JP2001267742A - セラミック多層基板の製造方法およびそれに用いられる導体ペースト - Google Patents

セラミック多層基板の製造方法およびそれに用いられる導体ペースト

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JP2001267742A
JP2001267742A JP2000071810A JP2000071810A JP2001267742A JP 2001267742 A JP2001267742 A JP 2001267742A JP 2000071810 A JP2000071810 A JP 2000071810A JP 2000071810 A JP2000071810 A JP 2000071810A JP 2001267742 A JP2001267742 A JP 2001267742A
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ceramic
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Kazuhiro Miura
和裕 三浦
Takeo Anpo
武雄 安保
Masaaki Hayama
雅昭 葉山
Akira Hashimoto
晃 橋本
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、高精度のセラミック多層基板とそ
れに用いる導体ペーストを提供する事を目的とする。 【解決手段】 焼成の際、前記接着層の軟化後の燃焼中
あるいは燃焼後に、まず前記グリーンシート中のガラス
セラミックの焼結を開始させ、前記導体ペーストの導体
粒子を焼結させる為に、接着層の軟化や除去過程に左右
される事無くガラスセラミック基材と導体粒子が焼結を
行う事でパターン変形の無い精度の良い配線基板が出
来、またガラスセラミックの焼結開始と同時もしくは、
開始後に導体ペースト中の導体粒子の焼結を開始させる
為、電極周辺のガラスセラミック部のクラックが発生す
る事がなく、かつ電極が緻密な膜構造の配線とする事が
出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体LSIなど
を搭載し、かつそれらを相互配線するセラミック多層基
板の製造方法およびそれに用いられる導体ペーストに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体LSI、チップ部品等は小
型、軽量化が進んでおり、これらを実装する配線基板も
小型、軽量化が望まれている。このような要求に対し
て、セラミック多層基板は、要求される高密度配線が得
られ、なお薄膜化が可能な事より、今日のエレクトロニ
クス業界において重要視されている。
【0003】しかし、セラミック多層基板は焼成時に焼
結に伴う収縮が生じる。この焼結に伴う収縮は、使用す
る基板材料、グリーンシート組成、粉体ロットなどによ
り異なる。これにより多層基板の作製においていくつか
の問題が生じている。まず第1に、多層セラミック基板
の作製において内層配線の焼成を行なってから最上層配
線の形成を行なう為、基板材料の平面方向の収縮誤差が
大きいと、最上層配線パターンと寸法誤差の為内層電極
との接続が行えない。その結果、平面方向の収縮誤差を
予め許容するように最上層電極部に必要以上の大きい面
積のランドを形成しなければならず、高密度の配線を必
要とする回路には使用が難しい。その為収縮誤差にあわ
せて最上層配線の為のスクリーン版をいくつか用意して
おき、基板の収縮率に応じて使用する方法が取られるこ
ともある。この方法ではスクリーン版を数多く用意しな
ければならず不経済である。
【0004】また最上層配線を内層と同時に焼成を行な
えば大きなランドを必要としないが、この同時焼成法に
よっても基板そのものの収縮誤差はそのまま存在するの
で、基板への部品搭載時のクリーム半田印刷において、
その誤差の為必要な部分に印刷できない場合が起こり、
また部品実装においても所定の部品位置とズレが生じ
る。
【0005】これらの収縮誤差をなるべく少なくする為
には、製造工程において、基板材料およびグリーンシー
ト組成の管理はもちろん、粉体ロットの違いや積層条件
(プレス圧力、温度)を十分管理する必要がある。しか
し、一般に収縮率の誤差は±0.5%程度存在すると言
われている。
【0006】このことは多層基板にかかわらずセラミッ
ク、およびガラス・セラミックの焼結を伴うものに共通
の課題である。そこで特開平5−102666号公報に
おいては、低温焼結ガラス・セラミックよりなるグリー
ンシートに電極パターンを形成したものを所望枚数積層
し、この積層体の両面、もしくは片面に前記ガラス・セ
ラミック低温焼結基板材料の焼成温度では焼結しない無
機組成物よりなるグリーンシートで挟み込む様に積層
し、前記積層体を焼成する。しかる後に焼結しない無機
組成物を取り除くという発明がなされた。これにより基
板材料の焼結が厚み方向だけ起こり、平面方向の収縮が
ゼロの基板が作製でき上記の様な様々な課題が解決でき
る。
【0007】ただし、前記の基板作成方法では、配線基
板として必要とするガラス・セラミックのグリーンシー
ト以外に、前記ガラス・セラミック低温焼結基板材料の
焼成温度では焼結しない無機組成物よりなるグリーンシ
ートを必要とし、また焼成後、焼結しない無機組成物を
配線基板から取り除く工程が必要となる。
【0008】これに対し、接着層を形成した焼結済みセ
ラミック基板に未焼成グリーンシートを積層し、前記積
層体を焼成する方法がある。
【0009】これにより基板材料の焼結が厚み方向だけ
起こり、平面方向の収縮がゼロの基板が作製でき、かつ
焼結を抑えるセラミック基板をそのまま配線基板の一部
として使用する事が出来、除去などの工程を省く事とな
っている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術には幾つかの課題がある。それは、グリーンシー
トの焼結と電極の焼結のマッチングがとれていなけれ
ば、多層基板焼成時に、基板の焼結開始よりも導体材料
の焼結の方が早くし、基板が導体の焼結を抑える事が出
来ず、焼成後電極周辺の基板においてクラックが発生し
てしまう。この為前述の平面方向の収縮を抑えた多層配
線基板を使用する為には前記基板に適応した導体ペース
トが必要となる。
【0011】本発明は、上記課題を解決する為のもので
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する為
に本発明は、少なくともセラミック粉末、ガラスを主成
分として、可塑剤及び溶剤を添加して作製する未焼成グ
リーンシートの導体ペーストを用いて配線を印刷する工
程と、焼結済みセラミック基板に接着層を形成する工程
と、前記未焼成グリーンシートを前記焼結済みセラミッ
ク基板に、片面もしくは両面に少なくとも1層を接着層
を介して積層する工程と、前記未焼成グリーンシートを
焼成済みセラミック基板に積層した積層体を、焼成する
工程を有し、焼成の際、前記接着層の軟化後の燃焼中あ
るいは燃焼後に、前記グリーンシート中のガラスセラミ
ックの焼結を開始させ、ガラスセラミックの焼結開始と
同時もしくは、開始後に導体ペースト中の導体粒子の焼
結を開始させることを特徴とするセラミック多層基板の
製造方法およびそれに用いられる導体ペーストとしたも
のである。
【0013】上記の方法により、焼成の際、前記接着層
の軟化後の燃焼中あるいは燃焼後に、まず前記グリーン
シート中のガラスセラミックの焼結を開始させ、前記導
体ペーストの導体粒子を焼結させる為に、接着層の軟化
や除去過程に左右される事無くガラスセラミック基材と
導体粒子が焼結を行う事でパターン変形の無い精度の良
い配線基板が出来、またガラスセラミックの焼結開始と
同時もしくは、開始後に導体ペースト中の導体粒子の焼
結を開始させる為、電極周辺のガラスセラミック部のク
ラックが発生する事がなく、かつ電極が緻密な膜構造の
配線とする事が出来る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、
少なくともセラミック粉末、ガラスを主成分として、可
塑剤及び溶剤を添加して作製する未焼成グリーンシート
に導体ペーストを用いて配線を印刷する工程と、焼結済
みセラミック基板に接着層を形成する工程と、前記未焼
成グリーンシートを前記焼結済みセラミック基板に、片
面もしくは両面に少なくとも1層を接着層を介して積層
する工程と、前記未焼成グリーンシートを焼成済みセラ
ミック基板に積層した積層体を、焼成する工程を有し、
焼成の際、前記接着層の軟化後の燃焼中あるいは燃焼後
に、前記グリーンシート中のガラスセラミックの焼結を
開始させ、ガラスセラミックの焼結開始と同時もしく
は、開始後に導体ペースト中の導体粒子の焼結を開始さ
せることを特徴とするセラミック多層基板の製造方法で
ある。
【0015】上記の方法により、焼成の際、前記接着層
の軟化後の燃焼中あるいは燃焼後に、まず前記グリーン
シート中のガラスセラミックの焼結を開始させ、前記導
体ペーストの導体粒子を焼結させる為に、接着層の軟化
や除去に左右される事無くガラスセラミック基材と導体
粒子が焼結を行う事でパターン変形の無い精度の良い配
線基板が出来、ガラスセラミックの焼結開始と同時もし
くは、開始後に導体ペースト中の導体粒子の焼結を開始
させる為、電極周辺の基板のクラックが発生しなく、か
つ電極が緻密な膜構造の配線とする事が出来る。
【0016】本発明の請求項2記載の発明は、接着層の
主成分が熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1
記載のセラミック多層基板の製造方法である。上記形成
方法により、未焼成グリーンシートを、焼成済みセラミ
ック基板に層間の剥離なく積層する事が出来る。
【0017】本発明の請求項3記載の発明は、導体ペー
ストが印刷された前記グリーンシートをその表面に接着
層が形成されたセラミック基板上に張り合わせる際に、
100℃以上の温度で加熱圧着することを特徴とする請
求項1記載のセラミック多層基板の製造方法である。上
記形成方法により、未焼成グリーンシートを焼成済みセ
ラミック基板にむら無く均一に積層する事が出来る。
【0018】本発明の請求項4記載の発明は、請求項1
記載のセラミック多層基板の製造方法に用いられる導体
ペーストであって、軟化点の異なる数種類のガラスフリ
ットが含まれる事を特徴とした導体ペーストである。上
記形成方法により、導体ペーストの焼成時に、セラミッ
ク基板に接着する機能と、グリーンシートの焼結にマッ
チングした焼結挙動をとる機能とを共に有することが可
能となる。
【0019】本発明の請求項5記載の発明は、請求項1
記載のセラミック多層基板の製造方法に用いられる導体
ペーストであって、焼成時に導体ペーストに含まれる複
数の樹脂成分が140〜250℃の温度範囲の幅で燃焼
されて除去されることを特徴とする導体ペーストであ
る。上記のペーストにする事で、ペースト中の複数の樹
脂成分が、広い温度範囲で時間をかけて除去される事よ
り、導体粒子の焼結のタイミングを遅くする事が出来、
接着層の軟化に影響される事無くパターンを形成する事
が出来る。
【0020】本発明の請求項6記載の発明は、請求項1
記載のセラミック多層基板の製造方法に用いられる導体
ペーストであって、焼成時に導体ペーストに含まれる複
数の樹脂成分が200〜450℃の温度範囲で燃焼され
て除去されることを特徴とする導体ペーストである。上
記のペーストにする事で、ペースト中の複数の樹脂成分
が、接着層の軟化、除去に必要とする温度範囲を充分含
んでいる事から、接着層が軟化、除去されるタイミング
と同じかそれよりも遅れて導体粒子の焼結が行われる為
に、接着層の軟化に影響される事無くパターンを形成す
る事が出来る。
【0021】本発明の請求項7記載の発明は、請求項1
記載のセラミック多層基板の製造方法で、除去温度範囲
が、450℃までに除去される接着層を使用する事を特
徴とした、セラミック多層基板の製造方法である。上記
の接着層にする事で、焼成済みセラミック基板に積層さ
れているグリーンシートと導体ペーストの焼結の時には
接着層はなくなっており、グリーンシートと導体ペース
トがセラミック基板へ良好に接着することが出来る。
【0022】本発明の請求項8記載の発明は、請求項1
記載のセラミック多層基板の製造方法で、用いられるグ
リーンシート中のガラスセラミック粒子の焼結が、60
0〜700℃の間に開始する事を特徴としたセラミック
多層基板の製造方法である。上記のペーストにする事
で、グリーンシートとセラミック基板間の接着層、グリ
ーンシート、導体ペースト中の有機バインダが除去され
た後にガラスセラミックの焼結が始まり焼結を阻害する
要因が除かれるために、アルミナ基板と積層した状態の
低温焼成温度900℃においても良好な焼結状態を得る
ことが出来る。
【0023】本発明の請求項9記載の発明は、請求項1
記載のセラミック多層基板の製造方法に用いられる導体
ペーストであって、導体ペースト中に使用されているガ
ラスフリットの少なくとも1種類の軟化温度が760〜
870℃の範囲である事を特徴とする導体ペーストであ
る。上記のペーストにする事で、焼成の際、前記グリー
ンシート中のガラスセラミックの焼結開始と同時もしく
は、開始後に導体ペースト中の導体粒子の焼結を開始さ
せる事が可能となる為、電極周辺のガラスセラミック部
のクラックが発生しなく、かつ電極が緻密な膜構造とす
る事が出来る。
【0024】本発明の請求項10記載の発明は、請求項
1記載のセラミック多層基板の製造方法に用いられる導
体ペーストであって、導体ペースト中に使用されている
ガラスフリットの少なくとも1種類の軟化温度が450
〜650℃の範囲で軟化する事を特徴とする導体ペース
トである。上記のペーストにする事で、前記軟化温度の
ガラスフリットが焼成時に焼成済みセラミック基板と導
体ペーストが接している部分の接着に作用し良好な密着
状態を得ることが出来る。
【0025】本発明の請求項11記載の発明は、請求項
1記載のセラミック多層基板の製造方法に用いられる導
体ペーストであって、導体粒子の粒径が1.0〜4.0
μmのものを含むことを特徴とする導体ペーストであ
る。上記のペーストにする事で、導体粒子の焼結を必要
以上に早めることなく前記グリーンシート中のガラスセ
ラミックの焼結するタイミングにマッチングさせる事が
出来るものである。
【0026】本発明の請求項12記載の発明は、請求項
1記載のセラミック多層基板の製造方法に用いられる導
体ペーストであって、導体成分として銅、銀、銀パラジ
ウム、銀白金、金のうちの少なくとも1種類を含むこと
を特徴とする導体ペーストである。上記のペーストにす
る事で、セラミック配線基板に必要な低い抵抗値の配線
電極とすることが出来る。
【0027】以下に本発明の実施の形態について説明す
る。
【0028】(実施の形態1)以下に、本発明のセラミ
ック多層基板の製造方法について、図面を参照しながら
説明する。
【0029】図1において(a)は本発明の一実施の形
態であるセラミック多層基板の製造方法におけるスクリ
ーン版を使用してガラスセラミックグリーンシート上に
導体ペーストを印刷する工程の模式図を示している。
(b)はセラミック基板上熱可塑性樹脂の接着層を形成
する模式図を示している。(c)は同グリーンシートを
セラミック基板に積層する工程の模式図を示している。
(d)は焼成後の多層基板の模式図を示している。
【0030】以下に形成方法を説明する。未焼成のガラ
スセラミックグリーンシート1上にスクリーン版2で、
スキージ3を用いて導体ペースト4を印刷し、導体パタ
ーン5を形成する。この時使用したグリーンシート中の
ガラスセラミックは600℃で焼結が開始するものであ
る。また導体ペーストは、粒子径4.0μmの銀白金を
使用し、ガラスフリットは、軟化点625℃、785℃
のものを添加している。ペースト中の複数の樹脂成分は
200〜380℃の温度範囲で除去されるものである。
次にセラミック基板6上にセラミックスキージ7を用い
て熱可塑性樹脂の接着層8を形成する。前記接着層は4
50℃で完全に除去される熱可塑性樹脂を使用してい
る。次に前記導体パターン5を形成したグリーンシート
1に接着層8を形成したセラミック基板6を積層する。
この状態で熱圧着して積層体9を形成した。熱圧着温度
は130℃で行った。次に前記積層体をピーク温度90
0℃、10分、in-out1時間の焼成を行う事で接着層8
の除去されたセラミック多層基板10を得た。
【0031】これにより、焼成の際、前記接着層の軟化
後の燃焼中あるいは燃焼後に、まず前記グリーンシート
中のガラスセラミックが焼結を開始し、前記導体ペース
トの導体粒子が焼結する為に、接着層の軟化や除去に左
右される事無くガラスセラミック基材と導体粒子が焼結
を行う事が出来、パターン変形の無い精度の良い配線基
板となった。またガラスセラミックの焼結開始のタイミ
ングに導体ペースト中の導体粒子の焼結がマッチングし
ている為、電極周辺の基板のクラックが発生しなく、か
つ電極が緻密な膜構造の配線となった。
【0032】(実施の形態2)以下に、本発明の導体ペ
ーストについて説明する。ここでのパターン形成の工
程、焼成の工程は、実施の形態1と同じ形成方法を行っ
ている(図示せず)。
【0033】この時使用したグリーンシート中のガラス
セラミックは650℃に焼結が開始するものである。ま
た導体ペーストは、粒子径3.2μmの金を使用し、ガ
ラスフリットは、軟化温度480℃、860℃のものを
添加している。そして、ペースト中の樹脂が除去される
温度幅を(表1)に示す。(表1)に示す様に、組み合
わせを変えて複数のペーストを作製している。
【0034】
【表1】
【0035】この時のそれぞれのペーストを多層基板の
断面観察により比較すると、(A)、(B)は導体の焼
結は進んでいたが、焼成後パターンの変形が発生してい
た。(F)、(G)は焼結状態が悪く、高密度配線の電
極パターンとしては適さないものであった。この中で
(C)〜(E)が焼成後のパターン変形を起こさず、緻
密な電極状態であり、特に(D)の200℃の温度幅を
もつペーストが、最も電極表面状態が良かった。
【0036】以上のことより、焼成時に導体ペーストに
含まれる複数の樹脂成分が140〜250℃の温度の幅
で燃焼されて除去されるものが、ペースト中にある複数
の樹脂成分が広い温度範囲で時間をかけて除去され、導
体粒子の焼結のタイミングを遅くする事が出来、接着層
の軟化に影響されずに変形のない高精度のパターンを形
成する事が出来るのが解る。
【0037】(実施の形態3)以下に、本発明の導体ペ
ーストについて説明する。ここでのパターン形成の工
程、焼成の工程は、実施の形態1と同じ形成方法を行っ
ている(図示せず)。
【0038】この時使用したグリーンシート中のガラス
セラミックは615℃に焼結が開始するものである。ま
た導体ペーストは、粒子径2.0μmの銀パラジウムを
使用し、低軟化点のガラスフリットは、軟化点510℃
のものを添加している。ペースト中の複数の樹脂成分は
220〜360℃の温度範囲で除去されるものである。
そして、ペースト中に添加している高軟化点側のガラス
フリットの軟化温度を(表2)に示す。(表2)に示す
様に、組み合わせを変えて複数のペーストを作製してい
る。
【0039】
【表2】
【0040】この時のそれぞれのペーストを比較する
と、(H)、(I)は焼成後電極の周囲のガラスセラミ
ック部に電極収縮によるクラックが発生していた。
(N)は焼結状態が悪く、高密度の電極パターンとして
は適さないものであった。この中で(J)〜(M)が焼
成後、ガラスセラミック部のクラックの発生が無く、緻
密な電極状態であり、特に(K)にある790℃の軟化
温度のペーストが、最も電極の状態が良かった。
【0041】以上のことより、焼成時に導体ペーストに
含まれる高軟化点ガラスが760〜870℃とする事
で、ペースト中の導体の焼結を制御することが出来、ガ
ラスセラミックグリーンシートと同時焼成してもクラッ
クの発生のない基板を作製できることが解る。
【0042】(実施の形態4)以下に、本発明の導体ペ
ーストについて説明する。ここでのパターン形成の工
程、焼成の工程は、実施の形態1と同じ形成方法を行っ
ている(図示せず)。
【0043】この時使用したグリーンシート中のガラス
セラミックは680℃に焼結が開始するものである。ま
た導体ペーストは、粒子径1.5μmの銀を使用し、高
軟化点のガラスフリットは、軟化点760℃のものを添
加している。ペースト中の複数の樹脂成分は220〜4
40℃の温度範囲で除去されるものである。そして、ペ
ースト中に添加している低軟化点側のガラスフリットの
軟化温度を(表3)に示す。(表3)に示す様に、組み
合わせを変えて複数のペーストを作製している。
【0044】
【表3】
【0045】この時のそれぞれのペーストを比較する
と、(O)、(P)は焼成後電極周囲のガラスセラミッ
ク部にクラックが発生していた。(U)、(V)はアル
ミナ基板と電極間に剥離が発生していた。この中で
(Q)〜(T)が焼成後のガラスセラミック部にクラッ
クが発生しなく、アルミナ基板との密着状態も良好であ
った。特に(S)にある600℃の軟化温度のペースト
が、最も電極状態が良かった。
【0046】以上のことより、焼成時に導体ペーストに
含まれるガラスフリットが450〜650℃の温度で軟
化する事で、アルミナ基板との密着の効果をもたらすこ
とが出来、かつ、導体粒子の焼結を必要以上に早めるこ
とがない為、ガラスセラミック部にクラックの発生する
事無く、良好な多層基板を作製する事が出来る事が解
る。
【0047】なお、以上の説明では4つの実施の形態で
説明したが、焼成時に導体ペーストに含まれる複数の樹
脂成分が140〜250℃の温度の幅で燃焼されて除去
され、また焼成時に導体ペーストに含まれる複数の樹脂
成分が200〜450℃の温度範囲で燃焼されて除去さ
れるペーストで、使用されているガラスフリットの少な
くとも1種類の軟化温度が760〜870℃の範囲であ
り、少なくとも1種類の軟化温度が450〜650℃の
範囲であるならば同様に実施可能である。
【0048】また、本実施の形態では、1.5、2.
0、3.2、4.0μmの導体粒子を使用しているが平
均粒径が1.0〜4.0μmであるならば同様に実施可
能である。これが1.0μm未満の粒子を使用すると焼
結のタイミングが早まってしまい、パターン変形や、ガ
ラスセラミック部のクラック発生を起こし、4.0μm
より大きいと電極の緻密性を損ねファインラインに適さ
なくなってしまうものである。
【0049】また、本実施の形態では、導体成分として
銀、銀パラジウム、銀白金、金を使用しているが、銅、
銀、銀パラジウム、銀白金、金のうちの少なくとも1種
類を含むペーストであれば同様の結果を得られるもので
ある。さらに、除去温度範囲が、450℃までに除去さ
れる接着層を使用するならば同様に精度の良いパターン
作製が可能である。
【0050】また、グリーンシートをその表面に接着層
が形成されたセラミック基板上に張り合わせる際に、実
施の形態では130℃で行っているが100℃以上の温
度で加熱圧着するならば同様に実施可能である。そして
本実施の形態では、グリーンシート中のガラスセラミッ
ク粒子の焼結が、600℃、615℃、650℃、68
0℃のものを使用しているが600〜700℃の間に開
始するならば、同様に高精度のセラミック配線基板の製
造が可能である。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明によれば焼成の際、
前記接着層の軟化後の燃焼中あるいは燃焼後に、まず前
記グリーンシート中のガラスセラミックの焼結を開始さ
せ、前記導体ペーストの導体粒子を焼結させる為に、接
着層の軟化や除去過程に左右される事無くガラスセラミ
ック基材と導体粒子が焼結を行う事でパターン変形の無
い精度の良い配線基板が出来、またガラスセラミックの
焼結開始と同時もしくは、開始後に導体ペースト中の導
体粒子の焼結を開始させる為、電極周辺のガラスセラミ
ック部のクラックが発生する事がなく、かつ電極が緻密
な膜構造の配線とする事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるセラミック多層基
板の製造方法を説明するための模式図
【符号の説明】
1 ガラスセラミックグリーンシート 2 スクリーン版 3 スキージ 4 導体ペースト 5 導体パターン 6 セラミック基板 7 セラミックスキージ 8 接着層 9 積層体 10 セラミック多層基板
フロントページの続き (72)発明者 葉山 雅昭 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 橋本 晃 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4E351 AA07 BB31 BB35 CC12 DD04 DD05 DD06 DD20 DD21 DD45 DD47 DD52 GG16 5E346 AA02 AA15 AA16 AA22 AA43 AA51 CC18 CC31 CC32 CC38 CC39 CC41 DD03 DD13 DD34 EE24 EE27 EE28 EE29 GG06 GG07 GG08 GG09 HH11 5G301 DA03 DA05 DA06 DA11 DA12 DA34 DA42 DD01

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともセラミック粉末、ガラスを主
    成分として、可塑剤及び溶剤を添加して作製する未焼成
    グリーンシートに導体ペーストを用いて配線を印刷する
    工程と、焼結済みセラミック基板に接着層を形成する工
    程と、前記未焼成グリーンシートを前記焼結済みセラミ
    ック基板に、片面もしくは両面に少なくとも1層を接着
    層を介して積層する工程と、前記未焼成グリーンシート
    を焼成済みセラミック基板に積層した積層体を、焼成す
    る工程を有し、焼成の際、前記接着層の軟化後の燃焼中
    あるいは燃焼後に、前記グリーンシート中のガラスセラ
    ミックの焼結を開始させ、ガラスセラミックの焼結開始
    と同時もしくは、開始後に導体ペースト中の導体粒子の
    焼結を開始させることを特徴とするセラミック多層基板
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 接着層の主成分が熱可塑性樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のセラミック多層基板の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 導体ペーストが印刷されたグリーンシー
    トを、表面に接着層が形成されたセラミック基板上に張
    り合わせる際に、100℃以上の温度で加熱圧着するこ
    とを特徴とする請求項1記載のセラミック多層基板の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のセラミック多層基板の製
    造方法に用いられる導体ペーストであって、軟化点の異
    なる数種類のガラスフリットが含まれる事を特徴とした
    導体ペースト。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のセラミック多層基板の製
    造方法に用いられる導体ペーストであって、焼成時に導
    体ペーストに含まれる複数の樹脂成分が140〜250
    ℃の温度範囲の幅で燃焼されて除去されることを特徴と
    する導体ペースト。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のセラミック多層基板の製
    造方法に用いられる導体ペーストであって、焼成時に導
    体ペーストに含まれる複数の樹脂成分が200〜450
    ℃の温度範囲で燃焼されて除去されることを特徴とする
    導体ペースト。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のセラミック多層基板の製
    造方法に用いられる導体ペーストであって、除去温度範
    囲が、450℃までに除去される接着層を使用する事を
    特徴とした導体ペースト。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のセラミック多層基板の製
    造方法で、用いられるグリーンシート中のガラスセラミ
    ック粒子の焼結が、600〜700℃の間に開始する事
    を特徴としたセラミック多層基板の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1記載のセラミック多層基板の製
    造方法に用いられる導体ペーストであって、導体ペース
    ト中に使用されているガラスフリットの少なくとも1種
    類の軟化温度が760〜870℃の範囲である事を特徴
    とする導体ペースト。
  10. 【請求項10】 請求項1記載のセラミック多層基板の
    製造方法に用いられる導体ペーストであって、導体ペー
    スト中に使用されているガラスフリットの少なくとも1
    種類の軟化温度が450〜650℃の範囲で軟化する事
    を特徴とする導体ペースト。
  11. 【請求項11】 請求項1記載のセラミック多層基板の
    製造方法に用いられる導体ペーストであって、導体粒子
    の粒径が1.0〜4.0μmのものを含むことを特徴と
    する導体ペースト。
  12. 【請求項12】 請求項1記載のセラミック多層基板の
    製造方法に用いられる導体ペーストであって、導体成分
    として銅、銀、銀パラジウム、銀白金、金のうちの少な
    くとも1種類を含むことを特徴とする導体ペースト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013080927A (ja) * 2011-10-04 2013-05-02 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 多層セラミック基板及びその製造方法

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