JP2001269280A - 浴室用洗い場 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗い場表面の硬度や耐摩耗性を向上させ、洗
い場としての性能を満足する洗い場を得る。 【解決手段】 洗い場の表面２が、少なくとも微小球状
粒子３によりコートされてなる浴室用洗い場とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、浴室用洗い場に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来の浴室用洗い場を得る方法として
は、在来工法での浴室の洗い場は、主にタイルが用いら
れていた。近年ユニット化したシステムバスが主流にな
り、システムバスにおいては、注型法、ハンドレイアッ
プ法あるいはＳＭＣ（シートモールディングコンパウン
ド）材料をプレス成形することによる樹脂成形の洗い場
が用いられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、汎用のＳＭＣ材料を金型を用い、高温高圧で成形す
るＦＲＰからなる洗い場においては、材料を金型内で流
動し、硬化させることにより成形していた。洗い場の表
面の硬さは、ＳＭＣ材料という樹脂自体の硬さであり、
何らかの手法で洗い場の表面硬さを向上させ、浴室用洗
い場としての性能を満足する技術的解決策を提供するこ
とが課題であった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】洗い場の表面が、少なく
とも微小球状粒子によりコートされてなる浴室用洗い場
とする。

【０００５】上記発明によれば、洗い場に、微小球状粒
子をコートすることにより高い表面硬度を付与すること
ができ、かつ洗い場としての各種性能を満足するものを
得ることができる。さらに、微小粒子が球状であるの
で、浴室の洗い場という使用者が裸で使用する空間にお
いて使用者の肌への万が一の傷付き等も無く安全性が確
保できる。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に係る発明は、
洗い場の表面が、少なくとも微小球状粒子によりコート
されてなる浴室用洗い場としたものである。

【０００７】そして、洗い場に、微小球状粒子をコート
することにより高い表面硬度を付与することができ、か
つ洗い場としての各種性能を満足するものを得ることが
できる。さらに、微小粒子が球状であるので、浴室の洗
い場という使用者が裸で使用する空間において使用者の
肌への万が一の傷付き等も無く安全性が確保できる。

【０００８】本発明の請求項２に係る発明は、洗い場の
表面が、微小球状粒子を用いた塗料によりコートされて
なる浴室用洗い場としたものである。

【０００９】そして、塗料を用い洗い場表面へ吹き付け
るという簡単な方法で微小球状粒子を洗い場表面へ固着
させることができる。さらに、微小球状粒子を用いた塗
料により高い表面硬度を付与することができ、かつ洗い
場としての各種性能を満足するものを得ることができ
る。さらに、粒子が球状であるので、浴室の洗い場とい
う使用者が裸で使用する空間において使用者の肌への傷
付き等も無く安全性が確保できる。

【００１０】本発明の請求項３に係る発明は、微小球状
粒子の直径が２μm〜１００μmとする。

【００１１】そして、洗い場表面の状態を維持しつつ、
高い表面硬度を付与することができる。

【００１２】本発明の請求項４に係る発明は、微小球状
粒子が、樹脂成形体からなるようにする。

【００１３】そして、樹脂成形体からなる微小球状粒子
により、洗い場表面の耐摩耗性を飛躍的に向上すること
ができる。

【００１４】本発明の請求項５に係る発明は、微小球状
粒子が塗料に対し、２〜１０重量％含まれるようにす
る。

【００１５】そして、２重量％未満であれば、高い表面
硬度を付与することが難しく、また１０重量％を超える
と塗装作業がやりにくいという欠点を有するので最適の
配合割合を得ることができる。

【００１６】本発明の請求項６に係る発明は、洗い場表
面に複数の異なる色の塗料を斑点状に塗料にばらまいた
状態にする。

【００１７】そして、石目や御影調の新たな柄付きの意
匠を洗い場に付与することができる。

【００１８】

【実施例】（実施例１）以下、本発明の実施例１につい
て、図１を参照して説明する。

【００１９】図１に本発明の浴室用洗い場の部分断面図
を示す。基材１は、例えば既知の方法で不飽和ポリエス
テル樹脂とガラス繊維と無機質充填材からなるＳＭＣ材
料をプレス成形することによって得られた層である。そ
こに、洗い場表面２と微小球状粒子３を強固に付着させ
る図示せざる接着剤を吹き付けた後、微小球状粒子３を
吹き付け洗い場の表面２が、微小球状粒子２によりコー
トされてなる浴室用洗い場を得る。

【００２０】上記実施例はコートする方法の一つとして
洗い場表面２と微小球状粒子３を強固に付着させる図示
せざる接着剤を吹き付けるという一例を示したを述べた
もので、その他の方法でもよく、洗い場表面に微小球状
粒子がコートされていれば良い。

【００２１】微小球状粒子２としては、ポリメタクリル
酸の真球状微粒子、ポリメタクリル酸エチルの真球状微
粒子、架橋ポリメタクリル酸メチルの真球状微粒子、架
橋ポリスチレンの真球状微粒子、架橋ポリアクリル酸エ
ステルの真球状微粒子、架橋ポリメタクリル酸ブチルの
真球状微粒子等の樹脂成形体からなるものやガラスビー
ズのような無機質真球状微粒子を用いることができる。

【００２２】特に、上述した樹脂成形体からなる微小球
状粒子を用いることにより、洗い場表面の耐摩耗性を飛
躍的に向上することができる。

【００２３】洗い場の基材１としては、ＳＭＣ材料をプ
レス成形することによって得られた層、ハンドレイアッ
プ法あるいはレジンインジェクション法による洗い場表
面がゲルコート層となるＦＲＰ成形体、ジシクロペンタ
ジエンを注入した成形体からなる層が挙げられる。

【００２４】このような構成にすることにより洗い場
に、微小球状粒子をコートすることにより高い表面硬度
を付与することができ、かつ洗い場としての耐温水性、
耐摩耗性、耐薬品性等の性能を満足する洗い場を得るこ
とができる。さらに、微小粒子が球状であるので、尖っ
た粒子とは全く異なり浴室の洗い場という使用者が裸で
使用する空間において使用者の肌への傷付き等も無く安
全性が確保できる。

【００２５】図１では、フラットな形状の基材からなる
洗い場の部分断面図を示しているが、適時滑り止めのた
めの凹凸を設けた場合に置いても同様である。

【００２６】（実施例２）図２に本発明の実施例２の浴
室用洗い場の部分断面図を示す。基材１は、実施例１と
同様の層である。そこに、洗い場表面２に微小球状粒子
３を含む塗料をスプレーガンなどにより吹き付け、洗い
場の表面２の上に塗膜層４を形成する。塗膜層４には、
微小球状粒子２が図のように含まれた構成の浴室用洗い
場を得る。

【００２７】塗料としては、洗い場２表面の基材１の材
料と密着性能が良く耐水性のある塗料を選定すればよ
く、例えばウレタン塗料やアクリルウレタン塗料等が挙
げられる。

【００２８】このようにして得られた浴室洗い場は、実
施例１と同様の作用効果が得られる。

【００２９】さらに、塗料を用いることにより、塗料を
用い洗い場表面へ吹き付けるという簡単な方法で微小球
状粒子を洗い場表面へ固着させることができるという利
点を有する。

【００３０】微小球状粒子の大きさとしては、その直径
が２μm〜１００μmであれれば、洗い場表面の状態を維
持しつつ、高い表面硬度を付与することができる。一般
的には平均粒子径が５μm〜５０μmの範囲の微小球状粒
子を適時使用することが好ましい。

【００３１】微小球状粒子を塗料に添加し、その塗料を
塗装することにより洗い場の表面に、微小球状粒子を用
いた塗料によりコートする場合に、微小球状粒子が塗料
に対し、２〜１０重量％含まれる範囲が適している。２
重量％未満であれば、高い表面硬度を付与することが難
しく、また１０重量％を超えると塗装作業がやりにくい
という欠点を有する。

【００３２】図２には、塗膜厚さと微小球状粒子の大き
さと比べて微小球状粒子が小さい場合の状態を示してい
る。

【００３３】一方、図３に示すように塗膜厚さと微小球
状粒子の大きさと比べて微小球状粒子が大きい場合であ
れば、使用初期段階から微小球状粒子の耐摩耗性能を発
現させることができるという特徴がある。また、図３に
示すように数種類の大きさの微小球状粒子を組み合わし
すと、使用初期段階からの性能と万が一大きな微小球状
粒子が脱落した場合でもより小さい微小球状粒子が次に
耐摩耗性能を発現させることができるという特徴があ
る。

【００３４】特に、塗料に樹脂成形体からなる微小球状
微粒子を塗料中に混入した場合と混入した場合の耐摩耗
性能を比較したところ、洗い場表面の耐摩耗性を飛躍的
に向上することがわかった。

【００３５】（実施例３）さらに、実施例３を図４を用
いて説明する。

【００３６】実施例１と同様の基材１に、単色のアクリ
ルウレタン系の塗料Ａからなるベースコート層５を塗装
する工程を設ける。塗料Ａは、灰色の顔料を予め添加し
たアクリルポリオールを主成分とする主剤４部と透明な
ヘキサメチレンジイソシアネートを主成分とする硬化剤
１部と適量のシンナーを加え、粘度を約１５秒に調整す
ることにより構成した。

【００３７】塗装は、通常の霧化圧を上げて、塗料を微
粒子上にして、洗い場の表面に約２０ミクロン程度塗装
し、ベースコート層２とした。次に、塗料Ａとはそれぞ
れ異なる色の塗料Ｂ（濃灰色、粘度１０秒）と塗料Ｃ
（白色、粘度１０秒）を準備した。そして、それぞれ霧
化圧を低させ粒子状に噴霧することにより模様塗装６す
る工程を設けた。模様塗装６は、塗装した状態の粒子の
大きさが１０mm程度以下の大きさになるように調整し
た。

【００３８】このようにして、図５の洗い場表面の柄模
様の模式図に示すように、表面にまばらに塗装し、ベー
スコート層の塗料Ａ（４）の色と模様塗装した塗料Ｂ
（５）と塗料Ｃ（６）の色とが両方見えるように塗装し
た。塗料Ｂ（５）および塗料Ｃ（６）の材料成分は、塗
料Ａ（４）とほぼ同じ成分である。そこで、さらに約１
０分の待機時間を設けた後、塗装した浴槽を８０℃の乾
燥炉に６０分放置することにより、シンナーを蒸発させ
ると共にアクリルウレタン系塗料を硬化させる乾燥工程
を設けた。

【００３９】次に、硬化炉より洗い場を取り出し、室温
で約６０分冷却させた後、透明なアクリルウレタン系塗
料に、平均粒子径２０μmの大きさの架橋ポリメタクリ
ル酸メチル真球状微粒子からなる微小球状粒子を５重量
％添加することにより半透明塗料を用いて、通常の霧化
圧を上げた状態で塗装し、約２０μm程度のクリアコー
ト層７を塗装する工程を設けた。その後、約１０分の待
機時間を設けた後、塗装した浴槽を８０℃の乾燥炉に６
０分放置することにより、アクリルウレタン系塗料を硬
化させる乾燥工程を設けた。その後、冷却することによ
り模様付き洗い場を得た。

【００４０】このようにして洗い場表面に複数の異なる
色の塗料を斑点状に塗料にばらまいた状態にした得た洗
い場は、洗い場表面にに石目や御影調の新たな柄模様を
付与することができ、かつ洗い場としての耐温水性や耐
薬品性などの性能を満足するものを得ることができる。

【００４１】塗料としては、上述したようにアクリルウ
レタン系塗料を用い模様塗装するようにする。このよう
にすることにより、ＳＭＣからなるＦＲＰ洗い場と塗料
との密着性を確保することができ、耐温水試験などで剥
がれたり膨れたりすることが無かった。

【００４２】

【発明の効果】以上の説明から明らかのように本発明の
請求項１に係る発明によれば、洗い場に、微小球状粒子
をコートすることにより高い表面硬度を付与することが
でき、かつ洗い場としての各種性能を満足するものを得
ることができる。さらに、微小粒子が球状であるので、
浴室の洗い場という使用者が裸で使用する空間において
使用者の肌への万が一の傷付き等も無く安全性が確保で
きた洗い場を得ることができる。

【００４３】本発明の請求項２に係る発明によれば、塗
料を用い洗い場表面へ吹き付けるという簡単な方法で微
小球状粒子を洗い場表面へ固着させることができる。さ
らに、微小球状粒子を用いた塗料により高い表面硬度を
付与することができ、かつ洗い場としての各種性能を満
足するものを得ることができる。さらに、粒子が球状で
あるので、浴室の洗い場という使用者が裸で使用する空
間において使用者の肌への傷付き等も無く安全性が確保
することができる。

【００４４】本発明の請求項３に係る発明によれば、洗
い場表面の状態を維持しつつ、高い表面硬度を付与する
ことができる。

【００４５】本発明の請求項４に係る発明によれば、樹
脂成形体からなる微小球状粒子により、洗い場表面の耐
摩耗性を飛躍的に向上することができる。

【００４６】本発明の請求項５に係る発明によれば、２
重量％未満であれば、高い表面硬度を付与することが難
しく、また１０重量％を超えると塗装作業がやりにくい
という欠点を有するので最適の配合割合を得ることがで
きる。

【００４７】本発明の請求項６に係る発明によれば、石
目や御影調の新たな柄付きの意匠を洗い場に付与するこ
とができるという利点も有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１の浴室用洗い場の部分断面図

【図２】本発明の実施例２の浴室用洗い場表面の部分断
面図

【図３】同洗い場の他の部分断面図

【図４】同洗い場の部分断面図

【図５】本発明の洗い場の表面の模式図

【符号の説明】

１ 基材 ２ 洗い場表面 ３ 微小球状粒子 ４ 塗膜 ５ ベースコート層 ６ 模様塗装 ７ クリアコート層 ８ 塗料Ａ ９ 塗料Ｂ １０ 塗料Ｃ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米村 正明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Ｆターム(参考） 2D032 GA00 2D061 CA02 CC05 4D075 CA02 DA06 DB31 DC02 EB22 EC24 EC53

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】洗い場の表面が、少なくとも微小球状粒子
   によりコートされてなる浴室用洗い場。
2. 【請求項２】洗い場の表面が、微小球状粒子を用いた塗
   料によりコートされてなる浴室用洗い場。
3. 【請求項３】微小球状粒子の直径が２μm〜１００μmで
   ある請求項１又は２記載の浴室用洗い場。
4. 【請求項４】微小球状粒子が、樹脂成形体からなる請求
   項１、２又は３記載の浴室用洗い場。
5. 【請求項５】微小球状粒子が塗料に対し、２〜１０重量
   ％含まれる請求項２記載の浴室用洗い場。
6. 【請求項６】洗い場表面に複数の異なる色の塗料を斑点
   状に塗料にばらまいた状態のある請求項２〜５のいずれ
   か１項に記載の浴室用洗い場。