JP2003154767A - 平版印刷用原版 - Google Patents

平版印刷用原版

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JP2003154767A
JP2003154767A JP2001353319A JP2001353319A JP2003154767A JP 2003154767 A JP2003154767 A JP 2003154767A JP 2001353319 A JP2001353319 A JP 2001353319A JP 2001353319 A JP2001353319 A JP 2001353319A JP 2003154767 A JP2003154767 A JP 2003154767A
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Japan
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image
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Application number
JP2001353319A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Tashiro
宏 田代
Kiyosuke Kasai
清資 笠井
Sumiaki Yamazaki
純明 山崎
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高保水性で、かつ支持体との密着性に優れる
と共に、地汚れが発生しない優れた画像受理層を備えた
平版印刷用原版を提供する。 【解決手段】 耐水性支持体上に、無機顔料、親水性結
着樹脂及び式(I)で表される高分子化合物(R1
2、R3及びR4は各々水素原子又は炭素数1〜8の炭
化水素基、mは0、1又は2、nは1〜8の整数、Lは
単結合又は有機連結基、Yは−NHCOR5、−CON
2、−CON(R52、−COR5、−OH、−CO2
M又は−SO3M、R5は炭素数1〜8のアルキル基、M
は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はオニ
ウムを表す)を含有する画像受理層を有する平版印刷用
原版。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な平版印刷用
原版に関し、更に詳細には、地汚れのない鮮明な画像の
印刷物を多数枚印刷可能とする平版印刷用原版、特に直
描型平版印刷用原版に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の事務機器の発達とOA化の進展に
伴い、軽印刷分野において、耐水性支持体上に画像受理
層を有する平版印刷用原版に種々の方法で製版、即ち画
像形成を行い印刷版を作成するオフセット平版印刷方式
が普及している。従来の平版印刷用版材は、耐水性支持
体上に画像受理層を設けたものであり、このような平版
印刷用原版上に油性インクを用いて、タイプライターま
たは手書きによって親油性画像を形成するか、あるいは
熱転写プリンターでインクリボンから画像を熱溶融転写
することで親油性画像を形成し、必要に応じて非画像部
の親水化処理等を行い印刷版とする方法が知られてい
る。
【0003】前記平版印刷用版材は、一般に、紙等の支
持体の両面に裏面層及び中間層を介して画像受理層とな
る表面層が設けられている。裏面層または中間層はPV
Aや澱粉等の水溶性樹脂及び合成樹脂エマルジョン等の
水分散性樹脂と顔料で構成されている。画像受理層は通
常、無機顔料、水溶性樹脂及び耐水化剤で構成される。
【0004】そして、平版印刷用原版の画像受理層に用
いる結着剤として、分解によりカルボキシル基、ヒドロ
キシル基、チオール基、アミノ基、スルホ基又はホスホ
ノ基を生成する官能基を有すると共に、熱/光で硬化す
る官能基を含有し予め架橋されている樹脂を用いる(特
開平1−226394号、同1−269593号、同1
−288488号各公報)、上記官能基含有樹脂と熱/
光硬化性樹脂を併用する(特開平1−266546号、
同1−275191号、同1−309068号各公
報)、上記官能基含有樹脂と架橋剤を併用する(特開平
1−267093号、同1−271292号、同1−3
09067号各公報)ことにより、非画像部の親水性向
上、画像受理層の膜強度の向上、更に耐刷性の改良が検
討されている。
【0005】また、画像受理層中に、無機顔料及び結着
剤とともに、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基の
ような親水性基を含有した1μm以下の微小粒径の樹脂
粒子を含有させる(特開平4−201387号、同4−
223196号各公報)あるいは、分解により上記の様
な親水性基を生成する官能基を含有する微小径樹脂粒子
を含有させる(特開平4−319491号、同4−35
3495号、同5−119545号、同5−58071
号、同5−69684号各公報)ことにより非画像部の
親水性を向上させる事が検討されている。
【0006】しかしながら、この様にして得られた従来
の印刷版は、印刷耐久性を向上するために耐水化剤の添
加量を多くしたり疎水性樹脂を使用したりして疎水性を
増大させると、耐刷性は向上するが親水性が低下して印
刷汚れが発生し、他方親水性を良くすると耐水性が劣化
し耐刷性が低下するという問題があった。特に30℃以
上の高温での使用環境下では、オフセット印刷に使用す
る浸し水に表面層が溶解し、耐刷性の低下及び印刷汚れ
の発生など欠点があった。更に、直描型平版印刷用原版
の場合、油性インキ等を画像部として画像受理層に描画
するものであり、印刷用原版の受理層と油性インキの接
着性が良くなければ、たとえ非画像部の親水性が充分で
上記の如き印刷汚れが発生しなくても、印刷時に画像部
の油性インキが欠落してしまい、結果として耐刷性が低
下してしまうという問題も未だ充分に解決される所まで
至っていない。
【0007】他方、画像受理層として酸化チタンとポリ
ビニルアルコールそして加水分解したテトラメトキシシ
ラン又はテトラエトキシシランを含有する親水層から成
る版(特開平3−42679号、同10−268583
号等)が知られている。しかし、実際に製版して印刷版
として印刷してみると、画像の耐刷性が不充分であっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来か
ら画像受理層の親水性を上げるためには画像受理層中の
保水量を高めればよいことが分かっているが、従来の画
像受理層では保水量を高めようとすると、膜の膨潤性が
大きくなり膜の構造が弱くなり膜強度が低下したり、あ
るいは支持体と画像受理層との密着性が悪くなってしま
うという問題があった。本発明の目的は、以上の様な従
来の平版印刷用原版の有する問題点を改良すると共に、
オフセット印刷版として全面一様な地汚れはもちろん点
状の地汚れも発生させない優れた平版印刷用原版を提供
することにある。本発明の他の目的は、地汚れがなく、
画像の欠落・歪み等のない鮮明な画像の印刷物を多数枚
印刷可能とする印刷版を与える平版印刷用原版を提供す
ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究した結果、平版印刷用原版を下記
のような構成にすることによって、その耐刷性を下げる
ことなく画像受理層の保水性を格段に高めることがで
き、上記目的を達成できることを見出して本発明を完成
した。すなわち、本発明は、上記目的を達成するため
に、下記(1)〜(7)の平版印刷用原版を提供する。
【0010】(1)耐水性支持体上に、無機顔料、親水
性結着樹脂及び下記一般式(I)で示される高分子化合
物を含有する画像受理層を有することを特徴とする平版
印刷用原版。
【0011】
【化2】
【0012】〔式(I)中、R1、R2、R3およびR4
それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基
を表し、mは0、1又は2を表し、nは1〜8の整数を
表す。Lは単結合又は有機連結基を表し、Yは−NHC
OR5、−CONH2、−CON(R52、−COR5
−OH、−CO2M又は−SO3Mを表し、ここで、R5
は炭素数1〜8のアルキル基を表し、Mは水素原子、ア
ルカリ金属、アルカリ土類金属又はオニウムを表す。〕
【0013】(2)無機顔料として、平均粒子径が1〜
6μmのシリカ粒子と平均粒子径が5〜50nmの無機
顔料超微粒子とを質量比で40〜70対60〜30の割
合で含有する上記(1)記載の平版印刷用原版。
【0014】(3)平均粒径5〜50nmの無機顔料微
粒子が、コロイダルシリカ、チタニアゾル及びアルミナ
ゾルから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とす
る上記(2)に記載の平版印刷用原版。
【0015】(4)該親水性結着樹脂として、ゼラチン
及びゼラチン硬化性化合物を含有する上記(1)〜
(3)のいずれかに記載の平版印刷用原版。
【0016】(5)ゼラチン硬化性化合物が、下記一般
式(II)で示される二重結合基を分子中に2個以上含有
する化合物であることを特徴とする上記(4)に記載の
平版印刷用原版。 一般式(II) CH2=CH−W− {式(II)中、Wは、−OSO2−、−SO2−、−CO
NR11−又は−SO2NR11−を表す(但し、R11は水
素原子又は炭素数1〜8の脂肪族基を表す)。}
【0017】(6)該親水性結着樹脂として、カルボキ
シル基、スルホ基及びホスホノ基から選ばれる少なくと
も1種の極性基で変性された親水性樹脂を少なくとも1
種含有する上記(1)〜(5)の何れかに記載の平版印
刷用原版。
【0018】(7)該親水性結着樹脂として、下記一般
式(III)で表されるシリル官能基で変性された親水性
樹脂を少なくとも1種含有する上記(1)〜(6)のい
ずれかに記載の平版印刷用原版。一般式(III)
−Si(R31n(OX)3-n 〔式(III)中、R31は水素原子又は炭素数1〜12の
炭化水素基を表す。Xは炭素数1〜12の脂肪族基を表
す。nは0、1又は2を表す。〕刷用原版。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明の平版印刷用原版において、
耐水性支持体上に設けられた画像受理層は、無機顔料、
上記一般式(I)で示される末端にシランカップリング
基を有する親水性ポリマー(以下、適宜「特定親水性ポ
リマー」と称する)及び親水性結着樹脂を含有するもの
であり、これにより、画像受理層は、画像受理層膜の強
度を保持したまま、良好な保水性を達成することができ
る。画像受理層は、これらを含有させた分散物を成膜し
て形成することが好ましい。
【0020】画像受理層に用いることができる無機顔料
としては、クレー、酸化亜鉛、酸化チタン、シリカ等の
無機粒子、具体的には、「無機化合物・錯体辞典」
(株)講談社刊(1979年)、「塗料・顔料」日刊工
業新聞社刊(1960年)等に記載されているものを用
いることができる。中でも、平均粒径1〜6μmのシリ
カ粒子と平均粒径5〜50nmの無機顔料超微粒子を併
用して用いることが好ましい。
【0021】上記シリカ粒子は、好ましくは平均粒径
1.0〜4.5μmである。シリカ粒子は、二酸化ケイ
素を主成分(99%以上)とする、結晶構造を持たない
無定形の合成シリカ微粉末である。具体的には、加賀美
敏郎、林瑛監修「高純度シリカの応用技術」第4章及び
第5章、(株)シーエムシー(1991年)等に記載さ
れている。合成シリカ微粉末は、多孔性で細孔容積が調
整された平均粒径1〜6μmのサイズのものであるが、
細孔径及び細孔容積、更には、吸油量、表面シラノール
基密度等は特に限定されるものではない。これらの合成
シリカ微粉末は、市販品として、容易に入手できる。
【0022】平均粒径5〜50nmの無機顔料超微粒子
としては、特に限定的でなく、従来公知の化合物が挙げ
られる。好ましくはシリカゾル、チタニアゾル、アルミ
ナゾル、酸化チタン、含水酸化チタン、酸化マグネシウ
ム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ニッケル、酸化
ジルコニウム等である。より好ましくは、シリカゾル、
チタニアゾル及びアルミナゾルのうちの少なくとも1種
である。
【0023】シリカゾルは、表面に多くの水酸基を持
ち、内部はシロキサン配合(−Si−O−Si)を構成
している、粒子径1〜100nmのシリカ超微粒子が、
水又は極性溶媒中に分散したものであり、コロイダルシ
リカとも称されているものである。具体的には、前記の
成書「高純度シリカの応用技術」第3章に記載されてい
る。
【0024】アルミナゾルは、5nm〜200nmのコ
ロイドの大きさをもつアルミナ水和物(べーマイト系)
で、水中の陰イオン(例えばフッ素イオン、塩素イオン
等のハロゲン原子イオン、酢酸イオン等のカルボン酸ア
ニオン等)を安定剤として分散されたものである。チタ
ニアゾルは5nm〜500nmのコロイドの大きさをも
つTiO2もしくはTi(O)(OH)2またはこの混合
物を称するものを表す。
【0025】上記コロイド状微粒子で平均粒径が5〜5
0nmのものが画像受理層に好ましく用いられる。好ま
しくは平均粒径が5〜40nmのものである。これら無
機顔料超微粒子は、いずれも市販品として容易に入手で
きる。
【0026】また、シリカ粒子と無機顔料超微粒子の存
在割合は好ましくは40〜70対60〜30(質量比)
であり、より好ましくは45〜60対55〜40(質量
比)である。
【0027】無機顔料として用いるシリカ粒子及び無機
顔料超微粒子の各々の粒径及び使用割合を前記範囲内に
調整することにより、画像受理層の膜強度が充分に保持
され、各種プリンターで製版し画像形成した場合に、非
画像部へのトナー又はインクの付着汚れが実用上問題と
ならない程に抑制され、且つ細線、細文字、微小な網点
等の高精細な画像が、欠落・歪み・滲み等のない鮮明な
ものとなり、好ましい。更に、印刷版として印刷する
と、非画像部は印刷インクの付着汚れが生じない親水性
に優れたものであり、同時に画像部はトナー又はインク
との密着性が良好で、多数枚印刷しても画像の欠落を生
じないという優れた効果を発現する。
【0028】次に、画像受理層中に含有される一般式
(I)で表される高分子化合物(特定親水性ポリマー)
について説明する。上記一般式(I)において、R1
2、R3およびR4はそれぞれ独立に、水素原子又は炭
素数8以下の炭化水素基を表す。炭化水素基としては、
アルキル基、アリール基などが挙げられ、中でも、炭素
数8以下の、直鎖、分岐又は環状のアルキル基が好まし
い。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチ
ル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、
t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−
メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル
基、2−メチルヘキシル基、シクロペンチル基等が挙げ
られる。R1、R2、R3およびR4は、効果及び入手容易
性の観点から、好ましくはそれぞれ水素原子、メチル基
又はエチル基である。
【0029】これらの炭化水素基は更に置換基を有して
いてもよい。アルキル基が置換基を有するとき、置換ア
ルキル基は置換基とアルキレン基との結合により構成さ
れ、ここで、置換基としては、水素を除く一価の非金属
原子団が用いらる。好ましい例としては、ハロゲン原子
(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、ア
ルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキル
チオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリール
ジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−
ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミ
ノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、Ν−ア
ルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイ
ルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ
基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−ア
ルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキル
スルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、
アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−ア
リールアシルアミノ基、ウレイド基、N'−アルキルウ
レイド基、N′,N′−ジアルキルウレイド基、N′−
アリールウレイド基、N′,N′−ジアリールウレイド
基、N′−アルキル−N′−アリールウレイド基、N−
アルキルウレイド基、
【0030】N−アリールウレイド基、N′−アルキル
−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N−アリ
ールウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アルキ
ルウレイト基、N′,N′−ジアルキル−N−アリール
ウレイド基、N′−アリール−Ν−アルキルウレイド
基、N′−アリール−N−アリールウレイド基、N′,
N′−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N′,
N′−ジアリール−N−アリールウレイド基、N′−ア
ルキル−N′−アリール−N−アルキルウレイド基、
N′−アルキル−N′−アリール−N−アリールウレイ
ド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカ
ルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカル
ボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカル
ボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボ
ニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボ
ニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル
基、
【0031】アルコキシカルボニル基、アリーロキシカ
ルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイ
ル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリー
ルカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル
基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アル
キルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキ
ルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−
SO3H)及びその共役塩基基(以下、スルホナト基と
称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホ
ニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナ
モイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N
−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールス
ルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフ
ィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルフ
ァモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N
−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスル
ファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモ
イル基ホスフォノ基(−PO32)及びその共役塩基基
(以下、ホスフォナト基と称す)、ジアルキルホスフォ
ノ基(−PO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォ
ノ基(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホス
フォノ基(−PO3(alkyl)(aryl))、モ
ノアルキルホスフォノ基(−PO3H(alkyl))
及びその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナト基と
称す)、モノアリールホスフォノ基(−PO3H(ar
yl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスフォ
ナト基と称す)、ホスフォノオキシ基(−OPO32
及びその共役塩基基(以後、ホスフォナトオキシ基と称
す)、ジアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3(a
lkyl)2)、ジアリールホスフォノオキシ基(−O
PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノオ
キシ基(−OPO(alkyl)(aryl))、モノ
アルキルホスフォノオキシ基(−OPO3H(alky
l))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナ
トオキシ基と称す)、モノアリールホスフォノオキシ基
(−OPO3H(aryl))及びその共役塩基基(以
後、アリールフォスホナトオキシ基と称す)、モルホル
ノ基、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アルケニル
基、アルキニル基等が挙げられる。
【0032】これらの置換基における、アルキル基の具
体例としては、前述のアルキル基が挙げられ、アリール
基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフ
チル基、トリル2基、キシリル基、メシチル基、クメニ
ル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメ
チルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェ
ニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、
アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メ
チルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチル
アミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチ
ルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシ
カルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル
基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカ
ルバモイルフェニル基、フェニル基、シアノフェニル
基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスフ
ォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基等を挙げるこ
とができる。また、アルケニル基の例としては、ビニル
基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル
基、2−クロロ−1−エテニル基等が挙げられ、アルキ
ニル基の例としては、エチニル基、1−プロピニル基、
1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げ
られる。アシル基(K1CO−)におけるK1としては、
水素、ならびに上記のアルキル基、アリール基を挙げる
ことができる。
【0033】これら置換基のうち、より好ましいものと
してはハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、
アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリ
ールチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキ
ルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイ
ルオキシ基、N−アリールカバモイルオキシ基、アシル
アミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、ア
ルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カ
ルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−
ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル
基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スル
ホ基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキル
スルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル
基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N
−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基、ホスフォ
ナト基、ジアルキルホスフォノ基、ジアリールホスフォ
ノ基、モノアルキルホスフォノ基、アルキルホスフォナ
ト基、モノアリールホスフォノ基、アリールホスフォナ
ト基、ホスフォノオキシ基、ホスフォナトオキシ基、ア
リール基、アルケニル基が挙げられる。
【0034】一方、置換アルキル基におけるアルキレン
基としては前述の炭素数1から20までのアルキル基上
の水素原子のいずれか1つを除し、2価の有機残基とし
たものを挙げることができ、好ましくは炭素原子数1か
ら12までの直鎖状、炭素原子数3から12まての分岐
状ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキレ
ン基を挙げることができる。該置換基とアルキレン基を
組み合わせる事により得られる置換アルキル基の、好ま
しい具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル
基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メト
キシメチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキ
シメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル
と、トリルチオメチル基、エチルアミノエチル基、ジエ
チルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチ
ルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シ
クロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニ
ルカルバモイルオキシエチルル基、アセチルアミノエチ
ル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オ
キシエチル基、2−オキシプロピル基、カルボキシプロ
ピル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカ
ルボニルブチル基、
【0035】クロロフェノキシカルボニルメチル基、カ
ルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル
基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−
(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチ
ル−N−(スルホフェニル)カルアバモイルメチル基、
スルホブチル基、スルホナトブチル基、スルファモイル
ブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N
−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルス
ルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスフォ
ノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスフォノブ
チル基、ホスフォナトヘキシル基、ジエチルホスフォノ
ブチル基、ジフェニルホスフォノプロピル基、メチルホ
スフォノブチル基、メチルホスフォナトブチル基、トリ
ルホスフォノへキシル基、トリルホスフォナトヘキシル
基、ホスフォノオキシプロピル基、ホスフォナトオキシ
ブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベン
ジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチ
ルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニ
ルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2
−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−
ブチニル基、3−ブチニル基等を挙げることができる。
【0036】Lは、単結合又は有機連結基を表す。ここ
で、Lが有機連結基を表す場合、Lは非金属原子からな
る多価の連結基を示し、具体的には、1個から60個ま
での炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個か
ら50個までの酸素原子、1個から100個までの水素
原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つ
ものである。より具体的な連結基としては下記の構造単
位またはこれらが組合わされて構成されるものを挙げる
ことができる。
【0037】
【化3】
【0038】また、Yは−NHCOR5、−CONH2
−CON(R52、−COR5、−OH、−CO2M又は
−SO3Mを表し、ここで、R5は、炭素数1〜8の、直
鎖、分岐又は環状のアルキル基を表す。また、−CON
(R52のように複数のR 5を有する場合、R5は同一で
も異なっていてもよく、更にR5同士が結合して環を形
成していてもよく、また、形成された環は酸素原子、硫
黄原子、窒素原子などのヘテロ原子を含むヘテロ環であ
ってもよい。R5はさらに置換基を有していてもよく、
ここで導入可能な置換基としては、前記R1、R2、R3
およびR4がアルキル基の場合に導入可能な置換基とし
て挙げたものを同様に挙げることができる。
【0039】R5としては、具体的には、メチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、イソプロピル基、イソブ
チル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル
基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシ
ル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、
シクロペンチル基等が好適に挙げられる。
【0040】また、Mとしては、水素原子;リチウム、
ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;カルシウム、
バリウム等のアルカリ土類金属、又は、アンモニウム、
ヨードニウム、スルホニウムなどのオニウムが挙げられ
る。Yとしては、具体的には、−NHCOCH3、−C
ONH2、−COOH、−SO3 -NMe4 +、モルホリノ
基等が好ましい。
【0041】一般式(I)で表される高分子化合物の分
子量は、重量平均分子量(Mw)で、好ましくは200
〜100000、より好ましくは300〜50000、
さらに好ましくは500〜20000である。
【0042】画像受理層に好適に用いることのできる特
定親水性ポリマーの具体例(例示化合物I−1〜例示化
合物I−12)を以下に示すが、これらに限定されるも
のではない。
【0043】
【化4】
【0044】一般式(I)で表される特定親水性ポリマ
ーは、下記一般式(i)で表されるラジカル重合可能な
モノマーと、下記一般式(ii)で表されるラジカル重合
において連鎖移動能を有するシランカップリング剤を用
いてラジカル重合することにより合成することができ
る。シランカップリング剤(ii)が連鎖移動能を有する
ため、ラジカル重合においてポリマー主鎖末端にシラン
カップリング基が導入されたポリマーを合成することが
できる。
【0045】
【化5】
【0046】上記式(i)及び(ii)において、R1
4、L、Y、n及びmは、上記式(I)と同義であ
る。また、これらの化合物は、市販されおり、また容易
に合成することもできる。
【0047】特定親水性ポリマー(I)を合成するため
のラジカル重合法としては、従来公知の方法の何れをも
使用することができる。具体的には、一般的なラジカル
重合法は、例えば、新高分子実験学3、高分子の合成と
反応1(高分子学会編、共立出版)、新実験化学講座1
9、高分子化学(I)(日本化学会編、丸善)、物質工
学講座、高分子合成化学(東京電気大学出版局)等に記
載されており、これらを適用することができる。
【0048】画像受理層において、特定親水性ポリマー
(I)は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用して
用いてもよい。上記特定親水性ポリマー(I)は、他の
親水性結着樹脂と併用して用いられ、好ましくは全親水
性樹脂中の5〜90質量%、より好ましくは10〜70
質量%で用いれらる。
【0049】次に、本発明の画像受理層において併用さ
れる親水性結着樹脂について説明する。本発明で用いる
ことのできる親水性結着樹脂としては、特に限定されな
いが、(a)ゼラチン及びゼラチン硬化性化合物、
(b)カルボキシル基、スルホ基及びホスホノ基から選
択される少なくとも1種の極性基で変性された親水性樹
脂、並びに(c)上記一般式(III)で表されるシリル
官能基で変性された親水性樹脂を挙げることができる。
これらの親水性結着樹脂は、それぞれ単独で用いても二
種以上用いてもよく、更には、(a)〜(c)の各親水
性樹脂のうちの二種以上をそれぞれ組み合わせて用いて
もよい。
【0050】画像受理層に親水性結着樹脂として含有す
ることができるゼラチンとは、誘導タンパク質の一種で
あり、コラーゲンから製造されるゼラチンと称されるも
のであれば特に限定されるものではない。好ましくは、
淡色、透明、無味、無臭の外観を示すものである。更に
は、写真乳剤用ゼラチンが、水溶液とした場合の粘度、
ゲルのゼリー強度等の物性が一定の範囲内にあることか
らより好ましい。
【0051】画像受理層の親水性結着樹脂として、ゼラ
チンを用いることにより、画像受理層用分散混合物の分
散が容易となり、無機粒子の均一な分散がより促進さ
れ、膜の強度が向上し、且つ、膜表面の平滑性が微細な
凹凸の形状に制御され、画像部の密着向上及び非画像部
の親水性向上が更に図られる。
【0052】また、画像受理層中にゼラチンを用いた場
合には、ゼラチン硬化性化合物を併用することにより層
が硬化されて、耐水性が更に良好なものとなる。ゼラチ
ン硬化性化合物としては、従来公知の化合物を用いるこ
とができる。例えば、T.H.James「The theory of the
Photographic Process」第2章 セクションIII、Macm
illan Publishing Co.Inc.(1977年刊)、リサーチ・デ
ィスクロージャー誌No.17643、p.26(1970年12月発行)
等に記載されている。好ましくは、スクシンアルデヒ
ド、グルタルアルデヒド、アジポアルデヒド等のジアル
デヒド類、ジケトン類(例えば、2,3−ブタンジオ
ン、2,5−ヘキサンジオン、3−ヘキセン−2,5−
ジオン、1,2−ジクロペンタンジオン等)、電子吸引
基を隣接結合した二重結合を2個以上有する活性オレフ
ィン化合物等が挙げられる。
【0053】ゼラチン硬化性化合物は更に好ましくは、
下記一般式(II)で示される二重結合基を分子中に2個
以上含有する化合物である。
【0054】一般式(II) CH2=CH−W−
【0055】{式(II)中、Wは、−OSO2−、−S
2−、−CONR11−又は−SO2NR11−を表す(但
し、R11は水素原子又は炭素数1〜8の脂肪族基を表
す)。}
【0056】式(II)において、好ましくはR11は、水
素原子又は炭素数1〜6の置換されてもよいアルキル基
(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
メチロール基、2−クロロエチル基、2−ヒドロキシエ
チル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−カルボキシエ
チル基、3−メトキシプロピル基等)を表す。式(II)
中のWは、好ましくは−SO2−を表す。
【0057】具体的には、例えば、レゾルシノールビス
(ビニルスルホナート)、4,6−ビス(ビニルスルホ
ニル)−m−キシレン、ビス(ビニルスルホニルアルキ
ル)エーテルあるいはアミン、1,3,5−トリス(ビ
ニルスルホニル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン、1,
3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジ
ン、ジアクリルアミド、1,3−ビス(アクリロイル)
尿素、N,N'−ビスマレイイミド類等が挙げられる。
【0058】ゼラチン硬化性化合物の使用量は、ゼラチ
ン100質量部に対して、0.5〜20質量部が好まし
い。より好ましくは、0.8〜10質量部である。この
範囲内において、得られた画像受理層は膜強度が保持さ
れ、優れた耐水性を示すと同時に、画像の受理層の親水
性を疎害しない。
【0059】また、画像受理層の親水性結着樹脂とし
て、カルボキシル基、スルホ基及びホスホノ基(−PO
32基)から選ばれる少なくとも1種の極性官能基で変
性された親水性樹脂を含有することができる。これらの
極性官能基は、塩を形成してもよい。この「極性官能
基」で変性された親水性樹脂は、水酸基を有する親水性
樹脂を、常法により変性させて、「極性官能基」を導入
することにより容易に得ることができる。
【0060】前記極性官能基を含有する親水性樹脂とし
ては、天然水溶性高分子、半合成水溶性高分子、合成高
分子のいずれでもよく、具体的には経営開発センター出
版部刊(1981年);長友新治「新・水溶性ポリマーの応
用と市場」(株)シーエムシー刊(1988年);「機能性
セルロースの開発」(株)シーエムシー刊(1985年)小
竹無二雄監修「大有機化学第19巻:天然高分子化合物
I」朝倉書店(1960年)等に記載のものが挙げられる。
【0061】例えば、天然及び半合成の高分子として
は、セルロース、セルロース誘導体(セルロースエステ
ル類;硝酸セルロース、硫酸セルロース、酢酸セルロー
ス、プロピオン酸セルロース、コハク酸セルロース、酪
酸セルロース、酢酸コハク酸セルロース、酢酸酪酸セル
ロース、酢酸フタル酸セルロース等、セルロースエーテ
ル類;メチルセルロース、エチルセルロース、シアノエ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシ
エチルセルロース等)、デンプン、デンプン誘導体(酸
化デンプン、エステル化デンプン類;硝酸、硫酸、リン
酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸等のエステル
化体、エーテル化デンプン類;メチル化、エチル化、シ
アノエチル化、ヒドロキシアルキル化、カルボキシメチ
ル化等の誘導体)、アルギン酸、ペクチン、カラギーナ
ン、タマリンドガム、天然ガム類(アラビアガム、グア
ーガム、ローカストビーンガム、トランガントガム、キ
サンタンガム等)、プルラン、デキストラン、カゼイ
ン、ゼラチン、キチン、キトサン等が挙げられる。
【0062】合成高分子としては、例えばポリビニルア
ルコール、ポリアルキレングリコール〔ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、(エチレングリ
コール/プロピレングリコール)共重合体等〕、アリル
アルコール共重合体、アクリル酸共重合体、メタクリル
酸共重合体、水酸基を少なくとも1種含有するアクリル
酸エステルもしくはメタクリル酸エステルの重合体また
は共重合体〔エステル置換基として、例えば2−ヒドロ
キシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2,3−ジ
ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシ−2−ヒドロキ
シメチル−2−メチルプロピル基、3−ヒドロキシ−
2,2−ジ(ヒドロキシメチル)プロピル基、ポリオキ
シエチレン基、ポリオキシプロピレン基等〕、アクリル
アミドもしくはメタクリルアミドのN−置換体の重合体
又は共重合体〔N−置換基として、例えばモノメチロー
ル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピ
ル基、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル基、
2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシペンチル基等〕
等が挙げられる。但し、合成高分子としては、繰り返し
単位の側鎖置換基中に少なくとも1個の水酸基を含有す
るものであれば、特に限定されるものではない。
【0063】これらの極性官能基で変性された親水性樹
脂の分子量は、好ましくは103〜106、より好ましく
は5×103〜4×105である。また、上記極性官能基
の含有量は特に限定的でないが、0.5〜50質量%で
あることが好ましい。
【0064】更に本発明の親水性結着樹脂としては、前
記一般式(III)で示されるシリル官能基で変性された
親水性樹脂を含有することができる。かかる親水性樹脂
を用いることで本発明の画像受理層の表面が充分に親水
性となると同時に、画像の密着性が極めて良好で、印刷
版として耐刷性が飛躍的に向上する。この「シリル官能
基」で変性された親水性樹脂は、水酸基を有する親水性
樹脂を、常法により変性させて、「シリル官能基」を導
入することにより容易に得ることができる。
【0065】式(III)においてR31が示す好ましい炭
化水素基としては、炭素数1〜12の置換されてもよい
アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オク
チル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、2−ヒドロ
キシエチル基、2−メトキシエチル基、2−シアノエチ
ル基、2−エトキシエチル基、3,6−ジオキソヘプチ
ル基、3−スルホプロピル基、2−カルボキシエチル
基、2−メトキシカルボニルエチル基、3−クロロプロ
ピル基、3−ブロモプロピル基、2,3−ジヒドロキシ
プロピル基、トリフロロエチル基等)、炭素数3〜12
の置換されてもよいアルケニル基(例えばプロペニル
基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテ
ニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基等)、
炭素数7〜12の置換されてもよいアラルキル基(例え
ば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル
基、クロロベンジル基、ブロモベンジル基、メチルベン
ジル基、エチルベンジル基、メトキシベンジル基、ジメ
チルベンジル基、ジメトキシベンジル基、カルボキシベ
ンジル基等)、炭素数5〜8の置換されてもよい脂環式
基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−
シクロヘキシルエチル基、2−シクロペンチルエチル基
等)、炭素数6〜12の置換されてもよい芳香族基(例
えばフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、
プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、オクチルフェ
ニル基、ドデシルフェニル基、メトキシフェニル基、エ
トキシフェニル基、ブトキシフェニル基、デシルオキシ
フェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、
ブロモフェニル基、シアノフェニル基、アセチルフェニ
ル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボ
ニルフェニル基、ブトキシカルボニルフェニル基、アセ
トアミドフェニル基、プロピオアミドフェニル基、カル
ボキシフェニル基、スルホフェニル基、カルボキシメチ
ルフェニル基等)等が挙げられる。
【0066】式(III)におけるXは、炭素数1〜12
の脂肪族基を表す。好ましくは炭素数1〜8の置換され
てもよいアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル
基、オクテル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシ
エチル基、3−メトキシプロピル基、3,6−ジオキサ
ペプチル基、2−オキソブチル基等)、炭素数3〜8の
置換されてもよいアルケニル基(例えばプロピル基、ブ
テニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル
基、オクテニル基等)、炭素数7〜12の置換されても
よいアラルキル基(例えばベンジル基、フェネチル基、
3−フェニルプロピル基、クロロベンジル基、ブロモベ
ンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル基、メト
キシベンジル基、ジメチルベンジル基、ジメトキシベン
ジル基等)、炭素数5〜8の置換されてもよい脂環式基
(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロ
ヘプチル基、シクロオクチル基等)が挙げられる。Xの
より好ましい脂肪族基としては、炭素数1〜4の置換さ
れてもよいアルキル基が挙げられる。nは0、1又は2
を表す。好ましくは0又は1を表す。
【0067】一般式(III)で示されるシリル官能性基
を含有する有機ポリマーは公知の方法で合成することが
できる。例えば、「反応性ポリマーの合成と応用」
(株)シーエムシー刊(1989年)、特公昭46−307
11号、特開昭5−32931号等に記載の方法に従っ
て、ポリマー中の水酸基をシリル官能性基に変性するこ
とにより容易に得られる。水酸基含有樹脂としては、天
然高分子、半合成高分子、合成高分子のいずれでもよ
く、具体的には、経営開発センター出版部編「水溶性高
分子・水分散型樹脂総合技術資料集」経営開発センター
出版部刊(1981年)、長友新治「新・水溶性ポリマーの
応用と市場」(株)シーエムシー刊(1988年)、「機能
性セルロースの開発」(株)シーエムシー刊(1985
年)、小竹無二雄監修「大有機化学第19巻:天然高分子
化合物I」朝倉書店(1960年)等に記載のものが挙げら
れる。
【0068】例えば、天然及び半合成の高分子として
は、セルロース、セルロース誘導体(セルロースエステ
ル類;硝酸セルロース、硫酸セルロース、酢酸セルロー
ス、プロピオン酸セルロース、コハク酸セルロース、酪
酸セルロース、酢酸コハク酸セルロース、酢酸酪酸セル
ロース、酢酸フタル酸セルロース等、セルロースエーテ
ル類;メチルセルロース、エチルセルロース、シアノエ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシ
エチルセルロース等)、デンプン、デンプン誘導体(酸
化デンプン、エステル化デンプン類;硝酸、硫酸、リン
酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸等のエステル
化体、エーテル化デンプン類;メチル化、エチル化、シ
アノエチル化、ヒドロキシアルキル化、カルボキシメチ
ル化等の誘導体)、アルギン酸、ペクチン、カラギーナ
ン、タマリンドガム、天然ガム類(アラビアガム、グア
ーガム、ローカストビーンガム、トランガントガム、キ
サンタンガム等)、プルラン、デキストラン、カゼイ
ン、ゼラチン、キチン、キトサン等が挙げられる。
【0069】合成高分子としては、例えばポリビニルア
ルコール、ポリアルキレングリコール〔ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、(エチレングリ
コール/プロピレングリコール)共重合体等〕、アリル
アルコール共重合体、アクリル酸共重合体、メタクリル
酸共重合体、水酸基を少なくとも1種含有するアクリル
酸エステルもしくはメタクリル酸エステルの重合体また
は共重合体〔エステル置換基として、例えば2−ヒドロ
キシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2,3−ジ
ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシ−2−ヒドロキ
シメチル−2−メチルプロピル基、3−ヒドロキシ−
2,2−ジ(ヒドロキシメチル)プロピル基、ポリオキ
シエチレン基、ポリオキシプロピレン基等〕、水酸基を
少なくとも1種含有するアクリルアミドもしくはメタク
リルアミドのN−置換体の重合体又は共重合体〔N−置
換基として、例えばモノメチロール基、2−ヒドロキシ
エチル基、3−ヒドロキシプロピル基、1,1−ビス
(ヒドロキシメチル)エチル基、2,3,4,5,6−
ペンタヒドロキシペンチル基等〕等が挙げられる。但
し、合成高分子としては、繰り返し単位の側鎖置換基中
に少なくとも1個の水酸基を含有するものであれば、特
に限定されるものではない。
【0070】これら親水性樹脂の質量平均分子量は、好
ましくは103〜106、より好ましくは5×103〜4
×105である。親水性樹脂におけるシリル官能性基の
含有量は、シリル官能性基を有する単位成分として、通
常0.01〜50mol%、好ましくは0.1〜20mol
%、更に好ましくは0.2〜15mol%である。親水性
樹脂が多糖、蛋白質の場合には、単位成分はその構成単
糖、アミノ酸を指す。但し、これら単位成分はシリル官
能性基を複数有していてもよい。
【0071】該官能性基は、重合体の繰り返し単位中の
側鎖または重合体主鎖の末端に直接結合してもよいし、
連結基を介して結合してもよい。かかる連結基として
は、いずれの結合基でもよいが、例えば具体的に挙げる
とすれば、−O−、−CR2122−〔ここで、R21及び
22は同じでも異ってもよく、各々水素原子、ハロゲン
原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、−OH
基、シアノ基、アルキル基(メチル基、エチル基、2−
クロロエチル基、2−ヒドロキシエチル基、プロピル
基、ブチル基、等)、アラルキル基(ベンジル基、フェ
ネチル基等)、フェニル基等を表す〕、−S−、−NR
23−〔ここでR23は水素原子又は炭化水素基{炭化水素
基として具体的には炭素数1〜8の炭化水素基(例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、2−メトキシエチル基、2−クロロエチル基、2−
シアノエチル基、ベンジル基、メチルベンジル基、フェ
ネチル基、フェニル基、トリル基、クロロフェニル基、
メトキシフェニル基等)が挙げられる}を表す〕、−C
O−、−COO−、−OCO−、−CONR23−、−S
2NR23−、−SO2−、−NHCONH−、−NHC
OO−、−NHSO2−、−CONHCOO−、−CO
NHCONH−、等の結合基の単独又はこれらの2以上
の組合せにより構成された連結基等が挙げられる。
【0072】本発明に供される上記の一般式(III)で
示されるシリル官能性基を含有する親水性樹脂は、単独
で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これら
の親水性樹脂は、塗膜を形成後の加熱乾燥の工程で[−
Si(R31n(OX)3-n ]基の縮合反応により容易
に下記式(III′)で示されるシロキサン結合を形成し
樹脂間の橋架けが起こり、膜を硬化して画像受理層の膜
強度が充分に保持される。詳細は不明だが、本発明の画
像受理層の表面は充分に親水性であると同時に、画像の
密着性が極めて良好で、印刷版として、耐刷性が飛躍的
に向上する。
【0073】
【化6】
【0074】本発明の画像受理層は、上記無機顔料と親
水性樹脂(一般式(I)の特定の親水性ポリマーを含
む)との使用割合は、85〜50対15〜50質量比が
好ましく、より好ましくは15〜40対85〜60質量
比である。この範囲内において、前記した同様に、膜の
強度、非画像部の印刷インク付着防止、画像部との密着
性向上(耐刷性)等の効果が得られる。
【0075】上記画像受理層には、それぞれの上記した
各構成成分と共に、他の構成成分を含有してもよい。画
像受理層には、膜強度をより向上させるために架橋剤
添加してもよい。架橋剤としては、通常架橋剤として用
いられる化合物を挙げることができる。具体的には、山
下晋三、金子東助編「架橋剤ハンドブック」大成社刊
(1981年)、高分子学会編「高分子データハンドブ
ック、基礎編」培風館(1986年)等に記載されてい
る化合物を用いることができる。
【0076】例えば、塩化アンモニウム、金属イオン、
有機過酸化物、ポリイソシアナート系化合物(例えばト
ルイレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシ
アナート、トリフェニルメタントリイソシアナート、ポ
リメチレンフェニルイソシアナート、ヘキサメチレンジ
イソシアナート、イソホロンジイソシアナート、高分子
ポリイソシアナート等)、ポリオール系化合物(例え
ば、1,4−ブタンジオール、ポリオキシプロピレング
リコール、ポリオキシエチレングリコール、1,1,1
−トリメチロールプロパン等)、ポリアミン系化合物
(例えば、エチレンジアミン、γ−ヒドロキシプロピル
化エチレンジアミン、フェニレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、変性脂肪
族ポリアミン類等)、ポリエポキシ基含有化合物及びエ
ポキシ樹脂(例えば、垣内弘編著「新エポキシ樹脂」昭
晃堂(1985年刊)、橋本邦之編著「エポキシ樹脂」
日刊工業新聞社(1969年刊)等に記載された化合物
類)、メラミン樹脂(例えば、三輪一郎、松永英夫編著
「ユリア・メラミン樹脂」日刊工業新聞社(1969年
刊)等に記載された化合物類)、ポリ(メタ)クリレー
ト系化合物(例えば、大河原信、三枝武夫、東村敏延編
「オリゴマー」講談杜(1976年刊)、大森英三「機
能性アクリル系樹脂」テクノシステム(1985年刊)
等に記載された化合物類)が挙げられる。
【0077】本発明の画像受理層には、画像受理層塗布
分散物の塗布性を良好とするために、界面調節剤(整面
剤)、滑泡剤、膜pHを調整するための緩衝剤等の各種
添加剤を併用してもよい。
【0078】上記画像受理層は、調製された塗布液を耐
水性支持体上に、従来公知の塗布方法のいずれかを用い
て、塗布、乾燥することにより成膜される。形成される
画像受理層の膜厚は、1m2 当りの画像受理組成物の塗
布量(乾燥後)で示して好ましくは0.5〜30g/m
2、より好ましくは1.0〜15g/m2である。この範
囲で均一な厚みの膜が作成され、且つ膜の強度が充分と
なる。
【0079】本発明の平板印刷用原版においては、耐水
性支持体と、上記画像受理層との間に、必要に応じて中
間層を設けることができる。この中間層は、その表面の
中心線平均粗さ(Ra)を0.05〜2.0μmの範囲
とすることが好ましい。これにより、上層となる画像受
理層との密着性が格段と向上することができる。このR
aの範囲において、中間層表面に微細凹凸が形成され、
この中間層上に画像受理層を塗工した場合に前記中間層
表面の凹凸に画像受理層が一部入り込んでアンカーされ
充分な密着性を発揮すると思われる。中間層の表面のR
aは、好ましくは0.1〜1.0μmである。また、中
間層の厚さは特に限定的ではないが、0.5〜10μm
の範囲が適当である。
【0080】ここで、中心線平均粗さ(Ra)とは、粗
さ曲線から中心線の方向に測定長さLの部分を抜き取
り、この抜き取りの中心線と粗さ曲線との偏差の絶対値
を算術平均した値である。例えば、表面粗さ測定装置
(SE-3400、(株)小坂研究所社製)を用いて測定する
ことができ、これらの測定は、ISO-468の基準に従い、
具体的には、例えば奈良治郎「表面粗さ測定・評価方
法」(株)総合技研センター(1983年刊)に詳述さ
れている。
【0081】中間層の表面の中心線粗さ(Ra)を上記
の特定の値とする方法としては、中間層を形成する樹脂
中に微細な無機粒子(フィラー)を分散することにより
制御する方法、耐水性支持体表面の形状を制御すること
により中間層の表面形状を制御する方法、中間層の塗布
溶剤を工夫し(例えば、高沸点溶媒と低沸点溶媒とを組
み合わせる、良溶媒と貧溶媒とを組み合わせるなど)、
中間層の塗布乾燥時に上記溶媒の組み合わせにより形状
を制御する方法等が挙げられる。
【0082】中間層の形成材料としては、各種の樹脂、
又は該樹脂と無機粒子の分散物が挙げられ、適宜選択し
て用いられる。具体的には、無機粒子としては、カオリ
ン、クレー、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、酸化チ
タン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、アルミナ、水酸化鉄、
水酸化アルミ、含水酸化チタン、含水酸化亜鉛などが挙
げられる。
【0083】特に、平均粒径0.005〜1μmの無機
顔料微粒子を含有することが好ましい。平均粒径0.0
05〜1μmの無機顔料微粒子としては特に限定され
ず、従来公知の化合物が挙げられる。好ましくはシリカ
ゾル、チタニアゾル、アルミナゾル、酸化チタン、含水
酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸
化亜鉛、酸化ニッケル、酸化ジルコニウム等である。よ
り好ましくは、シリカゾル、チタニアゾル及びアルミナ
ゾルのうちの少なくとも1種である。
【0084】シリカゾルは、表面に多くの水酸基を持
ち、内部はシロキサン配合(−Si−O−Si)を構成
している、粒子径1〜100nmのシリカ超微粒子が、
水又は極性溶媒中に分散したものであり、コロイダルシ
リカとも称されているものである。具体的には、前記の
成書「高純度シリカの応用技術」第3章に記載されてい
る。
【0085】アルミナゾルは、5nm〜200nmのコ
ロイドの大きさをもつアルミナ水和物(べーマイト系)
で、水中の陰イオン(例えばフッ素イオン、塩素イオン
等のハロゲン原子イオン、酢酸イオン等のカルボン酸ア
ニオン等)を安定剤として分散されたものである。チタ
ニアゾルは5nm〜500nmのコロイドの大きさをも
つTiO2もしくはTi(O)(OH)2またはこの混合
物を称するものを表す。
【0086】上記コロイド状微粒子で平均粒径が5〜5
0nmのものが本発明の中間層に好ましく用いられる。
より好ましくは平均粒径が5〜40nmのものである。
これら無機顔料微粒子は、いずれも市販品として容易に
入手できる。
【0087】中間層を構成する樹脂としては、各種の樹
脂が適宜選択して用いられる。具体的には、オレフィン
重合体および共重合体(例えばポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリイソブチレン、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−アクリレート共重合体、エチレン−メ
タクリレート共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合
体等)、塩化ビニル重合体および共重合体(例えば、ポ
リ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等)、
塩化ビニリデン共重合体、アルカン酸ビニル重合体およ
び共重合体、アルカン酸アリル重合体および共重合体、
スチレンおよびその誘導体の重合体ならびに共重合体
(例えばブタジエン−スチレン共重合体、イソプレン−
スチレン共重合体、スチレン−メタクリレート共重合
体、スチレン−アクリレート共重合体等)、アクリロニ
トリル共重合体、メタクリロニトリル共重合体、アルキ
ルビニルエーテル共重合体、アクリル酸エステル重合体
および共重合体、メタクリル酸エステル重合体および共
重合体、イタコン酸ジエステル重合体および共重合体、
無水マレイン酸共重合体、アクリルアミド共重合体、メ
タクリルアミド共重合体、フェノール樹脂、アルキド樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ケトン樹脂、ポエステル樹
脂、シリコン樹脂、アミド樹脂、水酸基およびカルボキ
シル基変性ポリエスエテル樹脂、ブチラール樹脂、ポリ
ビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂、ロジン系樹脂、
水素添加ロジン樹脂、石油樹脂、水素添加石油樹脂、マ
レイン酸樹脂、テルペン樹脂、水素添加テルペン樹脂、
クロマン−インデン樹脂、環化ゴム−メタクリル酸エス
テル共重合体、環化ゴム−アクリル酸エステル共重合
体、窒素原子を含有しない複素環を含有する共重合体
(複素環として例えば、フラン環、テトラヒドロフラン
環、チオフェン環、ジオキサン環、ジオキソフラン環、
ラクトン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、
1,3−ジオキセタン環等)、エポキシ樹脂等が挙げら
れる。
【0088】天然及び半合成の高分子としては、セルロ
ース、セルロース誘導体(セルロースエステル類;硝酸
セルロース、硫酸セルロース、酢酸セルロース、プロピ
オン酸セルロース、コハク酸セルロース、酪酸セルロー
ス、酢酸コハク酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢
酸フタル酸セルロース等、セルロースエーテル類;メチ
ルセルロース、エチルセルロース、シアノエチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒ
ドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル
セルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロ
ース等)、デンプン、デンプン誘導体(酸化デンプン、
エステル化デンプン類;硝酸、硫酸、リン酸、酢酸、プ
ロピオン酸、酪酸、コハク酸等のエステル化体、エーテ
ル化デンプン類;メチル化、エチル化、シアノエチル
化、ヒドロキシアルキル化、カルボキシメチル化等の誘
導体)、アルギン酸、ペクチン、カラギーナン、タマリ
ンドガム、天然ガム類(アラビアガム、グアーガム、ロ
ーカストビーンガム、トランガントガム、キサンタンガ
ム等)、ブルラン、デキストラン、カゼイン、ゼラチ
ン、キチン、キトサン等が挙げられる。
【0089】合成高分子としては、例えばポリビニルア
ルコール、ポリアルキレングリコール(ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、(エチレングリ
コール/プロピレングリコール)共重合体等)、アリル
アルコール共重合体、水酸基を少なくとも1種含有のア
クリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステルの重合
体又は共重合体(エステル置換基として、例えば2−ヒ
ドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2,3
−ジヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシ−2−ヒド
ロキシメチル−2−メチルプロピル基、3−ヒドロキシ
−2,2−ジ(ヒドロキシメチル)プロピル基、ポリオ
キシエチレン基、ポリオキシプロピレン基等)、アクリ
ルアミドもしくはメタクリルアミドのN−置換体の重合
体又は共重合体(N−置換基として、例えば、モノメチ
ロール基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプ
ロピル基、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル
基、2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシペンチル基
等)等が挙げられる。
【0090】上記中間層中の無機粒子と樹脂との配合比
は1/99(質量比)〜90/10(質量比)が好まし
く、更に好ましくは5/95〜70/30(質量比)で
ある。
【0091】また中間層には、耐水性、膜強度をより向
上させるために架橋剤を添加してもよい。架橋剤として
は、通常架橋剤として用いられる化合物を挙げることが
できる。具体的には、山下晋三、金子東助編「架橋剤ハ
ンドブック」大成社刊(1981年)、高分子学会編
「高分子データハンドブック、基礎編」培風館(198
6年)等に記載されている化合物を用いることができ
る。
【0092】例えば、塩化アンモニウム、金属イオン、
有機過酸化物、ポリイソシアナート系化合物(例えばト
ルイレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシ
アナート、トリフェニルメタントリイソシアナート、ポ
リメチレンフェニルイソシアナート、ヘキサメチレンジ
イソシアナート、イソホロンジイソシアナート、高分子
ポリイソシアナート等)、ポリオール系化合物(例え
ば、1,4−ブタンジオール、ポリオキシプロピレング
リコール、ポリオキシエチレングリコール、1,1,1
−トリメチロールプロパン等)、ポリアミン系化合物
(例えば、エチレンジアミン、γ−ヒドロキシプロピル
化エチレンジアミン、フェニレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、変性脂肪
族ポリアミン類等)、ポリエポキシ基含有化合物及びエ
ポキシ樹脂(例えば、垣内弘編著「新エポキシ樹脂」昭
晃堂(1985年刊)、橋本邦之編著「エポキシ樹脂」
日刊工業新聞社(1969年刊)等に記載された化合物
類)、メラミン樹脂(例えば、三輪一郎、松永英夫編著
「ユリア・メラミン樹脂」日刊工業新聞社(1969年
刊)等に記載された化合物類)、ポリ(メタ)クリレー
ト系化合物(例えば、大河原信、三枝武夫、東村敏延編
「オリゴマー」講談杜(1976年刊)、大森英三「機
能性アクリル系樹脂」テクノシステム(1985年刊)
等に記載された化合物類)が挙げられる。
【0093】本発明に用いられる耐水性支持体として
は、紙を耐水化剤で処理したもの、プラスチックフィル
ム、金属板(アルミニウム等)等が挙げられる。その中
でも、高寸度安定性が必要なとき、つまり高画質、高精
細な印刷を行う場合には、特定の熱膨張率、熱収縮率の
支持体を用いることが好ましい。具体的には、熱膨張率
が15×10-5/℃以下、より好ましくは10×10-5
/℃以下であって、熱収縮率(150℃、30分加熱)
が−1.0以上+1.0未満、より好ましくは−0.5
以上1.0未満のポリマーフィルム又は複合フィルムで
あることが好ましい。かかる物性値を有する支持体を用
いることにより、製版後の定着加熱において、高い寸度
安定性が得られ、鮮明な画像を得ることができる。
【0094】ポリマーフィルムとしては、例えばポリエ
チレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンサルフ
ァイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PE
EK)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリサルフォ
ン(PSF)、非晶ポリアクリレート(PAR)、ポリ
エーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルイミド
(PEI)、セルローストリアセテート、セルロースア
セテートブチレート、セルローストリブチレート、ポリ
スチレン等が挙げられる。更に詳細には、「ポリマーフ
ィルムと機能性膜」技報堂出版社1991年発行、「プ
ラスチックハンドブック」(株)工業調査会1980年
発行、「プラスチックフィルム−加工と応用−第2版」
技報堂出版(株)1995年発行等に記載されているポリ
マーフィルム又は複合フィルムを用いることができる。
ここで、複合フィルムとは数種のプラスチックフィルム
を、例えば押し出しTラミネート法等の方法で重ね合わ
せたフィルムを言い、例えば、PET/PE、PEN/
PE等を挙げることができる。
【0095】また、支持体として、50〜200μmの
厚みを有するフィルムを用いる事が好ましい。この範囲
内において、十分な強度とともに良好なハンドリング性
が得られる。特に70〜200μmの厚みを有するフィ
ルムを用いることが好ましく、この範囲内において、更
に良好な自動給排版印刷機特性及びハンドリング性が得
られる。
【0096】本発明で用いられる支持体は、導電性を有
するものであることが好ましく、少なくともその中間層
側表面及び少なくともその片端が1010Ωcm以下の固
有電気抵抗値を有するものであることが好ましい。上記
の固有電気抵抗値は、より好ましくは108Ωcm以下
であり、その値は、限りなく零であってもよい。導電性
が上記の範囲内において、帯電したインク滴が画像受理
層上に付着した際にインク滴の電荷が速やかに接地面を
通して消失するために、乱れを生じない鮮明な画像が形
成され、好ましい。なお、本発明における固有電気抵抗
値(体積固有電気抵抗値または比電気抵抗値とも呼ばれ
る)の測定はJIS K−6911に基づきガード電極
を設けた3端子法で行った。
【0097】また、耐水性支持体の少なくとも片端に上
記導電性層を設けることにより、画像受理層の反対側が
絶縁性層で被覆されていても、レーザープリンターやイ
ンクジェット等で描画するときに、導電層のアース(接
地)が容易に行われ、画像トナーの描画性(濃度、鮮明
さ)が増し、耐刷性が向上する。従って、上記導電性層
は、耐水性支持体の片面で充分に有効である。但し、両
端に施すことにより、より効果的にアースが可能とな
り、描画画質及び印刷耐性が更に向上する。尚、ここで
耐水性支持体の片端とは、下記で塗布される画像受理層
の面に対して垂直な面を言う。更に好ましくは耐水性支
持体を版材として用いたときに、版材製版方向に向かっ
て左右の垂直な面である。
【0098】支持体の画像受理層側(中間層が設けられ
る場合はそれに隣接する部分)に上記のような導電性を
持たせるには、基体上に、カーボンブラック等の導電性
フィラーと結着剤からなる層を塗布したり、金属箔を貼
り付けたり、金属を蒸着したりする方法が挙げられる。
【0099】導電性層は、導電性フィラーと結着剤を含
む層を耐水性支持体の少なくとも片面、更に少なくとも
片側の端面(片端)に塗布することにより形成すること
ができる。塗布される導電性層の厚さは、0.5μm〜
20μmが好ましい。導電性フィラーとしては、粒子状
のカーボンブラック、グラファイト、例えば銀、銅、ニ
ッケルなどの金属粉、酸化スズ粉末、フレーク状のアル
ミまたはニッケル、繊維状の炭素、真鍮、アルミ、銅、
ステンレスなどが挙げられる。
【0100】導電性層形成の結着剤として使用される樹
脂としては、各種の樹脂を適宜選択して用いることがで
きる。具体的には、疎水性樹脂としては、例えばアクリ
ル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、スチレ
ン−ブタジエン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ウ
レタン系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、酢酸ビニル系樹
脂等が挙げられ、親水性樹脂としては例えばポリビニル
アルコール系樹脂、セルロール系誘導体、でんぷんおよ
びその誘導体、ポリアクリルアミド系樹脂、スチレン無
水マレイン酸系共重合体等が挙げられる。
【0101】導電性層を形成する他の方法として、導電
性の薄膜をラミネートする方法が挙げられる。導電性薄
膜としては、例えば金属箔、導電性プラスチックフィル
ムなどを用いることができる。さらに具体的には、金属
箔ラミネート材としてアルミ箔、導電性プラスチックフ
ィルムのラミネート材としては、カーボンブラックを混
入したポリエチレン樹脂などがあげられる。アルミ箔と
しては、硬質および軟質のどちらでも良く、厚みは0.
5μm〜20μmが好ましい。
【0102】カーボンブラックを混入したポリエチレン
樹脂のラミネートは押し出しラミネート法が好ましい。
押し出しラミネート法とは、ポリオレフィンを熱溶融
し、これをフィルムにしてから直ちに原紙に圧着後、冷
却してラミネートする方法であり、種々の装置が知られ
ている。ラミネート層の厚みは、10μm〜30μmが
好ましい。また、本発明のポリエチレン被覆層にカーボ
ンブラックを混入して、導電性層を兼ねてもよい。
【0103】以上のようにして固有電気抵抗が1010Ω
cm以下の導電性を有する耐水性支持体を得ることがで
きる。
【0104】本発明では、耐水性支持体の画像受理層が
塗布された面の反対側の表面の平滑性をベック平滑度で
5〜2000sec/10cc、好ましくは50〜1500sec
/10cc、さらに好ましくは100〜500sec/10ccの
範囲とすることが好ましい。上記範囲にすることで、印
刷版の印刷時にかかる歪み、例えば印刷中にブランケッ
トと版の摩擦によっておこる版の歪みを押さえることが
でき、結果的に印刷寸法および精度を維持することがで
きると考えられる。この理由としては、印刷版と印刷機
の版胴との間の摩擦抵抗によることが大きな要因の1つ
と推定される。
【0105】ここで、ベック平滑度とは、ベック平滑度
試験機により測定することができ、高度に平滑に仕上げ
られた中央に穴のある円形のガラス板上に、試験片を一
定圧力(1kg/cm2)で押しつけ、減圧下で一定量
(10cc)の空気が、ガラス面と試験片との間を通過す
るのに要する時間を測定するものである。
【0106】また、本発明では、画像受理層の厚さは特
に限定的ではないが、5〜30μmの範囲が適当であ
る。また、画像受理層は、その表面の平滑性がベック平
滑度で30(sec/10ml)以上であることが好ましい。
更には、この表面の平滑性は、製版で用いる電子写真式
プリンターにおいて、用いるトナーが乾式トナーと液体
トナーで適切な範囲は、以下の態様が好ましい。
【0107】乾式トナーを用いる電子写真式プリンター
では、本発明の原版の画像受理層表面は、30〜200
(sec/10ml)が好ましく、より好ましくは50〜15
0(sec/10ml)である。この範囲内において、トナー
画像を原版に転写し定着するプロセスにおいて、飛散ト
ナーの非画像部への付着(即ち、地汚れ)及び画像部の
トナー付着が均一且つ充分になされ、細線・細文字の再
現性やベタ画像部の均一性が良好となる。
【0108】他方、液体トナーを用いる電子写真式プリ
ンターでは、画像受理層表面は30(sec/10ml)以上
で、より高い程よく、150〜3000(sec/10m
l)、より好ましくは200〜2500(sec/10ml)で
ある。
【0109】また、インクジェット式プリンター、感熱
転写型プリンターでは、上記液体トナー利用の電子写真
式プリンターの場合と同様の範囲が好ましい。この範囲
において、細線・細文字、網画像等の高精細なトナー画
像部が忠実に画像受理層上に転写・形成され、且つ画像
受理層表面とトナー画像部の密着も充分になされ、画像
部強度が保持できる。
【0110】インクジェット記録方法としては、従来公
知の記録方式のいずれでもよいが、インク画像の乾燥・
定着性、インクのつまり難さ等から油性インクを用いた
記録方法が好ましく、画像滲みを生じ難い静電式(又は
静電吸引式)インクジェット方式が好ましい。また、ホ
ットメルトインクを用いたソリッドジェット方式も好ま
しい。
【0111】静電力を用いるオンディマンド型のインク
ジェット方式として一之瀬進、大庭有二、電子通信学会
論文誌Vol.J66-C(No.1),p47(1983)、大野忠義、水口
衛、画像電子学会誌vol.10,(No.3),p157(1981)等に記載
の静電加速型インクジェットあるいはスリットジェット
と呼ばれる方式が知られており、具体的態様が、例えば
特開昭56−170号、同56−4467号、同57−
151374号等に開示されている。これは、インクタ
ンクからスリット状のインク保持部内面に多数の電極を
配置してなるスリット状インク室にインクを供給すると
共に、これらの電極に選択的に高電圧を印加することに
より、スリットと近接対向する記録紙に電極近傍のイン
クを噴出させて記録するものである。
【0112】また、スリット状の記録ヘッドを用いない
他の方式として、特開昭61−211048号公報に
は、複数の微小孔を有するフィルム状インク支持体の穴
にインクを充填し、多針電極により選択的に電圧を印加
して構内のインクを記録紙に移動させる手段が開示され
ている。
【0113】用いる油性インクは好ましくは固有電気抵
抗109Ω・cm以上かつ誘電率3.5以下の非水溶媒を
分散媒とし、少なくとも常温(15℃〜35℃)で固体
かつ疎水性の樹脂粒子が分散されたものである。このよ
うな分散媒を用いることによって、油性インクの固有電
気抵抗が適正に制御されて電界によるインクの吐出が適
正となり画質が向上する。また、上記のような樹脂粒子
を用いることによって画像受理層との親和性が増し、良
好な画質が得られるとともに耐刷性が向上する。具体的
には、特開平10−203039号、同10−2502
54号等に記載の油性インクが挙げられる。
【0114】また、ソリッドジェット記録方式として
は、So1id Inkjet P1atemaker SJ02A(日立工機(株)
製)、MP-1200Pro(Dynic(株)製)等の上市されたプ
リントシステムが挙げられる。
【0115】以下、インクジェット記録方法を用いた方
法を図面を用いてより具体的に説明する。図1に示す装
置系は油性インクを使用するインクジェット記録装置1
を有するものである。
【0116】図1のように、まず、マスター2に形成す
べき画像(図形や文章)のパターン情報を、コンピュー
タ3のような情報供給源から、バス4のような伝達手段
を通し、油性インクを使用するインクジェット記録装置
1に供給する。記録装置1のインクジェット記録用ヘッ
ド10は、その内部に油性インクを貯え、記録装置1内
にマスター2が通過すると、前記情報に従い、インクの
微小な液滴をマスター2に吹き付ける。これにより、マ
スター2に前記パターンでインクが付着する。こうして
マスター2に画像を形成し終え、製版マスター(製版印
刷原版)を得る。
【0117】図1の装置系におけるようなインクジェッ
ト記録装置の構成例を図2および図3に示す。図2およ
び図3では図1と共通する部材は共通の符号を用いて示
している。図2はこのようなインクジェット記録装置の
要部を示す概略構成図であり、図3はヘッドの部分断面
図である。
【0118】イクジェット記録装置に備えられているヘ
ッド10は、図2、図3に示されるように、上部ユニッ
ト101と下部ユニット102とで挟まれたスリットを
有し、その先端は吐出スリット10aとなっており、ス
リット内には吐出電極10bが配置され、スリット内に
は油性インク11が満たされた状態になっている。
【0119】ヘッド10では、画像のパターン情報のデ
ジタル信号に従って、吐出電極10bに電圧が印加され
る。図2に示されるように、吐出電極10bに対向する
形で対向電極10cが設置されており、対向電極10c
上にはマスター2が設けられている。電圧の印加によ
り、吐出電極10bと、対向電極10cとの間には回路
が形成され、ヘッド10の吐出スリット10aから油性
インク11が吐出され対向電極10cに設けられたマス
ター2上に画像が形成される。
【0120】吐出電極10bの幅は、高画質の画像形
成、例えば印字を行うためにその先端はできるだけ狭い
ことが好ましい。例えば油性インクを図3のヘッド10
に満たし、先端が20μm幅の吐出電極10bを用い、
吐出電極10bと対向電極10cの間隔を1.5mmと
して、この電極間に3kVの電圧を0.1ミリ秒印加す
ることで40μmのドットの印字をマスター2上に形成
することができる。
【0121】以上のようにして、平版印刷用原版上に、
油性インクを使用したインクジェット方式で画像形成し
て得られた製版マスターを不感脂化処理液で表面処理し
て非画像部を不感脂化して印刷版を作成することができ
る。
【0122】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明を詳細に説明
するが、本発明の内容がこれらに限定されるものではな
い。
【0123】実施例1及び比較例 <平版印刷用原版の作成>下記内容の組成物を、ガラス
ビーズとともに、ペイントシェーカー(東洋精機(株)
製)に入れ、60分間分散した後、ガラスビーズを濾別
し、分散物を得た。
【0124】 ・シリカ(サイリシア430、富士シリシア化学(株)製、平均粒径:2.5μ m) 26g ・コロイダルシリカ20%溶液(スノーテックC、日産化学工業(株)製、平均 粒径:10〜20nm) 70g ・ゼラチン10%水溶液 44g ・スルホン酸変性ポリビニルアルコール10%水溶液(SK-5102、(株)クラレ 製) 10g ・トリアルコキシ変性ポリビニルアルコール10%水酸液(R-1130、(株)クラ レ製) 5g ・親水性ポリマー(例示化合物I−1)の10%水溶液 56g ・フッ化アルキルエステルFC430(3M社製) 0.24g ・硬化性化合物(K−1){ CH2=CHSO2CH2CONH(CH2)3NHCOCH2SO2CH=CH2 } 1.20g ・水 106g
【0125】軽印刷用電子写真式平版印刷用原版として
用いられているELP−2型マスター(富士写真フイル
ム(株)製商品名)の支持体(アンダー片側のベック平
滑度:1000(秒/10cc)以上)を用い、この上に
上記組成物をワイヤーパーを用いて塗布し、100℃で
10分間乾燥して、塗布量8g/m2の画像受理層を形
成し、平版印刷用原版を得た(実施例1)。
【0126】比較例1 上記実施例1の画像受理層中の親水性樹脂組成物の代わ
りに、下記の組成物を用いた他は、実施例1と同様にし
て、平版印刷用原版を作成した。
【0127】 ・ゼラチン10%水溶液 44g ・スルホン酸変性ポリビニルアルコール10%水溶液(SK-5102、(株)クラレ製 ) 40g ・トリアルコキシ変性ポリビニルアルコール10%水酸液(R-1130、(株)クラレ 製) 33g
【0128】これらの直描型平版印刷用原版の皮膜性
(表面の平滑度)、表面濡れ性(水との接触角)、膜強
度及び製版性を調べた。更に、これらの製版した版をオ
フセット印刷版として用いた時の印刷性(地汚れ、耐刷
性等)を調べた。以上の結果を表−Aに示す。
【0129】
【表1】
【0130】表−Aに示した評価項目は以下の通りであ
る。 注1)画像受理層の平滑度:平版印刷用原版をベック平
滑度試験機(熊谷理工(株)製)を用い、空気容量10
ccの条件にてその平滑度(秒/10cc)を測定した。
【0131】注2)表面濡れ性:平版印刷用原版の表面
に蒸留水2μlを乗せ、30秒後の表面接触角(度)を
表面接触計(CA−D、協和界面科学(株)製、商品
名)を用いて測定した。本値が小さいほど、水への濡れ
性がよく、親水的であることを示す。
【0132】注3)表面層の機械的強度:平版印刷用原
版表面をヘイドン−14型表面性試験材(新東化学
(株)製)を用いて荷重70g/cm2のものでエメリ
ー紙(#1000)で1000回繰り返し擦り摩耗粉を
取り除き表面層の重量減少から残膜率(%)を求め機械
的強度とした。
【0133】注4)製版画質:平版印刷用原版を、AM
−Straight Imaging Syatemとして市販されている:乾
式トナーを用いたレーザープリンター(AMSIS・1200−J
Plate Setter−商品名−)を通して得られた製版物の
複写画像について20倍のルーペを用いて目視評価し
た。
【0134】注5)印刷画質:平版印刷用原版を、注
4)と同一の操作で製版した後、全自動印刷機(AM−
2850、エーエム(株)製、商品名)を用いて、湿し
水として、PS版用処理剤:EU−3(富士写真フイル
ム(株)製)を蒸留水で50倍に希釈した溶液を、湿し
水受皿部に入れ、オフセット印刷用墨インキを用い、印
刷機に製版物を通して印刷を行なった。印刷10枚目の
印刷物の印刷画像(地カブリ、画像部のベタ均一性)を
20倍のルーペを用いて目視評価した。
【0135】注6)耐刷性:平版印刷版を注4)と同一
の操作で製版した後、上記注5)と同様の印刷機、浸し
水、インキを用い、印刷機に製版物を通して上記注5)
の場合より浸し水の印刷版への送り量を40%減らして
印刷を行い、印刷物の地汚れもしくは画像の欠落が目視
で判別できる間の印刷枚数を調べた。
【0136】表−Aに示す様に、同一支持体上に設けた
各原版の画像受理層は、実施例、比較例の各版では、ほ
ぼ同一の平滑性となり、表面層の濡れ性を水との接触角
で測定した所、いずれの版も値が低く、親水性が高かっ
た。
【0137】次に、各原版を実際に製版し、その製版画
質を目視観察で調べた所、本発明の原版及び比較例の版
が、製版画質及び印刷画質ともに良好であった。即ち、
レーザープリンターからの乾式トナー転写により得られ
た本発明の製版物は、細線、細文字の欠落がなく、ベタ
部も均一で、トナー転写のムラは全く認められず、且つ
非画像部も、トナー飛散による地カブリも微かで実用上
問題のない良好なものであった。
【0138】次に、製版物を印刷版とし、その性能を得
られた印刷物で評価した所、本発明による印刷物のみ
が、細線、細文字の欠落及びベタ部のムラのない画像を
有し、非画像部のインキ汚れも実用上問題のない良好な
印刷物を1万枚提供した。他方、比較例は、刷り出しか
ら製版画質と同様で、非画像部の印刷インク付着による
地汚れが、更に悪化した。これらのことから、本発明の
原版のみが良好な印刷物を多数枚得ることができること
がわかる。
【0139】実施例2 実施例1の印刷版を用い、下記の方法で画像形成した外
は実施例1と同様の方法で印刷を行った。
【0140】<油性インク(IK−1)の作成> (樹脂粒子の製造)ポリ(ドデシルメタクリレート)1
4g、酢酸ビニル100g、オクタデシルメタクリレー
ト4.0gおよびアイソパーHを286gの混合溶液
を、窒素気流下攪拌しながら温度70℃に加温した。重
合開始剤として2,2’−アゾビス(イソパレロニトリ
ル)(略称A.I.V.N.)を1.5g加え、4時間反応し
た。更に、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)
(略称A.I.B.N.)を0.8gを加えた後、温度80℃に
加温して2時間反応し、続けてA.I.B.N.を0.6g加え
て2時間反応した。その後、温度を100℃に上げその
まま1時間攪拌し未反応のモノマーを留去した。冷却後
200メッシュのナイロン布を通して得られた白色分散
物は重合率93%で平均粒径0.35μmのラテックス
であった。粒径はCAPA−500(堀場製作所(株)
製)で測定した。
【0141】(インクの作成)ドデシルメタクリレート
/アクリル酸共重合体(共重合比:98/2質量比)1
0g、アルカリブルー10gおよびシェルゾール71、
30gをガラスビーズとともにペイントシェーカー(東
洋精機(株)製)に入れ、4時間分散し、アルカリブル
ーの微小な青色分散物を得た。上記の樹脂粒子50g
(固形分量として)、上記の青色分散物5g(固形分
量)および、ナフテン酸ジルコニウム0.06gをアイ
ソパーGの1リットルに希釈することにより青色油性イ
ンク(IK−1)を作成した。
【0142】前記で得られた原版を用いて、パソコン出
力を描画できるグラフテック社製サーボ・プロターDA
8400を改造し、ペン・プロッター部に図2に示した
インク吐出ヘッドを装着し、1.5mmの間隔をおいた
対向電極上に設置された平版印br>刷用原版に上記油性
インク(IK−1)を用いて印字を行ない製版した。製
版にbr>際しては、印刷用原版の画像受理層直下に設け
られたアンダー層と対向電極を、銀ペーストを用いて電
気的に接続した。
【0143】製版された版を、版面温度が70℃となる
様に調整したリコーフュザー(リコー(株)製)で10
秒間加熱しインク画像を定着した。得られた製版物の画
像を光学顕微鏡により、200倍の倍率で観察して評価
した。細線・細文字等の滲みや欠落のない鮮明な画像で
あった。
【0144】印刷10枚目の印刷物の印刷画像を20倍
のルーペを用いて目視評価した所、非画像部の印刷イン
ク付着による地汚れは見られず、又ベタ画像部の均一性
は良好であった。更に200倍の光学顕微鏡観察でも、
細線・細文字の細り・欠落等は認められず、良好な画質
であった。これと同等の印刷画質の印刷物が1万枚以上
得られた。
【0145】
【発明の効果】本発明によれば、上記特定親水性ポリマ
ーを用いることにより、画像受理層表面が充分に親水性
であると共に、画像の密着性が良好で、耐刷性に優れ、
同時に地汚れも発生せず、鮮明な画像の印刷物を与える
優れた平板印刷用原版が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の平版印刷用原版を適用できる装置系の
一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明の平版印刷用原版を適用できるインクジ
ェット記録装置の要部を示す概略構成図である。
【図3】本発明の平版印刷用原版を適用できるインクジ
ェット記録装置のヘッドの部分断面図である。
【符号の説明】
1 インクジェット記録装置 2 平版印刷用原版(マスター) 3 コンピューター 4 バス 10 ヘッド 10a 吐出スリット 10b 吐出電極 10c 対向電極 11 油性インク 101 上部ユニット 102 下部ユニット 13 インクジェット記録用ヘッド 14 ヘッド本体 15、16 メニスカス規制板 17 吐出電極 18 インク溝 19 隔壁 20,20′吐出部 21 隔壁 22 先端部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 純明 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H086 BA15 BA33 BA35 BA36 BA45 2H114 AA04 AA25 BA03 DA08 DA15 DA44 DA54 DA58 DA64 DA73 DA79 EA04 EA05 FA11 FA14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐水性支持体上に、無機顔料、親水性結
    着樹脂及び下記一般式(I)で示される高分子化合物を
    含有する画像受理層を有することを特徴とする平版印刷
    用原版。 【化1】 〔式(I)中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立
    に水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を表し、mは
    0、1又は2を表し、nは1〜8の整数を表す。Lは単
    結合又は有機連結基を表し、Yは−NHCOR5、−C
    ONH2、−CON(R52、−COR5、−OH、−C
    2M又は−SO3Mを表し、ここで、R5は炭素数1〜
    8のアルキル基を表し、Mは水素原子、アルカリ金属、
    アルカリ土類金属又はオニウムを表す。〕
  2. 【請求項2】 無機顔料として、平均粒子径が1〜6μ
    mのシリカ粒子と平均粒子径が5〜50nmの無機顔料
    超微粒子とを質量比で40〜70対60〜30の割合で
    含有する請求項1記載の平版印刷用原版。
  3. 【請求項3】 平均粒径5〜50nmの無機顔料微粒子
    が、コロイダルシリカ、チタニアゾル及びアルミナゾル
    から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請
    求項2に記載の平版印刷用原版。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008133268A1 (ja) * 2007-04-24 2008-11-06 Oji Paper Co., Ltd. 平版印刷用版材料及び平版印刷版の製版方法

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