JP2001269521A - 塩素化有機化合物の採取用フイルター、塩素化有機化合物の採取器および塩素化有機化合物の採取方法 - Google Patents

塩素化有機化合物の採取用フイルター、塩素化有機化合物の採取器および塩素化有機化合物の採取方法

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JP2001269521A
JP2001269521A JP2000088061A JP2000088061A JP2001269521A JP 2001269521 A JP2001269521 A JP 2001269521A JP 2000088061 A JP2000088061 A JP 2000088061A JP 2000088061 A JP2000088061 A JP 2000088061A JP 2001269521 A JP2001269521 A JP 2001269521A
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English (en)
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Katsuhisa Honda
克久 本田
Muneshiro Ouchi
宗城 大内
典明 ▲浜▼田
Noriaki Hamada
Masazumi Yamashita
正純 山下
Yasushi Nakamura
裕史 中村
Osamu Kajikawa
修 梶川
Takatomo Fujii
孝友 藤井
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Miura Co Ltd
Osaka Gas Co Ltd
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Miura Co Ltd
Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流体中に含まれる粒子状態およびガス状態の
両方の形態の各種の塩素化有機化合物を同時に捕捉して
採取し、しかも採取した塩素化有機化合物を容易に抽出
できるようにする。 【解決手段】 採取器3は、排出路12aを有するホル
ダー6内に配置された採取用フイルター7を有してい
る。採取用フイルター7は、繊維材料を用いて形成され
た多孔質体と、当該多孔質体に対して付与された無機吸
着剤とを含んでいる。煙道25から採取管2を経由して
ホルダー6内に流入する、各種の塩素化有機化合物を含
む試料ガスは、そこに含まれる粒子状態およびガス状態
の両方の形態の、ダイオキシン類やコプラナーPCB等
の各種の塩素化有機化合物が採取用フイルター7を通過
する際に捕捉されて採取され、当該塩素化有機化合物が
取り除かれた状態で排出路12aから外部に排出され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、採取用フイルタ
ー、特に、塩素化有機化合物の採取用フイルターに関す
る。
【0002】
【従来の技術とその課題】産業廃棄物や一般家庭ごみな
どの廃棄物を焼却処理するための焼却施設から発生する
排気ガス中には、ダイオキシン類、コプラナーPCBを
はじめとするポリクロロビフェニル類、クロロフェノー
ル、クロロベンゼンなどの各種の塩素化有機化合物が含
まれている。
【0003】ここで、ダイオキシン類は、ポリ塩化ジベ
ンゾ・パラ・ダイオキシン類(PCDDs)やポリ塩化
ジベンゾフラン類(PCDFs)等の総称であり、周知
の如く極めて毒性の強い環境汚染物質であるが、その中
でも四塩化ジベンゾダイオキシン(T4CDDs)は特
に最強の毒性物質として知られている。また、ポリクロ
ロビフェニル類は、同様に毒性の強い環境汚染物質であ
るが、その中でも、コプラナーPCBはダイオキシン類
と同じく最強の毒性物質として認知されている。一方、
クロロフェノールやクロロベンゼンなどの塩素化有機化
合物は、ダイオキシン類に比べて毒性は弱いが、一定の
条件下、例えば、焼却炉内でフライアッシュ中に含まれ
る種々の元素を触媒として排気ガスの温度範囲でダイオ
キシン類に変化しやすいことが判明しているため、ダイ
オキシン類と同様に環境汚染物質として認識されてい
る。このため、環境保全の観点から、上述のような各種
の塩素化有機化合物を排気ガスや廃水などの流体中から
除去するための方策の確立が緊急の課題となっており、
同時にこのような流体中に含まれる塩素化有機化合物を
分析するための手法の確立が世界的規模で急がれてい
る。
【0004】ところで、流体中に含まれる塩素化有機化
合物を分析する際には、先ず、分析対象となる流体から
精密かつ正確に試料を入手する必要がある。例えば、排
気ガス中に含まれる塩素化有機化合物を分析する場合
は、排気ガスを含む空間、例えば排気ガスが流れる煙道
から試料ガスを一定量採取し、この試料ガス中に含まれ
る各種の塩素化有機化合物を漏れなく確実に捕捉する必
要がある。特に、上述のような環境汚染物質であるダイ
オキシン類やコプラナーPCBは、試料ガス中に含まれ
る量が極めて微量であり、また、粒子状態やガス状態な
どの各種の形態であって種類も多岐に渡るため、その精
密な採取を無くしては信頼性の高い分析結果は期待でき
ない。また、上述のコプラナーPCBは、大気中に多く
含まれているため、そのようなコプラナーPCBにより
試料ガスが汚染されると、同じく信頼性の高い分析結果
は期待できない。このため、我国、米国およびヨーロッ
パの各国は、分析結果の正確性を担保するために、例え
ば排気ガス中に含まれるダイオキシン類やコプラナーP
CB等の塩素化有機化合物を分析するために必要な試料
の採取方法を公的に規定しつつある。
【0005】例えば、平成11年9月20日制定の日本
工業規格JIS K 0311:1999は、「排ガス
中のダイオキシン類及びコプラナーPCBの測定方法」
を規定しており、そこにおいてダイオキシン類などの塩
素化有機化合物を含む試料ガスの採取装置を具体的に規
定している。この採取装置は、焼却装置の排気ガスが流
れる煙道から試料ガスを採取するための採取管、採取管
により採取された試料ガス中に含まれる主に粒子状態の
塩素化有機化合物を捕捉するためのフイルター材を備え
た第1捕捉器、および第1捕捉器で捕捉されにくいガス
状態の塩素化有機化合物を捕捉するための第2捕捉器を
主に備えている。ここで、第2捕捉器は、主に、吸収液
を入れた複数のガラス製インピンジャーからなる液体捕
集部と吸着剤(例えばXAD−2)を配置した吸着捕集
部とを備え、第1捕捉器で捕捉されないガス状態の塩素
化有機化合物をインピンジャー内の吸収液と吸着剤とに
より捕捉し得るように構成されている。
【0006】このような採取装置は、第1捕捉器と第2
捕捉器とを備えた複雑な構成を有し、しかもガラス製器
具を多用していることから高価であるため、繰り返して
利用する場合が多い。この場合、測定データの信頼性を
確保するためにインピンジャーをはじめとする各部材を
清浄に保つ必要があるので、試料ガスを採取する前の洗
浄操作等の準備操作が非常に煩雑になる。また、試料ガ
ス中に含まれるガス状態の塩素化有機化合物を第2捕捉
器で捕捉する際には、第2捕捉器をドライアイス等の冷
却材を用いて冷却する必要があり、試料の採取操作その
ものも非常に煩雑になる。さらに、試料ガスの採取後に
おいては、第1捕捉器および第2捕捉器により捕捉され
た塩素化有機化合物を抽出する必要があるが、ここでは
第1捕捉器および構成が複雑な第2捕捉器によりそれぞ
れ捕捉された塩素化有機化合物を個別に抽出する必要が
あるため、抽出操作そのものが煩雑であって完了までに
長時間を要し、また、抽出操作の巧拙により分析結果の
信頼性が左右される場合も多い。さらに、この採取装置
は、第1捕捉器および第2捕捉器の2種類の捕捉器から
なるため必然的に大型化し、しかもガラス器具を多用し
ていることから破損し易いので、試料ガス採取時の取扱
いや運搬も困難である。
【0007】一方、米国の環境保護庁(EPA)およびヨ
ーロッパ規格委員会(CEN)もそれぞれ独自の公定法を
定めているが、そこに示されている採取装置は、上述の
ような日本のものとは細部において異なるものの、構成
の複雑さや取扱の困難性などの点においては大きな変わ
りはない。
【0008】本発明の目的は、流体中に含まれる粒子状
態およびガス状態の両方の形態の各種の塩素化有機化合
物を同時に捕捉して採取し、しかも採取した塩素化有機
化合物を容易に抽出できるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る塩素化有機
化合物の採取用フイルターは、流体中に含まれる塩素化
有機化合物を当該流体から取り除いて採取するためのも
のであり、繊維材料を用いて形成された多孔質体と、当
該多孔質体に対して付与された無機吸着剤とを含んでい
る。
【0010】ここで、多孔質体は、通常、空隙率が80
%以上100%未満に設定されている。また、繊維材料
は、例えば、繊維状活性炭、炭素繊維、ガラス繊維、ア
ルミナ繊維、シリカ繊維およびテフロン繊維からなる群
から選択された少なくとも1種である。
【0011】一方、無機吸着剤は、通常、タールを吸着
可能なものである。この場合、無機吸着剤は、例えば、
アルミナ、ゼオライトおよび二酸化ケイ素からなる群か
ら選択された少なくとも1種である。また、無機吸着剤
は、例えば多孔質体に含浸されている。さらに、無機吸
着剤は、例えば、多孔質体の重量の10〜150重量%
多孔質体に対して付与されている。
【0012】なお、多孔質体は、例えば、一端が閉鎖さ
れた円筒状である。
【0013】本発明に係る塩素化有機化合物の採取器
は、輸送管内を流れる流体中に含まれる塩素化有機化合
物を採取するためのものであり、輸送管からの流体を通
過させるためのフイルターと、当該フイルターを収容し
かつフイルターを通過した流体を外部に排出するための
排出口を有する容器とを備えている。ここで、フイルタ
ーは、繊維材料を用いて形成された多孔質体と、当該多
孔質体に対して付与された無機吸着剤とを含んでいる。
また、フイルターは、例えば、一端に輸送管を挿入する
ための開口部を有しかつ他端が閉鎖された円筒状であ
る。
【0014】本発明に係る塩素化有機化合物の採取方法
は、輸送管内を流れる流体中に含まれる塩素化有機化合
物を採取するための方法であり、繊維材料を用いて形成
された多孔質体と、当該多孔質体に対して付加された無
機吸着剤とを含むフイルターに、輸送管からの流体を通
過させる工程を含んでいる。
【0015】
【作用】本発明に係る塩素化有機化合物の採取用フイル
ターは、粒子状態およびガス状態の両方の形態のダイオ
キシン類やコプラナーPCBなどの各種の塩素化有機化
合物を含む流体が通過すると、流体中に含まれる上述の
両方の形態の各種の塩素化有機化合物を多孔質体および
無機吸着剤により同時に捕捉して採取し、これらの塩素
化有機化合物を流体から取り除く。フイルターにより採
取された各種の塩素化有機化合物は、フイルターに対し
て各種の抽出操作を適用すると抽出される。
【0016】本発明に係る塩素化有機化合物の採取器に
おいて、輸送管からの流体は、容器内のフイルターを通
過した後、排出口から外部に排出される。この際、流体
中に含まれる、粒子状態およびガス状態の両方の形態の
ダイオキシン類やコプラナーPCBなどの各種の塩素化
有機化合物は、フイルターを構成する多孔質体および無
機吸着剤により同時に捕捉されて流体から取り除かれ、
フイルターに採取される。フイルターに採取された各種
の塩素化有機化合物は、当該フイルターに対して各種の
抽出操作を適用すると抽出される。
【0017】本発明に係る塩素化有機化合物の採取方法
において、輸送管からの流体は、フイルターを通過する
際、そこに含まれる粒子状態およびガス状態の両方の形
態のダイオキシン類やコプラナーPCBなどの各種の塩
素化有機化合物がフイルターを構成する多孔質体および
無機吸着剤により同時に捕捉されて採取される。フイル
ターにより採取された各種の塩素化有機化合物は、フイ
ルターに対して各種の抽出操作を適用すると抽出され
る。
【0018】
【発明の実施の形態】図1に、本発明に係る塩素化有機
化合物の採取器の一形態が採用された塩素化有機化合物
採取装置の概略構成を示す。この採取装置1は、流体の
うち、排気ガスなどの試料流体(試料ガス)に含まれる
塩素化有機化合物を採取するためのものである。図にお
いて、採取装置1は、採取管2、採取器3(本発明に係
る採取器の実施の一形態)および吸引器4を主に備えて
いる。
【0019】採取管2は、例えば、ほうけい酸ガラス製
または透明石英ガラス製のものであり、その内部を通過
する試料ガスを冷却するための冷却器5を有している。
【0020】図2、図3(図2の縦断面図)および図4
(図2のIV−IV断面図)を参照して、採取器3の詳
細を説明する。図において、採取器3は、ホルダー(容
器の一例)6、ホルダー6内に配置された、試料ガス中
に含まれる塩素化有機化合物を捕捉して採取するための
採取用フイルター7(本発明に係る塩素化有機化合物の
採取用フイルターの実施の一形態)、採取管2を経由し
て輸送される試料ガスを採取用フイルター7内に導入す
るための導入管8(輸送管の一例)および導入管8をホ
ルダー6に対して装着するための装着体9を主に備えて
いる。
【0021】ホルダー6は、透明なガラスからなる概ね
円筒状の容器であり、採取用フイルター7を収容可能な
本体部10と、装着体9を装着するための装着部11
と、試料ガスを排出するための排出部12とを主に有し
ている。装着部11は、本体部10の端部に一体に設け
られており、直径が本体部10に比べて縮小されてい
る。この装着部11は、外周面に螺旋溝11aが形成さ
れており、また、端部に開口部11bを有している。
【0022】排出部12は、本体部10の他方の端部に
一体に設けられており、試料ガスを外部に排出するため
の排出路(排出口の一例)12aと分岐路12bとを有
している。分岐路12bは、排出部12内を通過する試
料ガスの温度を測定するための温度計や熱電対などの測
温器27(図1)を排出部12内に挿入するためのもの
である。
【0023】採取用フイルター7は、一端が閉鎖されか
つ他端に試料ガスを導入するための開口部7aを有する
円筒状の多孔質の成形体、すなわち多孔質の円筒状フイ
ルターであり、開口部7a側が装着体9により支持され
つつ、閉鎖端側が開口部11bからホルダー6の本体部
10内に挿入されている。採取用フイルター7は、その
大きさが特に限定されるものではないが、通常は長さ5
0〜150mm、開口部7a側の端部の外径12〜35
mm、閉鎖端側の外径10〜30mm、厚さ1〜10m
mに設定されており、閉鎖端側の外径が開口部7a側の
端部の外径よりも小さく設定されたテーパー形状に形成
されている。なお、採取用フイルター7の詳細について
はさらに後述する。
【0024】導入管8は、ホルダー6と同じくガラスか
らなる管状の部材であり、採取用フイルター7の開口部
7aに対して着脱可能である。すなわち、この導入管8
は、一端に採取管2の端部を連結するための連結部13
を有しており、また、他端が装着体9を貫通して採取用
フイルター7の開口部7a内に着脱可能に挿入されてい
る。
【0025】装着体9は、採取用フイルター7をホルダ
ー6内で支持するための第1支持体14と、導入管8を
第1支持体14に対して装着するための第2支持体15
とを有している。第1支持体14は、樹脂製または金属
製の部材であり、採取用フイルター7の開口部7a側端
部を支持するための穴部14aを有している。穴部14
aの内周面には、螺旋溝14bが形成されている。第1
支持体14は、その螺旋溝14bによりホルダー6の装
着部11側の螺旋溝11aに螺旋止めされている。ま
た、第1支持体14は、図3の左方向に突出する突出部
16を有している。突出部16は、導入管8の先端部を
挿入可能な貫通孔16aを有しており、また、外周面に
螺旋溝16bが形成されている。
【0026】一方、第2支持体15は、第1支持体14
と同じく樹脂製または金属製の部材であって内周面に螺
旋溝15aが形成された蓋状に形成されており、導入管
8を挿入するための貫通孔15bを有している。この第
2支持体15は、貫通孔15bに導入管8が挿入された
状態で、螺旋溝15aにより第1支持体14の突出部1
6の螺旋溝16bに螺旋止めされている。
【0027】このような採取器3に装着された採取用フ
イルター7は、ホルダー6から取り外すことができる。
この場合は、装着体9の第2支持体15を第1支持体1
4から取り外し、導入管8を採取用フイルター7から抜
き取る。そして、第1支持体14をホルダー6から取り
外すと、採取用フイルター7は第1支持体14により支
持されつつホルダー6から取り出される。
【0028】吸引器4は、排気流路20と吸引装置21
とを備えている。排気流路20は、一端が管状ジョイン
ト22を用いて採取器3の排出路12aに連結されてお
り、また、採取器3側から順に冷却器23とトラップ2
4とをこの順に有している。吸引装置21は、排気流路
20の他端に取付けられており、吸引ポンプ21aとガ
スメーター21bとをこの順に有している。吸引ポンプ
21aは、流量調節機能を有し、24時間以上連続的に
使用できるものである。また、ガスメーター21bは、
試料ガスの流量を測定するするためのものであり、10
〜40l/分の範囲を0.1l/分まで測定できるもの
である。
【0029】次に、上述の採取器3において用いられる
採取用フイルター7の詳細について説明する。採取用フ
イルター7は、繊維材料を用いて形成された通気性を有
する多孔質体からなり、当該多孔質体に対して無機吸着
剤が付与されたものである。
【0030】ここで、多孔質体を形成する繊維材料は、
ダイオキシン類、その前駆体およびコプラナーPCB等
の各種の塩素化有機化合物と実質的に化学反応しないも
のであり、例えば、繊維状活性炭、炭素繊維、ガラス繊
維、アルミナ繊維、シリカ繊維およびテフロン繊維など
である。これらの繊維材料は、それぞれ単独で用いられ
てもよいし、2種以上のものが併用されてもよい。な
お、繊維材料の繊維径および比表面積は、特に限定され
るものではない。
【0031】上述の繊維材料からなる多孔質体は、通
常、空隙率が80%以上100%未満に設定されている
のが好ましく、90%以上100%未満に設定されてい
るのがより好ましい。空隙率が80%未満の場合は、後
述する分析操作において、採取用フイルター7により捕
捉されて採取された塩素化有機化合物を短時間で効率的
に抽出するのが困難になるおそれがある。なお、ここで
の空隙率は、多孔質体の嵩密度(g/cm3)と真比重
(g/cm3)とから下記の計算式に従って求められる
値である。
【0032】
【数1】
【0033】このような多孔質体は、通常、上述の繊維
材料をバインダーと共に混合し、これにより得られた混
合物を上述のような所定の円筒形状、すなわち一端が閉
鎖された円筒形状に成形すると得られる。なお、バイン
ダーとしては、例えば、セルロース系バインダーを用い
ることができる。
【0034】一方、上述の多孔質体に対して付与されて
いる無機吸着剤は、公知の各種のものであり、例えば、
アルミナ、ゼオライト、二酸化ケイ素(シリカ)、酸性
白土およびアパタイトなどを挙げることができる。これ
らの無機吸着剤は、それぞれ単独で用いられてもよい
し、2種以上のものが併用されてもよい。
【0035】ここで、ゼオライトは、一般式Xmn2n
・sH2Oで示される含水アルミノケイ酸塩であり、一
般式中、XはNa、CaまたはK等を、YはSi+Al
をそれぞれ示しており、また、sは不定である。このよ
うなゼオライトとしては、天然ゼオライト、合成ゼオラ
イトおよび人工ゼオライトの各種が知られているが、本
発明では人工ゼオライトを用いるのが好ましい。
【0036】人工ゼオライトは、石炭灰などを原料とし
て合成されるゼオライトを言い、純粋なケイ酸や水酸化
アルミニウム等の原料を用いて製造される合成ゼオライ
トとは区別されるものである。人工ゼオライトは、ゼオ
ライトになりきっていない中間生成物や活性炭のような
有機物を含んでおり、ゼオライトの純品の含有率および
結晶度は、合成ゼオライトと天然ゼオライトとの中間に
位置している。人工ゼオライトは、一般に天然ゼオライ
トと同等またはそれ以下の価格であって合成ゼオライト
よりも廉価であるが、含有する不純物(例えば中間生成
物や未燃焼炭素分)に起因して、吸着性能や表面酸性等
の点において合成ゼオライトや天然ゼオライトとは異な
る特異的な特徴を有している。例えば、人工ゼオライト
の陽イオン交換容量は、通常、天然ゼオライトと同等乃
至3倍程度である。
【0037】人工ゼオライトは、市販のものを用いても
よいが、飛灰から製造したものを用いるのがコスト的に
有利である。飛灰としては、雑多な不純物を含まない点
で石炭やパルプなどの焼却灰を用いるのが好ましいが、
その他の一般廃棄物や産業廃棄物の焼却灰等を用いるこ
ともできる。このような飛灰を用いて人工ゼオライトを
製造する場合は、先ず、粒径の小さな飛灰と水酸化ナト
リウム水溶液(規定度=2.5〜3.5N)とを90℃
程度で12〜28時間反応させる。このような反応工程
により得られる粉末を水洗した後に乾燥すると、Na型
の人工ゼオライトが得られる。その後、このNa型の人
工ゼオライトと塩化カルシウムとを2時間程度さらに反
応させてNaをCaと置換し、これにより得られる粉末
を水洗した後に乾燥すると、Ca型の人工ゼオライトが
得られる。なお、人工ゼオライトとしては、その他、P
b型人工ゼオライト、Ag型人工ゼオライトおよびMg
型人工ゼオライトなどが用いられてもよいが、本発明で
は安全面および価格面からCa型ゼオライトを用いるの
が最も好ましい。
【0038】上述のような無機吸着剤のうち、本発明で
は、タールを効果的に吸着可能なものを用いるのが好ま
しい。このような特徴を有する無機吸着剤を用いた場
合、採取用フイルター7は、例えば試料ガス中に含まれ
る一酸化炭素に由来して生成するタールを効果的に吸着
することができ、そのようなタール中に溶け込んだダイ
オキシン類やコプラナーPCB等の各種の塩素化有機化
合物をもより確実に捕捉して採取することができる。な
お、タールを吸着可能な無機吸着剤としては、アルミ
ナ、ゼオライトおよび二酸化ケイ素を例示することがで
きる。なお、アルミナとしては、活性アルミナを用いる
のが特に好ましい。また、ゼオライトとしては、上述の
人工ゼオライト、中でもCa型人工ゼオライトを用いる
のが特に好ましい。これらのタールを吸着可能な無機吸
着剤は、それぞれ単独で用いられてもよいし、2種以上
のものが併用されてもよい。
【0039】上述の無機吸着剤は、上述の多孔質体に対
して含浸されている。多孔質体に対して無機吸着剤を含
浸するための方法としては、例えば、無機吸着剤が水中
に均一に分散された分散液を調製し、多孔質体をこの分
散液中に浸漬してから乾燥若しくは焼結する方法を採用
することができる。なお、乾燥若しくは焼結方法として
は、多孔質体を150〜600℃程度で加熱処理して水
分を除去する方法を採用するのが好ましい。特に、無機
吸着剤としてアルミナを用いる場合は、アルミナを活性
化する効果が発揮されることから、多孔質体の加熱処理
温度を300〜450℃に設定するのが好ましい。
【0040】多孔質体に対する無機吸着剤の付与量は、
通常、多孔質体の重量の10〜150重量%に設定され
ているのが好ましく、40〜100重量%に設定されて
いるのがより好ましい。無機吸着剤の付与量が10重量
%未満の場合は、試料ガス中に含まれるタールの一部が
採取用フイルター7を通過してしまう可能性があり、そ
の結果、当該通過したタール中に溶解している各種の塩
素化有機化合物が採取用フイルター7に採取されずに外
部に排出されてしまうおそれがある。逆に、150重量
%を超える場合は、採取用フイルター7において、試料
ガス中に含まれる粒子状物を捕捉した際に圧損が高まる
おそれがあり、また、多孔質体の空隙率が低下すること
から、後述する抽出操作において抽出率の低下を招くお
それがある。
【0041】次に、上述の採取装置1の使用方法、すな
わち、上述の採取装置1を用いた塩素化有機化合物の採
取方法について説明する。ここでは、廃棄物を焼却処理
するための焼却施設の空間内、例えば煙道内を流れる排
気ガスから試料ガスを採取し、その試料ガス中に含まれ
るダイオキシン類やコプラナーPCBなどの各種の塩素
化有機化合物を採取する場合について説明する。この場
合、図1に示すように、採取装置1の採取管2の先端部
を煙道25に設けられた試料採取口25aから煙道25
内に挿入する。この際、採取管2にパッキン26を装着
し、採取管2と試料採取口25aとの隙間を気密に封止
する。また、採取器3の分岐路12b内に温度計や熱電
対などの測温器27を装着する。
【0042】この状態で吸引ポンプ21aを作動させ、
煙道25内を流れる排気ガスの一部を試料ガスとして採
取管2内に等速吸引する。この際、JIS Z 880
8に準じて煙道25内を流れる排気ガスの温度、流速、
圧力、水分量などを測定して等速吸引量を計算し、その
計算結果に基づいて吸引ポンプ21aによる吸引流量を
調整する。ここで設定した流量は、その結果をガスメー
ター21bにより適宜監視し、等速吸引状態が継続され
るように適宜調節するのが好ましい。
【0043】採取管2内に流れ込んだ試料ガスは、冷却
器5により冷却され、通常、ダイオキシン類の生成温度
以下、例えば120℃以下の温度に冷却される。これに
より、採取管2内では、ダイオキシン類の新たな発生が
防止される。
【0044】冷却された試料ガスは、採取管2から採取
器3の導入管8を経由して採取用フイルター7内に流入
する。採取用フイルター7内に流入した試料ガスは、図
3に矢印で示すように、採取用フイルター7を通過して
ホルダー6の本体部10内に流出し、さらに排出路12
aを経由して吸引器4に向けて流れる。この際、試料ガ
ス中に含まれる、各種の煤塵、並びに粒子状態およびガ
ス状態の両形態の、ダイオキシン類やコプラナーPCB
等の各種の塩素化有機化合物は、採取用フイルター7を
構成する、上述の繊維材料を用いて形成された多孔質体
および当該多孔質体に対して付与された無機吸着剤によ
り同時に捕捉され、試料ガス中から採取される。
【0045】ところで、試料ガス中に未燃分の炭化水素
類や一酸化炭素(CO)等の炭素化合物が多く含まれる
場合、試料ガス中には当該炭素化合物に由来するタール
が生成し易い。このタールは、ダイオキシン類やコプラ
ナーPCBをはじめとする各種の塩素化有機化合物を溶
解して内部に取り込む場合が多い。このため、採取用フ
イルター7に代えて上述のような無機吸着剤が付与され
ていないもの、すなわち、上述の多孔質体のみからなる
フイルターを用いた場合、当該フイルターは試料ガス中
で生成したタールを効果的に捕捉することができず、結
果的に試料ガス中に含まれるタールの一部が当該フイル
ターを通過して外部に排出されてしまう可能性がある。
すなわち、当該一部のタールと共に、そこに溶解した塩
素化有機化合物がフイルターにより採取されずに外部に
排出される可能性がある。これは、本発明者等が本発明
に至る過程において見い出した現象であり、未燃分の炭
素化合物の多少を判断する指標として、一酸化炭素を用
いて判定した場合、特に、試料ガス中に含まれる一酸化
炭素濃度が150ppmを超える場合にこのようなター
ルの通過が顕著に起こり得ることが判明している。
【0046】これに対し、本発明の採取用フイルター7
は、繊維材料を用いて形成された上述のような特定の多
孔質体に対して上述のような無機吸着剤が付与されたも
のであるため、たとえ試料ガス中の未燃分の炭素化合物
濃度が高濃度であっても(例えば、試料ガス中の一酸化
炭素濃度が150ppmを超えるような場合であって
も)、試料ガス中に含まれるタールをも実質的に漏れな
く捕捉することができる。つまり、この採取用フイルタ
ー7は、試料ガス中の未燃分の炭素化合物濃度の高低に
拘わらず、試料ガス中に含まれる、粒子状態およびガス
状態の両形態のダイオキシン類やコプラナーPCB等の
各種の塩素化有機化合物を実質的に漏れなく捕捉して採
取することができる。
【0047】上述のようにして、煤塵並びに粒子状態お
よびガス状態の各種の塩素化有機化合物が採取用フイル
ター7により実質的に漏れなく取り除かれた試料ガス
は、続けて排出路12aから吸引器4に向けて流れる。
この際、排出路12aを流れる試料ガス温度は、分岐路
12bに装着された測温器27により測定され、管理さ
れる。
【0048】排出路12aから排出された試料ガスは、
排気流路20内に流れ込み、その冷却器23によりさら
に冷却される。これにより、試料ガス中に含まれる水分
が凝縮し、トラップ24内に貯留される。このようにし
て水分が取り除かれた試料ガスは、吸引ポンプ21aを
経由してガスメーター21bから外部に排出される。な
お、このような採取装置1による試料ガス、すなわち排
気ガスの採取は、通常、塩素化有機化合物の検出限界値
から想定される排気ガス量に相当する時間(通常、排気
ガス1〜3Nm3/3〜4時間)実施される。
【0049】このようにして採取された試料ガス(排気
ガス)中に含まれる塩素化有機化合物濃度を分析する場
合は、煙道25から採取装置1を取り外し、また、採取
装置1から採取器3を分離する。さらに、分離された採
取器3から、採取用フイルター7を取り出す。
【0050】次に、採取管2、導入管8およびホルダー
6内を溶媒を用いて洗浄し、その際の洗浄液を確保す
る。また、採取器3の採取用フイルター7により捕捉さ
れた塩素化有機化合物を溶媒で抽出する。ここで、採取
用フイルター7に捕捉された塩素化有機化合物の抽出操
作は、例えば通常のソックスレー抽出器を用いて実施す
ることができるが、この採取用フイルター7は、上述の
ような小型サイズに設定されている場合は高速抽出器の
セル内に収容することができ、当該高速抽出器を用いて
速やかに抽出操作を実施することができる。また、当該
採取用フイルター7は、それを構成する多孔質体の空隙
率が上述の範囲に設定されている場合、抽出時間を短縮
するための特殊な抽出条件を設定する必要がなく、捕捉
した塩素化有機化合物を短時間で速やかに溶媒中に溶出
させることができる。
【0051】塩素化有機化合物を分析する際は、上述の
洗浄液および上述のような抽出操作により得られた抽出
液を合せ、これに対して分析操作を実施する。この場合
の分析方法としては、例えば、厚生省生活衛生局水道環
境部環境整備課編「廃棄物処理におけるダイオキシン類
標準測定分析マニュアル」(平成9年3月:財団法人廃
棄物研究財団発行)に記載された方法、または日本工業
規格JIS K 0311:1999(平成11年9月
20日制定)に規定された方法に従い、ガスクロマトグ
ラフ質量分析法(GC/MS法)を用いた方法を採用す
ることができる。
【0052】採取装置1を用いて別の試料ガスを採取す
る場合は、例えば、採取器3を新たなものに交換する。
この場合、採取装置1は、採取管2のみを十分に洗浄す
るだけで次の試料ガス採取用に供することができるの
で、試料ガス採取前の準備作業が従来のインピンジャー
を用いたものに比べて格段に軽減され、試料ガス採取に
要する時間を大幅に短縮することができ、また、試料ガ
ス採取に要するコストを大幅に低減することができる。
また、この採取装置1、特に採取器3は、従来の複雑な
採取装置に比べて構成が簡素であるため、取扱いや持ち
運びが容易である。このため、この採取装置1を用いれ
ば、従来のインピンジャーを用いた大型の採取装置が設
置しにくい煙道等に対しても、容易に試料ガスの採取作
業を実施することができる。
【0053】なお、一度使用された採取器3は、ホルダ
ー6と導入管8とを十分に洗浄し、採取用フイルター7
を新たなものに取り替えると、繰返して再利用すること
ができる。
【0054】[他の実施の形態] (1)上述の実施の形態では、採取用フイルター7とし
て多孔質の円筒状のものを用いたが、本発明はこれに限
定されない。例えば、採取用フイルター7が多孔質の円
柱状や多孔質の円盤状に形成されている場合も本発明を
同様に実施することができる。
【0055】(2)上述の実施の形態に係る採取用フイ
ルター7は、円筒状の多孔質体に対して無機吸着剤の水
溶液を含浸することにより、当該多孔質体に対して無機
吸着剤を付与しているが、本発明はこれに限定されるも
のではない。例えば、採取用フイルター7として、円筒
状の多孔質体の外周面側または内周面側に無機吸着剤の
コーティング層が配置されたものを用いた場合も本発明
を同様に実施することができる。また、採取用フイルタ
ー7を構成する多孔質体が、無機吸着剤による層を挟ん
だ多層に形成されている場合も本発明を同様に実施する
ことができる。
【0056】(3)上述の実施の形態では、廃棄物の焼
却炉から排出される排気ガス(試料ガス)中に含まれる
ダイオキシン類やコプラナーPCBなどの塩素化有機化
合物を採取する場合について説明したが、本発明の採取
用フイルター、採取器および採取方法は、排気ガス以外
の流体中に含まれる塩素化有機化合物を採取する場合に
も同様に利用することができる。例えば、環境大気中に
含まれる塩素化有機化合物、並びに工場廃水、海水、淡
水および水道水等の水中に含まれる塩素化有機化合物を
採取する場合についても本発明の採取用フイルター等を
同様に利用することができる。
【0057】なお、工場廃水等の水中に含まれる塩素化
有機化合物を採取する場合、採取試料は液体試料とな
る。この場合、当該液体試料は、粒子状態、気泡状態
(すなわち気液混合状態)および溶解状態(すなわち液
中に溶解した状態)の様々な状態の各種の塩素化有機化
合物を含む可能性があるが、本発明の採取用フイルター
は、このような様々な状態の各種の塩素化有機化合物を
同時に捕捉して液体試料中から採取することができる。
【0058】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、ここでは、理解の便のため、先ず比較例
を挙げ、その後に実施例を挙げる。
【0059】比較例1 平均繊維径が14μmの石炭系繊維状活性炭5重量%
と、平均繊維径が13μmの炭素繊維95重量%とを混
合し、これにセルロース系バインダーを加えて成形材料
を得た。得られた成形材料を一端が閉鎖された円筒状に
成形し、この成形体を加熱してセルロース系バインダー
を乾燥した。これにより、開口端側の外径が19mm、
閉鎖端側の外径が18mm、厚さが5mmおよび長さが
120mmにそれぞれ設定された、重量が2.3gで空
隙率が95%の円筒状の多孔質体(採取用フイルター)
を得た。
【0060】得られた採取用フイルターを用いて上述の
実施の形態に係る塩素化有機化合物の採取器3を作成
し、この採取器3を用いて上述の実施の形態に係る採取
装置1を構成した。そして、廃棄物を焼却処理中の焼却
炉の煙道からこの採取装置1を用いて試料ガス(排気ガ
ス)を採取し、当該試料ガス中に含まれるダイオキシン
類およびコプラナーPCBなどの各種の塩素化有機化合
物を採取した。なお、試料ガスの採取条件は、JIS
K 0311:1999に規定された条件に従った。
【0061】同時に、JIS K 0311:1999
に例示された、インピンジャーを備えた試料ガス採取装
置(以下、「JIS法例示装置」と称す)を用いて同じ
煙道から同じ条件で試料ガス(排気ガス)を採取し、当
該試料ガス中に含まれるダイオキシン類およびコプラナ
ーPCBなどの各種の塩素化有機化合物を採取した。
【0062】採取された塩素化有機化合物をJIS K
0311:1999に準じた方法に従って抽出し、同
じJISに規定された分析方法に従って定量分析した。
その結果、試料ガス中の平均一酸化炭素濃度が150p
pm以下の場合、この比較例の採取用フイルターを用い
た採取装置により採取された塩素化有機化合物量は、J
IS法例示装置を用いて採取された塩素化有機化合物量
と3%相違しているものの、実質的にJIS法例示装置
による場合と一致していることが判明した。一方、試料
ガス中の平均一酸化炭素濃度が510ppmの場合、こ
の比較例の採取用フイルターを用いて採取された塩素化
有機化合物量は、JIS法例示装置を用いて採取された
塩素化有機化合物量の85%に過ぎなかった。これよ
り、この比較例の採取用フイルターは、試料ガス中の一
酸化炭素濃度が高まると、すなわち試料ガス中の未燃の
炭素化合物の濃度が高まると、試料ガス中に含まれる塩
素化有機化合物の一部を捕捉しにくくなることがわか
る。
【0063】比較例2 平均繊維径が14μmの石炭系繊維状活性炭5重量%、
平均繊維径が13μmの炭素繊維65重量%および平均
繊維径が3μmのガラス繊維30重量%を混合し、これ
にセルロース系バインダーを加えて成形材料を得た。得
られた成形材料を一端が閉鎖された円筒状に成形し、こ
の成形体を加熱してセルロース系バインダーを乾燥し
た。これにより、比較例1のものと同じ大きさに設定さ
れた、重量が2.5gで空隙率が95%の円筒状の多孔
質体(採取用フイルター)を得た。
【0064】得られた採取用フイルターを用い、比較例
1の場合と同様に煙道から採取した試料ガス中に含まれ
る塩素化有機化合物を採取し、その定量分析結果をJI
S法例示装置により採取した場合の結果と比較したとこ
ろ、試料ガス中の平均一酸化炭素濃度が150ppm以
下の場合、この比較例の採取用フイルターを用いて採取
された塩素化有機化合物量は、JIS法例示装置を用い
て採取された塩素化有機化合物量と3%相違しているも
のの、実質的にJIS法例示装置による場合と一致して
いることが判明した。一方、試料ガス中の平均一酸化炭
素濃度が550ppmの場合、この比較例の採取用フイ
ルターを用いて採取された塩素化有機化合物量は、JI
S法例示装置を用いて採取された塩素化有機化合物量の
82%に過ぎなかった。これより、この比較例の採取用
フイルターは、試料ガス中の一酸化炭素濃度が高まる
と、すなわち試料ガス中の未燃の炭素化合物の濃度が高
まると、試料ガス中に含まれる塩素化有機化合物の一部
を捕捉しにくくなることがわかる。
【0065】実施例1 アルミナが約7重量%分散された水分散液(市販品)を
用意し、この水分散液中に比較例1で得られた多孔質体
を浸漬した。そして、多孔質体を当該水分散液から取り
出し、これを150℃に設定された乾燥機内で乾燥して
水分を除去した。これにより、無機吸着剤であるアルミ
ナが付与(含浸)された多孔質体、すなわち採取用フイ
ルターを得た。この採取用フイルターは、重量が3.9
gであり、アルミナが1.6g付与されていることが判
明した。
【0066】得られた採取用フイルターを用い、比較例
1の場合と同様に煙道から採取した試料ガス中に含まれ
る塩素化有機化合物を採取し、その定量分析結果をJI
S法例示装置により採取した場合の結果と比較したとこ
ろ、試料ガス中の平均一酸化炭素濃度が150ppm以
下の場合および同濃度が600ppmの場合のいずれに
ついても、JIS法例示装置を用いて採取された塩素化
有機化合物量と3%相違しているものの、実質的にJI
S法例示装置による場合と一致していることが判明し
た。これより、この実施例1の採取用フイルターは、試
料ガス中の一酸化炭素濃度に拘わらず、すなわち試料ガ
ス中の未燃の炭素化合物の濃度に拘わらず、試料ガス中
に含まれる粒子状態およびガス状態の両形態の各種の塩
素化有機化合物をJIS法例示装置を用いた場合と実質
的に同等に採取できることがわかる。
【0067】実施例2 アルミナの水分散液に代えて、アルミナ(A)とCa型
人工ゼオライト(B)とをA:B=2:1の重量比で混
合した混合物が7重量%分散された水分散液を用いた点
を除き、実施例1の場合と同様にして採取用フイルター
を得た。この採取用フイルターは、重量が3.8gであ
り、無機吸着剤であるアルミナとCa型人工ゼオライト
との混合物が1.5g付与(含浸)されていることが判
明した。
【0068】得られた採取用フイルターを用い、比較例
1の場合と同様に煙道から採取した試料ガス中に含まれ
る塩素化有機化合物を採取し、その定量分析結果をJI
S法例示装置により採取した場合の結果と比較したとこ
ろ、試料ガス中の平均一酸化炭素濃度が150ppm以
下の場合および同濃度が570ppmの場合のいずれに
ついても、JIS法例示装置を用いて採取された塩素化
有機化合物量と3%相違しているものの、実質的にJI
S法例示装置による場合と一致していることが判明し
た。これより、この実施例2の採取用フイルターは、試
料ガス中の一酸化炭素濃度に拘わらず、すなわち試料ガ
ス中の未燃の炭素化合物の濃度に拘わらず、試料ガス中
に含まれる粒子状態およびガス状態の両形態の各種の塩
素化有機化合物をJIS法例示装置を用いた場合と実質
的に同等に採取できることがわかる。
【0069】実施例3 アルミナが約7重量%分散された水分散液(市販品)を
用意し、この水分散液中に比較例2で得られた多孔質体
を浸漬した。そして、多孔質体を当該水分散液から取り
出し、これを150℃に設定された乾燥機内で乾燥して
水分を除去した。これにより、無機吸着剤であるアルミ
ナが付与(含浸)された多孔質体、すなわち採取用フイ
ルターを得た。この採取用フイルターは、重量が3.9
gであり、アルミナが1.4g付与されていることが判
明した。
【0070】得られた採取用フイルターを用い、比較例
1の場合と同様に煙道から採取した試料ガス中に含まれ
る塩素化有機化合物を採取し、その定量分析結果をJI
S法例示装置により採取した場合の結果と比較したとこ
ろ、試料ガス中の平均一酸化炭素濃度が150ppm以
下の場合および同濃度が530ppmの場合のいずれに
ついても、JIS法例示装置を用いて採取された塩素化
有機化合物量と3%相違しているものの、実質的にJI
S法例示装置による場合と一致していることが判明し
た。これより、この実施例3の採取用フイルターは、試
料ガス中の一酸化炭素濃度に拘わらず、すなわち試料ガ
ス中の未燃の炭素化合物の濃度に拘わらず、試料ガス中
に含まれる粒子状態およびガス状態の両形態の各種の塩
素化有機化合物をJIS法例示装置を用いた場合と実質
的に同等に採取できることがわかる。
【0071】実施例4 アルミナの水分散液に代えて、アルミナ(A)とCa型
人工ゼオライト(B)とをA:B=2:1の重量比で混
合した混合物が7重量%分散された水分散液を用いた点
を除き、実施例3の場合と同様にして採取用フイルター
を得た。この採取用フイルターは、重量が3.8gであ
り、無機吸着剤であるアルミナとCa型人工ゼオライト
との混合物が1.3g付与(含浸)されていることが判
明した。
【0072】得られた採取用フイルターを用い、比較例
1の場合と同様に煙道から採取した試料ガス中に含まれ
る塩素化有機化合物を採取し、その定量分析結果をJI
S法例示装置により採取した場合の結果と比較したとこ
ろ、試料ガス中の平均一酸化炭素濃度が150ppm以
下の場合および同濃度が540ppmの場合のいずれに
ついても、JIS法例示装置を用いて採取された塩素化
有機化合物量と3%相違しているものの、実質的にJI
S法例示装置による場合と一致していることが判明し
た。これより、この実施例4の採取用フイルターは、試
料ガス中の一酸化炭素濃度に拘わらず、すなわち試料ガ
ス中の未燃の炭素化合物の濃度に拘わらず、試料ガス中
に含まれる粒子状態およびガス状態の両形態の各種の塩
素化有機化合物をJIS法例示装置を用いた場合と実質
的に同等に採取できることがわかる。
【0073】実施例5 アルミナ(A)とシリカ(B)とをA:B=9:1の重
量比で混合した混合物が7重量%分散された水分散液を
用意し、この水分散液中に比較例1で得られた多孔質体
を浸漬した。そして、多孔質体を当該水分散液から取り
出し、これを150℃に設定された乾燥機内で乾燥して
水分を除去した。これにより、無機吸着剤であるアルミ
ナとシリカとの混合物が付与(含浸)された多孔質体、
すなわち採取用フイルターを得た。この採取用フイルタ
ーは、重量が4.8gであり、無機吸着剤であるアルミ
ナとシリカとの混合物が2.5g付与されていることが
判明した。
【0074】得られた採取用フイルターを用い、比較例
1の場合と同様に煙道から採取した試料ガス中に含まれ
る塩素化有機化合物を採取し、その定量分析結果をJI
S法例示装置により採取した場合の結果と比較したとこ
ろ、試料ガス中の平均一酸化炭素濃度が150ppm以
下の場合および同濃度が620ppmの場合のいずれに
ついても、JIS法例示装置を用いて採取された塩素化
有機化合物量と3%相違しているものの、実質的にJI
S法例示装置による場合と一致していることが判明し
た。これより、この実施例5の採取用フイルターは、試
料ガス中の一酸化炭素濃度に拘わらず、すなわち試料ガ
ス中の未燃の炭素化合物の濃度に拘わらず、試料ガス中
に含まれる粒子状態およびガス状態の両形態の各種の塩
素化有機化合物をJIS法例示装置を用いた場合と実質
的に同等に採取できることがわかる。
【0075】実施例6 多孔質体として比較例2で得られたものを用いた点を除
き、実施例5の場合と同様にして採取用フイルターを得
た。この採取用フイルターは、重量が4.8gであり、
無機吸着剤であるアルミナとシリカとの混合物が2.3
g付与(含浸)されていることが判明した。
【0076】得られた採取用フイルターを用い、比較例
1の場合と同様に煙道から採取した試料ガス中に含まれ
る塩素化有機化合物を採取し、その定量分析結果をJI
S法例示装置により採取した場合の結果と比較したとこ
ろ、試料ガス中の平均一酸化炭素濃度が150ppm以
下の場合および同濃度が590ppmの場合のいずれに
ついても、JIS法例示装置を用いて採取された塩素化
有機化合物量と3%相違しているものの、実質的にJI
S法例示装置による場合と一致していることが判明し
た。これより、この実施例6の採取用フイルターは、試
料ガス中の一酸化炭素濃度に拘わらず、すなわち試料ガ
ス中の未燃の炭素化合物の濃度に拘わらず、試料ガス中
に含まれる粒子状態およびガス状態の両形態の各種の塩
素化有機化合物をJIS法例示装置を用いた場合と実質
的に同等に採取できることがわかる。
【0077】実施例7 平均繊維径が14μmの石炭系繊維状活性炭5重量%、
平均繊維径が13μmの炭素繊維45重量%および平均
繊維径が15μmの市販のアルミナ繊維(Al
99%以上もの)50重量%をチョップ状に切断して混
合し、これにセルロース系バインダーを加えて成形材料
を得た。得られた成形材料を一端が閉鎖された円筒状に
成形し、この成形体を加熱してセルロース系バインダー
を乾燥した。これにより、開口端側の外径が19mm、
閉鎖端側の外径が18mm、厚さが5mmおよび長さが
120mmにそれぞれ設定された、重量が2.7gで空
隙率が96%の円筒状の多孔質体を得た。
【0078】次に、アルミナが7重量%分散された水分
散液を用意し、この水分散液中に得られた多孔質体を浸
漬した。そして、多孔質体を当該水分散液から取り出
し、これを350℃に設定された炉内で焼結した。これ
により、無機吸着剤であるアルミナが付与(含浸)され
た多孔質体、すなわち採取用フイルターを得た。この採
取用フイルターは、重量が4.2gであり、無機吸着剤
であるアルミナが1.5g付与されていることが判明し
た。
【0079】得られた採取用フイルターを用い、比較例
1の場合と同様に煙道から採取した試料ガス中に含まれ
る塩素化有機化合物を採取し、その定量分析結果をJI
S法例示装置により採取した場合の結果と比較したとこ
ろ、試料ガス中の平均一酸化炭素濃度が150ppm以
下の場合および同濃度が730ppmの場合のいずれに
ついても、JIS法例示装置を用いて採取された塩素化
有機化合物量と3%相違しているものの、実質的にJI
S法例示装置による場合と一致していることが判明し
た。これより、この実施例7の採取用フイルターは、試
料ガス中の一酸化炭素濃度に拘わらず、すなわち試料ガ
ス中の未燃の炭素化合物の濃度に拘わらず、試料ガス中
に含まれる粒子状態およびガス状態の両形態の各種の塩
素化有機化合物をJIS法例示装置を用いた場合と実質
的に同等に採取できることがわかる。
【0080】実施例8 平均繊維径が11μmの市販のアルミナ繊維(Al
が95%以上もの)をチョップ状に切断し、これにア
ルミナバインダーを加えて成形材料を得た。得られた成
形材料を一端が閉鎖された円筒状に成形し、この成形体
を加熱して乾燥した。これにより、開口端側の外径が1
9mm、閉鎖端側の外径が18mm、厚さが5mmおよ
び長さが120mmにそれぞれ設定された、重量が3.
5gで空隙率が96%の円筒状の多孔質体を得た。
【0081】次に、アルミナが約7重量%分散された水
分散液を用意し、この水分散液中に得られた多孔質体を
浸漬した。そして、多孔質体を当該水分散液から取り出
し、これを350℃に設定された炉内で焼結した。これ
により、無機吸着剤であるアルミナが付与(含浸)され
た多孔質体、すなわち採取用フイルターを得た。この採
取用フイルターは、重量が5.0gであり、無機吸着剤
であるアルミナが1.5g付与されていることが判明し
た。
【0082】得られた採取用フイルターを用い、比較例
1の場合と同様に煙道から採取した試料ガス中に含まれ
る塩素化有機化合物を採取し、その定量分析結果をJI
S法例示装置により採取した場合の結果と比較したとこ
ろ、試料ガス中の平均一酸化炭素濃度が150ppm以
下の場合および同濃度が700ppmの場合のいずれに
ついても、JIS法例示装置を用いて採取された塩素化
有機化合物量と3%相違しているものの、実質的にJI
S法例示装置による場合と一致していることが判明し
た。これより、この実施例8の採取用フイルターは、試
料ガス中の一酸化炭素濃度に拘わらず、すなわち試料ガ
ス中の未燃の炭素化合物の濃度に拘わらず、試料ガス中
に含まれる粒子状態およびガス状態の両形態の各種の塩
素化有機化合物をJIS法例示装置を用いた場合と実質
的に同等に採取できることがわかる。
【0083】実施例9 平均繊維径が11μmの市販のアルミナ繊維(Al
が95%以上もの)50重量%と平均繊維径が3μm
のガラス繊維50重量%とをチョップ状に切断して混合
し、この混合物にアルミナバインダーを加えて成形材料
を得た。得られた成形材料を一端が閉鎖された円筒状に
成形し、この成形体を加熱して乾燥した。これにより、
開口端側の外径が19mm、閉鎖端側の外径が18m
m、厚さが5mmおよび長さが120mmにそれぞれ設
定された、重量が3.2gで空隙率が96%の円筒状の
多孔質体を得た。
【0084】次に、アルミナが約7重量%分散された水
分散液を用意し、この水分散液中に得られた多孔質体を
浸漬した。そして、多孔質体を当該水分散液から取り出
し、これを350℃に設定された炉内で焼結した。これ
により、無機吸着剤であるアルミナが付与(含浸)され
た多孔質体、すなわち採取用フイルターを得た。この採
取用フイルターは、重量が4.8gであり、無機吸着剤
であるアルミナが1.6g付与されていることが判明し
た。
【0085】得られた採取用フイルターを用い、比較例
1の場合と同様に煙道から採取した試料ガス中に含まれ
る塩素化有機化合物を採取し、その定量分析結果をJI
S法例示装置により採取した場合の結果と比較したとこ
ろ、試料ガス中の平均一酸化炭素濃度が150ppm以
下の場合および同濃度が750ppmの場合のいずれに
ついても、JIS法例示装置を用いて採取された塩素化
有機化合物量と3%相違しているものの、実質的にJI
S法例示装置による場合と一致していることが判明し
た。これより、この実施例9の採取用フイルターは、試
料ガス中の一酸化炭素濃度に拘わらず、すなわち試料ガ
ス中の未燃の炭素化合物の濃度に拘わらず、試料ガス中
に含まれる粒子状態およびガス状態の両形態の各種の塩
素化有機化合物をJIS法例示装置を用いた場合と実質
的に同等に採取できることがわかる。
【0086】実施例10 平均繊維径が3μmのガラス繊維50重量%と平均繊維
径が19μmのガラス繊維50重量%とをチョップ状に
切断し、これにアルミナバインダーを加えて成形材料を
得た。得られた成形材料を一端が閉鎖された円筒状に成
形し、この成形体を加熱して乾燥した。これにより、開
口端側の外径が19mm、閉鎖端側の外径が18mm、
厚さが5mmおよび長さが120mmにそれぞれ設定さ
れた、重量が3.6gで空隙率が96%の円筒状の多孔
質体を得た。
【0087】次に、アルミナが約7重量%分散された水
分散液を用意し、この水分散液中に得られた多孔質体を
浸漬した。そして、多孔質体を当該水分散液から取り出
し、これを350℃に設定された炉内で焼結した。これ
により、無機吸着剤であるアルミナが付与(含浸)され
た多孔質体、すなわち採取用フイルターを得た。この採
取用フイルターは、重量が5.2gであり、無機吸着剤
であるアルミナが1.6g付与されていることが判明し
た。
【0088】得られた採取用フイルターを用い、比較例
1の場合と同様に煙道から採取した試料ガス中に含まれ
る塩素化有機化合物を採取し、その定量分析結果をJI
S法例示装置により採取した場合の結果と比較したとこ
ろ、試料ガス中の平均一酸化炭素濃度が150ppm以
下の場合および同濃度が740ppmの場合のいずれに
ついても、JIS法例示装置を用いて採取された塩素化
有機化合物量と3%相違しているものの、実質的にJI
S法例示装置による場合と一致していることが判明し
た。これより、この実施例10の採取用フイルターは、
試料ガス中の一酸化炭素濃度に拘わらず、すなわち試料
ガス中の未燃の炭素化合物の濃度に拘わらず、試料ガス
中に含まれる粒子状態およびガス状態の両形態の各種の
塩素化有機化合物をJIS法例示装置を用いた場合と実
質的に同等に採取できることがわかる。
【0089】
【発明の効果】本発明に係る塩素化有機化合物の採取用
フイルターは、特定の多孔質体に対して無機吸着剤を付
与したものであるため、流体中に含まれる粒子状態およ
びガス状態の両形態の、ダイオキシン類やコプラナーP
CBをはじめとする各種の塩素化有機化合物を同時に捕
捉して採取することができ、しかも、採取した塩素化有
機化合物を従来の採取装置による場合に比べて容易に抽
出することができる。
【0090】また、本発明に係る塩素化有機化合物の採
取器は、本発明に係る塩素化有機化合物の採取用フイル
ターを用いているため、輸送管内を流れる流体中に含ま
れる粒子状態およびガス状態の両形態の、ダイオキシン
類やコプラナーPCBをはじめとする各種の塩素化有機
化合物を同時に捕捉して採取することができ、しかも、
採取した塩素化有機化合物を従来の採取装置による場合
に比べて容易に抽出することができる。
【0091】さらに、本発明に係る塩素化有機化合物の
採取方法は、輸送管内を流れる流体を本発明に係る塩素
化有機化合物の採取用フイルターに通過させているた
め、当該流体中に含まれる粒子状態およびガス状態の両
形態の、ダイオキシン類やコプラナーPCBをはじめと
する各種の塩素化有機化合物を同時に捕捉して採取する
ことができ、しかも、採取した塩素化有機化合物を従来
の採取方法による場合に比べて容易に抽出することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る採取器が採用され
た塩素化有機化合物の採取装置の概略構成図。
【図2】前記採取器の正面図。
【図3】前記採取器の縦断面図。
【図4】図2のIV−IV断面図。
【符号の説明】 2 採取管 3 採取器 6 ホルダー 7 採取用フイルター 7a 開口部 12a 排出路
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年8月29日(2000.8.2
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】ここで、ゼオライトは、一般式Xmn2n
・sH2Oで示される含水アルミノケイ酸塩であり、一
般式中、XはNa、CaまたはK等を、YはSi+Al
をそれぞれ示しており、また、sは不定である。このよ
うなゼオライトとしては、合成ゼオライトを用いるのが
好ましい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】削除
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】削除
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】上述のような無機吸着剤のうち、本発明で
は、タールを効果的に吸着可能なものを用いるのが好ま
しい。このような特徴を有する無機吸着剤を用いた場
合、採取用フイルター7は、例えば試料ガス中に含まれ
る一酸化炭素に由来して生成するタールを効果的に吸着
することができ、そのようなタール中に溶け込んだダイ
オキシン類やコプラナーPCB等の各種の塩素化有機化
合物をもより確実に捕捉して採取することができる。な
お、タールを吸着可能な無機吸着剤としては、アルミ
ナ、ゼオライトおよび二酸化ケイ素を例示することがで
きる。アルミナとしては、活性アルミナを用いるのが特
に好ましい。これらのタールを吸着可能な無機吸着剤
は、それぞれ単独で用いられてもよいし、2種以上のも
のが併用されてもよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】削除
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】削除
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正内容】
【0069】実施例2 アルミナが約7重量%分散された水分散液(市販品)を
用意し、この水分散液中に比較例2で得られた多孔質体
を浸漬した。そして、多孔質体を当該水分散液から取り
出し、これを150℃に設定された乾燥機内で乾燥して
水分を除去した。これにより、無機吸着剤であるアルミ
ナが付与(含浸)された多孔質体、すなわち採取用フイ
ルターを得た。この採取用フイルターは、重量が3.9
gであり、アルミナが1.4g付与されていることが判
明した。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正内容】
【0070】得られた採取用フイルターを用い、比較例
1の場合と同様に煙道から採取した試料ガス中に含まれ
る塩素化有機化合物を採取し、その定量分析結果をJI
S法例示装置により採取した場合の結果と比較したとこ
ろ、試料ガス中の平均一酸化炭素濃度が150ppm以
下の場合および同濃度が530ppmの場合のいずれに
ついても、JIS法例示装置を用いて採取された塩素化
有機化合物量と3%相違しているものの、実質的にJI
S法例示装置による場合と一致していることが判明し
た。これより、この実施例2の採取用フイルターは、試
料ガス中の一酸化炭素濃度に拘わらず、すなわち試料ガ
ス中の未燃の炭素化合物の濃度に拘わらず、試料ガス中
に含まれる粒子状態およびガス状態の両形態の各種の塩
素化有機化合物をJIS法例示装置を用いた場合と実質
的に同等に採取できることがわかる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】削除
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】削除
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正内容】
【0073】実施例3 アルミナ(A)とシリカ(B)とをA:B=9:1の重
量比で混合した混合物が7重量%分散された水分散液を
用意し、この水分散液中に比較例1で得られた多孔質体
を浸漬した。そして、多孔質体を当該水分散液から取り
出し、これを150℃に設定された乾燥機内で乾燥して
水分を除去した。これにより、無機吸着剤であるアルミ
ナとシリカとの混合物が付与(含浸)された多孔質体、
すなわち採取用フイルターを得た。この採取用フイルタ
ーは、重量が4.8gであり、無機吸着剤であるアルミ
ナとシリカとの混合物が2.5g付与されていることが
判明した。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正内容】
【0074】得られた採取用フイルターを用い、比較例
1の場合と同様に煙道から採取した試料ガス中に含まれ
る塩素化有機化合物を採取し、その定量分析結果をJI
S法例示装置により採取した場合の結果と比較したとこ
ろ、試料ガス中の平均一酸化炭素濃度が150ppm以
下の場合および同濃度が620ppmの場合のいずれに
ついても、JIS法例示装置を用いて採取された塩素化
有機化合物量と3%相違しているものの、実質的にJI
S法例示装置による場合と一致していることが判明し
た。これより、この実施例3の採取用フイルターは、試
料ガス中の一酸化炭素濃度に拘わらず、すなわち試料ガ
ス中の未燃の炭素化合物の濃度に拘わらず、試料ガス中
に含まれる粒子状態およびガス状態の両形態の各種の塩
素化有機化合物をJIS法例示装置を用いた場合と実質
的に同等に採取できることがわかる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正内容】
【0075】実施例4 多孔質体として比較例2で得られたものを用いた点を除
き、実施例3の場合と同様にして採取用フイルターを得
た。この採取用フイルターは、重量が4.8gであり、
無機吸着剤であるアルミナとシリカとの混合物が2.3
g付与(含浸)されていることが判明した。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正内容】
【0076】得られた採取用フイルターを用い、比較例
1の場合と同様に煙道から採取した試料ガス中に含まれ
る塩素化有機化合物を採取し、その定量分析結果をJI
S法例示装置により採取した場合の結果と比較したとこ
ろ、試料ガス中の平均一酸化炭素濃度が150ppm以
下の場合および同濃度が590ppmの場合のいずれに
ついても、JIS法例示装置を用いて採取された塩素化
有機化合物量と3%相違しているものの、実質的にJI
S法例示装置による場合と一致していることが判明し
た。これより、この実施例4の採取用フイルターは、試
料ガス中の一酸化炭素濃度に拘わらず、すなわち試料ガ
ス中の未燃の炭素化合物の濃度に拘わらず、試料ガス中
に含まれる粒子状態およびガス状態の両形態の各種の塩
素化有機化合物をJIS法例示装置を用いた場合と実質
的に同等に採取できることがわかる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正内容】
【0077】実施例5 平均繊維径が14μmの石炭系繊維状活性炭5重量%、
平均繊維径が13μmの炭素繊維45重量%および平均
繊維径が15μmの市販のアルミナ繊維(Al 23が9
9%以上もの)50重量%をチョップ状に切断して混
合し、これにセルロース系バインダーを加えて成形材料
を得た。得られた成形材料を一端が閉鎖された円筒状に
成形し、この成形体を加熱してセルロース系バインダー
を乾燥した。これにより、開口端側の外径が19mm、
閉鎖端側の外径が18mm、厚さが5mmおよび長さが
120mmにそれぞれ設定された、重量が2.7gで空
隙率が96%の円筒状の多孔質体を得た。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正内容】
【0079】得られた採取用フイルターを用い、比較例
1の場合と同様に煙道から採取した試料ガス中に含まれ
る塩素化有機化合物を採取し、その定量分析結果をJI
S法例示装置により採取した場合の結果と比較したとこ
ろ、試料ガス中の平均一酸化炭素濃度が150ppm以
下の場合および同濃度が730ppmの場合のいずれに
ついても、JIS法例示装置を用いて採取された塩素化
有機化合物量と3%相違しているものの、実質的にJI
S法例示装置による場合と一致していることが判明し
た。これより、この実施例5の採取用フイルターは、試
料ガス中の一酸化炭素濃度に拘わらず、すなわち試料ガ
ス中の未燃の炭素化合物の濃度に拘わらず、試料ガス中
に含まれる粒子状態およびガス状態の両形態の各種の塩
素化有機化合物をJIS法例示装置を用いた場合と実質
的に同等に採取できることがわかる。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正内容】
【0080】実施例6 平均繊維径が11μmの市販のアルミナ繊維(Al23
が95%以上もの)をチョップ状に切断し、これにア
ルミナバインダーを加えて成形材料を得た。得られた成
形材料を一端が閉鎖された円筒状に成形し、この成形体
を加熱して乾燥した。これにより、開口端側の外径が1
9mm、閉鎖端側の外径が18mm、厚さが5mmおよ
び長さが120mmにそれぞれ設定された、重量が3.
5gで空隙率が96%の円筒状の多孔質体を得た。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正内容】
【0082】得られた採取用フイルターを用い、比較例
1の場合と同様に煙道から採取した試料ガス中に含まれ
る塩素化有機化合物を採取し、その定量分析結果をJI
S法例示装置により採取した場合の結果と比較したとこ
ろ、試料ガス中の平均一酸化炭素濃度が150ppm以
下の場合および同濃度が700ppmの場合のいずれに
ついても、JIS法例示装置を用いて採取された塩素化
有機化合物量と3%相違しているものの、実質的にJI
S法例示装置による場合と一致していることが判明し
た。これより、この実施例6の採取用フイルターは、試
料ガス中の一酸化炭素濃度に拘わらず、すなわち試料ガ
ス中の未燃の炭素化合物の濃度に拘わらず、試料ガス中
に含まれる粒子状態およびガス状態の両形態の各種の塩
素化有機化合物をJIS法例示装置を用いた場合と実質
的に同等に採取できることがわかる。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】変更
【補正内容】
【0083】実施例7 平均繊維径が11μmの市販のアルミナ繊維(Al23
が95%以上もの)50重量%と平均繊維径が3μm
のガラス繊維50重量%とをチョップ状に切断して混合
し、この混合物にアルミナバインダーを加えて成形材料
を得た。得られた成形材料を一端が閉鎖された円筒状に
成形し、この成形体を加熱して乾燥した。これにより、
開口端側の外径が19mm、閉鎖端側の外径が18m
m、厚さが5mmおよび長さが120mmにそれぞれ設
定された、重量が3.2gで空隙率が96%の円筒状の
多孔質体を得た。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0085
【補正方法】変更
【補正内容】
【0085】得られた採取用フイルターを用い、比較例
1の場合と同様に煙道から採取した試料ガス中に含まれ
る塩素化有機化合物を採取し、その定量分析結果をJI
S法例示装置により採取した場合の結果と比較したとこ
ろ、試料ガス中の平均一酸化炭素濃度が150ppm以
下の場合および同濃度が750ppmの場合のいずれに
ついても、JIS法例示装置を用いて採取された塩素化
有機化合物量と3%相違しているものの、実質的にJI
S法例示装置による場合と一致していることが判明し
た。これより、この実施例7の採取用フイルターは、試
料ガス中の一酸化炭素濃度に拘わらず、すなわち試料ガ
ス中の未燃の炭素化合物の濃度に拘わらず、試料ガス中
に含まれる粒子状態およびガス状態の両形態の各種の塩
素化有機化合物をJIS法例示装置を用いた場合と実質
的に同等に採取できることがわかる。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正内容】
【0086】実施例8 平均繊維径が3μmのガラス繊維50重量%と平均繊維
径が19μmのガラス繊維50重量%とをチョップ状に
切断し、これにアルミナバインダーを加えて成形材料を
得た。得られた成形材料を一端が閉鎖された円筒状に成
形し、この成形体を加熱して乾燥した。これにより、開
口端側の外径が19mm、閉鎖端側の外径が18mm、
厚さが5mmおよび長さが120mmにそれぞれ設定さ
れた、重量が3.6gで空隙率が96%の円筒状の多孔
質体を得た。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0088
【補正方法】変更
【補正内容】
【0088】得られた採取用フイルターを用い、比較例
1の場合と同様に煙道から採取した試料ガス中に含まれ
る塩素化有機化合物を採取し、その定量分析結果をJI
S法例示装置により採取した場合の結果と比較したとこ
ろ、試料ガス中の平均一酸化炭素濃度が150ppm以
下の場合および同濃度が740ppmの場合のいずれに
ついても、JIS法例示装置を用いて採取された塩素化
有機化合物量と3%相違しているものの、実質的にJI
S法例示装置による場合と一致していることが判明し
た。これより、この実施例8の採取用フイルターは、試
料ガス中の一酸化炭素濃度に拘わらず、すなわち試料ガ
ス中の未燃の炭素化合物の濃度に拘わらず、試料ガス中
に含まれる粒子状態およびガス状態の両形態の各種の塩
素化有機化合物をJIS法例示装置を用いた場合と実質
的に同等に採取できることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大内 宗城 愛媛県松山市堀江町7番地 三浦工業株式 会社内 (72)発明者 ▲浜▼田 典明 愛媛県松山市堀江町7番地 三浦工業株式 会社内 (72)発明者 山下 正純 愛媛県松山市堀江町7番地 三浦工業株式 会社内 (72)発明者 中村 裕史 愛媛県松山市堀江町7番地 三浦工業株式 会社内 (72)発明者 梶川 修 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 藤井 孝友 大阪府池田市城南3丁目8番21号 太陽化 成株式会社内 Fターム(参考) 4D019 AA01 AA02 BA03 BA04 BA06 BA07 BA13 BA18 BB01 BC05 BD01 CA03 DA01 4G066 AA04C AA20B AA20C AA20D AA22B AA22C AA61B AA62B AA64B AA66B AA71C AC15C BA01 BA22 BA25 CA33 DA02 EA20 FA02 FA15 FA21 FA28

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流体中に含まれる塩素化有機化合物を前記
    流体から取り除いて採取するためのフイルターであっ
    て、 繊維材料を用いて形成された多孔質体と、 前記多孔質体に対して付与された無機吸着剤と、を含む
    塩素化有機化合物の採取用フイルター。
  2. 【請求項2】前記多孔質体は空隙率が80%以上100
    %未満に設定されている、請求項1に記載の塩素化有機
    化合物の採取用フイルター。
  3. 【請求項3】前記繊維材料が繊維状活性炭、炭素繊維、
    ガラス繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維およびテフロン
    (登録商標)繊維からなる群から選択された少なくとも
    1種である、請求項1または2に記載の塩素化有機化合
    物の採取用フイルター。
  4. 【請求項4】前記無機吸着剤はタールを吸着可能なもの
    である、請求項1、2または3に記載の塩素化有機化合
    物の採取用フイルター。
  5. 【請求項5】前記無機吸着剤がアルミナ、ゼオライトお
    よび二酸化ケイ素からなる群から選択された少なくとも
    1種である、請求項4に記載の塩素化有機化合物の採取
    用フイルター。
  6. 【請求項6】前記無機吸着剤が前記多孔質体に含浸され
    ている、請求項1、2、3、4または5に記載の塩素化
    有機化合物の採取用フイルター。
  7. 【請求項7】前記無機吸着剤が前記多孔質体の重量の1
    0〜150重量%前記多孔質体に対して付与されてい
    る、請求項1、2、3、4、5または6に記載の塩素化
    有機化合物の採取用フイルター。
  8. 【請求項8】前記多孔質体は、一端が閉鎖された円筒状
    である、請求項1、2、3、4、5、6または7に記載
    の塩素化有機化合物の採取用フイルター。
  9. 【請求項9】輸送管内を流れる流体中に含まれる塩素化
    有機化合物を採取するための採取器であって、 前記輸送管からの前記流体を通過させるためのフイルタ
    ーと、 前記フイルターを収容しかつ前記フイルターを通過した
    前記流体を外部に排出するための排出口を有する容器と
    を備え、 前記フイルターは、繊維材料を用いて形成された多孔質
    体と、前記多孔質体に対して付与された無機吸着剤とを
    含んでいる、塩素化有機化合物の採取器。
  10. 【請求項10】前記フイルターは、一端に前記輸送管を
    挿入するための開口部を有しかつ他端が閉鎖された円筒
    状である、請求項9に記載の塩素化有機化合物の採取
    器。
  11. 【請求項11】輸送管内を流れる流体中に含まれる塩素
    化有機化合物を採取するための方法であって、 繊維材料を用いて形成された多孔質体と、前記多孔質体
    に対して付与された無機吸着剤とを含むフイルターに、
    前記輸送管からの前記流体を通過させる工程を含む、塩
    素化有機化合物の採取方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009011886A (ja) * 2007-06-29 2009-01-22 Central Res Inst Of Electric Power Ind ハロゲン化物吸収剤及びハロゲン化物吸収剤の製造方法

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