JP3818902B2 - 平版印刷用原版 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な平版印刷用原版に関し、更に詳細には、地汚れのない鮮明な画像の印刷物を多数枚印刷可能とする平版印刷用原版、特に直描型平版印刷用原版に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の事務機器の発達とOA化の進展に伴い、軽印刷分野において、耐水性支持体上に画像受理層を有する平版印刷用原版に種々の方法で製版、即ち画像形成を行い印刷版を作成するオフセット平版印刷方式が普及している。
従来の平版印刷用版材は、耐水性支持体上に画像受理層を設けたものであり、このような平版印刷用原版上に油性インクを用いて、タイプライターまたは手書きによって親油性画像を形成するか、あるいは熱転写プリンターでインクリボンから画像を熱溶融転写することで親油性画像を形成し、必要に応じて非画像部の親水化処理等を行い印刷版とする方法が知られている。
【0003】
前記平版印刷用版材は、一般に、紙等の支持体の両面に裏面層及び中間層を介して画像受理層となる表面層が設けられている。裏面層または中間層はPVAや澱粉等の水溶性樹脂及び合成樹脂エマルジョン等の水分散性樹脂と顔料で構成されている。画像受理層は通常、無機顔料、水溶性樹脂及び耐水化剤で構成される。
【0004】
そして、平版印刷用原版の画像受理層に用いる結着剤として、分解によりカルボキシル基、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基、スルホ基又はホスホノ基を生成する官能基を有すると共に、熱/光で硬化する官能基を含有し予め架橋されている樹脂を用いる(特開平1−226394号、同1−269593号、同1−288488号各公報)ことにより、非画像部の親水性向上、画像受理層の膜強度の向上、更に耐刷性の改良が検討されている。また、画像受理層中に、無機顔料及び結着剤とともに、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基のような親水性基を含有した1μm以下の微小粒径の樹脂粒子を含有させる(特開平4−201387号、同4−223196号各公報)ことにより非画像部の親水性を向上させる事が検討されている。
【0005】
しかしながら、この様にして得られた従来の印刷版は、印刷耐久性を向上するために耐水化剤の添加量を多くしたり疎水性樹脂を使用したりして疎水性を増大させると、耐刷性は向上するが親水性が低下して印刷汚れが発生し、他方親水性を良くすると耐水性が劣化し耐刷性が低下するという問題があった。
特に30℃以上の高温での使用環境下では、オフセット印刷に使用する浸し水に表面層が溶解し、耐刷性の低下及び印刷汚れの発生など欠点があった。更に、直描型平版印刷用原版の場合、油性インキ等を画像部として画像受理層に描画するものであり、印刷用原版の受理層と油性インキの接着性が良くなければ、たとえ非画像部の親水性が充分で上記の如き印刷汚れが発生しなくても、印刷時に画像部の油性インキが欠落してしまい、結果として耐刷性が低下してしまうという問題も未だ充分に解決される所まで至っていない。
【0006】
他方、画像受理層として酸化チタンとポリビニルアルコールそして加水分解したテトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランを含有する親水層から成る版(特開平3−42679号、同10−268583号等)が知られている。しかし、実際に製版して印刷版として印刷してみると、画像の耐刷性が不充分であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来から画像受理層の親水性を上げるためには画像受理層中の保水量を高めればよいことが分かっているが、従来の画像受理層では保水量を高めようとすると、膜の膨潤性が大きくなり膜の構造が弱くなり膜強度が低下したり、あるいは支持体と画像受理層との密着性が悪くなってしまうという問題があった。
本発明の目的は、以上の様な従来の平版印刷用原版の有する問題点を改良すると共に、オフセット印刷版として全面一様な地汚れはもちろん点状の地汚れも発生させない優れた平版印刷用原版を提供することにある。本発明の他の目的は、地汚れがなく、画像の欠落・歪み等のない鮮明な画像の印刷物を多数枚印刷可能とする印刷版を与える平版印刷用原版を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題が、画像受理層として、親水性官能基を有する高分子化合物が表面に化学的に結合した、親水性の表面グラフトポリマーの形態を採用した場合に解決されることを見出し、本発明に至ったものである。これは、本発明の表面グラフト親水性層(画像受理層の表面に化学的に結合した親水性の表面グラフトポリマーの部分)における親水性ポリマー鎖は画像受理層表面に結合する以外は束縛のない構造をしており、水が入り込みやすく保水量が大きいという特徴を有するためと推定される。かかる表面グラフト親水性ポリマーは水を多く吸収し、大きく膨潤することができる一方で、表面グラフト親水性ポリマーはポリマー鎖が画像受理層表面に化学的に結合しているため、膨潤しても画像受理層との密着性が悪くなることは無い。このようにして、従来の技術ではトレードオフの関係にあった保水性と画像密着性とを同時に発現することができる。すなわち、本発明の上記の目的は、以下の構成により達成される。
【0009】
(1)耐水性支持体上に、無機顔料及び親水性結着樹脂としてゼラチン及びゼラチン硬化性化合物を含有する画像受理層、並びに該画像受理層の表面に親水性官能基を少なくとも1つ有する高分子化合物が化学的に結合してなる表面グラフト親水性層を有することを特徴とする平版印刷用原版。
【0010】
(2)親水性官能基を少なくとも1つ有する高分子化合物が、高分子鎖の末端で画像受理層に、直接又は画像受理層に化学的に結合されている幹高分子化合物を介して、化学的に結合されている直鎖状高分子化合物であることを特徴とする上記(1)に記載の平版印刷用原版。
【0011】
(3)無機顔料として、平均粒子径が1〜6μmのシリカ粒子と平均粒子径が5〜50nmの無機顔料超微粒子とを質量比で40〜70対60〜30の割合で含有する上記(1)又は(2)に記載の平版印刷用原版。
【0012】
(4)平均粒径5〜50nmの無機顔料微粒子が、コロイダルシリカ、チタニアゾル及びアルミナゾルから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(3)に記載の平版印刷用原版。
【0013】
(5)該親水性結着樹脂として、ゼラチン及びゼラチン硬化性化合物を含有する上記(1)〜(4)のいずれかに記載の平版印刷用原版。
【0014】
(6)ゼラチン硬化性化合物が、下記一般式(II)で示される二重結合基を分子中に2個以上含有する化合物であることを特徴とする上記(5)に記載の平版印刷用原版。
一般式(II) CH2=CH−W−
{式(II)中、Wは、−OSO2−、−SO2−、−CONR11−又は−SO2NR11−を表す(但し、R11は水素原子又は炭素数1〜8の脂肪族基を表す)。}
【0015】
(7)該親水性結着樹脂として、カルボキシル基、スルホ基及びホスホノ基から選ばれる少なくとも1種の極性基で変性された親水性樹脂を少なくとも1種含有する上記(1)〜(6)の何れかに記載の平版印刷用原版。
【0016】
(8)該親水性結着樹脂として、下記一般式(III)で表されるシリル官能基で変性された親水性樹脂を少なくとも1種含有する上記(1)〜(7)のいずれかに記載の平版印刷用原版。
一般式(III) −Si(R31n(OX)3-n
〔式(III)中、R31は水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表す。Xは炭素数1〜12の脂肪族基を表す。nは0、1又は2を表す。〕
刷用原版。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明の表面グラフト親水性層を有する画像受理層について説明する。
本発明の表面グラフト親水性層は、少なくとも1つの親水性官能基を有する高分子化合物が、画像受理層に化学的に結合してなるものであり、画像受理層表面を薄く覆った形の親水性層を形成している。
本発明では、平版印刷版の画像受理層に、少なくとも1つの親水性官能基を有する高分子化合物の末端が、直接または他の高分子化合物を介して(以下、この結合用の高分子化合物を特に「幹高分子化合物」と称することもある)、化学的に結合することが好ましい。
【0018】
上記のグラフト部を構成する親水性官能基を有する高分子化合物は、特に限定的ではないが、直鎖状高分子化合物であることが好ましい。親水性官能基としては、アミド基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸、ホスホン酸もしくはアミノ基またはそれらの塩、2−トリメチルアミノエチル(メタ)アクリレートまたはそのハロゲン化水素酸塩等が挙げられる。
これらの親水性官能基は、上記グラフト部を構成する高分子化合物中に少なくとも1つ含有されていればよく、例えば、直鎖状高分子化合物の画像受理層との結合部と反対側の末端に親水性官能基を有する場合、直鎖状高分子が親水性モノマーを重合成分又は共重合成分として含有する場合等が挙げられる。
【0019】
本発明において用いることのできる親水モノマーとしては、上記親水性官能基を有するものであれば特に限定されるものではない。特に有用な親水性モノマーの例としては、(メタ)アクリル酸またはそのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、イタコン酸またはそのアルカリ金属塩もしくはアミン酸塩、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−モノメチロール(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロール(メタ)アクリルアミドもしくはアリルアミンまたはそのハロゲン化水素酸塩、3−ビニルプロピオン酸またはそのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ビニルスルホン酸またはそのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ビニルスチレンスルホン酸またはそのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、2−スルホエチレン(メタ)アクリレートもしくは3−スルホプロピレン(メタ)アクリレートまたはそのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートもしくは2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸またはそのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートもしくはアリルアミンまたはそのハロゲン化水素酸塩等を挙げることができる。
【0020】
本発明の表面グラフト親水性層は、一般的に表面グラフト重合と呼ばれる手段を用いて容易に製造することができる。
グラフト重合とは高分子鎖上に活性種を与え、これによって開始する別の単量体を重合し、グラフト(接ぎ木)重合体を合成する方法であり、特に活性種を与える高分子鎖が固体表面を形成しているときには表面グラフト重合と呼ばれる。本発明の表面グラフト親水性層は、画像受理層表面上において表面グラフト重合を行うことにより容易に得ることができる。
【0021】
本発明の画像受理層を実現するための表面グラフト重合法としては、文献記載の公知の方法をいずれも使用することができる、たとえば、新高分子実験学10、高分子学会編、1994年、共立出版(株)発行、P135に記載される、光グラフト重合法、プラズマ照射グラフト重合法等の表面グラフト重合法、吸着技術便覧NTS(株)、竹内監修、1999.2発行、p203、p695に記載される、γ線、電子線などの放射線照射グラフト重合法等が挙げられる。また、光グラフト重合法の具体的方法としては特開平10-296895号公報および特開平11-119413号公報に記載の方法を使用することができる。
【0022】
本発明の表面グラフト親水性層を作成する方法としては、これらの他に、高分子化合物鎖の末端にトリアルコキシシリル基、イソシアネート基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基などの反応性官能基を付与し、これと平版印刷版の画像受理層表面官能基とのカップリング反応により形成する方法を挙げることもできる。
【0023】
また、画像受理層表面に化学的に結合されている幹高分子化合物と、該幹高分子化合物に高分子鎖の末端で結合されている親水性官能基を有する直鎖状高分子化合物とからなる親水性画像受理層を製造する場合には、画像受理層表面の官能基とカップリング反応しうる官能基を幹高分子化合物の側鎖に付与し、グラフト鎖として親水性官能基を有する高分子化合物鎖を組み込んだグラフト型高分子化合物を合成し、この高分子と画像受理層表面官能基とのカップリング反応により形成することができる。かかる幹高分子化合物の具体例としては、後述する有機ポリマーとして挙げたものと同様のものを挙げることができる。
【0024】
上記の光グラフト重合法、プラズマ照射グラフト重合法、放射線照射グラフト重合法、カップリング法のうち、製造適性の点からはプラズマ照射グラフト重合法、放射線照射グラフト重合法が特に優れている。
具体的には、プラズマ照射グラフト重合法、放射線照射グラフト重合法においては上記記載の文献、およびY.Ikada et al., Macromolecules vol.19, page 1804 (1986)などの記載の方法にて作成することができる。画像受理層表面をプラズマ、もしくは電子線にて処理し、表面にラジカルを発生させ、その後、その活性表面と親水性官能基を有するモノマーとを反応させることにより得ることができる。
【0025】
本発明の表面グラフト親水性層の膜厚は好ましくは0.01g/m2 〜10g/m2の範囲であり、より好ましくは0.1g/m2〜5g/m2の範囲である。この範囲内で、本発明の効果を十分に発揮し、更に良好な耐刷性が得られるとともに、印刷物の細線再現性も良好であり、好ましい。
【0026】
次に本発明の画像受理層について詳述する。
本発明の画像受理層は、無機顔料及び親水性結着樹脂を含有する。
【0027】
画像受理層に用いることができる無機顔料としては、クレー、酸化亜鉛、酸化チタン、シリカ等の無機粒子、具体的には、「無機化合物・錯体辞典」(株)講談社刊(1979年)、「塗料・顔料」日刊工業新聞社刊(1960年)等に記載されているものを用いることができる。中でも、平均粒径1〜6μmのシリカ粒子と平均粒径5〜50nmの無機顔料超微粒子を併用して用いることが好ましい。
【0028】
上記シリカ粒子は、好ましくは平均粒径1.0〜4.5μmである。シリカ粒子は、二酸化ケイ素を主成分(99%以上)とする、結晶構造を持たない無定形の合成シリカ微粉末である。具体的には、加賀美敏郎、林瑛監修「高純度シリカの応用技術」第4章及び第5章、(株)シーエムシー(1991年)等に記載されている。合成シリカ微粉末は、多孔性で細孔容積が調整された平均粒径1〜6μmのサイズのものであるが、細孔径及び細孔容積、更には、吸油量、表面シラノール基密度等は特に限定されるものではない。これらの合成シリカ微粉末は、市販品として、容易に入手できる。
【0029】
平均粒径5〜50nmの無機顔料超微粒子としては、特に限定的でなく、従来公知の化合物が挙げられる。好ましくはシリカゾル、チタニアゾル、アルミナゾル、酸化チタン、含水酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ニッケル、酸化ジルコニウム等である。より好ましくは、シリカゾル、チタニアゾル及びアルミナゾルのうちの少なくとも1種である。
【0030】
シリカゾルは、表面に多くの水酸基を持ち、内部はシロキサン配合(−Si−O−Si)を構成している、粒子径1〜100nmのシリカ超微粒子が、水又は極性溶媒中に分散したものであり、コロイダルシリカとも称されているものである。具体的には、前記の成書「高純度シリカの応用技術」第3章に記載されている。
【0031】
アルミナゾルは、5nm〜200nmのコロイドの大きさをもつアルミナ水和物(べーマイト系)で、水中の陰イオン(例えばフッ素イオン、塩素イオン等のハロゲン原子イオン、酢酸イオン等のカルボン酸アニオン等)を安定剤として分散されたものである。
チタニアゾルは5nm〜500nmのコロイドの大きさをもつTiO2もしくはTi(O)(OH)2またはこの混合物を称するものを表す。
【0032】
上記コロイド状微粒子で平均粒径が5〜50nmのものが画像受理層に好ましく用いられる。好ましくは平均粒径が5〜40nmのものである。これら無機顔料超微粒子は、いずれも市販品として容易に入手できる。
【0033】
また、シリカ粒子と無機顔料超微粒子の存在割合は好ましくは40〜70対60〜30(質量比)であり、より好ましくは45〜60対55〜40(質量比)である。
【0034】
無機顔料として用いるシリカ粒子及び無機顔料超微粒子の各々の粒径及び使用割合を前記範囲内に調整することにより、画像受理層の膜強度が充分に保持され、各種プリンターで製版し画像形成した場合に、非画像部へのトナー又はインクの付着汚れが実用上問題とならない程に抑制され、且つ細線、細文字、微小な網点等の高精細な画像が、欠落・歪み・滲み等のない鮮明なものとなり、好ましい。更に、印刷版として印刷すると、非画像部は印刷インクの付着汚れが生じない親水性に優れたものであり、同時に画像部はトナー又はインクとの密着性が良好で、多数枚印刷しても画像の欠落を生じないという優れた効果を発現する。
【0035】
本発明で用いることのできる親水性結着樹脂としては、特に限定されないが、(a)ゼラチン及びゼラチン硬化性化合物、(b)カルボキシル基、スルホ基及びホスホノ基から選択される少なくとも1種の極性基で変性された親水性樹脂、並びに(c)上記一般式(III)で表されるシリル官能基で変性された親水性樹脂を挙げることができる。これらの親水性結着樹脂は、それぞれ単独で用いても二種以上用いてもよく、更には、(a)〜(c)の各親水性樹脂のうちの二種以上をそれぞれ組み合わせて用いてもよい。
【0036】
画像受理層に親水性結着樹脂として含有することができるゼラチンとは、誘導タンパク質の一種であり、コラーゲンから製造されるゼラチンと称されるものであれば特に限定されるものではない。好ましくは、淡色、透明、無味、無臭の外観を示すものである。更には、写真乳剤用ゼラチンが、水溶液とした場合の粘度、ゲルのゼリー強度等の物性が一定の範囲内にあることからより好ましい。
【0037】
画像受理層の親水性結着樹脂として、ゼラチンを用いることにより、画像受理層用分散混合物の分散が容易となり、無機粒子の均一な分散がより促進され、膜の強度が向上し、且つ、膜表面の平滑性が微細な凹凸の形状に制御され、画像部の密着向上及び非画像部の親水性向上が更に図られる。
【0038】
また、画像受理層中にゼラチンを用いた場合には、ゼラチン硬化性化合物を併用することにより層が硬化されて、耐水性が更に良好なものとなる。
ゼラチン硬化性化合物としては、従来公知の化合物を用いることができる。例えば、T.H.James「The theory of the Photographic Process」第2章 セクションIII、Macmillan Publishing Co.Inc.(1977年刊)、リサーチ・ディスクロージャー誌No.17643、p.26(1970年12月発行)等に記載されている。
好ましくは、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、アジポアルデヒド等のジアルデヒド類、ジケトン類(例えば、2,3−ブタンジオン、2,5−ヘキサンジオン、3−ヘキセン−2,5−ジオン、1,2−ジクロペンタンジオン等)、電子吸引基を隣接結合した二重結合を2個以上有する活性オレフィン化合物等が挙げられる。
【0039】
ゼラチン硬化性化合物は更に好ましくは、下記一般式(II)で示される二重結合基を分子中に2個以上含有する化合物である。
【0040】
一般式(II) CH2=CH−W−
【0041】
{式(II)中、Wは、−OSO2−、−SO2−、−CONR11−又は−SO2NR11−を表す(但し、R11は水素原子又は炭素数1〜8の脂肪族基を表す)。}
【0042】
式(II)において、好ましくはR11は、水素原子又は炭素数1〜6の置換されてもよいアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、メチロール基、2−クロロエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−カルボキシエチル基、3−メトキシプロピル基等)を表す。式(II)中のWは、好ましくは−SO2−を表す。
【0043】
具体的には、例えば、レゾルシノールビス(ビニルスルホナート)、4,6−ビス(ビニルスルホニル)−m−キシレン、ビス(ビニルスルホニルアルキル)エーテルあるいはアミン、1,3,5−トリス(ビニルスルホニル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、ジアクリルアミド、1,3−ビス(アクリロイル)尿素、N,N'−ビスマレイイミド類等が挙げられる。
【0044】
ゼラチン硬化性化合物の使用量は、ゼラチン100質量部に対して、0.5〜20質量部が好ましい。より好ましくは、0.8〜10質量部である。この範囲内において、得られた画像受理層は膜強度が保持され、優れた耐水性を示すと同時に、画像の受理層の親水性を疎害しない。
【0045】
また、画像受理層の親水性結着樹脂として、カルボキシル基、スルホ基及びホスホノ基(−PO32基)から選ばれる少なくとも1種の極性官能基で変性された親水性樹脂を含有することができる。これらの極性官能基は、塩を形成してもよい。この「極性官能基」で変性された親水性樹脂は、水酸基を有する親水性樹脂を、常法により変性させて、「極性官能基」を導入することにより容易に得ることができる。
【0046】
前記極性官能基を含有する親水性樹脂としては、天然水溶性高分子、半合成水溶性高分子、合成高分子のいずれでもよく、具体的には経営開発センター出版部刊(1981年);長友新治「新・水溶性ポリマーの応用と市場」(株)シーエムシー刊(1988年);「機能性セルロースの開発」(株)シーエムシー刊(1985年)小竹無二雄監修「大有機化学第19巻:天然高分子化合物I」朝倉書店(1960年)等に記載のものが挙げられる。
【0047】
例えば、天然及び半合成の高分子としては、セルロース、セルロース誘導体(セルロースエステル類;硝酸セルロース、硫酸セルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、コハク酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸コハク酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース等、セルロースエーテル類;メチルセルロース、エチルセルロース、シアノエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース等)、デンプン、デンプン誘導体(酸化デンプン、エステル化デンプン類;硝酸、硫酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸等のエステル化体、エーテル化デンプン類;メチル化、エチル化、シアノエチル化、ヒドロキシアルキル化、カルボキシメチル化等の誘導体)、アルギン酸、ペクチン、カラギーナン、タマリンドガム、天然ガム類(アラビアガム、グアーガム、ローカストビーンガム、トランガントガム、キサンタンガム等)、プルラン、デキストラン、カゼイン、ゼラチン、キチン、キトサン等が挙げられる。
【0048】
合成高分子としては、例えばポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール〔ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、(エチレングリコール/プロピレングリコール)共重合体等〕、アリルアルコール共重合体、アクリル酸共重合体、メタクリル酸共重合体、水酸基を少なくとも1種含有するアクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステルの重合体または共重合体〔エステル置換基として、例えば2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピル基、3−ヒドロキシ−2,2−ジ(ヒドロキシメチル)プロピル基、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基等〕、アクリルアミドもしくはメタクリルアミドのN−置換体の重合体又は共重合体〔N−置換基として、例えばモノメチロール基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル基、2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシペンチル基等〕等が挙げられる。但し、合成高分子としては、繰り返し単位の側鎖置換基中に少なくとも1個の水酸基を含有するものであれば、特に限定されるものではない。
【0049】
これらの極性官能基で変性された親水性樹脂の分子量は、好ましくは103〜106、より好ましくは5×103〜4×105である。また、上記極性官能基の含有量は特に限定的でないが、0.5〜50質量%であることが好ましい。
【0050】
更に本発明の親水性結着樹脂としては、前記一般式(III)で示されるシリル官能基で変性された親水性樹脂を含有することができる。かかる親水性樹脂を用いることで本発明の画像受理層の表面が充分に親水性となると同時に、画像の密着性が極めて良好で、印刷版として耐刷性が飛躍的に向上する。
この「シリル官能基」で変性された親水性樹脂は、水酸基を有する親水性樹脂を、常法により変性させて、「シリル官能基」を導入することにより容易に得ることができる。
【0051】
式(III)においてR31が示す好ましい炭化水素基としては、炭素数1〜12の置換されてもよいアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、2−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、3,6−ジオキソヘプチル基、3−スルホプロピル基、2−カルボキシエチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、3−クロロプロピル基、3−ブロモプロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、トリフロロエチル基等)、炭素数3〜12の置換されてもよいアルケニル基(例えばプロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基等)、炭素数7〜12の置換されてもよいアラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、クロロベンジル基、ブロモベンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル基、メトキシベンジル基、ジメチルベンジル基、ジメトキシベンジル基、カルボキシベンジル基等)、炭素数5〜8の置換されてもよい脂環式基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−シクロヘキシルエチル基、2−シクロペンチルエチル基等)、炭素数6〜12の置換されてもよい芳香族基(例えばフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ドデシルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ブトキシフェニル基、デシルオキシフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、ブロモフェニル基、シアノフェニル基、アセチルフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、ブトキシカルボニルフェニル基、アセトアミドフェニル基、プロピオアミドフェニル基、カルボキシフェニル基、スルホフェニル基、カルボキシメチルフェニル基等)等が挙げられる。
【0052】
式(III)におけるXは、炭素数1〜12の脂肪族基を表す。好ましくは炭素数1〜8の置換されてもよいアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクテル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、3,6−ジオキサペプチル基、2−オキソブチル基等)、炭素数3〜8の置換されてもよいアルケニル基(例えばプロピル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基等)、炭素数7〜12の置換されてもよいアラルキル基(例えばベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、クロロベンジル基、ブロモベンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル基、メトキシベンジル基、ジメチルベンジル基、ジメトキシベンジル基等)、炭素数5〜8の置換されてもよい脂環式基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等)が挙げられる。Xのより好ましい脂肪族基としては、炭素数1〜4の置換されてもよいアルキル基が挙げられる。
nは0、1又は2を表す。好ましくは0又は1を表す。
【0053】
一般式(III)で示されるシリル官能性基を含有する有機ポリマーは公知の方法で合成することができる。例えば、「反応性ポリマーの合成と応用」(株)シーエムシー刊(1989年)、特公昭46−30711号、特開昭5−32931号等に記載の方法に従って、ポリマー中の水酸基をシリル官能性基に変性することにより容易に得られる。水酸基含有樹脂としては、天然高分子、半合成高分子、合成高分子のいずれでもよく、具体的には、経営開発センター出版部編「水溶性高分子・水分散型樹脂総合技術資料集」経営開発センター出版部刊(1981年)、長友新治「新・水溶性ポリマーの応用と市場」(株)シーエムシー刊(1988年)、「機能性セルロースの開発」(株)シーエムシー刊(1985年)、小竹無二雄監修「大有機化学第19巻:天然高分子化合物I」朝倉書店(1960年)等に記載のものが挙げられる。
【0054】
例えば、天然及び半合成の高分子としては、セルロース、セルロース誘導体(セルロースエステル類;硝酸セルロース、硫酸セルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、コハク酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸コハク酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース等、セルロースエーテル類;メチルセルロース、エチルセルロース、シアノエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース等)、デンプン、デンプン誘導体(酸化デンプン、エステル化デンプン類;硝酸、硫酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸等のエステル化体、エーテル化デンプン類;メチル化、エチル化、シアノエチル化、ヒドロキシアルキル化、カルボキシメチル化等の誘導体)、アルギン酸、ペクチン、カラギーナン、タマリンドガム、天然ガム類(アラビアガム、グアーガム、ローカストビーンガム、トランガントガム、キサンタンガム等)、プルラン、デキストラン、カゼイン、ゼラチン、キチン、キトサン等が挙げられる。
【0055】
合成高分子としては、例えばポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール〔ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、(エチレングリコール/プロピレングリコール)共重合体等〕、アリルアルコール共重合体、アクリル酸共重合体、メタクリル酸共重合体、水酸基を少なくとも1種含有するアクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステルの重合体または共重合体〔エステル置換基として、例えば2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピル基、3−ヒドロキシ−2,2−ジ(ヒドロキシメチル)プロピル基、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基等〕、水酸基を少なくとも1種含有するアクリルアミドもしくはメタクリルアミドのN−置換体の重合体又は共重合体〔N−置換基として、例えばモノメチロール基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル基、2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシペンチル基等〕等が挙げられる。但し、合成高分子としては、繰り返し単位の側鎖置換基中に少なくとも1個の水酸基を含有するものであれば、特に限定されるものではない。
【0056】
これら親水性樹脂の質量平均分子量は、好ましくは103〜106、より好ましくは5×103〜4×105である。
親水性樹脂におけるシリル官能性基の含有量は、シリル官能性基を有する単位成分として、通常0.01〜50mol%、好ましくは0.1〜20mol%、更に好ましくは0.2〜15mol%である。親水性樹脂が多糖、蛋白質の場合には、単位成分はその構成単糖、アミノ酸を指す。但し、これら単位成分はシリル官能性基を複数有していてもよい。
【0057】
該官能性基は、重合体の繰り返し単位中の側鎖または重合体主鎖の末端に直接結合してもよいし、連結基を介して結合してもよい。かかる連結基としては、いずれの結合基でもよいが、例えば具体的に挙げるとすれば、−O−、−CR2122−〔ここで、R21及びR22は同じでも異ってもよく、各々水素原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、−OH基、シアノ基、アルキル基(メチル基、エチル基、2−クロロエチル基、2−ヒドロキシエチル基、プロピル基、ブチル基、等)、アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基等)、フェニル基等を表す〕、−S−、−NR23−〔ここでR23は水素原子又は炭化水素基{炭化水素基として具体的には炭素数1〜8の炭化水素基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、2−メトキシエチル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、ベンジル基、メチルベンジル基、フェネチル基、フェニル基、トリル基、クロロフェニル基、メトキシフェニル基等)が挙げられる}を表す〕、−CO−、−COO−、−OCO−、−CONR23−、−SO2NR23−、−SO2−、−NHCONH−、−NHCOO−、−NHSO2−、−CONHCOO−、−CONHCONH−、等の結合基の単独又はこれらの2以上の組合せにより構成された連結基等が挙げられる。
【0058】
本発明に供される上記の一般式(III)で示されるシリル官能性基を含有する親水性樹脂は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの親水性樹脂は、塗膜を形成後の加熱乾燥の工程で[−Si(R31n(OX)3-n ]基の縮合反応により容易に下記式(III′)で示されるシロキサン結合を形成し樹脂間の橋架けが起こり、膜を硬化して画像受理層の膜強度が充分に保持される。詳細は不明だが、本発明の画像受理層の表面は充分に親水性であると同時に、画像の密着性が極めて良好で、印刷版として、耐刷性が飛躍的に向上する。
【0059】
【化1】
Figure 0003818902
【0060】
本発明の画像受理層は、上記無機顔料と親水性樹脂との使用割合は、85〜50対15〜50質量比が好ましく、より好ましくは15〜40対85〜60質量比である。この範囲内において、前記した同様に、膜の強度、非画像部の印刷インク付着防止、画像部との密着性向上(耐刷性)等の効果が得られる。
【0061】
上記画像受理層には、それぞれの上記した各構成成分と共に、他の構成成分を含有してもよい。
画像受理層には、膜強度をより向上させるために架橋剤を添加してもよい。架橋剤としては、通常架橋剤として用いられる化合物を挙げることができる。具体的には、山下晋三、金子東助編「架橋剤ハンドブック」大成社刊(1981年)、高分子学会編「高分子データハンドブック、基礎編」培風館(1986年)等に記載されている化合物を用いることができる。
【0062】
例えば、塩化アンモニウム、金属イオン、有機過酸化物、ポリイソシアナート系化合物(例えばトルイレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、トリフェニルメタントリイソシアナート、ポリメチレンフェニルイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、高分子ポリイソシアナート等)、ポリオール系化合物(例えば、1,4−ブタンジオール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、1,1,1−トリメチロールプロパン等)、ポリアミン系化合物(例えば、エチレンジアミン、γ−ヒドロキシプロピル化エチレンジアミン、フェニレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、変性脂肪族ポリアミン類等)、ポリエポキシ基含有化合物及びエポキシ樹脂(例えば、垣内弘編著「新エポキシ樹脂」昭晃堂(1985年刊)、橋本邦之編著「エポキシ樹脂」日刊工業新聞社(1969年刊)等に記載された化合物類)、メラミン樹脂(例えば、三輪一郎、松永英夫編著「ユリア・メラミン樹脂」日刊工業新聞社(1969年刊)等に記載された化合物類)、ポリ(メタ)クリレート系化合物(例えば、大河原信、三枝武夫、東村敏延編「オリゴマー」講談杜(1976年刊)、大森英三「機能性アクリル系樹脂」テクノシステム(1985年刊)等に記載された化合物類)が挙げられる。
【0063】
本発明の画像受理層には、画像受理層塗布分散物の塗布性を良好とするために、界面調節剤(整面剤)、滑泡剤、膜pHを調整するための緩衝剤等の各種添加剤を併用してもよい。
【0064】
上記画像受理層は、調製された塗布液を耐水性支持体上に、従来公知の塗布方法のいずれかを用いて、塗布、乾燥することにより成膜される。
形成される画像受理層の膜厚は、1m2 当りの画像受理組成物の塗布量(乾燥後)で示して好ましくは0.5〜30g/m2、より好ましくは1.0〜15g/m2である。この範囲で均一な厚みの膜が作成され、且つ膜の強度が充分となる。
【0065】
本発明の平板印刷用原版においては、耐水性支持体と、上記画像受理層との間に、必要に応じて中間層を設けることができる。
この中間層は、その表面の中心線平均粗さ(Ra)を0.05〜2.0μmの範囲とすることが好ましい。これにより、上層となる画像受理層との密着性が格段と向上することができる。このRaの範囲において、中間層表面に微細凹凸が形成され、この中間層上に画像受理層を塗工した場合に前記中間層表面の凹凸に画像受理層が一部入り込んでアンカーされ充分な密着性を発揮すると思われる。中間層の表面のRaは、好ましくは0.1〜1.0μmである。また、中間層の厚さは特に限定的ではないが、0.5〜10μmの範囲が適当である。
【0066】
ここで、中心線平均粗さ(Ra)とは、粗さ曲線から中心線の方向に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取りの中心線と粗さ曲線との偏差の絶対値を算術平均した値である。例えば、表面粗さ測定装置(SE-3400、(株)小坂研究所社製)を用いて測定することができ、これらの測定は、ISO-468の基準に従い、具体的には、例えば奈良治郎「表面粗さ測定・評価方法」(株)総合技研センター(1983年刊)に詳述されている。
【0067】
中間層の表面の中心線粗さ(Ra)を上記の特定の値とする方法としては、中間層を形成する樹脂中に微細な無機粒子(フィラー)を分散することにより制御する方法、耐水性支持体表面の形状を制御することにより中間層の表面形状を制御する方法、中間層の塗布溶剤を工夫し(例えば、高沸点溶媒と低沸点溶媒とを組み合わせる、良溶媒と貧溶媒とを組み合わせるなど)、中間層の塗布乾燥時に上記溶媒の組み合わせにより形状を制御する方法等が挙げられる。
【0068】
中間層の形成材料としては、各種の樹脂、又は該樹脂と無機粒子の分散物が挙げられ、適宜選択して用いられる。
具体的には、無機粒子としては、カオリン、クレー、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、アルミナ、水酸化鉄、水酸化アルミ、含水酸化チタン、含水酸化亜鉛などが挙げられる。
【0069】
特に、平均粒径0.005〜1μmの無機顔料微粒子を含有することが好ましい。平均粒径0.005〜1μmの無機顔料微粒子としては特に限定されず、従来公知の化合物が挙げられる。好ましくはシリカゾル、チタニアゾル、アルミナゾル、酸化チタン、含水酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ニッケル、酸化ジルコニウム等である。より好ましくは、シリカゾル、チタニアゾル及びアルミナゾルのうちの少なくとも1種である。
【0070】
シリカゾルは、表面に多くの水酸基を持ち、内部はシロキサン配合(−Si−O−Si)を構成している、粒子径1〜100nmのシリカ超微粒子が、水又は極性溶媒中に分散したものであり、コロイダルシリカとも称されているものである。具体的には、前記の成書「高純度シリカの応用技術」第3章に記載されている。
【0071】
アルミナゾルは、5nm〜200nmのコロイドの大きさをもつアルミナ水和物(べーマイト系)で、水中の陰イオン(例えばフッ素イオン、塩素イオン等のハロゲン原子イオン、酢酸イオン等のカルボン酸アニオン等)を安定剤として分散されたものである。
チタニアゾルは5nm〜500nmのコロイドの大きさをもつTiO2もしくはTi(O)(OH)2またはこの混合物を称するものを表す。
【0072】
上記コロイド状微粒子で平均粒径が5〜50nmのものが本発明の中間層に好ましく用いられる。より好ましくは平均粒径が5〜40nmのものである。これら無機顔料微粒子は、いずれも市販品として容易に入手できる。
【0073】
中間層を構成する樹脂としては、各種の樹脂が適宜選択して用いられる。具体的には、オレフィン重合体および共重合体(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリレート共重合体、エチレン−メタクリレート共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等)、塩化ビニル重合体および共重合体(例えば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等)、塩化ビニリデン共重合体、アルカン酸ビニル重合体および共重合体、アルカン酸アリル重合体および共重合体、スチレンおよびその誘導体の重合体ならびに共重合体(例えばブタジエン−スチレン共重合体、イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−メタクリレート共重合体、スチレン−アクリレート共重合体等)、アクリロニトリル共重合体、メタクリロニトリル共重合体、アルキルビニルエーテル共重合体、アクリル酸エステル重合体および共重合体、メタクリル酸エステル重合体および共重合体、イタコン酸ジエステル重合体および共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリルアミド共重合体、メタクリルアミド共重合体、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ケトン樹脂、ポエステル樹脂、シリコン樹脂、アミド樹脂、水酸基およびカルボキシル基変性ポリエスエテル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂、ロジン系樹脂、水素添加ロジン樹脂、石油樹脂、水素添加石油樹脂、マレイン酸樹脂、テルペン樹脂、水素添加テルペン樹脂、クロマン−インデン樹脂、環化ゴム−メタクリル酸エステル共重合体、環化ゴム−アクリル酸エステル共重合体、窒素原子を含有しない複素環を含有する共重合体(複素環として例えば、フラン環、テトラヒドロフラン環、チオフェン環、ジオキサン環、ジオキソフラン環、ラクトン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、1,3−ジオキセタン環等)、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0074】
天然及び半合成の高分子としては、セルロース、セルロース誘導体(セルロースエステル類;硝酸セルロース、硫酸セルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、コハク酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸コハク酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース等、セルロースエーテル類;メチルセルロース、エチルセルロース、シアノエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース等)、デンプン、デンプン誘導体(酸化デンプン、エステル化デンプン類;硝酸、硫酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸等のエステル化体、エーテル化デンプン類;メチル化、エチル化、シアノエチル化、ヒドロキシアルキル化、カルボキシメチル化等の誘導体)、アルギン酸、ペクチン、カラギーナン、タマリンドガム、天然ガム類(アラビアガム、グアーガム、ローカストビーンガム、トランガントガム、キサンタンガム等)、ブルラン、デキストラン、カゼイン、ゼラチン、キチン、キトサン等が挙げられる。
【0075】
合成高分子としては、例えばポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、(エチレングリコール/プロピレングリコール)共重合体等)、アリルアルコール共重合体、水酸基を少なくとも1種含有のアクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体(エステル置換基として、例えば2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピル基、3−ヒドロキシ−2,2−ジ(ヒドロキシメチル)プロピル基、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基等)、アクリルアミドもしくはメタクリルアミドのN−置換体の重合体又は共重合体(N−置換基として、例えば、モノメチロール基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル基、2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシペンチル基等)等が挙げられる。
【0076】
上記中間層中の無機粒子と樹脂との配合比は1/99(質量比)〜90/10(質量比)が好ましく、更に好ましくは5/95〜70/30(質量比)である。
【0077】
また中間層には、耐水性、膜強度をより向上させるために架橋剤を添加してもよい。架橋剤としては、通常架橋剤として用いられる化合物を挙げることができる。具体的には、山下晋三、金子東助編「架橋剤ハンドブック」大成社刊(1981年)、高分子学会編「高分子データハンドブック、基礎編」培風館(1986年)等に記載されている化合物を用いることができる。
【0078】
例えば、塩化アンモニウム、金属イオン、有機過酸化物、ポリイソシアナート系化合物(例えばトルイレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、トリフェニルメタントリイソシアナート、ポリメチレンフェニルイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、高分子ポリイソシアナート等)、ポリオール系化合物(例えば、1,4−ブタンジオール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、1,1,1−トリメチロールプロパン等)、ポリアミン系化合物(例えば、エチレンジアミン、γ−ヒドロキシプロピル化エチレンジアミン、フェニレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、変性脂肪族ポリアミン類等)、ポリエポキシ基含有化合物及びエポキシ樹脂(例えば、垣内弘編著「新エポキシ樹脂」昭晃堂(1985年刊)、橋本邦之編著「エポキシ樹脂」日刊工業新聞社(1969年刊)等に記載された化合物類)、メラミン樹脂(例えば、三輪一郎、松永英夫編著「ユリア・メラミン樹脂」日刊工業新聞社(1969年刊)等に記載された化合物類)、ポリ(メタ)クリレート系化合物(例えば、大河原信、三枝武夫、東村敏延編「オリゴマー」講談杜(1976年刊)、大森英三「機能性アクリル系樹脂」テクノシステム(1985年刊)等に記載された化合物類)が挙げられる。
【0079】
本発明に用いられる耐水性支持体としては、紙を耐水化剤で処理したもの、プラスチックフィルム、金属板(アルミニウム等)等が挙げられる。その中でも、高寸度安定性が必要なとき、つまり高画質、高精細な印刷を行う場合には、特定の熱膨張率、熱収縮率の支持体を用いることが好ましい。具体的には、熱膨張率が15×10-5/℃以下、より好ましくは10×10-5/℃以下であって、熱収縮率(150℃、30分加熱)が−1.0以上+1.0未満、より好ましくは−0.5以上1.0未満のポリマーフィルム又は複合フィルムであることが好ましい。かかる物性値を有する支持体を用いることにより、製版後の定着加熱において、高い寸度安定性が得られ、鮮明な画像を得ることができる。
【0080】
ポリマーフィルムとしては、例えばポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリサルフォン(PSF)、非晶ポリアクリレート(PAR)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルローストリブチレート、ポリスチレン等が挙げられる。更に詳細には、「ポリマーフィルムと機能性膜」技報堂出版社1991年発行、「プラスチックハンドブック」(株)工業調査会1980年発行、「プラスチックフィルム−加工と応用−第2版」技報堂出版(株)1995年発行等に記載されているポリマーフィルム又は複合フィルムを用いることができる。ここで、複合フィルムとは数種のプラスチックフィルムを、例えば押し出しTラミネート法等の方法で重ね合わせたフィルムを言い、例えば、PET/PE、PEN/PE等を挙げることができる。
【0081】
また、支持体として、50〜200μmの厚みを有するフィルムを用いる事が好ましい。この範囲内において、十分な強度とともに良好なハンドリング性が得られる。特に70〜200μmの厚みを有するフィルムを用いることが好ましく、この範囲内において、更に良好な自動給排版印刷機特性及びハンドリング性が得られる。
【0082】
本発明で用いられる支持体は、導電性を有するものであることが好ましく、少なくともその中間層側表面及び少なくともその片端が1010Ωcm以下の固有電気抵抗値を有するものであることが好ましい。上記の固有電気抵抗値は、より好ましくは108Ωcm以下であり、その値は、限りなく零であってもよい。
導電性が上記の範囲内において、帯電したインク滴が画像受理層上に付着した際にインク滴の電荷が速やかに接地面を通して消失するために、乱れを生じない鮮明な画像が形成され、好ましい。
なお、本発明における固有電気抵抗値(体積固有電気抵抗値または比電気抵抗値とも呼ばれる)の測定はJIS K−6911に基づきガード電極を設けた3端子法で行った。
【0083】
また、耐水性支持体の少なくとも片端に上記導電性層を設けることにより、画像受理層の反対側が絶縁性層で被覆されていても、レーザープリンターやインクジェット等で描画するときに、導電層のアース(接地)が容易に行われ、画像トナーの描画性(濃度、鮮明さ)が増し、耐刷性が向上する。従って、上記導電性層は、耐水性支持体の片面で充分に有効である。但し、両端に施すことにより、より効果的にアースが可能となり、描画画質及び印刷耐性が更に向上する。尚、ここで耐水性支持体の片端とは、下記で塗布される画像受理層の面に対して垂直な面を言う。更に好ましくは耐水性支持体を版材として用いたときに、版材製版方向に向かって左右の垂直な面である。
【0084】
支持体の画像受理層側(中間層が設けられる場合はそれに隣接する部分)に上記のような導電性を持たせるには、基体上に、カーボンブラック等の導電性フィラーと結着剤からなる層を塗布したり、金属箔を貼り付けたり、金属を蒸着したりする方法が挙げられる。
【0085】
導電性層は、導電性フィラーと結着剤を含む層を耐水性支持体の少なくとも片面、更に少なくとも片側の端面(片端)に塗布することにより形成することができる。塗布される導電性層の厚さは、0.5μm〜20μmが好ましい。
導電性フィラーとしては、粒子状のカーボンブラック、グラファイト、例えば銀、銅、ニッケルなどの金属粉、酸化スズ粉末、フレーク状のアルミまたはニッケル、繊維状の炭素、真鍮、アルミ、銅、ステンレスなどが挙げられる。
【0086】
導電性層形成の結着剤として使用される樹脂としては、各種の樹脂を適宜選択して用いることができる。具体的には、疎水性樹脂としては、例えばアクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等が挙げられ、親水性樹脂としては例えばポリビニルアルコール系樹脂、セルロール系誘導体、でんぷんおよびその誘導体、ポリアクリルアミド系樹脂、スチレン無水マレイン酸系共重合体等が挙げられる。
【0087】
導電性層を形成する他の方法として、導電性の薄膜をラミネートする方法が挙げられる。導電性薄膜としては、例えば金属箔、導電性プラスチックフィルムなどを用いることができる。さらに具体的には、金属箔ラミネート材としてアルミ箔、導電性プラスチックフィルムのラミネート材としては、カーボンブラックを混入したポリエチレン樹脂などがあげられる。アルミ箔としては、硬質および軟質のどちらでも良く、厚みは0.5μm〜20μmが好ましい。
【0088】
カーボンブラックを混入したポリエチレン樹脂のラミネートは押し出しラミネート法が好ましい。押し出しラミネート法とは、ポリオレフィンを熱溶融し、これをフィルムにしてから直ちに原紙に圧着後、冷却してラミネートする方法であり、種々の装置が知られている。ラミネート層の厚みは、10μm〜30μmが好ましい。また、本発明のポリエチレン被覆層にカーボンブラックを混入して、導電性層を兼ねてもよい。
【0089】
以上のようにして固有電気抵抗が1010Ωcm以下の導電性を有する耐水性支持体を得ることができる。
【0090】
本発明では、耐水性支持体の画像受理層が塗布された面の反対側の表面の平滑性をベック平滑度で5〜2000sec/10cc、好ましくは50〜1500sec/10cc、さらに好ましくは100〜500sec/10ccの範囲とすることが好ましい。上記範囲にすることで、印刷版の印刷時にかかる歪み、例えば印刷中にブランケットと版の摩擦によっておこる版の歪みを押さえることができ、結果的に印刷寸法および精度を維持することができると考えられる。この理由としては、印刷版と印刷機の版胴との間の摩擦抵抗によることが大きな要因の1つと推定される。
【0091】
また、画像受理層は、その表面の平滑性がベック平滑度で30(sec/10ml)以上であることが好ましい。ここで、ベック平滑度とは、ベック平滑度試験機により測定することができ、高度に平滑に仕上げられた中央に穴のある円形のガラス板上に、試験片を一定圧力(1kg/cm2)で押しつけ、減圧下で一定量(10cc)の空気が、ガラス面と試験片との間を通過するのに要する時間を測定するものである。
更には、この表面の平滑性は、製版で用いる電子写真式プリンターにおいて、用いるトナーが乾式トナーと液体トナーで適切な範囲は、以下の態様が好ましい。
【0092】
乾式トナーを用いる電子写真式プリンターでは、本発明の原版の画像受理層表面は、30〜200(sec/10ml)が好ましく、より好ましくは50〜150(sec/10ml)である。この範囲内において、トナー画像を原版に転写し定着するプロセスにおいて、飛散トナーの非画像部への付着(即ち、地汚れ)及び画像部のトナー付着が均一且つ充分になされ、細線・細文字の再現性やベタ画像部の均一性が良好となる。
【0093】
他方、液体トナーを用いる電子写真式プリンターでは、画像受理層表面は30(sec/10ml)以上で、より高い程よく、150〜3000(sec/10ml)、より好ましくは200〜2500(sec/10ml)である。
【0094】
また、インクジェット式プリンター、感熱転写型プリンターでは、上記液体トナー利用の電子写真式プリンターの場合と同様の範囲が好ましい。この範囲において、細線・細文字、網画像等の高精細なトナー画像部が忠実に画像受理層上に転写・形成され、且つ画像受理層表面とトナー画像部の密着も充分になされ、画像部強度が保持できる。
【0095】
更に好ましくは、本発明の表面グラフト親水性層が結合する前の画像受理層表面の形状が、凹凸の形成が高く且つ間隔が密な状態とする。具体的には、ISO−468で定義される表面中心平均粗さSRaが1.3〜3.5μmの範囲で且つ表面粗さの密度を表示する平均波長Sλaが50μm以下の範囲であることが好ましい。より好ましくは、SRaが1.35〜2.5μm、Sλaが45μm以下の範囲である。この事により、電子写真製版後の非画像部への飛散トナーの付着及び付着トナーの定着時の太りが抑制されるものと推定される。
【0096】
インクジェット記録方法としては、従来公知の記録方式のいずれでもよいが、インク画像の乾燥・定着性、インクのつまり難さ等から油性インクを用いた記録方法が好ましく、画像滲みを生じ難い静電式(又は静電吸引式)インクジェット方式が好ましい。また、ホットメルトインクを用いたソリッドジェット方式も好ましい。
【0097】
静電力を用いるオンディマンド型のインクジェット方式として一之瀬進、大庭有二、電子通信学会論文誌Vol.J66-C(No.1),p47(1983)、大野忠義、水口衛、画像電子学会誌vol.10,(No.3),p157(1981)等に記載の静電加速型インクジェットあるいはスリットジェットと呼ばれる方式が知られており、具体的態様が、例えば特開昭56−170号、同56−4467号、同57−151374号等に開示されている。
これは、インクタンクからスリット状のインク保持部内面に多数の電極を配置してなるスリット状インク室にインクを供給すると共に、これらの電極に選択的に高電圧を印加することにより、スリットと近接対向する記録紙に電極近傍のインクを噴出させて記録するものである。
【0098】
また、スリット状の記録ヘッドを用いない他の方式として、特開昭61−211048号公報には、複数の微小孔を有するフィルム状インク支持体の穴にインクを充填し、多針電極により選択的に電圧を印加して構内のインクを記録紙に移動させる手段が開示されている。
【0099】
用いる油性インクは好ましくは固有電気抵抗109Ω・cm以上かつ誘電率3.5以下の非水溶媒を分散媒とし、少なくとも常温(15℃〜35℃)で固体かつ疎水性の樹脂粒子が分散されたものである。このような分散媒を用いることによって、油性インクの固有電気抵抗が適正に制御されて電界によるインクの吐出が適正となり画質が向上する。また、上記のような樹脂粒子を用いることによって画像受理層との親和性が増し、良好な画質が得られるとともに耐刷性が向上する。具体的には、特開平10−203039号、同10−250254号等に記載の油性インクが挙げられる。
【0100】
また、ソリッドジェット記録方式としては、So1id Inkjet P1atemaker SJ02A(日立工機(株)製)、MP-1200Pro(Dynic(株)製)等の上市されたプリントシステムが挙げられる。
【0101】
以下、インクジェット記録方法を用いた方法を図面を用いてより具体的に説明する。
図1に示す装置系は油性インクを使用するインクジェット記録装置1を有するものである。
【0102】
図1のように、まず、マスター2に形成すべき画像(図形や文章)のパターン情報を、コンピュータ3のような情報供給源から、バス4のような伝達手段を通し、油性インクを使用するインクジェット記録装置1に供給する。記録装置1のインクジェット記録用ヘッド10は、その内部に油性インクを貯え、記録装置1内にマスター2が通過すると、前記情報に従い、インクの微小な液滴をマスター2に吹き付ける。これにより、マスター2に前記パターンでインクが付着する。こうしてマスター2に画像を形成し終え、製版マスター(製版印刷原版)を得る。
【0103】
図1の装置系におけるようなインクジェット記録装置の構成例を図2および図3に示す。図2および図3では図1と共通する部材は共通の符号を用いて示している。図2はこのようなインクジェット記録装置の要部を示す概略構成図であり、図3はヘッドの部分断面図である。
【0104】
イクジェット記録装置に備えられているヘッド10は、図2、図3に示されるように、上部ユニット101と下部ユニット102とで挟まれたスリットを有し、その先端は吐出スリット10aとなっており、スリット内には吐出電極10bが配置され、スリット内には油性インク11が満たされた状態になっている。
【0105】
ヘッド10では、画像のパターン情報のデジタル信号に従って、吐出電極10bに電圧が印加される。図2に示されるように、吐出電極10bに対向する形で対向電極10cが設置されており、対向電極10c上にはマスター2が設けられている。電圧の印加により、吐出電極10bと、対向電極10cとの間には回路が形成され、ヘッド10の吐出スリット10aから油性インク11が吐出され対向電極10cに設けられたマスター2上に画像が形成される。
【0106】
吐出電極10bの幅は、高画質の画像形成、例えば印字を行うためにその先端はできるだけ狭いことが好ましい。
例えば油性インクを図3のヘッド10に満たし、先端が20μm幅の吐出電極10bを用い、吐出電極10bと対向電極10cの間隔を1.5mmとして、この電極間に3kVの電圧を0.1ミリ秒印加することで40μmのドットの印字をマスター2上に形成することができる。
【0107】
以上のようにして、平版印刷用原版上に、油性インクを使用したインクジェット方式で画像形成して得られた製版マスターを不感脂化処理液で表面処理して非画像部を不感脂化して印刷版を作成することができる。
【0108】
【実施例】
以下に実施例を示して、本発明を詳細に説明するが、本発明の内容がこれらに限定されるものではない。
【0109】
実施例1
<平版印刷用原版の作成>
下記内容の組成物を、ガラスビーズとともに、ペイントシェーカー(東洋精機(株)製)に入れ、60分間分散した後、ガラスビーズを濾別し、分散物を得た。
【0110】
・シリカ(サイリシア430、富士シリシア化学(株)製、平均粒径:2.5μm)
26g
・コロイダルシリカ20%溶液(スノーテックC、日産化学工業(株)製、平均粒径:10〜20nm) 70g
・ゼラチン10%水溶液 44g
・スルホン酸変性ポリビニルアルコール10%水溶液(SK-5102、(株)クラレ製)
10g
・トリアルコキシ変性ポリビニルアルコール10%水酸液(R-1130、(株)クラレ製)
5g
・フッ化アルキルエステルFC430(3M社製) 0.24g
・硬化性化合物(K−1){ CH2=CHSO2CH2CONH(CH2)3NHCOCH2SO2CH=CH2 }1.20g
・水 106g
【0111】
軽印刷用電子写真式平版印刷用原版として用いられているELP−2型マスター(富士写真フイルム(株)製商品名)の支持体(アンダー片側のベック平滑度:1000(秒/10cc)以上)を用い、この上に上記組成物をワイヤーパーを用いて塗布し、100℃で10分間乾燥して、塗布量8g/m2の画像受理層を形成し、その後下記の方法により親水性グラフト層を形成した。
【0112】
(表面グラフト層形成方法)
上記画像受理層表面をグロー処理として平版マグネトロンスパッタリング装置(芝浦エレテック製CFS-10-EP70)を使用し、下記の条件で酸素グロー処理を行った。
【0113】
(酸素グロー処理条件)
・初期真空 : 1.2×10-3Pa
・アルゴン圧力 : 0.9Pa
・RFグロー : 1.5KW
・処理時間 : 60sec
【0114】
次に、グロー処理したフィルムを窒素バブルしたアクリル酸水溶液(20wt%)に60℃にて4時間浸漬した.浸漬した膜を流水にて10分間洗浄することによるアクリル酸が表面にグラフトポリマー化された親水性の平版印刷用原版を得た。
親水性表面グラフト層の質量(グラフト量)を重量法で測定したところ、1.2g/m2であった。平版印刷用原版をベック平滑度試験機(熊谷理工(株)製)を用い、空気容量10ccの条件にてその平滑度を測定したところ、340(sec/10cc)であった。また、平版印刷用原版の表面に、蒸留水2μlを乗せ、30秒後の表面接触角(度)を表面接触角計(商品名CA−D、協和界面科学(株)製)を用いて測定したところ、5度以下であった。
【0115】
上記の平版印刷用原版を、「AM−Straight Imaging System」として市販されている、乾式トナーを用いたレーザープリンターAMSIS・1200−J Plate Setter(商品名)を通して製版した。
得られた製版物の複写画像について20倍のルーペを用いて目視評価した所、製版画質は良好であつた。即ち、レーザープリンターからの乾式トナー転写により得られた本発明の製版物は、細線、細文字の欠落がなく、ベタ部も均一で、トナー転写のムラは全く認められず、旦つ非画像部もトナー飛散による地カブリも微かで実用上問題のない良好なものであった。
【0116】
次に上記平版印刷用原版を、上記と同一の操作で製版した後、全自動印刷機AM−2850(商品名、エーエム社(株)製)を用いて、湿し水として、PS版用処理剤EU−3(富士写真フイルム(株)製)を蒸留水で50倍に希釈した溶液を、湿し水受皿部に入れ、オフセット印刷用ワニス入り紅インキを用いて印刷を行なつた。印刷10枚目の印刷物の印刷画像(地カブリ、画像部のベタ均一性)を20倍のルーペを用いて目視評価した所、極めて良好なものであった。
更に、細線、細文字の欠落及びベタ部のムラのない画像を有し、非画像部のインキ汚れも実用上問題のない良好な印刷物が10000枚以上得られた。
本発明の原版は良好な印刷物を多数枚得ることができる。
【0117】
比較例1
実施例1において、親水性グラフト表面層を形成することなく、平版印刷用原版を作成した。得られた原版の表面のベック平滑度は280(sec/10cc)、水との接触角は5度以下であった。
この原版を、実施例1と同様にして製版し、印刷を行なった。製版した版の画質は、実施例1とほぼ同等で非画像部での飛散トナーも少なく画像も良好であった。しかし、印刷物は刷り出しで非画像部の汚れが発生した。
【0118】
これらの直描型平版印刷用原版の皮膜性(表面の平滑度)、表面濡れ性(水との接触角)、膜強度及び製版性を調べた。更に、これらの製版した版をオフセット印刷版として用いた時の印刷性(地汚れ、耐刷性等)を調べた。以上の結果を表−Aに示す。
【0119】
【表1】
Figure 0003818902
【0120】
表−Aに示した評価項目は以下の通りである。
注1)画像受理層の平滑度:
平版印刷用原版をベック平滑度試験機(熊谷理工(株)製)を用い、空気容量10ccの条件にてその平滑度(秒/10cc)を測定した。
【0121】
注2)表面濡れ性:
平版印刷用原版の表面に蒸留水2μlを乗せ、30秒後の表面接触角(度)を表面接触計(CA−D、協和界面科学(株)製、商品名)を用いて測定した。本値が小さいほど、水への濡れ性がよく、親水的であることを示す。
【0122】
注3)表面層の機械的強度:
平版印刷用原版表面をヘイドン−14型表面性試験材(新東化学(株)製)を用いて荷重70g/cm2のものでエメリー紙(#1000)で1000回繰り返し擦り摩耗粉を取り除き表面層の重量減少から残膜率(%)を求め機械的強度とした。
【0123】
注4)製版画質:
平版印刷用原版を、AM−Straight Imaging Syatemとして市販されている:乾式トナーを用いたレーザープリンター(AMSIS・1200−J Plate Setter−商品名−)を通して得られた製版物の複写画像について20倍のルーペを用いて目視評価した。
【0124】
注5)印刷画質:
平版印刷用原版を、注4)と同一の操作で製版した後、全自動印刷機(AM−2850、エーエム(株)製、商品名)を用いて、湿し水として、PS版用処理剤:EU−3(富士写真フイルム(株)製)を蒸留水で50倍に希釈した溶液を、湿し水受皿部に入れ、オフセット印刷用墨インキを用い、印刷機に製版物を通して印刷を行なった。印刷10枚目の印刷物の印刷画像(地カブリ、画像部のベタ均一性)を20倍のルーペを用いて目視評価した。
【0125】
注6)耐刷性:
平版印刷版を注4)と同一の操作で製版した後、上記注5)と同様の印刷機、浸し水、インキを用い、印刷機に製版物を通して上記注5)の場合より浸し水の印刷版への送り量を40%減らして印刷を行い、印刷物の地汚れもしくは画像の欠落が目視で判別できる間の印刷枚数を調べた。
【0126】
表−Aに示す様に、同一支持体上に設けた各原版の画像受理層は、実施例、比較例の各版では、ほぼ同一の平滑性となり、表面層の濡れ性を水との接触角で測定した所、いずれの版も値が低く、親水性が高かった。
【0127】
次に、各原版を実際に製版し、その製版画質を目視観察で調べた所、本発明の原版及び比較例の版が、製版画質及び印刷画質ともに良好であった。即ち、レーザープリンターからの乾式トナー転写により得られた本発明の製版物は、細線、細文字の欠落がなく、ベタ部も均一で、トナー転写のムラは全く認められず、且つ非画像部も、トナー飛散による地カブリも微かで実用上問題のない良好なものであった。
【0128】
次に、製版物を印刷版とし、その性能を得られた印刷物で評価した所、本発明による印刷物のみが、細線、細文字の欠落及びベタ部のムラのない画像を有し、非画像部のインキ汚れも実用上問題のない良好な印刷物を1万枚提供した。他方、比較例は、刷り込みにより、非画像部の印刷インク付着による地汚れが更に悪化した。
これらのことから、本発明の原版のみが良好な印刷物を多数枚得ることができることがわかる。
【0129】
実施例2
実施例1の印刷版を用い、下記の方法で画像形成した外は実施例1と同様の方法で印刷を行った。
【0130】
<油性インク(IK−1)の作成>
(樹脂粒子の製造)
ポリ(ドデシルメタクリレート)14g、酢酸ビニル100g、オクタデシルメタクリレート4.0gおよびアイソパーHを286gの混合溶液を、窒素気流下攪拌しながら温度70℃に加温した。重合開始剤として2,2’−アゾビス(イソパレロニトリル)(略称A.I.V.N.)を1.5g加え、4時間反応した。更に、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(略称A.I.B.N.)を0.8gを加えた後、温度80℃に加温して2時間反応し、続けてA.I.B.N.を0.6g加えて2時間反応した。その後、温度を100℃に上げそのまま1時間攪拌し未反応のモノマーを留去した。冷却後200メッシュのナイロン布を通して得られた白色分散物は重合率93%で平均粒径0.35μmのラテックスであった。粒径はCAPA−500(堀場製作所(株)製)で測定した。
【0131】
(インクの作成)
ドデシルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合比:98/2質量比)10g、アルカリブルー10gおよびシェルゾール71、30gをガラスビーズとともにペイントシェーカー(東洋精機(株)製)に入れ、4時間分散し、アルカリブルーの微小な青色分散物を得た。
上記の樹脂粒子50g(固形分量として)、上記の青色分散物5g(固形分量)および、ナフテン酸ジルコニウム0.06gをアイソパーGの1リットルに希釈することにより青色油性インク(IK−1)を作成した。
【0132】
前記で得られた原版を用いて、パソコン出力を描画できるグラフテック社製サーボ・プロターDA8400を改造し、ペン・プロッター部に図2に示したインク吐出ヘッドを装着し、1.5mmの間隔をおいた対向電極上に設置された平版印刷用原版に上記油性インク(IK−1)を用いて印字を行ない製版した。製版に際しては、印刷用原版の画像受理層直下に設けられたアンダー層と対向電極を、銀ペーストを用いて電気的に接続した。
【0133】
製版された版を、版面温度が70℃となる様に調整したリコーフュザー(リコー(株)製)で10秒間加熱しインク画像を定着した。得られた製版物の画像を光学顕微鏡により、200倍の倍率で観察して評価した。細線・細文字等の滲みや欠落のない鮮明な画像であった。
【0134】
印刷10枚目の印刷物の印刷画像を20倍のルーペを用いて目視評価した所、非画像部の印刷インク付着による地汚れは見られず、又ベタ画像部の均一性は良好であった。更に200倍の光学顕微鏡観察でも、細線・細文字の細り・欠落等は認められず、良好な画質であった。これと同等の印刷画質の印刷物が1万枚以上得られた。
【0135】
【発明の効果】
本発明によれば、上記特定親水性ポリマーを用いることにより、画像受理層表面が充分に親水性であると共に、画像の密着性が良好で、耐刷性に優れ、同時に地汚れも発生せず、鮮明な画像の印刷物を与える優れた平板印刷用原版が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の平版印刷用原版を適用できる装置系の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明の平版印刷用原版を適用できるインクジェット記録装置の要部を示す概略構成図である。
【図3】本発明の平版印刷用原版を適用できるインクジェット記録装置のヘッドの部分断面図である。
【符号の説明】
1 インクジェット記録装置
2 平版印刷用原版(マスター)
3 コンピューター
4 バス
10 ヘッド
10a 吐出スリット
10b 吐出電極
10c 対向電極
11 油性インク
101 上部ユニット
102 下部ユニット
13 インクジェット記録用ヘッド
14 ヘッド本体
15、16 メニスカス規制板
17 吐出電極
18 インク溝
19 隔壁
20,20′吐出部
21 隔壁
22 先端部

Claims (1)

  1. 耐水性支持体上に、無機顔料及び親水性結着樹脂としてゼラチン及びゼラチン硬化性化合物を含有する画像受理層、並びに該画像受理層の表面に親水性官能基を少なくとも1つ有する高分子化合物が化学的に結合してなる表面グラフト親水性層を有することを特徴とする平版印刷用原版。
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