JP2001271191A - 鋼帯の液切り方法 - Google Patents

鋼帯の液切り方法

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JP2001271191A
JP2001271191A JP2000084011A JP2000084011A JP2001271191A JP 2001271191 A JP2001271191 A JP 2001271191A JP 2000084011 A JP2000084011 A JP 2000084011A JP 2000084011 A JP2000084011 A JP 2000084011A JP 2001271191 A JP2001271191 A JP 2001271191A
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steel strip
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pressing
ringer
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Gentaro Yoshida
元太郎 吉田
Shigeyuki Saito
滋之 齋藤
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、表面粗度(Ra)が0.8μm未満
と低い鋼帯であっても、製品歩留りを低下させずに、表
面に残留した液を安価に除去可能な鋼帯の液切り方法を
提供することを目的とする。 【解決手段】表面粗度(Ra)が0.8μm以下の鋼帯
の表裏面に非駆動のリンガーロールを押圧して、鋼帯表
面に付着している液体を除去する鋼帯の液切り方法にお
いて、前記リンガーロールを29.4N/cm以上、9
8N/cm未満の線圧で前記鋼帯に押し付けるようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼帯の液切り方法
に係わり、特に、表面処理鋼板の製造工程において鋼帯
から処理液を除去するための技術である。
【0002】
【従来の技術】電気めっき鋼板のような表面処理鋼板の
製造ラインにおいては、所望厚みに圧延された鋼帯を搬
送し、連続的に種々の処理液を保持した浴槽に浸漬、通
過させていることが多い。例えば、電気めっき浴を通過
させる鋼帯は、予めスケール等を鋼帯の表面から除去す
るため、酸液を保持した浴槽を通過させて酸洗される
が、鋼帯面に残存している酸液は後工程での障害になる
ので、水洗して除去する必要がある。その際、水洗後の
鋼帯表面には、まだ酸を含んだ洗浄水が残留しているの
で、それをも除去するようにしている。
【0003】通常、かかる洗浄水の除去には、リンガー
ロールと称されるロールで水平に搬送される鋼帯の上下
面を挟み、押圧して水を絞り出して除去する方法が一般
に行なわれている。このリンガーロールは、図1に示す
ように、押圧手段1を備えたロール3であって、その表
面は、ウレタンゴム等の弾性体2でライニングされたも
のである。また、ロール自体が駆動手段を備え、自力で
回転するようにしたものもあるが、多くは駆動手段を持
たず(以下、非駆動という)、搬送される鋼帯4の摩擦
力で回転するものが多い。
【0004】例えば、特開昭59−101219号公報
は、所望の押し圧力でロールを押すために、押圧手段と
してエアシリンダを採用した水切り装置を提案してい
る。また、特開平8−120487号公報は、鋼帯の走
行速度に応じて押圧力を変更できるように、押圧手段に
圧力制御手段を加えた帯板表面随伴流の液切り制御装置
を開示している。さらに、特開平11−106972号
公報は、金属板の表裏面に付着した液体を効率良く除去
するため、金属板の移動速度と異なる周速でリンガーロ
ールを回転させたり、該ロールに接触させ、付着した液
を絞りとるバックアップロールあるいはブレードを備え
るようにした液切り装置を開示している。
【0005】しかしながら、押圧手段としてエアシリン
ダを採用するのは良いとしても、特開平8−12048
7号公報や特開平11−106972号公報に記載した
技術は、前記したような付帯装置を多数追設する必要が
あるので、設備費が嵩み、実用するには経済的に問題が
ある。そのため、板厚の比較的薄い鋼帯(通常、板厚1
mm以下)を酸洗した後に水洗する工程では、従来、非
駆動のリンガーロールを用い、その表面粗度(JISで
規定されているRaで評価し、以下、単に粗度という)
を2.0μm程度とすると共に、ロール押し付け線圧を
98N/cm〜117.6N/cmとして操業するのが
一般的であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した従
来の方法では、搬送する鋼帯の粗度が0.8μm以上で
あると問題ないが、その値未満の鋼帯になると、リンガ
ーロールが該鋼帯との接触だけでは摩擦による回転力が
不十分となり、回転しなくなる現象が多発する。このロ
ールの不転は、ロールの表面に疵を生じさせるばかりで
なく、その疵の程度が大きい場合には、鋼帯の表面に疵
を転写し、鋼帯が製品として不合格になるという問題が
あった。
【0007】本発明は、かかる事情に鑑み、表面粗度
(Ra)が0.8μm未満と低い鋼帯であっても、製品
歩留りを低下させずに、表面に残留した液を安価に除去
可能な鋼帯の液切り方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達
成するため、実験研究を重ね、その成果を本発明に具現
化した。
【0009】すなわち、本発明は、表面粗度(Ra)が
0.8μm以下の鋼帯の表裏面に非駆動のリンガーロー
ルを押圧して、鋼帯表面に付着している液体を除去する
鋼帯の液切り方法において、前記リンガーロールを2
9.4N/cm以上、98N/cm未満の線圧で前記鋼
帯に押し付けることを特徴とする鋼帯の液切り方法であ
る。
【0010】また、本発明は、前記リンガーロールの表
面粗度(Ra)を0.5〜5μmとすることを特徴とす
る鋼帯の液切り方法である。
【0011】さらに、本発明は、前記リンガーロールの
使用開始当初の表面粗度(Ra)を3〜5μmとするこ
とを特徴とする鋼帯の液切り方法である。
【0012】本発明では、リンガーロールを適切な線圧
で押し付けるようにしたので、表面粗度(Ra)が0.
8μm未満と低い鋼帯を搬送させても、ロールが不転に
なる頻度が従来に比べて格段と減少するようになる。そ
の結果、鋼帯の水洗後に表面に残留している液を、安定
して確実に除去できるようになる。また、既存の装置を
用いるので、安価に鋼帯の液切り方法が実施できる。さ
らに、本発明では、ロールの表面粗度を従来より大きく
したので、ロールの不転頻度減少効果が一層促進され、
ロール不転に起因して生じる鋼帯表面の疵が減少するよ
うになる。加えて、新しいリンガーロールを使用開始す
る際には、その表面粗度を適正な範囲で従来より大きく
したので、ロールの寿命も延長できるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、発明をなすに至った経緯も
交え、本発明の実施の形態を説明する。
【0014】リンガーロール3(以下、単にロール3と
いう)に加わる力を図1に示すが、ロールが回転する力
5は、鋼帯4とロール3との摩擦力により与えられる。
これに対して、ロールの回転を阻止する力6は、軸受け
部の摩擦抵抗と上下に配置したロール3の鋼帯4との接
触部分のゴム変形エネルギーである。ロール3の押し付
け圧7を大きくすると、鋼帯4とロール3との間の摩擦
力が大きくなるので、ロール3の回転力は大きくなる。
しかし、それと同時にゴムの変形エネルギーも大きくな
るので、ロール3には方向の相反する力が働くことにな
る。したがって、ロール3には、最も回転し易くなる押
し付け圧7が存在すると考えられる。
【0015】そこで、発明者は、このことを確認するた
め、実際に本発明を適用する実機で、板厚0.5mm、
表面粗度(Ra)0.2μmの鋼帯4を用いて種々の測
定を行ない、その結果を図2に整理した。
【0016】図2では、横軸にロールの押し付け線圧、
縦軸にロール不転が発生する鋼帯4の搬送速度を示して
いるが、ロール3の押し付け線圧が49N/cm前後で
最も不転が発生する搬送速度が高くなっている。つま
り、49N/cm前後で操業するのが、ロールの不転が
最も発生し難く、従来から採用している98N/cm以
上の押し付け線圧は高過ぎたと言える。そこで、発明者
は、鋼帯の搬送速度が低いと生産性に悪影響を与えるの
で、その容認できる搬送速度を調査した。その結果、搬
送速度が60m/minならば良いと判断し、押し付け
線圧の下限を29.4N/cm,上限を98N/cm未
満とする本発明に至ったのである。
【0017】鋼帯4に付着している酸を含む液体をリン
ガーロール3にて除去するには、ロール3と鋼帯4の接
触が密であることが望ましい。そのための条件の1つは
押し付け圧が高いことであるが、前述のように、ロール
3の回転を妨げず、且つ生産性を落とさないための適正
な押し付け圧7が存在した。もう1つの条件として、搬
送される鋼帯4及びロール3の表面状態、つまり表面粗
度もある。しかし、必ずしも両者の粗度が大きいほど摩
擦抵抗が大きくなり、ロール3が回転し易くなるとは言
えない。押し付け圧の場合と同様に、ゴム変形エネルギ
ーも高くなるからである。
【0018】そこで、発明者は、板厚0.5mm、表面
粗度(Ra)0.2μmの鋼帯4を用い、ロール3の押
し付け線圧7を53.9N/cmとして、ロール3の適
正な粗度範囲を調査した。なお、鋼帯4の表面粗度は、
任意に変更できる性質のものではないので、調査から除
いた。
【0019】ロール3の回転が不調で、酸を含む液体が
鋼帯表面に十分に除去されずに残ると、該鋼帯4の表面
にそのまま模様として現われる。これは、製品の品質上
問題となる。そこで、上記調査の結果を、図3に示すよ
うに、模様の発生確率を縦軸に、横軸にロール3の表面
粗度をとって整理した。図3より、製品品質を維持する
には、液切りに使用するロール3の表面粗度(Ra)
は、5μm以下でなければならないことが明らかであ
る。一方、従来からの経験によれば、表面粗度(Ra)
が0.5μm未満のロール3を使用すると、鋼帯4の搬
送速度をいかように調整してもロール3が回転しないこ
とが明らかにされている。そのため、発明者は、ロール
3の表面粗度についても0.5〜5μmの範囲で操業す
ることが好ましいと考え、この要件を加えた本発明を想
到したのである。ただし、従来から使用しているロール
3も、使用当初から表面粗度が2.5μmであったの
で、正確な効果を知らずに、上記した範囲内で操業して
いたことになる。
【0020】次に、発明者は、ロール3の表面粗度が上
記した0.5〜5μmの範囲で操業することが好ましい
ことを知ったので、ロール3の使用当初は、できるだけ
その上限に近い表面粗度にすることを着想した。つま
り、従来の2.5μmよりも大きい3〜5μmの範囲の
表面粗度でロール3の使用を始めることである。そのよ
うにすると、図4に示すように、ロール3の寿命が従来
に比べて大幅に延長され、しかもロールの不転がなく、
品質良好な鋼帯4が得られるからである。
【0021】
【実施例】(実施例1)図5に示す電気めっきラインの
ピックリングセクション12の出側に配設されたリンガ
ーロール3に、本発明を適用した。鋼帯4は、極低炭素
鋼からなり、表面粗度(Ra)0.25μm,板厚0.
6mm,幅1600mmである。この鋼帯4を70m/
minで搬送させると共に、鋼帯4の上下面に、表面粗
度(Ra)が4.5μmのリンガーロール3(図1参
照)を接触させた。また、該ロール3の押し付け線圧7
は、シリンダの空気圧を調整して53.9N/cmで一
定とした。
【0022】操業の結果を、従来の方法[ロール粗度
2.5μm、線圧98〜117.6N/cm]での結果
と比較し、表1に示す。表1より、本発明に係る鋼帯4
の液切り方法が非常に有効であることが明らかである。
【0023】
【表1】
【0024】(実施例2)図5に示す電気めっきライン
のピックリングセクション12の出側に配設されたリン
ガーロール3に本発明を適用した。鋼帯4は、表面粗度
の異なる極低炭素鋼(板厚0.5mm,幅1050m
m)である。鋼帯4の上下面に表2に示した表面粗度
(Ra)のリンガーロールを表2に示す押し付け線圧で
接触させた。この時のリンガーロールの不転が発生する
速度及び鋼帯表面での酸を含む液体の残存による模様の
発生を観察した。その結果は、表2に示す通りである。
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により、表面
粗度(Ra)が0.8μm未満と低い鋼帯であっても、
製品歩留りを低下させずに、表面に残留した液を安価
に、且つ安定して除去できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】リンガーロールに加わる各種の力関係を説明す
る模式図である。
【図2】リンガーロールの押し付け線圧と該ロールの不
転発生時の鋼帯走行速度との関係を示す図である。
【図3】リンガーロールの表面粗度と製品の品質不良発
生率との関係を示す図である。
【図4】使用開始当初のリンガーロールの粗度と寿命と
の関係を示す図である。
【図5】本発明を実施した電気めっきラインを示す配置
図である。
【符号の説明】
1 押圧手段(エアシリンダ) 2 弾性体 3 リンガーロール(ロール) 4 鋼帯 5 ロールが回転する力 6 ロールの回転を阻止する力 7 ロールの押し付け圧(線圧) 8 ペイオフリール 9 溶接機 10 入側ルーパ 11 クリーニングセクション 12 ピックリングセクション 13 めっきセクション 14 ドライヤ 15 出側ルーパ 16 検査室 17 出側シャーテンションリール 18 鋼帯進行方向を示す矢印
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F26B 5/14 F26B 5/14 13/12 13/12 Z Fターム(参考) 3J103 AA02 AA85 BA31 BA41 CA45 CA65 FA08 FA26 GA02 GA64 HA03 HA12 HA53 3L113 AA02 AA03 AB09 AC31 AC62 AC69 BA35 DA04 DA06 DA10 DA24 4K053 PA02 PA12 QA01 TA16 TA18 XA26 XA41 YA30

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面粗度(Ra)が0.8μm以下の鋼
    帯の表裏面に非駆動のリンガーロールを押圧して、鋼帯
    表面に付着している液体を除去する鋼帯の液切り方法に
    おいて、 前記リンガーロールを29.4N/cm以上、98N/
    cm未満の線圧で前記鋼帯に押し付けることを特徴とす
    る鋼帯の液切り方法。
  2. 【請求項2】 前記リンガーロールの表面粗度(Ra)
    を0.5〜5μmとすることを特徴とする請求項1記載
    の鋼帯の液切り方法。
  3. 【請求項3】 前記リンガーロールの使用開始当初の表
    面粗度(Ra)を3〜5μmとすることを特徴とする請
    求項1記載の鋼帯の液切り方法。
JP2000084011A 2000-03-24 2000-03-24 鋼帯の液切り方法 Withdrawn JP2001271191A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008255388A (ja) * 2007-04-02 2008-10-23 Sintokogio Ltd 長尺材の付着物除去方法および付着物除去装置

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Effective date: 20070605