JP2001270230A - 印刷用ポリオレフィン系樹脂シート - Google Patents

印刷用ポリオレフィン系樹脂シート

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JP2001270230A JP2000088553A JP2000088553A JP2001270230A JP 2001270230 A JP2001270230 A JP 2001270230A JP 2000088553 A JP2000088553 A JP 2000088553A JP 2000088553 A JP2000088553 A JP 2000088553A JP 2001270230 A JP2001270230 A JP 2001270230A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク受容層を、シート状基材のポリオレフ
ィン樹脂含有層上に、コロナ放電処理などの接着性付与
処理を施さなくても強固に接合することができる印刷用
ポリオレフィン系樹脂シート。 【解決手段】 シート状基材のポリオレフィン樹脂含有
層を、ポリオレフィン系樹脂と、スチレン系共重合樹脂
との、100:5〜100:100の重量比のブレンド
により形成し、このポリオレフィン系樹脂ブレンドフィ
ルム層上に、インク受容層を形成し、必要により、イン
ク受容層と、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層
との間に熱可塑性樹脂含有中間処理層を配置して両者を
強固に結着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンターによって印刷可能なポリオレフィン系樹脂シー
トに関するものである。より詳しく述べるならば、本発
明は、コロナ放電処理や特殊ポリオレフィン系プライマ
ー処理などの前処理工程を必要とせず、ポリオレフィン
系樹脂シートの表面にインクジェット印刷用インク受容
層が形成された、インクジェット印刷に適したポリオレ
フィン系樹脂シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子スチルカメラやコンピュータ
ーの普及と共に、それらを取り込んでデジタル画像デー
タを紙面等の印刷媒体に直接フルカラー印刷させるため
の技術の1つとしてインクジェット印刷方式が急速に発
達している。インクジェット印刷方式は、コンピュータ
ーとインクジェット印刷方式のプリンターがあれば、従
来のオフセット印刷などの印刷方式では不可欠である製
版、刷版工程を省略して、コンピューターで入稿された
デジタルデーターをプリンターで出力して、必要な時
に、必要なだけの量を印刷することが可能である。この
ため、印刷原稿の入稿から印刷仕上がりまでの納期対応
が劇的に短縮されるだけでなく、印刷環境がクリーンで
あり、また従来の印刷技能を必要としないなど、誰でも
手軽に高画質の印刷物を得られるメリットがある。
【0003】インクジェット印刷方式は、種々の作動原
理、例えば、静電吸引方式、圧電素子(ピエゾ素子)を
用いてインクに機械的振動または変位を与える方式、イ
ンクを加熱して発泡させ、その圧力を利用する方式など
によりインクの微小液滴を紙面などの出力媒体に向けて
飛ばし付着、定着させて画像や文字などの印刷、記録を
行うものであり、最近、これらのインクジェット印刷プ
リンターが高画質フルカラー印刷に適応化、大型印刷に
適応化、高速印刷に適応化されるなどの進歩に伴って、
従来の紙などの出力媒体だけでなく布地、フィルム基
材、布地と熱可塑性樹脂との複合シート(ターポリン)
などの様々な印刷媒体に対して印刷が可能になるなどの
拡がりを見せつつある。
【0004】他方インクジェット印刷分野においてイン
クを受容する印刷媒体側の技術進歩(インク受容層)と
しては、印刷媒体表面に付着したインクが滲みや流れを
発生し、印刷、画像及び印字の品位を損ねることがない
様に、印刷媒体の支持体に対し、インクの吸収を速やか
にし、明瞭なインクドットが形成されるように、種々の
多孔質微粒子及び、樹脂バインダーを主成分とするイン
ク受容層を設けることが提案されている。前者は、多孔
質微粒子の空隙の毛細管現象による浸透作用でインクを
吸着、定着させる空隙浸透タイプであり、後者は、イン
クの溶媒によるバインダー樹脂の膨潤を利用した吸収、
定着させる膨潤吸収タイプである。更に、これらの多孔
質微粒子と樹脂バインダーとを組み合わせることによっ
て、多孔質微粒子の空隙浸透作用と、バインダー樹脂の
膨潤吸収作用の特徴を兼ね備えた、より様々な品種のイ
ンク種及びプリンター種に対応可能な高性能な出力媒体
が提案されている。
【0005】この様にデジタル画像をコンピューター処
理して容易に印刷媒体に記録することができるインクジ
ェット印刷方式の普及は、例えば印刷業界、広告業界、
サイン・ディスプレイ業界、各種イベント業界、アミュ
ーズメント業界、建築・インテリア設計業界などの様々
な分野における視覚的キャッチ性、宣伝効果の高い精密
印刷物として最近益々その用途を拡げている。なかで
も、最近、大型印刷対応の要望に伴って開発された広幅
のインクジェットプリンターの出現によって、188cm
幅の大型印刷物が可能となり、このため、屋外用途での
需要が目覚ましく進展し、例えば屋外設置の広告看板、
ビル建築養生シート、内照式テント、安全標識などへの
展開の要望が高まりつつある。従来これらの屋外設置の
広告看板、ビル建築養生シート、内照式テント、安全標
識などの産業資材分野では、繊維布帛を基材に含む軟質
ポリ塩化ビニル樹脂被覆シート、いわゆる軟質ポリ塩化
ビニル樹脂ターポリンが膜材強度、屋外耐久性、防炎
性、及び汎用コスト性などの理由から使用されている。
実際に軟質ポリ塩化ビニル樹脂ターポリンを印刷媒体と
してインクジェット印刷に対応できるように、軟質ポリ
塩化ビニル樹脂ターポリンの表面にインク受容層を形成
したものが提案され、上記の用途においてその実用が評
価検討されている。
【0006】軟質ポリ塩化ビニル樹脂は、柔軟かつ強靱
で防炎性があり、また耐久性、加工性、コスト性に優れ
た合成樹脂材料として、玩具、文具、雑貨、建材、化粧
板、壁紙、床材、テント膜材、防水シートなど広く使
用、普及している。しかし最近、ポリ塩化ビニル樹脂製
品の廃棄、焼却処理の際にポリ塩化ビニル樹脂の熱分解
により発生する有毒性塩化水素ガスが問題にされ、か
つ、微量ながら多くの異性構造を有する猛毒性、難分解
性、生体蓄積性のダイオキシンを発生するという問題が
社会的に深刻に認識されまたそれと同時に軟質ポリ塩化
ビニル樹脂製品に汎用可塑剤として不可欠のフタル酸エ
ステルが、環境ホルモンとして疑わしい物質の1つとし
てリストされたために、一部の製品においては、軟質ポ
リ塩化ビニル樹脂から他の熱可塑性樹脂へと材料の置き
換え化が急速に進み、現在でも尚多くの用途においてポ
リ塩化ビニル樹脂を他の樹脂により置き換えることが検
討されている。特に屋外用途に使用するインクジェット
印刷用膜材に対しては、その展示サイクルの短さ故、回
収後の廃棄の理由から非塩化ビニル樹脂製品に対する要
望が強く、これをポリオレフィン系樹脂により代替えす
ることが検討されている。
【0007】しかし、一般にポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)
等のポリオレフィン樹脂は、無極性、高結晶性であるた
めに、接着性が低く、かつ塗料の処理が困難な材料とし
て知られており、このため軟質ポリ塩化ビニル樹脂をポ
リオレフィン樹脂により代替した事によって、ターポリ
ンの表面層にインクジェット印刷用に適したインク受容
層を形成することが極めて困難になってしまうという問
題がある。
【0008】従来ポリオレフィン樹脂の接着性や、塗装
性を向上させるために、例えば、コロナ放電処理及び/
又プライマー処理などの手段を用いて、ポリオレフィン
樹脂表面を改質する方法が採用されている。しかしコロ
ナ放電処理の場合、必ずしも汎用性の接着剤や、塗料類
全般の塗布に対して有効性があるわけではなく、また、
コロナ放電処理の効果は、密着性が向上するというレベ
ルでしかないために、爪で擦ると、ポリオレフィン樹脂
成型品の表面から、接着剤や塗料の塗膜が削れ落ちると
いう接着強度的な欠点がある。
【0009】一方プライマー処理の場合においては、ポ
リオレフィン樹脂に下塗りするプライマーとして塩素化
ポリプロピレン、変性クロロプレンゴム、イソシアネー
ト化合物、ポリヒドロキシポリオレフィンとイソシアネ
ート化合物との付加体、並びに水素基末端ポリブタジエ
ングリコールとポリイソシアネートとの反応生成物など
が知られている。しかし上記プライマーのうち塩素化ポ
リプロピレンの場合、ポリオレフィン樹脂に対して塩素
化ポリプロピレンの粘着効果によって密着性を改善する
だけでしかなく、耐熱性と耐候性とが悪いという欠点が
ある。
【0010】また、ポリ塩化ビニル樹脂をハロゲン非含
有のポリオレフィン樹脂により置き換える場合、そのプ
ライマーとして塩素を含有する塩素化ポリプロピレンや
変性クロロプレンゴムなどを使用すると、非ハロゲン化
という目的に対して、大きな矛盾を生ずることになる。
また、ポリヒドロキシポリオレフィンとイソシアネート
化合物との付加体や水酸基末端ポリブタジエングリコー
ルとポリイソシアネートとの反応生成物を用いると、耐
熱性はある程度得られるが、ポリオレフィン樹脂との接
着性に十分な改良効果は得られない。また、イソシアネ
ート化合物の硬化反応を完結させるために100〜20
0℃の加熱硬化処理を施すことは、熱軟化温度の低いポ
リオレフィン樹脂製品に対して、成型品の熱溶融、又は
変形などのトラブルを発生させるという欠点がある。従
ってポリオレフィン樹脂に対して、有効で簡単に使用で
きるプライマー処理剤や、接着剤は未だ見出されておら
ず、また、ポリオレフィン系樹脂に対してある程度有効
で、かつ、ある程度簡単に使用可能なプライマー処理
剤、または、その配合組成が見出されたとしても、プラ
イマー処理工程を不可欠要件とすること自体が、加工工
程の見地からあまり好ましいものではない。
【0011】この様な現状において、ポリオレフィン樹
脂に他の熱可塑性樹脂をブレンドして、その接着性、塗
装性を向上させる試みが種々検討されているが、ポリオ
レフィン系樹脂と相溶性がよく、また接着剤や塗料の塗
装性にも優れ、しかも樹脂物性や成型加工性、コスト性
を損なわないようなブレンド系樹脂は未だ見出されてい
ない。例え異種の樹脂のブレンドによって直接ポリオレ
フィン樹脂成形品に接着剤や塗料の塗布が可能となって
も、異種の樹脂ブレンドによる悪影響の方が遙かに大き
くなり、その結果製品の実用性を損なってしまうという
のが現今の技術の実情である。
【0012】この様にポリオレフィン樹脂に対する接着
向上、塗装性向上の提案が多種多様にわたってなされて
いるにも拘わらず、これらは、顕著な欠点を有している
ため、これらの技術を応用しても、ポリオレフィン樹脂
シート及びターポリンに、インクジェット印刷性のすぐ
れたインク受容層を形成させる有効な方法がなく、従っ
て、インクジェット印刷用のポリオレフィン系樹脂シー
ト及びターポリンなどの膜材は知られていなかったので
ある。
【0013】一方、インクジェット印刷用に適したイン
ク受容層を形成するためのコーティング剤の開発が活発
に行われた結果、インクジェット印刷インクとして主と
して水性インクが用いられるという動向に伴い、これら
のインク受容層用コーティング剤として、水を溶媒とす
る水系コーティング剤が主として用いられ、それによっ
て、ベース配合組成種のバリエーションが豊富となり、
また、水性インクの定着性、水性インクの発色性、加工
性、取り扱い性などのコントロールが容易になるなどの
利点がある。この様に水性インク受容層コーティング剤
が普及することによって、尚更ポリオレフィン系樹脂シ
ート及びポリオレフィン系樹脂ターポリンに対してもこ
れらの水性インク受容層コーティング剤塗布によるイン
ク受容層の形成より容易になることが要望されている。
【0014】また、ポリオレフィン樹脂は、ポリ塩化ビ
ニル樹脂に較べて難燃性が低いため、ポリオレフィン系
樹脂シート又はターポリンにインクジェット印刷可能な
インク受容層を形成したインクジェット印刷用膜材を、
現在のポリ塩化ビニル樹脂ターポリン膜材に使用されて
いる屋外設置の広告看板、ビル建築養生シート、内照式
テント、安全標識などの産業資材用途に使用すると、防
炎規格を満たし得ないという問題がある。従って、この
ような従来のポリオレフィン系樹脂を使用したインクジ
ェット印刷用膜材は、これを難燃化する必要がある。一
般的に熱可塑性樹脂の難燃化には、無機系難燃剤、有機
系難燃剤の配合が有効な手段として広く使用されてい
る。これらの難燃剤の多くは、臭素系化合物難燃剤及び
塩素系化合物難燃剤などのようなハロゲン置換された有
機系化合物を含むものであり、これらの難燃剤を使用す
ることによって高度の難燃性を得ることが可能である。
例えば、テレビなどの電化製品の筐体、及びコンピュー
ターディスプレー及び複写機などのOA機器の筐体に使
用されているスチレン系樹脂(HIPS)及びABS樹
脂に対して、その難燃剤として、臭素系化合物難燃剤が
使用されている。
【0015】臭素系化合物難燃剤は、ポリ塩化ビニル樹
脂の焼却時に問題となっている塩化水素ガスを発生せ
ず、また塩素化ダイオキシン発生の懸念もない。しか
し、これらの臭素系化合物難燃剤もハロゲン原子を含有
するものであるから、臭素系化合物難燃剤によって難燃
化された熱可塑性樹脂製品が環境負荷を大きくするとい
う意見があり、このため、環境負荷を軽減させるという
目的のために、難燃剤リサイクルについて種々の検討が
行われている。この様な社会状況の中で、環境負荷のな
い難燃剤として、ハロゲン原子を含有しない、いわゆる
非ハロゲン系難燃剤を使用した難燃化熱可塑性樹脂製品
の出現が望まれるようになった。そして多くの非ハロゲ
ン系難燃剤が開発され、また従来公知の非ハロゲン系難
燃剤を含めて様々な配合組成が提案されている。しか
し、これらの非ハロゲン系難燃剤では、ハロゲン系難燃
剤ほど高効率で、優れた難燃効果が得られないため、必
然的に非ハロゲン系難燃剤の配合量を多量にすることが
必要になっている。
【0016】このように非ハロゲン系難燃剤を高含有率
で使用すると、そのマイナス面として成型加工性の悪化
の問題、樹脂物性及び耐久性の低下の問題、製造コスト
の増大の問題などの問題点が多く、またこれらの問題の
一つ一つが実用上の深刻な問題であるために、ごく一部
の用途でしか実用化されていない。
【0017】従来ポリオレフィン系樹脂シート及びター
ポリンの難燃剤として、臭素系化合物難燃剤を使用した
ものは知られているが、臭素系化合物難燃剤によって難
燃化されたポリオレフィン系樹脂シート又はターポリン
に直接インクジェット印刷性受容層が設けられた印刷用
膜材は知られていない。また、従来ポリオレフィン系樹
脂シート及びターポリンの難燃剤として、非ハロゲン系
難燃剤を使用したものは知られているが、非ハロゲン系
難燃剤によって難燃化されたポリオレフィン系樹脂シー
ト及びターポリンに、直接インクジェット印刷性受容層
が設けられた非ハロゲン難燃性のインクジェット印刷用
のポリオレフィン系樹脂シートまたはターポリン膜材は
知られていない。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリオレフ
ィン系樹脂シート及びターポリンの表面にコロナ放電処
理やプライマー処理などの煩雑な前処理を必要とすると
いう上記従来技術の問題点を解消し、インクジェット印
刷性にすぐれたインク受容層を有する印刷用ポリオレフ
ィン系樹脂シートを提供しようとするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決すべく研究、検討を重ねた結果、ポリオレフィン系樹
脂100重量部に対しスチレン系共重合樹脂を5〜10
0重量部配合したブレンド組成物からなるポリオレフィ
ン系樹脂ブレンド基材表面に、コロナ放電処理やプライ
マー処理などの前処理工程を施すことなく、有機溶剤に
可溶性の熱可塑性樹脂と、及び微粒子顔料または、多孔
質微粒子の1種以上を含有するインクジェット印刷性の
コーティング剤を、直接塗布し、乾燥して、インク受容
層を設けることが可能であり、また、有機系溶剤に可溶
性の熱可塑性樹脂を含む中間処理層をポリオレフィン系
樹脂ブレンド基材表面に設け、その表面に微粒子顔料ま
たは、多孔質微粒子の1種以上を含有する水系のインク
ジェット印刷のコーティング剤を直接塗布し、乾燥して
インク受容層を設けることが可能である。更に、上記ポ
リオレフィン系樹脂100重量部に対しスチレン系共重
合樹脂を5〜100重量部配合したブレンド組成物10
0重量部に対し、臭素系化合物難燃剤及び非ハロゲン系
難燃剤の1種以上を10重量部から250重量部配合す
ることによって難燃性が付与された難燃性のインクジェ
ット印刷用のポリオレフィン樹脂シート及び、ターポリ
ン膜材などの印刷用シートが得られ、特に非ハロゲン系
難燃剤のみを使用することによってハロゲン非含有のイ
ンクジェット印刷用のポリオレフィン樹脂シートまたは
ターポリン膜材などの印刷用シートが得られることを見
い出して本発明を完成させるに至った。
【0020】本発明の印刷用ポリオレフィン系樹脂シー
トは、ポリオレフィン系樹脂と、スチレン系共重合樹脂
とを、100:5〜100:100の重量比で含有する
樹脂ブレンドからなるフィルム層を有するシート状基材
と、熱可塑性樹脂を含み、前記樹脂ブレンドフィルム層
の少なくとも片方表面の全面上に密着して結着している
インク受容層とを有することを特徴とするものである。
本発明の印刷用ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、
前記樹脂ブレンドフィルム層と、前記インク受容層との
界面部分において、前記樹脂ブレンドフィルム層中のス
チレン系共重合樹脂の一部分と、前記インク受容層中の
熱可塑性樹脂の一部分とによる接着層が形成されていて
もよい。本発明の印刷用ポリオレフィン系樹脂シートの
前記シート状基材において、前記樹脂ブレンドフィルム
層が繊維布帛からなる基布の少なくとも1面に形成され
ていてもよい。本発明の印刷用ポリオレフィン系樹脂シ
ートにおいて、前記シート状基材に含まれる前記樹脂ブ
レンドフィルム層が、非ハロゲン系難燃剤及び臭素系化
合物難燃剤から選ばれた1種以上を含む難燃剤を、前記
樹脂ブレンド重量に対し10〜250重量部の添加量で
含むことが好ましい。本発明の印刷用ポリオレフィン系
樹脂シートにおいて、前記基布の一外表面全面上に前記
樹脂ブレンドフィルム層が形成され、この樹脂ブレンド
フィルム層上に、前記インク受容層が形成されており、
前記基布の他の最外裏面全面上に、前記樹脂ブレンドフ
ィルムからなる裏面層が形成されていてもよい。本発明
の印刷用ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、前記樹
脂ブレンドフィルム裏面層が、非ハロゲン系難燃剤及び
臭素系化合物難燃剤から選ばれた1種以上を含む難燃剤
を、前記ポリオレフィン系樹脂重量に対し10〜250
重量部の添加量で含んでいてもよい。本発明の印刷用ポ
リオレフィン系樹脂シートにおいて、前記樹脂ブレンド
フィルム裏面層上に、さらに裏面側インク受容層が形成
されていてもよい。本発明の印刷用ポリオレフィン系樹
脂シートにおいて、前記スチレン系共重合樹脂が、スチ
レン重合体ブロック(A)及びブタジエン重合体ブロッ
ク、イソプレン重合体ブロック及びビニルイソプレン重
合体ブロックから選ばれた1種の重合体ブロック(B)
とからなるA−B−A型ブロック共重合体、及びA−B
型ブロック共重合体;スチレンと、ブタジエン、イソプ
レン及びビニルイソプレンの少なくとも1種とのランダ
ム共重合体;並びに、前記ブロック共重合体及びランダ
ム共重合体中のビニル結合含有(B)成分単位に対し、
水素添加を施して得られた水素添加スチレン系共重合樹
脂、から選ばれた少なくとも1種からなることが好まし
い。本発明の印刷用ポリオレフィン系樹脂シートにおい
て、前記インク受容層に含まれる熱可塑性樹脂が、ポリ
ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリアミド系樹脂及びスチレン系樹脂から選ばれた
少なくとも1種からなることが好ましい。本発明の印刷
用ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、前記インク受
容層が、10〜80重量%の、微細顔料粒子及び/又は
多孔質微粒子を含有することが好ましい。本発明の印刷
用ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、前記シート状
基材の裏面側に、前記樹脂ブレンドとは異なるポリオレ
フィン系樹脂を含む裏面層が形成されていてもよい。本
発明の印刷用ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、前
記ポリオレフィン系樹脂裏面層が、非ハロゲン系難燃剤
及び臭素系化合物難燃剤から選ばれた1種以上を含む難
燃剤を、前記ポリオレフィン系樹脂重量に対し10〜2
50重量部の添加量で含むことが好ましい。本発明の印
刷用ポリオレフィン系樹脂シートにおいて、前記非ハロ
ゲン系難燃剤が、無機金属水酸化物、無機金属酸化物、
無機金属炭酸塩、ホウ酸系化合物、硫黄系化合物、リン
酸エステル系化合物、ポリリン酸アンモニウム系化合
物、(イソ)シアヌル酸誘導体化合物、シアナミド化合
物、尿素系化合物から選ばれた1種以上を含むことが好
ましい。本発明の印刷用ポリオレフィン系樹脂シートに
おいて、前記シート状基材の樹脂ブレンドフィルム層
と、前記インク受容層との間に形成され、熱可塑性樹脂
を含み、前記シート状基材の樹脂ブレンドフィルム層に
密着して結着している中間処理層をさらに含んでいても
よい。本発明の印刷用ポリオレフィン系樹脂シートにお
いて、前記樹脂ブレンドフィルム層と、前記中間処理層
との界面部分において、前記樹脂ブレンドフィルム層中
のスチレン系共重合樹脂の一部分と、前記中間処理層中
の熱可塑性樹脂の一部分とによる接着層が形成されてい
てもよい。本発明の印刷用ポリオレフィン系樹脂シート
において、前記中間処理層用熱可塑性樹脂がアクリル系
樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、及びスチレン系樹脂から選ばれた1種以
上を含むことが好ましい。本発明の印刷用ポリオレフィ
ン系樹脂シートにおいて、前記中間処理層と結着してい
る前記シート状基材において、前記樹脂ブレンドフィル
ム層が、繊維布帛からなる基布の少なくとも1面に形成
され、この樹脂ブレンドフィルム層上に前記中間処理層
が形成されていてもよい。本発明の印刷用ポリオレフィ
ン系樹脂シートにおいて、前記基布の1外表面全面上
に、前記樹脂ブレンドフィルム層が形成され、その上に
前記中間処理層が形成され、さらにその上に前記インク
受容層が形成されており、前記基布の他の最外裏面全面
上に、前記樹脂ブレンドフィルムからなる裏面層が形成
されていてもよい。本発明の印刷用ポリオレフィン系樹
脂シートにおいて、前記樹脂ブレンドフィルム裏面層上
に、裏面側中間処理層が形成され、その上に裏面側イン
ク受容層が形成されていてもよい。本発明の印刷用ポリ
オレフィン系樹脂シートにおいて、前記シート状基材の
裏面側に、前記樹脂ブレンドとは異るポリオレフィン系
樹脂組成物からなる裏面層が形成されていてもよい。本
発明の印刷用ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法
は、ポリオレフィン系樹脂と、スチレン系共重合樹脂と
を、重量比100:5〜100:100で含む樹脂ブレ
ンドの溶融混練物からフィルムを形成する工程と、前記
樹脂ブレンドフィルムの少なくとも一面上に、熱可塑性
樹脂を含むコーティング液を直接塗布して、インク受容
層を形成する工程とを含むことを特徴とするものであ
る。本発明の印刷用ポリオレフィン系樹脂シートの製造
方法において、前記インク受容層形成用コーティング液
が、前記インク受容層の熱可塑性樹脂と混和し、かつ前
記スチレン系共重合体樹脂を完全溶解、一部溶解、又は
膨潤せしめる有機系溶剤をさらに含み、このコーティン
グ液を、前記樹脂ブレンドフィルムの少なくとも一面上
に直接塗布し、このコーティング液層から前記有機系溶
剤を蒸発除去して、インク受容層を形成し、それによっ
て、前記樹脂ブレンドフィルム層と前記インク受容層と
の界面部分において、前記樹脂ブレンドフィルム層中の
スチレン系共重合樹脂の一部分と、前記インク受容層中
の熱可塑性樹脂の一部分とによる接着層が形成されても
よい。本発明の印刷用ポリオレフィン系樹脂シートの製
造方法において、前記インク受容層形成用コーティング
液の有機系溶剤が、イソプロパノール、n−ブタノー
ル、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、シクロ
ヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドン、酢酸エチル、酢酸ブ
チル、及びテトラヒドロフランから選ばれた少なくとも
1種を含むことが好ましい。本発明の印刷用ポリオレフ
ィン系樹脂シートの製造方法において、前記樹脂ブレン
ドフィルム形成工程と、前記インク受容層形成工程との
間に、前記樹脂ブレンドフィルムの少なくとも1面上
に、熱可塑性樹脂を含むコーティング液を直接塗布して
中間処理層を形成する工程をさらに含み、この中間処理
層上に、前記インク受容層を形成してもよい。本発明の
印刷用ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法におい
て、前記中間処理層形成用コーティング液が、前記熱可
塑性樹脂と混和し、かつ前記スチレン系共重合樹脂を完
全溶解、一部溶解、又は膨潤せしめる有機系溶剤をさら
に含み、このコーティング液を、前記樹脂ブレンドフィ
ルムの少なくとも1面上に直接塗布し、このコーティン
グ液層から前記有機系溶剤を蒸発除去して中間処理層を
形成し、それによって、前記樹脂ブレンドフィルム層と
前記中間処理層との界面部分において、前記樹脂ブレン
ドフィルム層中のスチレン系共重合樹脂の一部分と、前
記中間処理層中の熱可塑性樹脂の一部分とによる接着層
が形成されることが好ましい。本発明の印刷用ポリオレ
フィン系樹脂シートの製造方法において、前記中間処理
層上に形成するインク受容層が水系熱可塑性樹脂ベース
コーティング液の塗布、乾燥によって形成されてもよ
い。本発明の印刷用ポリオレフィン系樹脂シートの製造
方法において、前記水系熱可塑性樹脂ベースのインク受
容層コーティング剤が、熱可塑性樹脂エマルジョン、熱
可塑性ゴムラテックス、及び水溶性高分子化合物から選
ばれた1種以上をバインダーとして含有することが好ま
しい。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の印刷用ポリオレフィン系
樹脂シートは、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対
しスチレン系共重合樹脂を5〜100重量部配合してな
るポリオレフィン系樹脂ブレンドからなるフィルム層を
有するシート状基材層と、その少なくとも片面の表面全
面に、有機系溶剤に可溶性の熱可塑性樹脂と、必要によ
り微粒子顔料または、多孔質微粒子の1種以上を含有す
るインク受容層形成用コーティング剤を直接塗布し、乾
燥して形成されたインク受容層を有するものである。ま
た、ポリオレフィン系樹脂とスチレン系共重合樹脂との
ブレンド組成物からなる前記ポリオレフィン系樹脂ブレ
ンドフィルム基材層が繊維布帛をさらに含み、繊維布帛
の片面、又は両面に前記ポリオレフィン系樹脂ブレンド
フィルム層が積層されていて、少なくともその片面に有
機系溶剤に可溶性の熱可塑性樹脂と、必要により微粒子
顔料または、多孔質微粒子の1種以上を10〜80重量
%含有するインク受容層形成用コーティング剤を直接塗
布し乾燥して形成されたインク受容層を有していてもよ
い。
【0022】また、ポリオレフィン系樹脂100重量部
に対しスチレン系共重合樹脂を5〜100重量部配合し
てなる前記ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムを含
むシート状基材層をインク受容層形成面として、その裏
側に繊維布帛及び裏面ポリオレフィン系樹脂層の1種以
上を裏面構造層として積層した構造体シートであって、
前記インク受容層形成面の表面全面に、有機系溶剤に可
溶の熱可塑性樹脂と、必要によりさらに微粒子顔料及び
多孔質微粒子の1種以上を含有するインク受容層用コー
ティング剤を直接塗布し乾燥して形成されたインク受容
層を有している。
【0023】また、これら上記ポリオレフィン系樹脂ブ
レンドフィルム層含有シート状基材層及び、裏面ポリオ
レフィン系樹脂層に、それぞれの配合組成樹脂ベース1
00重量部に対し、臭素系化合物難燃剤及び非ハロゲン
系難燃剤の1種以上を10重量部から250重量部配合
することによって、難燃性が付与された難燃性のインク
ジェット印刷用のポリオレフィン樹脂シート及び、ター
ポリン膜材などの印刷用シートが得られる。特に非ハロ
ゲン系難燃剤のみを使用することによって非ハロゲン非
含有のインクジェット印刷用のポリオレフィン樹脂シー
トまたはターポリン膜材などの印刷用シートが得られ
る。
【0024】本発明の印刷用ポリオレフィン系樹脂シー
トは、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対しスチレ
ン系共重合樹脂を5〜100重量部配合してなるポリオ
レフィン系樹脂ブレンドからなるフィルム層を含むシー
ト状基材層の少なくとも片面の表面全面に、例えば有機
系溶剤に可溶性の熱可塑性樹脂を含有するコーティング
剤を直接塗布、乾燥して熱可塑性樹脂含有中間処理層が
強固に密着して設けられ、この中間処理層上に、熱可塑
性樹脂エマルジョン、熱可塑性ゴムラテックス、水溶性
高分子化合物から選ばれた1種以上による水系熱可塑性
樹脂ベースのインク受容層コーティング剤を塗布し乾燥
によってインク受容層が形成されていて、このインク受
容層は、好ましくは微粒子顔料または、多孔質微粒子の
1種以上を10〜80重量%含有していてもよく、水性
インク、溶剤系インク、油性インクを受容可能である。
【0025】また、本発明の印刷用シートにおいて、ポ
リオレフィン系樹脂とスチレン系共重合樹脂とのブレン
ドからなるフィルム層を含むシート状基材層が繊維布帛
を含み、繊維布帛の片面、又は両面に前記ポリオレフィ
ン系樹脂ブレンドフィルム層が積層されていて、少なく
ともその片面に中間処理層が形成され、この中間処理層
の少なくとも1表面上にインク受容層が形成されていれ
ばよい。インク受容層は、微粒子顔料または、多孔質微
粒子の1種以上を10〜80重量%含有していてもよ
く、水性インク、溶剤系インク、油性インクを受容可能
である。また、これら上記ポリオレフィン系樹脂ブレン
ドフィルム層及び、裏面ポリオレフィン系樹脂組成物層
にそのポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、臭
素系化合物難燃剤及び非ハロゲン系難燃剤の1種以上を
10重量部から250重量部配合してもよく、それによ
って難燃性が付与される。特に非ハロゲン系難燃剤のみ
を使用することによってハロゲン非含有のインクジェッ
ト印刷が可能であるポリオレフィン樹脂シートまたはタ
ーポリン膜材などの印刷用シートが得られる。
【0026】本発明の印刷用ポリオレフィン系樹脂シー
ト(以下、印刷用シートと記す)の各種実施態様を添付
図面により説明する。図1において、印刷用シート1
は、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム2からなる
シート状基材層と、その表面上に形成されたインク受容
層3とにより構成されている。図2において、印刷用シ
ート1は、樹脂ブレンドフィルム層2と、その表面上に
形成されたインク受容層3と、樹脂ブレンドフィルム層
2の裏面側に貼着された繊維基布層4とから構成され、
樹脂ブレンドフィルム層2と、繊維基布層4とによりシ
ート状基材層5が構成されている。図3において、印刷
用シート1は、図2の印刷シートに加えて、繊維基布層
4の裏面側に形成された裏面側ポリオレフィン系樹脂ブ
レンドフィルム層6を有し、繊維基布層4と表面側ポリ
オレフィン系樹脂ブレンドフィルム層2と裏面側ポリオ
レフィン系樹脂ブレンド層6とによりシート状基材層5
が構成されている。
【0027】図4の印刷用シート1において、図3の構
成の印刷用シートに、さらに、裏面側ポリオレフィン系
樹脂ブレンドフィルム層6の裏面側に裏面側インクジェ
ット印刷用インク受容層7が形成され、この印刷シート
1のその表裏両面において、インクジェット印刷を施す
ことができる。図5の印刷用シート1において、図1の
構成の印刷用シートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフ
ィルム層2の裏面側に、それとは異なる裏面側ポリオレ
フィン系樹脂組成物層8が形成されている。図6の印刷
用シート1において、図2の構成の印刷用シートの繊維
基布4の裏面に、さらに裏面側ポリオレフィン系樹脂組
成物層8が形成されている。
【0028】図7に示された印刷用シート1において、
ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層2の表面上
に、熱可塑性樹脂を含む中間処理層9が形成され、この
中間処理層9の上に、インク受容層3が形成されてい
る。図8に示されている印刷用シート1において、図7
の印刷用シートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィル
ム層2の裏面側に、さらに繊維基布4が貼着されてい
る。図9において、図8の印刷用シート1の繊維基布4
の裏面側に、裏面側ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィ
ルム層6が形成されている。
【0029】図10の印刷用シート1において、図8の
構成の印刷用シートの繊維基布4の裏面側に裏面側ポリ
オレフィン系樹脂ブレンドフィルム層6が貼着され、そ
の上に、裏面側中間処理層10が形成され、さらにその
上に、裏面側インク受容層7が形成されている。図11
の印刷用シート1において、図7の構成の印刷用シート
のポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層の裏面側に
裏面側ポリオレフィン系樹脂組成物層8が形成されてい
る。図12の印刷用シート1において、図8の構成の印
刷用シートに、さらに、繊維基布4の裏面側に裏面側ポ
リオレフィン系樹脂組成物層8が形成されている。
【0030】本発明の印刷用シートのポリオレフィン系
樹脂ブレンドフィルム層において、ポリオレフィン系樹
脂とともに使用されるスチレン系共重合樹脂としては、
A−B−A型スチレンブロック共重合樹脂(Aはスチレ
ン重合体ブロック、Bはブタジエン重合体ブロック、イ
ソプレン重合体ブロック、もしくはビニルイソプレン重
合体ブロックを表す。)、A−B型スチレンブロック共
重合樹脂(AとBは、上記と同義である。)、スチレン
ランダム共重合樹脂、およびこれらのスチレン系共重合
樹脂の水素添加樹脂が用いられる。前記A−B−A型ス
チレンブロック共重合樹脂及び、A−B型スチレン共重
合樹脂において、Aはスチレン重合体ブロック、Bはブ
タジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック、
もしくはビニルイソプレン重合体ブロックを表す。
【0031】これらのブロック共重合体は、ポリスチレ
ンをハードセグメントとして含むスチレン系ブロック共
重合樹脂である。A−B−A型スチレンブロック共重合
樹脂としては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレ
ンブロック共重合樹脂(SBS)、スチレン−イソプレ
ン−スチレンブロック共重合樹脂(SIS)及びスチレ
ン−ビニルイソプレン−スチレンブロック共重合樹脂
(SVIS)、などを包含し、A−B−A型水素添加ス
チレンブロック共重合樹脂としては、例えば、スチレン
−ブタジエン−スチレンブロック共重合樹脂の水素添加
樹脂であるスチレン−エチレン−ブテン−スチレンブロ
ック共重合樹脂(SEBS)、スチレン−イソプレン−
スチレンブロック共重合樹脂の水素添加樹脂であるスチ
レン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合
樹脂(SEPS)などがあり、A−B型スチレン共重合
樹脂としては、例えば、スチレン−ブタジエンブロック
共重合樹脂(SB)、スチレン−イソプレンブロック共
重合樹脂(SI)などがあり、A−B型水素添加ブロッ
ク共重合樹脂としては、例えば、スチレン−ブタジエン
ブロック共重合樹脂の水素添加樹脂であるスチレン−エ
チレン−ブテンブロック共重合樹脂(SEB)、スチレ
ン−イソプレンブロック共重合樹脂の水素添加樹脂であ
るスチレン−エチレン−ブテンブロック共重合樹脂(S
EP)などが挙げられる。
【0032】これらのスチレン系共重合樹脂に使用でき
るスチレン重合体ブロックAとは、芳香族ビニルモノマ
ーであり、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o
−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルス
チレン、1,3−ジメチルスチレン、4−プロピルスチ
レン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチ
レン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、1−ビニル
ナフタレン、1−ビニルアントラセンなどが挙げられる
が、スチレンが好ましく用いられる。
【0033】また、これらのスチレン系共重合樹脂に使
用できる重合体ブロックBとしては、例えば、1,3−
ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−
ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジ
エンなどが挙げられるが、1,3−ブタジエン、イソプ
レンを用いることが特に好ましい。
【0034】これらA−B−A型ブロック共重合樹脂及
び、その水素添加樹脂並びに、A−B型ブロック共重合
樹脂及び、その水素添加樹脂は、そのAブロック重合体
の数平均分子量が2,000〜40,000であり、B
ブロック重合体の数平均分子量が10,000〜20
0,000であることが望ましい。また、上記スチレン
系共重合樹脂の数平均分子量としては、30,000〜
250,000の範囲のものが好ましい。この数平均分
子量が30,000より小さいとブロック共重合樹脂の
機械的強度が得られないことがあり、本発明のポリオレ
フィン系樹脂ブレンド基材層の強度を低下させてしまう
ことがある。また前記数平均分子量が250,000を
超えると溶融粘度が高くなり、他の樹脂成分との溶融混
練性を悪くし成形加工性を困難とすることがあり、また
本発明のポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層とイ
ンク受容層との密着性が不十分になることがある。
【0035】これらのスチレン系ブロック共重合樹脂の
Bブロック成分のイソプレン重合体ブロック、もしく
は、イソプレン−ブタジエン重合体ブロックの水素添加
樹脂における水素添加率は、70%以上であることが好
ましく、より好ましくは80%以上である。水素添加率
が70%より低い場合には、耐熱性、耐候性が低下する
ことがある。これらのスチレン系ブロック共重合樹脂の
水素添加は、公知の方法によって行われ、例えば、水素
添加反応は、反応に不活性な溶媒に、スチレン系ブロッ
ク共重合樹脂を溶解させ、この状態で、公知水素添加触
媒、例えば、ラネーニッケル、チーグラー系の触媒など
を用いて、共重合体に分子状態の水素を反応させる方法
が好ましく用いることができる。
【0036】また、Bブロック成分として、イソプレン
重合体ブロックもしくは、イソプレン−ブタジエン重合
体ブロックにおいて、そのイソプレン中の3,4ビニル
結合と1,2ビニル結合との合計量が、水素添加前の状
態で、25モル%以上であることが好ましい。ビニル結
合の合計量が25モル%より小さいと、本発明の印刷性
シートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層とイ
ンク受容層との接着性が十分に得られないことがある。
また、Bブロック成分として用いられるブタジエン重合
体ブロックにおいて、そのブタジエン中の1,2ビニル
結合の含有量が、20モル%以上であることが好まし
い。ビニル結合の合計量が20モル%より小さいと、本
発明の印刷性シートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフ
ィルム層とインク受容層との密着性が十分に得られない
ことがある。
【0037】上記A−B−A型ブロック共重合樹脂及
び、その水素添加樹脂において、ポリスチレンブロック
成分が40重量%を超えるとポリオレフィン樹脂との相
溶性が低下することがあるため、それは40重量%以下
であることが好ましい。また、上記A−B型ブロック共
重合樹脂及び、その水素添加樹脂において、ポリスチレ
ンブロック成分が40重量%を超えるとポリオレフィン
樹脂との相溶性が低下することがあるため、それは40
重量%以下であることが望ましい。これらのA−B−A
型ブロック共重合樹脂、及び、その水素添加樹脂、並び
にA−B型ブロック共重合樹脂及び、その水素添加樹脂
などの市販品としては、例えば、シェル.ケミカル社の
クレイトンG(商標)、旭化成工業(株)のタフテック
(商標)、(株)クラレのハイブラー(商標)及びセプ
トン(商標)などが挙げられる。
【0038】また、水素添加スチレン系ランダム共重合
樹脂としては、スチレンとブタジエンの水素添加ランダ
ム共重合樹脂が挙げられ、この水素添加スチレン系ラン
ダム共重合樹脂の市販品としては、日本合成ゴム(株)
のダイナロン(商標)が挙げられる。
【0039】上記スチレン系共重合樹脂は、有機系溶剤
に可溶性または、少なくとも部分可溶性、もしくは膨潤
性であることが好ましく、例えば、有機系溶剤として、
イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコール系
溶剤、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶
剤、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭
化水素系溶剤、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン
などのケトン系溶剤、N,N−ジメチルアセトアミド、
N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶剤、及び
酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、その他
テトラヒドロフランなどの1種以上を用いることがで
き、スチレン系共重合体樹脂は、これらの有機系溶剤に
可溶性または、少なくとも部分可溶性、もしくは膨潤性
であることが好ましい。
【0040】本発明における印刷用シートのポリオレフ
ィン系樹脂ブレンドフィルム層において、前記スチレン
系共重合樹脂は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に
対して、5〜100重量部配合され、樹脂ブレンドとし
て用いられる。その配合量が5重量部より少ないと、印
刷性及びインク受容層との接着性が十分に得られず、ま
たその配合量が、100重量部を超えると、耐熱性、及
び耐候性を劣化し、ポリオレフィン系樹脂ブレンドの加
工性、機械的強度を低下させる。特に、本発明における
印刷用シートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム
層において、これらのスチレン系共重合樹脂としては、
水素添加スチレンブロック共重合樹脂、水素添加スチレ
ンランダム共重合樹脂から選ばれた1種以上を使用する
ことが好ましく、それによって、得られる印刷用シート
の耐候性を向上させることができる。
【0041】本発明の印刷用シートは、前記ポリオレフ
ィン系樹脂ブレンドフィルム層をインク受容層用形成面
とするものである。本発明の印刷用シートにおいて、ポ
リオレフィン系樹脂ブレンドフィルムによりシート状基
材層を構成し、このフィルムの少なくとも片面にインク
受容層が形成されていてもよく、あるいは、前記ポリオ
レフィン系樹脂ブレンドフィルムを繊維布帛の片面又は
両面に積層して形成されたターポリンであって、このタ
ーポリンの前記フィルム層上にインク受容層が形成され
ていてもよい。
【0042】また、前記ポリオレフィン系樹脂ブレンド
フィルム層の裏面に、スチレン共重合体系樹脂を含有し
ないポリオレフィン系樹脂組成物から成型された裏面ポ
リオレフィン系樹脂組成物フィルムを積層してもよく、
あるいは、繊維布帛の表面に、前記ポリオレフィン系樹
脂ブレンドフィルムを積層し、その裏面に前記裏面ポリ
オレフィン系樹脂組成物フィルム層を積層してもよい。
これらのいずれにおいても、前記ポリオレフィン系樹脂
ブレンドフィルム層面に、前記インク受容層が形成され
ている。前記裏面構造側において、樹脂ブレンドフィル
ム層にスチレン共重合体系樹脂を含有しないポリオレフ
ィン系樹脂組成物フィルムを積層して得られる2層構造
シートは、表側面だけにインクジェット印刷が可能であ
るため、片面印刷用途に適しており、また、裏面フィル
ム層として、スチレン系樹脂を含有しないポリオレフィ
ン系樹脂組成物フィルムを用いることによって、寸法変
化が少なく形態安定性の高い印刷用シートを得ることが
できる。
【0043】本発明の印刷用シートのポリオレフィン系
樹脂ブレンドフィルム層、及び裏面ポリオレフィン系樹
脂層に用いられるポリオレフィン系樹脂の種類は同一で
あってもよく、或は異種であってよく、例えば、エチレ
ン−α−オレフィン共重合体、低密度ポリエチレン、中
密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エ
チレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタ
アクリル酸共重合体、エチレン−メタアクリル酸エステ
ル共重合体など、及びこれらの2種類以上の混合物など
を用いることができる。本発明で用いるポリオレフィン
系樹脂は、ラジカル重合法又はイオン重合法により製造
されたものを使用できる。ラジカル重合法で得られるポ
リエチレン系樹脂は、エチレン単独又はエチレンと、そ
れとラジカル重合し得る単量体とを共重合して得られる
もので、ラジカル重合し得る単量体としては、例えばア
クリル酸、メタアクリル酸などの不飽和カルボン酸及び
そのエステル化物や酸無水物、酢酸ビニルなどのビニル
エステル類などが挙げられる。
【0044】不飽和カルボン酸のエステル化物として
は、例えばアクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸グリシジルなどが挙げられる。これらの単量
体は、1種のみならず2種以上用いることができる。イ
オン重合法で得られるポリエチレン系樹脂は、エチレン
単独又はエチレンと炭素原子数=3〜18のα−オレフ
ィンを、遷移金属固体触媒又はメタロセン系均一触媒を
使用して、重合することにより得られ、α−オレフィン
としては、例えばプロピレン、ブテン−1、4−メチル
ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−
1、オクタデセン−1などが用いられるが、炭素原子数
4〜10のα−オレフィンを用いることが好ましい。ま
た、これらのα−オレフィンは、1種または2種以上用
いてもよい。
【0045】本発明の印刷用シートのポリオレフィン系
樹脂ブレンドフィルム層及び、裏面ポリオレフィン系樹
脂層に使用されるポリオレフィン系樹脂としては、特に
限定はないが、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重合体、エチ
レン−メタアクリル酸エステル共重合体、エチレン−マ
レイン酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体
など、さらには、エチレンと共重合可能な極性モノマー
を2種以上共重合させたエチレン系多元共重合体などが
好ましく使用できる。
【0046】更に、これらのエチレン系共重合体は、単
独使用又は2種以上のブレンド組成に於いて、メルトイ
ンデックスが、0.3〜20g/10min 、共重合モノ
マー含有量が、5〜35重量%のものが本発明に好適に
使用できる。メルトインデックスが、0.3g/10mi
n 未満であるとポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム
及び裏面側ポリオレフィン系樹脂組成物フィルムの成形
加工が極めて困難になりまたそれが20g/10min よ
りも高いと、得られるフィルムの強度及び耐熱性が不十
分になり、かつ粘着性が増大してブロッキングを発生し
やすくなる。また共重合モノマーの含有量が35重量%
よりも多いと得られる樹脂ブレンド又は樹脂組成物の加
工時の粘着性が増し、成形加工が極めて困難になること
がある。
【0047】本発明の印刷用シートのポリオレフィン系
樹脂ブレンドフィルム層及び、裏面ポリオレフィン系樹
脂組成物層に使用されるポリオレフィン系樹脂として
は、前記ポリオレフィン系樹脂以外に、ポリプロピレン
系樹脂、例えばポリプロピレン、ポリプロピレンとエチ
レン−プロピレンゴム(EPRゴム)とのリアクター重
合樹脂、もしくはこれらのポリマーアロイ体であるPP
−EPR樹脂、ポリプロピレンとエチレン−プロピレン
−共役ジエン系ゴム(EPDMゴム)とのリアクター重
合樹脂、もしくはこれらのポリマーアロイ体であるPP
−EPDM樹脂などを使用することができる。
【0048】本発明の印刷用シートのポリオレフィン系
樹脂ブレンドフィルム層及び、裏面ポリオレフィン系樹
脂組成物層は、必要に応じて、有機系顔料、無機系顔料
などによって着色されていてもよく、その他に可塑剤、
軟化剤、安定剤、滑剤、防炎剤、難燃剤、発泡剤、帯電
防止剤、界面活性剤、架橋剤、硬化剤、有機系顔料着色
剤、無機系顔料着色剤、導電性フィラー、各種フィラ
ー、防黴剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化
防止剤などのように、通常使用される添加剤を本発明の
効果、目的を逸脱しない範囲で配合していても良い。
【0049】本発明の印刷用シートのポリオレフィン系
樹脂ブレンドフィルム層及び、裏面ポリオレフィン系樹
脂組成物層に使用できる難燃剤には、ハロゲン系難燃剤
として臭素系化合物、非ハロゲン系難燃剤としては、リ
ン酸エステル系化合物、ポリリン酸アンモニウム系化合
物、(イソ)シアヌル酸誘導体化合物、シアナミド化合
物、尿素系化合物、無機金属水酸化物、無機金属酸化
物、無機金属炭酸塩、ホウ酸系化合物、硫黄系化合物な
どを用いることができる。
【0050】臭素系化合物難燃剤としては、デカブロモ
ジフェニルオキサイド、オクタブロモジフェニルオキサ
イド、テトラブロモジフェニルオキサイド、テトラブロ
モビスフェノールA、ビストリブロモフェノキシエタ
ン、トリブロモフェノール、エチレンビステトラブロモ
フタルイミド、エチレンビスペンタブロモフタルイミ
ド、エチレンビスペンタブロモジフェニル、ヘキサブロ
モベンゼン、ヘキサブロモシクロドデカン、臭素化ポリ
スチレン、TBAポリカーボネートオリゴマー、1,2
−ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、トリス(2,
3−ジブロモプロピル−1)イソシアヌレート、トリス
(2,4,6−トリブロモフェノキシ)イソシアヌレー
ト、並びに臭素置換リン酸エステル類、例えばトリス
(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス
(2,4,6−トリブロモフェニル)ホスフェート、ト
リス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートなどが使
用でき、これらを三酸化アンチモン、五酸化アンチモン
などの酸化アンチモン化合物と併用して用いることが好
ましい。
【0051】非ハロゲン系難燃剤において、前記リン酸
エステル系化合物難燃剤としては、トリメチルホスフェ
ート、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェ
ート、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェ
ート、トリヘキシルホスフェート、ジメチルエチルホス
フェート、及びメチルジブチルホスフェートなどの鎖状
アルキルリン酸エステル;トリフェニルホスフェート、
トリクレジルホスフェート、ジフェニルオクチルホスフ
ェート、p−ベンジルフェニルホスフェート、及びヒド
キシフェニルジフェニルホスフェートなどの芳香族リン
酸エステル化合物;並びにこれらの化合物のオリゴマー
状縮合体などを用いることができる。
【0052】このオリゴマー状縮合体としては、例え
ば、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェー
ト)、ビスフェノールAテトラフェニルジホスフェー
ト、ビスフェノールAテトラクレジルジホスフェート、
1,3−フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)、
レゾルシノールジホスフェート、レゾルシノールビス
(ジフェニルホスフェート)、トリオキシベンゼントリ
ホスフェートなどのオリゴマー状芳香族リン酸エステル
縮合体を用いることができる。
【0053】非ハロゲン系難燃剤において、前記ポリリ
ン酸アンモニウム系化合物難燃剤としては、オルソリン
酸アンモニウムと尿素の縮合生成物が用いることができ
る。また縮合リン酸塩化合物としては、ポリリン酸アン
モニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム、ポリ
リン酸メラミンなどが使用できる。ポリリン酸アンモニ
ウムは、重合度が200以上のものが好適に用いられ、
更にポリリン酸アンモニウムの表面が、メラミン系樹
脂、尿素樹脂、トリアジン樹脂、フェノール樹脂などの
熱硬化樹脂で被覆処理されて水に難溶化されたものが好
適に用いられる。ポリリン酸アンモニウムの重合度が2
00未満であると、ポリリン酸アンモニウムが水溶性と
なり、非ハロゲン系難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物
を積層したシートの耐水性が低下したり、難燃化効果の
持続性が乏しくなるなどして屋外での使用に不適切な物
となる。本発明の印刷性シートに使用できる縮合リン化
合物としては、メラミン樹脂で表面処理された重合度6
00〜1200のポリリン酸アンモニウムが好ましく使
用できる。
【0054】非ハロゲン系難燃剤において、前記(イ
ソ)シアヌル酸誘導体化合物難燃剤としては、メラミ
ン、硫酸メラミン、燐酸メラミン、ポリ燐酸メラミン、
トリメチロールメラミン、シアヌル酸トリメチルエステ
ル、シアヌル酸トリエチルエステル、アンメリン、アン
メリド、及び2,4,6−トリオキシシアニジンなどの
シアヌル酸誘導体などを用いることができる。また、イ
ソアンメリン、イソメラミン、イソアンメリド、トリメ
チルカルボジイミド、トリエチルカルボジイミド、及び
トリカルボイミドなどのイソシアヌル酸誘導体を用いる
ことができる。
【0055】非ハロゲン系難燃剤において、前記シアナ
ミド系化合物難燃剤としては、例えばジシアンジアミ
ド、ジシアンジアミジシン、グアニジン、スルファミン
酸グアニジン、燐酸グアニジン、及びジグアニドなどの
シアナミド誘導体を用いることができる。また非ハロゲ
ン系難燃剤において、前記尿素系化合物難燃剤として
は、尿素、ジメチロール尿素、ジアセチル尿素、トリメ
チル尿素、N−ベンゾイル尿素、及び燐酸グアニル尿素
などの尿素誘導体を用いることができる。非ハロゲン系
難燃剤において、前記硫黄系化合物難燃剤としては、チ
オ尿素、硫酸アンモニウム、スルファミン酸アンモニウ
ムなどを用いることができる。
【0056】本発明の印刷用シートに用いられる非ハロ
ゲン系難燃剤において、前記無機金属水酸化物として
は、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化
カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ジルコニウム、塩
基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイ
ト、ヒドロキシスズ酸亜鉛、酸化スズの水酸化物、ホウ
砂などの無機金属水酸化物などが挙げられる。また非ハ
ロゲン系難燃剤において、前記無機金属酸化物として
は、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化バリウ
ム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウ
ム、酸化モリブデン、酸化アンチモン、ジルコニウム−
アンチモン複合酸化物などの無機金属酸化物などが挙げ
られる。さらに非ハロゲン系難燃剤において、前記無機
金属炭酸塩としては、炭酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸
バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム−カル
シウムなどが挙げられる。さらに非ハロゲン系難燃剤に
おいて、前記ホウ酸系化合物としては、ホウ酸亜鉛、メ
タホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウ
ムなどが挙げられる。
【0057】これらの無機系非ハロゲン系難燃剤は、1
種のみで用いられてもよくまたは2種以上併用してもよ
い。これらの無機系非ハロゲン難燃剤の中でも特に水酸
化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、酸
化アンチモン、ジルコニウム−アンチモン複合酸化物な
どはその難燃効果が高く、経済的にも有利である。ま
た、これらの無機系非ハロゲン難燃剤の粒径は、化合物
の種類によって異なるが、例えば水酸化アルミニウム、
水酸化マグネシウムの場合平均粒径が、20μm以下、
好ましくは10μm以下であるものが加工性、分散性の
うえで好ましい。
【0058】更に本発明の印刷用シートにおいて使用さ
れる無機系非ハロゲン系難燃剤は、その表面をステアリ
ン酸、オレイン酸、パルチミン酸、などの脂肪酸または
その金属塩、パラフィンワックス、ポリエチレンワック
ス、またはこれらの変性物、有機ボラン、有機チタネー
ト、シランカップリング剤などにより被覆もしくは表面
処理、改質されていることが好ましい。本発明の印刷用
シートに使用される上記難燃剤の配合方法については上
記説明のポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム、裏面
側ポリオレフィン系樹脂組成物層の成型及び、インク受
容層を形成する際の配合中に添加しておけばよい。特に
繊維布帛に対しては、前処理によって難燃剤を付着、吸
着させてもよい。インク受容層に添加する場合の配合量
においては、印刷性への影響を考慮してインク受容層の
全重量に対し、2〜30重量%であることが好ましく、
5〜25重量%であることがより好ましい。
【0059】本発明の印刷用シートのポリオレフィン系
樹脂ブレンドフィルム層及び裏面側ポリオレフィン系樹
脂組成物層の加工に使用されるコンパウンドは、公知の
方法、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、二軸混
練機などを用いて溶融混練後、単軸押出機、二軸押出機
などで溶融混練造粒する方法、さらには、この造粒コン
パウンドに単軸押出機、二軸押出機などで、前記臭素系
難燃剤、非ハロゲン系難燃剤、有機系顔料、無機系顔料
などの着色剤、及び各種添加剤を溶融混合造粒した高濃
度のマスターバッチを作製しておき、タンブラーブレン
ダー、タンブルミキサー、ヘンシェルミキサーのような
混合機を用いてドライブレンドし、混合後、更に単軸押
出機、二軸押出機などで溶融混練造粒する方法を採用す
ることができる。
【0060】本発明の印刷用シートのポリオレフィン系
樹脂ブレンドフィルム層及び、裏面側ポリオレフィン系
樹脂組成物層に用いられるフィルムまたは、シートは、
前記非ハロゲン系難燃剤及び/又は臭素系難燃剤を含
む、又は含まない上記コンパウンドを用いてT−ダイ
法、インフレーション法、カレンダー法など公知のフィ
ルム、シート加工技術によって製造することができ、特
に有機系顔料、無機系顔料などによって着色されたフィ
ルム、シートの製造の際には、カレンダー法により10
0〜250℃の温度範囲にて上記オレフィン系樹脂ブレ
ンドフィルム層用フィルム、シートの成型加工を行うこ
とによりコンパウンドの色替えロスがすくなく、製造効
率を高めることができる。
【0061】本発明の印刷用シートのポリオレフィン系
樹脂ブレンドフィルム層及び、裏面側ポリオレフィン系
樹脂組成物層に用いるフィルム、シートの厚さは、80
〜1000μmであることが好ましく、特に130〜5
00μmであることがより好ましい。この厚さが前記範
囲よりも薄いと成型加工が困難であり、かつそれを繊維
布帛と熱圧着してラミネートした時に繊維布帛面の凹凸
によりフィルムの頭切れを起こし、防水性を損なうた
め、屋外用の日除けテント用途、シートハウス用途、広
告用印刷膜材用途などに使用できず、また、厚さが、前
記範囲よりも厚いと、カレンダー加工が困難となり、か
つ重くて柔軟性を欠き、取り扱い性が不良になる。
【0062】また、本発明の印刷用シートにおいて、ポ
リオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層及び、裏面側ポ
リオレフィン系樹脂組成物層の形成には、上記ポリオレ
フィン系樹脂エマルジョン、または水分散体と、上記ス
チレン系共重合樹脂のエマルジョン、または水分散体と
の混合物に、必要に応じて上記臭素系難燃剤及び非ハロ
ゲン系難燃剤から選ばれた1種以上を加えた配合組成物
を、公知の塗布方法、例えば、ドクターナイフコート
法、グラビアコート法、ロータリースクリーンコート
法、ディップコート法などにて基材にコーティングを行
い、水分を乾燥させる方法を用いることもできる。
【0063】また、本発明の印刷用シートにおいて、ポ
リオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層及び、裏面側ポ
リオレフィン系樹脂組成物層の形成には、上記ポリオレ
フィン系樹脂を有機系溶剤に溶解した溶液と、上記スチ
レン系共重合樹脂を有機系溶剤に溶解させた溶液との混
合物に、必要により上記難燃剤の1種以上を加えた配合
組成物を、公知の塗布方法、例えば、ドクターナイフコ
ート法、グラビアコート法、ロータリースクリーンコー
ト法、ディップコート法などにて基材にコーティングを
行い、溶剤を乾燥させる方法を用いることができる。こ
れらのエマルジョン系(水分散体)または、溶剤系のポ
リオレフィン系樹脂塗布組成物を用いたポリオレフィン
系樹脂ブレンドフィルム層の形成方法としては、直接、
繊維布帛にポリオレフィン系樹脂ブレンド塗布組成物を
コーティングして塗布−乾燥してもよいし、または、離
型紙、離型フィルムなどにポリオレフィン系樹脂塗布組
成物をコーティングして塗布−乾燥したものを繊維布帛
にラミネート転写して積層してもよい。
【0064】本発明の印刷用シートに使用できる繊維布
帛としては、織布、編布、不織布のいずれでもよく、織
布としては特に織組織に限定はないが、平織織物を用い
ると、得られる表面処理シートの縦緯物性バランスが優
れたものになる。編布としてはラッセル編の緯糸挿入ト
リコットを用いることが好ましく、不織布としては長繊
維を用いた不織布を用いることが好ましく、特にスパン
ボンド不織布などが使用できる。また、繊維布帛の縦糸
・緯糸は合成繊維、天然繊維、半合成繊維、無機繊維ま
たはこれらの2種以上から成る混合繊維のいずれによっ
て製織されてもよいが、加工性、汎用性を考慮するとポ
リプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリビニルアル
コール繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アク
リル繊維、ポリウレタン繊維、または、これらの混合繊
維などの合成繊維の長繊維糸条、短繊維紡績糸条、スプ
リットヤーン、テープヤーンなどのいずれの形状でも使
用できる。そのうちでも引張強力、引裂強力、耐熱クリ
ープ特性などに優れているポリエステル繊維、ポリアミ
ド繊維、これらの混合繊維や、複合繊維などから形成さ
れるマルチフィラメント平織繊維布帛または、スパン平
織繊維布帛を用いることが好ましい。
【0065】本発明の印刷用シートに使用する繊維布帛
には、必要に応じて難燃化処理された繊維布帛及び、予
め難燃化された繊維によって製織された布帛を使用する
ことができる。難燃化処理された繊維布帛としては、繊
維の種類に応じて、前記臭素系化合物難燃剤、前記リン
酸エステル系化合物難燃剤、前記ポリリン酸アンモニウ
ム系化合物難燃剤、前記(イソ)シアヌル酸誘導体化合
物難燃剤、前記シアナミド系化合物難燃剤、前記尿素系
化合物難燃剤、前記硫黄系化合物難燃剤から選ばれた1
種以上を水または有機系溶剤、あるいはエマルジョン及
び、ラテックスなどを分散媒体として用い、難燃剤を分
散して、あるいは溶解して含む難燃化処理剤を上記繊維
布帛に含浸させ、乾燥、熱処理して得られるものが挙げ
られる。また、予め難燃化された繊維としては、糸をポ
リエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹
脂などの熱可塑性樹脂から紡糸する段階で上記難燃剤か
ら選ばれた1種以上をブレンドして溶融紡糸された難燃
繊維、あるいは、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、
アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂を合成する段階で原料
モノマーの一部をリン酸エステル含有モノマーや、ハロ
ゲン含有モノマーに置換して合成して得られる熱可塑性
樹脂から溶融紡糸された難燃繊維が挙げられる。
【0066】これらの繊維布帛とポリオレフィン系樹脂
ブレンドフィルム層とは、繊維布帛の片面に積層しても
よいし、その両面に積層してもよいが、屋外用途の耐久
性を考慮すると繊維布帛の両面に、ポリオレフィン系樹
脂ブレンドフィルム層シートを積層することが好まし
く、必要に応じて、その裏面を別の組成からなる裏面側
ポリオレフィン系樹脂組成物層で構成されていてもよ
い。特に本発明の印刷用シートの両面にインク受容層が
形成される場合、片面の印刷絵柄が、もう一方の印刷絵
柄に透けて映らない様にするためにインク受容層が形成
された2枚のポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層
の間に遮光層を設けることが好ましい。この遮光層は、
ポリオレフィン系樹脂にカーボンブラック、酸化チタン
などの無機系顔料、縮合アゾ、シアニンブルー、キナク
リドンなどの有機系顔料更にアルミニウム粉末、ブロン
ズ粉末などの金属粉末及び金属蒸着された無機系フィラ
ーなどを適量配合して得られる厚さが0.03〜0.2
mmのフィルムが使用できる。また、この遮光層の形成
は、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルムの裏側に上
記の無機系顔料及び有機系顔料、金属粉末などを含有す
るグラビアインキまたは、スクリーンインキなどのイン
キを用いて遮光層を印刷塗布形成させても良い。これら
のポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム、裏面ポリオ
レフィン系樹脂フィルム、遮光層フィルムと繊維布帛と
の積層の方法として、シートと繊維布帛との間に接着剤
層を設けても良いし、接着剤なしに積層しても良い。ま
た、積層の方法として、シートと繊維布帛との間に接着
剤層を設けてもよいし、接着剤なしに積層結着してもよ
い。本発明の印刷用シートの製造に用いる繊維布帛とポ
リオレフィン系樹脂ブレンド基材層及び、裏面ポリオレ
フィン系樹脂層との積層方法は、フィルム、シートの成
型加工時に同時に繊維布帛と熱ラミネート積層するカレ
ンダートッピング法、T−ダイラミネート法、あるい
は、カレンダー法、T−ダイ法、インフレーション法な
どによりシートを一度成型加工した後に、ラミネーター
による熱圧着により繊維布帛との積層を行う方法などが
あるが、本発明による印刷用シートの製造には、カレン
ダー法によって成型加工された上記シートと、ポリエス
テル繊維平織布帛との熱圧着による方法が、効率的かつ
経済的である。
【0067】このとき、平織布帛の織組織は目抜け平織
であると、目抜け部分を介在して表と裏のシートが熱溶
融ブリッジするために、特別な接着剤を必要とせずに本
発明の印刷用シートを製造する事ができ、また、縦方
向、横方向の物性のバランスをより良好にすることがで
きる。また、本発明の印刷用シートに使用されるポリオ
レフィン系樹脂ブレンドフィルム層及び、裏面側ポリオ
レフィン系樹脂組成物層の形成方法が、上記エマルジョ
ン系(水分散体)または、溶剤系のポリオレフィン系樹
脂塗布組成物を用いる形成方法によって行われる場合に
は、繊維布帛の織組織は、糸密度の高い非目抜け平織り
であることが好ましく、特にスパン繊維布帛などを使用
する事が好ましい。
【0068】本発明の印刷用シートの厚さは、特に限定
されるものではなく、その用途によって適宜選定され
る。例えば、印刷用シートの場合80〜1000μmで
あり、印刷用ポリオレフィン系樹脂基材層を繊維布帛の
片面に設けたシートの場合には120〜1600μmで
あり、印刷用ポリオレフィン系樹脂基材層を繊維布帛の
両面に設けたシートの場合には160〜2000μm程
度である。
【0069】本発明の印刷用シートにおいて、インク受
容層の形成に用いられる溶剤系コーティング剤には熱可
塑性樹脂が含まれ、この熱可塑性樹脂は、ポリウレタン
系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリア
ミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂の1種以上から選ばれ
ることが好ましい。
【0070】ポリウレタン系樹脂としては、ジイソシア
ネート化合物とヒドロキシル基を分子構造内に2個以上
有するポリオール化合物の中から選ばれた1種以上と、
イソシアネート基と反応する官能基を含有する化合物と
の付加重合反応によって得られたものが使用できる。ジ
イソシアネートとしては、芳香族、脂肪族、脂環式(水
素添加物を包含する)のジイソシアネート化合物が用い
られる。ヒドロキシル基を2個以上有するポリオール化
合物としては、分子量300〜10,000、好ましく
は、500〜5,000であり、ジイソシアネート化合
物と反応する量を含有するものである。更に、前記ジオ
ールの他に分子鎖長の調節剤として、イソシアネート基
と反応する官能基をもつ化合物を使用してもよい。これ
らの熱可塑性ポリウレタン樹脂は、上記の化合物を用い
て公知の方法によって製造される。
【0071】この熱可塑性ポリウレタン樹脂を、有機系
溶剤中に10〜40重量%の固形分濃度で溶解させたも
のが、溶剤コーティング剤として使用でき、必要に応じ
て、ジイソシアネート化合物、または、イソシアネート
基を分子内に3個以上含有するポリイソシアネート化合
物を添加して、その被膜強度及び、耐熱性などを向上、
改善させることができる。更に、本発明の印刷用シート
において、インク受容層形成用溶剤系コーティング剤に
含まれる熱可塑性ポリウレタン系樹脂としては、無黄変
ポリウレタン樹脂を使用することが耐光性の面で好まし
く、無黄変ポリウレタン樹脂は、上記ジイソシアネート
化合物の中から特に脂肪族、脂環式(水素添加物を包含
する)ジイソシアネートを選んで製造することによって
得られる。
【0072】本発明の印刷用シートにおいて、インク受
容層形成用溶剤系コーティング剤に使用されるアクリル
系樹脂としては、(メタ)アクリレートモノマーのラジ
カル重合によって得られるアクリル共重合樹脂が好まし
く、特に(メタ)アクリレートモノマーと、それとラジ
カル共重合可能なモノマーとの共重合によって得られる
アクリル系共重合樹脂が好ましく使用できる。このよう
なラジカル共重合可能なモノマーとしては、例えばアル
キル基の炭素原子数が2〜18のアルキルメタアクリレ
ート、アルキル基の炭素原子数が1〜18のアルキルア
クリレートの他、アクリル酸やメタクリル酸等のα,β
−不飽和酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、等の
不飽和基含有二価カルボン酸及びそれらのアルキルエス
テル、スチレン、α−メチルスチレン、核置換スチレン
等の芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル等のシアン化ビニル化合物、無水マレイン
酸、マレイミド、N−置換マレイミド等が挙げられ、こ
れらの単一種あるいは2種以上をメチル(メタ)アクリ
レートモノマーと共重合されることが好ましい。この熱
可塑性アクリル系共重合樹脂を、有機系溶剤中に10〜
40重量%の固形分濃度で溶解させたものが、溶剤コー
ティング剤として使用できる。
【0073】本発明の印刷用シートにおいて、インク受
容層形成用溶剤系コーティング剤に含まれるポリアミド
系樹脂としては、炭素数4〜12個のジカルボン酸と、
炭素数4〜14個のジアミンとの重縮合から得られるも
の、もしくは、炭素数6〜12個の環状ラクタムの開環
重合によって得られるものなどが使用できる。また本発
明に使用できるポリアミド系樹脂としては、これらの共
重合樹脂であってもよく、更にポリアミド−ポリウレタ
ン共重合樹脂、ポリアミド−ポリエステルの共重合樹脂
であってもよい。この熱可塑性ポリアミド樹脂を、有機
系溶剤中に10〜40重量%の固形分濃度で溶解させた
ものが、溶剤コーティング剤として使用できる。
【0074】本発明の印刷用シートにおいて、インク受
容層形成用溶剤系コーティング剤に使用されるポリエス
テル系樹脂としては、炭素数4〜12のジカルボン酸
と、ジオールとの重縮合によって得られる非結晶性の飽
和ポリエステル樹脂が使用される。これらの非結晶性の
飽和ポリエステル樹脂としては、少なくとも芳香族ジカ
ルボン酸と脂肪族ジカルボン酸の組み合わせから選ばれ
た2種以上のジカルボン酸及び、そのエステル形成誘導
体と、ジオール及び、そのエステル形成誘導体との重縮
合によって得られる飽和ポリエステル共重合樹脂が、本
発明の溶剤系コーティング剤に好ましく使用できる。ま
た、これらのジオールは、2種以上を併用しても良い。
更に、本発明の溶剤系コーティングに使用できる熱可塑
性ポリエステル樹脂として、脂肪族ポリエーテルブロッ
ク重合体及び/又は脂肪族ポリエステルブロック重合体
成分を上記飽和ポリエステル共重合樹脂に組み込んだ共
重合樹脂なども使用することができ、更にポリエステル
−ポリアミド共重合樹脂、ポリエステル−ポリウレタン
共重合樹脂なども好ましく使用することができる。この
熱可塑性ポリエステル樹脂を、有機系溶剤中に10〜4
0重量%の固形分濃度で溶解させたものが、溶剤コーテ
ィング剤として使用できる。
【0075】本発明の印刷用シートにおいて、インク受
容層形成用溶剤系コーティング剤に使用されるスチレン
系共重合樹脂としては、A−B−A型スチレンブロック
共重合樹脂(Aはスチレン重合体ブロック、Bはブタジ
エン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック、もし
くはビニルイソプレン重合体ブロックを表す。)、A−
B型スチレンブロック共重合樹脂(AとBは、上記と同
義である。)、スチレンランダム共重合樹脂、およびこ
れらのスチレン系共重合樹脂の水素添加樹脂が使用でき
る。上記A−B−A型スチレンブロック共重合樹脂及
び、A−B型スチレン共重合樹脂において、Aはスチレ
ン重合体ブロック、Bはブタジエン重合体ブロック、イ
ソプレン重合体ブロック、もしくはビニルイソプレン重
合体ブロックである。これらのブロック共重合体は、ポ
リスチレンをハードセグメントとするスチレン系ブロッ
ク共重合樹脂である。この熱可塑性ポリスチレン系共重
合樹脂を、有機系溶剤中に10〜40重量%の固形分濃
度で溶解させたものが、溶剤コーティング剤として使用
できる。
【0076】本発明の印刷用シートにおいて、インク受
容層形成用溶剤系コーティング剤に使用される熱可塑性
樹脂としては、上記ポリウレタン系樹脂、上記アクリル
系樹脂、上記ポリエステル系樹脂、上記ポリアミド系樹
脂、スチレン系樹脂の1種以上から選ばれたものが使用
でき、これらの熱可塑性樹脂を含有する溶剤系コーティ
ング剤において使用される有機系溶剤としては、イソプ
ロパノール、n−ブタノールなどのアルコール系溶剤、
トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、ヘキ
サン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、シクロヘ
キサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素系
溶剤、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケ
トン系溶剤、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチ
ル−2−ピロリドンなどのアミド系溶剤、及び酢酸エチ
ル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、その他テトラヒ
ドロフランなどの1種以上から選ばれた混合有機系溶剤
が好ましい。
【0077】本発明の印刷用シートにおいて、インク受
容層形成用溶剤系コーティング剤には、インクの定着を
向上させることを目的として、公知の定着剤(耐水化
剤)を併用してもよい。定着剤としては、インク分子に
含まれるスルホン酸基、カルボン酸基とイオン結合して
水に不溶性の錯体を形成することができるカチオン性化
合物が用いられる。カチオン性化合物としては、発色
性、溶出性を考慮してカチオン系樹脂を選択することが
好ましい。このようなカチオン系樹脂の例としては、ポ
リエチレンイミン塩、ジメチルアミンエピハロヒドリン
縮合体、ポリアルキレンポリアミンジシアンジアミドア
ンモニウム縮合体、ポリビニルアミン塩、ポリアリルア
ミン塩、(メタ)アクリル酸アルキル4級アンモニウム
塩、(メタ)アクリルアミドアルキル4級アンモニウム
塩、ポリジメチルジアリルアンモニウム塩、ポリスチレ
ン4級アンモニウム塩、ポリビニールピリジウムハライ
ド、ポリビニールベンジルトリメチルアンモニウム塩な
どが挙げられる。これらは、単独もしくは混合して用い
てもよい。また、インク吸収性が損なわれない範囲にお
いて、インク受容層の耐摩耗性向上及び、耐水性の向上
を目的として、硬化剤や架橋剤を添加してもよい。この
ような硬化剤及び架橋剤としては、エポキシ系硬化剤、
メラミン系硬化剤、イソシアネート系架橋剤、カルボジ
イミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤などを、使用す
る樹脂に応じて使用することができる。
【0078】本発明の印刷用シートにおいて、インク受
容層形成用溶剤系コーティング剤には、必要に応じて、
有機系顔料、無機系顔料によって着色されていても良
く、必要に応じて更に、可塑剤、軟化剤、安定剤、ワッ
クス、防炎剤、難燃剤、発泡剤、帯電防止剤、界面活性
剤、撥水剤、撥油剤、導電性フィラー、各種フィラー、
防黴剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止
剤、増粘剤などの添加剤を、本発明の効果、目的を逸脱
しない範囲で含有していてもよい。
【0079】本発明の印刷用シートにおいて、インク受
容層形成用溶剤系コーティング剤に配合して用いられる
微粒子顔料、及び多孔質微粒子としては、シリカ、カオ
リンクレー、ゼオライト、セピオライト、ハイドロタル
サイト、アルミナ水和物、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、タル
ク、硫酸バリウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウ
ム、珪酸カルシウム、ケイ藻土、酸化チタン、などの無
機系化合物粉体顔料;及びナイロン系樹脂微粒子、尿素
系樹脂微粒子、ベンゾグアナミン系樹脂微粒子などの有
機系化合物顔料;及びその他の微粒子顔料として、セル
ロース微粒子、ケラチン微粒子、キトサン微粒子、アル
ギン酸重合物微粒子、アミノ酸重合物微粒子、コラーゲ
ン変性化合物微粒子などの天然物由来の有機系化合物顔
料が挙げられるが、本発明の印刷用シートのインク受容
層に用いられる多孔質微粒子としては、特にシリカが好
ましい。シリカ(二酸化珪素)としては、珪酸ソーダと
鉱酸(硫酸)及び塩類を、水溶液中で反応させる湿式法
によって得られる合成非晶質シリカを、有機溶剤に可溶
性の熱可塑性樹脂重量に対し10〜80重量%使用する
ことが好ましい。
【0080】この湿式法によって合成される非晶質シリ
カは、シリカ表面のシラノール基(≡Si−OH基)に
水素結合で結合する水分と、シラノール基自体が含有す
る水酸基として存在する水分を結合水分として含有する
ため、含水シリカとして、シリカの他の乾式合成法やエ
アロゲル合成法によって得られる水分含有率の極めて少
ない無水シリカと区別されるものである。本発明の印刷
用シートにおいて、インク受容層コーティング剤に配合
して用いられる非晶質含水シリカの平均凝集粒径には、
特に制約はないが、平均凝集粒径(コールカウンター
法)が1〜20μmのもの、好ましくは2〜10μmの
非晶質含水シリカを用いることができる。また、非晶質
含水シリカの含水率としては、3〜15重量%のもの、
好ましくは5〜10重量%の非晶質含水シリカを用いる
ことができる。シリカの配合量が10重量%より少ない
と、得られる印刷用シートのインク受容性及び、発色性
が十分に得られず、シリカの配合量が80重量%を超え
ると、インク受容層の耐摩耗性を悪くし、また、乱反射
性を増すことにより、発色性がかえって悪くなるため好
ましくない。
【0081】インク受容層を形成するために溶剤系コー
ティング剤を塗布する方法としては、特別に限定はない
が、これらの溶剤系コーティング剤をポリオレフィン系
樹脂基材層の表面に均一、かつ均質に塗布できる様な塗
布、コーティング方式が望ましく、例えば、グラビアコ
ート法、マイクログラビアコート法、コンマコート法、
ロールコート法、リバースロールコート法、バーコート
法、キスコート法、フローコート法などが好適である。
本発明の印刷用シートにおいて、インク受容層の形成に
は上記塗布方法の組み合わせ、または、単一方式によ
り、熱可塑性樹脂を含有する溶剤系コーティング剤を複
数回繰り返してコーティングし乾燥して、インク受容層
を形成してもよく、この時2回目以降のコーティング剤
としては、エマルジョン系または、水分散体の水系コー
ティング剤などを使用することもできる。この様な熱可
塑性樹脂表面処理層を必要とする場合においては、溶剤
系コーティング剤に較べて固形分濃度が高く設定可能な
エマルジョン系、または、水分散体を使用することが効
率的で好ましい。
【0082】また、本発明の印刷用シートにおいて、イ
ンク受容層の形成が、上記塗布方法の組み合わせ、また
は、単一方式にて、熱可塑性樹脂を含有する溶剤系コー
ティング剤を複数回繰り返してコーティングし乾燥して
行われる場合、それぞれのインク受容層の熱可塑性樹脂
が、同じ熱可塑性樹脂で構成される必要はなく、それぞ
れの熱可塑性樹脂層の熱可塑性樹脂が、異なっていても
よい。例えば、アクリル系樹脂によるインク受容層の上
に、更にポリウレタン系インク受容層を設けてもよく、
例えば、ポリウレタン系樹脂によるインク受容層の上
に、更にポリアミド系インク受容層を設けてもよく、ま
た、例えば、ポリウレタン系樹脂によるインク受容層の
上に更に、ポリエステル系樹脂によるインク受容層が設
けられていてもよい。
【0083】更に、また、本発明の印刷用シートのイン
ク受容層が、シートの両面に形成される場合において、
互いの面のインク受容層を形成する上記熱可塑性樹脂
が、互に異なっていてもよく、例えば片面がポリウレタ
ン系樹脂を含み、他の面がポリアミド系樹脂の異種イン
ク受容層構成、例えば片面が、ポリウレタン系樹脂と、
もう一方の面がポリエステル系樹脂の異種インク受容層
構成、例えば片面が、ポリウレタン系樹脂と、もう一方
の面がアクリル系樹脂の異種インク受容層構成などの異
種組合わせなどが挙げられる。
【0084】本発明の印刷用シートのインク受容層の厚
さに特に制限はないが、上記コーティング方法のいずれ
か、もしくは、組み合わせによって、固形分付着量が5
〜60g/m2 、好ましくは、10〜35g/m2 に形
成されることが好ましい。固形分付着量が5g/m2
りも少ないと、本発明の印刷用シートの印刷性、及び発
色性が十分に得られなく、また、それが60g/m2
超えるとコーティング処理の回数が増え、工程が煩雑化
し、製造コストが高くなるという不都合を生ずることが
ある。
【0085】本発明の印刷用シートにおいて、シート状
基材の樹脂ブレンドフィルム層と、インク受容層との間
に、熱可塑性樹脂を含む中間処理層が形成され、この中
間樹脂層を介して、シート状基材の樹脂ブレンドフィル
ム層と、インク受容層とが密着して結着されていてもよ
い。前記樹脂ブレンドフィルム層と中間処理層との界面
部分において、前記樹脂ブレンドフィルム層中のスチレ
ン系共重合体樹脂の一部分と、前記中間処理層中の熱可
塑性樹脂の一部分とによる接着層が形成されていること
が好ましい。
【0086】本発明の印刷用シートにおいて、中間処理
層に含まれる熱可塑性樹脂としては、ポリウレタン系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド
系樹脂、ポリスチレン系樹脂の1種以上から選ばれたも
のが使用できる。ポリウレタン系樹脂としては、ジイソ
シアネート化合物とヒドロキシル基を分子構造内に2個
以上有するポリオール化合物の中から選ばれた1種以上
と、イソシアネート基と反応する官能基を含有する化合
物との付加重合反応によって得られるものが用いられ
る。ジイソシアネート化合物としては、芳香族、脂肪
族、脂環式(水素添加物を包含する)のジイソシアネー
ト化合物が用いられる。ヒドロキシル基を2個以上有す
るポリオール化合物としては、分子量300〜10,0
00、好ましは、500〜5,000であり、ジイソシ
アネート化合物と反応する量を含有するものである。更
に、前記ジオールの他に分子鎖長の調節剤として、イソ
シアネート基と反応する官能基を有する化合物を使用し
てもよい。これらの熱可塑性ポリウレタン樹脂は、上記
の化合物を用いて公知の方法によって製造される。
【0087】上記熱可塑性ポリウレタン樹脂を、有機系
溶剤中に10〜40重量%の固形分濃度で溶解させたも
のが、中間処理層用溶剤コーティング剤として使用で
き、必要に応じてジイソシアネート化合物または、イソ
シアネート基を分子内に3個以上含有するポリイソシア
ネート化合物を添加して、その被膜強度及び、耐熱性な
どを向上、改善させることができる。更に、本発明の印
刷用シートにおいて、中間処理層の形成に用いられる熱
可塑性ポリウレタン系樹脂としては、無黄変ポリウレタ
ン樹脂を使用するのが耐光性の面で好ましく、無黄変ポ
リウレタン樹脂は、上記ジイソシアネート化合物の中か
ら特に脂肪族、脂環式(水素添加物を包含する)ジイソ
シアネートを選んで製造することによって得られる。
【0088】本発明の印刷用シートにおいて、中間処理
層の形成に用いられるアクリル系樹脂としては、(メ
タ)アクリレートモノマーのラジカル重合によって得ら
れるアクリル共重合樹脂が好ましく、特に(メタ)アク
リレートモノマーとラジカル共重合可能なその他のモノ
マーとの共重合によって得られるアクリル系共重合樹脂
が好ましく使用できる。(メタ)アクリレートモノマー
とラジカル共重合可能なモノマーとしては、例えばアル
キル基の炭素数が2〜18のアルキルメタアクリレー
ト、アルキル基の炭素数が1〜18のアルキルアクリレ
ートの他、アクリル酸やメタクリル酸等のα,β−不飽
和酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、等の不飽和
基含有二価カルボン酸及びそれらのアルキルエステル、
スチレン、α−メチルスチレン、核置換スチレン等の芳
香族ビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル等のシアン化ビニル化合物、無水マレイン酸、マレ
イミド、N−置換マレイミド等が挙げられ、これらは単
独、あるいは2種以上を併用してメチル(メタ)アクリ
レートモノマーと共重合されるものが好ましい。この熱
可塑性アクリル系共重合樹脂を、有機系溶剤中に10〜
40重量%の固形分濃度で溶解させたものが、中間処理
層用溶剤コーティング剤として使用できる。
【0089】本発明の印刷用シートにおいて、中間処理
層の形成に用いられるポリアミド系樹脂としては、炭素
原子数4〜12個のジカルボン酸と、炭素原子数4〜1
4個のジアミンとの重縮合から得られるもの、もしく
は、炭素原子数6〜12個の環状ラクタムの開環重合に
よって得られるものなどが使用できる。また本発明に使
用できるポリアミド系樹脂としては、これらの共重合樹
脂であっても良く、更にポリアミド−ポリウレタン共重
合樹脂、ポリアミド−ポリエステルの共重合樹脂であっ
ても良い。この熱可塑性ポリアミド樹脂を、有機系溶剤
中に10〜40重量%の固形分濃度で溶解させたもの
が、中間処理層用溶剤コーティング剤として使用でき
る。
【0090】本発明の印刷用シートにおいて、中間処理
層の形成に用いられるポリエステル系樹脂としては、炭
素原子数4〜12のジカルボン酸と、ジオールとの重縮
合によって得られる非結晶性の飽和ポリエステル樹脂が
使用される。これらの非結晶性の飽和ポリエステル樹脂
としては、少なくとも芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジカ
ルボン酸の組み合わせから選ばれた2種以上のジカルボ
ン酸及び、そのエステル形成誘導体と、ジオール及び、
そのエステル形成誘導体との重縮合によって得られる飽
和ポリエステル共重合樹脂が、本発明の溶剤系コーティ
ング剤に好ましく使用できる。また、これらのジオール
は、2種以上を併用しても良い。更に、中間処理層に使
用できる熱可塑性ポリエステル樹脂として、脂肪族ポリ
エーテルブロック重合体及び/又は脂肪族ポリエステル
ブロック重合体成分を上記飽和ポリエステル共重合樹脂
に組み込んだ共重合樹脂なども使用することができ、更
にポリエステル−ポリアミド共重合樹脂、ポリエステル
−ポリウレタン共重合樹脂なども好ましく使用すること
ができる。この熱可塑性ポリエステル樹脂を、有機系溶
剤中に10〜40重量%の固形分濃度で溶解させたもの
が、中間処理層用溶剤コーティング剤として使用でき
る。
【0091】本発明の印刷用シートにおいて、中間処理
層の形成に用いられるスチレン系樹脂としては、スチレ
ンモノマーのラジカル重合によって得られるスチレン樹
脂が好ましく、特にスチレンモノマーとラジカル共重合
可能なその他のモノマーとの共重合によって得られるス
チレン系共重合樹脂が好ましく使用できる。スチレンモ
ノマーとラジカル共重合可能なモノマーとしては、例え
ばアルキル基の炭素数が2〜18のアルキルメタアクリ
レート、アルキル基の炭素原子数が1〜18のアルキル
アクリレートの他、アクリル酸やメタクリル酸等のα,
β−不飽和酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、等
の不飽和基含有二価カルボン酸及びそれらのアルキルエ
ステル、核置換スチレン等の芳香族ビニル化合物、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル
化合物、無水マレイン酸、マレイミド、N−置換マレイ
ミド等が挙げられ、これらは単独、あるいは2種以上を
併用してスチレンモノマーと共重合されるものが好まし
い。
【0092】中間処理層の形成に用いられるその他のス
チレン系共重合樹脂として、A−B−A型スチレンブロ
ック共重合樹脂(Aはスチレン重合体ブロック、Bはブ
タジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック、
もしくはビニルイソプレン重合体ブロックである。)、
A−B型スチレンブロック共重合樹脂(AとBは、上記
と同義である。)、スチレンランダム共重合樹脂、およ
びこれらのスチレン系共重合樹脂の水素添加樹脂が使用
できる。上記A−B−A型スチレンブロック共重合樹脂
及び、A−B型スチレン共重合樹脂において、Aはスチ
レン重合体ブロック、Bはブタジエン重合体ブロック、
イソプレン重合体ブロック、もしくはビニルイソプレン
重合体ブロックである。これらのブロック共重合体は、
ポリスチレンをハードセグメントとするスチレン系ブロ
ック共重合樹脂である。この熱可塑性ポリスチレン系共
重合樹脂を、有機系溶剤中に10〜40重量%の固形分
濃度で溶解させたものが、中間処理層用溶剤コーティン
グ剤として使用できる。
【0093】本発明の印刷用シートにおいて、中間処理
層の形成に用いられる熱可塑性樹脂としては、上記ポリ
ウレタン系樹脂、上記アクリル系樹脂、上記ポリエステ
ル系樹脂、上記ポリアミド系樹脂、スチレン系樹脂の1
種以上から選ばれたものが使用でき、これらの熱可塑性
樹脂を含有する溶剤系コーティング剤において使用され
る有機系溶剤としては、イソプロパノール、n−ブタノ
ールなどのアルコール系溶剤、トルエン、キシレンなど
の芳香族炭化水素系溶剤、ヘキサン、ヘプタンなどの脂
肪族炭化水素系溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘ
キサンなどの脂環式炭化水素系溶剤、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、N,N−ジ
メチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなど
のアミド系溶剤、及び酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエ
ステル系溶剤、その他テトラヒドロフランなどの1種以
上から選ばれた混合有機系溶剤が好ましい。
【0094】本発明の印刷用シートにおいて、中間処理
層には前記臭素系化合物難燃剤、前記非ハロゲン系難燃
剤から選ばれた1種以上を中間処理層の重量に対し、5
〜30重量%含んでいてもよく、これらの難燃剤は、上
記有機系溶剤に可溶であることが中間処理層を形成する
溶剤系コーティング剤の取り扱い性及び、加工性の観点
で好ましい。これらの中間処理層を形成する溶剤系コー
ティング剤の塗布する方法としては、特別に限定はない
が、これらの溶剤系コーティング剤をポリオレフィン系
樹脂ブレンド基材層の表面に均一、かつ均質に塗布でき
るような塗布、コーティング方式が望ましく、例えば、
グラビアコート法、マイクログラビアコート法、コンマ
コート法、ロールコート法、リバースロールコート法、
バーコート法、キスコート法、フローコート法などが好
適である。中間処理層の厚みに特に制限はないが、上記
コーティング方法のいずれか、もしくは、組み合わせに
よって、固形分付着量で5〜60g/m2 、好ましく
は、10〜35g/m2 の目付厚さに形成されることが
好ましい。固形分付着量が5g/m2 よりも少ないと、
水系熱可塑性樹脂ベースのインク受容層コーティング剤
の塗工性及び中間処理層との密着性が十分に得られな
く、また、60g/m2 を超えるとコーティング処理の
回数が増え、悪戯に工程が煩雑化し、製造コストが高く
なり好ましくない。また、中間処理層は、無機系顔料、
有機系顔料などの着色剤により着色されていても良い。
【0095】本発明の印刷用シートにおいて、インク受
容層が、中間処理層上に形成される場合には、インク受
容層形成用コーティング液は、前述と同様の溶剤系コー
ティング液が用いられてもよく、或は下記の水系コーテ
ィング液を用いられてもよい。水系コーティング液は、
水性媒体と、熱可塑性樹脂(バインダー)とを含むもの
である。
【0096】本発明の印刷用シートにおいて、インク受
容層の形成に用いられる水系コーティング液の熱可塑性
樹脂バインダー成分には、熱可塑性樹脂エマルジョン、
熱可塑性ゴムラテックス、水溶性高分子化合物から選ば
れた1種以上を含有することが好ましい。熱可塑性樹脂
エマルジョンとしては、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−
アクリル酸エステル共重合樹脂、酢酸ビニル−マレイン
酸ジブチル共重合樹脂、酢酸ビニル−ベオバ共重合樹
脂、酢酸ビニル−エチレン共重合樹脂(VAE)、エチ
レン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)などの酢酸ビニ
ル系共重合樹脂エマルジョン、アクリル酸エステル−メ
タクリル酸メチル共重合樹脂、アクリル酸エステル−ス
チレン共重合樹脂などのアクリル酸エステル系共重合樹
脂エマルジョン、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポ
リエーテル系ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート系ポ
リウレタン樹脂、ポリカプロラクトン系ポリウレタン樹
脂、アクリル系ポリウレタン樹脂などのポリウレタン樹
脂エマルジョン、ポリエステル系樹脂エマルジョン、ポ
リアミド系樹脂エマルジョン、ポリエチレン系樹脂エマ
ルジョン、アイオノマー樹脂エマルジョンなど、及び、
これらのエマルジョンの混合物、更に、これらの樹脂構
造中に水酸基、カルボン酸基、4級アンモニウム塩基な
どを導入させた官能基含有変性共重合体エマルジョンな
どが挙げられる。また、熱可塑性樹脂エマルジョンはコ
ア−シェル異相構造のハイブリッドエマルジョンであっ
ても良く、これらのコア−シェル型エマルジョンとして
は、例えば、コアポリマーに上記酢酸ビニル系共重合樹
脂または、アクリル酸エステル系共重合樹脂を選び、シ
ェルポリマーにポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系
樹脂、ポリエステル系樹脂などの熱可塑性樹脂を選んで
ポリマーアロイ化したものなどが使用できる。
【0097】熱可塑性ゴムラテックスとしては、ブタジ
エン重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、カルボキ
シル変性スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニト
リル−ブタジエン共重合体、メチルメタアクリレート−
ブタジエン共重合体、2−ビニルピリジン−スチレン−
ブタジエン共重合体などのブタジエン系樹脂ラテック
ス、ポリスチレン系ラテックスなどが挙げられる。更
に、これらの樹脂構造中に水酸基、カルボン酸基、4級
アンモニウム塩基などを導入させた官能基含有変性共重
合体ラテックスなどが挙げられる。また、水溶性高分子
化合物としては、水もしくは、水とアルコールの混合溶
媒に可溶なもの、例えば、カチオン変性デンプン、ゼラ
チン、ポリアミノ酸、ヒドロキシメチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、デン
プン−アクリロニトリル重合体の加水分解生成物、ポリ
ビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール系樹
脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリビニルピロリド
ン系樹脂、ポリアミン系樹脂、ポリアクリルアミド系樹
脂、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリエチレンポリアミ
ド系樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン系樹脂、ポリ
アミンエピクロルヒドリン系樹脂、ポリアミドポリアミ
ン系樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン系
樹脂、ジシアンジアミド系樹脂、ポリエチレンオキサイ
ド系樹脂、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオ
キサイド共重合体樹脂等のポリアルキレンオキサイド誘
導体樹脂、さらには、カルボン酸基、水酸基、エーテル
基、4級アンモニウム塩基などを導入することにより得
られる親水性ポリエステル系樹脂や親水性ポリウレタン
系樹脂などが挙げられる。
【0098】本発明の印刷用シートにおけるインク受容
層の形成に用いられる水系コーティング液の樹脂バイン
ダー成分には、上記の熱可塑性樹脂エマルジョン、熱可
塑性ゴムラテックス、水溶性高分子化合物から選ばれた
1種以上を組み合わせて使用することが、インクジェッ
ト印刷時のインク吸収性、インク定着性、インク発色性
などの印刷要因のコントロールバランスが容易となり、
また効果的である。また、本発明の印刷用シートのイン
ク受容層の耐摩耗性向上及び、耐水性の向上を目的とし
て、インク吸収性が損なわれない範囲において硬化剤や
架橋剤を添加してもよい。このような硬化剤及び架橋剤
としては、水性エポキシ系硬化剤、水性メラミン系硬化
剤、水性イソシアネート系架橋剤、水性カルボジイミド
系架橋剤、水性オキサゾリン系架橋剤などを、使用する
樹脂配合系が含有する官能基の種類及び、官能基量に応
じて適量使用することができる。
【0099】本発明の印刷用シートにおいて、インク受
容層の形成に用いられる水系コーティング液には、イン
クの定着を向上させることを目的として、公知の定着剤
(耐水化剤)を併用してもよい。定着剤としては、イン
クの分子構造に含まれるスルホン酸基、カルボン酸基と
イオン結合して水に不溶性の錯体を形成することができ
るカチオン性化合物を使用するのが好ましく、カチオン
性化合物としては発色性、溶出性を考慮してカチオン系
樹脂から選択することがより好ましい。このようなカチ
オン系樹脂の例としては、ポリエチレンイミン塩、ジメ
チルアミンエピハロヒドリン縮合体、ポリアルキレンポ
リアミンジシアンジアミドアンモニウム縮合体、ポリビ
ニルアミン塩、ポリアリルアミン塩、(メタ)アクリル
酸アルキル4級アンモニウム塩、(メタ)アクリルアミ
ドアルキル4級アンモニウム塩、ポリジメチルジアリル
アンモニウム塩、ポリスチレン4級アンモニウム塩、ポ
リビニールピリジウムハライド、ポリビニールベンジル
トリメチルアンモニウム塩などが挙げられる。これら
は、単独もしくは混合して用いてもよい。また、インク
吸収性が損なわれない範囲において、インク受容層の耐
摩耗性向上及び、耐水性の向上を目的として、硬化剤や
架橋剤を添加してもよい。このよう硬化剤及び架橋剤と
しては、エポキシ系硬化剤、メラミン系硬化剤、イソシ
アネート系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾ
リン系架橋剤などを、使用する樹脂に応じて使用するこ
とができる。
【0100】本発明の印刷用シートのインク受容層を形
成するコーティング液に用いられる微粒子顔料、及び多
孔質微粒子としては、シリカ、カオリンクレー、ゼオラ
イト、セピオライト、ハイドロタルサイト、アルミナ水
和物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アル
ミニウム、酸化アルミニウム、タルク、硫酸バリウム、
珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウ
ム、ケイ藻土、酸化チタン、などの無機系化合物顔料及
び、ナイロン系樹脂微粒子、尿素系樹脂微粒子、ベンゾ
グアナミン系樹脂微粒子などの有機系化合物顔料、その
他の微粒子顔料として、セルロース微粒子、ケラチン微
粒子、キトサン微粒子、アルギン酸重合物微粒子、アミ
ノ酸重合物微粒子(プロテイン)、コラーゲン変性化合
物微粒子などの天然物由来の有機系化合物顔料が挙げら
れるが、本発明の印刷用シートの水系のインク受容層コ
ーティング剤に用いられる多孔質微粒子としては、特に
シリカが好ましい。シリカ(二酸化珪素)としては、珪
酸ソーダと鉱酸(硫酸)及び塩類を、水溶液中で反応さ
せる湿式法によって得られる合成非晶質シリカを、水系
コーティング剤に使用される熱可塑性樹脂100重量%
に対し10〜80重量%使用することが好ましい。この
湿式法によって合成される非晶質シリカは、シリカ表面
のシラノール基(≡Si−OH基)に水素結合で結合す
る水分と、シラノール基自体が含有する水酸基として存
在する水分を結合水分として有するため含水シリカとし
て、シリカの他の乾式合成法やエアロゲル合成法によっ
て得られる水分含有率の極めて少ない無水シリカと区別
されるものである。本発明の印刷用シートにおいて、イ
ンク受容層コーティング剤に配合して用いられる非晶質
含水シリカの平均凝集粒径としては、特に制約はない
が、平均凝集粒径(コールカウンター法)が1〜20μ
mのもの、好ましくは2〜10μmの非晶質含水シリカ
を用いることができる。また、非晶質含水シリカの含水
率としては、3〜15重量%のもの、好ましくは5〜1
0重量%の非晶質含水シリカを用いることができる。シ
リカの配合量が10重量%より少ないと、得られる印刷
用シートのインク吸着性及び、発色性が十分に得られ
ず、シリカの配合量が80重量%を超えると、インク受
容層の耐摩耗性を悪くし、また、乱反射性を増すことに
より、発色性がかえって悪くなるため好ましくない。
【0101】本発明の印刷用シートにおいてインク受容
層の形成に用いられる水系コーティング液には、水の他
に、コーティング液の塗工粘度調整のための希釈剤とし
てアルコール類を含んでいてもよく、及び、また、コー
ティング塗工層の乾燥速度調整の目的で、少量のメチル
セロソルブ、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチ
ル−2−ピロリドン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの親
水性溶媒を添加してもよい。
【0102】本発明の印刷用シートにおいてインク受容
層の形成に用いられる水系コーティング液には、必要に
応じて、有機系顔料、無機系顔料によって着色されてい
ても良く、必要に応じて更に、可塑剤、軟化剤、安定
剤、ワックス、防炎剤、難燃剤、消泡剤、分散剤、浸透
剤、界面活性剤、撥水剤、撥油剤、導電性フィラー、各
種フィラー、防黴剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、蛍光増白剤、老化防止剤、増粘剤などの通常使用さ
れる添加剤を本発明の効果を逸脱しない範囲で使用して
いても良い。
【0103】インク受容層を形成する水系コーティング
液の塗布の方法としては、特別に限定される物ではない
が、これらの水系コーティング液をポリオレフィン系樹
脂基材層上に設けられた熱可塑性樹脂表面処理層の表面
に均一、かつ均質に塗布できる様な塗布、コーティング
方式が望ましく、例えば、グラビアコート法、マイクロ
グラビアコート法、コンマコート法、ロールコート法、
リバースロールコート法、バーコート法、キスコート
法、フローコート法などが好適である。
【0104】本発明の印刷用シートにおいて、インク受
容層の形成には上記塗布方法の組み合わせ、または、単
一方式にて、熱可塑性樹脂を含有する水系コーティング
液を複数回繰り返してコーティング、乾燥して、本発明
のインク受容層の形成を行ってもよい。また、本発明の
印刷用シートにおいて、インク受容層の形成が、上記塗
布方法の組み合わせ、または、単一方式にて、熱可塑性
樹脂を含有する水系コーティング液を複数回繰り返して
コーティングし、かつ乾燥する場合、コーティングごと
のインク受容層の配合組成が、互いに異なっていてもよ
い。例えば、ポリビニルアルコール系樹脂を主体とする
インク受容層の上に、更にポリウレタン系樹脂を主体と
するインク受容層を設けても良く、また、例えば、ポリ
ウレタン系樹脂を主体とするインク受容層の上に更に、
ポリビニルアルコール系樹脂を主体とするインク受容層
を設けることによって、インク受容層の耐水性、耐摩耗
性などの耐久性面での改良を行うことができる。また、
それぞれのインク受容層に用いられる微粒子顔料及び、
多孔質微粒子の配合量を変えてコーティングを行い、コ
ーティング層ごとに微粒子顔料及び、多孔質微粒子の含
有濃度勾配を持たせることによって、インクの吸着性、
インクの発色性などの印刷性面での改良を行うことがで
きる。また、それぞれのインク受容層に用いられる微粒
子顔料及び、多孔質微粒子の種類を変えてコーティング
を行い、コーティング層ごとに微粒子顔料及び、多孔質
微粒子の含有種を変えることによって、インクの吸着
性、インクの発色性などの印刷性面での改良を行うこと
ができる。また、本発明の印刷用シートのインク受容層
が、シートの両面に形成される場合において、互いの面
のインク受容層を形成する水系コーティング剤に用いら
れる上記熱可塑性樹脂が、それぞれ異なっていても良
く、例えば片面がポリウレタン系樹脂主体で、もう一方
の面がポリビニルアルコール系樹脂主体の異種インク受
容層構成、例えば片面が、ポリウレタン系樹脂主体で、
もう一方の面がポリエチレンオキサイド系樹脂主体の異
種インク受容層構成、例えば片面が、ポリビニルアルコ
ール系樹脂主体で、もう一方の面がアクリル系樹脂主体
の異種インク受容層構成などの異種組合わせであっても
良い。
【0105】本発明の印刷用シートの上記水系熱可塑性
樹脂コーティングによるインク受容層の形成において、
形成されるインク受容層の厚みに特に制限はないが、上
記コーティング方法のいずれか、もしくは、組み合わせ
によって、固形分付着量で5〜60g/m2 、好ましく
は、10〜35g/m2 に形成されるのが良い。固形分
付着量が5g/m2 よりも少ないと、本発明の印刷用シ
ートの印刷性、及び発色性が十分に得られなく、また、
60g/m2 を超えるとコーティング処理の回数が増
え、悪戯に工程が煩雑化し、製造コストが高くなり好ま
しくない。
【0106】本発明の印刷用シートへのインクジェット
印刷方法としては、公知の印刷方法、及び市販のインク
ジェットプリンターを用いて行うことができる。本発明
の印刷用シートに使用できるインクジェット印刷用のイ
ンクとしては、水性インク、溶剤系インク、油性インク
のいずれを用いてもよい。水性インクは、顔料、染料の
分散溶媒として水と水溶性有機溶剤を主成分として含有
するものである。水溶性有機溶剤として、ジエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなどの
多価アルコール類及びN−メチル−2−ピロリドン、N
−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル2−ピロリドン
などのピロリドン類が、水性インクの湿潤剤として使用
され、また、水溶性有機溶剤としてエチレングリコール
モノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル
エーテルなどのグリコールエーテル類が水性インクの浸
透剤として使用される。水溶性有機溶剤の含有量として
は、水性インク全重量に対し、10〜50重量%の範囲
が挙げられる。また必要により、水性インク組成中にpH
調整剤、界面活性剤、水性高分子分散剤、キレート化
剤、消泡剤、防腐防黴剤などの添加剤を使用してもよ
い。
【0107】また、油性インクは顔料の分散溶媒とし
て、ガス油、ナフサ、あるいは150℃以上の沸点を有
する有機溶剤を主体とするインクである。また溶剤系イ
ンクは顔料の分散溶媒として、シクロヘキサン、アセト
ン、メチルエチルケトンなどの150℃以下の沸点を有
する有機溶剤を主体として含むインクである。溶剤系イ
ンク及び、油性インクの組成としては、有機系顔料、染
料などの着色剤と有機溶剤の他、バインダー樹脂とし
て、フェノール樹脂、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、
ロジン樹脂、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂などの熱可
塑性樹脂が使用され、その他添加剤として、界面活性
剤、キレート化剤、防腐防黴剤などの添加剤を使用して
も良い。
【0108】水性インクに使用できる染料としては、天
然染料、合成染料など従来公知の染料、例えばニトロソ
系、ニトロ系、アゾ系、スチルベン系、ジフェニルメタ
ン系、トリアリールメタン系、キノリン系、メチン系、
ポリメチン系、チアゾール系、インダミン系、インドフ
ェノール系、アジン系、オキサジン系、チアジン系、ア
ミノケトン系、オキシケトン系、アントラキノン系、イ
ンジゴイド系、フタロシアニン系の染料が使用できる。
【0109】また、水性インク、溶剤系インク、油性イ
ンクに使用できる顔料としては、有機系顔料、無機系顔
料など従来公知のもの、例えば、アゾ系、フタロシアニ
ン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジ
ン系、インジコ系、ベンチジン系、チオインジコ系、ペ
リノン系、ペリレン系、イソインドリノン系、酸化チタ
ン、カドミウム系、酸化鉄系、カーボンブラック系の顔
料が挙げられる。
【0110】
【実施例】本発明を下記実施例によりさらに具体的に説
明するが、本発明の範囲はこれらにより限定されるもの
ではない。下記実施例、及び比較例においてインク受容
層と、ポリオレフィン系樹脂シートとの密着性の評価、
耐久性の評価、及び印刷性の評価など試験は下記方法に
より行った。
【0111】(I)インク受容層とオレフィン系樹脂ブ
レンドフィルム層との密着性 シート状基材の片面(又は両面)にインク受容層を形成
しているポリオレフィン系樹脂シート(図2、図4、図
9、図10)のインク受容層面に、セロハン粘着テープ
(商標:セロテープ:ニチバン(株))を貼り、セロハ
ン粘着テープの上から数回強く擦りつけてセロハン粘着
テープを十分にインク受容層面に密着させた後、セロハ
ン粘着テープの一端を剥がし、この部分を把持してイン
ク受容層からセロハン粘着テープを引き剥がして、セロ
ハン粘着テープの粘着面におけるインク受容層の付着状
況(ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層からのイ
ンク受理層の剥がれ度合い)を、下記の判定基準によっ
て評価した。 ○:剥離セロハン粘着テープに全くインク受容層が付着
していない。(密着良好である。) △:剥離セロハン粘着テープに部分的(半分以下)にイ
ンク受容層が付着している。 ×:剥離セロハン粘着テープにインク受容層の面積の半
分以上が付着している。(密着していない。)
【0112】(II)インク受容層とオレフィン系樹脂ブ
レンドフィルム層との密着性(耐屈曲性) インク受容層を形成したポリオレフィン系樹脂シート
(図2、図4、図9、図10)の摩耗強さを、JIS規
格L−1096(6.17摩耗強さ)B法:スコット形
法により評価した。インク受容層を形成した試験シート
より3cm幅×10cmサイズの試験片を採取し、(株)東
洋精機製作所製スコット型試験機を用いて揉み荷重0.
5kgf で50回、100回の屈曲揉み試験を行った。こ
の試験でのインク受容層と、ポリオレフィン系樹脂ブレ
ンドフィルムとの密着性の耐久度合いを下記の基準で判
定した。 ○:インク受容層はポリオレフィン系樹脂基材シートに
密着保持されている。(異常なし) △:インク受容層の一部(半分以下)が、ポリオレフィ
ン系樹脂基材シートから脱落している。 ×:インク受容層の半分以上が、ポリオレフィン系樹脂
基材シートから脱落している。
【0113】(III )印刷性 ポリオレフィン系樹脂シート(図2、図4、図9、図1
0)上に形成されたインク受容層に、水性インク、溶剤
系インク、油性インクを装備した市販のインクジェット
プリンターを用いて、風景写真画像を印刷し、各インク
の印刷性評価を下記(IV)に記載の方法により判定し
た。 1)水性インクによる印刷 インクジェットプリンター機種名:Hi−Fi JET
FJ−50、(6色ピエゾ型):ローランドディー.
ジー(株)製 インク顔料:シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、
ライトシアン、ライトマゼンタ 印刷出力:720dpi 2)溶剤系インクによる印刷 インクジェットプリンター機種名:ラミレスPJ−13
04NX、(オンデマンド方式):武藤工業(株)製 インク顔料:シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック 印刷出力:384dpi 3)油性インクによる印刷 インクジェットプリンター機種名:PJ5400(4色
ピエゾ型):オリンパス光学工業(株)製 インク顔料:シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック 印刷出力:360dpi
【0114】(IV)印刷されたインク受容層とオレフィ
ン系樹脂ブレンドフィルム層との密着性(耐屈曲性) 前記(III )項で印刷されたシートの摩耗強さをJIS
規格L−1096(6.17摩耗強さ)B法:スコット
形法により評価した。インクジェット印刷されたシート
より3cm幅×10cmサイズの試験片を採取し、(株)東
洋精機製作所製スコット型試験機を用いて、揉み荷重
0.5kgf で50回、及び100回の屈曲揉み試験を行
った。この試験での印刷後のインク受容層と、ポリオレ
フィン系樹脂ブレンドフィルムとの密着性の耐久度合い
を下記の基準で判定した。 ○:印刷されたインク受容層はポリオレフィン系樹脂ブ
レンドフィルムに密着保持されている。(異常なし) △:印刷されたインク受容層の一部(半分以下)が、ポ
リオレフィン系樹脂ブレンドフィルムから脱落してい
る。 ×:印刷されたインク受容層の半分以上が、ポリオレフ
ィン系樹脂ブレンドフィルムから脱落している。
【0115】(V)防炎性 前記(III )項で印刷されたシートの防炎性をJIS規
格L−1091(A−2法区分3、2分加熱)による4
5度防炎試験法により判定した。 ○:残炎、残塵、炭化面積は基準値以内であり合格 ×:残炎、残塵、炭化面積のいずれかの項目、もしくは
全てが基準値を超え、不合格
【0116】実施例1 低密度ポリエチレン樹脂(商標:ジェイレクスLLBF
1350:日本ポリオレフィン(株):MFR 0.5
g/10min 、密度0.91)100重量部に対し、水
素添加スチレン−ビニルイソプレン−スチレン共重合樹
脂として、スチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブ
ラー7125(HV−3):(株)クラレ:MFR
0.7g/10min :スチレン含有量20wt%)30重
量部を含む樹脂ブレンドに、滑剤(商標:LE−5:川
研ファインケミカル(株))1.0重量部と、紫外線吸
収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株))
0.5重量部と、酸化防止剤(商標:イルガノックス1
010:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))
0.3重量部と、着色剤(商標:酸化チタンCR:石原
産業(株))5重量部とを配合して調製されたコンパウ
ンドをバンバリーミキサーで溶融混練した後、150℃
に設定した加熱ロール(2本ロール)で5分間均一に混
練した後、この混練組成物から0.2mm厚のフィルム
を、150℃の条件にてカレンダー圧延成形した。この
混練組成物のロール混練及び、カレンダー成形において
粘着及びプレートアウトはなく、作業性は良好であっ
た。
【0117】次にこの混練組成物から得られた0.2mm
の白色に着色されたポリオレフィン系樹脂ブレンドフィ
ルムをポリエステル繊維平織目開き基布(250デニー
ルポリエステルマルチフィラメント:糸密度縦糸25本
/2.54cm×横糸24本/2.54cm)の両面に14
0℃に設定したラミネーターで熱圧着して貼り合わせ
て、厚さ0.5mm、重量450g/m2 の、ポリオレフ
ィン系樹脂ブレンドフィルム層と繊維基布シート状基材
を得た。次にこのシート状基材の片面に下記組成のポリ
ウレタン系樹脂からなるインク受容層コート液をクリア
ランスコーターを用いて18g/m2 の固形分付着量で
塗布し、80℃の熱風乾燥炉を2分間通過させ、溶剤を
除去して乾燥し、インク受容層を形成した。
【0118】 〈ポリウレタン系インク受容層用コート液〉 ポリエステル系ポリウレタン樹脂(商標:タケラックE− 350、武田薬品工業(株)、固形分26wt%:溶剤 IPA、トルエン) 100重量部 含水シリカ(商標:E−170:日本シリカ工業(株) 含水率6wt%) 26重量部 紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株)) 0.1重量部 希釈剤:トルエン 50重量部 (※このインク受容層に含有されるシリカの含有率は、50wt%であった)
【0119】実施例2 実施例1の低密度ポリエチレン樹脂100重量部をエチ
レン−酢酸ビニル共重合樹脂(商標:エバテートK−2
010:住友化学工業(株):MFR 3.0g/10
min :VA含有量25wt%)100重量部に置き換えた
こと以外は実施例1と同様の組成と手順に従って、厚さ
0.5mm、重量450g/m2 の繊維布帛とポリオレフ
ィン系樹脂ブレンドフィルムとからなるシート状基材を
得た。次にこのシート状基材の片面に、実施例1と同じ
ポリウレタン系樹脂からなるインク受容層コート液を実
施例1と同様の手順により、片面あたり18g/m2
付着重量で塗布し、インク受容層を形成した。
【0120】実施例3 実施例1の低密度ポリエチレン樹脂100重量部を、E
PR−PPリアクター樹脂(商標:キャタロイKS−3
53P:モンテル・エス・ディ・ケー・サンライズ
(株):MFR 0.45g/10min 、EPR 60
wt%、PP 40wt%)100重量部に置き換えたこと
以外は、実施例1と同様の組成と手順に沿って、厚さ
0.5mm、重量450g/m2 のシート状基材を得た。
次にこのシート状基材の片面に実施例1と同じポリウレ
タン系樹脂からなるインク受容層コート液を実施例1と
同様の手順により片面あたり18g/m2 の付着重量で
塗布し、インク受容層を形成した。
【0121】実施例1〜実施例3の効果 実施例1〜実施例3で得られたシートの性能を上記試験
(I),(II),(III ),(IV)より評価した結果、
実施例1〜実施例3で得られたシートの片面に形成され
たポリウレタン系樹脂インク受容層は、ポリオレフィン
系樹脂ブレンドフィルム層によく密着して結着されてい
て、セロハン粘着テープに全くポリウレタン系樹脂イン
ク受容層の取られはなく、また、スコット形法屈曲揉み
試験(100回)においても、ポリウレタン樹脂系イン
ク受容層の剥がれや、脱落はなかった。これらのシート
のインクジェット印刷により得られた風景写真画像は、
水性インク、溶剤系インク、油性インクともインクの吸
収性、定着性が良く、風景写真画像は滲みのない、発色
性にも優れた極めて鮮明なものであった。更に、印刷後
のシートのスコット形法屈曲揉み試験(100回)を行
ってみたところ、剥がれや、脱落などの異常はなく、良
好な耐久性を示していた。結果を表1に示す。
【0122】実施例4 実施例1の低密度ポリエチレン樹脂100重量部を、エ
チレン−酢酸ビニル共重合樹脂(商標:エバテートK−
2010:住友化学工業(株))50重量部と、EPR
−PPリアクター樹脂(商標:キャタロイKS−353
P:モンテル・エス・ディ・ケー・サンライズ(株))
50重量部とに置き換え、難燃剤として、水酸化マグネ
シウム(商標:キスマ5A:協和化学工業(株))80
重量部と、ポリリン酸アンモニウム(商標:ホスタフラ
ムAP−745(=EXOLITIFR23)クラリア
ント社)50重量部とを配合したこと以外は実施例1と
同様の組成と手順に沿って、厚さ0.5mm、重量500
g/m2 のシート状基材を得た。次にこのシート状基材
の片面に、下記組成のポリエステル系樹脂からなるイン
ク受容層コート剤をクリアランスコーターを用いて18
g/m2 の固形分付着量で塗布し、80℃の熱風乾燥炉
を2分間通過させ溶剤の乾燥を行い、インク受容層を形
成させた。
【0123】 〈ポリエステル系インク受容層用コート液〉 飽和ポリエステル系共重合樹脂(商標:バイロン53SS: 東洋紡(株)固形分30wt%:溶剤トルエン、MEK) 100重量部 含水シリカ(商標:E−170:日本シリカ工業(株) 含水率6wt%) 30重量部 紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株)) 0.1重量部 希釈剤:トルエン 50重量部 (※このインク受容層に含有されるシリカの含有率は、50wt%であった)
【0124】実施例5 実施例4のスチレン系共重合樹脂(1)(商標名:ハイ
ブラー7125:(株)クラレ製)30重量部を60重
量部に変更し、増量したこと以外は、実施例4と同様の
組成と手順に沿って、厚さ0.5mm、重量500g/m
2 のシート状基材を得た。次にこのシート状基材の片面
に、下記組成のスチレン系樹脂からなるインク受容層コ
ート液をクリアランスコーターを用いて18g/m2
固形分付着量で塗布し、80℃の熱風乾燥炉を2分間通
過させ溶剤の乾燥を行い、インク受容層を形成させた。
【0125】 〈スチレン系インク受容層用コート液〉 HSBR系共重合樹脂(商標:ダイナロン1320P: 日本合成ゴム(株)) 20重量部 含水シリカ(商標:E−170:日本シリカ工業(株) 含水率6wt%) 20重量部 紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株)) 0.1重量部 希釈剤:トルエン 150重量部 (※このインク受容層に含有されるシリカの含有率は、50wt%であった)
【0126】実施例6 実施例4のスチレン系共重合樹脂(1)(商標名:ハイ
ブラー7125:(株)クラレ)30重量部を、スチレ
ン系樹脂(2)(商標:セプトン2007:(株)クラ
レ)40重量部に変更したこと以外は、実施例4と同様
の組成と手順に沿って、厚さ0.5mm、重量500g/
2 のシート状基材を得た。次にこのシート状基材の片
面に、下記組成のスチレン系樹脂からなるインク受容層
コート液をクリアランスコーターを用いて18g/m2
の固形分付着量で塗布し、80℃の熱風乾燥炉を2分間
通過させ溶剤の乾燥を行い、インク受容層を形成させ
た。
【0127】 〈スチレン系インク受容層用コート液〉 HSVIS系共重合樹脂(商標:ハイブラー7125: (株)クラレ製) 10重量部 HSIS=SEPS系共重合樹脂(商標:セプトン2007: (株)クラレ) 10重量部 含水シリカ(商標:E−170:日本シリカ工業(株) 含水率6wt%) 20重量部 紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株)) 0.1重量部 希釈剤:トルエン 150重量部 (※このインク受容層に含有されるシリカの含有率は、50wt%であった)
【0128】実施例7 実施例4のスチレン系共重合樹脂(1)(商標名:ハイ
ブラー7125:(株)クラレ製)30重量部を、スチ
レン系樹脂(3)(商標:ダイナロン1320P:日本
合成ゴム(株))40重量部に変更したこと以外は実施
例4と同様の組成と手順に沿って、厚さ0.5mm、重量
500g/m2 のシート状基材を得た。次にこのシート
状基材の片面に、下記組成のスチレン系樹脂からなるイ
ンク受容層コート液をクリアランスコーターを用いて1
8g/m2 の固形分付着量で塗布し、80℃の熱風乾燥
炉を2分間通過させ溶剤の乾燥を行い、インク受容層を
形成させた。
【0129】 〈スチレン系インク受容層用コート液〉 HSIS=SEPS系共重合樹脂(商標:セプトン2007: (株)クラレ) 20重量部 含水シリカ(商標:E−170:日本シリカ工業(株) 含水率6wt%) 20重量部 紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株)) 0.1重量部 希釈剤:トルエン 150重量部 (※このインク受容層に含有されるシリカの含有率は、50wt%であった)
【0130】実施例8 実施例4のEPR−PPリアクター樹脂(商標:キャタ
ロイKS−353P:モンテル・エス・ディ・ケー・サ
ンライズ(株))50重量部を低密度ポリエチレン樹脂
(商標:ジェイレクスLLBF1350:日本ポリオレ
フィン(株))50重量部に置き換え、また、スチレン
系共重合樹脂(1)(商標名:ハイブラー7125:
(株)クラレ)30重量部を、スチレン系樹脂(2)
(商標:セプトン2007:(株)クラレ)20重量部
と、スチレン系樹脂(3)(商標:ダイナロン1320
P:日本合成ゴム(株))20重量部に変更したこと以
外は実施例4と同様の配合と手順によって厚さ0.5m
m、重量500g/m2 のシート状基材を得た。次にこ
のシートの片面に、下記組成のアクリル系樹脂からなる
インク受容層コート液をクリアランスコーターを用いて
18g/m2 の固形分付着量で塗布し、80℃の熱風乾
燥炉を2分間通過させ溶剤の乾燥を行い、インク受容層
を形成させた。
【0131】 〈アクリル系インク受容層用コート液〉 アクリル系共重合樹脂(商標:ソニーボンドSC−474: ソニーケミカル(株)固形分30wt%:溶剤キシレン、 メチルセロソルブ、MEK) 100重量部 含水シリカ(商標:E−170:日本シリカ工業(株) 含水率6wt%) 30重量部 紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株)) 0.1重量部 希釈剤:MEK(メチルエチルケトン) 50重量部 (※このインク受容層に含有されるシリカの含有率は、50wt%であった)
【0132】実施例4〜実施例8の効果 実施例4〜実施例8で得られたシートの性能を上記試験
法(I),(II),(III ),(IV),(V)より評価
した。その結果、実施例4〜実施例8で得られたシート
の片面に形成された、それぞれポリエステル系樹脂イン
ク受容層(実施例4)、スチレン系樹脂インク受容層
(実施例5〜実施例7)、アクリル系樹脂インク受容層
(実施例8)は、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィル
ム層によく密着して結着されていて、セロハン粘着テー
プに全くインク受容層の取られはなく、また、スコット
形法屈曲揉み試験(100回)においても、インク受容
層の剥がれや、脱落はなかった。これらのシートのイン
クジェット印刷により得られた風景写真画像は、水性イ
ンク、溶剤系インク、油性インクともインクの吸収性、
定着性が良く、風景写真画像は滲みのない、発色性にも
優れた極めて鮮明なものであった。更に、印刷後のシー
トのスコット形法屈曲揉み試験(100回)を行ってみ
たところ、印刷されたインク受容層の剥がれや、脱落な
どの異常はなく、良好な耐久性を示していた。また、実
施例4〜実施例8のシートの防炎性試験は、JIS規格
L−1091(A−2法区分3、2分加熱)に合格する
非ハロゲン難燃化されたシートであった。結果を表1に
示す。
【0133】実施例9 実施例1のポリオレフィン系樹脂ブレンド配合に、難燃
剤として、水酸化マグネシウム(商標:キスマ5A:協
和化学工業(株))30重量部と、ポリリン酸アンモニ
ウム(商標:ホスタフラムAP−745(=EXOLI
T IFR23)クラリアント社)20重量部と、臭素
系化合物エチレンビスペンタブロモジフェニル(商標:
SAYTEX8010:アルベマール浅野(株))10
重量部と、三酸化アンチモン(商標:パトックスL:日
本精鉱(株))5重量部とからなる難燃剤総量65重量
部を新たに配合したこと以外は実施例1と同様の組成と
手順に沿って、厚さ0.5mm、重量520g/m2 のシ
ート状基材を得た。次にこのシート状基材の片面に、実
施例5で使用したのと同じ、スチレン系樹脂からなるイ
ンク受容層コート剤をクリアランスコーターを用いて1
8g/m2 の固形分付着量で塗布し、80℃の熱風乾燥
炉を2分間通過させ溶剤の乾燥を行い、インク受容層を
形成させた。
【0134】実施例10 実施例2のポリオレフィン系樹脂ブレンド配合に、難燃
剤として、実施例8と同じ難燃剤を新たに配合したこと
以外は実施例2と同様の組成と手順に沿って、厚さ0.
5mm、重量520g/m2 のシート状基材を得た。次に
このシート状基材の片面に、実施例6で使用したのと同
一の、スチレン系樹脂からなるインク受容層コート剤を
クリアランスコーターを用いて18g/m2 の固形分付
着量で塗布し、80℃の熱風乾燥炉を2分間通過させ溶
剤の乾燥を行い、インク受容層を形成させた。
【0135】実施例11 実施例3のポリオレフィン系樹脂ブレンド配合に、難燃
剤として、実施例8と同じ難燃剤を新たに配合したこと
以外は実施例3と同様の組成と手順に沿って、厚さ0.
5mm、重量520g/m2 のシート状基材を得た。次に
このシート状基材の片面に、実施例7で使用したものと
同一の、スチレン系樹脂からなるインク受容層コート剤
をクリアランスコーターを用いて18g/m2 の固形分
付着量で塗布し、80℃の熱風乾燥炉を2分間通過させ
溶剤の乾燥を行い、インク受容層を形成させた。
【0136】実施例9〜実施例11の効果 実施例9〜実施例11で得られたシートの性能を上記試
験法(I),(II),(III ),(IV),(V)より評
価した結果、実施例9〜実施例11で得られたシートの
片面に形成された、スチレン系樹脂インク受容層は、ポ
リオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層によく密着して
結着されていて、セロハン粘着テープに全くインク受容
層の取られはなく、また、スコット形法屈曲揉み試験
(100回)においても、インク受容層の剥がれや、脱
落はなかった。これらのシートのインクジェット印刷に
より得られた風景写真画像は、水性インク、溶剤系イン
ク、油性インクともインクの吸収性、定着性が良く、風
景写真画像は滲みのない、発色性にも優れた極めて鮮明
なものであった。更に、印刷後のシートのスコット形法
屈曲揉み試験(100回)を行ってみたところ、印刷さ
れたインク受容層の剥がれや、脱落などの異常はなく、
良好な耐久性を示していた。また、実施例9〜実施例1
1のシートの防炎性試験は、JIS規格L−1091
(A−2法区分3、2分加熱)に合格する難燃化された
シートであった。結果を表2に示す。
【0137】実施例12 実施例4のポリオレフィン系樹脂ブレンド配合の水酸化
マグネシウム(商標:キスマ5A:協和化学工業
(株))80重量部と、ポリリン酸アンモニウム(商
標:ホスタフラムAP−745(=EXOLIT IF
R23)クラリアント社)50重量部を省き、新たに臭
素系化合物エチレンビスペンタブロモジフェニル(商
標:SAYTEX8010:アルベマール浅野(株))
30重量部と、三酸化アンチモン(商標:パトックス
L:日本精鉱(株))15重量部を配合したこと以外
は、実施例4と同様の組成と手順に沿って、厚さ0.5
mm、重量530g/m2 のシート状基材を得た。次にこ
のシート状基材の片面に、実施例1で使用したものと同
一のポリウレタン系樹脂からなるインク受容層コート剤
をクリアランスコーターを用いて18g/m2 の固形分
付着量で塗布し、80℃の熱風乾燥炉を2分間通過させ
溶剤の乾燥を行い、インク受容層を形成させた。
【0138】実施例13 実施例5のポリオレフィン系樹脂ブレンド配合の難燃剤
配合を、実施例12と同じ組成としたこと以外は、実施
例5と同様の組成と手順に沿って、厚さ0.5mm、重量
535g/m2 のシート状基材を得た。次にこのシート
の片面に、実施例4で使用したのと同じ、ポリエステル
系樹脂からなるインク受容層コート剤をクリアランスコ
ーターを用いて18g/m2 の固形分付着量で塗布し、
80℃の熱風乾燥炉を2分間通過させ溶剤の乾燥を行
い、インク受容層を形成させた。
【0139】実施例14 実施例6のポリオレフィン系樹脂ブレンド配合の難燃剤
配合を、実施例12と同じ組成としたこと以外は、実施
例6と同様の組成と手順に沿って、厚さ0.5mm、重量
535g/m2 のシート状基材を得た。次にこのシート
状基材の両面に、実施例1で使用したものと同一のポリ
ウレタン系樹脂からなるインク受容層コート剤をクリア
ランスコーターを用いて片面当り18g/m2 の固形分
付着量で塗布し、80℃の熱風乾燥炉を2分間通過させ
溶剤の乾燥を行い、インク受容層を形成させた。
【0140】実施例15 実施例7のポリオレフィン系樹脂ブレンド配合の難燃剤
配合を、実施例12と同じ組成としたこと以外は実施例
7と同様の組成と手順に沿って、厚さ0.5mm、重量5
35g/m2 のシート状基材を得た。次にこのシート状
基材の両面に下記ポリアミド系樹脂からなるインク受容
層コート剤をクリアランスコーターを用いて片面当り1
8g/m2 の固形分付着量で塗布し、80℃の熱風乾燥
炉を2分間通過させ溶剤の乾燥を行い、インク受容層を
形成させた。
【0141】 〈ポリアミド系インク受容層コート剤〉 ポリアミド(ナイロン)系樹脂(商標名:ラックスキン N901:セイコー化成(株)固形分15wt%) 100重量部 含水シリカ(商標名:E−170:日本シリカ工業(株) 含水率6wt%) 15重量部 紫外線吸収剤(商標名:バイオソーブ510:共同薬品(株))0.1重量部 希釈剤:メタノール 10重量部 希釈剤:トルエン 10重量部 (※このインク受容層に含有されるシリカの含有率は、50wt%であった)
【0142】実施例16 実施例8のポリオレフィン系樹脂ブレンド配合の難燃剤
配合を、実施例12と同じ組成としたこと以外は、実施
例8と同様の組成と手順に沿って、厚さ0.5mm、重量
535g/m2 のシート状基材を得た。次にこのシート
状基材の両面に実施例8と同じアクリル系樹脂からなる
インク受容層コート剤をクリアランスコーターを用い
て、片面当り18g/m2 の固形分付着量で塗布し、8
0℃の熱風乾燥炉を2分間通過させ溶剤の乾燥を行い、
インク受容層を形成させた。
【0143】実施例12、実施例13の効果 実施例12、実施例13で得られたシートの性能を上記
試験法(I),(II),(III ),(IV),(V)より
評価した結果、実施例12、実施例13で得られたシー
トの片面に形成された、ウレタン系樹脂インク受容層
(実施例12)及び、ポリエステル系インク受容層(実
施例13)は、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム
層によく密着して結着されていて、セロハン粘着テープ
に全くインク受容層の取られはなく、また、スコット形
法屈曲揉み試験(100回)においても、インク受容層
の剥がれや、脱落はなかった。これらのシートのインク
ジェット印刷により得られた風景写真画像は、水性イン
ク、溶剤系インク、油性インクともインクの吸収性、定
着性が良く、風景写真画像は滲みのない、発色性にも優
れた極めて鮮明なものであった。更に、印刷後のシート
のスコット形法屈曲揉み試験(100回)を行ってみた
ところ、印刷されたインク受容層の剥がれや、脱落など
の異常はなく、良好な耐久性を示していた。また、実施
例12、実施例13のシートの防炎性試験は、JIS規
格L−1091(A−2法区分3、2分加熱)に合格す
る難燃化されたシートであった。結果を表2に示す。
【0144】実施例14〜実施例16の効果 実施例14〜実施例16で得られたシートの性能を上記
試験法(I),(II),(III ),(IV),(V)より
評価した結果、実施例14〜実施例16で得られたシー
トの両面に形成された、それぞれウレタン系樹脂インク
受容層(実施例14)、ポリアミド系インク受容層(実
施例15)、アクリル系樹脂インク受容層(実施例1
6)は、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層によ
く密着して結着されていて、セロハン粘着テープに全く
インク受容層の取られはなく、また、スコット形法屈曲
揉み試験(100回)においても、インク受容層の剥が
れや、脱落はなかった。これらのシートの両面にインク
ジェット印刷により得られた風景写真画像は、水性イン
ク、溶剤系インク、油性インクともインクの吸収性、定
着性が良く、シートの両面に描かれた風景写真画像は滲
みのない、発色性にも優れた極めて鮮明なものであっ
た。更に、印刷後のシートのスコット形法屈曲揉み試験
(100回)を行ってみたところ、印刷されたインク受
容層の剥がれや、脱落などの異常はなく、良好な耐久性
を示していた。また、実施例14〜実施例16のシート
の防炎性試験は、JIS規格L−1091(A−2法区
分3、2分加熱)に合格する難燃化されたシートであっ
た。結果を表2に示す。
【0145】実施例17 実施例1の低密度ポリエチレン樹脂100重量部をエチ
レン−酢酸ビニル共重合樹脂(商標名:エバテートK−
2010:住友化学工業(株))50重量部と、EPR
−PPリアクター樹脂(商標:キャタロイKS−353
P:モンテル・エス・ディ・ケー・サンライズ(株))
50重量部に置き換えたこと以外は、実施例1と同様の
組成と手順に沿って厚さ0.2mmのポリオレフィン系樹
脂ブレンドフィルムを得た。次に裏面ポリオレフィン系
樹脂層フィルムを下記のように作製した。低密度ポリエ
チレン樹脂(商標:ジェイレクスLLBF1350:日
本ポリオレフィン(株):MFR 0.5g/10min
、密度0.91)100重量部に対し、滑剤(商標:
LE−5:川研ファインケミカル(株))を1.0重量
部、紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬
品(株))を0.5重量部、酸化防止剤(商標:イルガ
ノックス1010:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ
(株))を0.3重量部、着色剤(商標:酸化チタンC
R:石原産業(株))を5重量部配合したコンパウンド
をバンバリーミキサーで溶融混練した後、150℃に設
定した熱ロール(2本ロール)で5分間均一に混練した
後、この混練組成物から150℃の条件にてカレンダー
圧延成形し、0.2mm厚の白に着色したフィルムを得
た。この2種類のポリオレフィン系樹脂フィルムをポリ
エステル繊維平織目開き基布(250デニールポリエス
テルマルチフィラメント:糸密度縦糸25本/2.54
cm×横糸24本/2.54cm)の片面ずつに140℃に
設定したラミネーターで熱圧着して貼り合わせ、厚さ
0.5mm、重量450g/m2 のスチレン系樹脂を含有
せず、従って表面側樹脂ブレンドフィルム層とは樹脂組
成が異なる裏面側ポリオレフィン系樹脂層を含むシート
を得た。次にこのシートのポリオレフィン系樹脂ブレン
ドフィルム面に、実施例1と同じポリウレタン系樹脂か
らなるインク受容層コート剤をクリアランスコーターを
用いて18g/m2 の固形分付着量で塗布し、80℃の
熱風乾燥炉を2分間通過させ溶剤の乾燥を行い、インク
受容層を形成させた。
【0146】実施例18 実施例17の裏面ポリオレフィン系樹脂層フィルム配合
に用いた低密度ポリエチレン樹脂(商標:ジェイレクス
LLBF1350:日本ポリオレフィン(株))100
重量部を、EPR−PPリアクター樹脂(商標:キャタ
ロイKS−353P:モンテル・エス・ディ・ケー・サ
ンライズ(株))100重量部に置き換えたこと以外
は、実施例17と同様の組成、同様の構成、同様の手順
により、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム面にポ
リウレタン系樹脂インク受容層が形成された厚さ0.5
mm、重量450g/m2 の印刷用シートを得た。
【0147】実施例19 実施例17のポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム配
合と、裏面ポリオレフィン系樹脂フィルム配合に、実施
例4〜実施例8で用いた難燃剤と同じ水酸化マグネシウ
ム(商標:キスマ5A:協和化学工業(株))80重量
部と、ポリリン酸アンモニウム(商標:ホスタフラムA
P−745(=EXOLIT IFR23)クラリアン
ト社)50重量部を配合したこと以外は実施例17と同
様の組成と手順に沿って、厚さ0.5mm、重量500g
/m2 の繊維布帛含有ポリオレフィン系樹脂シートを得
た。次にこのシートのポリオレフィン系樹脂ブレンドフ
ィルム面に実施例6と同じスチレン系樹脂からなるイン
ク受容層コート剤をクリアランスコーターを用いて18
g/m2 の固形分付着量で塗布し、80℃の熱風乾燥炉
を2分間通過させ溶剤の乾燥を行い、インク受容層を形
成させた。
【0148】実施例20 実施例19の裏面ポリオレフィン系樹脂層フィルム配合
に用いた低密度ポリエチレン樹脂(商標:ジェイレクス
LLBF1350:日本ポリオレフィン(株))100
重量部を、EPR−PPリアクター樹脂(商標:キャタ
ロイKS−353P:モンテル・エス・ディ・ケー・サ
ンライズ(株))100重量部に置き換えたこと以外
は、実施例19と同様の組成、同様の構成、同様の手順
により、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム面にス
チレン系樹脂インク受容層が形成された厚さ0.5mm、
重量500g/m2 の印刷用シートを得た。
【0149】実施例21 実施例17のポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム配
合と、裏面ポリオレフィン系樹脂フィルム配合に、実施
例12〜実施例16で用いた難燃剤と同じ臭素系化合物
エチレンビスペンタブロモジフェニル(商標:SAYT
EX8010:アルベマール浅野(株))30重量部
と、三酸化アンチモン(商標:パトックスL:日本精鉱
(株))15重量部を配合したこと以外は、実施例17
と同様の組成と手順に沿って、厚さ0.5mm、重量52
5g/m2 の繊維布帛含有ポリオレフィン系樹脂シート
を得た。次にこのシートのポリオレフィン系樹脂ブレン
ドフィルム面に実施例4と同じポリエステル系樹脂から
なるインク受容層コート剤をクリアランスコーターを用
いて18g/m2 の固形分付着量で塗布し、80℃の熱
風乾燥炉を2分間通過させ溶剤の乾燥を行い、インク受
容層を形成させた。
【0150】実施例22 実施例21の裏面ポリオレフィン系樹脂層フィルム配合
に用いた低密度ポリエチレン樹脂(商標:ジェイレクス
LLBF1350:日本ポリオレフィン(株))100
重量部を、EPR−PPリアクター樹脂(商標:キャタ
ロイKS−353P:モンテル・エス・ディ・ケー・サ
ンライズ(株))100重量部に置き換えたこと以外
は、実施例21と同様の組成、同様の構成、同様の手順
により、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム面にポ
リエステル系樹脂インク受容層が形成された厚さ0.5
mm、重量525g/m2 のシートを得た。
【0151】実施例23 実施例17のポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム配
合と、裏面ポリオレフィン系樹脂フィルム配合に、実施
例9〜実施例11で用いた難燃剤と同じ水酸化マグネシ
ウム(商標:キスマ5A:協和化学工業(株))30重
量部と、ポリリン酸アンモニウム(商標:ホスタフラム
AP−745(=EXOLIT IFR23)クラリア
ント社)20重量部と、臭素系化合物エチレンビスペン
タブロモジフェニル(商標:SAYTEX8010:ア
ルベマール浅野(株))10重量部と、三酸化アンチモ
ン(商標:パトックスL:日本精鉱(株))5重量部と
からなる難燃剤総量65重量部を配合したこと以外は、
実施例17と同様の組成と手順に沿って、厚さ0.5m
m、重量520g/m2 の繊維布帛含有ポリオレフィン
系樹脂シートを得た。次にこのシートのポリオレフィン
系樹脂ブレンドフィルム面に実施例8と同じアクリル系
樹脂からなるインク受容層コート剤をクリアランスコー
ターを用いて18g/m2 の固形分付着量で塗布し、8
0℃の熱風乾燥炉を2分間通過させ溶剤の乾燥を行い、
インク受容層を形成させた。
【0152】実施例24 実施例23の裏面ポリオレフィン系樹脂層フィルム配合
に用いた低密度ポリエチレン樹脂(商標:ジェイレクス
LLBF1350:日本ポリオレフィン(株))100
重量部を、EPR−PPリアクター樹脂(商標:キャタ
ロイKS−353P:モンテル・エス・ディ・ケー・サ
ンライズ(株))100重量部に置き換えたこと以外
は、実施例23と同様の組成、同様の構成、同様の手順
により、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム面にア
クリル系樹脂インク受容層が形成された厚さ0.5mm、
重量520g/m2 のシートを得た。
【0153】実施例17〜実施例24の効果の確認 実施例17〜実施例24で得られたシートの性能を上記
試験法(I),(II),(III ),(IV),(V)より
評価した結果、実施例17〜実施例24で得られたシー
トの片面に形成された、ウレタン系樹脂インク受容層
(実施例17、実施例18)、スチレン系樹脂インク受
容層(実施例19、実施例20)、ポリエステル系イン
ク受容層(実施例21、実施例22)及び、アクリル系
インク受容層(実施例23、実施例24)は、それぞれ
ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層によく密着し
て結着されていて、セロハン粘着テープに全くインク受
容層の取られはなく、また、スコット形法屈曲揉み試験
(100回)においても、インク受容層の剥がれや、脱
落はなかった。これらのシートのインクジェット印刷に
より得られた風景写真画像は、水性インク、溶剤系イン
ク、油性インクともインクの吸収性、定着性が良く、風
景写真画像は滲みのない、発色性にも優れた極めて鮮明
なものであった。更に、印刷後のシートのスコット形法
屈曲揉み試験(100回)を行ってみたところ、印刷さ
れたインク受容層の剥がれや、脱落などの異常はなく、
良好な耐久性を示していた。実施例19、実施例20の
シートの防炎性試験は、JIS規格L−1091(A−
2法区分3、2分加熱)に合格する非ハロゲン難燃化さ
れたシートであった。また、実施例21〜実施例24の
シートの防炎性試験は、JIS規格L−1091(A−
2法区分3、2分加熱)に合格する難燃化されたシート
であった。また、実施例17〜実施例24で得られたシ
ートは、表面にインク受容層形成性のポリオレフィン樹
脂ブレンドフィルム層を、裏面にスチレン系樹脂を含有
しないポリオレフィン系樹脂層という、異なるポリオレ
フィン樹脂フィルム配置にすることで、寸法安定性及
び、形態安定性に優れていた。結果を表3に示す。
【0154】比較例1 実施例1のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配合組成よ
りスチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブラー71
25:(株)クラレ)30重量部を省いたこと以外は、
実施例1と同様の配合及び、手順に沿って、片面にポリ
ウレタン系樹脂系インク受容層が形成された印刷用シー
トを作製した。
【0155】比較例2 実施例2のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配合組成よ
りスチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブラー71
25:(株)クラレ)30重量部を省いたこと以外は、
実施例2と同様の配合及び、手順に沿って、片面にポリ
ウレタン系樹脂系インク受容層が形成された印刷用シー
トを作製した。
【0156】比較例3 実施例3のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配合組成よ
りスチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブラー71
25:(株)クラレ)30重量部を省いたこと以外は、
実施例3と同様の配合及び、手順に沿って、片面にポリ
ウレタン系樹脂系インク受容層が形成された印刷用シー
トを作製した。
【0157】比較例1〜比較例3の評価 比較例1〜比較例3より得られたシートの評価を上記
(I),(II),(III),(IV)より評価した結果、
比較例1〜比較例3で得られたシートに形成された、ポ
リウレタン系樹脂インク受容層は、ポリオレフィン系樹
脂ブレンド配合組成からスチレン系共重合樹脂を省略し
たことによって、ポリオレフィン系樹脂フィルム層と密
着して結着されておらず、セロハン粘着テープ剥離試験
では、ポリウレタン系樹脂インク受容層が全てセロハン
テープ粘着面に剥がし取られ、また、スコット形法屈曲
揉み試験(50回)においては、ポリウレタン樹脂系イ
ンク受容層がシートから剥がれ、脱落した。これらのシ
ートにインクジェット印刷で風景写真画像を描かせたと
ころ、水性インク、溶剤系インク、油性インクとも印刷
は可能であったが、印刷後にシートのスコット形法屈曲
揉み試験(50回)を行ってみたところ、インク受容層
の剥がれ、脱落を起こすなど屈曲性に極めて弱いもので
あり、実用性のないものであった。結果を表4に示す。
【0158】比較例4 実施例4のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配合組成よ
りスチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブラー71
25:(株)クラレ)30重量部を省いたこと以外は、
実施例4と同様の配合及び、手順に沿って、片面にポリ
エステル系樹脂系インク受容層が形成された印刷用シー
トを作製した。
【0159】比較例5 実施例5のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配合組成よ
りスチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブラー71
25:(株)クラレ)60重量部を省いたこと以外は、
実施例5と同様の配合及び、手順に沿って、片面にスチ
レン系樹脂系インク受容層が形成された印刷用シートを
作製した。
【0160】比較例6 実施例12のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配合組成
よりスチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブラー7
125:(株)クラレ)30重量部を省いたこと以外
は、実施例12と同様の配合及び、手順に沿って、片面
にポリウレタン系樹脂系インク受容層が形成された印刷
用シートを作製した。
【0161】比較例7 実施例15のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配合組成
よりスチレン系共重合樹脂(3)(商標:ダイナロン1
320P:日本合成ゴム(株))40重量部を省いたこ
と以外は、実施例15と同様の配合及び、手順に沿っ
て、両面にポリアミド系樹脂系インク受容層が形成され
た印刷用シートを作製した。
【0162】比較例8 実施例8のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配合組成よ
りスチレン系共重合樹脂(2)(商標:セプトン200
7:(株)クラレ)20重量部と、スチレン系共重合樹
脂(3)(商標:ダイナロン1320P:日本合成ゴム
(株))20重量部とを省いたこと以外は、実施例8と
同様の配合及び、手順に沿って、片面にアクリル系樹脂
系インク受容層が形成された印刷用シートを作製した。
【0163】比較例4〜比較例8の評価 比較例4〜比較例8より得られたシートの性能を上記試
験法(I),(II),(III ),(IV),(V)より評
価した結果、比較例4〜比較例8で得られたシートの防
炎性は、JIS規格L−1091(A−2法区分3、2
分加熱)に適合するものであったが、比較例4〜比較例
8のシートに形成された、それぞれポリエステル系樹脂
インク受容層(比較例4)、スチレン系樹脂インク受容
層(比較例5)、ポリウレタン系樹脂インク受容層(比
較例6)、ポリアミド系樹脂インク受容層(比較例
7)、アクリル系インク受容層(比較例8)は、ポリオ
レフィン系樹脂ブレンド配合組成からスチレン系共重合
樹脂を省略したことによってポリオレフィン系樹脂フィ
ルム層と密着して結着されておらず、セロハン粘着テー
プ剥離試験では、どのインク受容層も全てセロハンテー
プ粘着面に剥がし取られ、また、スコット形法屈曲揉み
試験(50回)においては、どのインク受容層もシート
から剥がれ、脱落した。これらのシートにインクジェッ
ト印刷で風景写真画像を描かせたところ、水性インク、
溶剤系インク、油性インクとも印刷は可能であったが、
印刷後にシートのスコット形法屈曲揉み試験(50回)
を行ってみたところ、インク受容層の剥がれ、脱落を起
こすなど屈曲性に極めて弱いものであり、実用性のない
ものであった。結果を表4に示す。
【0164】比較例9 実施例4と同様のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配合
組成より作製されたポリオレフィン系樹脂基材シートに
使用するインク受容層コート剤を、実施例4の溶剤系ポ
リエステル系樹脂コート剤から下記水系ポリウレタン樹
脂コート剤に変更したこと以外は、実施例4と同様の配
合及び、手順に沿って、片面にポリウレタン系樹脂イン
ク受容層が形成された印刷用シートを作製した。
【0165】 〈水系ポリウレタン樹脂インク受容層用コート液〉 ポリカーボネート系ポリウレタンエマルジョン(商標:パー ミュセンWF−41−083:スタール・ジャパン(株) 固形分40wt%) 100重量部 含水シリカ(商標:E−170:日本シリカ工業(株) 含水率6wt%) 40重量部 紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株)) 0.1重量部 希釈剤:水 30重量部 (※このインク受容層に含有されるシリカの含有率は、50wt%であった)
【0166】比較例10 実施例6と同様のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配合
組成より作製されたポリオレフィン系樹脂基材シートに
使用するインク受容層コート剤を、実施例6の溶剤系ス
チレン系樹脂コート剤から下記水系ポリエステル樹脂コ
ート剤に変更したこと以外は、実施例6と同様の配合及
び、手順に沿って、片面にポリエステル系樹脂インク受
容層が形成された印刷用シートを作製した。
【0167】 〈水系ポリエステル樹脂インク受容層用コート液〉 ポリエステル系樹脂エマルジョン(商標:バイロナールMD 1100:東洋紡積(株):固形分30wt%) 100重量部 含水シリカ(商標:E−170:日本シリカ工業(株) 含水率6wt%) 30重量部 紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株)) 0.1重量部 希釈剤:水 30重量部 (※このインク受容層に含有されるシリカの含有率は、50wt%であった)
【0168】比較例11 実施例7と同様のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配合
組成より作製されたポリオレフィン系樹脂基材シートに
使用するインク受容層用コート液を、実施例7の溶剤系
スチレン系樹脂コート剤から下記水系アクリル樹脂コー
ト液に変更したこと以外は、実施例7と同様の配合及
び、手順に沿って、片面にアクリル系樹脂インク受容層
が形成された印刷用シートを作製した。
【0169】 〈水系アクリル樹脂インク受容層用コート液〉 アクリル系樹脂エマルジョン(商標:プライマルAC− 261:ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)、 固形分50wt%) 100重量部 含水シリカ(商標:E−170:日本シリカ工業(株) 含水率6wt%) 50重量部 紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株)) 0.1重量部 希釈剤:水 30重量部 (※このインク受容層に含有されるシリカの含有率は、50wt%であった)
【0170】比較例12 実施例5と同様のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配合
組成を用いて作製された印刷用シートにおいて、実施例
5の溶剤系スチレン系樹脂コート液から下記水系ポリエ
ステル樹脂コート剤に変更したこと以外は、実施例5と
同様の配合及び、手順に沿って、片面にポリエステル系
樹脂インク受容層が形成された印刷用シートを作製し
た。
【0171】 〈水系ポリエステル樹脂インク受容層用コート液〉 変性ポリエステル系樹脂エマルジョン(商標:ペスレジン A−215G:高松油脂(株)、固形分30wt%) 100重量部 含水シリカ(商標:E−170:日本シリカ工業(株) 含水率6wt%) 30重量部 紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株)) 0.1重量部 希釈剤:水 30重量部 (※このインク受容層に含有されるシリカの含有率は、50wt%であった)
【0172】比較例13 実施例6のスチレン系共重合樹脂(2)(商標:セプト
ン2007:(株)クラレ)の配合量を40重量部から
60重量部に増量したこと以外は、実施例6と同様のポ
リオレフィン系樹脂ブレンドの配合組成によりシート状
基材を作製した。また、インク受容層用コート液を、実
施例6の溶剤系スチレン系樹脂コート剤から下記水系ポ
リウレタン樹脂コート剤に変更したこと以外は、実施例
6と同様の配合及び、手順に沿って、片面にポリウレタ
ン系樹脂インク受容層が形成された印刷用シートを作製
した。
【0173】 〈水系ポリウレタン樹脂インク受容層用コート液〉 熱反応性ポリウレタンエマルジョン(商標:エラストロン E−37:第一工業製薬(株)、固形分25wt%) 100重量部 含水シリカ(商標:E−170:日本シリカ工業(株)、 含水率6wt%) 25重量部 紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株)) 0.1重量部 希釈剤:水 30重量部 (※このインク受容層に含有されるシリカの含有率は、50wt%であった)
【0174】比較例14 実施例7のスチレン系共重合樹脂(3)(商標:ダイナ
ロン1320P:日本合成ゴム(株))の配合量を40
重量部から60重量部に増量したこと以外は実施例7と
同様にしてシート状基材を作製した。また、インク受容
層用コート液を、実施例7の溶剤系スチレン系樹脂コー
ト剤から下記水系ポリエステル樹脂コート剤に変更した
こと以外は、実施例6と同様の配合及び、手順に沿っ
て、片面にポリウレタン系樹脂インク受容層が形成され
た印刷用シートを作製した。
【0175】 〈水系アクリル樹脂インク受容層用コート液〉 アクリル系樹脂エマルジョン(商標:リカボンドAP60L: 中央理化工業(株)、固形分50wt%) 100重量部 含水シリカ(商標:E−170:日本シリカ工業(株)、 含水率6wt%) 50重量部 紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株)) 0.1重量部 希釈剤:水 30重量部 (※このインク受容層に含有されるシリカの含有率は、50wt%であった)
【0176】比較例9〜比較例14の評価 比較例9〜比較例14より得られたシートの性能を上記
試験法(I),(II),(III ),(IV),(V)より
評価した結果、比較例9〜比較例14で得られたシート
の防炎性は、JIS規格L−1091(A−2法区分
3、2分加熱)に適合するものであったが、比較例9、
比較例13のシートに形成されたポリウレタン系樹脂イ
ンク受容層、及び、比較例10、比較例12のシートに
形成されたポリエステル系樹脂インク受容層、及び比較
例11、比較例14のシートに形成されたアクリル系樹
脂インク受容層は、中間処理層を形成するコーティング
剤として水系の熱可塑性樹脂を使用したことでポリオレ
フィン系樹脂フィルム層と密着して結着されておらず、
セロハン粘着テープ剥離試験では、どのインク受容層も
全てセロハンテープ粘着面に剥がし取られ、また、スコ
ット形法屈曲揉み試験(50回)においては、どのイン
ク受容層もシートから剥がれ、脱落した。これらのシー
トにインクジェット印刷で風景写真画像を描かせたとこ
ろ、水性インク、溶剤系インク、油性インクとも印刷は
可能であったが、印刷後にシートのスコット形法屈曲揉
み試験(50回)を行ってみたところ、インク受容層の
剥がれ、脱落を起こすなど屈曲性に極めて弱いものであ
り、実用性のないものであった。結果を表5に示す。
【0177】
【表1】
【0178】
【表2】
【0179】
【表3】
【0180】
【表4】
【0181】
【表5】
【0182】上記実施例及び比較例のオレフィン系樹脂
ブレンドフィルムに用いられた資材を、表6に示す。ま
た上記実施例及び比較例のインク受容層に用いられた資
材を表7に示す。
【0183】
【表6】
【0184】
【表7】
【0185】実施例25 低密度ポリエチレン樹脂(商標:ジェイレクスLLBF
1350:日本ポリオレフィン(株):MFR 0.5
g/10min 、密度0.91)100重量部に対し、水
素添加スチレン−ビニルイソプレン−スチレン共重合樹
脂としてスチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブラ
ー7125(HV−3):(株)クラレ:MFR 0.
7g/10min :スチレン含有量20wt%)30重量部
を含む樹脂ブレンドに、滑剤(商標:LE−5:川研フ
ァインケミカル(株))1.0重量部と、紫外線吸収剤
(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株))0.5
重量部と、酸化防止剤(商標:イルガノックス101
0:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))0.3
重量部と、着色剤(商標:酸化チタンCR:石原産業
(株))5重量部とを配合して調製したコンパウンドを
バンバリーミキサーで溶融混練した後、150℃に設定
した熱ロール(2本ロール)で5分間均一に混練した
後、この混練組成物を150℃の条件にてカレンダー圧
延して0.2mm厚のフィルムを成形した。この混練組成
物のロール混練及び、カレンダー成形において、粘着及
び/又はプレートアウトによる不都合の発生はなく、操
業性は良好であった。
【0186】次にこの混練組成物から得られた0.2mm
の白に着色されたポリオレフィン系樹脂ブレンドフィル
ムを、ポリエステル繊維平織目開き基布(250デニー
ルポリエステルマルチフィラメント:糸密度縦糸25本
/2.54cm×横糸24本/2.54cm)の両面に、1
40℃に設定したラミネーターで熱圧着して貼り合わ
せ、厚さ0.5mm、重量450g/m2 のシート状基材
を作製した。次にこのシート状基材の片面に下記組成の
ポリウレタン系樹脂を、IPA/トルエン溶剤に溶解し
た熱可塑性樹脂中間処理剤を80メッシュのグラビアコ
ーターを用いて、8g/m2 の固形分付着量で塗布し、
80℃の熱風乾燥炉を2分間通過させて溶剤の乾燥を行
い、熱可塑性樹脂中間処理層を形成させた。
【0187】 〈ポリウレタン系熱可塑性樹脂中間処理層用コート液〉 ポリエステル系ポリウレタン(商標:タケラックE−350: 武田薬品工業(株)、固形分26wt%:溶剤IPA、 トルエン) 100重量部 紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株)) 0.1重量部 希釈剤:トルエン 50重量部
【0188】次に、このポリウレタン系熱可塑性樹脂中
間処理面に下記組成のポリビニルアルコール系樹脂をベ
ースとする水系インク受容層用コート液を、クリアラン
スコーターを用いて18g/m2 の固形分付着量で均一
塗布し、80℃の熱風乾燥炉を2分間通過させて水の乾
燥を行い、インク受容層を形成させた。
【0189】 〈ポリビニルアルコール樹脂ベース水系インク受容層用コート液〉 ポリビニルアルコール(商標:PVA−117:(株)クラレ) 50重量部 含水シリカ(商標:E−170:日本シリカ工業(株)、 含水率6wt%) 51重量部 含窒素ポリマーインクセット剤(商標:スミレーズレジン# 1001:住友化学工業(株)、固形分30wt%) 2重量部 ポリアクリル酸塩分散剤(商標:スミレーズレジンDS−10: 住友化学工業(株)、固形分40wt%) 1重量部 紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株)) 0.1重量部 蛍光増白剤(商標:ユビテックスEBF:チバ・スペシャルテ ィ・ケミカルズ(株)) 0.2重量部 希釈剤:水 200重量部 (※実施例25のインク受容層に含有されるシリカの含有率は、50wt%であっ た)
【0190】実施例26 実施例25の低密度ポリエチレン樹脂100重量部をエ
チレン−酢酸ビニル共重合樹脂(商標:エバテートK−
2010:住友化学工業(株):MFR 3.0g/1
0min :VA含有量25wt%)100重量部に置き換え
たこと以外は、実施例25と同様の組成と手順に沿っ
て、厚さ0.5mm、重量450g/m2 のシート状基材
を得た。次にこのシート状基材の片面に、実施例1と同
一の、ポリウレタン系樹脂をIPA/トルエン溶剤に溶
解した熱可塑性樹脂中間処理剤を使用して、実施例1と
同様の手順に従って8g/m2 の固形分付着量の熱可塑
性樹脂中間処理層を形成させた。次に、このポリウレタ
ン系熱可塑性樹脂表面処理面に実施例25と同じポリビ
ニルアルコール系樹脂をベースとする水系インク受容層
用コート液を、実施例1と同様の手順に従って18g/
2 の固形分付着量で均一塗布してインク受容層を形成
した。
【0191】実施例27 実施例25の低密度ポリエチレン樹脂100重量部をE
PR−PPリアクター樹脂(商標:キャタロイKS−3
53P:モンテル・エス・ディ・ケー・サンライズ
(株):MFR 0.45g/10min 、EPR 60
wt%、PP 40wt%)100重量部に置き換えたこと
以外は、実施例25と同様の組成と手順に沿って、厚さ
0.5mm、重量450g/m2 のシート状基材を得た。
次にこのシート状基材の片面に実施例1と同一のポリウ
レタン系樹脂を、IPA/トルエン溶剤に溶解された熱
可塑性樹脂中間処理剤を使用して、実施例1と同様の手
順に従って8g/m2 の固形分付着量の熱可塑性樹脂中
間処理層を形成させた。次に、このポリウレタン系熱可
塑性樹脂中間処理面に実施例25と同一のポリビニルア
ルコール系樹脂をベースとする水系インク受容層用コー
ト液を、実施例1と同様の手順に従って18g/m2
固形分付着量で均一塗布してインク受容層を形成した。
【0192】実施例25〜実施例27の効果 実施例25〜実施例27で得られたシートの性能を上記
試験法(I),(II),(III ),(IV)より評価した
結果、実施例25〜実施例27で得られたシートの片面
に形成されたポリビニルアルコール樹脂をベースとする
インク受容層は、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィル
ム層によく密着して結着されていて、セロハン粘着テー
プにポリビニルアルコール樹脂をベースとするインク受
容層の取られは全くなく、また、ポリオレフィン系樹脂
ブレンドフィルム層とポリウレタン系樹脂による熱可塑
性表面処理層もよく密着して結着されていた。スコット
形法屈曲揉み試験(100回)においては、インク受容
層と熱可塑性中間処理層との界面での剥がれや、脱落は
なく、また、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層
と熱可塑性表面処理層との界面での剥がれや、脱落はな
かった。実施例1〜実施例3のシートを用いてインクジ
ェット印刷により得られた風景写真画像は、水性イン
ク、溶剤系インク、油性インクともインクの吸収性、定
着性が良く、風景写真画像は滲みのない、発色性にも優
れた極めて鮮明なものであった。更に、印刷後のシート
のスコット形法屈曲揉み試験(100回)を行ってみた
ところ、剥がれや、脱落などの異常はなく、良好な耐久
性を示していた。結果を表8に示す。
【0193】実施例28 実施例25の低密度ポリエチレン樹脂100重量部を、
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(商標:エバテートK
−2010:住友化学工業(株))50重量部と、EP
R−PPリアクター樹脂(商標:キャタロイKS−35
3P:モンテル・エス・ディ・ケー・サンライズ
(株))50重量部とに置き換えたこと、及び難燃剤と
して、水酸化マグネシウム(商標:キスマ5A:協和化
学工業(株))80重量部と、ポリリン酸アンモニウム
(商標:ホスタフラムAP−745(=EXOLIT
IFR23)クラリアント社)50重量部とを配合した
こと以外は実施例25と同様の組成と手順に沿って、厚
さ0.5mm、重量500g/m2のシート状基材を得
た。次にこのシート状基材の片面に下記組成のポリエス
テル系樹脂をMEK、トルエン溶剤に溶解させた熱可塑
性樹脂中間処理剤を80メッシュのグラビアコーターを
用いて8g/m2 の固形分付着量で塗布し、80℃の熱
風乾燥炉を2分間通過させて溶剤の乾燥を行い、熱可塑
性樹脂中間処理層を形成させた。
【0194】 〈ポリエステル系熱可塑性樹脂中間処理層用コート液〉 飽和ポリエステル系共重合樹脂(商標:バイロン53SS: 東洋紡(株)固形分30wt%:溶剤トルエン、MEK) 100重量部 紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株)) 0.1重量部 希釈剤:トルエン 50重量部
【0195】次に、このポリエステル系熱可塑性樹脂中
間処理面に下記組成のポリウレタン系樹脂をベースとす
る水系インク受容層用コート液を、クリアランスコータ
ーを用いて18g/m2 の固形分付着量で均一塗布し、
80℃の熱風乾燥炉を2分間通過させて水の乾燥を行
い、インク受容層を形成した。
【0196】 〈ポリウレタン系樹脂ベース水系インク受容層用コート液〉 ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂エマルジョン(商標: パーミュセンRU−40−350:スタール・ジャパン (株)、固形分40wt%) 100重量部 含水シリカ(商標:E−170:日本シリカ工業(株)、 含水率6wt%) 41重量部 含窒素ポリマーインクセット剤(商標:スミレーズレジン# 1001:住友化学工業(株)、固形分30wt%) 2重量部 ポリアクリル酸塩分散剤(商標:スミレーズレジンDS−10: 住友化学工業(株)、固形分40wt%) 1重量部 紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株)) 0.1重量部 蛍光増白剤(商標:ユビテックスEBF:チバ・スペシャルテ ィ・ケミカルズ(株)) 0.2重量部 希釈剤:水 100重量部 (※実施例28のインク受容層に含有されるシリカの含有率は、50wt%であっ た)
【0197】実施例29 実施例28のスチレン系共重合樹脂(1)(商標名:ハ
イブラー7125:(株)クラレ製)30重量部を60
重量部に変更し、増量したこと以外は、実施例28と同
様の組成と手順に沿って、厚さ0.5mm、重量500g
/m2 のシート状基材を得た。次にこのシート状基材の
片面に、下記組成のスチレン系樹脂をトルエン溶剤に溶
解し熱可塑性樹脂中間処理剤を80メッシュのグラビア
コーターを用いて8g/m2 の固形分付着量で塗布し、
80℃の熱風乾燥炉を2分間通過させ溶剤の乾燥を行
い、熱可塑性樹脂中間処理層を形成した。
【0198】 〈スチレン系熱可塑性樹脂中間処理層用コート液〉 HSBR系共重合樹脂(商標:ダイナロン1320P: 日本合成ゴム(株)) 20重量部 紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株)) 0.1重量部 希釈剤:トルエン 100重量部
【0199】次に、このスチレン系熱可塑性樹脂中間処
理面に実施例28と同一のポリウレタン系樹脂をベース
とする水系インク受容層用コート液を、実施例28と同
様の手順に従って18g/m2 の固形分付着量で均一塗
布してインク受容層を形成した。
【0200】実施例30 実施例28のスチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイ
ブラー7125:(株)クラレ)30重量部を、スチレ
ン系樹脂(2)(商標:セプトン2007:(株)クラ
レ)40重量部に変更したこと以外は、実施例28と同
様の組成と手順に沿って、厚さ0.5mm、重量500g
/m2 のシート状基材を得た。次にこのシート状基材の
片面に、下記組成のアクリル系樹脂をキシレン、メチル
セロソルブ、MEK溶剤に溶解した熱可塑性樹脂中間処
理剤を80メッシュのグラビアコーターを用いて8g/
2 の固形分付着量で塗布し、80℃の熱風乾燥炉を2
分間通過させ溶剤の乾燥を行い、熱可塑性樹脂中間処理
層を形成した。
【0201】 〈アクリル系熱可塑性樹脂中間処理層用コート液〉 アクリル系共重合樹脂(商標:ソニーボンドSC−474: ソニーケミカル(株)、固形分30wt%:溶液キシレン、 メチルセロソルブ、MEK) 100重量部 紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株)) 0.1重量部 希釈剤:MEK(メチルエチルケトン) 50重量部
【0202】次に、このアクリル系熱可塑性樹脂中間処
理層面に下記組成のポリエステル系樹脂をベースとする
水系インク受容層用コート液を、クリアランスコーター
を用いて18g/m2 の固形分付着量で均一塗布し、8
0℃の熱風乾燥炉を2分間通過させて水の乾燥を行い、
インク受容層を形成した。
【0203】 〈ポリエステル樹脂ベース水系インク受容層用コート液〉 ポリエステル系樹脂エルマジョン(商標:バイロナールMD 1100:東洋紡績(株)、固形分30wt%) 100重量部 含水シリカ(商標:E−170:日本シリカ工業(株)、 含水率6wt%) 31重量部 含窒素ポリマーインクセット剤(商標:スミレーズレジン# 1001:住友化学工業(株)、固形分30wt%) 2重量部 ポリアクリル酸塩分散剤(商標:スミレーズレジンDS−10: 住友化学工業(株)、固形分40wt%) 1重量部 紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株)) 0.1重量部 蛍光増白剤(商標:ユビテックスEBF:チバ・スペシャルテ ィ・ケミカルズ(株)) 0.2重量部 希釈剤:水 100重量部 (※実施例30のインク受容層に含有されるシリカの含有率は、50wt%であっ た)
【0204】実施例31 実施例28のスチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイ
ブラー7125:(株)クラレ)30重量部を、スチレ
ン系樹脂(3)(商標:ダイナロン1320P:日本合
成ゴム(株))40重量部に変更したこと以外は、実施
例28と同様の組成と手順に沿って、厚さ0.5mm、重
量500g/m2 のシート状基材を得た。次にこのシー
ト状基材の片面に下記組成のポリアミド系樹脂をメタノ
ール、トルエン溶剤に溶解した熱可塑性樹脂中間処理剤
を80メッシュのグラビアコーターを用いて8g/m2
の固形分付着量で塗布し、80℃の熱風乾燥炉を2分間
通過させて溶剤の乾燥を行い、熱可塑性樹脂中間処理層
を形成させた。
【0205】 〈ポリアミド系熱可塑性樹脂中間処理層用コート液〉 ポリアミド(ナイロン)系樹脂(商標:ラックスキンN901: セイコー化成(株)、固形分15wt%) 100重量部 紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株)) 0.1重量部 希釈剤:トルエン 10重量部
【0206】次に、このポリアミド系熱可塑性樹脂中間
処理層面に下記組成のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂
をベースとする水系インク受容層用コート液を、クリア
ランスコーターを用いて18g/m2 の固形分付着量で
均一塗布し、80℃の熱風乾燥炉を2分間通過させて水
を乾燥し、インク受容層を形成した。
【0207】 〈エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂ベース水系インク受容層用コート液〉 EVA系樹脂エルマジョン(商標:スミカフレックス456: 住友化学工業(株)、固形分55wt%) 100重量部 含水シリカ(商標:E−170:日本シリカ工業(株)、 含水率6wt%) 56重量部 含窒素ポリマーインクセット剤(商標:スミレーズレジン# 1001:住友化学工業(株)、固形分30wt%) 2重量部 ポリアクリル酸塩分散剤(商標:スミレーズレジンDS−10: 住友化学工業(株)、固形分40wt%) 1重量部 紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株)) 0.1重量部 蛍光増白剤(商標:ユビテックスEBF:チバ・スペシャルテ ィ・ケミカルズ(株)) 0.2重量部 希釈剤:水 100重量部 (※実施例31のインク受容層に含有されるシリカの含有率は、50wt%であっ た)
【0208】実施例32 実施例24のEPR−PPリアクター樹脂(商標:キャ
タロイKS−353P:モンテル・エス・ディ・ケー・
サンライズ(株))50重量部を低密度ポリエチレン樹
脂(商標:ジェイレクスLLBF1350:日本ポリオ
レフィン(株))50重量部に置き換えたこと、及びま
た、スチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブラー7
125:(株)クラレ)30重量部を、スチレン系樹脂
(2)(商標:セプトン2007:(株)クラレ)20
重量部と、スチレン系樹脂(3)(商標:ダイナロン1
320P:日本合成ゴム(株))20重量部とに変更し
たこと以外は、実施例28と同様の配合と手順によって
厚さ0.5mm、重量500g/m2 のシート状基材を得
た。次にこのシート状基材の片面に、実施例30と同じ
アクリル系樹脂をキシレン/メチルセロソルブ/MEK
溶剤に溶解した熱可塑性樹脂中間処理剤を使用して、実
施例30と同様の手順に従って8g/m2 の固形分付着
量の熱可塑性樹脂中間処理層を形成した。次に、このア
クリル系熱可塑性樹脂中間処理面に下記組成のアクリル
系樹脂をベースとする水系インク受容層コート剤を、ク
リアランスコーターを用いて18g/m2 の固形分付着
量で均一塗布し、80℃の熱風乾燥炉を2分間通過させ
て水の乾燥を行い、インク受容層を形成させた。
【0209】 〈アクリル系樹脂ベース水系インク受容層コート剤〉 アクリル系樹脂エマルジョン(商標:プライマーAC−22: ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)、固形分45 wt%) 100重量部 含水シリカ(商標:E−170:日本シリカ工業(株) 含水率6wt%) 46重量部 含窒素ポリマーインクセット剤(商標:スミレーズレジン# 1001:住友化学工業(株)、固形分30wt%) 2重量部 ポリアクリル酸塩分散剤(商標:スミレーズレジンDS−10: 住友化学工業(株)、固形分40wt%) 1重量部 紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株)) 0.1重量部 蛍光増白剤(商標:ユビテックスEBF:チバ・スペシャルテ ィ・ケミカルズ(株)) 0.2重量部 希釈剤:水 100重量部 (※実施例32のインク受容層に含有されるシリカの含有率は、50wt%であっ た)
【0210】実施例28〜実施例32の効果 実施例28〜実施例32で得られたシートの性能を上記
試験法(I),(II),(III ),(IV),(V)より
評価した結果、実施例28〜実施例32で得られたシー
ト状基材の片面に形成されたポリウレタン系樹脂ベース
のインク受容層(実施例28、実施例29)、ポリエス
テル系樹脂ベースのインク受容層(実施例30)、エチ
レン−酢酸ビニル共重合樹脂ベースのインク受容層(実
施例31)、アクリル系樹脂ベースのインク受容層(実
施例32)は、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム
層によく密着して結着されていて、セロハン粘着テープ
に全くインク受容層の取られはなく、また、ポリオレフ
ィン系樹脂ブレンドフィルム層と、それぞれの熱可塑性
表面処理層ともよく密着して結着されていた。スコット
形法屈曲揉み試験(100回)においては、インク受容
層と熱可塑性表面処理層との界面での剥がれや、脱落は
なく、また、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層
と熱可塑性表面処理層との界面での剥がれや、脱落はな
かった。実施例28〜実施例32のシートを用いてイン
クジェット印刷により得られた風景写真画像は、水性イ
ンク、溶剤系インク、油性インクともインクの吸収性、
定着性が良く、風景写真画像は滲みのない、発色性にも
優れた極めて鮮明なものであった。更に、印刷後のシー
トのスコット形法屈曲揉み試験(100回)を行ってみ
たところ、印刷されたインク受容層の剥がれや、脱落な
どの異常はなく、良好な耐久性を示していた。また、実
施例28〜実施例32のシートの防炎性試験は、JIS
規格L−1091(A−2法区分3、2分加熱)に合格
する非ハロゲン難燃化されたシートであった。結果を表
8に示した。
【0211】実施例33 実施例25のポリオレフィン系樹脂ブレンド配合におい
て、難燃剤として、水酸化マグネシウム(商標:キスマ
5A:協和化学工業(株))30重量部と、ポリリン酸
アンモニウム(商標:ホスタフラムAP−745(=E
XOLIT IFR23)クラリアント社)20重量部
と、臭素系化合物:エチレンビスペンタブロモジフェニ
ル(商標:SAYTEX8010:アルベマール浅野
(株))10重量部と、三酸化アンチモン(商標:パト
ックスL:日本精鉱(株))5重量部との難燃剤総量6
5重量部を追加配合したこと以外は実施例25と同様の
組成と手順に沿って、厚さ0.5mm、重量520g/m
2 のシート状基材を得た。次にこのシート状基材の片面
に、下記、アクリル系樹脂をキシレン、メチルセロソル
ブ、MEK溶剤に溶解した、微粒子顔料含有熱可塑性樹
脂中間処理剤を使用して、実施例30と同様の手順に従
って8g/m2 の固形分付着量の熱可塑性樹脂中間処理
層を形成した。
【0212】 〈微粒子顔料を含有するアクリル系熱可塑性樹脂中間処理層用コート液〉 アクリル系共重合樹脂(商標:ソニーボンドSC−474: ソニーケミカル(株)、固形分30wt%:溶液キシレン、 メチルセロソルブ、MEK) 100重量部 含水シリカ(商標:E−170:日本シリカ工業(株)、 含水率6wt%) 5重量部 紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株)) 0.1重量部 希釈剤:MEK(メチルエチルケトン) 50重量部
【0213】次に、このアクリル系熱可塑性樹脂中間処
理層上に実施例25と同一のポリビニルアルコール系樹
脂をベースとする水系インク受容層用コート液を、実施
例25と同様の手順に従って18g/m2 の固形分付着
量で均一塗布してインク受容層を形成した。
【0214】実施例34 実施例26のポリオレフィン系樹脂ブレンド配合に、難
燃剤として、実施例8と同一の難燃剤を追加配合したこ
と以外は、実施例26と同様の組成と手順に沿って、厚
さ0.5mm、重量520g/m2 のシート状基材を得
た。次にこのシート状基材の片面に実施例33と同じア
クリル系樹脂をキシレン/メチルセロソルブ/MEK溶
剤に溶解した、微粒子顔料含有熱可塑性樹脂中間処理剤
を使用して、実施例33と同様の手順に従って8g/m
2 の固形分付着量の熱可塑性樹脂中間処理層を形成させ
た。次に、このアクリル系熱可塑性樹脂中間処理面に、
実施例31と同じエチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂を
ベースとする水系インク受容層用コート液を、実施例3
1と同様の手順に従って18g/m2 の固形分付着量で
均一に塗布しインク受容層を形成した。
【0215】実施例35 実施例27のポリオレフィン系樹脂ブレンド配合に、難
燃剤として、実施例8と同一の難燃剤を追加配合したこ
と以外は、実施例27と同様の組成と手順に沿って、厚
さ0.5mm、重量520g/m2 のシート状基材を得
た。次にこのシート状基材の片面に実施例33と同一の
アクリル系樹脂をキシレン/メチルセロソルブ/MEK
溶剤に溶解した、微粒子顔料含有熱可塑性樹脂中間処理
剤を使用して、実施例33と同様の手順に従って8g/
2 の固形分付着量の熱可塑性樹脂中間処理層を形成さ
せた。次に、このアクリル系熱可塑性樹脂中間処理面上
に実施例28と同一のポリウレタン系樹脂をベースとす
る水系インク受容層用コート液を、実施例28と同様の
手順に従って18g/m2 の固形分付着量で均一に塗布
してインク受容層を形成した。
【0216】実施例33〜実施例35の効果 実施例33〜実施例35で得られたシートの性能を上記
試験法(I),(II),(III ),(IV),(V)より
評価した結果、実施例33〜実施例35で得られたシー
ト状基材の片面に形成された、ポリビニルアルコール樹
脂をベースとするインク受容層(実施例33)、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合樹脂をベースとするインク受容層
(実施例34)、ポリウレタン樹脂をベースとするイン
ク受容層(実施例35)の各々は、ポリオレフィン系樹
脂ブレンドフィルム層によく密着して結着されていて、
セロハン粘着テープによるインク受容層の取られは全く
なく、また、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層
と、それぞれの熱可塑性中間処理層ともよく密着して結
着されていた。スコット形法屈曲揉み試験(100回)
においては、インク受容層と熱可塑性表面処理層との界
面での剥がれや、脱落はなく、また、ポリオレフィン系
樹脂ブレンドフィルム層と熱可塑性中間処理層との界面
での剥がれや、脱落はなかった。実施例33〜実施例3
5のシートを用いてインクジェット印刷により得られた
風景写真画像は、熱可塑性樹脂表面処理層中にも微粒子
顔料を含有することにより、水性インク、溶剤系イン
ク、油性インクともインクの吸収性、定着性が良く、風
景写真画像は滲みのない、発色性に優れた極めて鮮明な
ものであった。更に、印刷後のシートのスコット形法屈
曲揉み試験(100回)を行ってみたところ、印刷され
たインク受容層の剥がれや、脱落などの異常はなく、良
好な耐久性を示していた。また、実施例33〜実施例3
5のシートの防炎性試験は、JIS規格L−1091
(A−2法区分3、2分加熱)に合格する難燃化された
シートであった。結果を表9に示す。
【0217】実施例36 実施例28のポリオレフィン系樹脂ブレンド配合の水酸
化マグネシウム(商標:キスマ5A:協和化学工業
(株))80重量部と、ポリリン酸アンモニウム(商
標:ホスタフラムAP−745(=EXOLIT IF
R23)クラリアント社)50重量部とを省き、新た
に、臭素系化合物:エチレンビスペンタブロモジフェニ
ル(商標:SAYTEX8010:アルベマール浅野
(株))30重量部と、三酸化アンチモン(商標:パト
ックスL:日本精鉱(株))15重量部とを配合したこ
と以外は、実施例4と同様の組成と手順に沿って、厚さ
0.5mm、重量535g/m2 のシート状基材を得た。
次にこのシート状基材の片面に、実施例28と同一のポ
リエステル系樹脂をトルエン/MEK溶剤に溶解された
熱可塑性樹脂中間処理剤を使用して、実施例28と同様
の手順に従って8g/m2 の固形分付着量の熱可塑性樹
脂中間処理層を形成した。次に、このポリエステル系熱
可塑性樹脂中間処理層上に実施例25と同一のポリビニ
ルアルコール系樹脂をベースとする水系インク受容層用
コート液を、実施例25と同様の手順に従って18g/
2 の固形分付着量で均一に塗布してインク受容層を形
成した。
【0218】実施例37 実施例29のポリオレフィン系樹脂ブレンド配合の難燃
剤配合を、実施例36と同一の組成にしたこと以外は、
実施例29と同様の組成と手順に沿って、厚さ0.5m
m、重量535g/m2 のシート状基材を得た。次にこ
のシート状基材の片面に、実施例29と同じスチレン系
樹脂をトルエン溶剤に溶解し熱可塑性樹脂中間処理剤を
使用して、実施例29と同様の手順に従って8g/m2
の固形分付着量の熱可塑性樹脂中間処理層を形成させ
た。次に、このスチレン系熱可塑性樹脂表面処理層上に
実施例31と同一のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂を
ベースとする水系インク受容層用コート液を、実施例3
1と同様の手順に従って18g/m2 の固形分付着量で
均一に塗布してインク受容層を形成した。
【0219】実施例38 実施例30のポリオレフィン系樹脂ブレンド配合の難燃
剤配合を、実施例36と同じ組成にしたこと以外は、実
施例30と同様の組成と手順に沿って、厚さ0.5mm、
重量535g/m2 のシート状基材を得た。次にこのシ
ート状基材の片面に、実施例30と同一のアクリル系樹
脂をキシレン/メチルセロソルブ/MEK溶剤に溶解し
た熱可塑性樹脂中間処理剤を使用して、実施例30と同
様の手順に従って8g/m2 の固形分付着量の熱可塑性
樹脂中間処理層を形成させた。次に、このアクリル系熱
可塑性樹脂中間処理層上に実施例28と同じポリウレタ
ン系樹脂をベースとする水系インク受容層用コート液
を、実施例28と同様の手順に従って18g/m2 の固
形分付着量で均一に塗布してインク受容層を形成した。
【0220】実施例39 実施例31のポリオレフィン系樹脂ブレンド配合中の難
燃剤配合を、実施例36と同じ組成にしたこと以外は、
実施例31と同様の組成と手順に沿って、厚さ0.5m
m、重量535g/m2 のシート状基材を得た。次にこ
のシート状基材の両面に、実施例28と同じポリエステ
ル系樹脂をトルエン/MEK溶剤に溶解した熱可塑性樹
脂中間処理剤を使用して、実施例28と同様の手順に従
って8g/m2 の固形分付着量の熱可塑性樹脂中間処理
層を形成させた。次に、このポリエステル系熱可塑性樹
脂中間処理層の両面上に実施例30と同一のポリエステ
ル系樹脂をベースとする水系インク受容層用コート液
を、実施例30と同様の手順に従って18g/m2 の固
形分付着量で均一に塗布してインク受容層を形成した。
【0221】実施例40 実施例32のポリオレフィン系樹脂ブレンド配合中の難
燃剤配合を、実施例30と同じ組成にしたこと以外は実
施例8と同様の組成と手順に沿って、厚さ0.5mm、重
量535g/m2 のシート状基材を得た。次にこのシー
ト状基材の両面に、実施例29と同一のスチレン系樹脂
をトルエン溶剤に溶解した熱可塑性樹脂中間処理剤を使
用して、実施例5と同様の手順に従って8g/m2 の固
形分付着量の熱可塑性樹脂中間処理層を形成させた。次
に、このスチレン系熱可塑性樹脂中間処理面に下記組成
のスチレン−アクリル系共重合樹脂をベースとする水系
インク受容層用コート液を、クリアランスコーターを用
いて18g/m2 の固形分付着量で均一に塗布し、80
℃の熱風乾燥炉を2分間通過させて水の乾燥を行い、イ
ンク受容層を形成した。
【0222】 〈スチレン系樹脂ベース水系インク受容層用コート液〉 スチレン−アクリル系共重合樹脂ラテック ス(商標:ニッポールMH5055:日本ゼオン(株)、 固形分30wt%) 100重量部 含水シリカ(商標:E−170:日本シリカ工業(株)、 含水率6wt%) 31重量部 含窒素ポリマーインクセット剤(商標:スミレーズレジン# 1001:住友化学工業(株)、固形分30wt%) 2重量部 ポリアクリル酸塩分散剤(商標:スミレーズレジンDS−10: 住友化学工業(株)、固形分40wt%) 1重量部 紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株)) 0.1重量部 蛍光増白剤(商標:ユビテックスEBF:チバ・スペシャルテ ィ・ケミカルズ(株)) 0.2重量部 希釈剤:水 100重量部 (※実施例40のインク受容層に含有されるシリカの含有率は、50wt%であっ た)
【0223】実施例36〜実施例38の効果 実施例36〜実施例40で得られたシートの性能を上記
試験法(I),(II),(III ),(IV),(V)より
評価した結果、実施例36〜実施例38で得られたシー
ト状基体の片面に形成された、それぞれポリビニルアル
コール樹脂をベースとするインク受容層(実施例3
6)、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂をベースとする
インク受容層(実施例37)、ポリウレタン樹脂をベー
スとするインク受容層(実施例38)は、ポリオレフィ
ン系樹脂ブレンドフィルム層によく密着して結着されて
いて、セロハン粘着テープによるインク受容層の取られ
は全くなく、また、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィ
ルム層と、それぞれの熱可塑性表面処理層ともよく密着
して結着されていた。スコット形法屈曲揉み試験(10
0回)においては、インク受容層と熱可塑性表面処理層
との界面での剥がれや、脱落はなく、また、ポリオレフ
ィン系樹脂ブレンドフィルム層と熱可塑性表面処理層と
の界面での剥がれや、脱落はなかった。実施例36〜実
施例38のシートを用いてインクジェット印刷により得
られた風景写真画像は、水性インク、溶剤系インク、油
性インクともインクの吸収性、定着性が良く、風景写真
画像は滲みのない、発色性にも優れた極めて鮮明なもの
であった。更に、印刷後のシートのスコット形法屈曲揉
み試験(100回)を行ってみたところ、印刷されたイ
ンク受容層の剥がれや、脱落などの異常はなく、良好な
耐久性を示していた。また、実施例36〜実施例38の
シートの防炎性試験は、JIS規格L−1091(A−
2法区分3、2分加熱)に合格する難燃化されたシート
であった。結果を表9に示す。
【0224】実施例39〜実施例40の効果 実施例39〜実施例40で得られたシートの性能を上記
試験法(I),(II),(III ),(IV),(V)より
評価した結果、実施例39〜実施例40で得られたシー
トの両面に形成された、それぞれポリエステル系樹脂を
ベースとするインク受容層(実施例39)、スチレン−
アクリル系共重合樹脂をベースとするインク受容層(実
施例40)は、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム
層によく密着して結着されていて、セロハン粘着テープ
に全くインク受容層の取られはなく、また、ポリオレフ
ィン系樹脂ブレンドフィルム層と、それぞれの熱可塑性
表面処理層ともよく密着して結着されていた。スコット
形法屈曲揉み試験(100回)においては、インク受容
層と熱可塑性表面処理層との界面での剥がれや、脱落は
なく、また、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層
と熱可塑性表面処理層との界面での剥がれや、脱落はな
かった。実施例39〜実施例40のシートを用いてイン
クジェット印刷によりシートの両面に描かれた風景写真
画像は、水性インク、溶剤系インク、油性インクともイ
ンクの吸収性、定着性が良く、風景写真画像は滲みのな
い、発色性にも優れた極めて鮮明なものであった。更
に、印刷後のシートのスコット形法屈曲揉み試験(10
0回)を行ってみたところ、印刷されたインク受容層の
剥がれや、脱落などの異常はなく、良好な耐久性を示し
ていた。また、実施例39〜実施例40のシートの防炎
性試験は、JIS規格L−1091(A−2法区分3、
2分加熱)に合格する難燃化されたシートであった。結
果を表9に示す。
【0225】実施例41 実施例25の低密度ポリエチレン樹脂100重量部を、
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(商標名:エバテート
K−2010:住友化学工業(株))50重量部と、E
PR−PPリアクター樹脂(商標:キャタロイKS−3
53P:モンテル・エス・ディ・ケー・サンライズ
(株))50重量部とに置き換えたこと以外は、実施例
25と同様の組成と手順に沿って厚さ0.2mmのポリオ
レフィン系樹脂ブレンドフィルムを得た。次に裏面ポリ
オレフィン系樹脂層フィムルとして、低密度ポリエチレ
ン樹脂(商標:ジェイレクスLLBF1350:日本ポ
リオレフィン(株):MFR 0.5g/10min 、密
度0.91)100重量部に対し、滑剤(商標:LE−
5:川研ファインケミカル(株))を1.0重量部、紫
外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品
(株))を0.5重量部、酸化防止剤(商標:イルガノ
ックス1010:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ
(株))を0.3重量部、着色剤(商標:酸化チタンC
R:石原産業(株))を5重量部配合したコンパウンド
をバンバリーミキサーで溶融混練した後、150℃に設
定した熱ロール(2本ロール)で5分間均一に混練した
後、この混練組成物を150℃の条件にてカレンダー圧
延成形して、0.2mm厚の白に着色したフィルムを得
た。この2種類のポリオレフィン系樹脂フィルムを、ポ
リエステル繊維平織目開き基布(250デニールポリエ
ステルマルチフィラメント:糸密度縦糸25本/2.5
4cm×横糸24本/2.54cm)の片面に140℃に設
定したラミネーターで熱圧着して貼り合わせ、厚さ0.
5mm、重量450g/m2 の、スチレン系樹脂を含有し
ない裏面ポリオレフィン系樹脂層と、スチレン系樹脂を
含有する表面ポリエチレン系樹脂ブレンドフィルム層と
を有するシートを得た。次に、このシートのポリオレフ
ィン系樹脂ブレンドフィルム面上に、実施例25と同一
のポリウレタン系樹脂をトルエン/IPA溶剤に溶解し
た熱可塑性樹脂中間処理剤を使用して、実施例1と同様
の手順に従って8g/m2 の固形分付着量の熱可塑性樹
脂中間処理層を形成させた。次に、このポリウレタン系
熱可塑性樹脂中間処理面に実施例28と同一のポリウレ
タン樹脂をベースとする水系インク受容層コート剤を、
実施例28と同様の手順に従って18g/m2 の固形分
付着量で均一に塗布しインク受容層を形成した。
【0226】実施例42 実施例41の裏面ポリオレフィン系樹脂層フィルム配合
に用いた低密度ポリエチレン樹脂(商標:ジェイレクス
LLBF1350:日本ポリオレフィン(株))100
重量部を、EPR−PPリアクター樹脂(商標:キャタ
ロイKS−353P:モンテル・エス・ディ・ケー・サ
ンライズ(株))100重量部に置き換えたこと以外
は、実施例17と同様の組成、同様の構成、同様の手順
により、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム面上に
ポリウレタン系樹脂をベースとするインク受容層を形成
し厚さ0.55mm、重量476g/m2 の印刷用シート
を得た。
【0227】実施例43 実施例41のポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム配
合及び、裏面ポリオレフィン系樹脂フィルム配合の両方
に、実施例28〜実施例42で用いた難燃剤と同一の水
酸化マグネシウム(商標:キスマ5A:協和化学工業
(株))80重量部と、ポリリン酸アンモニウム(商
標:ホスタフラムAP−745(=EXOLIT IF
R23)クラリアント社)50重量部とを配合したこと
以外は実施例41と同様の組成と手順に沿って、厚さ
0.5mm、重量500g/m2 のシート状基材を得た。
次に、このシート状基材のポリオレフィン系樹脂ブレン
ドフィルム層上に、実施例29と同じ、スチレン系樹脂
をトルエン溶剤に溶解し熱可塑性樹脂中間処理剤を使用
して、実施例29と同様の手順に従って8g/m2 の固
形分付着量の熱可塑性樹脂中間処理層を形成した。次
に、このスチレン系熱可塑性樹脂中間処理層上に、実施
例25と同一のポリビニルアルコール系樹脂をベースと
する水系インク受容層用コート液を、実施例25と同様
の手順に従って18g/m2 の固形分付着量で均一に塗
布しインク受容層を形成した。
【0228】実施例44 実施例43の裏面ポリオレフィン系樹脂層フィルム配合
に用いた低密度ポリエチレン樹脂(商標:ジェイレクス
LLBF1350:日本ポリオレフィン(株))100
重量部を、EPR−PPリアクター樹脂(商標:キャタ
ロイKS−353P:モンテル・エス・ディ・ケー・サ
ンライズ(株))100重量部に置き換えたこと以外
は、実施例43と同様の組成、同様の構成、同様の手順
により、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム面にポ
リビニルアルコール系樹脂をベースとするインク受容層
を形成して、厚さ0.55mm、重量526g/m2 の印
刷用シートを得た。
【0229】実施例45 実施例41のポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム配
合と、裏面ポリオレフィン系樹脂層フィルム配合との両
方に、実施例36〜実施例40で用いられた難燃剤と同
一の臭素系化合物:エチレンビスペンタブロモジフェニ
ル(商標:SAYTEX8010:アルベマール浅野
(株))30重量部と、三酸化アンチモン(商標:パト
ックスL:日本精鉱(株))15重量部とを配合した以
外は実施例41と同様の組成と手順に沿って、厚さ0.
5mm、重量525g/m2 のシート状基材を得た。次
に、このシート状基材のポリオレフィン系樹脂ブレンド
フィルム層上に実施例28と同一のポリエステル系樹脂
をトルエン/MEK溶剤に溶解した熱可塑性樹脂中間処
理剤を使用して、実施例28と同様の手順に従って8g
/m2 の固形分付着量の熱可塑性樹脂中間処理層を形成
させた。次に、このポリエステル系熱可塑性樹脂中間処
理層上に、実施例31と同じエチレン−酢酸ビニル共重
合樹脂をベースとする水系インク受容層コート剤を、実
施例31と同様の手順に従って18g/m2 の固形分付
着量で均一に塗布しインク受容層を形成した。
【0230】実施例46 実施例45の裏面ポリオレフィン系樹脂層フィルム配合
に用いた低密度ポリエチレン樹脂(商標:ジェイレクス
LLBF1350:日本ポリオレフィン(株))100
重量部を、EPR−PPリアクター樹脂(商標:キャタ
ロイKS−353P:モンテル・エス・ディ・ケー・サ
ンライズ(株))100重量部により置き換えたこと以
外は、実施例45と同様の組成、同様の構成、同様の手
順により、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム面
に、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂をベースとするイ
ンク受容層が形成された、厚さ0.55mm、重量551
g/m2 の印刷用シートを得た。
【0231】実施例47 実施例41のポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム配
合と、裏面ポリオレフィン系樹脂フィルム配合との両方
に、実施例33〜実施例35で用いた難燃剤と同一の水
酸化マグネシウム(商標:キスマ5A:協和化学工業
(株))30重量部と、ポリリン酸アンモニウム(商
標:ホスタフラムAP−745(=EXOLIT IF
R23)クラリアント社)20重量部と、臭素系化合
物:エチレンビスペンタブロモジフェニル(商標:SA
YTEX8010:アルベマール浅野(株))10重量
部と、三酸化アンチモン(商標:パトックスL:日本精
鉱(株))5重量部とからなる難燃剤総量65重量部を
配合したこと以外は、実施例41と同様の組成と手順に
沿って、厚さ0.5mm、重量520g/m2 のシート状
基材を得た。次に、このシート状基材のポリオレフィン
系樹脂ブレンドフィルム層上に、実施例40と同一の、
アクリル系樹脂をキシレン/メチルセロソルブ/MEK
溶剤に溶解した熱可塑性樹脂中間処理剤を使用して、実
施例30と同様の手順に従って8g/m2 の固形分付着
量の熱可塑性樹脂中間処理層を形成した。次に、このア
クリル系熱可塑性樹脂中間処理面に実施例30と同一の
ポリエステル系樹脂をベースとする水系インク受容層用
コート液を、実施例30と同様の手順に従って18g/
2 の固形分付着量で均一に塗布して、インク受容層を
形成した。
【0232】実施例48 実施例47の裏面ポリオレフィン系樹脂層フィルム配合
に用いた低密度ポリエチレン樹脂(商標:ジェイレクス
LLBF1350:日本ポリオレフィン(株))100
重量部を、EPR−PPリアクター樹脂(商標:キャタ
ロイKS−353P:モンテル・エス・ディ・ケー・サ
ンライズ(株))100重量部により置き換えたこと以
外は、実施例47と同様の組成、同様の構成、同様の手
順により、ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層上
にアクリル系樹脂をベースとするインク受容層を形成し
た。厚さ0.55mm、重量546g/m2 の印刷用シー
トを得た。
【0233】実施例41〜実施例48の効果の確認 実施例41〜実施例48で得られたシートの性能を上記
試験法(I),(II),(III ),(IV),(V)より
評価した結果、実施例41〜実施例48で得られたシー
トの片面に形成された、ポリウレタン系樹脂をベースと
するインク受容層(実施例41、実施例42)、ポリビ
ニルアルコール系樹脂をベースとするインク受容層(実
施例43、実施例44)、エチレン−酢酸ビニル共重合
樹脂をベースとするインク受容層(実施例45、実施例
46)及び、ポリエステル系樹脂をベースとするインク
受容層(実施例47、実施例48)は、いずれもポリオ
レフィン系樹脂ブレンドフィルム層によく密着し結着さ
れていて、セロハン粘着テープによるインク受容層の取
られは全くなく、また、ポリオレフィン系樹脂ブレンド
フィルム層と、各熱可塑性表面処理層ともよく密着し、
結着されていた。スコット形法屈曲揉み試験(100
回)においては、インク受容層と熱可塑性表面処理層と
の界面での剥がれや、脱落はなく、また、ポリオレフィ
ン系樹脂ブレンドフィルム層と熱可塑性表面処理層との
界面での剥がれや、脱落はなかった。実施例41〜実施
例48のシートを用いてインクジェット印刷によりシー
トに描かれた風景写真画像は、水性インク、溶剤系イン
ク、油性インクともインクの吸収性、定着性が良く、風
景写真画像は滲みのない、発色性にも優れた極めて鮮明
なものであった。更に、印刷後のシートのスコット形法
屈曲揉み試験(100回)を行ってみたところ、印刷さ
れたインク受容層の剥がれや、脱落などの異常はなく、
良好な耐久性を示していた。また、実施例43、実施例
44のシートの防炎性試験は、JIS規格L−1091
(A−2法区分3、2分加熱)に合格する非ハロゲン難
燃化されたシートであった。また、実施例45〜実施例
48のシートの防炎性試験は、JIS規格L−1091
(A−2法区分3、2分加熱)に合格する難燃化された
シートであった。また、実施例41〜実施例48で得ら
れたシートは、表面にインク受容層形成性のポリオレフ
ィン樹脂ブレンドフィルム層を、裏面にスチレン系樹脂
を含有しないポリオレフィン系樹脂層という、異なるポ
リオレフィン樹脂フィルム配置にすることにより、寸法
安定性及び、形態安定性に優れていた。実施例41〜4
8の印刷用シートの表面ポリオレフィン系樹脂ブレンド
フィルム層及び裏面ポリオレフィン樹脂層の組成を表1
0に示し、試験結果を表11に示す。
【0234】比較例15 実施例25のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配合組成
よりスチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブラー7
125:(株)クラレ)30重量部を省いたこと以外
は、実施例25と同様の配合及び、手順に沿って、片面
にポリビニルアルコール系樹脂をベースとするインク受
容層が形成された印刷用シートを作製した。
【0235】比較例16 実施例26のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配合組成
より、スチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブラー
7125:(株)クラレ)30重量部を省いたこと以外
は実施例26と同様の配合及び、手順に沿って、片面に
ポリビニルアルコール系樹脂をベースとするインク受容
層が形成された印刷用シートを作製した。
【0236】比較例17 実施例27のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配合組成
からスチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブラー7
125:(株)クラレ)30重量部を省いたこと以外
は、実施例27と同様の配合及び、手順に沿って、片面
にポリビニルアルコール系樹脂をベースとするインク受
容層が形成された印刷用シートを作製した。
【0237】比較例15〜比較例17の評価 比較例15〜比較例17より得られたシートの性能を上
記試験法(I),(II),(III ),(IV)より評価し
た結果、比較例15〜比較例17で得られたシートに形
成されたポリビニルアルコール系樹脂をベースとするイ
ンク受容層は、ポリオレフィン系樹脂ブレンド配合組成
からスチレン系共重合樹脂を省略したことによってポリ
オレフィン系樹脂フィルム層との間の密着性が不十分と
なり、セロハン粘着テープ剥離試験では、インク受容層
が熱可塑性ポリウレタン系樹脂中間処理層と共に、全て
セロハンテープ粘着面に剥がし取られてしまった。ま
た、スコット形法屈曲揉み試験(50回)においては、
インク受容層が熱可塑性ポリウレタン系樹脂中間処理層
と共に、シートのポリオレフィン系樹脂フィルム層から
剥がれ、脱落した。これらのシートにインクジェット印
刷で風景写真画像を描画した。印刷は可能であったが、
印刷後にシートのスコット形法屈曲揉み試験(50回)
を行ってみたところ、やはり、インク受容層の剥がれ、
脱落を起こすなど屈曲性に極めて弱いものであり、実用
性のないものであった。試験結果を表12に示す。
【0238】比較例18 実施例28のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配合組成
からスチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブラー7
125:(株)クラレ)30重量部を省いたこと以外
は、実施例4と同様の配合及び、手順に沿って、片面に
ポリウレタン系樹脂をベースとするインク受容層が形成
された印刷用シートを作製した。
【0239】比較例19 実施例29のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配合組成
からスチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブラー7
125:(株)クラレ)60重量部を省いたこと以外は
実施例29と同様の配合及び、手順に沿って、片面にポ
リウレタン系樹脂をベースとするインク受容層が形成さ
れた印刷用シートを作製した。
【0240】比較例20 実施例36のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配合組成
から、スチレン系共重合樹脂(1)(商標:ハイブラー
7125:(株)クラレ)30重量部を省いたこと以外
は、実施例36と同様の配合及び、手順に沿って、片面
にポリビニルアルコール系樹脂をベースとするインク受
容層が形成された印刷用シートを作製した。
【0241】比較例21 実施例39のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配合組成
から、スチレン系共重合樹脂(3)(商標:ダイナロン
1320P:日本合成ゴム(株))40重量部を省いた
こと以外は、実施例39と同様の配合及び、手順に沿っ
て、両面にポリエステル系樹脂をベースとするインク受
容層が形成された印刷用シートを作製した。
【0242】比較例22 実施例32のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配合組成
から、スチレン系共重合樹脂(2)(商標:セプトン2
007:(株)クラレ)20重量部と、スチレン系共重
合樹脂(3)(商標:ダイナロン1320P:日本合成
ゴム(株))20重量部とを省いたこと以外は、実施例
8と同様の配合及び、手順に沿って、片面にアクリル系
樹脂をベースとするインク受容層が形成された印刷用シ
ートを作製した。
【0243】比較例18〜比較例22の評価 比較例18〜比較例22より得られたシートの性能を上
記試験法(I),(II),(III ),(IV),(V)よ
り評価した結果、比較例18〜比較例22で得られた印
刷用シートの防炎性は、JIS規格L−1091(A−
2法区分3、2分加熱)に適合するものであったが、比
較例18〜比較例22のシートに形成された、ポリウレ
タン系樹脂をベースとするインク受容層(比較例18、
比較例19)、ポリエステル系樹脂をベースとするイン
ク受容層(比較例20、比較例21)、アクリル系樹脂
をベースとするインク受容層(比較例22)の各々は、
ポリオレフィン系樹脂ブレンド配合組成からスチレン系
共重合樹脂を省略したことによってポリオレフィン系樹
脂フィルム層との密着性が不十分となり、セロハン粘着
テープ剥離試験では、いずれのインク受容層も熱可塑性
ポリウレタン系樹脂中間処理層と共に、全てセロハンテ
ープ粘着面に剥がし取られてしまった。また、スコット
形法屈曲揉み試験(50回)においては、いずれのイン
ク受容層も熱可塑性ポリウレタン系樹脂中間処理層と共
に、シートから剥がれ、脱落した。それでも、これらの
シートにインクジェット印刷で風景写真画像を描画させ
た。印刷は可能であったが、印刷後にシートのスコット
形法屈曲揉み試験(50回)を行ってみたところ、やは
り、インク受容層の剥がれ、脱落を起こすなど屈曲性に
極めて弱いものであり、実用性のないものであった。結
果を表12に示す。
【0244】比較例23 実施例28と同様のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配
合組成より作製されたシート状基材のポリオレフィン系
樹脂ブレンドフィルム層上に形成するインク受容層用コ
ート液を、ポリエステル系樹脂をベースとするインク受
容層用コート液から、実施例25と同じポリビニルアル
コール樹脂をベースとするインク受容層用コート液に変
更し、実施例28のポリエステル系樹脂による熱可塑性
樹脂中間処理層を設けずに、インク受容層を直接ポリオ
レフィン系樹脂ブレンドフィルム層上に塗布し、乾燥さ
せて、片面にポリビニルアルコール系樹脂をベースとす
るインク受容層が形成された印刷用シートを作製した。
【0245】比較例24 実施例30と同様のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配
合組成より作製されたシート状基体のポリオレフィン系
樹脂ブレンドフィルム層上に形成するインク受容層用コ
ート液を、実施例30のポリエステル系樹脂をベースと
するインク受容層用コート液から、実施例25と同一の
ポリビニルアルコール樹脂をベースとするインク受容層
用コート液に変更した。また、実施例30で使用したア
クリル系樹脂をキシレン/メチルセロソルブ/MEK溶
液に溶解させた熱可塑性樹脂中間処理剤を下記水系のポ
リエステル系樹脂を主体とする熱可塑性樹脂中間処理層
コート液に変更し、片面にポリビニルアルコール系樹脂
をベースとするインク受容層が形成された印刷用シート
を作製した。
【0246】 〈水系ポリエステル樹脂による熱可塑性樹脂中間処理層用コート液〉 ポリエステル系樹脂エマルジョン(商標:バイロナールMD 1100:東洋紡積(株)、固形分30wt%) 100重量部 紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株)) 0.1重量部 希釈剤:水 30重量部
【0247】比較例25 実施例39と同様のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配
合組成より作製されたシート状基体のポリオレフィン系
樹脂ブレンドフィルム層上に形成するインク受容層用コ
ート液を、実施例39のポリエステル系樹脂をベースと
するインク受容層用コート液から、実施例25と同じポ
リビニルアルコール樹脂をベースとするインク受容層用
コート液に変更した。また、実施例39で使用したポリ
エステル系樹脂をトルエン/MEK溶剤に溶解させた熱
可塑性樹脂中間処理剤を下記水系のアクリル系樹脂を主
体とする熱可塑性樹脂中間処理層用コート液に変更し、
片面にポリビニルアルコール系樹脂をベースとするイン
ク受容層が形成された印刷用シートを作製した。
【0248】 〈水系アクリル樹脂による熱可塑性樹脂中間処理層用コート液〉 アクリル系樹脂エマルジョン(商標:プライマルAC− 261:ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)、 固形分50wt%) 100重量部 紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株)) 0.1重量部 希釈剤:水 30重量部
【0249】比較例26 実施例29と同様のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配
合組成より作製されたシート状基材のポリオレフィン系
樹脂ブレンドフィルム層上に形成するインク受容層用コ
ート液は、実施例29と同一とし、実施例29で使用さ
れたスチレン系樹脂をトルエン溶剤に溶解された熱可塑
性樹脂中間処理剤を、下記水系のポリウレタン系樹脂を
主体とする熱可塑性樹脂中間処理層用コート液に変更
し、片面にポリウレタン系樹脂をベースとするインク受
容層が形成された印刷用シートを作製した。
【0250】 〈水系ポリウレタン樹脂を主体とする熱可塑性樹脂中間処理層用コート液〉 熱反応性ポリウレタンエマルジョン(商標:エラストロン E−37:第一工業製薬(株)、固形分25wt%) 100重量部 紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株)) 0.1重量部 希釈剤:水 30重量部
【0251】比較例27 実施例30のスチレン系共重合樹脂(2)(商標:セプ
トン2007:(株)クラレ)の配合量を40重量部か
ら60重量部に増量したこと以外は、実施例30と同様
のポリオレフィン系樹脂ブレンドの配合組成を用いてシ
ート状基材を作製した。ポリオレフィン系樹脂ブレンド
フィルム層上に形成されるインク受容層は、実施例30
と同一とし、実施例30で使用したアクリル系樹脂をキ
シレン/メチルセロソルブ/MEK溶剤に溶解させた熱
可塑性樹脂中間処理剤を下記水系のポリエステル系樹脂
を主体とする熱可塑性樹脂中間処理層用コート液に変更
し、片面にポリエステル系樹脂をベースとするインク受
容層が形成して印刷用シートを作製した。
【0252】 〈水系ポリエステル樹脂を主体とする熱可塑性樹脂中間処理層用コート液〉 変性ポリエステル系樹脂エマルジョン(商標:ペスレジン A−215G:高松油脂(株)、固形分30wt%) 100重量部 紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株)) 0.1重量部 希釈剤:水 30重量部
【0253】比較例28 実施例39のスチレン系共重合樹脂(3)(商標:ダイ
ナロン1320P:日本合成ゴム(株))の配合量を、
40重量部から60重量部に増量したこと以外は、実施
例31と同様のポリオレフィン系樹脂ブレンドを用い
て、シート状基材を作製した。ポリオレフィン系樹脂ブ
レンドフィルム層上に形成するインク受容層用コート液
は、実施例39のポリエステル系樹脂をベースとするイ
ンク受容層用コート液から、実施例32と同一のアクリ
ル樹脂をベースとするインク受容層用コート液に変更し
た。また、実施例39で使用されたポリエステル系樹脂
をトルエン/MEK溶剤に溶解した熱可塑性樹脂中間処
理剤を、下記水系のアクリル系樹脂を主体とする熱可塑
性樹脂中間処理層用コート液に変更し、片面にアクリル
系樹脂をベースとするインク受容層が形成された印刷用
シートを作製した。
【0254】 〈水系アクリル樹脂インク受容層用コート液〉 アクリル系樹脂エマルジョン(商標:リカボンドAP60L: 中央理化工業(株)、固形分50wt%) 100重量部 紫外線吸収剤(商標:バイオソーブ510:共同薬品(株)) 0.1重量部 希釈剤:水 30重量部
【0255】比較例23〜比較例28の評価 比較例23〜比較例28より得られたシートの性能を上
記試験法(I),(II),(III ),(IV),(V)よ
り評価した結果、比較例23〜比較例28で得られた印
刷用シートの防炎性は、JIS規格L−1091(A−
2法区分3、2分加熱)に適合するものであったが、比
較例23、比較例24、比較例25の印刷用シートに形
成されているポリビニルアルコール系樹脂をベースとす
るインク受容層、及び、比較例26〜比較例28のシー
トに形成された、ポリウレタン系樹脂をベースとするイ
ンク受容層(比較例26)、ポリエステル系樹脂をベー
スとするインク受容層(比較例27)、アクリル系樹脂
をベースとするインク受容層(比較例28)のそれぞれ
は、中間処理層を省略したこと、または、中間処理層を
形成するコーティング剤として水系の熱可塑性樹脂を使
用したことで、シート状基材のポリオレフィン系樹脂ブ
レンドフィルム層との密着が不十分となり、セロハン粘
着テープ剥離試験では、いずれのインク受容層も熱可塑
性樹脂中間処理層と共に、全てセロハンテープ粘着面に
剥がし取られ、また、スコット形法屈曲揉み試験(50
回)においても、いずれのインク受容層も熱可塑性樹脂
中間処理層と共に、シートから剥がれ、脱落した。これ
らのシートにインクジェット印刷で風景写真画像を印刷
したところ、印刷は可能であったが、印刷後にシートの
スコット形法屈曲揉み試験(50回)を行ってみたとこ
ろ、インク受容層の剥がれ、脱落が起こるなど、屈曲性
に極めて弱いものであり、実用性のないものであった。
結果を表13に示した。
【0256】
【表8】
【0257】
【表9】
【0258】
【表10】
【0259】
【表11】
【0260】
【表12】
【0261】
【表13】
【0262】実施例25〜48及び比較例15〜28の
ポリオレフィン系樹脂に使用された資材を表14に示
し、中間処理層及びインク受容層に用いられた資材を表
15に示す。
【0263】
【表14】
【0264】
【表15】
【0265】
【発明の効果】上記、実施例及び、比較例により明らか
な様に、本発明に係る印刷用シートのシート状基材のポ
リオレフィン樹脂ブレンドフィルム層は、従来技術にお
けるポリオレフィン系樹脂シート及びターポリンのよう
に、その表面にコロナ放電処理やプライマー処理などの
煩雑な前処理を必要とせずに、インクジェット印刷性イ
ンク受容層を汎用のコート剤によって容易に形成するこ
とが可能である。また、このポリオレフィン系樹脂ブレ
ンドフィルム層上に形成されたインク受容層は、印刷性
に優れているのみならず、ポリオレフィン系樹脂ブレン
ドフィルム層と強く密着して、結着されているため、折
り曲げや屈曲に対する耐久性に優れており、従って本発
明による印刷用シートは、屋内はもとより、屋外で使用
される精密画像の広告看板、イベント展示物、垂れ幕、
横断幕などの幅広い分野での視覚的注目度の高いシート
として活用できる。また、本発明の印刷用シートは、難
燃化して消防法に規定の防炎性能を十分に満たすことも
でき、更に非ハロゲン難燃化も可能であるため、テント
用途にも使用可能であって、極めて有用性の高いシート
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の印刷用シートの一例の断面説明図。
【図2】本発明の印刷用シートの他の例の断面説明図。
【図3】本発明の印刷用シートの更に他の例の断面説明
図。
【図4】本発明の印刷用シートの更に他の例の断面説明
図。
【図5】本発明の印刷用シートの更に他の例の断面説明
図。
【図6】本発明の印刷用シートの更に他の例の断面説明
図。
【図7】本発明の印刷用シートの更に他の例の断面説明
図。
【図8】本発明の印刷用シートの更に他の例の断面説明
図。
【図9】本発明の印刷用シートの更に他の例の断面説明
図。
【図10】本発明の印刷用シートの更に他の例の断面説
明図。
【図11】本発明の印刷用シートの更に他の例の断面説
明図。
【図12】本発明の印刷用シートの更に他の例の断面説
明図。
【符号の説明】
1…印刷用シート 2…ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層 3…インク受容層 4…繊維基布層 5…シート状基材 6…裏面側ポリオレフィン系樹脂ブレンドフィルム層 7…裏面側インク受容層 8…裏面側ポリオレフィン系樹脂組成物層 9…中間処理層 10…裏面側中間処理層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 53/02 C08J 7/04 CESJ // C08J 7/04 CES B41J 3/04 101Y Fターム(参考) 2C056 EA13 FB01 FC02 FC06 2H086 BA12 BA15 BA19 BA22 BA24 BA31 BA33 BA34 BA36 BA45 4F006 AA12 AA15 AB35 AB37 AB38 AB43 BA01 CA10 4J002 BB03W BB12W BB15W BC05X BC113 BP01X CG033 DE126 EB096 EB136 ED076 EJ056 ER007 ER027 ET007 ET017 EU026 EU187 EU196 EV347 EW047 EW056 EW157 FD133 FD136 FD137 GK03

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂と、スチレン系共
    重合樹脂とを、100:5〜100:100の重量比で
    含有する樹脂ブレンドからなるフィルム層を有するシー
    ト状基材と、 熱可塑性樹脂を含み、前記樹脂ブレンドフィルム層の少
    なくとも片方表面の全面上に密着して結着しているイン
    ク受容層とを有することを特徴とする印刷用ポリオレフ
    ィン系樹脂シート。
  2. 【請求項2】 前記樹脂ブレンドフィルム層と、前記イ
    ンク受容層との界面部分において、前記樹脂ブレンドフ
    ィルム層中のスチレン系共重合樹脂の一部分と、前記イ
    ンク受容層中の熱可塑性樹脂の一部分とによる接着層が
    形成されている、請求項1に記載の印刷用ポリオレフィ
    ン系樹脂シート。
  3. 【請求項3】 前記シート状基材において、前記樹脂ブ
    レンドフィルム層が繊維布帛からなる基布の少なくとも
    1面に形成されている、請求項1又は2に記載の印刷用
    ポリオレフィン系樹脂シート。
  4. 【請求項4】 前記シート状基材に含まれる前記樹脂ブ
    レンドフィルム層が、非ハロゲン系難燃剤及び臭素系化
    合物難燃剤から選ばれた1種以上を含む難燃剤を、前記
    樹脂ブレンド重量に対し10〜250重量部の添加量で
    含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷用ポリ
    オレフィン系樹脂シート。
  5. 【請求項5】 前記基布の一外表面全面上に前記樹脂ブ
    レンドフィルム層が形成され、この樹脂ブレンドフィル
    ム層上に、前記インク受容層が形成されており、前記基
    布の他の最外裏面全面上に、前記樹脂ブレンドフィルム
    からなる裏面層が形成されている、請求項1〜4のいず
    れか1項に記載の印刷用ポリオレフィン系樹脂シート。
  6. 【請求項6】 前記樹脂ブレンドフィルム裏面層が、非
    ハロゲン系難燃剤及び臭素系化合物難燃剤から選ばれた
    1種以上を含む難燃剤を、前記樹脂ブレンド重量に対し
    10〜250重量部の添加量で含む、請求項5に記載の
    印刷用ポリオレフィン系樹脂シート。
  7. 【請求項7】 前記樹脂ブレンドフィルム裏面層上に、
    さらに裏面側インク受容層が形成されている、請求項5
    又は6に記載の印刷用ポリオレフィン系樹脂シート。
  8. 【請求項8】 前記スチレン系共重合樹脂が、 スチレン重合体ブロック(A)及びブタジエン重合体ブ
    ロック、イソプレン重合体ブロック及びビニルイソプレ
    ン重合体ブロックから選ばれた1種の重合体ブロック
    (B)とからなるA−B−A型ブロック共重合体、及び
    A−B型ブロック共重合体;スチレンと、ブタジエン、
    イソプレン及びビニルイソプレンの少なくとも1種との
    ランダム共重合体;並びに、 前記ブロック共重合体及びランダム共重合体中のビニル
    結合含有(B)成分単位に対し、水素添加を施して得ら
    れた水素添加スチレン系共重合樹脂、 から選ばれた少なくとも1種からなる、請求項1〜7の
    いずれか1項に記載の印刷用ポリオレフィン系樹脂シー
    ト。
  9. 【請求項9】 前記インク受容層に含まれる熱可塑性樹
    脂がポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステ
    ル系樹脂、ポリアミド系樹脂及びスチレン系樹脂から選
    ばれた少なくとも1種からなる、請求項1に記載の印刷
    用ポリオレフィン系樹脂シート。
  10. 【請求項10】 前記インク受容層が、10〜80重量
    %の、微細顔料粒子及び/又は多孔質微粒子を含有す
    る、請求項1,2、又は7に記載の印刷用ポリオレフィ
    ン系樹脂シート。
  11. 【請求項11】 前記シート状基材の裏面側に、前記樹
    脂ブレンドとは異なるポリオレフィン系樹脂を含む裏面
    層が形成されている、請求項1又は3に記載の印刷用ポ
    リオレフィン系樹脂シート。
  12. 【請求項12】 前記ポリオレフィン系樹脂裏面層が、
    非ハロゲン系難燃剤及び臭素系化合物難燃剤から選ばれ
    た1種以上を含む難燃剤を、前記ポリオレフィン系樹脂
    重量に対し10〜250重量部の添加量で含む、請求項
    11に記載の印刷用ポリオレフィン系樹脂シート。
  13. 【請求項13】 前記非ハロゲン系難燃剤が、無機金属
    水酸化物、無機金属酸化物、無機金属炭酸塩、ホウ酸系
    化合物、硫黄系化合物、リン酸エステル系化合物、ポリ
    リン酸アンモニウム系化合物、(イソ)シアヌル酸誘導
    体化合物、シアナミド化合物、尿素系化合物、から選ば
    れた1種以上を含む、請求項4,6又は12に記載の印
    刷用ポリオレフィン系樹脂シート。
  14. 【請求項14】 前記シート状基材の樹脂ブレンドフィ
    ルム層と、前記インク受容層との間に形成され、熱可塑
    性樹脂を含み、前記シート状基材の樹脂ブレンドフィル
    ム層に密着して結着している中間処理層をさらに含む、
    請求項1〜13のいずれか1項に記載の印刷用ポリオレ
    フィン系樹脂シート。
  15. 【請求項15】 前記樹脂ブレンドフィルム層と、前記
    中間処理層との界面部分において、前記樹脂ブレンドフ
    ィルム層中のスチレン系共重合樹脂の一部分と、前記中
    間処理層中の熱可塑性樹脂の一部分とによる接着層が形
    成されている、請求項14に記載の印刷用ポリオレフィ
    ン系樹脂シート。
  16. 【請求項16】 前記中間処理層用熱可塑性樹脂がアク
    リル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、
    ポリエステル系樹脂、及びスチレン系樹脂から選ばれた
    1種以上を含む、請求項14又は15に記載の印刷用ポ
    リオレフィン系樹脂シート。
  17. 【請求項17】 前記中間処理層と結着している前記シ
    ート状基材において、前記樹脂ブレンドフィルム層が、
    繊維布帛からなる基布の少なくとも1面に形成され、こ
    の樹脂ブレンドフィルム層上に前記中間処理層が形成さ
    れている、請求項14に記載の印刷用ポリオレフィン系
    樹脂シート。
  18. 【請求項18】 前記基布の1外表面全面上に、前記樹
    脂ブレンドフィルム層が形成され、その上に前記中間処
    理層が形成され、さらにその上に前記インク受容層が形
    成されており、前記基布の他の最外裏面全面上に、前記
    樹脂ブレンドフィルムからなる裏面層が形成されてい
    る、請求項17に記載の印刷用ポリオレフィン系樹脂シ
    ート。
  19. 【請求項19】 前記樹脂ブレンドフィルム裏面層上
    に、裏面側中間処理層が形成され、その上に裏面側イン
    ク受容層が形成されている、請求項18に記載の印刷用
    ポリオレフィン系樹脂シート。
  20. 【請求項20】 前記シート状基材の裏面側に、前記樹
    脂ブレンドとは異るポリオレフィン系樹脂組成物からな
    る裏面層が形成されている、請求項14又は17に記載
    の印刷用ポリオレフィン系樹脂シート。
  21. 【請求項21】 ポリオレフィン系樹脂と、スチレン系
    共重合樹脂とを、重量比100:5〜100:100で
    含む樹脂ブレンドの溶融混練物からフィルムを形成する
    工程と、 前記樹脂ブレンドフィルムの少なくとも一面上に、熱可
    塑性樹脂を含むコーティング液を直接塗布して、インク
    受容層を形成する工程とを含むことを特徴とする印刷用
    ポリオレフィン系樹脂シートの製造方法。
  22. 【請求項22】 前記インク受容層形成用コーティング
    液が、前記インク受容層の熱可塑性樹脂と混和し、かつ
    前記スチレン系共重合樹脂を完全溶解、一部溶解、又は
    膨潤せしめる有機系溶剤をさらに含み、 このコーティング液を、前記樹脂ブレンドフィルムの少
    なくとも一面上に直接塗布し、このコーティング液層か
    ら前記有機系溶剤を蒸発除去して、インク受容層を形成
    し、 それによって、前記樹脂ブレンドフィルム層と前記イン
    ク受容層との界面部分において、前記樹脂ブレンドフィ
    ルム層中のスチレン系共重合樹脂の一部分と、前記イン
    ク受容層中の熱可塑性樹脂の一部分とによる接着層が形
    成される、請求項21に記載の印刷用ポリオレフィン系
    樹脂シートの製造方法。
  23. 【請求項23】 前記インク受容層形成用コーティング
    液の有機系溶剤が、イソプロパノール、n−ブタノー
    ル、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、シクロ
    ヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルエチルケト
    ン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルアセトアミ
    ド、N−メチル−2−ピロリドン、酢酸エチル、酢酸ブ
    チル、及びテトラヒドロフランから選ばれた少なくとも
    1種を含む、請求項22に記載の印刷用ポリオレフィン
    系樹脂シートの製造方法。
  24. 【請求項24】 前記樹脂ブレンドフィルム形成工程
    と、前記インク受容層形成工程との間に、前記樹脂ブレ
    ンドフィルムの少なくとも1面上に、熱可塑性樹脂を含
    むコーティング液を直接塗布して中間処理層を形成する
    工程をさらに含み、この中間処理層上に、前記インク受
    容層を形成する、請求項21に記載の印刷用ポリオレフ
    ィン系樹脂シートの製造方法。
  25. 【請求項25】 前記中間処理層形成用コーティング液
    が、前記熱可塑性樹脂と混和し、かつ前記スチレン系共
    重合樹脂を完全溶解、一部溶解、又は膨潤せしめる有機
    系溶剤をさらに含み、 このコーティング液を、前記樹脂ブレンドフィルムの少
    なくとも1面上に直接塗布し、このコーティング液層か
    ら前記有機系溶剤を蒸発除去して中間処理層を形成し、 それによって、前記樹脂ブレンドフィルム層と前記中間
    処理層との界面部分において、前記樹脂ブレンドフィル
    ム層中のスチレン系共重合樹脂の一部分と、前記中間処
    理層中の熱可塑性樹脂の一部分とによる接着層が形成さ
    れる、請求項24に記載の印刷用ポリオレフィン系樹脂
    シートの製造方法。
  26. 【請求項26】 前記中間処理層上に形成するインク受
    容層が水系熱可塑性樹脂ベースコーティング液の塗布、
    乾燥によって形成される、請求項24に記載の印刷用ポ
    リオレフィン系樹脂シートの製造方法。
  27. 【請求項27】 前記水系熱可塑性樹脂ベースのインク
    受容層コーティング剤が、熱可塑性樹脂エマルジョン、
    熱可塑性ゴムラテックス、及び水溶性高分子化合物から
    選ばれた1種以上をバインダーとして含有する、請求項
    26に記載の印刷用ポリオレフィン系樹脂シートの製造
    方法。
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