JP2000281047A - 紙製容器およびその製造方法 - Google Patents

紙製容器およびその製造方法

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JP2000281047A
JP2000281047A JP11091917A JP9191799A JP2000281047A JP 2000281047 A JP2000281047 A JP 2000281047A JP 11091917 A JP11091917 A JP 11091917A JP 9191799 A JP9191799 A JP 9191799A JP 2000281047 A JP2000281047 A JP 2000281047A
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Kensaku Ami
健作 網
Yasutoyo Komiya
康豊 小宮
Yuji Sugiyama
有二 杉山
Yoshitaka Aoki
敬隆 青木
Hiroshi Furuta
拓 古田
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】主ブランクと副ブランクの二つのブランクを成
形型の中で組み立てることが容易で、組み立てた形状が
変形しにくく、かつ、フランジが、重なり部あるいはつ
なぎ目などのない平滑面であるため、シール蓋による充
分な密封が可能であり、また、紙を主材料とし、環境問
題に対応した紙製容器を提供する。 【解決手段】本発明は、紙を主材料とする、枠状のフラ
ンジと該フランジの外側の一辺に折れ線を介して連設し
た蓋面とからなる主ブランクと、底面と側面とからなる
副ブランクとで組み立てられた紙製容器本体と、該紙製
容器本体の内面に密接着している熱可塑性樹脂製フィル
ムよりなる内部保護フィルム層とからなることを特徴と
する紙製容器であり、主ブランクと、副ブランクとを真
空ないし圧空成形する成形型内に入れて該成形型内で半
製品である紙製容器本体を組み立て、加熱状態にある熱
可塑性樹脂製フィルムを真空ないし圧空、あるいはその
併用により成形して紙製容器本体の内面の全面に密接着
させることにより内部保護フィルム層を形成することを
特徴とする紙製容器の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙製容器およびその製
造方法に関するものであり、更に詳しくは、蓋面での密
封が可能な紙製容器およびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、トレー形状の容器としては、
紙製のもの、あるいはプラスチック製のものなど、種々
のものが実用化されているが、内容物が液体を含むもの
の場合、あるいは充分な密封性が必要な場合には、紙単
独で構成される紙製の容器あるいは内面に樹脂加工を施
した紙で組み立てられた容器は、充分な密封性を有して
いないため使用できない。充分な密封性を持たせるため
には、シール蓋で密封シールするための適切なフランジ
部分を備えていることが必要であり、これらの観点か
ら、プラスチックを成形したトレーにシール蓋で密封し
た形状のプラスチック容器が一般的である。また、紙あ
るいはプラスチックを単独材料として使用するのではな
く、紙とプラスチックとを複合した構成の材料を使用し
た容器が、特開平3−120034号公報、特開平8−
253237号公報などに開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
プラスチック製の容器においては、容器として使用後、
その廃棄に問題があり、現在、使用後のこれらの容器
は、回収して再利用を図るか、または燃焼処理するか、
あるいはそのまま廃棄する等の処理がなされているが、
いずれにしても、充分に満足し得る状態ではなく、その
使用量の削減などが求められている。また、容器の表面
の意匠性についても、印刷効果、および印刷の難易度の
点で、紙製の容器に比べて劣っている点が問題である。
【0004】また、紙とプラスチックとを複合した構成
の材料を使用した容器、例えば、特開平3−12003
4号公報、特開平8−253237号公報などに開示さ
れている容器についても、フランジにおいて、重なり部
あるいはつなぎ目などがあり、段差のない平滑で一体な
ものとなっていないため、シール蓋による充分な密封を
行うことができないという問題がある。また、容器のブ
ランクを成形型の中で組み立てることが容易でなく、組
み立てた形状が変形し易いという問題がある。さらに、
シール蓋が別の部材となっているため、容器のフランジ
に重ねることが容易でないなどの簡便性に欠けるという
問題がある。
【0005】本発明は、このような背景に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、紙を主材料と
し、プラスチックの比率の少ない材料構成からなる、環
境問題に対応した容器であり、また、紙製容器の紙製容
器本体を構成する二つのブランクを成形型の中で組み立
てることが容易で、組み立てた形状が変形しにくく、ま
た、フランジが、重なり部あるいはつなぎ目などのない
平滑な一体なものであることから、蓋面による充分な密
封が可能であり、さらにまた、紙製容器本体のフランジ
に折り畳み可能な蓋面を連設しており、蓋面を容易にフ
ランジに重ねることができる紙製容器を提供することで
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の発明
によって解決することができる。
【0007】請求項1に記載の発明は、紙を主材料とす
る、枠状のフランジと該フランジの外側の一辺に折れ線
を介して連設した蓋面とからなる主ブランクと、底面と
側面とからなる副ブランクとで組み立てられた紙製容器
本体と、該紙製容器本体の内面に密接着している熱可塑
性樹脂製フィルムよりなる内部保護フィルム層とからな
ることを特徴とする紙製容器である。
【0008】この発明によれば、紙製容器の紙製容器本
体を構成する二つのブランクを成形型の中で組み立てる
ことが容易で、組み立てた形状が変形しにくく、また、
フランジが、重なり部あるいはつなぎ目などのない平滑
な一体なものであることから、蓋面による充分な密封が
可能であり、また、紙製容器本体のフランジに折り畳み
可能な蓋面を連設しており、蓋面を容易にフランジに重
ねることができる紙製容器紙製容器を得ることができ
る。さらにまた、本発明の紙製容器は紙を主体とし、プ
ラスチックの比率の少ない材料構成からなり、使用後の
廃棄が燃焼ゴミとして廃棄することができる紙製容器を
得ることができる。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の紙製容器において、前記主ブランクの前記フランジが
多角形状であり、前記副ブランクの前記底面が多角形状
であることを特徴とするものである。
【0010】この発明によれば、前記請求項1に記載し
た発明の効果に加えて、主ブランクのフランジおよび副
ブランクの底面を多角形状にすることによって、形状が
安定したものとなるとともに、外観上も良好な紙製容器
を得ることができる。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の紙製容器において、前記副ブランクが、前記底
面と、該底面の各辺に折れ線を介して連設した前記側面
とからなることを特徴とするものである。
【0012】この発明によれば、前記請求項1又は2に
記載した発明の効果に加えて、副ブランクの底面に連設
した側面を容易に折り曲げ、紙製容器本体を形成するこ
とができる。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の紙製容器において、前記副ブランクが、前記底
面と、該底面に折れ線を介して連設した一対以上の対向
する側面とからなり、該側面の両側辺にさらに側面を連
設してなることを特徴とするものである。
【0014】この発明によれば、前記請求項1又は2に
記載した発明の効果に加えて、副ブランクの底面に連設
した側面を容易に折り曲げ、紙製容器本体を形成するこ
とができる。また、ブランクの作成における紙の取り都
合がよく、材料を経済的に使用することができる。
【0015】請求項5に記載の発明は、請求項2に記載
の紙製容器において、前記主ブランクは、前記フランジ
の形状が四角形であって、前記フランジの外側の一辺に
折れ線を介して連設した蓋面を連設してなり、また、前
記副ブランクは、該副ブランクの前記底面の形状が八角
形であって、前記底面に折れ線を介して二対の対向する
四角形の側面と、二対の対向する三角形の側面とを連設
してなることを特徴とするものである。
【0016】この発明によれば、前記請求項2に記載し
た発明の効果に加えて、底面を八角形状とすることによ
って、変形のない保形性のよい紙製容器となり、また、
使用時に内容物が取り出し易いという長所がある。
【0017】請求項6に記載の発明は、請求項2に記載
の紙製容器において、前記主ブランクは、前記フランジ
の形状が四角形であって、前記フランジの外側の一辺に
折れ線を介して連設した蓋面を連設してなり、また、前
記副ブランクは、該副ブランクの前記底面の形状が八角
形であって、前記底面に折れ線を介して二対の対向する
四角形の側面と、該側面の両側辺に折れ線を介して連設
した三角形の側面とを連設してなることを特徴とするも
のである。
【0018】この発明によれば、前記請求項2に記載し
た発明の効果に加えて、底面を八角形状とすることによ
って、変形のない保形性のよい紙製容器となり、また、
使用時に内容物が取り出し易いという長所がある。ま
た、ブランクの作成における紙の取り都合がよく、材料
を経済的に使用することができる。
【0019】請求項7に記載の発明は、紙を主材料とす
る、枠状のフランジと該フランジの外側の一辺に折れ線
を介して連設した蓋面とからなる主ブランクと、底面と
側面とからなる副ブランクとを真空ないし圧空成形する
成形型内に入れて該成形型内で半製品である紙製容器本
体を組み立て、加熱状態にある熱可塑性樹脂製フィルム
を真空ないし圧空、あるいはその併用により成形して紙
製容器本体の内面の全面に密接着させ内面保護フィルム
層を形成したことを特徴とする紙製容器の製造方法であ
る。
【0020】この発明によれば、紙製容器の紙製容器本
体を構成する主ブランクと副ブランクの二つのブランク
を成形型の中で組み立てることが容易で、組み立てた形
状が変形しにくく、極めて簡単な工程で容器を製造する
ことができ、また、紙製容器本体のフランジに折り畳み
可能な蓋面を連設しており、かつ、フランジが重なり部
あるいはつなぎ目などのない平滑な一体なものであるこ
とから、蓋面を容易にフランジに重ねることができ、か
つ、蓋面による充分な密封性を有する紙製容器を得るこ
とができる。
【0021】すなわち、本発明は、紙を主材料とする、
枠状のフランジと該フランジの外側の一辺に折れ線を介
して連設した蓋面とからなる主ブランクと、底面と側面
とからなる副ブランクとで組み立てられた紙製容器本体
と、該紙製容器本体の内面に加熱状態で真空ないし圧空
に吸引されて密接着している熱可塑性樹脂製フィルムよ
りなる内部保護フィルム層とからなることを特徴とする
紙製容器である。
【0022】また、本発明は、紙を主材料とする、枠状
のフランジと該フランジの外側の一辺に折れ線を介して
連設した蓋面とからなる主ブランクと、底面と側面とか
らなる副ブランクとを真空ないし圧空成形する成形型内
に入れて該成形型内で半製品である紙製容器本体を組み
立て、加熱状態にある熱可塑性樹脂製フィルムを真空な
いし圧空、あるいはその併用により成形して紙製容器本
体の内面の全面に密接着させ内部保護フィルム層を形成
することを特徴とする紙製容器の製造方法である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の紙製容器につい
て、形状、用いる材料、および製造方法など、発明の実
施の形態について図面を参照にして説明するが、幾つか
の図面に渡って同一または同様な部分には同一の符号を
付けている。
【0024】図1は、本発明の紙製容器の第一の実施の
形態で主ブランクのフランジが四角形状で副ブランクの
底面も四角形状ある場合の例を示す斜視図であり、本発
明にかかる紙製容器Aは、重なり部あるいはつなぎ目の
ない平滑な一体であるフランジ3、側面6、6、7、
7、底面5および蓋面4を有する紙製容器本体1を主構
成要素とし、さらに紙製容器本体1の内面に熱可塑性樹
脂製フィルムを密接着した内面保護フィルム層2との構
成からなるものである。すなわち、本発明にかかる紙製
容器Aは、図2に示すように、紙を主材料とする、四角
形状のフランジ3と蓋面4とからなる主ブランク10
と、底面5と側面6、6、7、7とからなる副ブランク
20とで紙製容器本体1が組み立てられ、その底面5、
各側面6、6、7、7およびフランジ3を熱可塑性樹脂
からなる熱可塑性樹脂製フィルムで密接着することによ
る内面保護フィルム層2を設けることにより容器を構成
するものである。
【0025】図3は、紙製容器本体1を組み立てるため
の主ブランク10の展開図であり、図4は副ブランク2
0の展開図である。これらのブランクは、板紙を主材料
としているため、表面に印刷を容易に施せると共に印刷
の効果も良い。
【0026】図3の主ブランク10では、重なり部ある
いはつなぎ目のない一体となっている四角形状のフラン
ジ3の外側の一辺に、折れ線aを介して、折り曲げ可能
な蓋面4を連設している。この折れ線aは、蓋面4が折
り曲げ易いように、ミシン目あるいは半切れが好まし
い。蓋面4の形状は、フランジ3の外周と同形とするこ
とが好ましい。
【0027】図4の副ブランク20は、底面5とこの底
面5の各辺に連設した側面6、6、7、7とからなって
いる。つまり、この底面5の一対の対向する辺に折れ線
bを介して、折り曲げ可能な側面6、6を連設し、別の
一対の対向する辺に折れ線cを介して、折り曲げ可能な
側面7、7を連設している。この側面としては、底面が
四角形の場合には、二対の対向する側面となるが、四角
形以上の多角形の場合には、側面の数は増えて二対以上
になる。この折れ線b、cは、側面6、6、7、7が折
り曲げ易いように、ミシン目あるいは半切れが好まし
い。この側面6、6、7、7は、の形状は、四角形と
し、主に上方に拡がる台形とすることにより、組み立て
た後にテーパーのついたトレー形状となる。
【0028】図5は、本発明の紙製容器の第二の実施の
形態で主ブランクのフランジが八角形状で副ブランクの
底面も八角形状ある場合の例を示す斜視図であり、本発
明にかかる紙製容器Bは、紙を主材料とする、八角形状
のフランジ3と蓋面4とからなる主ブランク30と、底
面6と四対の対向した側面6、6、7、7、8、8、
8、8とからなる副ブランク40あるいは副ブランク5
0とで紙製容器本体1が組み立てられ、その底面5、各
側面6、6、7、7、8、8、8、8およびフランジ3
を熱可塑性樹脂製フィルムで密接着することによる内面
保護フィルム層2を設けることにより容器を構成するも
のである。
【0029】図6は、本発明にかかる紙製容器Bの紙製
容器本体1を組み立てるための主ブランク30の展開図
であり、図7は副ブランク40の展開図であり、図8は
別の副ブランク50の展開図である。これらのブランク
は、板紙を主材料としているため、表面に印刷を容易に
施せると共に印刷の効果も良い。
【0030】図6の主ブランク30では、重なり部ある
いはつなぎ目のない一体となっている八角形状のフラン
ジ3の外側の一辺に折れ線aを介して折り曲げ可能な蓋
面4を連設している。この折れ線aは、蓋面4が折り曲
げ易いように、ミシン目あるいは半切れが好ましい。
【0031】図7の副ブランク40は、底面5と側面
6、6、7、7、8、8、8、8とからなっている。つ
まり、この底面5の一対の対向する辺に、折れ線bを介
して、折り曲げ可能な一対の対向する側面6、6と、別
の一対の対向する辺に、折れ線cを介して、折り曲げ可
能な側面7、7を連設し、さらに別の二対の対向する辺
に、折れ線dを介して、折り曲げ可能な側面8、8、
8、8を連設している。この折れ線b、c、dは、側面
6、6、7、7、8、8、8、8が折り曲げ易いよう
に、ミシン目あるいは半切れが好ましい。この側面6、
6、7、7、8、8、8、8の形状は、四角形とし、主
に上方に拡がる台形とすることにより、組み立てた後に
テーパーのついたトレー形状となる。
【0032】図8は、本発明にかかる紙製容器Bにおい
て、主ブランク30に対応する副ブランクとして、上記
の副ブランク40とは異なった形状の副ブランク50を
示している。副ブランク50は、底面5と側面6、6、
7、7、8、8、8、8とからなっている。つまり、こ
の底面5の一対の対向する辺に、折れ線bを介して、折
り曲げ可能な側面6、6と、別の一対の対向する辺に、
折れ線cを介して、折り曲げ可能な側面7、7を連設
し、その側面6、6の両側辺に折れ線dを介して二対の
側面8、8、8、8を連設している。この折れ線b、
c、dは、側面6、6、7、7、8、8、8、8が折り
曲げ易いように、ミシン目あるいは半切れが好ましい。
この側面6、6、7、7、8、8、8、8の形状は、四
角形とし、主に上方に拡がる台形とすることにより、組
み立てた後にテーパーのついたトレー形状となる。
【0033】以上、第一の実施の形態および第二の実施
の形態の主ブランクのフランジの形状および副ブランク
の底面が、四角形状である場合、八角形状である場合に
ついて具体的に説明したが、三角形以上で、例えば、五
角形、六角形、十角形等のいずれの形状でもよい。
【0034】また、図9に示すように、主ブランク1
0、30のフランジ3の縦、横(長辺、短辺)のいずれ
の辺に蓋面4を連設してもよい。例えば、長方形の場合
には、図9−aに示すように、主ブランク10と副ブラ
ンク20との組合せは、主ブランク10のフランジ3の
長辺に蓋面4を連設したが、図9−bに示すように、主
ブランク10のフランジ3の短辺に蓋面4を連設しても
よい。
【0035】図10は、本発明の紙製容器の第三の実施
の形態で主ブランクのフランジが四角形状で副ブランク
の底面が八角形状である場合の例を示す斜視図であり、
本発明にかかる紙製容器Cは、図11に示すように、紙
を主材料とする、四角形状のフランジ3と蓋面4とから
なる主ブランク60と、底面5と二対の対向した側面
6、6、7、7と、二対の三角形の側面8、8、8、8
とからなる副ブランク70とで紙製容器本体1が組み立
てられ、この二対の側面8、8、8、8の部分が三角形
となっている。その底面5、各側面6、6、7、7、
8、8、8、8およびフランジ3を熱可塑性樹脂製フィ
ルムで密接着することによる内面保護フィルム層2を設
けることにより容器を構成するものである。
【0036】本発明にかかる紙製容器Cの紙製容器本体
1を組み立てるための主ブランク60の展開図は図3の
主ブランク10の展開図と同様であり、図12は副ブラ
ンク70の展開図であり、図13は別の副ブランク80
の展開図である。これらのブランクは、板紙を主材料と
しているため、表面に印刷を容易に施せると共に印刷の
効果も良い。
【0037】図12の副ブランク70は、底面5と側面
6、6、7、7、8、8、8、8とからなっている。つ
まり、この底面5の一対の対向する辺に、折れ線bを介
して、折り曲げ可能な側面6、6と、別の一対の対向す
る辺に、折れ線cを介して、折り曲げ可能な側面7、7
を連設し、さらに別の二対の対向する辺に、折れ線dを
介して、折り曲げ可能な側面8、8、8、8を連設して
いる。この側面6、6、7、7の形状は、四角形とし、
主に上方に拡がる台形とするが、二対の側面8、8、
8、8の形状は、三角形としている。この折れ線b、c
は、側面6、6、7、7、8、8、8、8が折り曲げ易
いように、ミシン目あるいは半切れが好ましい。
【0038】図13は、本発明にかかる紙製容器Cにお
いて、主ブランク60に対応する副ブランクとして、上
記の副ブランク70とは異なった形状の副ブランク80
を示している。副ブランク80は、底面5と側面6、
6、7、7、8、8、8、8とからなっている。つま
り、この底面5の一対の対向する辺に、折れ線bを介し
て、折り曲げ可能な側面6、6と、別の一対の対向する
辺に、折れ線cを介して、折り曲げ可能な側面7、7を
連設し、その側面6、6の両側辺に折れ線dを介して二
対の側面8、8、8、8を連設している。この側面6、
6、7、7の形状は、四角形とし、主に上方に拡がる台
形とするが、二対の側面8、8、8、8の形状は、三角
形としている。この折れ線b、c、dは、側面6、6、
7、7、8、8、8、8が折り曲げ易いように、ミシン
目あるいは半切れが好ましい。
【0039】本発明の紙製容器は、フランジ3に蓋面4
を連設しており、中に内容物を収納後、容易に蓋面4を
フランジ3に熱シールすることができる密封性の高い紙
製容器であるが、フランジ3に別部材であるプラスチッ
クフィルムなどからなるシール蓋を熱シールし、その上
に蓋面4をシールすることもできる。この場合には、プ
ラスチックフィルムのシール蓋で完全密封を行い、蓋面
4は弱シールなどとし、易開封性とするか、あるいはシ
ールを行わずに被せ蓋の形状とすることができる。この
形態では、板紙からなる蓋面4がプラスチックフィルム
からなるシール蓋を保護する役目を持つ。
【0040】つぎに、本発明にかかる紙製容器の製造方
法について説明する。この説明では主に紙製容器Aにつ
いて具体的に説明するが、他の実施の形態でも同様に製
造することができる。
【0041】図14は、上記のブランクを真空ないし圧
空成形する成形型内に入れて該成形型内で紙製容器を構
成する半製品を組み立てる状態の成形型の概略を示す断
面図であり、図15は、上記の半製品の内部に熱可塑性
樹脂製フィルムを密接着させる状態の成形型の概略を示
す断面図である。
【0042】本発明においては、まず、図3および図4
にその一例を示すように、フランジ3と蓋面4とからな
る主ブランク10と、フランジ3を含まない底面5と側
面6、6、7、7とからなる副ブランク20とを製造す
る。
【0043】次に、図14に示すように、上記で製造し
たブランク10およびブランク20を真空ないし圧空成
形する成形型100内に入れて該成形型100内でトレ
ー状に組み立てる。なお、図において、101は、成形
機ベットを示し、102は、吸引する真空孔を示し、1
03は、熱可塑性樹脂製フィルムを示し、104は、そ
れをクリップするクランプを示している。
【0044】成形型100内で、紙製容器本体1を組み
立てるには、まず、主ブランク10を挿入し、フランジ
3および蓋面4を成形型100にしっかり固定する。つ
ぎに、副ブランク20を側面6、6、7、7を折り曲げ
て、底面5を成形型100の底面まで挿入する。副ブラ
ンク20が挿入されることによって、2つのブランクに
よる紙製容器本体1が成形型100内で容易に組み立て
られる。この組み立ての際に、成形型100内に副ブラ
ンク20を押し込む際に、上方からプラグを押し込むこ
とにより、容易に成形型100内で紙製容器本体1を組
み立てることができる。
【0045】而して、上記で製造した紙製容器本体1で
は、重なり部あるいはつなぎ目のない一体となっている
フランジ3が形成される。また、ブランク20の側面
6、6、7、7が、底面5から起立した形状となり、容
器を構成する隅部において、側面6、6、7、7の端部
同志が接した状態で隣接していることが好ましい。
【0046】次に、本発明においては、図15に示すよ
うに、成形機ベット101の真空孔102より空気を吸
引しながら、クランプ104でクリップしている加熱状
態にある熱可塑性樹脂製フィルム103を、そのクラン
プ104を下げて成形型100に接触させ、更に吸引を
継続しながら上記の紙製容器本体1の内部に加熱状態に
ある熱可塑性樹脂フィルム103を密接着させる。な
お、前記真空成形、または真空圧空成形の際には、プラ
グアシスト装置を併用して、軟化した熱可塑性樹脂フィ
ルム103を紙製容器本体1の中に押し込むことができ
る。このような方法を採ることにより、紙製容器本体1
の内面に形成される内面保護フィルム層2の厚さムラを
少なくすることができ、紙製容器Aの品質を向上させる
ことができる。上記で密接着が終了した後、吸引を解い
て、さらに熱可塑性樹脂製フィルム103を切断して、
紙製容器本体1の内面に内面保護フィルム層2を有する
本発明にかかる紙製容器Aを製造することができる。紙
製容器B、Cについても、紙製容器Aと同様にして、製
造することができる。
【0047】上記の本発明において、ブランクを構成す
る紙材料としては、例えば、坪量150ないし600g
/m2 程度の各種の板紙、加工紙等を使用することがで
きる。
【0048】また、上記の本発明において、内面保護フ
ィルム層2を形成する熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹
脂製フィルム103としては、耐水性、密封性、そして
熱融着性を有する熱可塑性樹脂からなるフィルムであれ
ばよく、例えば、各種のポリエチレン(PE)、ポリプ
ロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレ
フタレ−ト(PET)、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、アイオノマ−、エチレン−アクリル酸共重合体、ポ
リアミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリカ−ボネ−ト、
ポリブテン、ポリビニルアルコ−ル、その他等の各種の
熱可塑性樹脂のフィルムを単独ないしラミネ−トして使
用することができる。特に、容器にガスバリヤー性を付
与したい場合には、例えば、中間層にエチレン−ビニル
アルコール共重合体(EVOH)などのガスバリヤー性
材料を積層した積層シート、具体的には、PE/EVO
H/PE、PP/EVOH/PE、A(アモルファス)
・PET/EVOH/PEなどの層構成の積層シートを
用いることができる。
【0049】これらの熱可塑性樹脂製フィルム103の
厚さは、30〜250μmの範囲とし、フィルム自体の
成形性、および成形する容器の容量、深絞りの比率(深
さ/口径)などにより、適宜決定するが、好ましくは5
0〜100μmの範囲とする。ただ、容器の強度は、主
に外側の紙製容器本体1で付与されるため、プラスチッ
ク単独の成形容器の場合よりは、厚さを極端に薄くする
ことができる。環境対応の観点から、プラスチックの構
成比率を少なくするために、必要最小限の厚さとするこ
とが好ましいが、薄すぎた場合には、バリアー性が劣る
こと、ピンホールが発生しやすくなるなどの問題がある
ので、フィルムの種類、容器のサイズなどを勘案して適
宜設定する必要がある。
【0050】なお、本発明の紙製容器において、半製品
である紙製容器本体1の内面に熱可塑性樹脂製フィルム
103を密接着させる場合、フィルム自身が加熱状態で
接着させるが、熱可塑性樹脂製フィルム103の材質に
よっては、紙製容器本体1との接着強度が不充分な場合
がある。このような場合には、例えば、熱可塑性樹脂製
フィルム103に、あらかじめヒートシール剤やホット
メルト材などの熱接着性樹脂を塗布したり、あるいは、
熱接着性樹脂を押し出しコートして接着層を設けておく
ことができる。また、接着層を塗布する場合は、紙製容
器本体1側に設けてもよく、ただ、このような接着層を
設ける場合は、接着層の材質の選定と厚さの調整を行う
ことが必要である。
【0051】
【実施例】次に本発明について具体的な実施例を挙げて
更に詳しく説明する。〔実施例1〕坪量270g/m2
の板紙を使用して、図3に示すように、フランジの形状
が四角形状でフランジの外側の一辺に蓋面を連設した主
ブランク、および図4に示すように、底面の形状が四角
形で各辺に側面を連設した副ブランクを製造した。これ
を図14に示すような真空成形機の成形型内に入れて、
上記の主ブランク、副ブランクを該型内で組み立てて紙
製容器を構成する半製品の紙製容器本体を得た。そし
て、真空成形機のクランプに厚さ50μmの熱可塑性樹
脂製フィルム(PEフィルム30μmにEVA20μm
を押し出しコーティングしたフィルム)をクリップし、
これを100℃近くまで加熱した。次いで、この熱可塑
性樹脂製フィルムをクリップしているクランプを真空成
形機の成形型に近づけて、紙製容器本体の上部に接触さ
せて、金形型内にある真空孔から吸引しつつ、加熱状態
にある熱可塑性樹脂製フィルムを半製品の内部に入れて
その内面の全面に密接着させた。熱可塑性樹脂製フィル
ムが密接着した後、吸引を解いて、更に熱可塑性樹脂製
フィルムを切断して、図1に示すような底面が四角形の
紙製容器Aを得た。上記で得た紙製容器Aの中に内容物
を充填し、蓋面をフランジに熱シールすることによっ
て、充分な密封性を有する製品を得ることができた。ま
た、使用後は、燃焼ゴミとして廃棄することができた。
【0052】〔実施例2〕坪量270g/m2 の板紙を
使用して、図6に示すように、フランジの内周の形状が
八角形でフランジの外側の一辺に蓋面を連設した主ブラ
ンク、および図7に示すように、底面の形状が八角形で
各辺に側面を連設した副ブランクを製造した。これを実
施例1と同様に、図14に示すような真空成形機の成形
型内に入れて、上記の主ブランク、副ブランクを該型内
で組み立てて紙製容器を構成する半製品の紙製容器本体
を得た。そして、実施例1と同様に、厚さ50μmの熱
可塑性樹脂製フィルム(PEフィルム30μmにEVA
20μmを押し出しコーティングしたフィルム)を半製
品の紙製容器本体内部に入れてその内面の全面に密接着
させた。熱可塑性樹脂製フィルムが密接着した後、吸引
を解いて、更に熱可塑性樹脂製フィルムを切断して、図
5に示すような底面が八角形の紙製容器Bを得た。上記
で得た紙製容器Bの中に内容物を充填し、蓋面をフラン
ジに熱シールすることによって、充分な密封性を有する
製品を得ることができた。また、使用後は、燃焼ゴミと
して廃棄することができた。
【0053】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明
は、紙を主材料とする、枠状のフランジと該フランジの
外側の一辺に折れ線を介して連設した蓋面と前記フラン
ジの内側に折れ線を介して連設した一対の対向する側面
とからなる主ブランクと、底面と側面とからなる副ブラ
ンクとを製造し、これを真空ないし圧空成形する成形型
内に入れて該型内で組み立てて紙製容器を構成する半製
品である紙製容器本体を組み立てて、その紙製容器本体
を構成する底面と側面とフランジと蓋面とを加熱状態に
ある熱可塑性樹脂製フィルムを密接着させてそれらを固
定することによって紙製容器を製造するものである。従
って、本発明は、従来のようにシール蓋によるシールの
密封性が不充分であるという問題点を改良し、その製造
工程を全く変えたものである。すなわち、板紙を主材料
とする主ブランクと副ブランクを作製し、これらを、フ
ィルムを真空ないし圧空成形する型内で組み立て、しか
る後、その内面の全面に真空成形ないし圧空成形、ある
いはその併用により成形して熱可塑性樹脂製フィルムを
密接着させるだけである。
【0054】すなわち、紙製容器の紙製容器本体を構成
する二つのブランクを成形型の中で組み立てることが容
易で、組み立てた形状が変形しにくく、また、フランジ
が、重なり部あるいはつなぎ目などのない平滑な一体な
ものであることから、蓋面による充分な密封が可能であ
る。また、紙製容器本体のフランジに折り畳み可能な蓋
面を連設しており、蓋面を容易にフランジに重ねること
ができる紙製容器紙製容器を得ることができる。さら
に、本発明の紙製容器は、紙を主体とした容器であるこ
とから、容器として使用後、そのまま燃焼ゴミとして廃
棄することができ、環境破壊等の元凶にならないもので
ある。本発明にかかる紙製容器は、冷凍食品、惣菜等の
包装用容器として、極めて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紙製容器の実施の形態の一実施例を示
す斜視図である。
【図2】図1の一実施例を構成する紙製容器本体の概略
を示す斜視図である。
【図3】図1の一実施例の主ブランクを示す展開図であ
る。
【図4】図1の一実施例の副ブランクを示す展開図であ
る。
【図5】本発明の紙製容器の別の実施の形態の一実施例
を示す斜視図である。
【図6】図1の一実施例の主ブランクを示す展開図であ
る。
【図7】図1の一実施例の副ブランクを示す展開図であ
る。
【図8】図1の一実施例の別の副ブランクを示す展開図
である。
【図9】本発明の紙製容器の構成する主ブランクと副ブ
ランクの組合せを示す展開図である。
【図10】本発明の紙製容器のさらに別の実施の形態の
一実施例を示す斜視図である。
【図11】図10の一実施例の主ブランクを示す展開図
である。
【図12】図10の一実施例の副ブランクを示す展開図
である。
【図13】図10の一実施例の別の副ブランクを示す展
開図である。
【図14】本発明の紙製容器の一実施例を構成する半製
品である紙製容器本体を組み立てる状態の成形型の概略
を示す断面図である。
【図15】本発明の紙製容器の一実施例を構成する半製
品である紙製容器本体の内部に熱可塑性樹脂製フィルム
を密接着させる状態の成形型の概略を示す断面図であ
る。
【符号の説明】 A 紙製容器 B 紙製容器 C 紙製容器 1 紙製容器本体 2 内面保護フィルム層 3 フランジ 4 蓋面 5 底面 6 側面 7 側面 8 側面 10 主ブランク 20 副ブランク 30 主ブランク 40 副ブランク 50 副ブランク 60 主ブランク 70 副ブランク 80 副ブランク a 折れ線 b 折れ線 c 折れ線 d 折れ線 100 成形型 101 成形機ベット 102 真空孔 103 熱可塑性樹脂製フィルム 104 クリップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉山 有二 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 青木 敬隆 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 古田 拓 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 3E060 AA07 AB32 BA02 BC04 DA06 DA17 DA18 DA26 EA06 EA13 3E062 AA03 AB14 AC02 AC05 AC07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙を主材料とする、枠状のフランジと該
    フランジの外側の一辺に折れ線を介して連設した蓋面と
    からなる主ブランクと、底面と側面とからなる副ブラン
    クとで組み立てられた紙製容器本体と、該紙製容器本体
    の内面に密接着している熱可塑性樹脂製フィルムよりな
    る内部保護フィルム層とからなることを特徴とする紙製
    容器。
  2. 【請求項2】 前記主ブランクの前記フランジが多角形
    状であり、前記副ブランクの前記底面が多角形状である
    ことを特徴とする請求項1に記載の紙製容器。
  3. 【請求項3】 前記副ブランクが、前記底面と、該底面
    の各辺に折れ線を介して連設した前記側面とからなるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の紙製容器。
  4. 【請求項4】 前記副ブランクが、前記底面と、該底面
    に折れ線を介して連設した一対以上の対向する側面とか
    らなり、該側面の両側辺にさらに側面を連設してなるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の紙製容器。
  5. 【請求項5】 前記主ブランクは、前記フランジの形状
    が四角形であって、前記フランジの外側の一辺に折れ線
    を介して蓋面を連設してなり、また、前記副ブランク
    は、該副ブランクの前記底面の形状が八角形であって、
    前記底面に折れ線を介して二対の対向する四角形の側面
    と、二対の対向する三角形の側面とを連設してなること
    を特徴とする請求項2に記載の紙製容器。
  6. 【請求項6】 前記主ブランクは、前記フランジの形状
    が四角形であって、前記フランジの外側の一辺に折れ線
    を介して連設した蓋面を連設してなり、また、前記副ブ
    ランクは、該副ブランクの前記底面の形状が八角形であ
    って、前記底面に折れ線を介して二対の対向する四角形
    の側面と、該側面の両側辺に折れ線を介して連設した三
    角形の側面とを連設してなることを特徴とする請求項2
    に記載の紙製容器。
  7. 【請求項7】 紙を主材料とする、多角形状のフランジ
    と該フランジの外側の一辺に折れ線を介して連設した蓋
    面とからなる主ブランクと、多角形状の底面と側面とか
    らなる副ブランクとを真空ないし圧空成形する成形型内
    に入れて該成形型内で半製品である紙製容器本体を組み
    立て、加熱状態にある熱可塑性樹脂製フィルムを真空な
    いし圧空、あるいはその併用により成形して紙製容器本
    体の内面の全面に密接着させ内面保護フィルム層を形成
    したことを特徴とする紙製容器の製造方法。
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