JP2001270047A - 抗菌性を有する樹脂成形体 - Google Patents
抗菌性を有する樹脂成形体Info
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- JP2001270047A JP2001270047A JP2000088065A JP2000088065A JP2001270047A JP 2001270047 A JP2001270047 A JP 2001270047A JP 2000088065 A JP2000088065 A JP 2000088065A JP 2000088065 A JP2000088065 A JP 2000088065A JP 2001270047 A JP2001270047 A JP 2001270047A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 良好な美観を呈し、しかも雑菌が繁殖しにく
い表面を有する樹脂成形体を提供する。 【解決手段】 樹脂成形体10は、2種の熱可塑性樹脂
層11および12が積層された構造を有する。樹脂成形
体10の表側の面は、部分的に架橋されたアクリル樹脂
からなる層11によって形成され、裏側の面は、層11
と異なる熱可塑性樹脂たとえばABS樹脂からなる層1
2によって形成される。層11と層12の両方が、抗菌
剤を含有する。
い表面を有する樹脂成形体を提供する。 【解決手段】 樹脂成形体10は、2種の熱可塑性樹脂
層11および12が積層された構造を有する。樹脂成形
体10の表側の面は、部分的に架橋されたアクリル樹脂
からなる層11によって形成され、裏側の面は、層11
と異なる熱可塑性樹脂たとえばABS樹脂からなる層1
2によって形成される。層11と層12の両方が、抗菌
剤を含有する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部分的に架橋され
たアクリル樹脂を表面層として有し、さらに抗菌性を有
する熱可塑性樹脂積層体に関する。
たアクリル樹脂を表面層として有し、さらに抗菌性を有
する熱可塑性樹脂積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】部分的に架橋されたアクリル樹脂は、光
沢、表面の傷付きにくさ等、優れた表面外観を呈し、さ
らに耐熱性や耐薬品性にも優れることから、浴槽や洗面
ボール等のサニタリー製品に広く用いることができる。
このような部分架橋されたアクリル樹脂は、補強のため
他の熱可塑性樹脂と重ねて使用することもできる。たと
えば、特表平5−501388号公報は、かるく架橋し
たアクリル樹脂とアクリロニトリル・ブタジエン・スチ
レン樹脂を積層一体化する技術を開示する。
沢、表面の傷付きにくさ等、優れた表面外観を呈し、さ
らに耐熱性や耐薬品性にも優れることから、浴槽や洗面
ボール等のサニタリー製品に広く用いることができる。
このような部分架橋されたアクリル樹脂は、補強のため
他の熱可塑性樹脂と重ねて使用することもできる。たと
えば、特表平5−501388号公報は、かるく架橋し
たアクリル樹脂とアクリロニトリル・ブタジエン・スチ
レン樹脂を積層一体化する技術を開示する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】サニタリー製品は、水
に触れる環境に置かれ、カビや細菌などの雑菌が繁殖し
やすい条件にさらされている。雑菌が繁殖したサニタリ
ー製品の表面は、見た目にも悪い他、衛生的な見地から
も好ましくない。また、24時間風呂のように特定の細
菌が増殖しやすい条件を維持するものもある。最近、衛
生への関心がより高くなっており、サニタリー製品も衛
生的な見地から改良が求められる。
に触れる環境に置かれ、カビや細菌などの雑菌が繁殖し
やすい条件にさらされている。雑菌が繁殖したサニタリ
ー製品の表面は、見た目にも悪い他、衛生的な見地から
も好ましくない。また、24時間風呂のように特定の細
菌が増殖しやすい条件を維持するものもある。最近、衛
生への関心がより高くなっており、サニタリー製品も衛
生的な見地から改良が求められる。
【0004】本発明の目的は、サニタリー製品等に適用
でき、カビや細菌などの雑菌が繁殖しにくい樹脂成形体
を提供することである。
でき、カビや細菌などの雑菌が繁殖しにくい樹脂成形体
を提供することである。
【0005】本発明の他の目的は、良好な美観を呈し、
しかも雑菌が繁殖しにくい表面を有する樹脂成形体を提
供することである。
しかも雑菌が繁殖しにくい表面を有する樹脂成形体を提
供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明により、少なくと
も2種の熱可塑性樹脂層が積層された構造を有する樹脂
成形体が提供され、そこにおいて、成形体の表側の面
は、部分的に架橋されたアクリル樹脂からなる第1の層
によって形成され、成形体の裏側の面は、第1の層と異
なる熱可塑性樹脂からなる第2の層によって形成され、
第1の層と第2の層の両方が、抗菌剤を含有する。
も2種の熱可塑性樹脂層が積層された構造を有する樹脂
成形体が提供され、そこにおいて、成形体の表側の面
は、部分的に架橋されたアクリル樹脂からなる第1の層
によって形成され、成形体の裏側の面は、第1の層と異
なる熱可塑性樹脂からなる第2の層によって形成され、
第1の層と第2の層の両方が、抗菌剤を含有する。
【0007】本発明において、第1の層における抗菌剤
の濃度は、第2の層における抗菌剤の濃度より低いこと
が好ましい。第1の層が含有する抗菌剤は、第4級アン
モニウムイオンを固定したリン酸塩化合物であることが
好ましい。第1の層は0.1〜5重量%の濃度で抗菌剤
を含有することが好ましく、第2の層が含有する抗菌剤
の濃度は、第1の層における抗菌剤の濃度の1.1〜1
0倍であることが好ましい。
の濃度は、第2の層における抗菌剤の濃度より低いこと
が好ましい。第1の層が含有する抗菌剤は、第4級アン
モニウムイオンを固定したリン酸塩化合物であることが
好ましい。第1の層は0.1〜5重量%の濃度で抗菌剤
を含有することが好ましく、第2の層が含有する抗菌剤
の濃度は、第1の層における抗菌剤の濃度の1.1〜1
0倍であることが好ましい。
【0008】本発明による樹脂成形体の形状は、任意で
あり、従って、本発明による樹脂成形体は、サニタリー
製品等の最終的な製品のみならず、シート、板等の所定
の形態を有し、所定の加工工程に供される原料品をも含
む。
あり、従って、本発明による樹脂成形体は、サニタリー
製品等の最終的な製品のみならず、シート、板等の所定
の形態を有し、所定の加工工程に供される原料品をも含
む。
【0009】
【発明の実施の形態】図1および図2に本発明による樹
脂成形体の例を示す。図1に示す樹脂板10は、2種の
熱可塑性樹脂層11および12が積層された構造を有す
る。図2に示すサニタリー製品20も2種の熱可塑性樹
脂層21および22が積層された構造を有する。樹脂板
10およびサニタリー製品20のいずれにおいても、表
側の面を構成する樹脂層11および21は、部分的に架
橋されたアクリル樹脂からなり、裏側の面を構成する樹
脂層12および22は、部分的に架橋されたアクリル樹
脂以外の熱可塑性樹脂からなる。各樹脂層の厚みは、た
とえば、0.5〜18mmとすることができ、2種の樹
脂層の厚みの合計は、たとえば、5mm〜20mmとす
ることができる。図では、2種の樹脂層が積層されてい
るが、3種以上の樹脂層が積層された構造でもよい。積
層構造において、1つの樹脂層、たとえば樹脂層11ま
たは21の厚みの、他の樹脂層の厚みの合計に対する比
は、1:9〜9:1の範囲であることが好ましい。
脂成形体の例を示す。図1に示す樹脂板10は、2種の
熱可塑性樹脂層11および12が積層された構造を有す
る。図2に示すサニタリー製品20も2種の熱可塑性樹
脂層21および22が積層された構造を有する。樹脂板
10およびサニタリー製品20のいずれにおいても、表
側の面を構成する樹脂層11および21は、部分的に架
橋されたアクリル樹脂からなり、裏側の面を構成する樹
脂層12および22は、部分的に架橋されたアクリル樹
脂以外の熱可塑性樹脂からなる。各樹脂層の厚みは、た
とえば、0.5〜18mmとすることができ、2種の樹
脂層の厚みの合計は、たとえば、5mm〜20mmとす
ることができる。図では、2種の樹脂層が積層されてい
るが、3種以上の樹脂層が積層された構造でもよい。積
層構造において、1つの樹脂層、たとえば樹脂層11ま
たは21の厚みの、他の樹脂層の厚みの合計に対する比
は、1:9〜9:1の範囲であることが好ましい。
【0010】表側の面を構成する樹脂層11および21
は、アクリル酸エステルの重合体(たとえばポリアクリ
ル酸メチル(PMA))、メタクリル酸エステルの重合
体(たとえばポリメタクリル酸メチル(PMMA))、
それらの共重合体等を含むアクリル樹脂であって、部分
的に架橋されたもので構成される。一方、裏側の面を構
成する樹脂層12および22は、たとえば、繊維強化さ
れた不飽和ポリエステル樹脂等の繊維強化プラスチック
(FRP)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン
(PP)等を含むポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル
樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエ
ン・スチレン樹脂(ABS樹脂)等からなる。これらの
熱可塑性樹脂も、熱成形し得る程度に架橋されていても
よい。
は、アクリル酸エステルの重合体(たとえばポリアクリ
ル酸メチル(PMA))、メタクリル酸エステルの重合
体(たとえばポリメタクリル酸メチル(PMMA))、
それらの共重合体等を含むアクリル樹脂であって、部分
的に架橋されたもので構成される。一方、裏側の面を構
成する樹脂層12および22は、たとえば、繊維強化さ
れた不飽和ポリエステル樹脂等の繊維強化プラスチック
(FRP)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン
(PP)等を含むポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル
樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエ
ン・スチレン樹脂(ABS樹脂)等からなる。これらの
熱可塑性樹脂も、熱成形し得る程度に架橋されていても
よい。
【0011】表側の面を構成する樹脂層11および2
1、ならびに裏側の面を構成する樹脂層12および22
は、いずれも抗菌剤を含有する。抗菌剤には、抗菌作用
を有する第四級アンモニウムイオンを吸着固定したリン
酸塩を主成分として含有するものを用いることができ
る。リン酸塩としては、たとえばリン酸カルシウム、リ
ン酸ジルコニウム、リン酸チタン、トリポリリン酸アル
ミニウムなどが挙げられ、好ましくはトリポリリン酸ア
ルミニウムである。第四級アンモニウムイオンとして
は、たとえばアルキルトリメチルアンモニウムイオン、
ジアルキルジメチルアンモニウムイオン、アルキルジメ
チルエチルアンモニウムイオン、ベンザルコニウムイオ
ン(アルキルベンジルジメチルアンモニウムイオン)、
アルキルピリジニウムイオン、アルキルアミドプロピル
ジメチルベンジルアンモニウムイオン、ベンジルジメチ
ル−p−(1,1,3,3−テトラメチルブチルフェノ
キシ)エチルアンモニウムイオンなどが挙げられ、好ま
しくはベンザルコニウムイオンである。ここで、アルキ
ル基の炭素数は8〜18程度である。また、金属として
銀、銅、亜鉛などを含むゼオライト、キトサン、ヨモ
ギ、ヒノキ(ヒノキチオール)、ヒバなどから得られる
天然抗菌剤を使用してもよい。その他に、ヨードホル
ム、銀シリカゲル系抗菌剤粒子、ジフェニール・エーテ
ル系抗菌剤、シリコン第四級アンモニウム塩、リン酸ジ
ルコニウムと酸化銀との混合物、イソチアン酸エステル
を用いることもできる。これらの化合物は、樹脂に混練
することにより、樹脂に抗菌性を与えるものである。抗
菌剤は、粉末状であってもよいし、液体状であってもよ
い。粉末状である場合、その粒子径は、通常0.05μ
m〜20μm程度である。
1、ならびに裏側の面を構成する樹脂層12および22
は、いずれも抗菌剤を含有する。抗菌剤には、抗菌作用
を有する第四級アンモニウムイオンを吸着固定したリン
酸塩を主成分として含有するものを用いることができ
る。リン酸塩としては、たとえばリン酸カルシウム、リ
ン酸ジルコニウム、リン酸チタン、トリポリリン酸アル
ミニウムなどが挙げられ、好ましくはトリポリリン酸ア
ルミニウムである。第四級アンモニウムイオンとして
は、たとえばアルキルトリメチルアンモニウムイオン、
ジアルキルジメチルアンモニウムイオン、アルキルジメ
チルエチルアンモニウムイオン、ベンザルコニウムイオ
ン(アルキルベンジルジメチルアンモニウムイオン)、
アルキルピリジニウムイオン、アルキルアミドプロピル
ジメチルベンジルアンモニウムイオン、ベンジルジメチ
ル−p−(1,1,3,3−テトラメチルブチルフェノ
キシ)エチルアンモニウムイオンなどが挙げられ、好ま
しくはベンザルコニウムイオンである。ここで、アルキ
ル基の炭素数は8〜18程度である。また、金属として
銀、銅、亜鉛などを含むゼオライト、キトサン、ヨモ
ギ、ヒノキ(ヒノキチオール)、ヒバなどから得られる
天然抗菌剤を使用してもよい。その他に、ヨードホル
ム、銀シリカゲル系抗菌剤粒子、ジフェニール・エーテ
ル系抗菌剤、シリコン第四級アンモニウム塩、リン酸ジ
ルコニウムと酸化銀との混合物、イソチアン酸エステル
を用いることもできる。これらの化合物は、樹脂に混練
することにより、樹脂に抗菌性を与えるものである。抗
菌剤は、粉末状であってもよいし、液体状であってもよ
い。粉末状である場合、その粒子径は、通常0.05μ
m〜20μm程度である。
【0012】本発明において、表側の面を構成する樹脂
層および裏側の面を構成する樹脂層は、ともに同じ抗菌
剤を含有してもよいし、異なる抗菌剤を含有してもよ
い。特に、第四級アンモニウムイオンを固定したリン酸
塩化合物は、部分的に架橋されたアクリル樹脂の透明度
を顕著に低下させることなく優れた抗菌性を樹脂に付与
することができるため、表側の面を構成する樹脂層の抗
菌剤としてより好ましい。
層および裏側の面を構成する樹脂層は、ともに同じ抗菌
剤を含有してもよいし、異なる抗菌剤を含有してもよ
い。特に、第四級アンモニウムイオンを固定したリン酸
塩化合物は、部分的に架橋されたアクリル樹脂の透明度
を顕著に低下させることなく優れた抗菌性を樹脂に付与
することができるため、表側の面を構成する樹脂層の抗
菌剤としてより好ましい。
【0013】表側の面を構成する樹脂層における抗菌剤
の濃度は、たとえば、0.1〜10重量%であり、裏側
の面を構成する樹脂層における抗菌剤の濃度は、たとえ
ば0.1〜50重量%である。表側に配置されるアクリ
ル樹脂は、好ましい光沢、透明度等を有し、好ましい外
観を呈することが望まれる。抗菌剤は、アクリル樹脂の
変色や物性の低下をもたらし得るため、表側の樹脂層に
添加される抗菌剤の濃度を低くし、裏側の樹脂層に添加
される抗菌剤の濃度を高くすることが、抗菌剤にかかる
コストを抑えながら、成形体全体として良好な抗菌性能
を得る上で好ましい。たとえば、部分的に架橋されたア
クリル樹脂からなる層(表側の面を構成する樹脂層)に
おける抗菌剤の濃度を0.1〜5重量%に抑え、裏側の
面を構成する樹脂層における抗菌剤の濃度をそれの1.
1〜10倍とすることで、アクリル樹脂の変色や物性低
下をより少なくしつつ良好な抗菌性能を得ることができ
る。
の濃度は、たとえば、0.1〜10重量%であり、裏側
の面を構成する樹脂層における抗菌剤の濃度は、たとえ
ば0.1〜50重量%である。表側に配置されるアクリ
ル樹脂は、好ましい光沢、透明度等を有し、好ましい外
観を呈することが望まれる。抗菌剤は、アクリル樹脂の
変色や物性の低下をもたらし得るため、表側の樹脂層に
添加される抗菌剤の濃度を低くし、裏側の樹脂層に添加
される抗菌剤の濃度を高くすることが、抗菌剤にかかる
コストを抑えながら、成形体全体として良好な抗菌性能
を得る上で好ましい。たとえば、部分的に架橋されたア
クリル樹脂からなる層(表側の面を構成する樹脂層)に
おける抗菌剤の濃度を0.1〜5重量%に抑え、裏側の
面を構成する樹脂層における抗菌剤の濃度をそれの1.
1〜10倍とすることで、アクリル樹脂の変色や物性低
下をより少なくしつつ良好な抗菌性能を得ることができ
る。
【0014】また、各樹脂層には、必要に応じて、有機
顔料および無機顔料を含む着色剤、離型剤、熱安定剤、
紫外線吸収剤、酸化防止剤、タルク、ガラス繊維などの
無機系充填剤、アルミフレーク片、雲母片、合成樹脂の
短繊維、セラミック粒子などの石目材等が配合されてい
てもよい。
顔料および無機顔料を含む着色剤、離型剤、熱安定剤、
紫外線吸収剤、酸化防止剤、タルク、ガラス繊維などの
無機系充填剤、アルミフレーク片、雲母片、合成樹脂の
短繊維、セラミック粒子などの石目材等が配合されてい
てもよい。
【0015】部分的に架橋されたアクリル樹脂には、た
とえば、以下のようなものがある。 (1)メチルメタクリレートを主成分とする単官能単量
体80〜99.99重量%とアリル系多官能単量体0.
01〜20重量%(好ましくは0.05〜10重量%)
との単量体混合物を重合してなるアクリル樹脂。 (2)メタクリル系モノマー100重量部に対し、粘度
平均分子量約10000〜約300000のメタクリル
系樹脂5〜50重量部(好ましくは10〜40重量部)
を溶解させてシロップとし、該シロップを重合させてな
るメタクリル樹脂。 (3) アクリル系単量体100重量部に、メルカプタ
ン0.01〜0.2重量部と、式{CH2=C(R)−
COO−}nY (式中、RはCH3またはHであり、Y
は炭素数5〜20のn価の炭化水素残基であり、nは2
〜4である。)で表される多官能性単量体(メルカプタ
ン1モル当たり0.1〜1.0モル)と、ラジカル重合
開始剤とを混合し、該混合液を重合させてなるアクリル
樹脂。
とえば、以下のようなものがある。 (1)メチルメタクリレートを主成分とする単官能単量
体80〜99.99重量%とアリル系多官能単量体0.
01〜20重量%(好ましくは0.05〜10重量%)
との単量体混合物を重合してなるアクリル樹脂。 (2)メタクリル系モノマー100重量部に対し、粘度
平均分子量約10000〜約300000のメタクリル
系樹脂5〜50重量部(好ましくは10〜40重量部)
を溶解させてシロップとし、該シロップを重合させてな
るメタクリル樹脂。 (3) アクリル系単量体100重量部に、メルカプタ
ン0.01〜0.2重量部と、式{CH2=C(R)−
COO−}nY (式中、RはCH3またはHであり、Y
は炭素数5〜20のn価の炭化水素残基であり、nは2
〜4である。)で表される多官能性単量体(メルカプタ
ン1モル当たり0.1〜1.0モル)と、ラジカル重合
開始剤とを混合し、該混合液を重合させてなるアクリル
樹脂。
【0016】浴槽、洗面台等のサニタリー製品に本発明
を適用する場合、使用者の目に触れる表面を構成する樹
脂層は、90℃程度の熱湯に対する耐久性を要求され
る。このような場合、表側の面を構成する樹脂層には、
ゲル化率(ゲル分率)が40〜95%である部分的に架
橋されたアクリル樹脂を使用することが好ましい。その
ようなアクリル樹脂も上記に従って得ることができる。
また、そのようなアクリル樹脂層の裏側に着色されたA
BS樹脂層を積層すれば、深み感のある色調が発現する
とともに、十分な強度を得ることができる。
を適用する場合、使用者の目に触れる表面を構成する樹
脂層は、90℃程度の熱湯に対する耐久性を要求され
る。このような場合、表側の面を構成する樹脂層には、
ゲル化率(ゲル分率)が40〜95%である部分的に架
橋されたアクリル樹脂を使用することが好ましい。その
ようなアクリル樹脂も上記に従って得ることができる。
また、そのようなアクリル樹脂層の裏側に着色されたA
BS樹脂層を積層すれば、深み感のある色調が発現する
とともに、十分な強度を得ることができる。
【0017】本発明の樹脂成形体は、たとえば少なくと
も2種の熱可塑性樹脂層が積層された構造を有し、一方
の面が部分的に架橋されたアクリル樹脂からなる第1の
層によって形成され、他方の面が第1の層と異なる熱可
塑性樹脂からなる第2の層によって形成された樹脂板
(図1)を成形することにより製造することができる。
かかる樹脂板は、たとえば部分的に架橋されたアクリル
樹脂からなるシートに熱可塑性樹脂を押出ラミネートす
る方法(特表平5−501388号公報など)、射出成
形する方法、射出圧縮成形(特開平11−142760
号公報など)する方法などにより製造することができ
る。樹脂板は、たとえば真空成形、圧空成形などの熱成
形法、プレス成形などの通常の成形方法により、樹脂成
形体(図2)に成形することができる。また、部分的に
架橋されたアクリル樹脂からなるシートを成形して予備
成形体を得、次いでこの予備成形体の裏側に熱可塑性樹
脂からなる第2の層を設けてもよい。第2の層を設ける
方法としては、たとえば射出成形法、射出圧縮成形法
(特開平11−147259号公報)などが挙げられ
る。図1および図2に示すような成形体に至るまでの製
造工程において、樹脂が溶融される段階があれば、溶融
された樹脂に抗菌剤を添加し、混練することにより、抗
菌剤を含有する樹脂層を得ることができる。また、樹脂
板またはシート、特に部分的に架橋されたアクリル樹脂
からなる板またはシートを注型重合により得る場合、注
型重合される原料中に抗菌剤を添加してもよい。
も2種の熱可塑性樹脂層が積層された構造を有し、一方
の面が部分的に架橋されたアクリル樹脂からなる第1の
層によって形成され、他方の面が第1の層と異なる熱可
塑性樹脂からなる第2の層によって形成された樹脂板
(図1)を成形することにより製造することができる。
かかる樹脂板は、たとえば部分的に架橋されたアクリル
樹脂からなるシートに熱可塑性樹脂を押出ラミネートす
る方法(特表平5−501388号公報など)、射出成
形する方法、射出圧縮成形(特開平11−142760
号公報など)する方法などにより製造することができ
る。樹脂板は、たとえば真空成形、圧空成形などの熱成
形法、プレス成形などの通常の成形方法により、樹脂成
形体(図2)に成形することができる。また、部分的に
架橋されたアクリル樹脂からなるシートを成形して予備
成形体を得、次いでこの予備成形体の裏側に熱可塑性樹
脂からなる第2の層を設けてもよい。第2の層を設ける
方法としては、たとえば射出成形法、射出圧縮成形法
(特開平11−147259号公報)などが挙げられ
る。図1および図2に示すような成形体に至るまでの製
造工程において、樹脂が溶融される段階があれば、溶融
された樹脂に抗菌剤を添加し、混練することにより、抗
菌剤を含有する樹脂層を得ることができる。また、樹脂
板またはシート、特に部分的に架橋されたアクリル樹脂
からなる板またはシートを注型重合により得る場合、注
型重合される原料中に抗菌剤を添加してもよい。
【0018】成形法において樹脂板を軟化させるための
加熱には、熱風循環加熱方式、遠赤外線輻射加熱方式な
どを使用できる。成形型には、雌型および雄型の双方を
使用することができ、成形型の材質は、木材、熱硬化性
樹脂等の樹脂、アルミニウム、亜鉛合金等の金属など、
通常の熱成形に用いるものとすることができる。
加熱には、熱風循環加熱方式、遠赤外線輻射加熱方式な
どを使用できる。成形型には、雌型および雄型の双方を
使用することができ、成形型の材質は、木材、熱硬化性
樹脂等の樹脂、アルミニウム、亜鉛合金等の金属など、
通常の熱成形に用いるものとすることができる。
【0019】本発明は、浴槽、洗面台などのサニタリー
製品の提供に特に有用である他、照明カバー、看板、自
動販売機の前面など、種々の用途に適用できる。特に、
本発明は、美観、外観の重要な用途、清潔さが強調され
る用途に適用される。
製品の提供に特に有用である他、照明カバー、看板、自
動販売機の前面など、種々の用途に適用できる。特に、
本発明は、美観、外観の重要な用途、清潔さが強調され
る用途に適用される。
【0020】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、2種
以上の熱可塑性樹脂層からなる製品について、表面にお
ける雑菌の繁殖が抑えられ、良好な外観および清潔さを
保持し、微生物による表面の変質が抑えられ得る樹脂製
品を提供することができる。
以上の熱可塑性樹脂層からなる製品について、表面にお
ける雑菌の繁殖が抑えられ、良好な外観および清潔さを
保持し、微生物による表面の変質が抑えられ得る樹脂製
品を提供することができる。
【図1】 本発明による成形体の一例を示す断面図であ
る。
る。
【図2】 本発明による成形体のもう一つの例を示す断
面図である。
面図である。
10 樹脂板、11,12,21,22 熱可塑性樹脂
層、20 サニタリー製品。
層、20 サニタリー製品。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 33/04 C08L 33/04 Fターム(参考) 4F071 AA33 AB25 AE22 BB03 BB05 BC01 BC07 4F100 AA04A AA04H AK01B AK25A AK74B BA02 BA10A BA10B BA15 BA27B CA30A CA30B EJ05A GB07 GB71 GB90 JB01 JB16B JC00 JK14 JN21 YY00B 4J002 BG041 BG051 BG061 DH046 DH056 DJ006 ED056 ET006 FB076 FD186
Claims (4)
- 【請求項1】 少なくとも2種の熱可塑性樹脂層が積層
された構造を有する樹脂成形体であって、 前記成形体の表側の面は、部分的に架橋されたアクリル
樹脂からなる第1の層によって形成され、 前記成形体の裏側の面は、前記第1の層と異なる熱可塑
性樹脂からなる第2の層によって形成され、 前記第1の層と前記第2の層の両方が、抗菌剤を含有す
ることを特徴とする樹脂成形体。 - 【請求項2】 前記第1の層における抗菌剤の濃度は、
前記第2の層における抗菌剤の濃度より低いことを特徴
とする請求項1に記載の樹脂成形体。 - 【請求項3】 前記第1の層が含有する抗菌剤は、第四
級アンモニウムイオンを固定したリン酸塩化合物である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂成形
体。 - 【請求項4】 前記第1の層は0.1〜5重量%の濃度
で抗菌剤を含有し、前記第2の層が含有する抗菌剤の濃
度は、前記第1の層における抗菌剤の濃度の1.1〜1
0倍であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1
項に記載の樹脂成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000088065A JP2001270047A (ja) | 2000-03-28 | 2000-03-28 | 抗菌性を有する樹脂成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000088065A JP2001270047A (ja) | 2000-03-28 | 2000-03-28 | 抗菌性を有する樹脂成形体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001270047A true JP2001270047A (ja) | 2001-10-02 |
Family
ID=18603990
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000088065A Withdrawn JP2001270047A (ja) | 2000-03-28 | 2000-03-28 | 抗菌性を有する樹脂成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001270047A (ja) |
-
2000
- 2000-03-28 JP JP2000088065A patent/JP2001270047A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20070605 |