JP2001266734A - ヒュ−ズ素子 - Google Patents
ヒュ−ズ素子Info
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- JP2001266734A JP2001266734A JP2000074805A JP2000074805A JP2001266734A JP 2001266734 A JP2001266734 A JP 2001266734A JP 2000074805 A JP2000074805 A JP 2000074805A JP 2000074805 A JP2000074805 A JP 2000074805A JP 2001266734 A JP2001266734 A JP 2001266734A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】タンタルコンデンサ等の電気部品に内蔵させる
ヒュ−ズ素子において、ヒュ−ズ内蔵電気部品の鉛フリ
−はんだによる安定な実装やヒュ−ズ溶断作動時の電気
部品の炭化・発煙防止を満足に保証しつつ、そのヒュ−
ズ素子のSn系での鉛フリ−化を良好に達成する。 【解決手段】SnにCu、Pt、Pd、Ti、Ni、M
n、Mg、Ge、Alの何れかを配合した液相線温度3
00℃〜550℃の2元合金からなるヒュ−ズ素子であ
る。
ヒュ−ズ素子において、ヒュ−ズ内蔵電気部品の鉛フリ
−はんだによる安定な実装やヒュ−ズ溶断作動時の電気
部品の炭化・発煙防止を満足に保証しつつ、そのヒュ−
ズ素子のSn系での鉛フリ−化を良好に達成する。 【解決手段】SnにCu、Pt、Pd、Ti、Ni、M
n、Mg、Ge、Alの何れかを配合した液相線温度3
00℃〜550℃の2元合金からなるヒュ−ズ素子であ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒュ−ズ素子に関
し、特に、コンデンサやトランジスタ等の電気部品に内
蔵して使用するヒュ−ズ素子として有用なものである。
し、特に、コンデンサやトランジスタ等の電気部品に内
蔵して使用するヒュ−ズ素子として有用なものである。
【0002】
【従来の技術】電気部品においては、電流ヒュ−ズ素子
を電気部品本体に接続し、これらを樹脂モ−ルド等によ
り封止することがある。例えば、タンタルコンデンサに
おいては、万一の極性誤装着による過電流を未然に防止
するために、コンデンサ素子にヒュ−ズ素子を接続し、
これらを樹脂でモ−ルドしている。また、パワ−トラン
ジスタにヒュ−ズ素子を接続し、これらを樹脂で封止す
ることも知られている。
を電気部品本体に接続し、これらを樹脂モ−ルド等によ
り封止することがある。例えば、タンタルコンデンサに
おいては、万一の極性誤装着による過電流を未然に防止
するために、コンデンサ素子にヒュ−ズ素子を接続し、
これらを樹脂でモ−ルドしている。また、パワ−トラン
ジスタにヒュ−ズ素子を接続し、これらを樹脂で封止す
ることも知られている。
【0003】これらのヒュ−ズ内蔵電気部品において
は、ヒュ−ズ溶断時のヒュ−ズ素子の発熱温度で加熱さ
れる。而して、その電気部品本体やモ−ルド樹脂の炭化
・発煙を防止するために、その発熱温度を所定温度以下
に抑える必要がある。すなわち、溶断電流をi、溶断時
間をtm、ヒュ−ズ素子の溶断時温度をTm、同じく抵
抗をR、同じくヒュ−ズ素子の単位長さ当たりの熱容量
をK、周囲温度をθとすると、ほぼ
は、ヒュ−ズ溶断時のヒュ−ズ素子の発熱温度で加熱さ
れる。而して、その電気部品本体やモ−ルド樹脂の炭化
・発煙を防止するために、その発熱温度を所定温度以下
に抑える必要がある。すなわち、溶断電流をi、溶断時
間をtm、ヒュ−ズ素子の溶断時温度をTm、同じく抵
抗をR、同じくヒュ−ズ素子の単位長さ当たりの熱容量
をK、周囲温度をθとすると、ほぼ
【数1】 tm=K(Tm−θ)/Ri2 (1) が成立し、Tmを所定温度以下に抑える必要がある。
【0004】上記のヒュ−ズ内蔵電気部品は、通常リフ
ロ−法またはフロ−法により、回路基板に実装される。
ロ−法またはフロ−法により、回路基板に実装される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、リフロ−法やフ
ロ−法には、Pb−Sn系はんだが使用されており、そ
の実装温度は220℃〜230℃とされていた。従来、
上記ヒュ−ズ素子には、実装温度よりも高い固相線温度
の合金を使用するとの前提に基づき、Pb−Sn、Pb
−Sn−Ag、Pb−In、Pb−In−Ag等のPb
系合金(融点260℃〜320℃)を使用している。こ
れらの合金系のヒュ−ズ素子では、固相線温度が前記実
装温度よりも高いから、安全な実装を保証できる。ま
た、液相線温度が320℃程度であり、ヒュ−ズ素子の
前記溶断時温度Tmを充分に低くでき、ヒュ−ズ素子
を、電気部品本体やモ−ルド樹脂の炭化・発煙を発生さ
せることなく、安全に溶断作動させることができる。
ロ−法には、Pb−Sn系はんだが使用されており、そ
の実装温度は220℃〜230℃とされていた。従来、
上記ヒュ−ズ素子には、実装温度よりも高い固相線温度
の合金を使用するとの前提に基づき、Pb−Sn、Pb
−Sn−Ag、Pb−In、Pb−In−Ag等のPb
系合金(融点260℃〜320℃)を使用している。こ
れらの合金系のヒュ−ズ素子では、固相線温度が前記実
装温度よりも高いから、安全な実装を保証できる。ま
た、液相線温度が320℃程度であり、ヒュ−ズ素子の
前記溶断時温度Tmを充分に低くでき、ヒュ−ズ素子
を、電気部品本体やモ−ルド樹脂の炭化・発煙を発生さ
せることなく、安全に溶断作動させることができる。
【0006】ところで、近来、廃棄された電子・電気機
器からの鉛イオンの溶出による環境汚染を防止するため
に、鉛フリ−はんだの使用が要請され、Sn−Ag系、
Sn−Cu系、Sn−In系、Sn−Bi系等の鉛フリ
−はんだが開発されている。これらの鉛フリ−はんだを
使用しての実装時の温度は、Pb−Snはんだ使用の場
合よりも高く、最高で280℃が予定されている。この
はんだの鉛フリ−化に対応して、上記ヒュ−ズ素子にお
いても、鉛フリ−化が要請されるが、従来のように固相
線温度が実装温度よりも高い合金を使用することを前提
としてヒュ−ズ素子の鉛フリ−化を行うと、実装温度2
80℃よりも高い固相線温度の合金がヒュ−ズ素子に使
用されることになる。この場合、そのヒュ−ズ素子の液
相線温度が従来のPb系ヒュ−ズ素子の液相線温度より
もかなり高くなり、前記ヒュ−ズ素子の溶断時温度Tm
が高くなって、ヒュ−ズ溶断時に電気部品本体若しくは
モ−ルド樹脂に炭化・発煙が生じ易くなって危険であ
る。
器からの鉛イオンの溶出による環境汚染を防止するため
に、鉛フリ−はんだの使用が要請され、Sn−Ag系、
Sn−Cu系、Sn−In系、Sn−Bi系等の鉛フリ
−はんだが開発されている。これらの鉛フリ−はんだを
使用しての実装時の温度は、Pb−Snはんだ使用の場
合よりも高く、最高で280℃が予定されている。この
はんだの鉛フリ−化に対応して、上記ヒュ−ズ素子にお
いても、鉛フリ−化が要請されるが、従来のように固相
線温度が実装温度よりも高い合金を使用することを前提
としてヒュ−ズ素子の鉛フリ−化を行うと、実装温度2
80℃よりも高い固相線温度の合金がヒュ−ズ素子に使
用されることになる。この場合、そのヒュ−ズ素子の液
相線温度が従来のPb系ヒュ−ズ素子の液相線温度より
もかなり高くなり、前記ヒュ−ズ素子の溶断時温度Tm
が高くなって、ヒュ−ズ溶断時に電気部品本体若しくは
モ−ルド樹脂に炭化・発煙が生じ易くなって危険であ
る。
【0007】本発明の目的は、タンタルコンデンサ等の
電気部品に内蔵させるヒュ−ズ素子において、ヒュ−ズ
内蔵電気部品の鉛フリ−はんだによる安定な実装やヒュ
−ズ溶断作動時の電気部品の炭化・発煙防止を満足に保
証しつつ、そのヒュ−ズ素子のSn系での鉛フリ−化を
良好に達成することにある。
電気部品に内蔵させるヒュ−ズ素子において、ヒュ−ズ
内蔵電気部品の鉛フリ−はんだによる安定な実装やヒュ
−ズ溶断作動時の電気部品の炭化・発煙防止を満足に保
証しつつ、そのヒュ−ズ素子のSn系での鉛フリ−化を
良好に達成することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るヒュ−ズ素
子は、SnにCu、Pt、Pd、Ti、Ni、Mn、M
g、Ge、Alの何れかを配合した液相線温度300℃
〜550℃の2元合金からなることを特徴とする構成で
あり、2元合金におけるCu、Pt、Pd、Ti、N
i、Mn、Mg、Ge、Al等の配合割合は、Cuの場
合で2.5〜19.5重量%、Ptの場合で2〜8重量
%、Pdの場合で2〜14重量%、Tiの場合で0.5
〜5重量%、Niの場合で0.01〜1重量%、Mnの
場合で1〜9重量%、Mgの場合で5〜13重量%、G
eの場合で0.5〜9重量%、Alの場合で1〜13重
量%とされ、また線径は通常50μm〜150μmとさ
れる。
子は、SnにCu、Pt、Pd、Ti、Ni、Mn、M
g、Ge、Alの何れかを配合した液相線温度300℃
〜550℃の2元合金からなることを特徴とする構成で
あり、2元合金におけるCu、Pt、Pd、Ti、N
i、Mn、Mg、Ge、Al等の配合割合は、Cuの場
合で2.5〜19.5重量%、Ptの場合で2〜8重量
%、Pdの場合で2〜14重量%、Tiの場合で0.5
〜5重量%、Niの場合で0.01〜1重量%、Mnの
場合で1〜9重量%、Mgの場合で5〜13重量%、G
eの場合で0.5〜9重量%、Alの場合で1〜13重
量%とされ、また線径は通常50μm〜150μmとさ
れる。
【0009】〔作用〕SnCu2.5〜19(Cu2.5〜
19重量%,残部Sn)の固相線温度227℃、SnP
t2〜8の固相線温度228℃、SnPd2〜14の固相線
温度230℃、SnTi0.5〜5の固相線温度231℃、
SnNi0.01〜1の固相線温度231℃、SnMn1〜9
の固相線温度231℃、SnMg5〜13の固相線温度2
04℃、SnGe0.5〜9の固相線温度231℃、SnA
l1〜13の固相線温度228℃であり、ヒュ−ズ素子の
固相線温度が鉛フリ−はんだによる実装温度260℃〜
280℃よりも低いが、ヒュ−ズ素子の液相線温度が3
00℃以上とされてその実装温度よりも高くされている
ために、実装時にヒュ−ズ素子が完全な液状に成らずに
半溶融状態になり、ヒュ−ズ電極に対する濡れ性が悪
く、かつヒュ−ズ素子の線径が50μm〜150μmと
細く表面張力による線状保型力(線径をr、表面張力を
fとすれば、f/r)が大きいために、後述の実施例か
ら明らかなように、ヒュ−ズ素子の実質的な損傷を排除
して電気部品を安全に実装できる。
19重量%,残部Sn)の固相線温度227℃、SnP
t2〜8の固相線温度228℃、SnPd2〜14の固相線
温度230℃、SnTi0.5〜5の固相線温度231℃、
SnNi0.01〜1の固相線温度231℃、SnMn1〜9
の固相線温度231℃、SnMg5〜13の固相線温度2
04℃、SnGe0.5〜9の固相線温度231℃、SnA
l1〜13の固相線温度228℃であり、ヒュ−ズ素子の
固相線温度が鉛フリ−はんだによる実装温度260℃〜
280℃よりも低いが、ヒュ−ズ素子の液相線温度が3
00℃以上とされてその実装温度よりも高くされている
ために、実装時にヒュ−ズ素子が完全な液状に成らずに
半溶融状態になり、ヒュ−ズ電極に対する濡れ性が悪
く、かつヒュ−ズ素子の線径が50μm〜150μmと
細く表面張力による線状保型力(線径をr、表面張力を
fとすれば、f/r)が大きいために、後述の実施例か
ら明らかなように、ヒュ−ズ素子の実質的な損傷を排除
して電気部品を安全に実装できる。
【0010】また、ヒュ−ズ素子の液相線温度を550
℃以下としてあるから、前記のTmを後述の実施例から
明らかなように、600℃以下に抑えることができ、電
気部品本体若しくはモ−ルド樹脂を炭化・発煙させるこ
となく、ヒュ−ズ素子を安全に溶断作動させ得る。
℃以下としてあるから、前記のTmを後述の実施例から
明らかなように、600℃以下に抑えることができ、電
気部品本体若しくはモ−ルド樹脂を炭化・発煙させるこ
となく、ヒュ−ズ素子を安全に溶断作動させ得る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施の形態について説明する。図1は、本発明に係るヒ
ュ−ズ素子を内蔵させたコンデンサの一例を示してい
る。図1において、1はタンタルコンデンサ素子、2は
陽極リ−ド導体である。3は配線板であり、一対の電極
31,32を有し、その電極間に本発明に係るヒュ−ズ
素子aを接続し、一方の電極31をコンデンサ素子1の
陰極に接合し、他方の電極32にリ−ド導体4を接合し
てある。5は封止樹脂層、例えばエポキシ樹脂層であ
る。上記ヒュ−ズ素子と電極との接合には、抵抗溶接、
ワイヤボ−ルボンディング、ウェッジボンディング等を
用いることができる。
実施の形態について説明する。図1は、本発明に係るヒ
ュ−ズ素子を内蔵させたコンデンサの一例を示してい
る。図1において、1はタンタルコンデンサ素子、2は
陽極リ−ド導体である。3は配線板であり、一対の電極
31,32を有し、その電極間に本発明に係るヒュ−ズ
素子aを接続し、一方の電極31をコンデンサ素子1の
陰極に接合し、他方の電極32にリ−ド導体4を接合し
てある。5は封止樹脂層、例えばエポキシ樹脂層であ
る。上記ヒュ−ズ素子と電極との接合には、抵抗溶接、
ワイヤボ−ルボンディング、ウェッジボンディング等を
用いることができる。
【0012】上記のコンデンサは、IC、トランジス
タ、チップ抵抗等の他の電気部品と共に鉛フリ−はんだ
を使用してリフロ−法やフロ−法によって回路板に温度
260℃〜280℃で実装される。
タ、チップ抵抗等の他の電気部品と共に鉛フリ−はんだ
を使用してリフロ−法やフロ−法によって回路板に温度
260℃〜280℃で実装される。
【0013】本発明に係るヒュ−ズ素子には、SnにC
u、Pt、Pd、Ti、Ni、Mn、Mg、Ge、Al
の何れかを配合した液相線温度300℃〜550℃の2
元合金が使用され、2元合金におけるCu、Pt、P
d、Ti、Ni、Mn、Mg、Ge、Al等の配合割合
は、Cuの場合で2.5〜19.5重量%、Ptの場合
で2〜8重量%、Pdの場合で2〜14重量%、Tiの
場合で0.5〜5重量%、Niの場合で0.01〜1重
量%、Mnの場合で1〜9重量%、Mgの場合で5〜1
3重量%、Geの場合で0.5〜9重量%、Alの場合
で1〜13重量%とされ、また線径が通常50μm〜1
50μmとされる。
u、Pt、Pd、Ti、Ni、Mn、Mg、Ge、Al
の何れかを配合した液相線温度300℃〜550℃の2
元合金が使用され、2元合金におけるCu、Pt、P
d、Ti、Ni、Mn、Mg、Ge、Al等の配合割合
は、Cuの場合で2.5〜19.5重量%、Ptの場合
で2〜8重量%、Pdの場合で2〜14重量%、Tiの
場合で0.5〜5重量%、Niの場合で0.01〜1重
量%、Mnの場合で1〜9重量%、Mgの場合で5〜1
3重量%、Geの場合で0.5〜9重量%、Alの場合
で1〜13重量%とされ、また線径が通常50μm〜1
50μmとされる。
【0014】このヒュ−ズ素子においては、前記実装温
度260℃〜280℃のもとで半溶融状態になり、液相
中に固相粒体が混在した状態となって濡れ性が悪く、実
装加熱中での電極への濡れ広がりによるヒュ−ズ素子の
細りを僅かにとどめ得、実装終了時での冷却凝固でほぼ
元の太さに保持できる。従って、上記のヒュ−ズ内蔵コ
ンデンサを、ヒュ−ズ素子の固相線温度温度よりも高い
実装温度240℃〜280℃という鉛フリ−はんだによ
るリフロ−法またはフロ−法でも、ヒュ−ズ素子を安定
に保持しつつ実装できる。
度260℃〜280℃のもとで半溶融状態になり、液相
中に固相粒体が混在した状態となって濡れ性が悪く、実
装加熱中での電極への濡れ広がりによるヒュ−ズ素子の
細りを僅かにとどめ得、実装終了時での冷却凝固でほぼ
元の太さに保持できる。従って、上記のヒュ−ズ内蔵コ
ンデンサを、ヒュ−ズ素子の固相線温度温度よりも高い
実装温度240℃〜280℃という鉛フリ−はんだによ
るリフロ−法またはフロ−法でも、ヒュ−ズ素子を安定
に保持しつつ実装できる。
【0015】上記したヒュ−ズ素子をタンタルコンデン
サに内蔵させる理由は、万一の極性誤接続によって過電
流が流れるのを防止するためであり、遮断電流をi、遮
断時間をtm、ヒュ−ズ素子の溶断時温度をTm、同じ
く抵抗をR、同じくヒュ−ズ素子の単位長さ当たりの熱
容量をK、周囲温度をθとすると、ほぼ前記の式(1)
が成立する。而るに、本発明に係るヒュ−ズ素子におい
ては、後述の実施例から明らかなように、線径50μm
φ〜150μmφのもとで、2〜6Aを数10msecの遮
断時間で、かつ、ヒュ−ズ素子の溶断時温度600℃以
下で過電流を遮断でき、タンタル焼結体の発煙温度60
0℃以下で安全に溶断作動させ得る。
サに内蔵させる理由は、万一の極性誤接続によって過電
流が流れるのを防止するためであり、遮断電流をi、遮
断時間をtm、ヒュ−ズ素子の溶断時温度をTm、同じ
く抵抗をR、同じくヒュ−ズ素子の単位長さ当たりの熱
容量をK、周囲温度をθとすると、ほぼ前記の式(1)
が成立する。而るに、本発明に係るヒュ−ズ素子におい
ては、後述の実施例から明らかなように、線径50μm
φ〜150μmφのもとで、2〜6Aを数10msecの遮
断時間で、かつ、ヒュ−ズ素子の溶断時温度600℃以
下で過電流を遮断でき、タンタル焼結体の発煙温度60
0℃以下で安全に溶断作動させ得る。
【0016】本発明に係るヒュ−ズ素子は、回路板のヒ
ュ−ズ電極にヒュ−ズ素子単体を前記したリフロ−法ま
たはフロ−法により実装する形態でも使用することがで
きる。また、本発明に係るヒュ−ズ素子は、リフロ−法
またはフロ−法により実装した後での補修やあと付けで
も、鏝で安全にはんだ付けすることもできる。
ュ−ズ電極にヒュ−ズ素子単体を前記したリフロ−法ま
たはフロ−法により実装する形態でも使用することがで
きる。また、本発明に係るヒュ−ズ素子は、リフロ−法
またはフロ−法により実装した後での補修やあと付けで
も、鏝で安全にはんだ付けすることもできる。
【0017】本発明に係るヒュ−ズ素子は、線引き加工
の外、回転液中紡糸法によっても製造できる。すなわ
ち、回転ドラムの内周面に遠心力により形成保持された
冷却液層に、ノズルから噴射した溶融ジェットを冷却液
層の周速と同速・同方向で入射させ、この液層入射ジェ
ットを冷却液層で急冷・凝固させて紡糸することもでき
る。この場合、ノズルから冷却液層に至る空間でのジェ
ットは、ノズルの円形形状が溶融金属の表面張力により
保持されて円形断面となる。更に、ジェットの表面張力
による円形保持力を冷却液層の動圧(ジェットを扁平化
しようとする圧力)よりも大とするように、冷却液層周
速、ジェットの冷却液層入射角等を調整してあり、冷却
液層に入射されたジェットも、断面円形を保持しつつ冷
却・凝固されていく。従って、線径50μmφ〜150
μmφという細線のヒュ−ズ素子を容易に製造できる。
の外、回転液中紡糸法によっても製造できる。すなわ
ち、回転ドラムの内周面に遠心力により形成保持された
冷却液層に、ノズルから噴射した溶融ジェットを冷却液
層の周速と同速・同方向で入射させ、この液層入射ジェ
ットを冷却液層で急冷・凝固させて紡糸することもでき
る。この場合、ノズルから冷却液層に至る空間でのジェ
ットは、ノズルの円形形状が溶融金属の表面張力により
保持されて円形断面となる。更に、ジェットの表面張力
による円形保持力を冷却液層の動圧(ジェットを扁平化
しようとする圧力)よりも大とするように、冷却液層周
速、ジェットの冷却液層入射角等を調整してあり、冷却
液層に入射されたジェットも、断面円形を保持しつつ冷
却・凝固されていく。従って、線径50μmφ〜150
μmφという細線のヒュ−ズ素子を容易に製造できる。
【0018】
【実施例】〔実施例1〕内径500mm,巾45mmの
ドラムを200rpmで回転させて約1600mlの水
を層状に形成し、この冷却液層中に、ヒ−タにて溶融さ
せた組成材を窒素ガス加圧により、石英ガラスノズルか
らジェットとして上記冷却液層周速と同速度で噴射して
紡糸する方法により、Sn−5Cuの90μmφ細線を
製造し、これをヒュ−ズ素子とした。このヒュ−ズ素子
の固相線温度は227℃、液相線温度は450℃であ
る。
ドラムを200rpmで回転させて約1600mlの水
を層状に形成し、この冷却液層中に、ヒ−タにて溶融さ
せた組成材を窒素ガス加圧により、石英ガラスノズルか
らジェットとして上記冷却液層周速と同速度で噴射して
紡糸する方法により、Sn−5Cuの90μmφ細線を
製造し、これをヒュ−ズ素子とした。このヒュ−ズ素子
の固相線温度は227℃、液相線温度は450℃であ
る。
【0019】〔実施例2〕実施例1と同様にして、Sn
−15Cuの90μmφ細線を製造し、これをヒュ−ズ
素子とした。このヒュ−ズ素子の固相線温度は227
℃、液相線温度は505℃である。
−15Cuの90μmφ細線を製造し、これをヒュ−ズ
素子とした。このヒュ−ズ素子の固相線温度は227
℃、液相線温度は505℃である。
【0020】〔比較例〕実施例1と同様にして、Sn−
0.7Cu共晶の90μmφ細線を製造し、これをヒュ
−ズ素子とした。このヒュ−ズ素子の共晶点温度は22
7℃である。
0.7Cu共晶の90μmφ細線を製造し、これをヒュ
−ズ素子とした。このヒュ−ズ素子の共晶点温度は22
7℃である。
【0021】これらの実施例品及び比較例品につき、次
ぎの抵抗値変化率、電流遮断特性(遮断時間及び温度)
及び柔軟性を測定したところ、表1の通りであった(試
料数20個の平均値)。
ぎの抵抗値変化率、電流遮断特性(遮断時間及び温度)
及び柔軟性を測定したところ、表1の通りであった(試
料数20個の平均値)。
【0022】〔抵抗値変化率〕温度280℃のもとでの
実装の可否を評価するためのものである。図2に示すよ
うに、セラミック基板61にAgペ−ストの塗布・焼成
により対電極62,62を設け、両電極間にヒュ−ズ素
子aを載置し、更に各電極62に錫メッキ銅線63を溶
接し、その溶接熱で各電極とヒュ−ズ素子aとの間を溶
接した試料を10分間、280℃に保持し、10分時の
初期に対する抵抗値変化率を測定した。〔遮断電流特
性〕ヒュ−ズ素子に5Aの電流を通電し、遮断時間と遮
断時のヒュ−ズ素子温度を測定した。
実装の可否を評価するためのものである。図2に示すよ
うに、セラミック基板61にAgペ−ストの塗布・焼成
により対電極62,62を設け、両電極間にヒュ−ズ素
子aを載置し、更に各電極62に錫メッキ銅線63を溶
接し、その溶接熱で各電極とヒュ−ズ素子aとの間を溶
接した試料を10分間、280℃に保持し、10分時の
初期に対する抵抗値変化率を測定した。〔遮断電流特
性〕ヒュ−ズ素子に5Aの電流を通電し、遮断時間と遮
断時のヒュ−ズ素子温度を測定した。
【0023】
【表1】 表1 電流遮断特性 合金組成 抵抗変化率(%) 遮断時間 溶断時温度 実施例1 Sn-5Cu ±1.0以内 0.022秒 600℃以下 実施例2 Sn−15Cu ±1.0以内 0.042秒 600℃以下 比較例 Sn−0.7Cu 測定不可 0.010秒 600℃以下
【0024】本発明に係るヒュ−ズ素子においては、溶
け始め温度(固相線温度)が実装最高280℃より低く
ても、液相線温度が300℃以上であり、温度280℃
のもとでは完全に液化せずに半溶融状態となり、かかる
半溶融状態では濡れ性が低くて細くなり難く、本発明に
係るヒュ−ズ素子を内蔵させた電気部品を280℃とい
う高い温度のもとで実装してもそのヒュ−ズ素子を実質
的な細り無く安定に保持できる。このことは、比較例の
抵抗変化率が測定不可(ヒュ−ズ素子が溶断し、抵抗値
上昇が極めて大)であるのに対し、実施例1〜2の抵抗
変化率が僅小であることからも確認できる。
け始め温度(固相線温度)が実装最高280℃より低く
ても、液相線温度が300℃以上であり、温度280℃
のもとでは完全に液化せずに半溶融状態となり、かかる
半溶融状態では濡れ性が低くて細くなり難く、本発明に
係るヒュ−ズ素子を内蔵させた電気部品を280℃とい
う高い温度のもとで実装してもそのヒュ−ズ素子を実質
的な細り無く安定に保持できる。このことは、比較例の
抵抗変化率が測定不可(ヒュ−ズ素子が溶断し、抵抗値
上昇が極めて大)であるのに対し、実施例1〜2の抵抗
変化率が僅小であることからも確認できる。
【0025】また、本発明に係るヒュ−ズ素子において
は、液相線温度が540℃以下であり充分に低く、溶断
時のヒュ−ズ素子の温度を600℃以下に抑え得て電気
部品や封止樹脂の炭化・発煙を防止できることは、表1
の電流遮断特性の溶断時温度からも確認できる。
は、液相線温度が540℃以下であり充分に低く、溶断
時のヒュ−ズ素子の温度を600℃以下に抑え得て電気
部品や封止樹脂の炭化・発煙を防止できることは、表1
の電流遮断特性の溶断時温度からも確認できる。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、タンタルコンデンサ等
の電気部品に内蔵させるヒュ−ズ素子において、ヒュ−
ズ内蔵電気部品の鉛フリ−はんだによる安定な実装及び
ヒュ−ズ溶断作動時の電気部品の炭化・発煙防止、更に
は、ヒュ−ズ素子の容易な取扱等の点を満足に保証しつ
つそのヒュ−ズ素子のSn系での鉛フリ−化を可能にで
き、鉛フリ−化による環境保全上、極めて有用である。
の電気部品に内蔵させるヒュ−ズ素子において、ヒュ−
ズ内蔵電気部品の鉛フリ−はんだによる安定な実装及び
ヒュ−ズ溶断作動時の電気部品の炭化・発煙防止、更に
は、ヒュ−ズ素子の容易な取扱等の点を満足に保証しつ
つそのヒュ−ズ素子のSn系での鉛フリ−化を可能にで
き、鉛フリ−化による環境保全上、極めて有用である。
【図1】本発明に係るヒュ−ズ内蔵電気部品の一例を示
す図面である。
す図面である。
【図2】抵抗変化率の測定試料を示す図面である。
a ヒュ−ズ素子 1 コンデンサ素子 5 封止樹脂層
Claims (1)
- 【請求項1】Snに、Cu、Pt、Pd、Ti、Ni、
Mn、Mg、Ge、Alの何れかを配合した液相線温度
300℃〜550℃の2元合金からなることを特徴とす
るヒュ−ズ素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000074805A JP2001266734A (ja) | 2000-03-16 | 2000-03-16 | ヒュ−ズ素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000074805A JP2001266734A (ja) | 2000-03-16 | 2000-03-16 | ヒュ−ズ素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001266734A true JP2001266734A (ja) | 2001-09-28 |
Family
ID=18592787
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000074805A Withdrawn JP2001266734A (ja) | 2000-03-16 | 2000-03-16 | ヒュ−ズ素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001266734A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024018863A1 (ja) * | 2022-07-20 | 2024-01-25 | デクセリアルズ株式会社 | 保護素子 |
-
2000
- 2000-03-16 JP JP2000074805A patent/JP2001266734A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024018863A1 (ja) * | 2022-07-20 | 2024-01-25 | デクセリアルズ株式会社 | 保護素子 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070214 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090716 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090728 |
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A761 | Written withdrawal of application |
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