し吐出口7から接合具挿入
部15,16内に吐出された接着剤が、当接面14a,
14bから漏れるのを防止する。
中空部5へ接着剤を注入する。注入口6から中空部5へ
接着剤を注入すると、中空部5や接合具挿入部15,1
6内の空気が空気抜き部17から排出されるとともに、
中空部5に注入された接着剤が吐出口7から吐出され、
接合具1の胴部2の外周面と接合具挿入部15,16の
周壁間に接着剤が充填される。更に、接合具1の外周面
と接合具挿入部15,16の周壁間に接着剤が充填され
ると、空気抜き部17から接着剤が溢れ出るため、空気
抜き部17から溢れ出る接着剤を確認して接着剤の注入
を終了し、縦構造部材11と横架構造部材12,構造部
材13が固結される。ここで、接着剤としては、エポキ
シ樹脂系接着剤,ポリウレタン系接着剤,酢酸ビニル樹
脂系接着剤等が用いられる。尚、接合具1の使用本数
は、接合する構造部材の大きさ等により、任意に変更さ
れる。また、接合具1の使用本数が多い場合、荷重を分
布させることができるとともに、接合具1を小型化する
ことができ構造部材の断面欠損を減少することができ接
合強度を向上できる。
及びそれを用いた実施の形態2における構造部材の接合
構造並びに接合方法によれば、以下の作用を有する。 (1)接合具が、貫通孔,雄螺子部,中空部,注入口,
吐出口を有した棒状の胴部と、座金,ナット,胴部固定
部材からなり、接合具の構造や形状が単純で加工性に優
れ、接合具の生産性に優れる。 (2)縦構造部材と横架構造部材,縦構造部材と構造部
材を連通して穿孔された接合具挿入部に接合具を挿入
し、横架構造部材,構造部材に接合具挿入部に直交して
穿孔された固定部材挿入部から接合具の貫通孔に胴部固
定部材を挿着し、接合具の雄螺子部にナットを螺着する
だけで各構造部材同士を連結,接合でき、更に、接合具
の中空部に注入口から接着剤を注入することにより、接
着剤が吐出口から吐出され接合具の外周面と接合具挿入
部の周壁間に接着剤を充填でき、各構造部材を確実に固
結でき、簡単にラーメン接合構造が得られる。 (3)胴部固定部材により接合具を接合具挿入部に挿着
した後、接合具の雄螺子部にナットを螺着しているの
で、ナットを締めつけることにより、各構造部材の当接
面を密着させることができ、接合具の中空部から接合具
の外周面と接合具挿入部の周壁間に接着剤を充填した際
に、接着剤が当接面から漏れるのを防止できる。 (4)各構造部材に接合具挿入部及び固定部材挿入部を
形成し、接合具挿入部に接合具を挿入して固定部材挿入
部から接合具の貫通孔に胴部固定部材を挿着するだけで
接合具を接合具挿入部に挿着できるとともに、接合具の
雄螺子部にナットを螺着するだけで、各構造部材同士を
連結,接合でき、構造部材の接合作業性に優れる。 (5)接合具の雄螺子部にナットを緩く螺着して、接合
する構造部材間にガタつきを残すことにより、他の各構
造部材の組み立て作業性を向上できる。 (6)横架構造部材及び構造部材に接合具挿入部に連通
した空気抜き部を有しているため、接合具の中空部に接
着剤を注入する際に、中空部内や接合具挿入部内の空気
が空気抜き部から排出され、接着剤がスムーズに充填で
きるとともに、接着剤注入時に空気抜き部から接着剤が
溢れ出るのを確認することで、接合具の外周面と接合具
挿入部の周壁間に接着剤が満たされたことを確認でき
る。 (7)接合具を各構造部材に形成された接合具挿入部に
挿着して各構造部材を接合するとともに、接合具の外周
面と接合具挿入部の周壁間に接着剤を充填して構造部材
同士を固結しているため、構造部材を剛接合することが
でき、構造部材の曲げ、引張り、圧縮、剪断等に対する
抵抗力を向上させることができる。 (8)接合具が各構造部材に埋設されているとともに、
接合具の外周面が接着剤で被覆されるため、接合具が酸
化等するのを防止でき接合具の耐久性を向上することが
でき、また、構造部材の伸縮を吸収でき、構造部材間の
ガタつきを防止できる。 (9)複数の接合具を用いて構造部材同士を接合する場
合、接合具の胴部の外径を小さくすることができ、構造
部材の断面欠損を減少でき構造部材の強度の低下を防止
することができる。 (10)接合具挿入部に、金属製の接合具が接着剤で埋
設固定されるので、高剪断,高張力の剛接合を維持する
ことができ、構造部材の接合強度に優れる。
3における接合具について、以下図面を用いて説明す
る。図4は実施の形態4における分割式の接合具の要部
分解全体斜視図である。尚、実施の形態1と同様のもの
には同一の符号を付して説明を省略する。図4におい
て、20は実施の形態4におけるステンレス等の金属製
で複数に分割自在な分割式の接合具、21は一端に雄螺
子部4を有した頭部部材、21aは頭部部材21の他端
に形成された雌螺子状の接合部、22は接合具20の胴
部材、22aは胴部材22の一端に雄螺子状に形成され
接合部21aに脱着自在な胴接合部、22bは胴部材2
2の他端に雌螺子状に形成された胴接合部、23は一端
に貫通孔3を有した先端部材、23aは先端部材23の
他端に雄螺子状に形成され胴接合部22bに脱着自在な
接合部、24は頭部部材21,胴部材22,先端部材2
3からなる接合具20の胴部、5a,5b,5cは頭部
部材21,胴部材22,先端部材23の略軸心の長手方
向に各々形成された単位中空部、5′は頭部部材21,
胴部材22,先端部材23を接合した際に単位中空部5
a,5b,5cで形成される長さ方向が略一直線の中空
部、7′は中空部5′の単位中空部5cの端部と直交し
て先端部材23に穿設され中空部5′と連通して対称位
置に形成された接着剤の吐出口、25は一端部に頭部2
5aを有し貫通孔3に挿着される釘状の胴部固定部材で
ある。ここで、接合具20の胴部24は、頭部部材21
の接合部21aに胴部材22の胴接合部22aを螺着
し、また、胴部材22の胴接合部22bに先端部材23
の接合部23aを螺着して形成される。尚、実施の形態
2では、貫通孔3は胴部24の外径の0.3倍〜0.8
倍の大きさで形成されている。また、中空部5′や注入
口6,吐出口7′は、胴部24の外径の1/10倍〜5
/10倍の大きさの直径で断面略円形状に形成されてい
る。
合具20を用いて、以下、実施の形態4における木造建
築物の構造部材の接合構造について、図面を用いて説明
する。図5(a)は実施の形態4における構造部材であ
る登り梁の接合構造を示す要部側面断面図であり、図5
(b)は図5(a)のB−B線断面端面図である。尚、
実施の形態2と同様のものには同一の符号を付して説明
を省略する。図5において、26a,26bは登り梁の
構造部材、27は構造部材26a,26bの当接面、2
8は構造部材26bの外周壁部から当接面27に対して
傾斜角度αを有して構造部材26aの軸心と略平行に構
造部材26aの所定部まで穿孔された接合具挿入部、2
8aは接合具挿入部28の底部、29は接合具挿入部2
8の開口部側の接合具挿入部28に連通して構造部材2
6bの上外周壁部に穿孔された空気抜き部、30は接合
具挿入部28の開口部に接合具挿入部28の外径より大
きな径で形成され接合具挿入部28と直交した座部、3
1は座部30に埋設され表面が構造部材26bの外周壁
面と略面一に形成された埋設材(封止体)、31aは接
合具20の注入口6に嵌合され注入口6を封止する突起
部、32は接合具20の胴部24に外嵌され接合具挿入
部28内に配設されるスプリング等の螺旋状部材、33
は構造部材26aの側面の外周壁部から接合具挿入部2
8に直交して接合具挿入部28の底部28a側に所定深
さ穿孔された固定部材挿入部である。
28は、接合具20の胴部24と接合具20の胴部24
に外嵌された螺旋状部材32が挿入できるとともに胴部
24と接合具挿入部28の周壁間で螺旋状部材32に沿
って接着剤を流動させることができる大きさ(例えば、
螺旋状部材32の外径より0mm〜15mm大きな直
径)で形成されている。螺旋状部材32の螺旋間隔等に
もよるが、接合具挿入部28の直径と螺旋状部材32の
直径との差が0mmよりも小さくなると接合具挿入部2
8に胴部24に外嵌した螺旋状部材32を挿入できなく
なり、差が15mmよりも大きくなるにつれ必要以上に
接着剤を要す傾向が有る。更に、座部30から接合具挿
入部28の底部28aまでの長さとしては、接合具20
の胴部24の全長よりも雄螺子部4にナット9が螺着さ
れる長さ分短く形成(接合具挿入部28に接合具20を
挿入した際に少なくともナット9が螺着できる長さ分雄
螺子部4が座部30から突出する長さで形成)されてい
る。
座金8を当接できる段差部ができるように、接合具挿入
部28の外径より大きな径で形成される。また、座部3
0はナット9を埋設材31で埋設できる大きさで形成さ
れる。また、実施の形態4では、固定部材挿入部33と
しては、接合具20の貫通孔3と同じ大きさで、構造部
材26aに所定深さで形成されている。これにより、釘
状の胴部固定部材25を固定部材挿入部33及び接合具
20の貫通孔3に挿入して胴部固定部材25の頭部25
aを打設することにより、胴部固定部材25の先端を構
造部材26aに打ち込んで胴部固定部材25を固定部材
挿入部33に固定することができる。更に、固定部材挿
入部33は、接合具20を接合具挿入部28に挿入し貫
通孔3に胴部固定部材25を挿着して接合具挿入部28
に接合具20を挿着した際に、接合具20の貫通孔3側
の端部が接合具挿入部28の底部28aに当接しない位
置に形成されている。これにより、接合具20の外周面
と接合具挿入部28の周壁面間との間にスムーズに接着
剤を充填することができるとともに、接着剤の充填ムラ
を防止できる。
造部材の接合構造について、以下その接合方法を説明す
る。まず、挿入部形成工程において、構造部材26a,
26bを起重機等で持ち上げて構造部材26a,25b
を当接面27で当接させ、構造部材26bの外周壁部か
ら当接面27に対して傾斜角度αで構造部材26aの所
定部まで接合具挿入部28を穿孔するとともに、接合具
挿入部28の開口部側に座部30を形成する。次に、接
合具挿入部28の底部28a側に、構造部材26aの側
面の外周壁部から接合具挿入部28に直交した固定部材
挿入部33を所定深さ穿孔する。更に、接合具挿入部2
8の開口部側に、構造部材26bの上面の外周壁部から
接合具挿入部28に連通した空気抜き部29を穿設す
る。尚、この挿入部形成工程は、建築物の建築現場で行
うこともできるが、予め工場でプレカット方式等で形成
しておくこともできる。
1,胴部材22,先端部材23を各接合部21a,22
a,22b,23aで螺着して形成された胴部24に螺
旋状部材32を外嵌し、胴部24と螺旋状部材32を接
合具挿入部28に挿入する。次いで、固定部材挿入部3
3から接合具20の貫通孔3に胴部固定部材25を挿入
し、胴部固定部材25の頭部25aを打設して胴部固定
部材25の先端を構造部材26aに打ち込み、接合具2
0の胴部24及び螺旋状部材32を接合具挿入部28に
挿着する。次に、固定工程において、座部30に突出し
た接合具20の雄螺子部4に座金8を外嵌するとともに
ナット9を雄螺子部4に螺着し、接合具20を接合具挿
入部28に固定し、構造部材26a,26bを各々連結
する。ここで、ナット9は雄螺子部4に緩く螺着し、構
造部材26aと構造部材26b間にガタつきを残してお
くのが好ましい。これにより、他の構造部材の接合作業
性を向上できる。次に、他の構造部材の接合等が終了し
た後、ナット9を締めつけて雄螺子部4に確実に螺着し
て構造部材26a,26bの当接面27を各々密着させ
る。これにより、接合具20の注入口6から中空部5′
に注入し吐出口7′から接合具挿入部28内に吐出され
た接着剤が、当接面27から漏れるのを防止する。
中空部5′へ接着剤を注入する。注入口6から中空部
5′へ接着剤を注入すると、中空部5′や接合具挿入部
28内の空気が空気抜き部29から排出されるととも
に、中空部5′に注入された接着剤が吐出口7′から吐
出され、接合具20の胴部24の外周面と接合具挿入部
28の周壁間に接着剤が充填される。更に、接合具20
の外周面と接合具挿入部28の周壁間に接着剤が充填さ
れると、空気抜き部29から接着剤が溢れ出るため、空
気抜き部29から溢れ出る接着剤を確認して接着剤の注
入を終了し、次に、埋設材31の突起部31aを注入口
6に嵌合して座部30に埋設材31を埋設し、構造部材
26aと構造部材26bを固結する。ここで、接着剤と
しては、エポキシ樹脂系接着剤,ポリウレタン系接着
剤,酢酸ビニル樹脂系接着剤等が用いられる。尚、接合
具20の使用本数は、接合する構造部材の大きさ等によ
り、任意に変更される。また、接合具20の使用本数が
多い場合、荷重を分布させることができるとともに、接
合具20を小型化することができ構造部材の断面欠損を
減少することができ接合強度を向上できる。
及びそれを用いた実施の形態4における構造部材の接合
構造並びに接合方法によれば、実施の形態1,2の作用
に加えて、以下の作用を有する。 (1)接合具が、一端に頭部を有し他端に接合部を有し
た頭部部材と、両端に胴接合部を有した胴部材と、一端
に接合部を有し他端に貫通孔を有した先端部材と、を有
しているため、各接合部で各部材を接合することによ
り、該接合具を形成することができ、接合する胴部材の
数により該接合具を任意の長さに調整できる。 (2)接合具が、頭部部材,胴部材,先端部材に分割さ
れているため、中空部を形成する際に、各部材毎に長さ
の短い単位中空部を形成することにより接合具の中空部
を形成することができ、特に、先端部側に吐出口を形成
する場合に、中空部を容易に形成することができる。 (3)接合具の胴部にスプリング等の螺旋状部材を外嵌
し、接合具と螺旋条部材を接合具挿入部に挿入している
ため、接合具の中空部に接着剤を注入した際に、接合具
の吐出口から接合具の外周面及び接合具挿入部の周壁間
で螺旋状部材に沿って接着剤を略均等に充填することが
でき、接着剤の充填ムラを防ぎ構造部材同士を固結でき
る。 (4)接合具の胴部に螺旋状部材を外嵌しているため、
接着剤で螺旋状部材が接合具挿入部内に埋設され該接合
具が補強材としての役割を果たし、構造部材同士の接合
部分の剪断,引張り応力等を向上させることができる。 (5)接合具を接合具挿入部に挿入し、接合具の外周面
と接合具挿入部の周壁間に接着剤を充填して構造部材同
士を固結しているため、接合具が頭部部材,胴部材,先
端部材を接合して形成されている場合、各部材の接合部
が接着剤で被覆され、接合具の強度を向上できる。 (6)接着剤の吐出口が接合具の先端部材に形成され、
空気抜き部が吐出口と反対側(遠方側)に形成されてい
るため、接着剤を接合具挿入部全体に注入することがで
き接着剤の充填ムラを防ぎ確実に構造部材同士を固結で
きる。 (7)胴部固定部材として釘状のものを用いた場合、胴
部固定部材を固定部材挿入部から接合具の貫通孔に挿入
し胴部固定部材を打設するだけで、胴部固定部材を構造
部材に固定できるとともに接合具を接合具挿入部に固定
することができ、胴部挿着工程の作業性に優れる。 (8)釘状の胴部固定部材により接合具を接合具挿入部
に確実に挿着固定することができるとともに、ナットを
雄螺子部に螺着することにより構造部材同士を引き寄せ
て当接面を強固に密接させることができ、接着剤が当接
面から漏れるのを防止でき、また、接着剤により各構造
部材と接合具を強固に接着固定することができ機械的強
度に優れたラーメン接合が得られる。 (9)接合具挿入部の開口部に接合具挿入部と直交した
座部を形成しているので、当接面に対して傾斜角度を有
した接合具挿入部に接合具を挿着する際にも、接合具の
座金やナットを座部に当接させてナットを雄螺子部に確
実に螺着することができるとともに構造部材同士をナッ
トの螺着により引き寄せて接合することができる。 (10)接合具挿入部の開口部に座部を穿設しているの
で、接合具のナットが構造部材の表面から大きく突出す
るのを防止でき、また、座部に埋設される埋設材(封止
体)を有し、更に、座部に埋設材を埋設した際に埋設材
が構造部材の外周壁面と略面一になるように形成されて
いるので、構造部材の外観を向上できる。 (11)座部の開口側に埋設材を埋設しているため、接
合具のナットや胴部の雄螺子部側端部が露出するのを防
止でき、火災時等に構造部材の炭化皮膜により接合具を
火災の高温から守ることができるとともに、接合具を介
して外部の熱を構造部材の内部に伝えるの防止でき、構
造部材の接合部分の安全性を向上できる。 (12)埋設材が、接合具の注入口に嵌合される突起部
を有しているため、突起部を注入口に嵌合して注入口を
封止することができ、特に、粘度の極めて低い接着剤や
硬化に長時間を要す接着剤を使用した場合でも、注入口
から接着剤が漏れるのを防止でき、接着効果が低下する
のを防止できる。
接合具20を用いて、以下、実施の形態5における木造
建築物の構造部材の接合構造について、図面を用いて説
明する。図6は実施の形態5における構造部材の継手接
合構造を示す要部側面断面図であり、図7は実施の形態
5における構造部材の継手接合構造を示す要部分解平面
図である。尚、実施の形態2乃至4と同様のものには同
一の符号を付して説明を省略する。図中、12A,12
Bは縦構造部材11を介して接合される桁等の横架構造
部材、40aは縦構造部材11と横架構造部材12Aの
当接面、40bは縦構造部材11と横架構造部材12B
の当接面、41a,41bは横架構造部材12A,12
Bの外周壁部から当接面40a,40bに対して傾斜角
度αを有して縦構造部材11を貫通して横架構造部材1
2B,12Aの所定部まで穿孔された接合具挿入部、4
1cは接合具挿入部41a,41bの底部、42a,4
2bは接合具挿入部41a,41bの開口部側の接合具
挿入部41a,41bに連通して横架構造部材12A,
12Bの上外周壁部に穿孔された空気抜き部、43a,
43bは横架構造部材12A,12Bの側面の外周壁部
から接合具挿入部41a,41bに直交して接合具挿入
部41a,41bの底部41c側に所定深さ穿孔された
固定部材挿入部である。
41a,41bの傾斜角度αは、当接面40a,40b
に対して20°≦α≦70°若しくは30°≦α≦60
°で形成されている。傾斜角度αが30°よりも小さく
なるにつれ接合具挿入部41a,41bの形成位置が当
接面40a,40b側に近づき横架構造部材12A,1
2Bの端部側になり、外力に対して横架構造部材12
A,12Bが破損し易くなる傾向が有り、傾斜角度αが
60°よりも大きくなるにつれ接合具20の長さが長く
なりすぎて接合作業性が低下する傾向が有る。
造部材の接合方法は、実施の形態2,4と同様なので、
説明を省略する。尚、実施の形態5では、挿入部形成工
程で接合具挿入部41a,41b、座部30、空気抜き
部42a,42b、固定部材挿入部43a,43bを形
成した後、胴部挿着工程,固定工程において、接合具2
0の胴部24を接合具挿入部41a,41bの両方に挿
着して、縦構造部材11,横架構造部材12A,12B
を連結した後、固結工程を行う。ここで、接合具挿入部
41a,41bに接合具20の胴部24を挿入するだけ
で縦構造部材11,横架構造部材12A,12Bを連結
することができるので、胴部挿着工程で接合具20の胴
部24を接合具挿入部41a,41bの両方に挿入した
後、固定工程,固結工程を行ってもよい。
を用いた実施の形態5における構造部材の接合構造並び
に接合方法によれば、実施の形態1乃至4の作用に加え
て、以下の作用を有する。 (1)接合具を横架構造部材の上方から接合具挿入部に
挿入し、胴部固定部材で接合具を接合具挿入部に挿着す
るだけで、容易に縦構造部材と横架構造部材を連結する
ことができ、また、接合具の雄螺子部にナットを締めつ
けるだけで縦構造部材と横架構造部材の当接面を当接し
て接合することができ、縦構造部材を介して横架構造部
材同士を接合する場合等、3,4方向に構造部材が有る
場合にも、該接合具を用いて容易に構造部材同士を接合
することができる。 (2)縦構造部材と横架構造部材の当接面に対して傾斜
角度αを有して接合具挿入部を形成し、接合具挿入部に
接合具を挿着しているので、横架構造部材の鉛直荷重に
対する変形に耐えることができ、構造部材同士の接合力
を向上できる。 (3)接合具挿入部がクロス状に形成され、各接合具挿
入部に挿着された各接合具がクロス状になっているの
で、地震,風等の水平力により生じる構造部材の接合部
分の引張り,圧縮,曲げ,剪断によって発生する上下左
右からの荷重を各々の接合具の偶力で打ち消すことがで
き、構造部材の接合部分の剛性を向上できる。 (4)座部の開口側に埋設材を埋設しているため、接合
具を各構造部材に完全に埋設することができ、接合具が
各構造部材から露出せず、特に、火災時等に構造部材の
炭化皮膜により接合具を火災の高温から守ることができ
るとともに、接合具を介して外部の熱を構造部材の内部
に伝えるの防止でき、構造部材の接合部分の安全性を向
上できるとともに、各構造部材の外観を向上できる。
6における接合具について、以下図面を用いて説明す
る。図8は実施の形態6における接合具の要部分解全体
斜視図である。尚、実施の形態1と同様のものには同一
の符号を付して説明を省略する。図8において、50は
実施の形態6におけるステンレス等の金属製の接合具、
51は異型鉄筋からなる棒状の胴部、52aは胴部51
の長さ方向と略平行に胴部51の外周面に凸条に形成さ
れたリブ、52bは胴部51の長さ方向に所定間隔で胴
部51の外周面に凸状に形成された節、53は貫通孔3
に挿着されるラグスクリューからなる胴部固定部材、5
3aは端面に+状の係合溝(図示せず)を有した胴部固
定部材53の頭部である。
合具50を用いて、以下、実施の形態7における木造建
築物の構造部材の接合構造について、図面を用いて説明
する。図9は実施の形態7における構造部材である柱と
横架構造部材の1例であるまぐさの接合構造を示す要部
側面断面図であり、図10は図9のC−C線断面図であ
る。尚、実施の形態2と同様のものには同一の符号を付
して説明を省略する。図中、54は柱からなる縦構造部
材11の上端部に接合された梁、55は梁54に接合さ
れた2階柱、56は梁54の下方に位置し縦構造部材1
1に接合されたまぐさ等からなる横架構造部材、57は
縦構造部材11と横架構造部材56の当接面、58は縦
構造部材11の外周壁部から当接面57に対して直交し
て貫設され横架構造部材56の所定部に穿孔され穿孔部
が連通して形成された接合具挿入部、58aは接合具挿
入部58の底部、59は横架構造部材56の上面の外周
壁部から接合具挿入部58の底部58a側に連通して穿
孔された空気抜き部、60は横架構造部材56の側面の
外周壁部から接合具挿入部58に直交して接合具挿入部
58の底部58a側に所定深さ穿孔された固定部材挿入
部、60aは固定部材挿入部60の開口側に固定部材挿
入部60の外径よりも大きく穿設して形成された凹部で
ある。
造部材の接合方法は、実施の形態2,4と同様なので、
説明を省略する。尚、実施の形態7では、胴部固定部材
53が頭部53aに+状の係合溝を有したラグスクリュ
ーからなるため、胴部挿着工程において、接合具50の
胴部51を胴部固定部材53で接合具挿入部58に挿着
する際、固定部材挿入部60から接合具50の貫通孔3
に胴部固定部材53を挿入し、胴部固定部材53の頭部
53aの係合溝にドライバー等の工具を係合して胴部固
定部材53を横架構造部材56に螺着することにより、
接合具挿入部58に胴部51を挿着固定する。ここで、
実施の形態7では、固定部材挿入部60の開口側に凹部
60aを有しているので、胴部固定部材53の頭部53
aは凹部60aに嵌合される。
及びそれを用いた実施の形態7における構造部材の接合
構造並びに接合方法によれば、実施の形態1乃至5の作
用に加えて、以下の作用を有する。 (1)接合具の胴部が、外周面にリブや節を有した異型
鉄筋からなるため、接合具挿入部に挿着固定された接合
具の胴部の外周面と接合具挿入部の周壁間に接着剤を充
填した際の、胴部と接合具挿入部との接着効果を向上す
ることができ、接合具と接合具挿入部との接着力に優
れ、縦構造部材と横架構造部材の接合部分の接合力を向
上できる。 (2)固定部材挿入部の開口側に凹部を有しているの
で、胴部固定部材の頭部を凹部に嵌合することができ、
胴部固定部材の頭部が構造部材の外周壁面の突出するの
を防止でき、構造部材の外観を向上できる。 (3)該接合具を用いて柱(縦構造部材)とまぐさ(横
架構造部材)を強固に接合することができるので、柱間
の開口部(門や家屋の出入口,窓等)の耐力を向上で
き、また、水平力による軸組の変形を防止できる。 (4)縦構造部材と横架構造部材の接合部分が接合具と
接着剤で強固に接合されたラーメン構造となるので、建
築物の間口(スパン)を広げることができ、筋交いや耐
力壁を要さず、柱のない車庫や店舗,開口部の形成がで
きるとともに、建築物の耐力を向上できる。
れば、以下の優れた効果を実現できる。請求項1に記載
の発明によれば、 (1)該接合具が、貫通孔,雄螺子部,中空部,注入
口,吐出口を有した棒状の胴部と、ナットと、胴部固定
部材とからなり、該接合具の構造や形状が単純で加工性
に優れ、該接合具の生産性に優れる。 (2)木材間や集成材間若しくは木材と集成材同士、又
は、木材と石材やコンクリート等の部材同士を接合する
際に、接合する部材に挿入部を形成して接合具を挿入部
に挿入し、部材の外周壁部側から接合具の貫通孔に胴部
固定部材を挿着し、胴部の雄螺子部にナットを螺着する
だけで、該接合具で部材同士を連結・接合することがで
き、簡単な構造で部材同士を容易に接合でき部材の接合
作業性に優れる。 (3)接合具の胴部の長手方向に中空部を備えていると
ともに、中空部に連通して穿設された接着剤の吐出口を
備えているので、注入口から中空部に接着剤を注入する
ことにより吐出口から接合具の胴部の外周面及び接合具
が挿入された部材の挿入部の周壁間に接着剤を充填する
ことができ、部材同士を確実に固結して剛接合すること
ができ、高い接合力を得ることができる。 (4)複数の接合具を用いて部材同士を接合する場合、
接合具の胴部の外径を小さくすることができ、部材の断
面欠損を減少させ部材の強度の低下を防止することがで
き、構造部材の剛性を向上できる。 (5)部材に形成された接合具を挿入する挿入部に金属
製等の高強度部材からなる接合具が接着剤で埋設固定さ
れるので、高剪断,高張力の剛接合を維持することがで
き接合強度に優れ、また、接合具の胴部が貫通孔に挿着
された胴部固定部材で挿入部内に固定されるので、胴部
固定部材の剪断力や靱性により部材同士の接合強度を向
上でき、更に高い接合力を得ることができる。 (6)部材に形成された挿入部に接合具を挿入し、部材
の外周壁部側から接合具の貫通孔に胴部固定部材を挿着
し、胴部の雄螺子部にナットを螺着することにより、部
材同士を引き寄せて部材同士の当接面を密着させること
ができ、部材同士の当接面から接着剤が漏れるのを防止
でき、部材同士を確実に密着して接合でき接合強度や接
合精度に優れる。 (7)特に、柱とまぐさを接合する際に、柱の外周壁部
からまぐさに連通して形成された挿入部に接合具を挿入
し、まぐさの外周壁部から接合具の貫通孔に胴部固定部
材を挿着して胴部の雄螺子部にナットを螺着した後、注
入口から中空部へ接着剤を注入するだけで、柱とまぐさ
を強固に接合することができ、柱間の開口部の耐力を向
上することができるとともに、水平力による軸組の変形
を防止でき、その結果、建築物の間口に耐力壁がなくて
も耐震性に優れた建物を実現できる。 (8)特に、部材同士をコの字状の箱金物やフック状の
金物等の従来の接合金具で接合した後に、各部材に挿入
部を形成して該接合具を挿入し、部材の外周壁部側から
接合具の貫通孔に胴部固定部材を挿着して雄螺子部にナ
ットを螺着し、接合具の中空部に接着剤を注入して部材
同士を固結する場合(従来の接合金具と該接合具を併用
する場合)、接合金具で部材同士を仮固定した後に該接
合具で部材同士を接合でき該接合具による接合作業性を
向上できるとともに接合精度に優れ、また、部材同士の
当接面を密着することができるので当接面からの接着剤
の漏れを防止でき、また、接合金具に加えて該接合具で
部材同士の剪断,張力等の接合強度を維持することがで
きるとともに、接合金具と該接合具を併用することによ
り該接合具の小型化を図ることができ、更に、地震等で
接合金具と該接合具のいずれか一方が万が一破損した場
合にも建築物が完全に破壊されるのを防止でき、建築物
の耐震性や安全性に優れる。
の効果に加えて、 (9)接着剤流出防止部を備えているので、部材に形成
された挿入部の開口部側を接着剤流出防止部で塞ぐこと
ができ、挿入部の周壁と挿入部に挿入された該接合具の
胴部の外周面との間に接着剤を充填した際に、挿入部の
開口部側から接着剤が流出するのを防止でき、接着剤に
よる接着効果を維持でき該接合具で高い接合力を得るこ
とができる。
又は2の効果に加えて、 (10)頭部部材と胴部材,先端部材を順に各接合部で
接合して連結することにより、該接合具を容易に形成す
ることができ、また、接合する胴部材の数により接合具
の長さを任意に変更することができ、該接合具の汎用性
に優れる。 (11)特に、吐出口が該接合具の貫通孔側に形成され
る場合、頭部部材と胴部材,先端部材の各々に中空部を
形成し、先端部材の中空部に連通した吐出口を先端部材
に形成することにより中空部や吐出口を形成することが
でき、該接合具の中空部を各部材毎に分割して形成する
ことができるので、各中空部の形成距離を短くでき、接
合具の貫通孔側に吐出口を形成する場合にも容易に中空
部や吐出口を形成することができ該接合具の生産性を向
上できる。
乃至3の効果に加えて、 (12)接合具の注入口から中空部に接着剤を注入して
吐出口から接合具の胴部の外周面及び接合具が挿入され
た部材の挿入部の周壁間に接着剤を充填した際の、胴部
と挿入部との接着効果を向上することができ、該接合具
と部材との接着力を向上でき、該接合力による部材同士
の接合強度に優れる。
乃至4の効果に加えて、 (13)接合具の中空部に接着剤を注入した際に、接合
具の吐出口から吐出される接着剤を接合具の外周面及び
接合具が挿入された部材の挿入部の周壁間で螺旋状部材
に沿って略均等に充填することができ、部材同士を確実
に固結でき接合力の信頼性に優れるとともに、接着剤の
ショートパスを防ぎ、接着剤の充填ムラが生じることを
防止でき、粘度の大きい接着剤も容易に使用でき部材の
接合作業性に優れる。 (14)接合具の胴部に螺旋状部材を外嵌しているの
で、部材の挿入部に接合具とともに螺旋状部材を接着剤
で埋設固定することができ、その結果、該接合具の耐久
性を向上でき接合具を補強材として使用することもで
き、部材同士の接合部分の剪断,引張り応力等を向上で
き部材の接合部分の耐久性を向上できるとともに、建築
物の安全性に優れる。
乃至5の効果に加えて、 (15)注入口から中空部へ接着剤を注入した後、注入
口に封止体の突起部を嵌合して注入口を封止することが
でき、特に、粘度の極めて低い接着剤や硬化に長時間を
要す接着剤を中空部へ注入した場合でも、接着剤が硬化
する前に注入口から接着剤が漏れるのを防止でき、部材
同士を確実に固結することができ、部材の接合作業の作
業性を向上できる。 (16)封止体で注入口を封止することができるので、
雄螺子部側(注入口側)の胴部の端面及び雄螺子部に螺
着されたナットの端面を封止体で覆うことができ、部材
の挿入部の外観を向上できる。
た構造部材の接合構造によれば、以下の優れた効果を実
現できる。請求項7に記載の発明によれば、 (17)2以上の構造部材に連通して穿孔された接合具
挿入部に接合具を挿入するとともに、固定部材挿入部か
ら接合具の貫通孔に胴部固定部材を挿着し、接合具の雄
螺子部にナットを螺着することにより、構造部材同士を
接合具で引き寄せて容易に接合することができ、構造部
材同士の接合作業性に優れる。 (18)接合具の注入口から中空部に接着剤を注入する
ことにより、接合具の吐出口から接着剤を吐出して、接
合具の外周面と接合具挿入部の周壁間に接着剤を充填す
ることができ、構造部材同士を確実に固結することがで
き構造部材の接合強度に優れる。 (19)機械的強度が著しく高い接合具を各構造部材に
埋設して構造部材同士を確実に固結して接合しているの
で、構造部材の曲げ,引張り,圧縮,剪断等に対する抵
抗力を向上でき、また、接合具を接合具挿入部に胴部固
定部材で固定しているので、胴部固定部材の剪断力によ
り構造部材の接合強度を向上できるとともに、胴部固定
部材の靱性により構造部材同士の接合部分の靱性を向上
でき、建築物の剛性に優れる。 (20)接合具を構造部材の当接面に対し所定の傾斜角
度を有して挿入した場合、鉛直荷重に対する変形に耐え
ることができ、構造部材同士の剛性に優れるとともに、
建築物の強度を著しく向上できる。 (21)構造部材間でクロス状になるように接合具挿入
部を形成した場合、接合具を接合具挿入部に挿入するだ
けで構造部材同士を連結保持することができ構造部材同
士の接合が容易にでき、また、接合具を胴部固定部材と
ナットで構造部材に固定して接着剤を注入すると、構造
部材の引張り,曲げ,剪断等の上下左右からの荷重を各
接合具の偶力で打ち消すことができ、極めて機械的強度
に優れた接合ができ、構造部材同士の接合強度及び建築
物の耐力性に優れる。 (22)接合具が構造部材に埋設されるとともに、接合
具の外周面が接着剤で被覆されるため、接合具が酸化等
するのを防止でき、接合具の耐久性を向上することがで
き接合部分の安全性に優れる。 (23)接合具を構造部材の接合具挿入部に挿着して構
造部材同士を接合し、更に、接合具の外周面と接合具挿
入部の周壁間に接着剤を充填して構造部材同士を固結し
ているので、構造部材同士を剛接合することができ、接
合強度を向上でき、また、接着剤で固結しているので、
木材等の構造部材の伸縮を吸収できガタつきを防止で
き、建築物の耐力性や安全性に優れる。 (24)1階に車庫等の大口の間口を設けることや開放
的な間取りの和風住宅等の建築は、従来の軸組工法によ
る木造建築では耐力性や安全性に欠け困難であったが、
構造部材同士の接合部分が、接合具と接着剤で強固に接
合されたラーメン構造となるので、耐力壁や筋交いを使
用することなく建築物の間口(スパン)を著しく広げる
ことができ、車庫や大口の間口等の柱の無い空間を高い
安全率で形成することができ、更に、従来のように車庫
や間口部分のみ鉄骨構造やRC構造にする必要もなく、
建築作業性の向上や工期の短縮を図ることができる。 (25)特に、該接合構造を柱とまぐさの接合に使用す
ることにより、柱とまぐさを強固なラーメン構造で接合
することができ、柱間の間口を著しく広げることでき、
高い安全率で大口の間口を連続して形成することがで
き、和風住宅等の建築物の剛性や安全性に優れる。 (26)南面に大きな開口を設計した和風住宅等の場合
でも、該接合構造により開口部に大きな耐力を得ること
ができるので、従来のような耐力壁の形成位置の偏りを
解消できるとともに、建築物の偏心率を小さくすること
ができ、耐震性を向上できる。
の効果に加えて、 (27)構造部材の種類にもよるが、接合具の中空部に
接着剤を注入する際に、中空部内や接合具挿入部内の空
気が空気抜き部から排出されて、接着剤をスムーズに接
合具の外周面と接合具挿入部の周壁間に充填でき、構造
部材の接合作業の作業性に優れる。 (28)接着剤注入時に空気抜き部から接着剤が溢れ出
るのを確認することで、接合具の外周面と接合具挿入部
の周壁間に接着剤が満たされたことを確認でき、確実に
接着剤を充填でき接着剤による構造部材の固結の信頼性
に優れるとともに、誰にでも確実に接着剤を充填するこ
とができ構造部材の接合作業に熟練を要さず建築作業性
に優れる。
又は8の効果に加えて、 (29)胴部の雄螺子部に螺着したナットを座部に当接
させることができるので、ナットが構造部材の表面から
大きく突出するのを防止でき、構造部材の外観に優れ
る。 (30)座部の開口側に埋設材を埋設することにより、
接合具のナットが構造部材の表面に露出するのを防止で
き、特に、火災時等に構造部材の炭化皮膜により接合具
を火災の高温から守ることができ安全性をに優れる。 (31)埋設材を構造部材の外周壁面と略面一にしてい
るので、構造部材の外観を更に向上できる。 (32)接合具のナットを埋設材で構造部材内に埋設し
ているので、接合具に外部の熱が伝わり構造部材の内部
に熱が伝わるのを防止でき、構造部材の耐久性や構造部
材同士の接合部分の安全性を向上できる。
た構造部材の接合方法によれば、以下の優れた効果を実
現できる。請求項10に記載の発明によれば、 (33)構造部材に接合具挿入部及び固定部材挿入部を
形成し、接合具挿入部に接合具を挿入して固定部材挿入
部と接合具の貫通孔に胴部固定部材を挿着した後、接合
具の雄螺子部にナットを螺着するだけで、2以上の構造
部材に接合具を固定して構造部材同士を連結することが
でき、構造部材の接合作業性に優れる。 (34)構造部材を順に組み立てていくことができ、建
設現場で直接各構造部材の接合ができ、工場や他の場所
で組上げる必要がないとともに、組上げた構造部材を運
搬する手間を省くことができ、建築にかかる工程を著し
く削減でき工期を短縮できる。 (35)接合具を構造部材に固定した後、接合具の中空
部に接着剤を注入するだけで、接合具の外周面と接合具
挿入部の周壁間に接着剤を充填して構造部材同士を確実
に固結することができ、構造部材の接合作業が簡単で作
業性に優れるとともに接合部分の信頼性に優れ、また、
誰にでも接合作業ができる。
視図
構造を示す要部側面断面図
解全体斜視図
り梁の接合構造を示す要部側面断面図 (b)図5(a)のB−B線断面端面図
を示す要部側面断面図
を示す要部分解平面図
視図
構造部材の1例であるまぐさの接合構造を示す要部側面
断面図
部 15a,16a,28a,41c,58a 底部 17,29,42a,42b,59 空気抜き部 18,33,43a,43b,60 固定部材挿入部 21 頭部部材 21a,23a 接合部 22 胴部材 22a,22b 胴接合部 23 先端部材 25a,53a 頭部 26a,26b 構造部材 30 座部 31 埋設材(封止体) 31a 突起部 32 螺旋状部材 52a リブ 52b 節 54 梁 55 2階柱 60a 凹部 100a,100b 柱 101 耐力壁 102 車庫 102a 間口
Claims (10)
- 【請求項1】 a.中実棒状の胴部と、b.前記胴部の
一端部側に前記胴部の軸心と略直角に貫通された貫通孔
と、c.前記胴部の他端部側に形成された雄螺子部と、
d.前記胴部の略軸心の長手方向に形成された中空部
と、e.前記雄螺子部側の前記胴部の端面から前記中空
部に連通した接着剤の注入口と、f.前記胴部の外周面
から前記中空部に連通して穿設された1乃至複数の接着
剤の吐出口と、g.前記雄螺子部に螺着されるナット
と、h.前記貫通孔に挿着される胴部固定部材と、を備
えていることを特徴とする接合具。 - 【請求項2】 前記胴部の前記雄螺子部側の端部及び/
又は前記ナットに形成又は配設された接着剤流出防止部
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の接合
具。 - 【請求項3】 前記胴部が、一端に前記雄螺子部を有し
他端に接合部を有した頭部部材と、両端に胴接合部を有
した1又は2以上の胴部材と、一端に接合部を有し他端
側に前記貫通孔を有した先端部材と、を備えていること
を特徴とする請求項1又は2に記載の接合具。 - 【請求項4】 前記胴部の外周面が螺子状又は異型鉄筋
状の凹凸面に形成されていることを特徴とする請求項1
乃至3の内いずれか1項に記載の接合具。 - 【請求項5】 前記胴部に外嵌されたスプリング等の螺
旋状部材を備えていることを特徴とする請求項1乃至4
の内いずれか1項に記載の接合具。 - 【請求項6】 前記注入口に嵌合される突起部を有した
封止体を備えていることを特徴とする請求項1乃至5の
内いずれか1項に記載の接合具。 - 【請求項7】 請求項1乃至6の内いずれか1項に記載
された接合具と、所定の当接面で当接される横架構造部
材や縦構造部材等の2以上の構造部材と、前記構造部材
の外周壁部から前記当接面に対して直交若しくは所定の
傾斜角度を有して他の前記構造部材と連通して穿孔され
た1以上の接合具挿入部と、当接される前記構造部材の
内いずれか1の前記構造部材の外周壁部から前記接合具
挿入部に略直交して穿孔された固定部材挿入部と、前記
接合具の中空部に注入されて前記接合具の吐出口から吐
出され前記接合具の外周面と前記接合具挿入部の周壁間
に充填される接着剤と、を備えていることを特徴とする
構造部材の接合構造。 - 【請求項8】 当接される前記構造部材の内いずれか1
の前記構造部材の外周壁部から前記接合具挿入部に連通
して穿孔された1乃至複数の空気抜き部を備えているこ
とを特徴とする請求項7に記載の構造部材の接合構造。 - 【請求項9】 前記接合具挿入部の開口部に穿設され前
記接合具挿入部と直交する1以上の座部を有し、前記座
部の開口側を埋設し表面が前記構造部材の外周壁面と略
面一に形成された埋設材を備えていることを特徴とする
請求項7又は8に記載の構造部材の接合構造。 - 【請求項10】 所定の当接面で当接される横架構造部
材や縦構造部材等の2以上の構造部材に、請求項1乃至
6の内いずれか1項に記載された接合具が挿入される接
合具挿入部及び前記接合具挿入部に略直交し前記接合具
の胴部固定部材が挿着される固定部材挿入部を形成する
挿入部形成工程と、前記接合具挿入部に前記接合具を挿
入し前記固定部材挿入部及び前記接合具の貫通孔に前記
胴部固定部材を挿着する胴部挿着工程と、前記接合具の
雄螺子部にナットを螺着し前記接合具を前記構造部材に
固定するとともに前記構造部材同士を連結する固定工程
と、前記接合具の中空部に接着剤を注入して前記構造部
材を固結する固結工程と、を備えていることを特徴とす
る構造部材の接合方法。
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KR101801045B1 (ko) * | 2015-06-26 | 2017-11-27 | 심광선 | 목재 체결방법 및 장치 |
JP6320667B1 (ja) * | 2016-11-25 | 2018-05-09 | 三菱電機株式会社 | 自動充填装置 |
JP2018526555A (ja) * | 2015-08-28 | 2018-09-13 | フェルロック ディベロップメンツ リミティド | 材木ポール基礎構造 |
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- 2000-03-23 JP JP2000082878A patent/JP3860704B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2018096660A1 (ja) * | 2016-11-25 | 2018-05-31 | 三菱電機株式会社 | 自動充填装置 |
US10940644B2 (en) | 2016-11-25 | 2021-03-09 | Mitsubishi Electric Corporation | Automatic charging apparatus |
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