JP2001270260A - 直描型平版印刷版 - Google Patents

直描型平版印刷版

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JP2001270260A
JP2001270260A JP2000132282A JP2000132282A JP2001270260A JP 2001270260 A JP2001270260 A JP 2001270260A JP 2000132282 A JP2000132282 A JP 2000132282A JP 2000132282 A JP2000132282 A JP 2000132282A JP 2001270260 A JP2001270260 A JP 2001270260A
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Koichi Kawamura
浩一 川村
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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    • B41C1/10Forme preparation for lithographic printing; Master sheets for transferring a lithographic image to the forme
    • B41C1/1066Forme preparation for lithographic printing; Master sheets for transferring a lithographic image to the forme by spraying with powders, by using a nozzle, e.g. an ink jet system, by fusing a previously coated powder, e.g. with a laser
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    • Y10T428/24802Discontinuous or differential coating, impregnation or bond [e.g., artwork, printing, retouched photograph, etc.]

Abstract

(57)【要約】 【課題】 オフセット印刷版として汚れ性が著しく改善
され、全面一様な地汚れはもちろん、点状の地汚れも発
生させず、また、画像の欠落・歪み等のない鮮明な画像
の印刷物を多数枚印刷可能とする平版印刷版を与える直
描型平版印刷版を提供する。 【解決手段】 支持体上に、支持体表面と直接化学的に
結合し、かつ親水性官能基を有する高分子化合物からな
る親水性である画像受理層を有することを特徴とし、ま
た画像受理層中の高分子化合物として金属イオンとキレ
ート形成しうる親水性官能基を有する高分子化合物を用
いることもできる。詳細には、該高分子化合物が高分子
鎖の末端で直接化学的に支持体表面に結合されている
か、または支持体表面に化学的に結合されている幹高分
子化合物と該幹高分子化合物に高分子鎖の末端で結合さ
れているものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直描型平版印刷版
に関し、更に詳しくは、地汚れのない鮮明な画像の印刷
物を多数枚印刷可能とする簡便な平版印刷版を与える直
描型平版印刷版に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の事務機器の発達とOA化の発展に
伴い、印刷分野において、直描型平版印刷版に電子写真
式プリンター、感熱転写プリンター、インクジェットプ
リンター等の種々の方法で製版(即ち画像形成)を行
い、印刷版とするための特定の処理をすることなく直接
に印刷版を作成するオフセット平版印刷方式が望まれて
いる。
【0003】従来の直描型平版印刷版は、紙等の支持体
の両面に裏面層及び中間層を介して画像受理層となる表
面層が設けられている。裏面層または中間層はPVAや
澱粉等の水溶性樹脂及び合成樹脂エマルジョン等の水分
散性樹脂と顔料で構成されている。画像受理層は通常、
無機顔料、水溶性樹脂及び耐水化剤で構成される。
【0004】しかしながら、この様にして得られた従来
の平版印刷版は、印刷耐久性を向上するために耐水化剤
の添加量を多くしたり疎水性樹脂を使用したりして疎水
性を増大させると、耐刷性は向上するが親水性が低下し
て印刷汚れが発生し、他方親水性を良くすると耐水性が
劣化し耐刷性が低下するという問題があった。特に30
℃以上の高温での使用環境下では、オフセット印刷に使
用する湿し水に表面層が溶解し、耐刷性の低下及び印刷
汚れの発生など欠点があった。更に、直描型平版印刷版
の場合、油性インキ等を画像部として画像受理層に描画
するものであり、直描型平版印刷版の受理層と油性イン
キの接着性が良くなければ、たとえ非画像部の親水性が
充分で上記の如き印刷汚れが発生しなくても、印刷時に
画像部の油性インキが欠落してしまい、結果として耐刷
性が低下してしまうという問題が未だ充分に解決される
所まで至っていない。
【0005】他方、画像受理層として酸化チタンとポリ
ビニルアルコールそして加水分解したテトラメトキシシ
ラン(又はテトラアルコキシシラン)を含有する親水層
から成る版(例えば特開平3−42679号公報、特開
平10−268583号公報等)が挙げられる。しか
し、実際に製版して印刷版として印刷してみると、画像
の耐刷性が不充分であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記のような
従来の直描型平版印刷版の有する前記した問題点を解決
するものである。従って、本発明の目的は、オフセット
印刷版として汚れ性が著しく改善され、全面一様な地汚
れはもちろん、点状の地汚れも発生させない優れた直描
型平版印刷版を提供することである。本発明の他の目的
は、画像の欠落・歪み等のない鮮明な画像の印刷物を多
数枚印刷可能とする平版印刷版を与える直描型平版印刷
版を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく、鋭意検討した結果、化学的に結合しう
る官能基やラジカルなどの活性種を発生しうる支持体基
板の表面にグラフトした親水性ポリマーを使用するこ
と;前記親水性グラフトポリマーを疎水性に変化させ
る技術として、油性インクあるいはトナーを用いるか、
好ましくは多価の金属イオンとキレートを形成しうる親
水性官能基を有する親水性グラフトポリマーを使用する
ことを特徴とした画像受理層を用いることにより、問題
を解決できることを見出し、本発明に到達した。すなわ
ち、本発明は以下の通りである。 (1)支持体上に、支持体表面と直接化学的に結合し、
かつ親水性官能基を有する高分子化合物からなる親水性
である画像受理層を有することを特徴とする直描型平版
印刷版。 (2)前記画像受理層中の高分子化合物が、金属イオン
とキレート形成しうる親水性官能基を有する高分子化合
物であることを特徴とする前記(1)に記載の直描型平
版印刷版。 (3)前記画像受理層が親水性官能基を有する高分子化
合物からなり、かつ該高分子化合物が高分子鎖の末端で
直接化学的に支持体表面に結合されている親水性官能基
を有する直鎖状高分子化合物であるか、または支持体表
面に化学的に結合されている幹高分子化合物と該幹高分
子化合物に高分子鎖の末端で結合されている親水性官能
基を有する直鎖状高分子化合物とからなる高分子化合物
であることを特徴とする前記(1)に記載の直描型平版
印刷版。
【0008】従来から画像受理層の親水性を上げるため
には画像受理層中の保水量を高めれば良いことが分かっ
ている。しかし、従来の画像受理層では保水量を高めよ
うとすると、膜の膨潤性が大きくなり膜の構造が弱くな
り膜強度が低下する、もしくは支持体と画像受理層との
密着性が悪くなることが問題であった。親水性官能基を
有する高分子化合物が支持体表面に直接化学的に結合し
た画像受理層として、本発明の特徴である表面親水性グ
ラフトポリマーの形態を採用した場合、該ポリマー鎖は
支持体表画に結合した以外は束縛のない構造をしてお
り、水が入り込みやすく保水量が大きい特徴を有する。
実際、文献などでは表面親水性グラフトポリマーは水を
多く吸収し大きく膨潤することが報告されている。また
一方、表面親水性グラフトポリマーはポリマー鎖が支持
体表画に直接化学結合にて結合しているため膨潤しても
支持体との密着性が悪くなることは無い。このようにし
て、従来の技術ではトレードオフの関係にあった保水性
と密着性の関係を解決することにより本発明の効果が発
揮されたものと考えられる、
【0009】上記直描型平版印刷版に、油性インキ、電
子写真式プリンター、感熱転写プリンター、インクジェ
ットプリンター等の種々の方法で直接に画像形成を行
い、画像部がインク受容領域を形成し、非画像部の画像
受理層表面がインクを受容しない平版印刷画面が形成さ
れ、直接に印刷面を構成させることができる。
【0010】また、本発明の直描型平版印刷版は前記親
水性官能基を有する高分子化合物として、金属イオンと
キレート形成しうる親水性官能基を有する親水性グラフ
トポリマーを含有した画像受理層を設けることが好まし
い。この場合、該画像受理層の表面に、インクジェット
プリンター等を用いて、金属イオンを含有する組成物を
画像様に供給することにより、前記親水性グラフトポリ
マーが多価の金属イオンとキレートを形成し、このキレ
ート形成部表面が硬化し、疎水性ポリマーの画像パター
ンが形成され平版印刷版が作製される。疎水性に変化し
た部分は金属と強固な配位結合を形成しているため、従
来型の親水性表面に疎水性の粒子を融着させたインクジ
ェット刷版に比較して画像部が強固であり、耐刷性に優
れる。また、本発明の直描型平版印刷版の画像受理層
は、前記のように支持体表面に直接化学結合により結合
された親水性ポリマーを使用しているために非画像部は
親水性のレベルが高く、汚れのない印刷物が得られる。
【0011】上記のように、本発明の直描型平版印刷版
は油性インキ、電子写真式プリンター、感熱転写プリン
ター、通常のインクジェットプリンターまたは金属イオ
ンを含有したインクを用いたインクジェットプリンター
等の方法で直接に画像形成を行い、画像部がインク受容
領域を形成し、非画像部の画像受理層表面がインクを受
容しない平版印刷画面が形成され、直接に印刷面を構成
させることができる。従って、本発明の直描型平版印刷
版は、画像受理層に画像形成後直ちに印刷版として印刷
機に装着して印刷することが可能である。また、オフセ
ット印刷版として全面一様な地汚れはもちろん、点状の
地汚れも発生せず、画像の欠落・歪み等のない鮮明な画
像の印刷物を多数枚印刷可能とする耐刷性の優れた平版
印刷版を得ることができる。さらに本発明の平版印刷版
用原版は高分子化合物が直接化学結合している支持体表
面(固体表面)が粗面化されていることが好ましい。後
述のように固体表面に凹凸を付与することにより、非画
像部領域の親水性が高く、疎水性/親水性のディスクリ
ミネーションの程度が増強され、印刷時の汚れ性に優れ
るという特長を有する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。 〔直描型平版印刷版の画像受理層(親水性層)の説明〕
本発明の直描型平版印刷版の特徴である、支持体表面と
直接化学的に結合しかつ親水性官能基を有する高分子化
合物を含有する画像受理層(表面グラフト層ともいう)
の構成としては、特に限定されないが、具体的には、親
水性官能基を有する高分子鎖、好ましくは金属イオンと
キレート形成しうる親水性官能基を有する高分子鎖の末
端が直接化学的に支持体表面に結合された画像受理層、
又は支持体表面に化学的に結合されている幹高分子化合
物と該幹高分子化合物に前記高分子鎖の末端で結合され
ている直鎖状高分子化合物とからなる画像受理層の構成
が挙げられる。上記の具体的な画像受理層の形成方法と
しては、例えば、表面グラフト重合と呼ばれる手段を用
いて作製される。
【0013】(表面グラフト重合についての説明)グラ
フト重合とは高分子鎖上に活性種を与え、これによって
開始する別の単量体を重合し、グラフト(接ぎ木)重合
体を合成する方法で、特に活性種を与える高分子鎖が固
体表面の時には表面グラフト重合と呼ばれる。本発明を
実現するための表面グラフト重合法としては文献記載の
公知の方法をいずれも使用することができる、たとえ
ば、新高分子実験学10、高分子学会編、1994年、共立出
版(株)発行、P135、には表面グラフト重合法として光グ
ラフト重合法、プラズマ照射グラフト重合法、が記載さ
れている。また吸着技術便覧 NTS(株)、竹内監修、199
9.2発行、p203、p695にはγ線、電子線などの放射線照
射グラフト重合法が記載されている。光グラフト重合法
の具体的方法としては特開平10-296895号公報および特
開平11-119413号公報に記載の方法を使用することがで
きる。
【0014】本発明の直描型平版印刷版の特徴である高
分子化合物鎖の末端が直接に化学的に結合された表面を
作成するための手段としてはこれらの他、高分子化合物
鎖の末端にトリアルコキシシリル基、イソシアネート
基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基などの反応性官
能基を付与し、これと直描型平版印刷版の支持体表面官
能基とのカップリング反応により形成することもでき
る。なお、直描型平版印刷版の支持体表面とは、その表
面に高分子化合物の末端が直接または幹高分子化合物を
介して化学的に結合する表面を示すものであり、本発明
の直描型平版印刷版用原版の支持体表面自体であっても
よく、また該支持体上に別途に設けた層の表面であって
もよい。
【0015】また、支持体表面に化学的に結合されてい
る幹高分子化合物と該幹高分子化合物に高分子鎖の末端
で結合されている直鎖状高分子化合物とからなる親水性
画像受理層(表面グラフト層)を作製するための手段と
しては、支持体表面官能基とカップリング反応しうる官
能基を幹高分子の側鎖に付与し、グラフト鎖として親水
性官能基を有する高分子化合物鎖を組み込んだグラフト
型高分子化合物を合成し、この高分子と支持体表面官能
基とのカップリング反応により形成することもできる。
【0016】(親水性官能基の説明)親水性官能基とし
ては、カルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、
ホスホン酸基、アミノ基およびそれらの塩、アミド基、
水酸基、エーテル基、ポリオキシエチレン基などおよび
アセチルアセトナートなどの電子吸引性基に隣接した炭
素に結合した酸性水素原子を有する活性メチレン基もし
くはその塩などを挙げることができる。金属イオンとキ
レートを形成しうるより好ましい親水性官能基として
は、カルボン酸基、スルホン酸基、アミノ基、水酸基、
活性メチレン基およびそれらの塩などを挙げることがで
きる。
【0017】〔表面グラフト親水性高分子を有する画像
受理層の具体的作成方法〕プラズマ照射グラフト重合
法、放射線照射グラフト重合法においては上記記載の文
献、およびY.Ikada et al., Macromolecules vol.19, p
age 1804 (1986)などの記載の方法にて作成することが
できる。具体的にはPETなどの高分子表面をプラズマ、
もしくは電子線にて処理し、表面にラジカルを発生さ
せ、その後、その活性表面と親水性官能基を有するモノ
マーとを反応させることにより画像受理層を得ることが
できる。本発明において特に有用な親水性官能基を有す
る親水性モノマーの具体例としては、(メタ)アクリル
酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、イタコ
ン酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン酸塩、2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)ア
クリルアミド、N−モノメチロール(メタ)アクリルア
ミド、N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、アリ
ルアミンもしくはそのハロゲン化水素酸塩、3−ビニル
プロピオン酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン
塩、ビニルスルホン酸もしくはそのアルカリ金属塩およ
びアミン塩、ビニルスチレンスルホン酸もしくはそのア
ルカリ金属塩およびアミン塩、2−スルホエチレン(メ
タ)アクリレート、3−スルホプロピレン(メタ)アク
リレートもしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、
ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、アシッ
ドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、アリルアミンもしくはそのハロゲン
化水素酸塩等の、カルボキシル基、スルホン酸基、リン
酸、アミノ基もしくはそれらの塩、2−トリメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレートもしくはそのハロゲン化
水素酸塩等の、カルボキシル基、スルホン酸基、リン
酸、アミノ基もしくはそれらの塩、などを使用すること
ができる。
【0018】〔直描型平版印刷版の構成の説明〕本発明
による直描型平版印刷版の構成は支持体上に、支持体表
面と直接化学的に結合しかつ親水性官能基を有する高分
子化合物を含有する画像受理層を有する。直描型平版印
刷版の支持体表面とは、その表面に親水性官能基を有す
る高分子化合物、好ましくは金属イオンとキレートを形
成しうる親水性官能基を有する高分子化合物の末端が直
接または幹高分子化合物を介して化学的に結合しうる官
能基を有するか、もしくはプラズマ、電子線、紫外線、
可視光線照射などの処理によりラジカルもしくは過酸化
物などの活性種を発生しうる表面を示すものである限り
どのようなものでも使用することができる。具体的には
本発明の直描型平版印刷版の支持体自体であってもよ
く、また該支持体上に別途に設けた層であってもよい。
【0019】(支持体表面の説明)該支持体表面とは、
本発明の親水性官能基を有する高分子化合物、好ましく
は金属イオンとキレートを形成しうる親水性官能基を有
する高分子化合物(親水性ポリマー)を表面グラフト化
するのに適した表面を意味し、この機能を発現する限り
どのような形態でも可能である。例えば、支持体表面は
無機、有機のどちらでも良い。また支持体表面の極性は
親水性であってもまた疎水性であっても良い。また支持
体表面が支持体の一部となっていても良く、この場合に
は支持体表面と支持体とを一つにすることができる。ま
た支持体表面としては支持体の表面処理をすることでも
本発明の支持体表面の機能を発揮することができ、この
場合には表面処理した支持体を支持体表面を含む支持体
として使用することができる。なお、前記のように本発
明の平版印刷版用原版の画像受理層の高分子化合物が直
接化学結合している支持体表面が粗面化されていること
が好ましい。
【0020】無機、有機の内、特に、光グラフト重合
法、プラズマ照射グラフト重合法、放射線照射グラフト
重合法により本発明のポリマーを合成する場合には、有
機表面であることが好ましく、特に有機ポリマーの表面
であることが好ましい。また有機ポリマーとしてはエポ
キシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹
脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリアミド系樹脂、メラミン系樹脂、フォルマリン
樹脂などの合成樹脂、ゼラチン、カゼイン、セルロー
ス、デンプンなどの天然樹脂のいずれも使用することが
できるが、光グラフト重合法、プラズマ照射グラフト重
合法、放射線照射グラフト重合法などではグラフト重合
の開始が有機ポリマーの水素の引き抜きから進行するた
め、水素が引き抜かれやすいポリマー、特にアクリル樹
脂、ウレタン樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ樹脂など
を使用することが、特に製造適性の点で好ましい。また
これらの内、支持体を兼ねるという観点から、特にアク
リル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ樹脂などが特に好
ましい。
【0021】次に、本発明の平版印刷版用原版の他の特
徴は画像受理層の高分子化合物が直接化学結合している
支持体表面が粗面化されていることが好ましいことであ
る。本発明で用いられる支持体表面(固体表面)の凹凸
について説明する。 〔表面凹凸の規定〕2次元粗さパラメータの中心線平均
粗さRaが0.1〜1μm、最大高さRyが1〜10μ
m、十点平均粗さRzが1〜10μm、凹凸の平均間隔
mが5〜80μm、局部山頂の平均間隔Sが5〜80
μm、最大高さRtが1〜10μm、中心線山高さRp
が1〜10μm、中心線谷深さRvが1〜10μmであ
る。上記2次元粗さパラメータは以下の定義に基づくも
のである。 中心線平均粗さRa:粗さ曲線から中心線の方向に測定
長さLの部分を抜き取り、この抜き取りの中心線と粗さ
曲線との偏差の絶対値を算術平均した値。 最大高さRy:粗さ曲線からその平均線の方向に基準長
さだけ抜き取り、この抜き取り部分の山頂線と谷底線の
間隔を、粗さ曲線の縦倍率の方向に測定した値。 十点平均粗さ:粗さ曲線からその平均値の方向に基準長
さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から縦倍率
の方向に測定した、最も高い山頂から5番目までの山頂
の標高(YP)の絶対値の平均値と、最も低い谷底から
5番目までの谷底の標高(Yv)の絶対値の平均値との
和をマイクロメートル(μm)で表した値。 凹凸の平均間隔Sm:粗さ曲線からその平均線の方向に
基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分において一つ
の山及びそれに隣り合う一つの谷に対応する平均線の和
を求め、この多数の凹凸の間隔の算術平均値をミリメー
トル(mm)で表した値。 局部山頂の平均間隔S:粗さ曲線からその平均線の方向
に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分において隣
り合う局部山頂間に対応する平均線の長さを求め、この
多数の局部山頂の間隔の算術平均値をミリメートル(m
m)で表した値。 最大高さRt:粗さ曲線から基準長さだけ抜き取った部
分の中心線に平行な2直線で抜き取り部分を挟んだとき
の2直線の間隔の値。 中心線高さRP:粗さ曲線からその中心線方向に測定長
さLを抜き取り、この抜き取り部分の中心線に平行で最
高の山頂を通る直線との間隔の値。 中心線谷深さRV:粗さ曲線からその中心線方向に測定
長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線に
平行で最深の谷底を通る直線との間隔の値。
【0022】〔凹凸表面の作成方法〕 (作成法の種類)固体表面に粗面を設けるためには、様
々な手段を採用することができる。例えば、固体表面の
表面をサンドブラスト加工やブラシ加工などで機械的に
こすり、表面を削って凹部を形成し、粗面を設けること
ができる。また、機械的エンボス加工でも凹凸を設ける
ことができる。さらに、グラビア印刷などで表面に凸部
を形成して粗面を設けてもよい。固体微粒子(マット
剤)を含有する層を、塗布あるいは印刷のような手段で
固体表面の表面に形成して粗面を設けてもよい。固体微
粒子は、高分子フィルムを作成する段階で高分子フィル
ム中に含有させ(内添し)、高分子フィルム表面に凹凸
を形成することもできる。さらに、溶剤処理、コロナ放
電処理、プラズマ処理、電子線照射処理、X線照射処理
等を用いて粗面を形成することもできる。以上の手段を
組み合わせて実施してもよい。サンドブラスト加工もし
くは樹脂の印刷により粗面を形成する手段もしくは固体
微粒子を添加して凹凸を形成する手段が、特に好ましく
実施できる。
【0023】(固体微粒子法)上記固体微粒子として
は、金属微粒子、金属酸化物微粒子、有機または無機の
高分子または低分子微粒子などの様々な種類の物質を利
用できる。微粒子の具体例としては、銅粉、スズ粉、鉄
粉、酸化亜鉛粉、酸化珪素粉、酸化チタン粉、酸化アル
ミニウム粉、二硫化モリブデン粉、炭酸カルシウム粉、
クレー、マイカ、コーンスターチ、窒化ホウ素、シリコ
ーン樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、フッ素樹脂粒
子、アクリル樹脂粒子、ポリエステル樹脂粒子、アクリ
ロニトリル共重合体樹脂粒子、ステアリン酸亜鉛および
ベヘン酸カルシウムを挙げることができる。微粒子の平
均粒子径は、0.05μm以上であることが好ましく、0.1
μm以上であることがさらに好ましい。微粒子をシート
表面に付着させる、あるいは微粒子含有層をシート表面
に設ける場合、微粒子の平均粒子径は粗面の凹凸の大き
さとほぼ対応する。微粒子をシート中に内添する場合、
粗面の凹凸の大きさは微粒子の平均粒子径とシートの厚
さにより決定される。従って、後者の場合は最適な凹凸
の大きさを得るため、シートと微粒子の組み合わせによ
り実験的に最適な粒子径を決定する必要がある。
【0024】支持体表面に固体微粒子を固定して凹凸を
形成する方法の具体例としては、フィルム形成の前に固
体微粒子を添加しフィルムを形成する方法、固体微粒子
をバインダーに分散させた液を塗布乾燥させる方法、フ
ィルム形成後に微小粒子を機械的圧力でフィルム中に押
し込む方法、フィルム形成後に固体微粒子を電着する方
法等が挙げられる。フィルム形成の前に固体微粒子を添
加しフィルムを形成する方法の具体的な方法としては次
のような例を挙げることができる。固体微粒子として顔
料を配合したPETマスターバッチを溶融押出し後、冷
却ドラム上に成膜し、次いで縦方向・横方向の順に延伸
し、最後に熱処理することにより、凹凸のあるPETフ
ィルムが得られる。顔料には酸化チタン、アルミナ、シ
リカのうち、1種または2種以上を配合したものを用い
ることができる。フィルムの中心線平均表面粗さは配合
する顔料の粒径と配合量で調整できる。例えば、顔料の
粒径が1〜10μm程度のものを0.5〜5重量%程度
配合することにより調整でき、顔料の粒径が大きい程、
配合量が多い程中心線平均表面粗さは増大する。目的の
凹凸表面を得るためには、顔料の粒径を決定し、配合量
を調整する必要がある。
【0025】(サンドブラスト法)サンドブラストとは
細かい粒度の研削材を高分子フィルム表面に高速投射す
ることによりフィルム表面に凹凸をつける方法である。
サンドブラスト処理は公知の方法でよく、例えばカーボ
ランダム(炭化珪素粉)、金属粒子等を圧搾空気と共に
フィルム表面に強力に吹き付け、その後水洗乾燥を経て
目的を達成することができる。サンドブラスト処理によ
るフィルムの中心線平均表面粗さの制御は、吹き付ける
粒子の粒径、処理量(面積当たりの処理頻度)により行
うことができ、粒子の粒径が大きくなる程、処理量が多
くなる程、フィルム表面の中心線平均表面粗さは大きく
なる。さらに詳しくは、サンドブラスト処理は、研削材
を圧縮空気でフィルム表面に吹き付けることにより表面
処理を行うものであり、それによって形成される凹凸
は、サンドブラスト処理の条件により調整される。処理
条件としてはサンドブラスト吹き出しノズルから研削材
を吹き出してフィルムに吹き付けるのであるが、研削材
の吹き出し量(ブラスト量)、サンドブラスト吹き出し
ノズルとフィルムとの角度及び間隔(ブラスト角度、ブ
ラスト距離)を調整する必要がある。そして、エアチャ
ンバーから送り出す圧縮空気によってホッパー内の研削
材をサンドブラスト吹き出しノズルから吹き出させてフ
ィルム表面に吹き付けることにより、適正化した処理条
件でサンドブラスト処理をするのである。これらの方法
は具体的にはたとえば、特開平8-34866号公報、特開平1
1-90827号公報、特開平11-254590号公報どに公知の方法
として記載されている。ここで、かかるサンドブラスト
処理における処理条件は、処理後に研削材や被研削物が
フィルム表面に残らず、また、フィルムの強度が低下し
ないような条件にする必要があるが、かかる処理条件は
経験的に適宜設定することができる。具体的には、研削
材としてはけい砂その他の研削材が用いられるが、特に
は粒径が0.05〜10mm、更には0.1〜1mmのけい
砂を用いることが好ましい。また、ブラスト距離は10
0〜300mmとするのが好ましく、ブラスト角度は45
〜90度、更には45〜60度とするのが好ましい。ま
た、ブラスト量は1〜10kg/min とすることが好まし
い。サンドブラスト処理により、ポリイミドフィルム表
面に該研削材や被研削物が残らないようにし、更に研削
深さを制御するためである。なお、研削深さは0.01
〜0.1μmにとどめることが好ましく、それによりフ
ィルムの強度が低下しないようにすることができる。
【0026】(画像受容層の膜厚)画像受容層の膜厚は
0.01g/m2 〜10g/m2の範囲であり、好ましくは0.1
g/m2〜5g/m2の範囲である。0.01g/m2未満では耐刷性
が低下し、10g/m2を超えて多くなると印刷物の細線再
現性が悪くなり、共に不適である。
【0027】〔画像形成方式〕本発明の直描型平版印刷
版に、感熱転写記録方式、電子写真記録方式あるいはイ
ンクジェット記録方式等で画像形成を行ない製版が行わ
れる。本発明における一つの重要な好ましい画像形成方
式は前記のように金属との間でキレートを形成し不溶化
することでインキ受容性を有する架橋したポリマー皮膜
が親水性の画像受容層表面に形成される事であり、この
ための重金属(金属イオンを含有する溶液)の供給方法
については特に制限は無い。但し、本発明の効果を実証
するために以下では具体的に2つの方法で画像形成を行
い、平版印刷版とする方法を示すが、本発明はこうした
具体的方法にのみ限定されるものではない。
【0028】その一つの方法として、インクジェット記
録方式による平版印刷版の作製方法について述べる。こ
の方法では本発明による直描型平版印刷版の表面に金属
イオンを含有するインキを使用して印字を行う。記録印
字された平版印刷版は印字部が疎水性のためインキ受容
性であり、非画像部は親水性であるため、これをそのま
まオフセット印刷機にかければ印刷が可能となる。ま
た、インクジェット記録の際にインキ中に添加すべき必
須成分としては金属イオンのみであり、特に他の成分は
必要としないが、印字部を視覚的に見やすいようにする
ためには各種水溶性染料を適宜添加してもよい。あるい
は各種アルコール類としてエタノール、プロパノール、
エチレングリコール、グリセリン等の溶媒を記録ヘッ
ド、ノズル等の目詰まり防止等の目的で添加しても良
い。使用する金属イオンの金属としては周期律表の第2
周期から第6周期の原子の多価金属イオンが挙げられ、
なかでも第3周期から第5周期の原子が好ましい。第3周
期のAl、Si、Mg、第4周期のCa、Ti、Mn、Fe、Ni、Cu、
Zn、Ge、第5周期のZr、In、Snが特に好ましい.
【0029】多価金属イオン塩の例としては、マグネシ
ウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミ
ニウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、
銅、亜鉛、錫のような金属(好ましくはアルカリ土類金
属)の二価以上のカチオンの塩(錯塩を含む)を挙げる
ことができる。対アニオンは任意のものでよいが、金属
塩の溶解性のよいアニオンを選ぶことが好ましい。多価
金属イオン塩の具体例として、塩化マグネシウム、硫酸
マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、
塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、酢
酸カルシウムを挙げることができる。溶液中の多価金属
イオン塩の濃度は、0.03乃至5モル/リットルの範
囲であることが好ましく、0.1乃至2モル/リットル
の範囲であることがさらに好ましい。記録ヘッドの材質
としてはこれら金属イオンによる腐食を防止するために
ガラス等の非腐食性の材質のものが特に好ましい。
【0030】このようにインクジェット記録方式による
平版印刷版の作製方式では、既存のインクジェットプリ
ンターを使用することで極めて簡便に平版印刷版が作成
され、また非画像部の未硬化ポリマーを水により水洗除
去するような後処理も不要であり、直ちに平版印刷版と
して使用できることから極めて好ましい。解像度として
はインクを飛翔させるヘッド部のノズル径で支配される
ため、高解像度のインクジェットプリンターを使用しな
い場合にはプリンターの精度に支配された印刷版として
は解像度のやや劣る印刷版しか得られないという欠点が
存在する。従ってこうしたインクジェット記録方式によ
る平版印刷版ではインクジェットプリンターの精度を目
的に応じて選択し、簡易印刷の範囲であれば通常のイン
クジェットプリンターを選択し、あるいは高解像度のプ
リンターを使用することで高品位の平版印刷版を得るこ
とも可能である。
【0031】インクジェット記録方法としては、従来公
知の記録方式のいずれでもよい。また使用するインクの
種類も水性でもよく、油性でもよいが、インクに含まれ
る組成物中に上記の金属イオンが添加されているものを
用いる。水性、油性インクのなかではインク画像の乾燥
・定着性、インクのつまり難さ等から油性インクが好ま
しく且画像滲みを生じ難い静電吐出型インクジェット方
式が好ましい。ホットメルトインクを用いたソリッドジ
ェット方式も好ましく用いられる。
【0032】静電吐出型インクジェット記録は、国際特
許WO93/11866号、同97/27058号、同
97/27060号等に記載の記録装置が用いられる。
用いる油性インクは好ましくは電気抵抗109Ω・cm以
上かつ誘電率3.5以下の非水溶媒を分散媒とし、少な
くとも常温(15℃〜35℃)で固体かつ疎水性の樹脂
粒子が分散されたものである。このような分散媒を用い
ることによって、油性インクの電気抵抗が適正に制御さ
れて電界によるインクの吐出が適正となり画質が向上す
る。また、上記のような樹脂粒子を用いることによって
画像受理層との親和性が増し、良好な画質が得られると
ともに耐刷性が向上する。具体的には、特開平10−2
59336号公報、特願平9−154509号明細書、
特開平10−316920号公報、特開平10−204
354号公報、特開平10−204356号公報、特開
平10−315617号公報等に記載の油性インクが挙
げられる。
【0033】また、ソリッドジェット方式としては、So
lid Inkjet Platemaker SJ02A(日立工機(株)製)、
MP−1200Pro(Dynic(株)製)等の市販されたプ
リントシステムが挙げられる。
【0034】インクジェット記録方法を用いた製版方法
を図を用いてより具体的に説明する。図1に示す装置系
は油性インクを使用するインクジェット記録装置1を有
するものである。
【0035】図1のように、まず、マスター(直描型平
版印刷版)2に形成すべき画像(図形や文章)のパター
ン情報を、コンピュータ3のような情報供給源から、バ
ス4のような伝達手段を通し、油性インクを使用するイ
ンクジェット記録装置1に供給する。記録装置1のイン
クジェット記録用ヘッド10は、その内部に油性インク
を貯え、記録装置1内にマスター2が通過すると、前記
情報に従い、インクの微小な液滴をマスター2に吹き付
ける。これにより、マスター2に前記パターンでインク
が付着する。こうしてマスター2に画像を形成し、製版
マスター(平版印刷版)を得る。
【0036】図1の装置系に用いられるインクジェット
記録装置の例を図2および図3に示す。図2および図3
では図1と共通する部材は共通の符号を用いて示してい
る。図2はこのようなインクジェット記録装置の要部を
示す概略構成図であり、図3はヘッドの部分断面図であ
る。
【0037】インクジェット記録装置に備えられている
ヘッド10は、図3に示されるように、上部ユニット1
01と下部ユニット102とで挟まれたスリットを有
し、その先端は吐出スリット10aとなっており、スリ
ット内には吐出電極10bが配置され、スリット内には
油性インク11が満たされた状態になっている。
【0038】ヘッド10では、画像のパターン情報のデ
ジタル信号に従って、吐出電極10bに電圧が印加され
る。図2に示されるように、吐出電極10bに対向する
形で対向電極10cが設置されており、対向電極10c
上にはマスター2が設けられている。電圧の印加によ
り、吐出電極10bと、対向電極10cとの間には回路
が形成され、ヘッド10の吐出スリット10aから油性
インク11が吐出され対向電極10c上に設けられたマ
スター2上に画像が形成される。
【0039】吐出電極10bの幅は、高画質の画像形成
を行うためにその先端はできるだけ狭いことが好まし
い。例えば油性インクを図3のヘッド10に満たし、先
端が20μm 幅の吐出電極10bを用い、吐出電極10
bと対向電極10cの間隔を1.5mmとして、この電極
間に3KVの電圧を0.1ミリ秒印加することで40μ
m のドットの印字をマスター2上に形成することができ
る。
【0040】更に、他のインクジェット記録装置の構成
例を図4および図5に示す。図4は説明のためヘッドの
一部分のみを示した概略図である。インクジェット記録
ヘッド13は図4に示すように、プラスチック、セラミ
ック、ガラス等の絶縁性材料から作成されたヘッド本体
14とメニスカス規制板15、16からなる。図中、1
7は吐出部に静電界を形成するために電圧印加を行う吐
出電極である。
【0041】さらにヘッドから規制板15、16を取り
除いた図5によりヘッド本体について詳述する。ヘッド
本体14にはヘッド本体のエッジに垂直に、インクを循
環させるためのインク溝18が複数設けてある。このイ
ンク溝18の形状は均一なインクフローを形成できるよ
うに毛細管力が働く範囲に設定されていればよいが、特
に望ましくは幅は10〜200μm、深さは10〜30
0μmである。インク溝18の内部には吐出電極17が
設けられている。この吐出電極17は、絶縁性材料から
なるヘッド本体14上にアルミニウム、ニッケル、クロ
ム、金、白金などの導電性材料を使って、公知の方法に
より形成され、インク溝18内全面に配置してもよい
し、一部分のみに形成してもよい。なお吐出電極間は電
気的に独立している。
【0042】隣り合う2つのインク溝は1つのセルを形
成し、その中心にある隔壁19の先端部には吐出部2
0、20′を設けている。吐出部20、20′では隔壁
は他の隔壁部分19に比べ薄くなっており、尖鋭化され
ている。なお吐出部は20′の様に先端をわずかに面取
りされていても良い。このようなヘッド本体は絶縁性材
料ブロックの機械加工、エッチング、あるいはモールデ
ィング等公知の方法により作成される。吐出部での隔壁
の厚さは望ましくは5〜100μmであり、尖鋭化され
た先端の曲率半径は5〜50μmの範囲であることが望
ましい。図中には2つのセルのみを示しているが、セル
の間は隔壁21で仕切られ、その先端部22は吐出部2
0、20′よりも引っ込むように面取りされている。
【0043】このヘッドに対し、図示されないインク供
給手段によりI方向からインク溝を通してインクを流
し、吐出部にインクを供給する。さらに図示されないイ
ンク回収手段により余剰なインクはO方向に回収され、
その結果、吐出部には常時、新鮮なインクが供給され
る。Lの様に吐出部付近のインクに光照射を行った状態
で、吐出部に対向する形で設けられ、その表面に直描型
平版印刷版を保持した図示されない対向電極に対して、
吐出電極に画像データに応じた信号電圧を印加すること
により、吐出部からインクが吐出され直描型平版印刷版
上に画像が形成される。
【0044】以上のようにして、直描型印刷版上に、油
性インクを使用したインクジェット方式で画像形成して
製版マスター(平版印刷版)が得られる。
【0045】もう一つの具体例としては銀錯塩拡散転写
方式を利用した金属イオンの供給方式が挙げられる。こ
の方式では本発明による直描型平版印刷版と、これとは
別に銀塩感光材料を塗布したドナーシートを像様露光し
て、現像の際に未露光部のハロゲン化銀を溶解するよう
な錯形成物質を存在させることで銀塩感光材料の感光部
分が化学現像される一方で未感光部のハロゲン化銀部分
がこうした溶剤により錯形成して溶解され(直接ポジタ
イプの感光材料では逆になる)、現像時に両シートを重
ね合わせることで銀塩感光材料からの銀イオンが直描型
平版印刷版の画像受理層上に転写させることが出来る。
銀錯イオンの転写と同時に該画像受理層の金属イオンと
キレートを形成しうる親水性官能基を有する高分子化合
物は硬化するため、銀錯イオンが転写した部分のみ硬化
皮膜が形成されることになる。
【0046】その他、前記の電子写真記録方法として
は、従来公知の記録方式のいずれをも用いることができ
る。例えば電子写真学会編「電子写真技術の基礎と応
用」(株)コロナ社刊、(1988年)、江田研一、電
子写真学会誌27,113(1988)、川本晃生、同
33,149(1994)、川本晃生、同32,196
(1993)等に記載の方法あるいは市販のPPC複写
機等が挙げられる。デジタル情報に基づいて露光するレ
ーザー光によるスキャニング露光方式及び液体現像剤を
用いる現像方式の組合せが、高精細な画像を形成できる
ことから有効なプロセスである。その一例を以下に示
す。
【0047】まず、直描型平版印刷版をフラットベット
上にレジスターピン方式による位置決めを行った後背面
よりエアーサクションにより吸引して固定する。次い
で、例えば上記「電子写真技術の基礎と応用」212頁
以降に記載の帯電デバイスにより感光材料を帯電する。
コロトロン又はスコトロン方式が一般的である。この時
感光材料の帯電電位検出手段からの情報に基づき、常に
所定の範囲の表面電位となるようフィードバックをか
け、帯電条件をコントロールすることも好ましい。その
後例えば同じく上記引用資料の254頁以降に記載の方
式を用いてレーザー光源による走査露光を行う。
【0048】次いで液体現像剤を用いてトナー画像の形
成を行う。フラットベット上で帯電、露光した直描型平
版印刷版は、そこからはずして同上引用資料の275頁
以降に示された湿式現像法を用いることができる。この
時の露光モードは、トナー画像現像モードに対応して行
われ、例えば反転現像の場合はネガ画像、即ち画像部に
レーザー光を照射し、直描型平版印刷版を帯電した時の
電荷極性と同じ電荷極性を持つトナーを用い、現像バイ
アス電圧を印加して露光部にトナーが電着するようにす
る。原理の詳細は同上引用資料の157頁以降に説明が
ある。
【0049】現像後に余剰の現像液を除くために、同資
料283頁に示されるようなゴムローラ、ギャップロー
ラ、リバースローラ等のスクイーズ、コロナスクイー
ズ、エアスクイーズ等のスクイーズを行う。スクイーズ
前に現像剤の担体液体のみでリンスをすることも好まし
い。次に直描型平版印刷版上に上記の様にして形成され
たトナー画像を被転写材である直描型平版印刷版上に転
写・定着する、または中間転写体を経由して直描型平版
印刷版に転写・定着するものである。
【0050】(支持体)本発明に使用される支持体とし
ては、特に制限はないが、寸度的に安定な板状物であ
り、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
スチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、
アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム
(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロ
ピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロ
ース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカ
ーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記のごとき
金属がラミネート若しくは蒸着された、紙若しくはプラ
スチックフィルム等が挙げられる。本発明の支持体とし
ては、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板が好ま
しく、その中でも、前記支持体表面を兼ねることができ
るポリエステルフィルムが特に好ましい。なお、本発明
の直描型平版印刷版に使用される支持体が、前記支持体
表面と兼ねている場合は、前記支持体表面について詳述
したものを用いることができ、前記のように本発明の直
描型平版印刷版の親水性層の高分子化合物が直接化学結
合している支持体表面が粗面化されていることが好まし
い。
【0051】
【実施例】以下に本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、勿論本発明の範囲はこれらによって限定さ
れるものではない。 〔実施例1〕油性インクを使用したインクジェット方式
で画像形成 (直描型平版印刷版の作成)支持体として膜厚188μm
の2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(A410
0、東洋紡(株)社製)を用い、グロー処理として平版マ
グネトロンスパッタリング装置(芝浦エレテック製CFS-
10-EP70)使用を使用し、下記の条件で酸素グロー処理
を行った。
【0052】(酸素グロー処理条件) 初期真空 : 1.2×10-3Pa アルゴン圧力 : 0.9Pa RFグロー : 1.5KW 処理時間 : 60sec
【0053】次に、グロー処理したフィルムを窒素バブ
ルしたアクリル酸水溶液(20wt%)に60℃にて3時
間浸漬した.浸漬した膜を流水にて10分間洗浄しするこ
とによるアクリル酸が表面にグラフトポリマー化された
親水性の直描型平版印刷版を得た。画像受理層の重量
(グラフト量)を重量法で測定したところ、0.3g/m2
あった。
【0054】<油性インク(IK−1)の作製> (樹脂粒子の製造例)ポリ(ドデシルメタクリレート)
14g、酢酸ビニル100g、オクタデシルメタクリレ
ート4.0gおよびアイソパーHを286gの混合溶液
を、窒素気流下攪拌しながら温度70℃に加温した。重
合開始剤として2,2′−アゾビス(イソバレロニトリ
ル)(略称A.I.V.N.)を1.5g加え、4時間
反応した。更に、2,2′−アゾビス(イソブチロニト
リル)(略称A.I.B.N.)を0.8gを加えた
後、温度80℃に加温して2時間反応し、続けてA.
I.B.N.を0.6g加えて2時間反応した。その
後、温度を100℃に上げそのまま1時間攪拌し未反応
のモノマーを留去した。冷却後200メッシュのナイロ
ン布を通し、得られた白色分散物は重合率93%で平均
粒径0.35μmのラテックスであった。粒径はCAP
A−500(堀場製作所(株)製)で測定した。
【0055】(インクの作製)ドデシルメタクリレート
/アクリル酸共重合体(共重合比:98/2重量比)1
0g、アルカリブルー10gおよびシェルゾール71、
30gをガラスビーズとともにペイントシェーカー(東
洋精機(株)製)に入れ、4時間分散し、アルカリブル
ーの微小な青色分散物を得た。上記の樹脂粒子50g
(固形分量として)、上記の青色分散物5g(固形分
量)およびオクタデセン−半マレイン酸オクタデシルア
ミド共重合体0.08gをアイソパーGの1リットルに
希釈することにより青色油性インク(IK−1)を作製
した。
【0056】前記で得られた原版を用いて、パソコン出
力を描画できるグラフテック社製サーボ・プロッターD
A8400を改造し、ペン・プロッター部に図2に示し
たインク吐出ヘッドを装着し、1.5mmの間隔をおいた
対向電極上に設置された直描型平版印刷版に上記油性イ
ンク(IK−1)を用いて印字を行ない製版した。製版
に際しては、直描型平版印刷版の画像受理層直下に設け
られたアンダー層と対向電極を、銀ぺーストを用いて電
気的に接続した。製版された版を、版面温度70℃とな
る様に調整し10秒間リコーフュザー(リコー(株)
製)でインク画像を定着した。得られた製版物(平版印
刷版)の描画画像を光学顕微鏡により、200倍の倍率
で観察して評価した。細線・細文字等の滲みや欠落のな
い鮮明な画像であった。
【0057】次に、上記の様にして作成した平版印刷版
を、印刷機として、オリバー94型((株)桜井製作所
製)を用い、湿し水として、EU−3(富士写真フイル
ム(株)製)を蒸留水で100倍に希釈した溶液を、湿
し水受け皿部に入れ、オフセット印刷用墨インキを用
い、印刷紙に平版印刷版を通して印刷を行なった。印刷
10枚目の印刷物の印刷画像を20倍のルーぺを用いて
目視評価した所、非画像部の印刷インク付着による地汚
れは見られず、又ベタ画像部の均一性は良好であった。
更に200倍の光学顕微鏡観察で、細線・細文字の細り
・欠落等は認められず、良好な画質であった。これと同
等の印刷画質の印刷物が4000枚得られた。
【0058】〔実施例2−5〕油性インクを使用したイ
ンクジェット方式で画像形成 親水性モノマーとして下記の表1に示すモノマーを使用
した以外、実施例1と同様の操作を行い、親水性モノマ
ーをグラフトした画像受理層を有する直描型平版印刷版
を作製し、実施例1と同様に画像を形成および印刷性を
評価した。評価結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】本発明にかかわる実施例1〜5の直描型平
版印刷版はいずれも、非画像部に地汚れのない良好な印
刷物が4000枚以上得られ、満足すべき結果を得た。
【0061】〔実施例6〕ポジ型直描型平版印刷版 (画像形成層の作成)支持体として、実施例1と同様の
操作により得られた、グロー処理したフィルムを窒素バ
ブルしたアクリル酸水溶液(20Wt%)に60℃にて4時間
浸漬した.浸漬した膜を流水にて10分間洗浄しすること
によるアクリル酸が表面にグラフトポリマー化された親
水性の直描型平版印刷版を得た。画像受理層の重量(グ
ラフト量)を重量法で測定したところ、1.3g/m2であ
った。
【0062】上記の直描型平版印刷版をインクジェット
プリンターとしてシャープ社製インクジェットプリンタ
ーIO−735を使用し、インクとしては下記処方のイ
ンクを使用してテストパターンの印字を行ない、印字さ
れたプレートは後処理なしで直ちに平版印刷版として供
した。
【0063】(インク処方) 水 100ml 硫酸第II鉄 3g Acid Blue 9(CI-42090) 1g エチレングリコール 10g
【0064】次に、上記により得られた平版印刷版を下
記のオフセット印刷機による印刷および印刷特性の評価
を行なった。その結果、10,000枚の印刷でも地汚
れの発生もなく、全く問題なく印刷できることが分かっ
た。
【0065】(印刷方法)得られた印刷版を、オフセッ
ト印刷機リョービ3200CDに装着し、印刷を行なっ
た。印刷時の温度は22℃で湿度は60%であった。湿
潤液としては市販の湿し水を使用し、印刷インキとして
は、大日本インキ製Fグロス墨Bを使用した。
【0066】(印刷特性の評価)印刷特性の評価は印刷
物の印刷汚れの程度から目視判断し、さらに耐刷力の評
価としては同様の印刷条件で10,000数の印刷を行
い評価した。
【0067】〔実施例7−10〕油性インクを使用した
インクジェット方式で画像形成親水性モノマーとして下
記の表2に示すモノマーを使用した以外、実施例6と同
様の操作を行い、金属イオンとキレート形成しうる親水
性モノマーをグラフトした画像受理層を有する直描型平
版印刷版を作製し、実施例1と同様に画像を形成および
印刷性を評価した。評価結果を2に示す。
【0068】
【表2】
【0069】本発明にかかわる実施例6〜10の平版印
刷版はいずれも、非画像部に地汚れのない良好な印刷物
が10,000枚以上得られ、満足すべき結果を得た。
【0070】〔実施例11〕油性インクを使用したイン
クジェット方式で画像形成 〔支持体1+親水性層の作成〕下記の表面凹凸支持体1
を使用し、その上に下記の光グラフト方法を用いてアク
リル酸が表面にグラフトポリマー化された親水性層を得
た。得られた親水性層の接触角(空中水滴、協和界面科
学(株)製、CA−Z)を測定したところ、10°であ
った。
【0071】(光グラフト方法)アクリル酸50g,過
ヨウ素酸ナトリウム0.03g、水200gからなる光
グラフト重合溶液をパイレックス(登録商標)製のガラ
ス容器に入れ、その中に下記PETフィルムを浸漬し
た。次に容器をArガスで置換し、その後400Wの高圧水銀
灯(理工科学産業(株)製UVL-400P)を使用し、ガラス
容器を水銀灯から10cmの距離を離して30分間光照射し
た。反応した膜を40℃の温水にて8時間洗浄した。
【0072】〔表面凹凸支持体1〕 (支持体例1)表面粗さRa(中心線平均粗さ)0.7μ
m、Ry(最大高さ粗さ)7μmである膜厚188μmのサン
ドブラストしたPETフィルム(パナック工業(株)社製)
【0073】得られた直描型平版印刷版の画像受理層の
重量(グラフト量)を重量法で測定したところ、0.3g/m
2であった。
【0074】<油性インク(IK−1)の作製> (樹脂粒子の製造例)ポリ(ドデシルメタクリレート)
14g、酢酸ビニル100g、オクタデシルメタクリレ
ート4.0gおよびアイソパーHを286gの混合溶液
を、窒素気流下攪拌しながら温度70℃に加温した。重
合開始剤として2,2′−アゾビス(イソバレロニトリ
ル)(略称A.I.V.N.)を1.5g加え、4時間
反応した。更に、2,2′−アゾビス(イソブチロニト
リル)(略称A.I.B.N.)を0.8gを加えた
後、温度80℃に加温して2時間反応し、続けてA.
I.B.N.を0.6g加えて2時間反応した。その
後、温度を100℃に上げそのまま1時間攪拌し未反応
のモノマーを留去した。冷却後200メッシュのナイロ
ン布を通し、得られた白色分散物は重合率93%で平均
粒径0.35μmのラテックスであった。粒径はCAP
A−500(堀場製作所(株)製)で測定した。
【0075】(インクの作製)ドデシルメタクリレート
/アクリル酸共重合体(共重合比:98/2重量比)1
0g、アルカリブルー10gおよびシェルゾール71、
30gをガラスビーズとともにペイントシェーカー(東
洋精機(株)製)に入れ、4時間分散し、アルカリブル
ーの微小な青色分散物を得た。上記の樹脂粒子50g
(固形分量として)、上記の青色分散物5g(固形分
量)およびオクタデセン−半マレイン酸オクタデシルア
ミド共重合体0.08gをアイソパーGの1リットルに
希釈することにより青色油性インク(IK−1)を作成
した。
【0076】前記で得られた直描型平版印刷版を用い
て、パソコン出力を描画できるグラフテック社製サーボ
・プロッターDA8400を改造し、ペン・プロッター
部に図2に示したインク吐出ヘッドを装着し、1.5mm
の間隔をおいた対向電極上に設置された直描型平版印刷
版に上記油性インク(IK−1)を用いて印字を行ない
製版した。製版に際しては、直描型平版印刷版の画像受
理層直下に設けられたアンダー層と対向電極を、銀ぺー
ストを用いて電気的に接続した。製版された版を、版面
温度70℃となる様に調整し10秒間リコーフュザー
(リコー(株)製)でインク画像を定着した。得られた
製版物(平版印刷版)の描画画像を光学顕微鏡により、
200倍の倍率で観察して評価した。細線・細文字等の
滲みや欠落のない鮮明な画像であった。
【0077】次に、上記の様にして作成した平版印刷版
を、印刷機として、オリバー94型((株)桜井製作所
製)を用い、湿し水として、EU−3(富士写真フイル
ム(株)製)を蒸留水で100倍に希釈した溶液を、湿
し水受け皿部に入れ、オフセット印刷用墨インキを用
い、印刷紙に平版印刷版を通して印刷を行なった。印刷
10枚目の印刷物の印刷画像を20倍のルーぺを用いて
目視評価した所、非画像部の印刷インク付着による地汚
れは見られず、又ベタ画像部の均一性は良好であった。
更に200倍の光学顕微鏡観察で、細線・細文字の細り
・欠落等は認められず、良好な画質であった。これと同
等の印刷画質の印刷物が15,000枚得られた。
【0078】〔実施例12〜15〕ポジ型直描型平版印
刷版 (画像形成層の作成)支持体として前記表面凹凸支持体
1を用い、親水性モノマーとして下記の表3に示すモノ
マーを使用した以外、実施例11と同様の操作を行い、
金属イオンとキレート形成しうる親水性モノマーをグラ
フトした画像受理層を有する直描型平版印刷版を作製し
た。画像受理層の重量(グラフト量)を重量法で測定し
たところ、1.3g/m2であった。
【0079】上記の直描型平版印刷版をインクジェット
プリンターとしてシャープ社製インクジェットプリンタ
ーIO−735を使用し、インクとしては下記処方のイ
ンクを使用してテストパターンの印字を行ない、印字さ
れたプレートは後処理なしで直ちに平版印刷版として供
した。
【0080】(インク処方) 水 100ml 硫酸第II鉄 3g Acid Blue 9(CI-42090) 1g エチレングリコール 10g
【0081】次に、上記により得られた平版印刷版を下
記のオフセット印刷機による印刷および印刷特性の評価
を行なった。 (印刷方法)得られた印刷版を、オフセット印刷機リョ
ービ3200CDに装着し、印刷を行なった。印刷時の
温度は22℃で湿度は60%であった。湿潤液としては
市販の湿し水を使用し、印刷インキとしては、大日本イ
ンキ製Fグロス墨Bを使用した。
【0082】(印刷特性の評価)印刷特性の評価は印刷
物の印刷汚れの程度から目視判断し、さらに耐刷力の評
価としては同様の印刷条件で15,000数の印刷を行
い評価した。その結果、15,000枚の印刷でも地汚
れの発生もなく、全く問題なく印刷できることが分かっ
た。評価結果を表3に示す。
【0083】
【表3】
【0084】本発明にかかわる実施例11〜15の平版
印刷版はいずれも、非画像部に地汚れのない良好な印刷
物が15,000枚以上得られ、満足すべき結果を得
た。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の直描型平
版印刷版は、支持体上に、支持体表面と直接化学的に結
合し、かつ親水性官能基、好ましくは金属イオンとキレ
ート形成しうる親水性官能基を有する高分子化合物から
なる画像受理層を設ける構成にすることにより、画像受
理層の親水性が高くかつ支持体との結合力が優れた直描
型平版印刷版が得られる。電子写真式プリンター、感熱
転写プリンター、インクジェットプリンター等の種々の
方法で直接に画像形成を行い、画像部がインク受容領域
を形成し、非画像部の画像受理層表面がインクを受容し
ない平版印刷画面が形成され、直ちに平版印刷版として
印刷機に装着して印刷することが可能である。金属イオ
ンとキレート形成しうる親水性官能基を有する高分子化
合物からなる画像受理層の場合、その画像受理層の表面
に、インクジェットプリンター等を用いて、金属イオン
を含有する溶液を画像様に供給することにより、前記親
水性グラフトポリマーが多価の金属イオンとキレートを
形成し、このキレート形成部表面が硬化し、疎水性ポリ
マーの画像パターンが形成され平版印刷版が作製され
る。また、上記直描型平版印刷版は、疎水性に変化した
部分は金属と強固な配位結合を形成しているため、画像
部が強固であり耐刷性に優れ、非画像部は親水性のレベ
ルが高く汚れのない印刷物が得られ、画像形成後直ちに
印刷版として印刷機に装着して印刷することが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の直描型平版印刷版の画像形成に用いる
ことのできる装置系の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明の直描型平版印刷版の画像形成に用いる
ことのできるインクジェット記録装置の要部を示す概略
構成図である。
【図3】本発明の直描型平版印刷版の画像形成に用いる
ことのできるインクジェット記録装置のヘッドの部分断
面図である。
【図4】本発明の直描型平版印刷版の画像形成に用いる
ことのできる他のインクジェット記録装置のヘッド要部
の概要図である。
【図5】図4で示したインクジェット記録装置実施例の
ヘッドの説明用概要図である。
【符号の説明】
1 インクジェット記録装置 2 マスター(直描型平版印刷版) 3 コンピューター 4 バス 10 ヘッド 10a 吐出スリット 10b 吐出電極 10c 対向電極 11 油性インク 101 上部ユニット 102 下部ユニット 13 インクジェット記録用ヘッド 14 ヘッド本体 15、16 メニスカス規制板 17 吐出電極 18 インク溝 19 隔壁 20、20′ 吐出部 21 隔壁 22 先端部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、支持体表面と直接化学的に
    結合し、かつ親水性官能基を有する高分子化合物からな
    る親水性である画像受理層を有することを特徴とする直
    描型平版印刷版。
  2. 【請求項2】 前記画像受理層中の高分子化合物が、金
    属イオンとキレート形成しうる親水性官能基を有する高
    分子化合物であることを特徴とする請求項1に記載の直
    描型平版印刷版。
  3. 【請求項3】 前記画像受理層が親水性官能基を有する
    高分子化合物からなり、かつ該高分子化合物が高分子鎖
    の末端で直接化学的に支持体表面に結合されている親水
    性官能基を有する直鎖状高分子化合物であるか、または
    支持体表面に化学的に結合されている幹高分子化合物と
    該幹高分子化合物に高分子鎖の末端で結合されている親
    水性官能基を有する直鎖状高分子化合物とからなる高分
    子化合物であることを特徴とする請求項1に記載の直描
    型平版印刷版。
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