JP2001268717A - 電池の結合構造、組電池、および電動車両 - Google Patents

電池の結合構造、組電池、および電動車両

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JP2001268717A JP2000074443A JP2000074443A JP2001268717A JP 2001268717 A JP2001268717 A JP 2001268717A JP 2000074443 A JP2000074443 A JP 2000074443A JP 2000074443 A JP2000074443 A JP 2000074443A JP 2001268717 A JP2001268717 A JP 2001268717A
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Toyohiko Eto
豊彦 江藤
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Toyota Motor Corp
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  • Battery Mounting, Suspending (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電池あるいは該電池が組み付けられる組付部
材が、それらの結合部付近で破損し難くする。 【解決手段】 電池を組付部材に組み付けるに際して、
結合部において該電池と該組付部材とが互いに相対変位
可能に取り付けておく。こうすれば、電池に荷重が加わ
ると、該電池が該組付部材に対して相対変位して結合部
にかかる荷重が吸収され、該電池あるいは該組付部材の
結合部付近に大きな荷重が生じることがない。前記電池
あるいは前記組付部材の少なくとも一方に、該電池と該
組付部材との間の相対変位を可能とする変形部を、結合
部の近傍に設けておいても良い。また、電動車両に搭載
される電池には、車両の走行による振動や温度変化等に
起因する種々の荷重が加わるので、かかる結合構造を用
いて電池を組付部材に組み付けて車両に搭載すれば、車
両の信頼性向上につながる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電池を組付部材
に組み付ける結合構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】いわゆる乾電池などの一次電池は、放電
しなくなってきたら交換することが前提となっているの
で、通常、容易に着脱できるように電気機器に組み付け
られている。これに対して二次電池は、充電して何度で
も使用することが可能なため、電池を装着したまま充電
できるように設計される場合がある。このような場合に
は、ネジ止め,接着,あるいはハンダ付けなどの方法を
用いて電池を固定しておくことが望ましい。本明細書で
は、電池が固定される部材を組付部材と呼ぶ。
【0003】また一次電池であっても、電力消費量の少
ない電気機器に使用する場合や、停電時の非常電源とし
て使用する場合など、電池の交換を前提としない使われ
方をする場合には、組付部材に電池を固定しておくこと
が望ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、電池を組付部
材にしっかりと固定している場合、何らかの原因で電池
に大きな力が加わると、組付部分に大きな荷重がかかる
おそれがあった。
【0005】また、電力によって走行するいわゆる電動
車両においては、複数の電池を接続した組電池が搭載さ
れている。車両に搭載された組電池は、車両の走行に伴
う振動や環境温度の変化などにさらされる。このため、
組電池を構成する個々の電池電池と、これら電池が組み
付けられている組付部材との結合部付近に大きな荷重が
加わるおそれがあった。
【0006】この発明は、従来技術における上述のよう
な問題を解決するためになされたものであり、何らかの
原因で電池に大きな力が加わった場合でも、電池の結合
部付近で電池あるいは組付部材が大きな荷重を受けるこ
とを回避可能な技術を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の電
池の結合構造は次の構成を採用した。すなわち、電池を
組付部材に組み付けるための結合構造において、前記電
池あるいは前記組付部材の少なくとも一方には、該電池
と該組付部材との結合部近傍に、該電池と該組付部材と
の間の相対変位を可能とする変形部が設けられているこ
とを特徴とする。
【0008】かかる電池の結合構造においては、電池あ
るいは組付部材の少なくともどちらかが、該電池と該組
付部材との結合部付近で変形可能となっており、該電池
と該組付部材とが互いに相対変位可能に結合されてい
る。
【0009】こうすれば、何らかの理由によって電池に
大きな荷重が作用した場合に、前記変形部の変形によっ
て、該電池は該組付部材に対して該荷重から逃げる方向
に相対変位する。その結果、このような相対変位によっ
て荷重が吸収され、電池と組付部材との結合部付近に大
きな荷重が加わることを回避することができるので好ま
しい。
【0010】かかる電池の結合構造を、組付部材に二次
電池を組み付けるために適用してもよい。二次電池は、
充放電の条件に応じて内圧が上昇して電池が変形するこ
とがあり、二次電池の結合部付近に大きな荷重が作用す
る場合がある。このような場合でも、二次電池が本発明
の構造によって組み付けられていれば、内圧上昇に起因
して加わる荷重を結合部付近の変形が吸収するので、二
次電池あるいは組付部材に大きな荷重が生じることがな
くなるので好ましい。
【0011】かかる電池の結合構造においては、電池あ
るいは組付部材に設けられた変形部を、可塑性材料ある
いは弾性材料を用いて形成しても良い。
【0012】こうすれば、何らかの理由によって電池に
大きな荷重が作用した場合に、可塑性材料あるいは弾性
材料で形成された該変形部が変形して荷重を吸収するこ
とができるので好ましい。
【0013】かかる電池の結合構造においては、電池と
組付部材とを、該電池あるいは該組付部材とは別体に形
成された変形部を介して結合してもよい。かかる構造に
おいても、何らかの理由で電池の大きな荷重が作用した
場合に、該変形部の変形によって該電池が該組付部材に
対して相対変位する。その結果、このような相対変位に
よって荷重が吸収され、電池と組付部材との結合部付近
に大きな荷重が加わることがなくなる。
【0014】長手形状をした電池の結合構造において
は、電池と組付部材との結合部近傍に、短手方向の荷重
を受けて変形し、電池を組付部材に対して相対変位させ
るような変形部を設けてもよい。
【0015】こうすれば、電池に短手方向の荷重が加わ
った場合でも、前記変形部の変形によって該電池が組付
部材に対して相対変位して荷重を吸収する。長手形状の
電池が短手方向の荷重を受ける場合には、荷重方向に対
するスパンを充分に取れないため、電池と組付部材との
結合部付近に大きな荷重が生じやすくなるが、かかる変
形部を設けておけば、該変形部が変形して荷重を吸収す
るので、電池と組付部材との結合部付近に大きな荷重が
生じることを回避することが可能となる。
【0016】かかる電池の結合構造においては、前記変
形部を、前記電池の結合部と該電池の本体部とを長手方
向につなぐ弾性変形可能な橋梁部としてもよい。
【0017】こうすれば、短手方向の荷重に対して、前
記橋梁部が弾性変形するので、前記電池は前記組付部材
に対して相対変位する。その結果、該電池あるいは該組
付部材の結合部付近に大きな荷重が生じることを回避す
ることができる。また、前記橋梁部は前記電池の結合部
と該電池の本体部とを長手方向につないでおり、長手方
向の荷重に対しては変形することがない。このため、長
手方向の荷重に対しては電池を組付部材にしっかりと結
合することができる。
【0018】更に、かかる電池の結合構造においては、
電池の結合部を、樹脂製の電池容器に金属製のネジ部材
を埋設して形成した結合部としてもよい。かかる結合部
を有する電池を上述した結合構造を適用して組み付け
る。
【0019】こうすれば、電池が荷重を受けたときに変
形部が変形することで電池が組付部材に対して相対変位
して荷重を吸収するので、樹脂製の電池容器と金属製の
ネジ部材との境界部付近に大きな荷重が生じることがな
い。
【0020】長手形状の二次電池を電池の短手方向に複
数並べて組付部材に組み付ける場合には、該電池あるい
は該組付部材の少なくとも一方には、該電池と該組付部
材との結合部近傍に次のような変形部を設けてもよい。
すなわち、前記複数の二次電池の中の一の電池が変形し
て隣接する二次電池に荷重を及ぼしたときに、該荷重に
よって変形して、荷重を受けた二次電池を前記組付部材
に対して相対変位可能とする変形部を、該電池側あるい
は該組付部材側の少なくとも一方に設けてもよい。
【0021】こうすれば、充放電条件に起因した内圧上
昇によって変形するといった原因により、複数の二次電
池の中の一の電池が隣接した二次電池に荷重を及ぼした
としても、荷重を受けた二次電池は組付部材に対して相
対変位して荷重を吸収するため、該二次電池あるいは組
付部材の結合部付近に大きな荷重が生じることがない。
【0022】かかる電池の結合構造においては、前記電
池を前記組付部材に組み付けるための結合部で、該電池
と該組付部材とが互いに相対変位可能なように組み付け
ておいても良い。
【0023】このように組み付けておけば、何らかの理
由によって電池に大きな荷重が作用した場合に、電池は
組付部材に対して該荷重から逃げる方向に相対変位す
る。その結果、このような相対変位によって荷重が吸収
されて、電池と組付部材との結合部に大きな荷重が加わ
ることがなくなるので好適である。
【0024】組付部材に複数の電池を組み付けて成る組
電池においては、上述した構造を適用して電池を組付部
材に組み付けてもよい。こうすれば、電池に何らかの原
因で荷重が加わっても、組電池を構成する電池あるいは
組付部材の結合部付近に大きな荷重が加わることがな
い。その結果、複数の電池を組み付けて成る組電池の信
頼性を向上させることができる。
【0025】また、組付部材に組み付けた複数の電池を
電気的に接続して組電池を構成し、該組電池の電力を用
いて走行する電動車両においては、上述した構造を適用
して電池を組付部材に組み付けてもよい。
【0026】電動車両の走行に伴って、車両の搭載され
た組電池には、走行に伴う振動や温度環境の変化等にさ
らされ、組電池を構成する個々の電池にも、これら要因
に起因する荷重が加わる場合がある。上述した構造を適
用して各電池を組付部材に組み付けておけば、荷重を受
けた電池が取付部材に対して相対変位して荷重を吸収す
るので、電池と組付部材との結合部付近に大きな荷重が
生じるおそれがない。その結果、組電池の信頼性を向上
させ、延いては電動車両の信頼性を向上させることが可
能となる。
【0027】かかる電動車両においては、複数の二次電
池で構成された組電池を搭載することとして、該各二次
電池を上述した構造を適用して組付部材に組み付けても
よい。
【0028】電動車両に搭載された二次電池は、車両の
走行条件に応じて充放電条件が変化する。一般に二次電
池は、充放電条件によっては電池内圧が上昇して電池が
変形することがあるので、車両の走行条件によっては電
池が変形して、二次電池と組付部材との結合部付近に大
きな荷重が加わる場合がある。このような場合でも、上
述した構造を適用して二次電池を組み付けていれば、電
池内圧の上昇に起因して加わる荷重を結合部付近の変形
が吸収するので、二次電池あるいは組付部材に大きな荷
重が加わるおそれがない。従って、組電池の信頼性向上
を通じて電動車両の信頼性を向上させることが可能とな
る。
【0029】かかる電動車両においては、長手形状をし
た複数の二次電池を短手方向に並べて組付部材に組み付
けた組電池を搭載することとして、該各二次電池あるい
は該組付部材の少なくとも一方には、次のような変形部
を設けることとしてもよい。すなわち、複数の二次電池
の中の一の二次電池が変形して隣接する二次電池に荷重
を及ぼしたときに、該荷重によって変形して荷重を受け
た二次電池を前記組付部材に対して相対変位させるよう
な変形部を、該各二次電池を該組付部材に組み付けるた
めの結合部近傍に設けるようにしてもよい。
【0030】このように、長手形状の二次電池を短手方
向に複数並べて組み付けて構成した組電池は、コンパク
トな組電池とすることができるので、電動車両に好適に
搭載することができる。かかる組電池において、各二次
電池と組付部材とを上述した構造を適用して組み付けれ
ば、複数の二次電池の中の一の電池が変形して隣接する
二次電池の荷重を及ぼした場合でも、荷重を受けた二次
電池が組付部材に対して相対変位して該荷重を吸収する
ので、二次電池あるいは組付部材に大きな荷重が加わる
おそれがない。このため、電動車両の信頼性を向上させ
ることが可能となる。
【0031】尚、本発明の結合構造は、ネジ止め,溶
接,接着,かしめ等の種々の結合方法に対しても適用可
能であることは言うまでもない。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の作用・効果をより明確に
説明するために、本発明の実施の形態を、次のような順
序に従って説明する。 A.装置構成: B.電池モジュールの結合構造: B−1.バッテリユニットおよび電池モジュールアセン
ブリの構造: B−2.電池モジュールの結合構造: C.変形例:
【0033】A.装置構成:図1は、本実施例の方法で
組み付けられた電池を搭載するハイブリッド車両の構成
を示す説明図である。ハイブリッド車両とは、エンジン
と電動機とを動力源とする車両のことである。図示する
ように、かかるハイブリッド車両は、エンジン10と、
モータ20と、トルクコンバータ30と、駆動回路40
と、バッテリユニット50と、制御ユニット80と、変
速機90などから構成されている。本実施例の結合構造
を有する電池は、バッテリユニット50の構成要素とし
て使用されている。以下、ハイブリッド車両を構成する
各要素について簡単に説明する。
【0034】エンジン10は、通常のガソリンエンジン
である。エンジン10の出力軸12は、モータ20のロ
ータ22に結合されている。モータ20は、外周面に複
数の永久磁石が設けられたロータ22と、内周面に三相
コイルを備えたステータ24とから構成された同期モー
タである。ステータ24の三相コイルに交流電流を流す
と、交流電流の電流値および周波数に応じて、所定の駆
動力および回転速度でロータ22が回転する。また、ロ
ータ22が外力によって回転させられる場合には、三相
コイルの両端に起電力が生じ、モータ20は発電機とし
て機能する。
【0035】駆動回路40は、半導体素子を用いて構成
されたインバータである。駆動回路40は、ステータ2
4に巻回された三組のコイルの各端子と、後述するバッ
テリユニット50の直流電源とを接続するスイッチとし
ての機能を有している。制御ユニット80の制御の下、
駆動回路40はバッテリユニット50の直流電流を適切
な電流値および周波数の交流電流に変換して、ステータ
24の三相コイルに流している。また、モータ20が発
電機として機能している場合には、発電された交流電流
を直流電流に変換してバッテリユニット50に蓄えるこ
とができる。バッテリユニット50については後述す
る。
【0036】制御ユニット80は、CPU,RAM,R
OMなどを備える周知のワンチップ・マイクロコンピュ
ータであり、エンジン10あるいは駆動回路40などの
制御を行う。トルクコンバータ30は、液体を利用した
周知の動力伝達機構であり、モータ20からの動力は入
力軸13を介してトルクコンバータ30に入力され、出
力軸14から変速機90に出力される。変速機90は、
遊星ギヤ機構と、複数のクラッチなどから構成された周
知の自動変速機であり、制御ユニット80の制御の下、
入力軸と出力軸15との間の変速比を制御している。変
速機の出力軸15は、ディファレンシャルギヤ16を介
して車軸17に結合されている。
【0037】以上のような構成のハイブリッド車両は、
エンジン10あるいはモータ20から出力される駆動力
を、トルクコンバータ30を介して変速機90に伝達
し、変速機90で増速あるいは減速して車軸17に伝達
して車両を駆動する。車両の運転条件に応じて、エンジ
ン10およびモータ20の2つの動力源を使い分けるこ
とによって、車両全体としてのエネルギ効率を向上させ
ることができる。
【0038】B.電池モジュールの結合構造: B−1.バッテリユニットおよび電池モジュールアセン
ブリの構造:上述のハイブリッド車両のバッテリユニッ
ト50は多くの電池モジュールによって構成されてお
り、該電池モジュールを組み付けるために、本実施例の
電池の結合構造が使用されている。そこで、電池モジュ
ールの結合構造を説明する準備として、バッテリユニッ
ト50および電池モジュールアセンブリ52の構造につ
いて簡単に説明する。
【0039】図2は、バッテリユニット50の構造を概
念的に示した説明図である。図示するようにバッテリユ
ニット50は、4つの電池モジュールアセンブリ52を
並列に接続した構造となっている。もちろん、必要な電
流量あるいは電圧に応じて、より多数の電池モジュール
アセンブリ52を並列あるいは直列に接続しても構わな
い。電池モジュールアセンブリ52は多数の二次電池モ
ジュール100を直列に接続して構成されている。
【0040】図2に示すように、電池モジュールアセン
ブリ52内には38個の電池モジュール100が、鉄や
銅などの導電性材料を用いて形成された端子接続板58
で直列に接続されて収納されている。複数の電池モジュ
ールを直列に接続した正極側の最終端は、電池モジュー
ルアセンブリ52の正極側出力端子55に接続され、負
極側の最終端は電池モジュールアセンブリ52の負極側
出力端子57に接続されている。この結果、電池モジュ
ールアセンブリ52の正極側出力端子55と負極側出力
端子57との間には、1つの電池モジュール100が発
生する電圧の38倍の電圧が得られることになる。
【0041】4つの電池モジュールアセンブリ52の正
極側の各出力端子55は、バッテリユニット50の正極
側出力端子54に接続されている。同様に、4つの電池
モジュールアセンブリ52の負極側の各出力端子57
は、バッテリユニット50の負極側出力端子56に接続
されている。このように複数個の電池モジュールを組み
合わせて、直列あるいは並列に適切に接続することによ
って、所望の電圧値で所望の電流量を供給し得るバッテ
リユニット50を構成することができる。
【0042】図3は、電池モジュール100の外観形状
を示した説明図である。本実施例の電池モジュール10
0は、薄い箱型形状をした密閉容器(以下では、モジュ
ール容器102と呼ぶ)に正極端子104および負極端
子106の2つの端子が突設された形状となっている。
モジュール容器102は、ナイロンなどの絶縁性樹脂材
料を用いて形成されている。図示するように、モジュー
ル容器102の両端には結合部110が設けられてお
り、後述するように結合部110で、電池モジュールア
センブリ52のロアケース60と呼ばれる部品にネジ止
めされる。結合部110の形状については、後ほど詳し
く説明する。また、モジュール容器102の外側の側面
には、図示するように、両端に小さな突出部101が設
けられていて、両側の突出部101の間に形成された少
し窪んだ部分には、小さな突起103が多数設けられて
いる。突出部101および突起103の役割については
後述する。
【0043】電池モジュール100の内部は、セルと呼
ばれる6つの小部屋に分割されていて、各セルには単電
池が1つずつ格納されている。バッテリユニット50で
は単電池として、いわゆるニッケル−水素二次電池が使
用されている。すなわち、ニッケル合金製の正極板と水
素吸蔵合金製の負極板とを、樹脂製の不織布(セパレー
タと呼ばれる)を挟んで複数組積層し、強アルカリ性の
電解液とともにセルに格納されている。各単電池は電池
モジュール内部で直列に接続され、直列に接続された単
電池のソース側(高電圧側)が正極端子104に、シン
ク側(低電圧側)が負極端子106に接続されている。
各単電池は約1.2Vの起電力を発生させており、電池
モジュール内では6つの単電池が直列に接続されている
ので、1つの電池モジュールで7.2Vの電圧を得るこ
とができる。
【0044】図4は、38個の電池モジュール100を
組み付けて、電池モジュールアセンブリ52を組み立て
る様子を示す説明図である。図示するように、ロアケー
ス60には送風口68からの冷却風が通る冷却風通路6
0aが設けられていて、冷却風通路60aの両側にはボ
ルト61で電池モジュール100を固定するための組み
付け穴60bが空けられている。冷却風通路60aをま
たぐように電池モジュール100を置いて、電池モジュ
ール100の両端をロアケース60の下側からボルト6
1で固定する。電池モジュール100の底面には、電池
モジュール100をボルトで固定するためのネジ穴が両
端に設けられている。ロアケース60の組み付け穴60
bは、電池モジュール100を組み付けたときにモジュ
ールの間隔が等間隔となるよう、穴ピッチpで等間隔に
空けられている。
【0045】電池モジュール100の厚さTは、穴ピッ
チpとほぼ等しくなっている。このため、ロアケース6
0の上に電池モジュール100を組み付ける際には、先
に組み付けた電池モジュール100に次の電池モジュー
ル100を軽く押し当てるようにすれば、電池モジュー
ル100の底面に設けられたネジ穴位置とロアケース6
0の組み付け穴60b位置とを容易に一致させることが
できる。38個の電池モジュール100をこうして1つ
ずつロアケース60にボルト61で固定していく。尚、
本実施例の組電池としての電池モジュールアセンブリ5
2では、電池モジュール100は、図2に示したように
直列に接続されるので、電池モジュール100の極性が
交互に逆になるように、注意して組み付けておく。
【0046】こうしてすべての電池モジュール100を
組み付けたら、図4に示すように、38個の電池モジュ
ールを両側から挟み込むようにして、2枚の拘束プレー
ト70を拘束ロッド72とナット71で組み付ける。拘
束プレート70および拘束ロッド72は鉄などの金属材
料で形成されている。拘束プレート70の機能について
は後述する。
【0047】拘束プレート70を組み付けたら、隣接す
る電池モジュール100の正極端子104と負極端子1
06とを端子接続板58で接続して、38個の電池モジ
ュールを直列に接続する。端子接続板58は、銅,鉄な
どの導電性のある金属材料で形成されている。尚、図2
を用いて前述したように、隣接する正極端子と負極端子
とは端子接続板58を用いてそれぞれ接続されている
が、図示の煩雑化を避けるために、図4では、一部の端
子接続板58のみを表示し、他の端子接続板58は図示
を省略している。端子接続板58を用いて各電池モジュ
ールを直列に接続したら、電池モジュール列の正極側を
正極側出力端子55に、負極側を負極側出力端子57に
それぞれ結線する。図4では、図の煩雑化を避けるため
に電気配線の表示も省略している。こうして端子間を接
続した後、アッパケース62を上から被せて、ボルト6
3でロアケース60に締結すると電池モジュールアセン
ブリ52が完成する。このような電池モジュールアセン
ブリ52を4つ並列に接続して、バッテリユニット50
が構成されている。
【0048】電池モジュール100は、放電時あるいは
充電時に内部抵抗によってジュール熱を発生する。一般
に二次電池は電池温度が高くなると充電効率、すなわち
充電電力量に対する放電可能な電力量の比率が低下する
傾向があるので、電池モジュールの温度が高くなり過ぎ
ないように冷却しながら使用される。また、上述したよ
うに、電池モジュールアセンブリ52は複数の電池モジ
ュール100を用いて構成されているので、各電池モジ
ュール間で電池温度にばらつきが生じないように冷却す
ることが望ましい。電池モジュール間の温度のばらつき
が小さければ、各電池モジュールの寿命のばらつきが少
なくなるといった効果が得られる。このような効果を得
るために、電池モジュール100の側面には突出部10
1および突起103が設けられている(図3参照)。以
下、電池モジュール100の側面に設けられた突出部1
01および突起103の機能について説明する。
【0049】図5は、ロアケース60上に電池モジュー
ル100が組み付けられている状態を、3つの電池モジ
ュール100のみを取り出して示す上面図である。電池
モジュール側面の両側には突出部101が設けられてい
るので(図3参照)、図5に示すように、電池モジュー
ル同士の突出部位置を合わせて複数の電池モジュール1
00を並べると、各電池モジュールの間に、矩形断面の
冷却通路109が形成される。冷却通路109の短手方
向の幅は、どの通路も突出部101の高さの2倍に等し
い。すなわち、図4に示したように電池モジュールアセ
ンブリ52を組み立てると、38個の電池モジュール1
00の各モジュール間には、等しい大きさの冷却通路1
09が形成されることになる。従って、ロアケース60
に設けた送風口68から、送風ファンを用いて冷却風を
供給すると、冷却風は、電池モジュール100間の各冷
却通路109を抜けて、アッパケース62に設けた排気
口69から電池モジュールアセンブリ52外に排出され
る(図4参照)。冷却通路109の大きさは、いずれの
電池モジュール間も等しいので、通路を通過する冷却風
の風量はほぼ等しく、すべての電池モジュールが同じよ
うに冷却される。このように、電池モジュール100の
突出部101は、同じ大きさの冷却通路109をモジュ
ール間に形成し、各電池モジュール100を等しく冷却
する機能を有している。
【0050】また、電池モジュール100の側面に設け
られた突起103は次のような機能を有している。突起
103は、突出部101とほぼ同じ高さに形成されてい
る。また、図5に示すように突出部101の位置を合わ
せて電池モジュール100を並べると、電池モジュール
側面の突起103が隣接する電池モジュールの突起10
3と向かい合う関係となるような位置に、突起103は
設けられている(図5参照)。このため、電池モジュー
ル100の充放電条件の影響で電池モジュールの内圧が
上昇し、モジュール容器の側面が膨らむように変形する
電池モジュールがあったとしても、この電池モジュール
と隣接する電池モジュールとの間の冷却通路109は幅
は変化することなく確保される。従って、このような場
合にも、各冷却通路109を通過する冷却風量は等しく
なって、すべての電池モジュールを同じように冷却する
ことができる。すなわち、電池モジュール100の側面
に設けられた突起103は、モジュール間の冷却通路1
09の幅を常に保って、電池モジュール100を等しく
冷却する機能を有している。
【0051】B−2.電池モジュールの結合構造:図6
は、電池モジュール100の両端に設けられた結合部1
10の形状を示す斜視図である。また、図7は電池モジ
ュール100の結合部110を上方から見た拡大図であ
り、図8は、図7にA−Aと示した位置での断面図であ
る。図6に示すように、結合部110は略円筒形状をし
ていて、図7および図8に示すように結合部110の内
部にはネジ部材114が埋め込まれている。ネジ部材1
14の内面には雌ねじが切られていて、電池モジュール
100はこのネジによってロアケース60に固定され
る。
【0052】モジュール容器102は、雌型の中に高温
の樹脂を射出後、樹脂を硬化させて所望の形状を得ると
いう、いわゆるインジェクション成型と呼ばれる方法で
作られている。本実施例では、樹脂射出前に雌型の所定
位置にネジ部材114をセットしておき、モジュール容
器102を成型すると同時にネジ部材114を埋め込む
方法を用いている。こうすれば、モジュール容器102
の成型と同時にネジ部材114が埋め込まれるので、簡
便にモジュール容器102を製造することができる。も
ちろん、予め成型しておいたモジュール容器102に、
圧入または接着などの方法によってネジ部材114を設
けても構わない。
【0053】図6ないし図8に示すように、結合部11
0とモジュール容器102とは橋梁部112によって、
モジュール容器の長手方向につながっている。橋梁部1
12は、電池モジュールの長手方向の荷重を受けた場
合、あるいは上下方向の荷重を受けた場合には変形しな
いが、短手方向の荷重を受けた場合には変形し得る。こ
のため、結合部110をボルト61でロアケース60に
組み付けると、電池モジュール100は長手方向あるい
は上下方向に対してはロアケース60にしっかりと固定
され、その一方で短手方向に対しては橋梁部112が変
形する分だけロアケース60に対して相対変位すること
が可能となっている。
【0054】一般に二次電池は、充放電条件によっては
電極からガスが発生して電池内圧が上昇する場合があ
り、本実施例の電池モジュール100もこのような内圧
上昇によって変形する場合がある。本実施例の電池モジ
ュールアセンブリ52は、図4に示すようにロアケース
60上に複数の電池モジュール100を並べて構成され
ているので、複数の電池モジュールの中のある電池モジ
ュールで変形が生じると、隣接する電池モジュールが短
手方向の荷重を受けることになる。
【0055】図9は、ロアケース60上に組み付けられ
た一の電池モジュール100が内圧上昇によって変形
し、隣接する電池モジュール100が短手方向に荷重を
受けている様子を示す説明図である。図9では、内圧上
昇によって変形している電池モジュールと隣接する両側
の電池モジュール、すなわち3つの電池モジュールを上
方から見た様子を示している。尚、図の煩雑化をさせる
ために、ロアケース60等の表示は省略している。ま
た、説明の都合上から、以下では3つの電池モジュール
に上から「M1」,「M2」,「M3」と符合して各電
池モジュールを区別する。図示した例では、電池モジュ
ールM2が、内圧上昇によって変形しているものとす
る。
【0056】図5を用いて説明したように、電池モジュ
ール100の側面には、冷却通路109を確保して電池
モジュールを均等に冷却するための突起103が設けら
れている。このため、図9に示すように、電池モジュー
ルM2の側面が膨らむように変形すると、隣接する電池
モジュールM1あるいはM3の側面が突起103によっ
て押されて、電池モジュールM1あるいはM3が弓状に
変形する(図9参照)。このとき、電池モジュールM1
あるいはM3とロアケース60との結合部には大きな捻
りトルクが作用する。図6ないし図8を用いて説明した
ように、本実施例の電池モジュールは橋梁部112を介
してロアケース60に組み付けられているので、結合部
に捻りトルクが作用した場合に橋梁部112が変形して
トルクを吸収する。このため、例えば樹脂製のモジュー
ル容器102と金属製のネジ部材114とが接合する部
分に大きなトルクがかかって、モジュール容器102と
ネジ部材114とが離れてしまうことがない。すなわ
ち、本実施例の電池モジュールの結合構造によれば、内
圧上昇などによって電池モジュール100が変形して
も、モジュール容器102はネジ部材114を介してロ
アケース60にしっかりと固定しておくことができる。
【0057】内圧が上昇したときの電池モジュールは、
必ずしも図9に示したように両側の側面が同じように膨
らむとは限らない。例えば、電池モジュールがよじれる
ように、すなわち、電池モジュールの一端と他端とが逆
方向に倒れるように変形する場合もある。
【0058】図10は、ロアケース60上に組み付けら
れた一の電池モジュール100が内圧上昇によってよじ
れるように変形し、隣接する電池モジュール100が変
形している様子を示す説明図である。図10では、内圧
上昇によって変形している電池モジュールと隣接する両
側の電池モジュール、すなわち3つの電池モジュールを
短手方向から見た様子を示している。説明の都合から、
図9と同様に以下では3つの電池モジュールに左側から
「M4」,「M5」,「M6」と符合して各電池モジュ
ールを区別する。図示した例では、電池モジュールM5
が、内圧上昇によって変形しているものとする。
【0059】図3を用いて説明したように、電池モジュ
ール100の側面には突出部101が設けられており、
図5に示したように各電池モジュールは突出部101位
置を合わせてロアケース60に組み付けられる。このた
め、電池モジュールM5がよじれるように変形すると、
図10に示すように、隣接する電池モジュールM6は突
出部101に押されて、押された側が倒れるように変形
する。このとき、電池モジュールM6とロアケース60
との結合部には大きな曲げトルクが作用する。図6ない
し図8を用いて説明したように、本実施例の電池モジュ
ールは橋梁部112を介してロアケース60に組み付け
られているので、結合部に曲げトルクが作用した場合に
橋梁部112が変形して曲げを吸収する。このため、例
えば樹脂製のモジュール容器102と金属製のネジ部材
114とが接合する部分に大きな曲げトルクがかかっ
て、ネジ部材114がこじられるようにしてモジュール
容器102から抜けてしまうことがない。すなわち、本
実施例の電池モジュールの結合構造によれば、内圧上昇
などによって電池モジュール100が変形しても、モジ
ュール容器102はネジ部材114を介してロアケース
60にしっりと固定しておくことができる。
【0060】以上では、電池モジュール100の内圧上
昇によってモジュールが変形し、その結果、隣接する電
池モジュール100が短手方向の荷重を受ける場合を2
つ例にとって説明した。もっとも、電池モジュールが短
手方向の荷重を受けるメカニズムはこのようなものに限
られず、例えば、電池モジュール100が他の部品と干
渉して荷重を受けるといった場合にも同様に適用でき
る。また、上述の説明では、ロアケース60上に複数の
電池モジュール100を並べて取り付ける場合を例にと
って説明しているが、電池モジュールを単独で取り付け
る場合や、あるいは複数の電池モジュールをモジュール
同士の間隔をおいて取り付ける場合にも適用することが
できる。
【0061】また、図4を用いて説明したように、本実
施例の電池モジュール100は、ロアケース60に組み
付けられた後、両側を拘束プレート70で拘束されてい
る。拘束プレート70は次のような目的で装着される。
すなわち、拘束プレート70で両側を拘束しておけば、
電池モジュールの内圧が上昇してモジュールの両側面が
外側に膨らむように変形しても、最大変形量を所定値以
下に規制することができる。変形量があまりに大きい
と、電池モジュール100に格納されている単電池の正
極板と負極板との間隔が変化して電池性能が変わってし
まう場合があるが、拘束プレート70によって最大変形
量を所定値以下に規制しておけば、このようなおそれを
回避することができる。また、38個の電池モジュール
をきちんと並べ両側を拘束プレート70で軽く拘束して
一体化しておけば、すべての電池モジュール100を一
度に位置決めすることができるので、ロアケース60へ
の組み付け作業を簡単にできる場合もある。
【0062】本実施例の結合構造を採用した電池モジュ
ール100は、短手方向の荷重に対して変形する橋梁部
112を有するため、短手方向の荷重を受けるとロアケ
ース60に対して相対変位する。しかし、電池モジュー
ル100の両側は拘束プレート70によって拘束されて
いるので、電池モジュール100が所定以上に大きく変
位してしまうことはない。また、それ以上の大きな荷重
が加わった場合には、電池モジュール100が変位して
拘束プレート70に荷重が加わることになる。すなわ
ち、大きな荷重が橋梁部112に集中してかかるおそれ
がない。
【0063】C.変形例:上述した電池モジュールの結
合構造には、種々の変形例が存在する。第1の変形例の
結合構造は、図11に示すように、円柱形の結合部21
0とモジュール容器202とが、橋梁部212で長手方
向につながった構造となっている。第1の変形例の電池
モジュール200の場合もモジュール容器202は樹脂
によって形成され、結合部210の内部には金属製のネ
ジ部材214が埋設されている。前述した実施例と同様
に、電池モジュール200はネジ部材214を用いてロ
アケース60にネジ止めされる。
【0064】かかる第1の変形例の結合構造を有する電
池モジュール200に短手方向の荷重か加わると、前述
した結合構造の場合と同様に、橋梁部212が変形して
荷重を吸収する。このため、結合部210に大きな捻り
トルクあるいは曲げトルクがかかることがない。
【0065】また、第1の変形例の結合構造には、結合
部210の外径を電池モジュールの厚さT程度まで大き
くすることができるので、大きなネジ部材214を埋設
することができる。大きなネジ部材214を用いれば、
太いボルトを用いて、電池モジュール200とロアケー
ス60とをしっかりと結合することができるので好適で
ある。
【0066】上述した結合構造においては、荷重を受け
て変形する橋梁部はいずれも電池モジュール側に設けら
れているが、ロアケース側に設けてもよい。図12は、
ロアケース60側に、結合部310および橋梁部312
を設けた結合構造を示した説明図である。図12に示す
ように、第2の変形例においては、結合部310とロア
ケースの本体とは橋梁部312によってつながってい
る。橋梁部312の方向は、組み付けられる電池モジュ
ールの長手方向に一致している。
【0067】かかる第2の変形例の結合構造において
は、組み付けられている電池モジュールに短手方向の荷
重が加わると、ロアケース側に設けられた橋梁部312
が変形して、電池モジュールにかかった荷重を吸収す
る。このため、電池モジュールとロアケースとの結合部
でに大きな荷重が加わることを回避することができる。
【0068】また、ロアケース60に容易に変形可能な
突起部を設け、該突起部に電池モジュールをネジ止めし
た結合構造としてもよい。図13は、かかる第3の変形
例の結合構造を説明するためのロアケース60の横断面
図である。図示されているように、ロアケース60に設
けられた冷却風通路60bの両側に、変形部412とし
て、容易に変形可能な突起部を設け、該突起部に電池モ
ジュールの両端をボルト61でネジ止めする。
【0069】かかる第3の変形例の結合構造において
は、以下に説明するように、熱膨張による電池モジュー
ルの変形を変形部412で吸収することによって、電池
モジュールとロアケース60との結合部に大きな荷重が
加わることを回避することができる。すなわち、環境温
度が変動すると、それに伴って電池モジュール両端に埋
め込まれたネジ部材414間の距離も増減するが、電池
モジュールとロアケースとは、通常、熱膨張係数が異な
っているので、電池モジュールとロアケースとの結合部
分に熱応力が発生し得る。これに対して、第3の変形例
の結合構造においては、ロアケースに設けた変形部41
2が、図中に破線で示すように変形して熱膨張差を吸収
するので、結合部に生じる熱応力が緩和され、電池モジ
ュールとロアケースとの結合部に大きな荷重が加わるこ
とを回避することができる。
【0070】上述の例では、電池モジュールをロアケー
スに組み付ける際に、荷重を受けて変形する部分である
変形部を電池モジュールあるいはロアケースのいずれか
に設けている。しかし、これに限らず、荷重を受けて変
形する部材を介して、電池モジュールをロアケースに組
み付けるようにしてもよい。図14は、変形部を有する
スタッドボルト561を用いて電池モジュールをロアケ
ースに結合する例を示している。図14に示した第4の
変形例の結合構造においては、電池モジュール500を
ロアケース60と結合するために結合部510には、ネ
ジ部材514が埋設されていて、ネジ部材514に、ス
タッドボルト561の一端をねじ込む。次いで、ねじ込
まれたスタッドボルト561の他端を、ロアケース60
に設けられた取り付け穴60bに入れて、ナットでロア
ケース60に固定する。図14に示すように、スタッド
ボルト561の中央部分にはゴムなどの弾性材料あるい
は可塑性材料でできた変形部512が設けられている。
電池モジュール500に短手方向の荷重が加わると、ス
タッドボルト561に設けた変形部512が変形して荷
重を吸収する。このため、電池モジュールとロアケース
との結合部に大きな荷重が加わることを回避することが
できる。図14に示した例では、変形部を有するスタッ
ドボルト561を介して電池モジュールとロアケースと
を結合したが、これに限らず例えば、図15に示す第5
の変形例のように、ゴムシート等の変形部材612を介
して電池モジュールとロアケースとを接着しても構わな
い。
【0071】更には、次のような単純な構造を用いて電
池モジュールを取り付けても良い。すなわち、電池モジ
ュール700の結合部に取り付け穴710を設けてお
き、図16に示すように、この取り付け穴710にボル
ト761を通して、ワッシャ762とロアケース60と
で電池モジュール7700を挟み込むように締結する。
ここで、電池モジュールの取り付け穴710の内径を、
ボルト761との間に所定の隙間が生じるような適切な
値にしておく。このような第6の変形例では、何らかの
要因で電池モジュール700に大きな荷重が加わった場
合に、取り付け穴710とボルト761との間に設けた
隙間の分だけ電池モジュール700が移動し得る。ま
た、熱膨張によって電池モジュール700が変形した場
合にも、かかる相対移動によって変形を吸収することも
できる。従って、電池モジュールとロアケースとの結合
部分に大きな荷重が生じることを回避することが可能と
なる。
【0072】以上、各種の実施例について説明してきた
が、本発明は上記すべての実施例に限られるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の電池モジュールが用いられているハ
イブリッド車両の機能ブロック図である。
【図2】本実施例の電池モジュールが用いられているバ
ッテリユニットの構造を概念的に示す説明図である。
【図3】本実施例の電池モジュールの外観形状を例示す
る説明図である。
【図4】電池モジュールアセンブリの構造を示すための
分解組立図である。
【図5】ロアケース上に電池モジュールを組み付けた様
子を示す上面図である。
【図6】電池モジュールの結合部の形状を拡大して示す
斜視図である。
【図7】電池モジュールの結合部と橋梁部の形状を示す
上面図である。
【図8】電池モジュールの結合部と橋梁部の形状を示す
断面図である。
【図9】電池モジュールの変形によって、隣接する電池
モジュールに短手方向の荷重がかかる一例を示す説明図
である。
【図10】電池モジュールの変形によって、隣接する電
池モジュールに短手方向の荷重がかかる他の一例を示す
説明図である。
【図11】第1の変形例の結合構造を示す斜視図であ
る。
【図12】第2の変形例の結合構造を示す斜視図であ
る。
【図13】第3の変形例の結合構造を示すロアケースの
横断面図である。
【図14】第4の変形例の結合構造を示す斜視図であ
る。
【図15】第5の変形例の結合構造を示す斜視図であ
る。
【図16】第6の変形例の結合構造を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
10…エンジン 12…出力軸 13…入力軸 14…出力軸 15…出力軸 16…ディファレンシャルギヤ 17…車軸 20…モータ 22…ロータ 24…ステータ 30…トルクコンバータ 40…駆動回路 50…バッテリユニット 52…電池モジュールアセンブリ 54…正極側出力端子 55…正極側出力端子 56…負極側出力端子 57…負極側出力端子 58…端子接続板 60…ロアケース 61…ボルト 62…アッパケース 63…ボルト 64…シール部材 68…送風口 69…排気口 70…拘束プレート 72…拘束ロッド 80…制御ユニット 90…変速機 100…電池モジュール 101…突出部 102…モジュール容器 103…突起 104…正極端子 106…負極端子 109…冷却通路 110…結合部 112…橋梁部 114…ネジ部材 200…電池モジュール 202…モジュール容器 210…結合部 212…橋梁部 214…ネジ部材 310…結合部 312…橋梁部 400…電池モジュール 412…変形部 414…ネジ部材 500…電池モジュール 510…結合部 512…変形部 514…ネジ部材 561…スタッドボルト 612…変形部材 700…電池モジュール 710…取り付け穴 761…ボルト 762…ワッシャ

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電池を組付部材に組み付けるための結合
    構造において、 前記電池あるいは前記組付部材の少なくとも一方には、
    該電池と該組付部材との結合部近傍に、該電池と該組付
    部材との間の相対変位を可能とする変形部が設けられて
    いることを特徴とする結合構造。
  2. 【請求項2】 前記電池は二次電池である請求項1記載
    の電池の結合構造。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の電池の結合構造であっ
    て、 前記変形部は、可塑性材料あるいは弾性材料を用いて形
    成されている電池の結合構造。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の電池の結合構造であっ
    て、 前記変形部は、前記電池あるいは前記組付部材とは別体
    に形成されている電池の結合構造。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の電池の結合構造であっ
    て、 前記電池は長手形状をした電池であり、 前記変形部は、該電池の短手方向の荷重を受けて変形
    し、該電池と前記組付部材との間の相対変位を可能とす
    る変形部である結合構造。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の電池の結合構造であっ
    て、 前記変形部は、前記電池の結合部と該電池の本体部とを
    長手方向につなぐ弾性変形可能な橋梁部である結合構
    造。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の電池の結合構造であっ
    て、 前記電池の結合部は、樹脂製の電池容器に金属製のネジ
    部材を埋設して形成された結合部である結合構造。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の電池の結合構造であっ
    て、 前記電池は長手形状の二次電池であり、 複数の前記二次電池を短手方向に並べながら、前記組付
    部材に結合するとともに、 前記変形部は、前記一の二次電池が変形して隣接する二
    次電池に及ぼす荷重によって変形して、該荷重を受けた
    二次電池と前記組付部材との間の相対変位を可能とする
    変形部である結合構造。
  9. 【請求項9】 電池を組付部材に組み付けるための結合
    構造であって、 前記電池と前記組付部材とは、該電池を該組付部材に組
    み付けるための結合部において、互いに相対変位し得る
    ように組み付けられていることを特徴とする結合構造。
  10. 【請求項10】 組付部材に組み付けた複数の電池を電
    気的に接続して成る組電池において、 前記各電池あるいは前記組付部材の少なくとも一方に
    は、該各電池を該組付部材に組み付けるための各結合部
    の近傍に、該電池と該組付部材との間の相対変位を可能
    とする変形部が設けられていることを特徴とする組電
    池。
  11. 【請求項11】 組付部材に組み付けた複数の電池を電
    気的に接続して成る組電池を搭載し、該組電池の電力を
    用いて走行する電動車両において、 前記組電池を構成する前記各電池あるいは前記組付部材
    の少なくとも一方には、該各電池を該組付部材に組み付
    けるための各結合部の近傍に、該各電池と該組付部材と
    の間の相対変位を可能とする変形部が設けられているこ
    とを特徴とする電動車両。
  12. 【請求項12】 前記電池は二次電池である請求項11
    記載の電動車両。
  13. 【請求項13】 請求項11記載の電動車両であって、 前記電池は長手形状の二次電池であり、 複数の前記二次電池を短手方向に並べながら、前記組付
    部材に結合するとともに、 前記変形部は、前記一の二次電池が変形して隣接する二
    次電池に及ぼす荷重によって変形して、該荷重を受けた
    二次電池と前記組付部材との間の相対変位を可能とする
    変形部である電動車両。
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