JP2001270515A - 紙製容器 - Google Patents

紙製容器

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JP2001270515A
JP2001270515A JP2000082845A JP2000082845A JP2001270515A JP 2001270515 A JP2001270515 A JP 2001270515A JP 2000082845 A JP2000082845 A JP 2000082845A JP 2000082845 A JP2000082845 A JP 2000082845A JP 2001270515 A JP2001270515 A JP 2001270515A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】容器のブランクを成形型の中で組み立てること
が容易で、変形しにくく、強度があり、また、フランジ
でのシール蓋による充分な密封が可能であり、さらに、
環境問題に対応した紙製容器を提供すること。 【解決手段】主ブランクが、枠状のフランジ3とフラン
ジの内側の辺に折れ線を介して連設した一対以上の対向
する主ブランク側面4とからなり、副ブランクが、底面
と副ブランク側面6と重合片とからなり、重合片が組み
立てた時に主ブランク側面と隣接する側辺に折れ線を介
して連設され、主ブランク側面の一部と重なり合わせて
組み立てられていることを特徴とする紙製容器Aであ
り、副ブランク側面において、重合片と重なり合う部分
の一部に凹部あるいは抜き穴を設けたこと、あるいは、
重合片に凹部あるいは抜き穴を設け、副ブランク側面の
内面で重ね合わせた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙製容器に関するもの
であり、更に詳しくは、シール蓋での密封が可能な紙製
容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、トレー形状の容器としては、
紙製のもの、あるいはプラスチック製のものなど、種々
のものが実用化されているが、内容物が液体を含むもの
の場合、あるいは充分な密封性が必要な場合には、紙単
独で構成される紙製の容器あるいは内面に樹脂加工を施
した紙で組み立てられた容器は、充分な密封性を有して
いないため使用できない。充分な密封性を持たせるため
には、シール蓋で密封シールするための適切なフランジ
部分を備えていることが必要であり、これらの観点か
ら、プラスチックを成形したトレーにシール蓋で密封し
た形状のプラスチック容器が一般的である。また、紙あ
るいはプラスチックを単独材料として使用するのではな
く、紙とプラスチックとを複合した構成の材料を使用し
た容器が、特開平3−120034号公報、特開平8−
253237号公報などに開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
プラスチック製の容器においては、容器として使用後、
その廃棄に問題があり、現在、使用後のこれらの容器
は、回収して再利用を図るか、または燃焼処理するか、
あるいはそのまま廃棄する等の処理がなされているが、
いずれにしても、充分に満足し得る状態ではなく、その
使用量の削減などが求められている。また、容器の表面
の意匠性についても、印刷効果、および印刷の難易度の
点で、紙製の容器に比べて劣っている点が問題である。
【0004】また、紙とプラスチックとを複合した構成
の材料を使用した容器、例えば、特開平3−12003
4号公報、特開平8−253237号公報などに開示さ
れている容器についても、フランジにおいて、重なり部
あるいはつなぎ目などがあり、段差のない平滑で一体な
ものとなっていないため、シール蓋による充分な密封を
行うことができないという問題がある。また、容器のブ
ランクを成形型の中で組み立てることが容易でなく、組
み立てた形状が変形し易いという問題がある。
【0005】本発明は、このような背景に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、容器のブラン
クを成形型の中で組み立てることが容易で、組み立てた
形状で副ブランク側面の重合片と主ブランク側面の一部
とが重なり合うことにより変形しにくく、強度のある紙
製容器となり、また、フランジが、重なり部あるいはつ
なぎ目などのない平滑な一体なものであることから、シ
ール蓋による充分な密封が可能であり、さらに、紙を主
材料とし、プラスチックの比率の少ない材料構成からな
る、環境問題に対応した紙製容器を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
すべく検討した結果、本発明は、紙を主材料とする、主
ブランクと副ブランクとで組み立てられた紙製容器本体
と、該紙製容器本体の内面に密接着している熱可塑性樹
脂製フィルムよりなる内部保護フィルム層とにより形成
された紙製容器であって、前記主ブランクが、枠状のフ
ランジと該フランジの内側の辺に折れ線を介して連設し
た一対以上の対向する主ブランク側面とからなり、前記
副ブランクが、底面と副ブランク側面と重合片とからな
り、該重合片が組み立てた時に前記主ブランク側面と隣
接する側辺に折れ線を介して連設され、前記主ブランク
側面の一部と重なり合わせて組み立てられていることを
特徴とする紙製容器であり、前記副ブランク側面におい
て、前記重合片と重なり合う部分の一部に凹部あるいは
抜き穴を設けたこと、あるいは、前記重合片に凹部ある
いは抜き穴を設け、前記副ブランク側面の内面で重ね合
わせたことを特徴とする。
【0007】また、前記主ブランクの前記枠状の前記フ
ランジが多角形状であり、前記副ブランクの前記底面が
多角形状であることを特徴とし、前記副ブランクが、前
記底面と、該底面に折れ線を介して前記副ブランク側面
を連設してなること、あるいは、前記副ブランクが、前
記底面と、該底面に折れ線を介して一対の対向する前記
副ブランク側面を連設してなり、また、前記副ブランク
側面の両側辺に折れ線を介して副ブランク側面を連設し
てなることを特徴とする。
【0008】また、前記主ブランクは、前記フランジの
形状が四角形であって、前記フランジの内側に折れ線を
介して一対の対向する主ブランク側面を連設してなり、
また、前記副ブランクは、前記底面の形状が八角形であ
って、前記底面に折れ線を介して一対の対向する四角形
の副ブランク側面と、二対の対向する三角形の副ブラン
ク側面とを連設してなることを特徴とする請求項5に記
載の紙製容器。
【0009】さらに、前記主ブランクは、前記フランジ
の形状が四角形であって、前記フランジの内側に折れ線
を介して二対の対向する主ブランク側面を連設してな
り、また、前記副ブランクは、前記底面の形状が八角形
であって、前記底面に折れ線を介して二対の対向する三
角形の副ブランク側面とを連設してなることを特徴とす
る請求項5に記載の紙製容器。
【0010】さらにまた、前記主ブランクは、前記フラ
ンジの形状が四角形であって、前記フランジの内側に折
れ線を介して一対の対向する主ブランク側面を連設して
なり、また、前記副ブランクは、前記底面の形状が八角
形であって、前記底面に折れ線を介して前記主ブランク
に連設した前記主ブランク側面以外の一対の対向する四
角形の副ブランク側面を連設してなり、また、前記副ブ
ランク側面の両側辺に折れ線を介して三角形の副ブラン
ク側面を連設してなることを特徴とする。
【0011】この発明によれば、紙製容器の紙製容器本
体を構成する主ブランクと副ブランクの二つのブランク
を成形型の中で組み立てることが容易で、組み立てた形
状で副ブランク側面の重合片と主ブランク側面の一部と
が重なり合うことにより変形しにくく、強度のある紙製
容器となり、また、フランジが重なり部あるいはつなぎ
目などのない平滑な一体なものであることから、シール
蓋による充分な密封性を有する紙製容器を得ることがで
きる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の紙製容器につい
て、形状、用いる材料、および製造方法など、発明の実
施の形態について図面を参照にして説明するが、幾つか
の図面に渡って同一または同様な部分には同一の符号を
付けている。
【0013】図1は、本発明の紙製容器の第一の実施の
形態の一実施例で主ブランクのフランジが四角形状で副
ブランクの底面も四角形状である場合の例を示す斜視図
であり、本発明にかかる紙製容器Aは、重なり部あるい
はつなぎ目のない平滑な一体であるフランジ3、主ブラ
ンク側面4、4、底面5、副ブランク側面6、6、重合
片6a、6a、6a、6aを有する紙製容器本体1aを
主構成要素とし、さらに紙製容器本体1aの内面に熱可
塑性樹脂製フィルムを密接着した内面保護フィルム層2
との構成からなるものである。すなわち、本発明にかか
る紙製容器Aは、図2に示すように、紙を主材料とす
る、主ブランク10と、副ブランク11とで副ブランク
側面6、6の重合片6a、6a、6a、6aを主ブラン
ク側面4、4の内側に重ね合わせた状態で紙製容器本体
1aが組み立てられ、その底面5、主ブランク側面4、
4、副ブランク側面6、6、重合片6a、6a、6a、
6aおよびフランジ3を熱可塑性樹脂からなる熱可塑性
樹脂製フィルムで密接着することにより内面保護フィル
ム層2を設けることにより容器を構成するものである。
【0014】図3の主ブランク10では、重なり部ある
いはつなぎ目のない一体となっている四角形状のフラン
ジ3の内側の一対の対向する辺に、折れ線aを介して、
折り曲げ可能な一対の対向する主ブランク側面4、4を
連設している。この折れ線aは、主ブランク側面4、4
が折り曲げ易いように、ミシン目あるいは半切れが好ま
しい。主ブランク側面4、4の形状は、四角形とし、主
に上方に拡がる台形とすることにより、組み立てた後に
テーパーのついたトレー形状となる。
【0015】図4の副ブランク11では、底面5と、こ
の底面5の外側の一対の対向する辺に、折れ線bを介し
て、主ブランク10に連設する主ブランク側面4、4以
外の側面として折り曲げ可能な一対の対向する副ブラン
ク側面6、6を連設している。そして、副ブランク側面
6、6の底面5に隣接する両側辺に折れ線c、c、c、
cを介して重合片6a、6a、6a、6aを連設してい
る。重合片6a、6a、6a、6aの形状は、四辺形、
台形、半円形などとすることができ、特に限定されるも
のではない。この折れ線b、cは、副ブランク側面6、
6および重合片6a、6a、6a、6aが折り曲げ易い
ように、ミシン目あるいは半切れが好ましい。この副ブ
ランク側面6、6の形状は、四角形とし、主ブランク側
面4、4と同様に、主に上方に拡がる台形とすることに
より、組み立てた後にテーパーのついたトレー形状とな
る。
【0016】図5は、本発明の紙製容器の第一の実施の
形態の別の実施例を示す斜視図であり、図5−aに示す
ように、本発明にかかる紙製容器Aaでは、主ブランク
10の主ブランク側面4、4と副ブランク11aの重合
片6a、6a、6a、6aとが重なる部分の主ブランク
側面4、4の一部に凹部4aを設けている。従って、紙
製容器Aの場合には、重合片6a、6a、6a、6aを
主ブランク側面4、4の内面で重ね合わせているのに対
して、紙製容器Aaの場合には、重合片6a、6a、6
a、6aを主ブランク側面4、4の外面で重ね合わせる
ことができる。つまり、主ブランク側面4、4の凹部4
aがあることによって、この部分を通して重合片6a、
6a、6a、6aと内面保護フィルム層2とを密接着す
ることができる。
【0017】紙製容器Aaの主ブランク10aは、紙製
容器Aの主ブランク10と基本的には同様であるが、さ
らに、図6−aに示すように、主ブランク側面4、4の
両側辺には、半円形の凹部4aを設けている。この凹部
4aは、主ブランク10aと副ブランク11aとを組み
立てた時に、副ブランク側面6、6に連設した重合片6
a、6a、6a、6aと主ブランク10aの主ブランク
側面4、4とが重なる範囲内に設けることができる。
【0018】紙製容器Aaの副ブランク11aは、紙製
容器Aの副ブランク11と同じ形状である。
【0019】凹部4aの形状は、図6−bに示すような
半長円形、図6−cに示すような四角形などでもよく、
特に限定されるものではない。その凹部4aの数も、特
に限定されない。この、凹部4aを設けることによっ
て、主ブランク10aと副ブランク11aとを組み立
て、紙製容器Aaとする時に、副ブランク側面6、6に
連設した重合片6a、6a、6a、6aを主ブランク1
0aの主ブランク側面4、4の外側の一部に重ねて熱可
塑性樹脂製フィルムよりなる内部保護フィルム層と凹部
4aの部分を通して密接着することができ、組み立てた
紙製容器Aaの強度を増すことができる。
【0020】また、図5−bに示すような紙製容器Ab
の主ブランク10bは、紙製容器Aの主ブランク10と
基本的には同様であるが、さらに、図7−aに示すよう
に、主ブランク側面4、4の両側辺部には、円形の抜き
穴4bを設けている。この抜き穴4bは、主ブランク1
0bと副ブランク11bとを組み立てた時に、副ブラン
ク側面6、6に連設した重合片6a、6a、6a、6a
と主ブランク10bの主ブランク側面4、4とが重なる
範囲内に設けることができる。
【0021】抜き穴4bの形状は、図7−bに示すよう
な長円形、図7−bに示すような四角形などでもよく、
特に限定されるものではない。その抜き穴4bの数も、
特に限定されない。この、抜き穴4bを設けることによ
って、凹部4aの場合と同様に、主ブランク10bと副
ブランク11bとを組み立て、紙製容器Abとする時
に、副ブランク側面6、6に連設した重合片6a、6
a、6a、6aを主ブランク10bの主ブランク側面
4、4の外側の一部に重ねて熱可塑性樹脂製フィルムよ
りなる内部保護フィルム層と抜き穴4bの部分を通して
密接着することができ、組み立てた紙製容器Abの強度
を増すことができる。
【0022】図8は、本発明の紙製容器の第一の実施の
形態のさらに別の実施例を示す斜視図であり、本発明に
かかる紙製容器Acでは、副ブランク11cの重合片6
a、6a、6a、6aに凹部6aaを設けている。従っ
て、紙製容器Acの場合には、重合片6a、6a、6
a、6aを主ブランク側面4、4の内面で重ね合わせお
り、重合片6a、6a、6a、6aに凹部6aaがある
ことによって、この部分を通して重合片6a、6a、6
a、6aと内面保護フィルム層2とを密接着することが
できる。
【0023】紙製容器Acの主ブランク10cは、紙製
容器Aの主ブランク10と同じ形状である。
【0024】紙製容器Acの副ブランク11cは、紙製
容器Aの副ブランク11と基本的には同様であるが、さ
らに、図9−aに示すように、副ブランク側面6、6に
連設した重合片6a、6a、6a、6aには、半円形の
凹部6aaを設けている。
【0025】凹部6aaの形状は、図9−bに示すよう
な半長円形、図9−cに示すような四角形などでもよ
く、特に限定されるものではない。その凹部6aaの数
も、特に限定されない。この、凹部6aaを設けること
によって、主ブランク10cと副ブランク11cとを組
み立て、紙製容器Acとする時に、副ブランク側面6、
6に連設した重合片6a、6a、6a、6aを主ブラン
ク10cの主ブランク側面4、4の内面の一部に重ねて
熱可塑性樹脂製フィルムよりなる内部保護フィルム層と
凹部6aaの部分を通して密接着することができ、組み
立てた紙製容器Acの強度を増すことができる。
【0026】また、紙製容器Ad(図は省略)の副ブラ
ンク11dは、紙製容器Aの副ブランク11と基本的に
は同様であるが、さらに、図10−aに示すように、副
ブランク側面6、6に連設した重合片6a、6a、6
a、6aには、円形の抜き穴6abを設けている。
【0027】抜き穴6abの形状は、図10−bに示す
ような長円形、図10−cに示すような四角形などでも
よく、特に限定されるものではない。その抜き穴6ab
の数も、特に限定されない。この、抜き穴6abを設け
ることによって、凹部6aaの場合と同様に、主ブラン
ク10d(主ブランク10と同じ形状)と副ブランク1
1dとを組み立て、紙製容器Adとする時に、副ブラン
ク側面6、6に連設した重合片6a、6a、6a、6a
を主ブランク10dの主ブランク側面4、4の内面の一
部に重ねて熱可塑性樹脂製フィルムよりなる内部保護フ
ィルム層2と抜き穴6abの部分を通して密接着するこ
とができ、組み立てた紙製容器Adの強度を増すことが
できる。
【0028】図11は、本発明の紙製容器の第二の実施
の形態の一実施例で主ブランクのフランジが八角形状で
副ブランクの底面も八角形である場合の例を示す斜視図
であり、本発明にかかる紙製容器Bは、紙を主材料とす
る、主ブランク20と、副ブランク21とで副ブランク
側面7、7、7、7の重合片7a、7a、7a、7aを
主ブランク側面4、4の内側に重ね合わせた状態で紙製
容器本体1bが組み立てられ、その底面5、主ブランク
側面4、4、副ブランク側面6、6、副ブランク側面
7、7、7、7、重合片7a、7a、7a、7aおよび
フランジ3を熱可塑性樹脂製フィルムで密接着すること
による内面保護フィルム層2を設けることにより容器を
構成するものである。
【0029】図12の主ブランク20では、重なり部あ
るいはつなぎ目のない一体となっている八角形状のフラ
ンジ3の内側の一対の対向する辺に、折れ線aを介し
て、折り曲げ可能な一対の対向する主ブランク側面4、
4を連設している。この折れ線aは、主ブランク側面
4、4が折り曲げ易いように、ミシン目あるいは半切れ
が好ましい。主ブランク側面4、4の形状は、四角形と
し、主に上方に拡がる台形とすることにより、組み立て
た後にテーパーのついたトレー形状となる。
【0030】図13の副ブランク21では、底面5と、
この底面5の一対の対向する辺に、折れ線bを介して、
主ブランクに連設した主ブランク側面4、4以外の側面
として折り曲げ可能な一対の対向する副ブランク側面
6、6を連設し、二対の対向する辺に、折れ線cを介し
て二対の副ブランク側面7、7、7、7を連設してい
る。そして、副ブランク側面7、7、7、7の底面5に
隣接する一側辺に折れ線eを介して重合片7a、7a、
7a、7aを連設している。この折れ線b、c、eは、
副ブランク側面6、6、7、7、7、7、重合片7a、
7a、7a、7aが折り曲げ易いように、ミシン目ある
いは半切れが好ましい。この副ブランク側面6、6、
7、7、7、7の形状は、四角形とし、主ブランク側面
4、4同様、主に上方に拡がる台形とすることにより、
組み立てた後にテーパーのついたトレー形状となる。
【0031】図14は、本発明にかかる紙製容器Bにお
いて、主ブランク20に対応する副ブランクとして、上
記の副ブランク21とは異なった形状の副ブランク22
を示している。副ブランク22では、底面5と、この底
面5の一対の対向する辺に、折れ線bを介して、主ブラ
ンク20に連設した主ブランク側面4、4以外の側面と
して折り曲げ可能な一対の対向する副ブランク側面6、
6を連設し、その副ブランク側面6、6の両側辺に折れ
線dを介して二対の副ブランク側面7、7、7、7を連
設している。そして、副ブランク側面7、7、7、7の
副ブランク側面6、6に対向する辺に折れ線eを介して
重合片7a、7a、7a、7aを連設している。この折
れ線b、d、eは、副ブランク側面6、6、7、7、
7、7、重合片7a、7a、7a、7aが折り曲げ易い
ように、ミシン目あるいは半切れが好ましい。この副ブ
ランク側面6、6、7、7、7、7の形状は、四角形と
し、主ブランク側面4、4同様、主に上方に拡がる台形
とすることにより、組み立てた後にテーパーのついたト
レー形状となる。
【0032】図15は、本発明の紙製容器の第二の実施
の形態の別の実施例を示す斜視図であり、本発明にかか
る紙製容器Baでは、主ブランク20aの主ブランク側
面4、4と副ブランク21aの副ブランク側面7、7、
7、7の側辺に連設した重合片7a、7a、7a、7a
とが重なる部分の主ブランク側面4、4の一部に凹部4
aを設けている。従って、紙製容器Bの場合には、重合
片7a、7a、7a、7aを主ブランク側面4、4の内
面で重ね合わせているのに対して、紙製容器Baの場合
には、重合片7a、7a、7a、7aを主ブランク側面
4、4の外面で重ね合わせることができる。つまり、主
ブランク側面4、4の凹部4aがあることによって、こ
の部分を通して重合片7a、7a、7a、7aと内面保
護フィルム層2とを密接着することができる。
【0033】紙製容器Baの主ブランク20aは、紙製
容器Bの主ブランク20と基本的には同様であるが、さ
らに、図16−aに示すように、な主ブランク側面4、
4のフランジ3と隣接する両側辺には、半円形の凹部4
aを設けている。この凹部4aは、主ブランク20aと
副ブランク21aとを組み立てた時に、副ブランク側面
7、7、7、7に連設した重合片7a、7a、7a、7
aと主ブランク20aの主ブランク側面7、7、7、7
とが重なる範囲内に設けることができる。
【0034】凹部4aの形状は、図16−bに示すよう
な半長円形、図16−cに示すような四角形などでもよ
く、特に限定されるものではない。その凹部4aの数
も、特に限定されない。この、凹部4aを設けることに
よって、主ブランク20aと副ブランク21aとを組み
立て、紙製容器Baとする時に、副ブランク側面7、
7、7、7に連設した重合片7a、7a、7a、7aを
主ブランク20aの主ブランク側面4、4の外側の一部
に重ねて熱可塑性樹脂製フィルムよりなる内部保護フィ
ルム層2と凹部4aの部分を通して密接着することがで
き、組み立てた紙製容器Baの強度を増すことができ
る。
【0035】紙製容器Baの副ブランク21aは、紙製
容器Bの副ブランク21あるいは副ブランク22と同じ
形状である。
【0036】また、紙製容器Bb(図は省略)の主ブラ
ンク20bは、紙製容器Bの主ブランク20と基本的に
は同様であるが、さらに、図17−aに示すように、主
ブランク側面4、4のフランジ3と隣接する両側辺部に
は、円形の抜き穴4bを設けている。この抜き穴4b
は、主ブランク20bと副ブランク21bとを組み立て
た時に、副ブランク側面7、7、7、7に連設した重合
片7a、7a、7a、7aと主ブランク20bの主ブラ
ンク側面4、4とが重なる範囲内に設けることができ
る。
【0037】抜き穴4bの形状は、図17−bに示すよ
うな半長円形、図17−cに示すような四角形などでも
よく、特に限定されるものではない。その抜き穴4bの
数も、特に限定されない。この、抜き穴4bを設けるこ
とによって、主ブランク20bと副ブランク21bとを
組み立て、紙製容器Bbとする時に、副ブランク側面
7、7、7、7に連設した重合片7a、7a、7a、7
aを主ブランク20bの主ブランク側面4、4の外側の
一部に重ねて熱可塑性樹脂製フィルムよりなる内部保護
フィルム層2と抜き穴4bの部分を通して密接着するこ
とができ、組み立てた紙製容器Bbの強度を増すことが
できる。
【0038】紙製容器Bbの副ブランク21bは、紙製
容器Bの副ブランク21あるいは副ブランク22と同じ
形状である。
【0039】第二の実施の形態においても、第一の実施
の形態と同様に、さらに別の実施例として、図18に示
すように、副ブランク21あるいは副ブランク22の重
合片7a、7a、7a、7aに凹部7aaを設けて図1
8−aに示すような副ブランク21cあるいは図18−
bに示すような副ブランク22cとすることもできる。
この場合には、重合片7a、7a、7a、7aを主ブラ
ンク側面4、4の内面で重ね合わせる。この時、重合片
7a、7a、7a、7aに凹部7aaを設けることによ
って、主ブランク20c(主ブランク20と同じ形状)
と副ブランク21cあるいは副ブランク22cとを組み
立てて紙製容器Bc(図は省略)とする時に、副ブラン
ク側面7、7、7、7に連設した重合片7a、7a、7
a、7aを主ブランク20cの主ブランク側面4、4の
内面の一部に重ねて熱可塑性樹脂製フィルムよりなる内
部保護フィルム層2と凹部7aaの部分を通して密接着
することができ、組み立てた紙製容器Bcの強度を増す
ことができる。
【0040】同様に、図19に示すように、副ブランク
21あるいは副ブランク22の重合片7a、7a、7
a、7aに抜き穴7abを設けて図19−aに示すよう
な副ブランク21dあるいは図19−bに示すような副
ブランク22dとすることもできる。この場合には、重
合片7a、7a、7a、7aを主ブランク側面4、4の
内面で重ね合わせる。この時、重合片7a、7a、7
a、7aに抜き穴7abを設けることによって、主ブラ
ンク20d(主ブランク20と同じ形状)と副ブランク
21dあるいは副ブランク22dとを組み立てて紙製容
器Bd(図は省略)とする時に、副ブランク側面7、
7、7、7に連設した重合片7a、7a、7a、7aを
主ブランク20dの主ブランク側面4、4の内面の一部
に重ねて熱可塑性樹脂製フィルムよりなる内部保護フィ
ルム層2と抜き穴7abの部分を通して密接着すること
ができ、組み立てた紙製容器Bdの強度を増すことがで
きる。
【0041】以上、本発明の紙製容器の第一の実施の形
態および第二の実施の形態において、主ブランクのフラ
ンジ3の形状および副ブランクの底面5の形状が、四角
形状である場合、八角形状である場合について具体的に
説明したが、底面5およびフランジ3の形状は、多角形
であれば、五角形、六角形、十角形等のいずれの形状で
もよい。
【0042】図20は、本発明の紙製容器の第三の実施
の形態の一実施例で主ブランクのフランジが四角形状で
副ブランクの底面が八角形状である場合の例を示す斜視
図であり、本発明にかかる紙製容器Cは、図21に示す
ように、紙を主材料とする、主ブランク30と、副ブラ
ンク31とで紙製容器本体1cが組み立てられ、この二
対の副ブランク側面7、7、7、7は三角形となってい
る。その紙製容器本体1cの底面5、主ブランク側面
4、4、副ブランク側面6、6、7、7、7、7、重合
片7a、7a、7a、7a、およびフランジ3を熱可塑
性樹脂製フィルムで密接着することによる内面保護フィ
ルム層2を設けることにより容器を構成するものであ
る。
【0043】本発明にかかる紙製容器Cの紙製容器本体
1cを組み立てるための主ブランク30は紙製容器Aの
主ブランク10と同様である。
【0044】図22の副ブランク31では、底面5と、
この底面5の一対の対向する辺に、折れ線bを介して、
主ブランク30に連設した主ブランク側面4、4以外の
側面として折り曲げ可能な一対の対向する副ブランク側
面6、6を連設し、二対の対向する辺に、折れ線cを介
して二対の副ブランク側面7、7、7、7を連設してい
る。そして、副ブランク側面7、7、7、7の底面5に
隣接する一側辺に折れ線eを介して重合片7a、7a、
7a、7aを連設している。この副ブランク側面6、6
の形状は、四角形とし、主ブランク側面4、4と同様
に、主に上方に拡がる台形とするが、二対の副ブランク
側面7、7、7、7の形状は、三角形としている。この
折れ線b、c、dは、副ブランク側面6、6、7、7、
7、7、重合片7a、7a、7a、7aが折り曲げ易い
ように、ミシン目あるいは半切れが好ましい。
【0045】図23は、本発明にかかる紙製容器Cにお
いて、主ブランク30に対応する副ブランクとして、上
記の副ブランク31とは異なった形状の副ブランク32
を示している。この副ブランク32では、底面5と、こ
の底面5の一対の対向する辺に、折れ線bを介して、主
ブランク30に連設した主ブランク側面4、4以外の側
面として折り曲げ可能な一対の対向する副ブランク側面
6、6を連設し、その副ブランク側面6、6の両側辺に
折れ線dを介して二対の側面7、7、7、7を連設して
いる。そして、副ブランク側面7、7、7、7の副ブラ
ンク側面6、6に対向する辺に折れ線eを介して重合片
7a、7a、7a、7aを連設している。この副ブラン
ク側面6、6の形状は、四角形とし、主ブランク側面
4、4同様、主に上方に拡がる台形とするが、二対の副
ブランク側面7、7、7、7の形状は、三角形としてい
る。この折れ線b、d、eは、副ブランク側面6、6、
7、7、7、7、重合片7a、7a、7a、7aが折り
曲げ易いように、ミシン目あるいは半切れが好ましい。
【0046】図24は、本発明の紙製容器の第三の実施
の形態の別の実施例を示す斜視図であり、本発明にかか
る紙製容器Caでは、主ブランク30aの主ブランク側
面4、4と副ブランク31aの副ブランク側面7、7、
7、7の一方の側辺に連設した重合片7a、7a、7
a、7aとが重なる部分の主ブランク側面4、4の一部
に凹部4aを設けている。従って、紙製容器Cの場合に
は、重合片7a、7a、7a、7aを主ブランク側面
4、4の内面で重ね合わせているのに対して、紙製容器
Caの場合には、重合片7a、7a、7a、7aを主ブ
ランク側面4、4の外面で重ね合わせることができる。
つまり、主ブランク側面4、4の凹部4aがあることに
よって、この部分を通して重合片7a、7a、7a、7
aと内面保護フィルム層2とを密接着することができ
る。
【0047】紙製容器Caの主ブランク30aは、紙製
容器Aaの主ブランク10aと同様であり、主ブランク
側面4、4のフランジ3と隣接する両側辺には、凹部4
aを設けている。この凹部4aを設けることによって、
主ブランク30aと副ブランク31aとを組み立て、紙
製容器Caとする時に、副ブランク側面7、7、7、7
に連設した重合片7a、7a、7a、7aを主ブランク
30aの主ブランク側面4、4の外側の一部に重ねて熱
可塑性樹脂製フィルムよりなる内部保護フィルム層2と
凹部4aの部分を通して密接着することができ、組み立
てた紙製容器Caの強度を増すことができる。
【0048】紙製容器Caの副ブランク31aは、紙製
容器Cの副ブランク31あるいは副ブランク32と同じ
形状である。
【0049】また、紙製容器Cb(図は省略)の主ブラ
ンク30bは、紙製容器Abの主ブランク10bと同様
であり、主ブランク側面4、4のフランジ3と隣接する
両側辺部には、抜き穴4bを設けている。この抜き穴4
bを設けることによって、主ブランク30bと副ブラン
ク31bとを組み立て、紙製容器Cbとする時に、副ブ
ランク側面7、7、7、7に連設した重合片7a、7
a、7a、7aを主ブランク30bの主ブランク側面
4、4の外側の一部に重ねて熱可塑性樹脂製フィルムよ
りなる内部保護フィルム層2と抜き穴4bの部分を通し
て密接着することができ、組み立てた紙製容器Cbの強
度を増すことができる。
【0050】紙製容器Cbの副ブランク31bは、紙製
容器Cの副ブランク31あるいは副ブランク32と同じ
形状である。
【0051】第三の実施の形態においても、第一の実施
の形態と同様に、さらに別の実施例として、図25に示
すように、副ブランク31あるいは副ブランク32の重
合片7a、7a、7a、7aに凹部7aaを設けて図2
5−aに示すような副ブランク31cあるいは図25−
bに示すような副ブランク32cとすることもできる。
この場合には、重合片7a、7a、7a、7aを主ブラ
ンク側面4、4の内面で重ね合わせる。この時、重合片
7a、7a、7a、7aに凹部7aaを設けることによ
って、主ブランク30c(主ブランク30と同じ形状)
と副ブランク31cあるいは副ブランク32cとを組み
立てて紙製容器Cc(図は省略)とする時、副ブランク
側面7、7、7、7に連設した重合片7a、7a、7
a、7aを主ブランク30cの主ブランク側面4、4の
内面の一部に重ねて熱可塑性樹脂製フィルムよりなる内
部保護フィルム層2と凹部7aaの部分を通して密接着
することができ、組み立てた紙製容器Ccの強度を増す
ことができる。
【0052】同様に、図26に示すように、副ブランク
31あるいは副ブランク32の重合片7a、7a、7
a、7aに抜き穴7abを設けて図26−aに示すよう
な副ブランク31dあるいは図26−bに示すような副
ブランク32dとすることもできる。この場合には、重
合片7a、7a、7a、7aを主ブランク側面4、4の
内面で重ね合わせる。この時、重合片7a、7a、7
a、7aに抜き穴7abを設けることによって、主ブラ
ンク30d(主ブランク30と同じ形状)と副ブランク
31dあるいは副ブランク32dとを組み立てて紙製容
器Cd(図は省略)とする時、副ブランク側面7、7、
7、7に連設した重合片7a、7a、7a、7aを主ブ
ランク30dの主ブランク側面4、4の内面の一部に重
ねて熱可塑性樹脂製フィルムよりなる内部保護フィルム
層2と抜き穴7abの部分を通して密接着することがで
き、組み立てた紙製容器Cdの強度を増すことができ
る。
【0053】本発明の紙製容器のいずれの形態において
も、主ブランクのフランジの内側の辺で主ブランク側面
を設けていない辺に補強片を設けることができる。例え
ば、図27に示すように、フランジ3の内側の辺に補強
片3aを設けることができる。この補強片3aの形状
は、半円形、三角形、四角形など特に限定されるもので
はない。この補強片を設けることによって、主ブランク
と副ブランクとを組み立てて作製された紙製容器の強度
を増すことができる。
【0054】また、本発明の紙製容器のいずれの形態に
おいても、図28、図29に示すように、主ブランク1
0、20、30のフランジ3において、縦、横(長辺、
短辺)がある場合、長辺、短辺のどちらの辺に一対の対
向する主ブランク側面4、4を連設してもよい。例え
ば、主ブランク10、20、30と副ブランク11、2
1、22、31、32との組合せは、図28に示すよう
に、主ブランク10Y、20Y、30Yのフランジ3の
長辺に一対の対向する主ブランク側面4、4を連設し、
副ブランク11Y、21Y、22Y、31Y、32Yの
底面5の短辺に一対の対向する副ブランク側面6、6を
連設してもよく、図29に示すように、主ブランク10
T、20T、30Tのフランジ3の短辺に一対の対向す
る主ブランク側面4、4を連設し、副ブランク11T、
21T、22T、31T、32Tの底面5の長辺に一対
の対向する副ブランク側面6、6を連設してもよい。
【0055】また、本発明の紙製容器のいずれの形態に
おいても、枠状のフランジ3の形状は、フランジ3の内
周を表している。一般的には、内周の形状と外周の形状
とは、同一であるが、必ずしも内周の形状と外周の形状
とが同一である必要はない。
【0056】つぎに、本発明にかかる紙製容器の製造方
法について説明する。この説明では主に紙製容器Aにつ
いて具体的に説明するが、他の実施の形態でも同様に製
造することができる。
【0057】本発明においては、まず、図3および図4
にその一例を示すように、フランジ3と一対の対向する
主ブランク側面4、4とからなる主ブランク10と、底
面5と主ブランク10に連設した側面以外の側面である
副ブランク側面6、6と重合片6a、6a、6a、6a
からなる副ブランク11とを製造する。
【0058】つぎに、図30に示すように、上記で製造
した主ブランク10および副ブランク11を真空ないし
圧空成形する成形型100内に入れて該成形型100内
でトレー状に組み立てる。なお、図において、101
は、成形機ベットを示し、102は、吸引する真空孔を
示し、103は、熱可塑性樹脂製フィルムを示し、10
4は、それをクリップするクランプを示している。
【0059】成形型100内で、紙製容器本体1aを組
み立てるには、まず、主ブランク10の主ブランク側面
4、4を内側に折り曲げ、フランジ3を成形型100に
しっかり固定して挿入する。つぎに、副ブランク11を
副ブランク側面6、6を折り曲げて、重合片6a、6
a、6a、6aを内側に折り曲げ、底面5を成形型10
0の底面まで挿入する。副ブランク11が挿入されるこ
とによって、副ブランク11の重合片6a、6a、6
a、6aと主ブランク10のフランジ3とが部分的に重
なり合い、主ブランク10の側面も成形型100の側面
に押し込まれ、2つのブランクにより紙製容器本体1a
が成形型100内で容易に組み立てられる。この組み立
ての際に、成形型100内に副ブランク11を押し込む
際に、上方からプラグを押し込むことにより、容易に成
形型100内で紙製容器本体1aを組み立てることがで
きる。
【0060】而して、上記で製造した紙製容器本体1a
では、重なり部あるいはつなぎ目のない一体となってい
るフランジ3が形成される。また、主ブランク10の主
ブランク側面4、4およびブランク20の副ブランク側
面6、6が、底面5から起立した形状となり、容器を構
成する隅部において、主ブランク側面4、4の端部と他
方の副ブランク側面6、6の端部とが接した状態で隣接
し、主ブランク10の重合片4a、4aと副ブランク1
1の底面5とが部分的に重なり合っている。
【0061】つぎに、本発明においては、図31に示す
ように、成形機ベット101の真空孔102より空気を
吸引しながら、クランプ104でクリップしている加熱
状態にある熱可塑性樹脂製フィルム103を、そのクラ
ンプ104を下げて成形型100に接触させ、更に吸引
を継続しながら上記の紙製容器本体1の内部に加熱状態
にある熱可塑性樹脂フィルム103を密接着させる。な
お、前記真空成形、または真空圧空成形の際には、プラ
グアシスト装置を併用して、軟化した熱可塑性樹脂フィ
ルム103を紙製容器本体1の中に押し込むことができ
る。このような方法を採ることにより、紙製容器本体1
の内面に形成される内面保護フィルム層2の厚さムラを
少なくすることができ、紙製容器Aの品質を向上させる
ことができる。上記で密接着が終了した後、吸引を解い
て、さらに熱可塑性樹脂製フィルム103を切断して、
紙製容器本体1の内面に内面保護フィルム層2を有する
本発明にかかる紙製容器Aを製造することができる。紙
製容器Aa、Ab、B、Ba、Bb、C、Ca、Cb、
Cc、Cdについても、紙製容器Aと同様にして、製造
することができる。
【0062】上記の本発明において、ブランクを構成す
る紙材料としては、例えば、坪量150〜600g/m
2程度の各種の板紙、加工紙等を使用することができ
る。
【0063】また、上記の本発明において、内面保護フ
ィルム層2を形成する熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹
脂製フィルム103としては、耐水性、密封性、そして
熱融着性を有する熱可塑性樹脂からなるフィルムであれ
ばよく、例えば、各種のポリエチレン(PE)、ポリプ
ロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレ
フタレ−ト(PET)、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、アイオノマ−、エチレン−アクリル酸共重合体、ポ
リアミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリカ−ボネ−ト、
ポリブテン、ポリビニルアルコ−ル、その他等の各種の
熱可塑性樹脂のフィルムを単独ないしラミネ−トして使
用することができる。特に、容器にガスバリヤー性を付
与したい場合には、例えば、中間層にエチレン−ビニル
アルコール共重合体(EVOH)などのガスバリヤー性
材料を積層した積層シート、具体的には、PE/EVO
H/PE、PP/EVOH/PE、A(アモルファス)
・PET/EVOH/PEなどの層構成の積層シートを
用いることができる。
【0064】これらの熱可塑性樹脂製フィルム103の
厚さは、30〜250μmの範囲とし、フィルム自体の
成形性、および成形する容器の容量、深絞りの比率(深
さ/口径)などにより、適宜決定するが、好ましくは5
0〜100μmの範囲とする。ただ、容器の強度は、主
に外側の紙製容器本体1で付与されるため、プラスチッ
ク単独の成形容器の場合よりは、厚さを極端に薄くする
ことができる。環境対応の観点から、プラスチックの構
成比率を少なくするために、必要最小限の厚さとするこ
とが好ましいが、薄すぎた場合には、バリアー性が劣る
こと、ピンホールが発生しやすくなるなどの問題がある
ので、フィルムの種類、容器のサイズなどを勘案して適
宜設定する必要がある。
【0065】なお、本発明の紙製容器において、半製品
である紙製容器本体1の内面に熱可塑性樹脂製フィルム
103を密接着させる場合、フィルム自身が加熱状態で
接着させるが、熱可塑性樹脂製フィルム103の材質に
よっては、紙製容器本体1との接着強度が不充分な場合
がある。このような場合には、例えば、熱可塑性樹脂製
フィルム103に、あらかじめヒートシール剤やホット
メルト材などの熱接着性樹脂を塗布したり、あるいは、
熱接着性樹脂を押し出しコートして接着層を設けておく
ことができる。また、接着層を塗布する場合は、紙製容
器本体1側に設けてもよく、ただ、このような接着層を
設ける場合は、接着層の材質の選定と厚さの調整を行う
ことが必要である。
【0066】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明
は、紙を主材料とする、枠状のフランジと該フランジの
内側に折れ線を介して連設した一対以上の対向する主ブ
ランク側面とその主ブランク側面に連設した重合片とか
らなる主ブランクと、底面と主ブランクに連設した主ブ
ランク側面以外の副ブランク側面とからなる副ブランク
とを製造し、これを真空ないし圧空成形する成形型内に
入れて該型内で組み立てて紙製容器を構成する半製品で
ある紙製容器本体を組み立てて、その紙製容器本体を構
成する底面と側面と重合片とフランジとを加熱状態にあ
る熱可塑性樹脂製フィルムを密接着させてそれらを固定
することによって紙製容器を製造するものである。従っ
て、本発明は、従来のようにシール蓋によるシールの密
封性が不充分であるという問題点を改良し、その製造工
程を全く変えたものである。すなわち、板紙を主材料と
する主ブランクと副ブランクを作製し、これらを、フィ
ルムを真空ないし圧空成形する型内で組み立て、しかる
後、その内面の全面に真空成形ないし圧空成形、あるい
はその併用により成形して熱可塑性樹脂製フィルムを密
接着させるだけであり、フランジが重なる部分あるいは
つなぎ目などのない平滑な一体なものであることから、
シール蓋による充分な内容物の密封が可能である。
【0067】また、フランジと側面とからなる主ブラン
クと、底面と側面とからなる副ブランクとを成形型の中
に挿入するだけで簡単に組み立てることができ、組み立
てた形状で主ブランクの重合片と副ブランクの底面の一
部とが重なり合うことにより変形しにくく、強度のある
紙製容器となるという特徴がある。
【0068】さらに、組み立てた形状で主ブランクの主
ブランク側面に設けた重合片と副ブランクの副ブランク
側面の一部とを重ね合わせ、その内側になる重合片ある
いは副ブランク側面の一部に凹部あるいは抜き穴を設け
ることにより、この凹部あるいは抜き穴を通して内部保
護フィルム層と外側の重合片あるいは副ブランク側面と
が密接着し、より強度がある紙製容器となるという特徴
がある。
【0069】さらにまた、本発明の紙製容器は、紙を主
体とした容器であることから、容器として使用後、その
まま燃焼ゴミとして廃棄することができ、環境破壊等の
元凶にならないものである。本発明にかかる紙製容器
は、冷凍食品、惣菜等の包装用容器として、極めて有用
なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紙製容器の第一の実施の形態の一実施
例を示す斜視図である。
【図2】図1の一実施例を構成する紙製容器本体の概略
を示す斜視図である。
【図3】図1の実施例の主ブランクを示す展開図であ
る。
【図4】図1の一実施例の副ブランクを示す展開図であ
る。
【図5】本発明の紙製容器の第一の実施の形態の別の実
施例を示す斜視図である。
【図6】図5の実施例の副ブランクの例を示す展開図で
ある。
【図7】図5の実施例の別の副ブランクの例を示す展開
図である。
【図8】本発明の紙製容器の第一の実施の形態のさらに
別の実施例を示す斜視図である。
【図9】図8の実施例の副ブランクの例を示す展開図で
ある。
【図10】図8の実施例の別の副ブランクの例を示す展
開図である。
【図11】本発明の紙製容器の第二の実施の形態の一実
施例を示す斜視図である。
【図12】図11の実施例の主ブランクを示す展開図で
ある。
【図13】図11の実施例の副ブランクを示す展開図で
ある。
【図14】図11の実施例の別の副ブランクを示す展開
図である。
【図15】本発明の紙製容器の第二の実施の形態の別の
実施例を示す斜視図である。
【図16】図15の実施例の副ブランクを示す展開図で
ある。
【図17】本発明の紙製容器の第二の実施の形態のさら
に別の実施例の主ブランクを示す展開図である。
【図18】本発明の紙製容器の第二の実施の形態のさら
に別の実施例の副ブランクを示す展開図である。
【図19】本発明の紙製容器の第二の実施の形態のさら
に別の実施例の副ブランクを示す展開図である。
【図20】本発明の紙製容器の第三の実施の形態の一実
施例を示す斜視図である。
【図21】図20の実施例を構成する紙製容器本体の概
略を示す斜視図である。
【図22】図20の実施例の副ブランクを示す展開図で
ある。
【図23】図20の実施例の別の副ブランクを示す展開
図である。
【図24】本発明の紙製容器の第三の実施の形態の別の
実施例を示す斜視図である。
【図25】図24の実施例の副ブランクを示す展開図で
ある。
【図26】本発明の紙製容器の第三の実施の形態のさら
に別の実施例の副ブランクを示す展開図である。
【図27】本発明の紙製容器の補強片を設けた実施例の
主ブランクを示す展開図である。
【図28】本発明の紙製容器の構成する主ブランクと副
ブランクの組合せを示す展開図である。
【図29】本発明の紙製容器の構成する主ブランクと副
ブランクの別の組合せを示す展開図である。
【図30】本発明の紙製容器の一実施例を構成する半製
品である紙製容器本体を組み立てる状態の成形型の概略
を示す断面図である。
【図31】本発明の紙製容器の一実施例を構成する半製
品である紙製容器本体の内部に熱可塑性樹脂製フィルム
を密接着させる状態の成形型の概略を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
A 紙製容器 B 紙製容器 C 紙製容器 Aa〜d 紙製容器 Ba〜d 紙製容器 Ca〜d 紙製容器 1a〜d 紙製容器本体 2 内面保護フィルム層 3 フランジ(主ブランク) 3a 補強片(フランジ) 4 主ブランク側面 4a 重合片(主ブランク側面) 6aa 凹部 6ab 抜き穴 5 底面(副ブランク) 6 副ブランク側面 6a 凹部(副ブランク側面) 6b 抜き穴(副ブランク側面) 7 副ブランク側面 7a 凹部(副ブランク側面) 7b 抜き穴(副ブランク側面) 10 主ブランク 10a〜d主ブランク 20 主ブランク 20a〜d主ブランク 30 主ブランク 30a〜d主ブランク 11 副ブランク 11a〜d副ブランク 21 副ブランク 21a〜d副ブランク 22 副ブランク 22a〜d副ブランク 31 副ブランク 31a〜d副ブランク 32 副ブランク 32a〜d副ブランク a〜e 折れ線 100 成形型 101 成形機ベット 102 真空孔 103 熱可塑性樹脂製フィルム 104 クリップ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙を主材料とする、主ブランクと副ブラ
    ンクとで組み立てられた紙製容器本体と、該紙製容器本
    体の内面に密接着している熱可塑性樹脂製フィルムより
    なる内部保護フィルム層とにより形成された紙製容器で
    あって、 前記主ブランクが、枠状のフランジと該フランジの内側
    の辺に折れ線を介して連設した一対以上の対向する主ブ
    ランク側面とからなり、前記副ブランクが、底面と副ブ
    ランク側面と重合片とからなり、該重合片が組み立てた
    時に前記主ブランク側面と隣接する側辺に折れ線を介し
    て連設され、前記主ブランク側面の一部と重なり合わせ
    て組み立てられていることを特徴とする紙製容器。
  2. 【請求項2】 前記主ブランク側面において、前記重合
    片と重なり合う部分の一部に抜き孔を設け、前記重合片
    を前記主ブランク側面の外面で重ね合わせたことを特徴
    とする請求項1に記載の紙製容器。
  3. 【請求項3】 前記主ブランク側面において、前記重合
    片と重なり合う部分の一部に凹部を設け、前記重合片を
    前記主ブランク側面の外面で重ね合わせたことを特徴と
    する請求項1に記載の紙製容器。
  4. 【請求項4】 前記重合片に凹部を設け、前記主ブラン
    ク側面の内面で重ね合わせたことを特徴とする請求項1
    に記載の紙製容器。
  5. 【請求項5】 前記重合片に抜き穴を設け、前記主ブラ
    ンク側面の内面で重ね合わせたことを特徴とする請求項
    1に記載の紙製容器。
  6. 【請求項6】 前記主ブランクの前記枠状の前記フラン
    ジが多角形状であり、前記副ブランクの前記底面が多角
    形状であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか
    に記載の紙製容器。
  7. 【請求項7】 前記主ブランクの前記フランジの形状が
    八角形であり、前記フランジの内側の辺に折れ線を介し
    て一対の対向する前記主ブランク側面を連設し、前記副
    ブランクの前記底面の形状が八角形であり、前記底面に
    折れ線を介して三対の対向する前記副ブランク側面を連
    設していることを特徴とする請求項6に記載の紙製容
    器。
  8. 【請求項8】 前記主ブランクの前記フランジの形状が
    八角形であり、前記フランジの内側の辺に折れ線を介し
    て二対の対向する前記主ブランク側面を連設し、前記副
    ブランクの前記底面の形状が八角形であり、前記底面に
    折れ線を介して二対の対向する前記副ブランク側面を連
    設していることを特徴とする請求項6に記載の紙製容
    器。
  9. 【請求項9】 前記主ブランクの前記フランジの形状が
    八角形であり、前記フランジの内側の辺に折れ線を介し
    て一対の対向する前記主ブランク側面を連設し、前記副
    ブランクの前記底面の形状が八角形であり、前記底面に
    折れ線を介して一対の対向する前記副ブランク側面を連
    設し、該副ブランク側面の両側辺に折れ線を介して二対
    の対向する前記副ブランク側面を連設していることを特
    徴とする請求項6に記載の紙製容器。
  10. 【請求項10】 前記主ブランクの前記フランジの形状
    が四角形であり、前記フランジの内側の辺に折れ線を介
    して一対の対向する主ブランク側面を連設し、前記副ブ
    ランクの前記底面の形状が八角形であり、前記底面に折
    れ線を介して一対の対向する四角形の前記副ブランク側
    面と、二対の対向する三角形の前記副ブランク側面とを
    連設していることを特徴とする請求項6に記載の紙製容
    器。
  11. 【請求項11】 前記主ブランクの前記フランジの形状
    が四角形であって、前記フランジの内側の辺に折れ線を
    介して二対の対向する前記主ブランク側面を連設し、前
    記副ブランクの前記底面の形状が八角形であって、前記
    底面に折れ線を介して二対の対向する三角形の副ブラン
    ク側面とを連設していることを特徴とする請求項6に記
    載の紙製容器。
  12. 【請求項12】 前記主ブランクの前記フランジの形状
    が四角形であり、前記フランジの内側の辺に折れ線を介
    して一対の対向する前記主ブランク側面を連設し、前記
    副ブランクの前記底面の形状が八角形であり、前記底面
    に折れ線を介して一対の対向する四角形の前記副ブラン
    ク側面を連設し、該副ブランク側面の両側辺に折れ線を
    介して三角形の前記副ブランク側面を連設していること
    を特徴とする請求項6に記載の紙製容器。
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