JP2001270822A - 馬用冷却用具 - Google Patents

馬用冷却用具

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JP2001270822A
JP2001270822A JP2000126644A JP2000126644A JP2001270822A JP 2001270822 A JP2001270822 A JP 2001270822A JP 2000126644 A JP2000126644 A JP 2000126644A JP 2000126644 A JP2000126644 A JP 2000126644A JP 2001270822 A JP2001270822 A JP 2001270822A
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water
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Akihiko Kusunoki
彰彦 楠
Motoaki Gotou
元彰 後藤
Yoshiki Sugizaki
良樹 杉崎
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Saitama Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】馬用の骨膜炎、屈腱炎予防及び/又は治療
用冷却用具であって、(a)支持体の一面に含水粘着剤
層が形成され、さらに、粘着剤層の他の表面を水非透過
性の保護フィルムで積層した冷却用シート、及び、
(b)(a)を固定するための水及び空気の透過性に優
れた素材でできた帯状の固定用バンデージ、とを含む骨
膜炎、屈腱炎予防及び/又は治療用冷却用具。 【効果】馬の肢の下脚部を長時間連続して確実、簡便、
安全に冷却でき、骨膜炎や屈腱炎を予防及び/又は治療
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、主として競争馬の調教後および
レース後に、肢の下脚部に貼付し、中手骨および屈腱を
長時間持続して冷却することにより、骨膜炎、屈腱炎の
予防及び/又は治療するための馬用冷却シートと貼付し
た冷却用シートを固定するための固定用バンデージを少
なくとも構成要素として含む骨膜炎、屈腱炎予防及び/
又は治療用冷却用具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】極限のスピードに挑む競争馬が活躍でき
る年齢は、おおむね満3歳から6歳の間であり、いまだ
成長過程にある時期に生理的限界ギリギリの鍛錬とレー
スが課せられる。全力疾走時には体重400〜500k
gの馬の1本の肢には数トンもの荷重がかかるとされ、
その際、蹄で受けた衝撃は上脚部よりも下脚部に加わ
り、骨折、骨膜炎、屈腱炎などの障害が多発する。
【0003】馬の骨の成長は蹄を構成している末節骨か
ら始まり、上脚部に化骨が進み、満5歳の脊椎を最後に
ようやく骨が成熟するといわれる。管骨骨膜炎は未熟な
若馬である3歳馬が最初のレースに向けて調教を受けて
いる際にみうけられ、管骨背側面に過剰な力がかかるこ
とにより起こるものと考えられる。屈腱炎は前肢及び後
肢に発症するが、後肢よりも前肢に多く発症し、不治の
病といわれている。屈腱炎は走行中の腱の過伸展により
腱繊維が断裂することで発症する。
【0004】これらの障害はいづれも競走馬にとっては
致命傷であり、予防的に、または初期の炎症を抑えるこ
とを第1の目的として、流水、氷、冷却剤により患部を
冷やすことが行われている。しかしながら、流水を肢に
かける方法では、手間がかかるうえに夏場は冷却効果が
小さいという欠点がある。氷、冷却剤による患部の冷却
には1回1時間を限度とし、1日3〜4回行う必要があ
るが、長時間処置すると凍傷の危険性もあり、絶えず状
況を観察しながら処置しなければならない。さらに冷凍
庫がなければならないという欠点もあり、簡便に処置で
き安全で確実に冷却する方法は未だないのが現状であ
る。
【0005】ヒトにおいて、運動時の筋肉痛や打撲等の
炎症の治療を目的として、メントールやカンフル、抗炎
症剤等を配合した貼付剤(いわゆるパップ剤、湿布薬
等)が用いられているが、馬はヒト以上に匂いに敏感で
あり、冷感刺激剤のメントールのような匂いのある薬物
は使用することは出来ない。また、一般的に冷寒剤とし
て配合されるエタノールや血行を促進するカンフル等
は、興奮性薬剤として競馬法の禁止薬物に該当し、皮膚
から吸収する恐れがあるために使用できない。さらに、
馬の脚は細かな毛で覆われているため、肢を覆う大きさ
で通常のパップ剤を適用した場合には粘着力が強すぎ、
更に剥離する時にパップ剤が乾燥して固着するために毛
が抜けて馬が暴れる恐れがある。このように、ヒトのパ
ップ剤をそのまま適用できないという問題点が存在す
る。
【0006】一方、ヒト用の貼付剤として、吸水性繊維
を含む不織布を用いたもの(特開平7−31640号公
報、特開平8−73346号公報)、高吸水性高分子樹
脂を含有するもの(特開昭62−116509号公報、
特開昭63−225314号公報、特開平5−947号
公報)が知られており、本発明の冷却シートに近似した
組成の貼付剤として、特許第2795782号、特開平
10−265374号公報、特公平7−14866号公
報に記載されたものが知られている。しかしながら、こ
れらは、馬の肢の冷却用になされたものではなく、前述
したような馬固有の問題を解決したものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、馬の
肢の下脚部に貼付し、中手骨及び/又は屈腱を長時間持
続して冷却でき、骨膜炎や屈腱炎を予防及び/又は治療
することが出来る冷却用具を提供することにある。より
具体的には、馬の肢に適用するに際して適度の粘着性と
剥離性を有する冷却用シートと、その冷却用シートを固
着するための固定用バンデージを構成要素として含み、
適度な冷却力と冷却効果の持続性を備え、しかも簡便か
つ安全に馬の肢を冷却することのできる冷却用具を提供
することが本発明の課題である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意研究を進めた結果、支持体の一面
に粘着剤層を形成し、さらにその粘着剤層の他の一表面
を水非透過性の保護フィルムで積層した、長辺20〜3
5cm、短辺14〜24cmの冷却用シートをレース後
および訓練後にすね部分とふくらはぎ部分に保護フィル
ムを剥離してから貼付すると、貼付した際の貼着力が適
度にあるので、サイズが大きいにも関わらず剥がれ落ち
ることなく簡単に貼付できるが、ヒトのパップ剤ほど貼
着力は強くないので馬自体の運動により剥がれ落ちるこ
と又は馬自体が剥がしとることを防止するためにシート
の上から固定用バンデージを巻くことにより、更に一層
馬の肢にシートを固定することが出来る。貼付中は冷却
シート中の水分が蒸発し、その気化熱により冷感刺激剤
を配合しなくても貼付直後から急激に皮膚温度が低下
し、その後、約6時間冷却効果が持続する。また、固定
用バンデージ及び冷却用シートの支持体は水透過性の素
材を使用しているので、固定用バンデージの上から水を
掛けることによっても水分を更に補給することもでき
る。そして、本発明の冷却用具の使用を終了する際、冷
却用シートを剥がす時にひどく毛を抜くことなく簡単に
剥離できることを見出し本発明を完成した。
【0009】本発明は、馬の肢の下脚部に貼付する冷却
シートと、それを固定するための固定用バンデージより
なる馬用冷却用具であって、(a)支持体の一面に含水
粘着剤層が形成され、更にその他の一表面を水非透過性
の保護フィルムで積層した冷却用シート、及び(b)
(a)を固定するための水及び空気の透過性あるポリウ
レタンスポンジでできた固定用バンデージ、とを含む骨
膜炎、屈腱炎予防及び/又は治療用冷却用具を提供する
ものである。通常、冷却用具の使用にあたっては、冷却
用シートの粘着剤層の表面を被覆保護した水非透過性保
護フィルムは剥離して使用する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の(a)の冷却用シートで
は、水分の蒸発により奪われる気化熱を利用して貼付す
る個所を冷却するため、該粘着剤層に配合される水の量
が多い程冷却効果は大きく、その冷却効果は持続する。
従って、該粘着剤層中には粘着剤層の総量の60〜85
重量%、好ましくは65〜75重量%の水を配合するこ
とが好ましい。配合量が60重量%未満では十分に持続
する冷却力が得にくく、85重量%を越えると粘着力、
保形性、及び乾燥時の使用感が低下する場合がある。
【0011】冷却用シートの粘着剤層には、水分の蒸発
速度を調整し、乾燥時の使用感の悪化を防止する目的で
5〜15重量%の多価アルコール類を配合することが出
来る。多価アルコール類としては、粘着剤層の粘着力を
増強し、かつ強い保湿特性を示すグリセリンを3〜10
重量%配合することが望ましい。グリセリンの配合量が
3重量%未満では保湿効果が十分に発揮できずに乾燥が
速くなり、長時間冷却を持続することが出来なくなる場
合がある。一方、その配合量が10重量%を越えて配合
すると剥離時に粘着力が強すぎて大量の毛を抜くことに
なり、毛嚢炎を引き起こす原因となる場合もある。
【0012】粘着剤層を調製する工程において、ポリア
クリル酸塩や高吸水性樹脂等の水溶性高分子原料を水に
溶解する際に、水溶性高分子原料の分散性を改善して均
一な溶液を得るために、水溶性高分子原料を多価アルコ
ール類にあらかじめ分散した液を撹拌下、水中に添加し
溶解することが望ましい。このとき、3〜10重量%の
グリセリンのみでは水溶性高分子原料を十分に分散する
ことができない場合があるが、その場合には、グリセリ
ンに加えて2〜5重量%のエチレングリコール、プロピ
レングリコール、1,3−ブチレングリコール及びジプ
ロピレングリコールからなる群から選ばれる1種又は2
種以上の多価アルコールを配合することが好ましい。こ
れらはグリセリンに比較し粘度が低いため、少量で水溶
性高分子原料を分散できるとともにグリセリンほど保湿
力が強くないため、水分が蒸発した後の粘着剤層の粘着
力をグリセリンの場合ほど強めないという特徴がある。
この配合量が2重量%未満では上記の目的のためには不
十分な場合があり、また5重量%を越えて配合すると経
時的に粘着剤層から分離されることがある。
【0013】粘着剤層中の水が蒸発した後に、粘着剤層
の表面に浮き出し剥離時の粘着力を弱める目的で1〜5
重量%の油性成分を配合する。油性成分としては、上記
の目的を達成出来るものであればその種類は特に限定さ
れないが、例えば、軽質流動パラフィン、スクワラン、
流動ポリイソブチレン等の炭化水素、オリーブ油、アボ
ガド油、サフラワー油等の植物油、アジピン酸ジイソプ
ロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソ
プロピル等のエステル類を用いることが出来る。乳化し
やすく安価で皮膚刺激のない軽質流動パラフィンが好適
に用いられる。油性成分の配合量が1重量%未満では剥
離時の粘着力を弱める効果が少ない場合があり、また、
5重量%を越えて配合すると経時的に粘着剤層から分離
しやすくなり、貼付時の粘着力を低下させることがあり
好ましくない。
【0014】ポリアクリル酸塩としては、ポリアクリル
酸ナトリウム及び/又はポリアクリル酸部分中和物を用
いることが出来る。ポリアクリル酸塩の配合量が3重量
%未満では保形性が悪くなる場合があり、8重量%を越
えると調製時に粘度が高くなり均一に調製しにくくなり
好ましくない。粘着剤層のゲル強度を増強し、ポリアク
リル酸塩に起因する糸引き性を改善し、大量の水を保持
させる目的で0.5〜3重量%の高吸水性樹脂を粘着剤
層に配合する。高吸水性樹脂は種々知られており特にそ
の種類は限定されないが、例えば、デンプン・アクリル
酸グラフト重合体部分ナトリウム塩(商品名:サンウエ
ットIM1000(三洋化成工業)など)やアクリル酸
重合体部分ナトリウム塩架橋物等を用いることができ
る。高吸水性樹脂の配合量が0.5重量%未満では上記
の目的を達成することが出来ない場合があり、3重量%
を越えて配合すると膏体の粘調性が低下して、均一な粘
着剤層を得ることが出来ないことがある。
【0015】粘着剤層のゲル強度を増強し、剥離時の粘
着力を低減させる目的で0.5〜4重量%、好ましくは
2〜3重量%の軽質無水ケイ酸を配合する。軽質無水ケ
イ酸を配合することにより、ポリアクリル酸塩水溶液に
起因する糸引き性を少なくし、展延性を改善すると同時
にシート状に成形した後、熟成するまでに支持体から粘
着剤層がしみ出すのを防止することができる。また、軽
質無水ケイ酸は多価アルコール類、油性成分を保持し、
粘着剤層表面にこれらが浮き出して粘着力を低下させる
のを防ぐ働きをする。水分が蒸発した後は、可塑剤であ
る多価アルコール類を保持することにより、形成される
高分子フィルムを硬くして粘着力を低下させる。同時に
表面に浮き出した油性成分により粘着力が低下し、剥離
時に毛を抜くこともなく容易に剥離できるようになる。
軽質無水ケイ酸の配合量が0.5重量%未満ではその効
果は少なく、4重量%を越えると作業性が悪くなること
がある。
【0016】冷却用シートの粘着剤層には、ポリアクリ
ル酸塩の配合量に応じて0.03〜0.15重量%のア
ルミニウム塩を加え、さらに0.5〜1.5重量%のオ
キシカルボン酸を作用させ、溶出したアルミニウムをポ
リアクリル酸塩と架橋させて水に不溶性のゲルを形成さ
せる。アルミニウム塩としては乾燥水酸化アルミニウム
ゲル、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、合成タ
ルサイト、塩化アルミニウム、酢酸アルミニウム、アル
ミニウムグリシナール、及びアルミニウムみょうばんか
らなる群から選ばれる1種又は2種以上のアルミニウム
塩を用いることができるが、乾燥水酸化アルミニウムゲ
ルを用いることが特に好ましい。また、オキシカルボン
酸としては、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等から
選ばれる1種または2種以上のオキシカルボン酸から選
択して配合するが、本発明に用いる粘着剤層を得るため
には酒石酸が特に好ましい。
【0017】本発明の冷却具の冷却用シートの製造にあ
たり、必要に応じて粘着剤層に防腐剤を配合することも
可能である。防腐剤としてはパラオキシ安息香酸エステ
ル類、特にパラオキシ安息香酸メチルとパラオキシ安息
香酸プロピルの組み合わせがよく、溶解剤としてはパラ
オキシ安息香酸エステルをよく溶かし、水と混和する溶
媒であれば使用できるが、なかでもN−メチル−2−ピ
ロリドンが特に好ましい。
【0018】また、冷却用シート中の粘着剤層には、必
要に応じてカルボキシビニルポリマー、カルボキシメチ
ルセルロースナトリウム、メチルセルロース、アルギン
酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドン、メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合
体、ポリエチレンオキサイド等の増粘剤、カオリン、セ
ラミック、酸化チタン等の増量剤、ポリオキシエチレン
硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エ
ステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の界面活性剤等を
配合することができる。
【0019】冷却用シートの支持体は水と空気の透過性
のある素材であればよく、保水性があるものであればさ
らに好ましい。そのような素材としては、例えば、不織
布、織布、編布などの伸縮性或は非伸縮性の素材のいず
れの支持体をも用いることができるが、なかでも、ポリ
エステル繊維、ポリプロピレン、レーヨン、高吸水性繊
維等の中から1種又は2種以上の繊維を含む不織布の支
持体であることが特に好ましい。
【0020】本発明の冷却用具は、冷却用シートの粘着
剤層の水分だけでも十分な冷却効果を発揮するが、患部
に貼付した後に、冷却用具の上から冷水をかけると、支
持体は水を吸収保持できるため、冷却用具が保持する水
分量が増え粘着剤層の使用感を損なわずにさらに持続す
る冷却力を発揮させることができる。
【0021】固定用バンデージは水及び空気の透過性に
優れた素材を用いたものであればよく、具体的には、ポ
リウレタン、ポリエステル、レーヨン等の素材から選ば
れたスポンジ状のものを帯状にしたものが好ましい。固
定用バンデージが水、空気の非透過性の素材、例えば、
撥水性の素材を用いた場合には、水分の蒸発が妨げられ
ることになり発明の効果が発揮できなくなろので好まし
くない。固定用バンデージの大きさは冷却用シートを固
定できる大きさであればよく、例えば、幅が6〜20c
mで、長さが1.3〜3.0mの帯状のもので、その厚
さが0.5〜3.3mmのものが好ましい。そして、固
定用バンデージの短辺の一端の表面ほぼ中央部にマジッ
クテープの雄部分を、そしてそこから10〜50cm離
れた個所の裏面にマジックテープの雌部分を接着するこ
とにより、固定用バンデージの装着が容易に出来るので
好ましい。
【0022】本発明の冷却用シートは、調教後又はレー
ス後に体温が上昇した馬の肢の下脚部に冷却用シートを
貼付する時に冷却用シートの保護フィルムを剥離して貼
付する。冷却用シートの大きさは特に限定するものでは
ないが、通常、馬の肢の下脚部を覆うのに十分な大きさ
となる様に、例えば長辺の長さが20〜35cm、短辺
の長さが10〜24cm程度の大きさであることが好ま
しい。
【0023】本発明の冷却用具は、馬の肢の下脚部に装
着した直後に患部は冷却用シートの粘着剤層及び支持体
中の水の持つ熱容量分だけ急速に熱交換されて冷却され
る。次に粘着剤層中の水よりも支持体が保持する水の方
が気化しやすいため、支持体中の水が気化することによ
り下脚部をさらに冷却する。その後、粘着剤層中の水が
徐々に気化し、約6〜8時間持続的に前肢を冷却するこ
とができる。必要に応じて固定用バンデージの上から一
定時間水を掛けることによって、冷却効果と冷却効果の
持続時間をさらに高めることが出来る。
【0024】本発明の冷却用具の冷却用シートは、粘着
剤層の表面を水非透過性の保護フィルムで覆うことによ
り、保存、輸送と貼着時の取り扱いが容易になる。保護
フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリエチレ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリアミド等の素材からできたフィ
ルム類が好ましい。また、これらのフィルムにアルミニ
ウム箔のラミネートを施したり、アルミニウムを蒸着さ
せたり、このフィルムの表面にシリコン膜をラミネート
したフィルムを用いることも可能である。
【0025】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づき説明
するが、本説明は実施例に限定されるものではない。
【0026】実施例1:冷却用シートの製造 表1に示す成分配合割合(単位:粘着剤層の粘着剤全重
量に対する重量%)の冷却用シートを下記製法で調製し
た。
【0027】
【表1】
【0028】精製水に軽質無水ケイ酸(アエロジル20
0)を分散する。あらかじめ軽質流動パラフィンにポリ
オキシエチレン硬化ヒマシ油(ニッコールHCO−6
0)とソルビタン脂肪酸エステル(ニッコールSP−1
0)を溶解した後にカルボキシメチルセルロースナトリ
ウム(サンローズF30HC)を分散した液を加えて撹
拌する。次にグリセリンとプロピレングリコールに乾燥
水酸化アルミニウムゲル、ポリアクリル酸ナトリウム
(アロンビスM)、ポリアクリル酸部分中和物(アロン
ビスAH105)、及び高吸水性樹脂(サンウエットI
M1000)を分散した液を加え練合する。次にN−メ
チル−2−ピロリドンにパラオキシ安息香酸メチル、パ
ラオキシ安息香酸プロピルを溶解した液を加える。さら
に酒石酸を精製水に溶解した液を加えて充分練合した。
得られた粘着剤膏体をポリエステル繊維の不織布に展延
し、ポリプロピレンフィルムの保護フィルムでカバーし
た後、20×28cmに裁断して冷却用シートとした。
このようにして製した冷却用シートは紙、アルミニウム
箔、プラスチックフィルムからなる複合ラミネート袋に
入れ密封して使用するまで保存した。
【0029】実施例2、比較例1及び比較例3の冷却用
シートは、表1に記載した成分を用いて、上記実施例1
及び2の冷却用シートと同様に製造した。
【0030】比較例2の冷却用シートは以下のようにし
て製造した。精製水に軽質無水ケイ酸(アエロジル20
0)を分散する。あらかじめプロピレングリコールにカ
ルボキシメチルセルロースナトリウム(サンローズF3
0HC)を分散した液を加えて撹拌した。次にグリセリ
ンに乾燥水酸化アルミニウムゲル、ポリアクリル酸ナト
リウム(アロンビスM)、ポリアクリル酸部分中和物
(アロンビスAH105)、高吸水性樹脂(サンウエッ
トIM−1000)を分散した液を加え練合した。さら
に、N−メチル2−ピロリドンにパラオキシ安息香酸メ
チル、パラオキシ安息香酸プロピルを溶解した液を加え
る。さらに精製水に酒石酸を溶解した液を加え、充分練
合した。
【0031】得られた膏体をポリエステル繊維の不織布
に展延し、ポリプロピレンフィルムの被覆フィルムでカ
バーして20×28cmに裁断して冷却用シートとし
た。このようにして製した冷却シートを紙・アルミニウ
ム箔・プラスチックフィルムからなる複合ラミネート袋
に入れ密封して使用するまで保存した。
【0032】固定用バンデージの製法:本発明の固定用
バンデージは以下のようにして製造した。ポリウレタン
で出来たスポンジ状のシートを、短辺が10cm、長辺
が1.8mの帯状に切断して、その短辺の一端にマジッ
クテープの雄部分を熱溶融して接着した。次いで、そこ
から25cmの離れた場所の裏面にマジックテープの雌
部分を接着して固定用バンデージを製造した。
【0033】試験例1:剥離性試験 得られた実施例1、2及び比較例1〜3の冷却用シート
をそれぞれ馬の前肢下脚部に貼付し、その上から固定用
バンデージを均等になるように巻いて固定し、6時間後
に冷却シートを剥がして、粘着剤層に付着する毛の状態
を観察した。その結果を表2に示した。
【0034】
【表2】
【0035】試験例2:冷却試験 馬の右前肢下脚部に実施例1の冷却用シートを貼付し、
肢の表面と冷却用シートとの間に温度センサーをセット
した。さらに、冷却用シートの上から上記の固定用バン
デージを均等に巻いて固定した。一方、同じ馬の左前肢
の下脚部には、冷却シートははらずに、温度センサーを
置き、その上から固定用バンデージを巻いて固定して、
対照とした。馬の左右前肢にセットした温度センサーを
馬の背中に固定した記録計に接続した。馬の右前肢の下
脚部に巻いた固定用バンデージの上から、水を掛けて固
定バンデージを水で濡らした。その後、馬前肢の皮膚表
面温度を約8時間測定した。実施例1の冷却用シートと
固定用バンデージを装着した冷却用具は、長時間にわた
り冷却効果を有しており、下記の表3に示したとおり、
対照と比較して優れた肢の表面温度を低下させる効果が
認められた。
【0036】
【表3】
【0037】本発明の冷却用具は、馬の肢の下脚部を長
時間持続して冷却でき、骨膜炎や屈腱炎を予防及び/又
は治療することができる。本発明の冷却用具は、馬の肢
に適用する際に好適な粘着性を有するため、装着部分の
毛を抜くことなく、持続的な冷却力を発揮することが出
来、しかも、簡便且つ安全に冷却処置を行えるという特
徴がある。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】馬用の骨膜炎、屈腱炎予防及び/又は治療
    用冷却用具であって、(a)支持体の一面に含水粘着剤
    層が形成され、さらに、粘着剤層の他の表面を水非透過
    性の保護フィルムで積層した冷却用シート、及び、
    (b)(a)を固定するための水及び空気の透過性に優
    れた素材でできた帯状の固定用バンデージ、とを含む骨
    膜炎、屈腱炎予防及び/又は治療用冷却用具。
  2. 【請求項2】冷却用シートの含水粘着剤層が粘着剤層の
    総重量の60〜85重量%の水を含み、更に多価アルコ
    ール類、油性成分、ポリアクリル酸塩、高吸水性樹脂、
    軽質無水ケイ酸、アルミニウム塩及びオキシカルボン酸
    を含有する粘着剤層である請求項1に記載の冷却用具。
  3. 【請求項3】冷却用シートの含水粘着剤層が粘着剤層総
    重量の60〜85重量%の水を含み、さらに5〜15重
    量%の多価アルコール類、1〜5重量%の油性成分、3
    〜8重量%のポリアクリル酸塩、0.5〜3重量%の高
    吸水性樹脂、0.5〜4重量%の軽質無水ケイ酸、0.
    03〜0.15重量%のアルミニウム塩及び0.5〜
    1.5重量%のオキシカルボン酸を含有する請求項1に
    記載の冷却用具。
  4. 【請求項4】冷却用シートの支持体が不織布である請求
    項1〜3のいずれかに記載の冷却用具。
  5. 【請求項5】固定用バンデージが、空気と水の透過性の
    よいポリウレタンスポンジであり、その大きさが幅6〜
    20cmで、長さが1.3〜3.0mの帯状で、その厚
    さが0.5〜3.5mmであり、且つ、その一端の表面
    にマジックテープ(登録商標)の雄部分が接着され、そ
    して、そこから10〜50cm離れた個所の裏面にマジ
    ックテープの雌部分が接着されてなる固定用バンデージ
    である請求項1〜4のいずれかに記載の冷却用具。
  6. 【請求項6】馬の肢の下脚部に冷却用シートを貼付し、
    その上から固定用バンデージを装着して固定するための
    請求項1〜5に記載された馬用の骨膜炎、屈腱炎予防及
    び/又は治療用冷却用具。
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