JP2001269589A - 複合歯板 - Google Patents
複合歯板Info
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Abstract
高めリターン材の完全再利用を徹底する。 【解決手段】 破砕面へ別材質の刃先材2を多数嵌合し
た複合歯板であって、母材1は取付け面11から破砕面
12へ向けて少なくとも一面が縮小するテーパ面13を
具えた凹所14を穿設し、刃先材2は前記凹所14のテ
ーパ面13に適合する逆テーパ面21を具え、母材1へ
嵌合した刃先材2の底面22が前記取付け面11と同じ
平面となって本体の取付け板に一体的に支保される構成
とする。母材から刃先材が離脱不可能である上、構造も
シンプルで、離脱防止のため特定の部材や特殊な嵌合関
係を要件せず、大型から小型の歯板に適用が可能であ
る。使用後の複合材の分離も容易でリターン材の再利用
が完全である。
Description
の歯板、とくに高Mn鋳鋼などの母材に高Cr鋳鉄など
のより耐摩耗性の高い刃先材を嵌合した複合歯板に係
る。
って断面がV字形の破砕室を形成し、両歯の破砕面内で
動歯を固定したスィングジョーが揺動して上から供給さ
れた岩石を噛み込んで破砕する方式であるから、当然、
両歯の破砕面の損耗が著しく、歯板は消耗品の主体とな
る。この歯板の耐用期間を延ばすために波形の破砕面の
うち、最も摩耗の激しい山部を部分的により高耐摩耗性
の材質に置き換えた複合歯板が開発され種々の形態が実
施されている。
23542号は、角形のブロック101を母材102に
穿孔した角孔の中へ破砕面側から嵌合し、両者の隙間へ
流動性のある樹脂系の接着剤を流し込んで各ブロックを
接着する方法である。
材201が破砕面側から取付け面側へ向けて拡大するテ
ーパを具え、山の長手方向に分割した長方形よりなり、
母材202にはこれと逆テーパの長手方向に連続する取
付孔を穿設し、取付けに当っては、母材202の破砕面
側から複数個の刃先材201を空隙を隔てて配列し、各
刃先材間へ両側面が逆テーパのくさび材203を破砕面
側から打ち込んで刃先材201を固定する。
号は、角形の刃先材301が破砕面から取付け面側へ拡
大するテーパを具え、母材302は適合する逆テーパを
具えた取付け孔を貫通させる。取付けは刃先材301を
母材302の取付け面側から嵌入して接着剤を流し込ん
だ上、さらに取付け面と刃先材301の底面との間の段
差を埋める軟鋼裏板303で押接して溶接固着する手順
を採る。
号は、刃先材401が円柱形の耐摩耗材よりなり、母材
402にはこれと適合する円孔を穿設する。刃先材40
1の頂面は母材が円孔によって切り取られた破砕面の一
部(山部)を転写した形状とし、刃先材の底部と円孔の
底部にそれぞれ刃先材の回動によって係止する突条40
3と凹溝404を形成する。取付けは母材402の円孔
へ破砕面側から刃先材401を嵌入し、刃先材を回動し
て凹溝と突条を相互に係止させるという簡単な手順を特
徴とする。
を幾つか挙げたが、何れの形態も一長一短があり、すべ
ての項目については満足のできない課題を一部に残して
いる。まず、第一に重要なことは、ジョークラッシャー
はきわめて大きな衝撃を岩石に加えて噛み砕くものであ
るから、本質的に装置の部材、とくに歯板に与える衝撃
力は巨大である。複合歯板の基本的な要件として、使用
中のこの衝撃力に十分耐え、母材から刃先材が離脱しな
いことが絶対条件として求められる。その点から言え
ば、図6の嵌合は破砕面側から刃先材を嵌め込み接着剤
を流し込んで固定するだけであるから、一抹の不安がな
いでもない。
する手順である。図7、図8の従来技術は、破砕面側か
ら見れば離脱できない逆テーパに当るから離脱の懸念は
少ないとしても、図7は複数の刃先材を長手方向に並
べ、その間へくさびを打ち込むだけであるから、軟鋼な
どのくさび材が激しい摩耗を集中的に受けると刃先材を
拘束する力が失われ離脱する可能性が生じる。くさび材
と母材との係合が小さな範囲に限られることも衝撃の大
きさから考えると必ずしも万全とは言えないのではない
か。
る軟鋼裏板303を用意しなければならないし、刃先材
を嵌合した後に軟鋼裏板を取付け面側に固着する工程も
欠かせない。歯板の波の長手方向に複数の刃先材を嵌合
するとき、図のように歯板は一般に単純な平板ではな
く、長手方向の断面(山の尾根に相当)もなだらかな曲
線で形成している。従って刃先材とその背後を押圧する
裏板の厚さとは各刃先材毎に異なり、種々の組合わせと
なる。異なる寸法の刃先材と裏板の組合わせは煩瑣、複
雑な管理と工作を必要とし、現場的な負担は小さくな
い。
取付け手順もワンタッチに近く、少なくともこの二点に
おいては完全に課題を克服しているが、強いて難点を挙
げると、この技術的特徴は母材に穿孔した円孔の底部に
設ける凹溝や、刃先材底部に設ける突条にあるが、歯板
のサイズが小さくなるほど凹溝や突条のサイズも小さく
なり、鋳放しで形成することが難しくなることである。
母材の高Mn鋳鋼を鋳造するときは、この円孔を鋳放し
で成形するために鋳型(歯板の主型)へ中子を収める
が、歯板が小さく鋳込みが少量化すると、林立する多数
の中子に湯足が阻まれて湯流れが悪く、ただでさえ鋳造
性が低下する上、さらに細かい凹溝を正確に鋳出すこと
はかなり困難となり、実施上、歯板のサイズに制限を加
えざるを得ないという課題がある。
題として、母材は高Mn鋳鋼、刃先材は高Cr鋳鉄をは
じめ、それぞれ特殊な添加成分を大量に含むが、複合歯
板の使用によって摩耗が進み新品と取替えの時機になる
と、廃材は歯(山)の消滅した薄い角板に過ぎず、スク
ラップとして引取ってもそのまま一体的に他の屑鉄と同
様に再溶解するだけの価値しかない。すなわち複合歯板
の使用中は刃先材の離脱不可能という長所が、使用後は
材質別の分離不可能という短所に逆転することになり、
貴重な添加成分を積極的に有効利用することを防げるの
である。また、近年、企業努力が必要とされているリサ
イクルによる資源有効利用の推進にも課題が残る。
る課題として、使用開始当初の刃先材の欠けが挙げられ
る。刃先材の離脱防止については前述の如く絶対条件と
して挙げられているが、刃先材の欠けについてはまれ
に、使用開始後初期に現れる現象である。しかし、小片
であっても刃先材の欠けの発生度合いによって、破砕し
た岩石に鉄片が混入することになり、刃先材の寿命にも
影響を及ぼすことになる。
材が使用中に離脱せず、刃先材が使用開始後初期に欠け
ることがなく、構造がシンプルであり、構成する部材の
個数が少なく、組立て容易、かつ大型から小型の歯板に
も適用できる上、使用後のリターン材を確実、容易に分
離できる複合歯板の提供を目的とする。
は、波形の破砕面を有する母材1と、該破砕面上へ別の
より耐摩耗性に優れた材質よりなる刃先材2を多数嵌合
したジョークラッシャーの複合歯板において、母材1は
取付け面11から破砕面12へ向けて少なくとも一面が
縮小するテーパ面13を具えた凹所14を穿設し、刃先
材2は前記凹所14のテーパ面13に適合する逆テーパ
面21を具え、母材1へ嵌合した刃先材2の底面22が
前記取付け面11と同じ平面となってジョークラッシャ
ー本体のスィングジョー取付け板に一体的に支保される
ことによって前記の課題を解決した。
先材は離脱方向に対して逆テーパであり、破砕面側から
強い衝撃を受けるとスィングジョーの取付け板によって
取付け面全面として受け止められるから完全な離脱防止
作用の条件下で使用される。複合する手順は、刃先材を
母材の取付け面側から凹所で嵌入するだけで終了するか
ら、これ以上簡単な方法はあり得ない。また嵌合した
後、刃先材を固定するために他の部材を何ら必要とせ
ず、これほどシンプルな構成、手順は見出し難い。一
方、この特徴の結果、特に歯板のサイズに制約を受ける
こともなく、あらゆる形状、サイズの歯板に適用でき
る。
まで摩耗してほぼ平板状に近くなっても、母材の取付け
面側から破砕面側にかけて刃先材がテーパ面で係合して
貫通する関係は保たれているから、使用済みの廃品は破
砕面側を上に向け、上方からユンボなどで刃先材の頂面
を叩打すれば簡単に刃先材が落ち込んで母材と分離回収
ができる。
が表層15によって覆われているため保護された状態と
なっており、使用中に徐々に刃先材が露出してくること
になる。言い換えれば、なじみが良くなってから少しず
つ刃先材への衝撃が強くなる。このことにより、従来技
術の使用開始直後の岩石からの強衝撃により欠けが発生
しやすいことに対しても解決することができる。
の縦断正面図、縦断側面図、および平面図である。また
図4(A)〜(C)は刃先材の三面図を例示する。複合
歯板1の取付け面11は図示しないジョークラッシャー
のスィングジョー取付け板に全面密着して取付けられる
が、取付け面11の寸法は約1000mm×約600m
mの長方形よりなり、波形で形成する破砕面12の山部
までの肉厚は当初約150mmである。母材1の材質は
12%Mn鋳鋼で、鋳造後、水靭処理を施したオーステ
ナイト組織のJIS規格品である。
され、この図の例では破砕面の山部に沿って一列につき
5個ずつ嵌合する。山の長手方向に対しても、また、そ
れと直角方向に対しても何れも取付け面に向って拡大す
るテーパ面21を4側面とする、ほぼ載頭四角錐形より
なり、その底面22は母材1の取付け面11と全く同一
画に整合するように寸法設定する。
は母材1を貫通せず、したがって当初は破砕面12上へ
露呈することなく、破砕面12との間に表層15を隔て
て収容されている。刃先材2は表層15を残した母材1
の凹所14へ嵌入し、4側面の逆テーパ面21の他、頂
面23が表層15と当接し、全外周面を完全に包持され
る。
パ面21にも鋳造である限り若干の寸法誤差は避けられ
ず、ある範囲まで許容されているが、母材と刃先材を嵌
合したとき、それぞれの誤差が増幅する方向で重なると
きは、刃先材が母材に入り切らずに取付け面から突出す
る可能性がある。突出すれば同一面となるまで削り取ら
なければスィングジョーの取付け面との間にガタツキが
生じる。定まった肉厚の表層15があると、この表層の
裏面に刃先材の頂面23が密着して嵌入する高さが決っ
て了うので、嵌合時の調整がきわめて容易となる利点が
ある。なお、使用が始まると早期に表層15が摩耗し
て、あらためて刃先材2の頂面23が破砕面12上へ露
呈し、摩耗作用の直撃に立ち向かうことは言うまでもな
い。なお、図5は別の実施形態を示す三面図で、歯先材
2が角形ではなく円錐形をした鋳造品よりなり、取付け
面11から破砕面12に向けて縮径する勾配曲面で離脱
不可能に嵌合している。
立時の利便性を考慮して該表層の一部に穴を空けておく
ことも可能である。穴を設ける目的として鋳造性を考え
た場合、中子を安定して取付けた状態で造型することが
できる。また、組立時の利便性を考えた場合には、後述
する接着剤の補充などを行うことができる。いずれの場
合においても、表層に設けられる穴は刃先材が母材の破
砕面に対して同レベル又は飛び出すための目的で設けら
れたものとは異なり、あくまで使用開始後初期に刃先材
が岩石と現実的に直接衝撃を受け難い状況で設定が行わ
れる。
見れば、母材の破砕面12に相当する波面は通常鋳型の
下型として造型される。表層15を設けるためには上型
(取付け面11に相当)から凹所に相当する中子を吊り
下げ、下型面との間に隙間(表層に相当)を作らなけれ
ばならないが、貫通した凹所であれば中子を下型に置く
だけで済むという違いはある。何れを選ぶかは歯板の形
状、重量や、刃先材の占める容量比、湯流れ、嵌合の難
易、商品価値など諸条件を総合して決める。
て製品化した後、複合歯板を運搬、貯蔵、ジョークラッ
シャーへの取付けなど、実際の使用までの間に吊り上げ
たり反転する機会は希ではない。そのため刃先材を樹脂
系の接着剤などで仮付けしておくことが安全上、望まし
い。一旦、複合歯板をスィングジョーへ取付けて了えば
最早、接着剤の助けを借りるまでもなく、完全な離脱防
止機能が自動的に働く。
れ、スクラップ業者などで母材である高Mn鋳鋼と、刃
先材である高Cr鋳鉄に分けて回収される。従来技術の
複合歯板と異なり、刃先材は母材を貫通して上下両面に
露呈しているから、破砕面側から打撃を加えるとテーパ
嵌合が外れて母材の取付け面から刃先材が叩き出され容
易に分離する。
うに使用時に母材から刃先材が離脱不可能な構成である
上、構造もシンプルで、他の従来技術のように離脱防止
のため特定の部材や特殊な嵌合関係を要件とすることな
く、きわめて容易に組立てられ、大型から小型の歯板に
適用が可能であるなど従来技術の抱えるすべての課題を
克服した万能の効果がある。さらに加えて従来技術では
不可能であったスクラップの配合成分を有効に再利用す
るため、使用後の複合材の分離を容易ならしめ貴重な成
分元素を100%フルに活用できるエコロジー商品とし
ての価値を高める効果も看過できない。
(B)側面図(C)である。
図(B)側面図(C)である。
ある。
図(B)である。
の斜視図(B)である。
Claims (2)
- 【請求項1】 波形の破砕面を有する母材1と、該破砕
面上へ別のより耐摩耗性に優れた材質よりなる刃先材2
を多数嵌合したジョークラッシャーの複合歯板におい
て、母材1は取付け面11から破砕面12へ向けて少な
くとも一面が縮小するテーパ面13を具えた凹所14を
穿設し、刃先材2は前記凹所14のテーパ面13に適合
する逆テーパ面21を具え、母材1へ嵌合した刃先材2
の底面22が前記取付け面11と同じ平面となってジョ
ークラッシャー本体のスィングジョー取付け板に一体的
に支保されることを特徴とする複合歯板。 - 【請求項2】 請求項1において、母材1の凹所14は
取付け面11から破砕面12まで貫通せず表層15を残
して嵌合した刃先材2の頂面23と接して全外周面を包
持することを特徴とする複合歯板。
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