JP2001265451A - 電流検出回路 - Google Patents

電流検出回路

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JP2001265451A
JP2001265451A JP2000074040A JP2000074040A JP2001265451A JP 2001265451 A JP2001265451 A JP 2001265451A JP 2000074040 A JP2000074040 A JP 2000074040A JP 2000074040 A JP2000074040 A JP 2000074040A JP 2001265451 A JP2001265451 A JP 2001265451A
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current
collector
resistor
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Fumiaki Mizuno
史章 水野
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
AutoNetworks Technologies Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
AutoNetworks Technologies Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サージ電流が流入したときに電流レベルの検
出が正確に行えなくなるのを簡素な構成で防止する。 【解決手段】 トランジスタQ1を抵抗R1を介してシ
ャント抵抗Rsの電源部1側に接続し、トランジスタQ
2をシャント抵抗Rsの負荷3側に接続する。トランジ
スタQ1,Q2のトランジスタ特性は等しい。トランジ
スタQ1,Q2のコレクタを抵抗R2を介して接地し、
抵抗R2の両端電圧を電圧検出回路5により検出する。
電源部1から負荷3に電流が供給されていないときに
も、トランジスタQ2のベースにトランジスタQ11に
よってベース電流を発生させることにより、トランジス
タQ2をオン状態にしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電流検出抵抗を用
いて負荷に供給される電流を検出する電流検出回路に係
り、特にサージ電流が流入した場合でも動作が不安定に
なるのを防止するようにした電流検出回路に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、パソコン等に用いられる2次電池
の充電量を精度良く求めたり、自動車における電流分配
回路を監視することなどを目的として、高精度な電流検
出回路が望まれている。電流検出回路として、従来、高
精度な低抵抗であるシャント抵抗を検出すべき電流が流
れる電流供給ラインに直列に介設し、このシャント抵抗
の両端に互いに等しいトランジスタ特性を有するPNP
トランジスタをそれぞれ接続して検出すべき電流に比例
した電流を分岐するようにした図7に示すような回路が
知られている。
【0003】図7の回路において、シャント抵抗Rs
(抵抗値をRSとする)は電源部と負荷の間に直列に介
設されており、PNPトランジスタQ21のエミッタは
抵抗R21(抵抗値をR21とし、R21≫RSとする)を
介してシャント抵抗Rsの電源部側に接続され、ベース
はPNPトランジスタQ22のベースに接続され、コレ
クタは抵抗R22(抵抗値をR22とする)を介して接地
されている。また、PNPトランジスタQ22のエミッ
タはシャント抵抗Rsの負荷側に接続され、コレクタは
ベースに接続されるとともに、抵抗R23(抵抗値をR
23とする)を介して接地されている。
【0004】この回路において、トランジスタQ22の
ベース・コレクタ間が短絡されているので、このトラン
ジスタQ22はエミッタ・ベース間で構成されるダイオ
ードとみなすことができる。従って、シャント抵抗Rs
の負荷側に0V以上の電位が発生すると、電流I21が流
れる。電源部から負荷に供給される負荷電流ILの通電
開始直後では、電流I21はトランジスタQ22のエミッ
タ(P領域)、ベース(N領域)を介して抵抗R23に
流れるので、トランジスタQ22のエミッタ・ベース間
に電位差VBE(Q22)が生じる。よって、トランジスタ
Q21,Q22のベース電位VAは、シャント抵抗Rs
の電源部側の電位VBに比べて、 (IL+I21)・RS+VBE(Q22) だけ低下する。この電位差は、トランジスタQ21のベ
ース・エミッタ間および抵抗R21からなる直列回路に
も印加されるので、この電位差によって抵抗R21から
トランジスタQ21のエミッタ・ベース間に電流I22
流れて、トランジスタQ21がオンになる。
【0005】一般に、トランジスタのエミッタ電流はベ
ース電流のhFE(通常hFE=100〜1000)倍になり、ベ
ース・エミッタ間の電位差VBEはオン状態のトランジス
タにおいては0.6V程度の一定値をとる。図7の回路で
は、PNPトランジスタQ21とPNPトランジスタQ
22は、互いに等しいトランジスタ特性を有するものを
用いているので、両者のhFEやベース・エミッタ間VBE
は、hFE21=hFE22、VBE(Q21)=VBE(Q22)と互
いに等しい値になっている。
【0006】図7において、抵抗R21の両端電圧をV
R21、シャント抵抗Rsの両端電圧をVRsとすると、電
位VAと電位VBの電位差から、 VR21+VBE(Q21)=VRs+VBE(Q22) … となるが、 VBE(Q21)=VBE(Q22) … であるので、上記式,より、 VR21=VRs … となる。
【0007】このように、図7の回路では、ダイオード
と等価なトランジスタQ22にまず電流I21が流れ、こ
の電流I21によりトランジスタQ21がオンして電流I
22が流れる。そして、この電流I22のレベルは、シャン
ト抵抗Rsでの電圧降下に等しい電圧降下が抵抗R21
で生じるような値になる。
【0008】そして、一般にトランジスタのエミッタ電
流とコレクタ電流とはほぼ等しいとみなせるので、抵抗
R21を流れる電流I22と同レベルの電流が抵抗R22
に流れるとみなして、抵抗R22の両端電圧VOUTを検
出することにより、抵抗R21の抵抗値R21とシャント
抵抗Rsの抵抗値RSとの比に基づき、負荷電流ILを検
出することができるようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図7の回路において、
電源部から負荷に負荷電流ILが供給されていない状態
(電流I21が流れておらず、トランジスタQ22はオフ
状態)のときに、何らかの要因でサージ電流が電源部側
から抵抗R21とシャント抵抗Rsの接続点に流入する
と、当該接続点に、瞬間的に、トランジスタQ21のエ
ミッタの電位やシャント抵抗Rsの負荷側の電位より高
い電位の電圧(サージ電圧)VBが発生する。
【0010】このサージ電圧VBによって電流が発生す
るが、この電流が、先に、シャント抵抗Rsを通ってト
ランジスタQ22のエミッタに流入して、トランジスタ
Q22がトランジスタQ21よりも先にオンになった場
合には、上述した正常な状態と変わらないので、問題は
生じない。
【0011】ところが、サージ電圧VBによって発生し
た電流が、抵抗R21→トランジスタQ21のエミッタ
→トランジスタQ21のベース→トランジスタQ22の
コレクタ→抵抗R23→アースの第1経路で流れる電流
Aと、シャント抵抗Rs→負荷→アースの第2経路で
流れる電流IBとに分かれ、上記第1経路で流れる電流
Aにより、まず、トランジスタQ21がオンになり、
次いで、トランジスタQ22がオンになった場合に、以
下のような問題が生じる。
【0012】ここで、サージ電流が発生した瞬間におい
ては、電流IAは抵抗値(R21+R2 3)とサージ電圧VB
によって決まり、電流IBは抵抗値(RS+負荷のインピ
ーダンス)とサージ電圧VBによって決まる。また、ト
ランジスタQ21のコレクタ電流として、トランジスタ
Q21のエミッタ・ベース電流(すなわち電流IA)の
FE倍(またはそれ以下)のレベルの電流が流れる。
【0013】上記第1経路で流れる電流IAにより、ま
ず、トランジスタQ21がオンになると、トランジスタ
Q21のベース電位VAは、電流IAおよび抵抗値R21
23と、トランジスタQ21のベース・エミッタ間電圧
BE(Q21)とによって決まる。
【0014】次いで、トランジスタQ22がオンになる
が、このとき、ベース電位VAは既に決まっており、こ
の既に決まっているベース電位VAのもとで、トランジ
スタQ22が動作することになる。トランジスタQ22
がオンになると、トランジスタQ21,Q22の双方が
オン状態になるので、トランジスタQ22は、上記式
を成立させようと動作する。ここで、上記式は変わら
ずに成立するので、トランジスタQ22は、上記式を
成立させようと動作することになる。
【0015】すなわち、トランジスタQ22は、下記式
で表わされるように、抵抗R21で生じる電圧降下に
等しい電圧降下がシャント抵抗Rsで生じるようなレベ
ルの電流IRSをシャント抵抗Rsに流そうと動作する。 IRS=IA・R21/RS … しかし、上述したように、シャント抵抗Rs→負荷→ア
ースの第2経路で流れる電流IBは(RS+負荷のインピ
ーダンス)とサージ電圧VBによって決まっているの
で、矛盾が生じる。従って、ベース電位VAがふらつく
ので、トランジスタQ21のコレクタ電流のレベルがふ
らつく。その結果、両端電圧VOUTのレベルがふらつい
て電流レベルの検出が正確に行えなくなるという問題が
あった。
【0016】本発明は、上記問題を解決するもので、サ
ージ電流が流入したときに電流レベルの検出が正確に行
えなくなるのを簡素な構成で防止することができる電流
検出回路を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、電源部と負荷
の間に介設された所定の抵抗値を有する電流検出抵抗
と、この電流検出抵抗の抵抗値の所定倍である第1抵抗
値を有する第1抵抗と、所定の第2抵抗値を有する第2
抵抗と、PNPトランジスタからなる第1トランジスタ
及び第2トランジスタとを備え、上記第2トランジスタ
は、上記第1トランジスタのトランジスタ特性とほぼ同
一のトランジスタ特性を有するもので、上記第1トラン
ジスタのエミッタは、上記第1抵抗を介して上記電流検
出抵抗の電源部側に接続され、上記第1トランジスタの
ベースは、上記第2トランジスタのベースに接続され、
上記第1トランジスタのコレクタは、上記第2抵抗を介
して接地され、上記第2トランジスタのエミッタは、上
記電流検出抵抗の負荷側に接続され、上記第2トランジ
スタのコレクタは、当該第2トランジスタのベースに接
続されるとともに所定の抵抗を介して接地されてなり、
上記電源部から上記負荷に供給される供給電流を検出す
る電流検出回路において、上記第2トランジスタのベー
スに接続され、上記電源部から上記負荷に電流が供給さ
れていないときにも当該ベースに所定レベルのベース電
流を発生させるベース電流生成手段を備えたものである
(請求項1)。
【0018】この構成によれば、第1トランジスタと第
2トランジスタのトランジスタ特性が互いにほぼ等しい
ことからベース・エミッタ間電圧が互いにほぼ等しいの
で、電流検出抵抗の電源部側の電位と第1トランジスタ
のベース電位との電位差から、第1トランジスタのエミ
ッタ電流と第2トランジスタのエミッタ電流と電流検出
抵抗に流れる検出電流と所定倍(第1抵抗値と電流検出
抵抗の抵抗値との比で1を超える値)との合計4つの値
の関係が得られる。これを第1の関係とする。なお、電
流検出抵抗に流れる検出電流は、第2トランジスタのエ
ミッタ電流と負荷に供給される供給電流との和である。
【0019】また、第1トランジスタと第2トランジス
タとは、トランジスタ特性が互いにほぼ等しく、ベース
電流が共通であるので、第1トランジスタのコレクタ電
流と第2トランジスタのコレクタ電流とはほぼ等しくな
る。
【0020】一方、一般にトランジスタのhFE=(コレ
クタ電流)/(ベース電流)は十分に大きいので、各トラ
ンジスタのエミッタ電流とコレクタ電流とはほぼ等しい
とみなせる。従って、第1トランジスタのコレクタ電流
と第1トランジスタのエミッタ電流とは互いにほぼ等し
く、第2トランジスタのコレクタ電流と第2トランジス
タのエミッタ電流とは互いにほぼ等しい。
【0021】以上の関係から、第1トランジスタのエミ
ッタ電流と第2トランジスタのエミッタ電流とはほぼ等
しくなる。また、第2抵抗に流れる電流は、第1トラン
ジスタのエミッタ電流にほぼ等しくなる。これによっ
て、第2抵抗に流れる電流が負荷に供給される供給電流
および所定倍によって表わされる。
【0022】従って、第2抵抗の両端電圧を検出するこ
とによって、既知の第2抵抗値および所定倍から供給電
流の検出が可能になる。
【0023】ここで、従来回路では、電源部から負荷に
電流が供給されていないときには第1トランジスタにベ
ース電流が生じていないので、この状態で何らかの要因
でサージ電流が流入すると、第1トランジスタが先にオ
ンになり、そのベース電位が決まった後で第2トランジ
スタがオンになる可能性がある。この場合には、そのベ
ース電位がふらつき、その結果第2抵抗の両端電圧レベ
ルがふらつくために、電流レベルの検出が正確に行えな
いことになる。
【0024】これに対して、本発明の回路では、電流検
出抵抗に電流が流れていない、すなわち負荷に電流が供
給されていないときでも、ベース電流生成手段により第
2トランジスタのベースに所定レベルのベース電流が発
生しているので、第2トランジスタがオン状態になって
いる。このとき、第1トランジスタのベースにもベース
電流が発生することになるので、第1トランジスタもオ
ン状態になっている。
【0025】従って、仮に、第1トランジスタのエミッ
タおよび第2トランジスタのエミッタにサージ電流が流
れたとしても、電流検出抵抗の抵抗値の方が第1抵抗の
抵抗値より小さいので、第2トランジスタのベース電流
の方が第1トランジスタのベース電流より大きくなり、
その結果、上記サージ電流の流入に関わらず、常に第2
トランジスタの方が第1トランジスタより先に動作する
ことになる。
【0026】このため、第1トランジスタのベース電位
は、電流検出抵抗の負荷側の電位から第2トランジスタ
のベース・エミッタ間電圧分だけ低いレベルに固定され
ることから、電源部から負荷に電流が供給される通常の
場合と同様の動作になる。
【0027】これによって、サージ電流が流入したとき
に第2抵抗を流れる電流がふらつくことが防がれ、この
ふらつきに起因して電流レベルの検出が正確に行えなく
なるのが防止される。
【0028】なお、トランジスタ特性として、例えば、
コレクタ・エミッタ間電圧に対するコレクタ電流の変動
特性、ベース・エミッタ間電圧特性、hFE特性や温度依
存特性などの特性について、それぞれ、互いにほぼ同一
であることが好ましい。
【0029】また、請求項1記載の電流検出回路におい
て、NPNトランジスタからなり、上記第1トランジス
タのコレクタと上記第2抵抗との間に介設された第3ト
ランジスタと、NPNトランジスタからなり、上記第2
トランジスタのコレクタと上記所定の抵抗との間に介設
された第4トランジスタとを備え、上記第4トランジス
タは、上記第3トランジスタのトランジスタ特性とほぼ
同一のトランジスタ特性を有するもので、上記第3トラ
ンジスタのコレクタは、上記第1トランジスタのコレク
タに接続され、上記第3トランジスタのベースは、当該
第3トランジスタのコレクタ及び上記第4トランジスタ
のベースに接続され、上記第3トランジスタのエミッタ
は、上記第2抵抗を介して接地され、上記第4トランジ
スタのコレクタは、上記第2トランジスタのコレクタに
接続され、上記第4トランジスタのエミッタは、上記所
定の抵抗を介して接地され、上記所定の抵抗の抵抗値
は、上記第2抵抗値に等しくなるように構成することが
できる(請求項2)。
【0030】この構成によれば、請求項1と同様に上記
第1の関係が得られる。また、第3トランジスタと第4
トランジスタとは、いわゆるカレントミラー回路を構成
し、第3トランジスタと第4トランジスタのベース・エ
ミッタ間電圧が互いにほぼ等しく、かつ、第3トランジ
スタのエミッタとアースとの間に介設された第2抵抗の
抵抗値と、第4トランジスタのエミッタとアースとの間
に介設された所定の抵抗の抵抗値とは同一の第2抵抗値
であるので、第3トランジスタのコレクタ電流と第4ト
ランジスタのコレクタ電流とは等しくなる。これを第2
の関係とする。
【0031】一方、一般にトランジスタのhFE=(コレ
クタ電流)/(ベース電流)は十分に大きいので、各トラ
ンジスタのエミッタ電流とコレクタ電流とは等しいとみ
なせる。従って、第3トランジスタのコレクタ電流と、
第1トランジスタのコレクタ電流と、第1トランジスタ
のエミッタ電流とは互いに等しい。これを第3の関係と
する。また、第4トランジスタのコレクタ電流と、第2
トランジスタのコレクタ電流と、第2トランジスタのエ
ミッタ電流とは互いに等しい。これを第4の関係とす
る。また、第3トランジスタのコレクタ電流と、当該第
3トランジスタのエミッタ電流とは互いに等しく、第4
トランジスタのコレクタ電流と、当該第4トランジスタ
のエミッタ電流とは互いに等しい。これらを第5の関係
とする。
【0032】第2の関係、第3の関係及び第4の関係よ
り、第1トランジスタのエミッタ電流と第2トランジス
タのエミッタ電流とが互いに等しいことになる。また、
第3の関係及び第5の関係より、第1トランジスタのエ
ミッタ電流と第3トランジスタのエミッタ電流とが互い
に等しく、第2トランジスタのエミッタ電流と第4トラ
ンジスタのエミッタ電流とが互いに等しいことになる。
【0033】従って、第3トランジスタのエミッタ及び
第4トランジスタのエミッタの少なくとも一方の電圧値
を検出することにより、第2抵抗値から第1トランジス
タのエミッタ電流を求めることが可能になり、これによ
って、第1の関係を構成する4つの値のうちで検出電流
を除く3つの値が既知となるので、検出電流を求めるこ
とが可能になり、これから第2トランジスタのエミッタ
電流を減算することにより、供給電流が求められる。こ
のとき、第1の関係〜第5の関係が高精度で成立してい
ることから供給電流が精度良く求められる。
【0034】ここで、本発明の回路では、電流検出抵抗
に電流が流れていない、すなわち負荷に電流が供給され
ていないときでも、ベース電流生成手段により第2トラ
ンジスタのベースに所定レベルのベース電流が発生して
いるので、第1トランジスタおよび第2トランジスタ
は、双方ともオン状態になっている。従って、請求項1
と同様の作用によって、サージ電流が流入したときに第
2抵抗を流れる電流がふらつくことが防がれ、このふら
つきに起因して電流レベルの検出が正確に行えなくなる
のが防止される。
【0035】また、請求項2記載の電流検出回路におい
て、PNPトランジスタからなり、上記第1トランジス
タと上記第1抵抗との間に介設された第5トランジスタ
と、PNPトランジスタからなり、上記第2トランジス
タと上記電流検出抵抗の負荷側との間に介設された第6
トランジスタとを備え、上記第5トランジスタ及び第6
トランジスタは、上記第1トランジスタのトランジスタ
特性とほぼ同一のトランジスタ特性を有するもので、上
記第5トランジスタのエミッタは、上記第1抵抗を介し
て上記電流検出抵抗の電源部側に接続され、上記第5ト
ランジスタのベースは、当該第5トランジスタのコレク
タ及び上記第6トランジスタのベースに接続され、上記
第5トランジスタのコレクタは、上記第1トランジスタ
のエミッタに接続され、上記第6トランジスタのエミッ
タは、上記電流検出抵抗の負荷側に接続され、上記第6
トランジスタのコレクタは、上記第2トランジスタのエ
ミッタに接続されているとすることができる(請求項
3)。
【0036】この構成によれば、第5トランジスタと第
6トランジスタのベース・エミッタ間電圧等のトランジ
スタ特性が互いにほぼ等しいので、電流検出抵抗の電源
部側と第5トランジスタのベースとの電位差から、第5
トランジスタのエミッタ電流と第6トランジスタのエミ
ッタ電流と電流検出抵抗に流れる検出電流と所定倍との
合計4つの値の関係が得られる。これを第6の関係とす
る。
【0037】また、第3トランジスタと第4トランジス
タとは、いわゆるカレントミラー回路を構成しており、
請求項2と同様に第2の関係が得られる。
【0038】一方、一般にトランジスタのhFE=(コレ
クタ電流)/(ベース電流)は十分に大きいので、各トラ
ンジスタのエミッタ電流とコレクタ電流とは等しいとみ
なせる。従って、第5トランジスタのエミッタ電流と、
第5トランジスタのコレクタ電流(すなわち、第1トラ
ンジスタのエミッタ電流)と、第1トランジスタのコレ
クタ電流とは互いに等しい。これを第7の関係とする。
また、第6トランジスタのエミッタ電流と、第6トラン
ジスタのコレクタ電流(すなわち、第2トランジスタの
エミッタ電流)と、第2トランジスタのコレクタ電流と
は互いに等しい。これを第8の関係とする。また、請求
項2と同様に第5の関係が得られる。
【0039】第2の関係、第7の関係及び第8の関係よ
り、第5トランジスタのエミッタ電流と第6トランジス
タのエミッタ電流とが互いに等しいことになる。また、
第7の関係及び第5の関係より、第5トランジスタのエ
ミッタ電流と第3トランジスタのエミッタ電流とが互い
に等しく、第6トランジスタのエミッタ電流と第4トラ
ンジスタのエミッタ電流とが互いに等しいことになる。
【0040】従って、第3トランジスタのエミッタ及び
第4トランジスタのエミッタの少なくとも一方の電圧値
を検出することにより、第2抵抗値から第5トランジス
タのエミッタ電流を求めることが可能になり、これによ
って、第6の関係を構成する4値のうちで検出電流を除
く3値が既知となるので、検出電流を求めることが可能
になり、これから第6トランジスタのエミッタ電流を減
算することにより、供給電流が求められる。
【0041】このとき、第5トランジスタのベースを、
第5トランジスタのコレクタに接続し、第1トランジス
タのベースを、反対側の第2トランジスタのコレクタに
接続するようにしたので、電源電圧の変動が、第5トラ
ンジスタのエミッタ電流と第6トランジスタのエミッタ
電流とに等しく影響することとなる。
【0042】従って、電源電圧の変動に関わりなく、第
5トランジスタのエミッタ電流と第6トランジスタのエ
ミッタ電流とが等しくなり、供給電流を精度良く検出す
ることが可能になる。
【0043】ここで、本発明の回路では、電流検出抵抗
に電流が流れていない、すなわち負荷に電流が供給され
ていないときでも、ベース電流生成手段により第2トラ
ンジスタのベースにベース電流が発生しているので、第
2トランジスタがオン状態になっている。このとき、第
1トランジスタのベースにもベース電流が発生すること
になるので、第1トランジスタもオン状態になってい
る。また、この第1トランジスタのオンにより、第5ト
ランジスタおよび第6トランジスタのベースにもベース
電流が発生しており、第5および第6トランジスタもオ
ン状態になっている。
【0044】従って、第5および第6トランジスタのベ
ース電位は固定されているので、本発明の回路にサージ
電流が流入しても、まず第6トランジスタが動作した後
で第5トランジスタが動作することになり、電源部から
負荷に電流が供給される通常の場合と同様の動作にな
る。
【0045】これによって、サージ電流が流入したとき
に第2抵抗を流れる電流がふらつくことが防がれ、この
ふらつきに起因して電流レベルの検出が正確に行えなく
なるのが防止される。
【0046】ところで、請求項1〜3の構成によれば、
電流検出抵抗に検出電流が正常に流れる状態のときで
も、第1トランジスタのベースにもベース電流生成手段
によりベース電流が発生しているので、その分だけ第1
トランジスタのコレクタ電流が増加してしまい、第2抵
抗には、供給電流に比例する分より増大した電流が流れ
ることになる。
【0047】これに対して、上記第1トランジスタのコ
レクタに接続され、当該第1トランジスタに流れるコレ
クタ電流のうちの所定レベルの電流を上記第2抵抗の手
前で分岐させるコレクタ電流分岐手段を備えた請求項4
の構成によれば、第1トランジスタのコレクタ電流のう
ちの所定レベルの電流が分岐されることから、第1トラ
ンジスタのコレクタ電流の増加による第2抵抗への流入
電流の増大幅が小さくなるので、電流検出の精度低下が
防止される。
【0048】特に、請求項4記載の電流検出回路におい
て、上記コレクタ電流分岐手段は、上記ベース電流生成
手段によって発生するベース電流により上記第1トラン
ジスタのコレクタ電流が増加する分にほぼ等しいレベル
の電流を分岐させるものであるとすると(請求項5)、
ベース電流生成手段によって発生するベース電流による
第1トランジスタのコレクタ電流の増加分が相殺され
て、第2抵抗に流入する電流は供給電流に比例するレベ
ルに維持されることになり、電流検出がさらに一層、精
度良く行われる。
【0049】また、請求項4または5記載の電流検出回
路において、上記ベース電流生成手段は、一対の通電端
子のうちの一方が上記第2トランジスタのベースに接続
され、他方が接地されたベース電流生成用トランジスタ
と、このベース電流生成用トランジスタの制御端子に、
上記電源部から上記負荷に電流が供給されていないとき
にも所定レベルの制御電流を発生させるベース電流生成
用電流発生回路とを備えたもので、上記コレクタ電流分
岐手段は、一対の通電端子のうちの一方が上記第1トラ
ンジスタのコレクタに接続され、他方が接地されたコレ
クタ電流分岐用トランジスタと、このコレクタ電流分岐
用トランジスタの制御端子に、上記電源部から上記負荷
に電流が供給されていないときにも所定レベルの制御電
流を発生させるコレクタ電流分岐用電流発生回路とを備
えたもので、上記コレクタ電流分岐用トランジスタは、
上記ベース電流生成用トランジスタとほぼ同一のトラン
ジスタ特性を有するものであるとすることができる(請
求項6)。
【0050】この構成によれば、ベース電流生成用トラ
ンジスタの制御端子に所定レベルの制御電流が発生し
て、その通電端子に制御電流に応じたレベルの電流が生
じ、この電流が第1トランジスタおよび第2トランジス
タのベース電流となり、このベース電流により、電流検
出抵抗に検出電流が正常に流れる状態のときでも、その
分だけ第1トランジスタのコレクタ電流が増加してしま
う。このとき、コレクタ電流分岐用トランジスタの制御
端子に所定レベルの制御電流が発生して、その通電端子
に制御電流に応じたレベルの電流が生じ、この電流の分
だけ第1トランジスタのコレクタ電流が分岐される。
【0051】ここで、第1トランジスタのコレクタ電流
の増加分にほぼ等しい電流をコレクタ電流分岐用トラン
ジスタの通電端子間に発生させるためには、例えば、コ
レクタ電流分岐用トランジスタの制御端子に発生する制
御電流のレベルを調整したり、またはコレクタ電流分岐
用トランジスタの他方の通電端子とアース間に抵抗を介
設し、この抵抗の抵抗値を調整すればよい。
【0052】これによって、第1トランジスタのコレク
タ電流の増加分が減少または相殺されることから、第2
抵抗に流入する電流は供給電流に比例するレベルとな
り、電流検出が精度良く行われることとなる。また、ト
ランジスタ特性がほぼ同一であるので、環境の変化によ
る第1トランジスタのコレクタ電流の増加分の変化量
と、第1トランジスタのコレクタ電流から分岐される電
流レベルの変化量とがほぼ一致することとなる。例え
ば、温度依存特性がほぼ同一であれば、周囲温度の変化
による両者の変化量がほぼ一致し、hFE特性がほぼ同一
であれば、電源電圧変動によって生じるベース電流の変
化による両者の変化量がほぼ一致する。これによって、
電流検出の精度が環境の変化によって影響されるのを防
止できる。
【0053】また、上記各トランジスタは、半導体ウェ
ハ上に形成された集積回路により構成されているとして
もよい(請求項7)。この場合には、各トランジスタが
集積回路によって構成されるので、半導体ウェハ上に、
例えば第1トランジスタと第2トランジスタとを隣接し
て形成し、または第3トランジスタと第4トランジスタ
とを隣接して形成し、または第1、第2、第5および第
6トランジスタを隣接して形成し、またはベース電流生
成用トランジスタとコレクタ電流分岐用トランジスタと
を隣接して形成することにより、ベース・エミッタ間電
圧などのトランジスタ特性を精度良く一致させることが
可能になり、これによって第2抵抗に流れる電流が検出
電流に更に精度良く比例したものとされ、供給電流が更
に高精度に検出されることとなる。また、回路の小型化
や低コスト化が図れる。
【0054】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る電流検出回路
の一実施形態の回路図である。この電流検出回路K1
は、電源部1とアースとの間に、FET2、シャント抵
抗Rsおよび負荷3が直列に接続され、駆動回路4から
の駆動電圧によりFET2がオンにされて負荷電流IL
が電源部1から負荷3に供給されたときに、負荷電流I
Lに比例した電流を電圧に変換し、これを電圧検出回路
5で検出することによって、電源部1から負荷3に供給
される供給電流としての負荷電流ILを検出するもので
ある。シャント抵抗Rsは、既知の抵抗値RSを有する
高精度な低抵抗で、電流検出抵抗を構成する。
【0055】また、電流検出回路K1は、図1に示すよ
うに、PNPトランジスタからなるトランジスタQ1
(第1トランジスタ)及びトランジスタQ2(第2トラ
ンジスタ)と、抵抗値がR1の抵抗R1(第1抵抗)
と、抵抗値がR2の抵抗R2(第2抵抗)とを備えてい
る。
【0056】トランジスタQ1のエミッタは、抵抗R1
を介してシャント抵抗Rsの電源部1側に接続され、ト
ランジスタQ1のベースは、トランジスタQ2のベース
に接続され、トランジスタQ1のコレクタは、抵抗R2
を介して接地されている。トランジスタQ2のエミッタ
は、シャント抵抗Rsの負荷3側に接続され、トランジ
スタQ2のコレクタは、当該トランジスタQ2のベース
に接続されるとともに抵抗R2を介して接地されてい
る。
【0057】電圧検出回路5は、以下の機能を有する。
第2抵抗R2の両端電圧VOUTを検出する電圧検出手
段としての機能。検出した電圧値から負荷電流IL
正常範囲内にあるかどうかを判定する電流判定手段とし
ての機能。
【0058】さらに、電流検出回路K1は、図1に示す
ように、NPNトランジスタQ11、抵抗R11及び定
電流源S1を備えている。トランジスタQ11のコレク
タはトランジスタQ2のベースに接続され、エミッタは
抵抗R11を介して接地され、ベースは定電流源S1に
接続されている。定電流源S1は、電源部1に接続さ
れ、ダイオード、PNPトランジスタおよび2つの抵抗
からなる公知の定電流回路で、トランジスタQ11のベ
ースに一定の低レベルのベース電流を常に供給するもの
である。この定電流源S1により、トランジスタQ11
は、抵抗R11の抵抗値および定電流源S1により供給
されるベース電流のレベルによって決まるコレクタ電流
を常に流すこととなる。NPNトランジスタQ11、抵
抗R11及び定電流源S1は、ベース電流生成手段を構
成している。
【0059】さらにまた、電流検出回路K1は、図1に
示すように、NPNトランジスタQ12、抵抗R12及
び定電流源S2を備えている。トランジスタQ12のコ
レクタはトランジスタQ1のコレクタに接続され、エミ
ッタは抵抗R12を介して接地され、ベースは定電流源
S2に接続されている。定電流源S2は、電源部1に接
続され、ダイオード、PNPトランジスタおよび2つの
抵抗からなる公知の定電流回路で、トランジスタQ12
のベースに一定の低レベルのベース電流を常に供給する
ものである。この定電流源S2により、トランジスタQ
12は、抵抗R12の抵抗値および定電流源S2により
供給されるベース電流のレベルによって決まるコレクタ
電流を常に流すこととなる。NPNトランジスタQ1
2、抵抗R12及び定電流源S2は、コレクタ電流分岐
手段を構成している。
【0060】次に、図1の回路を構成する各トランジス
タの特性について説明する。トランジスタ特性は、温度
や電圧によって変化し、その増幅率は同一品種でも0.5
〜2倍程度にばらつき、ベース・エミッタ間電圧VBE
ばらつきがあるが、このようなばらつきによる悪影響を
防止するために、図1の回路において、PNPトランジ
スタQ1,Q2からなるトランジスタ群T1、NPNト
ランジスタQ11,Q12からなるトランジスタ群T1
1は、それぞれ、トランジスタ特性の類似したトランジ
スタで構成している。
【0061】これらのトランジスタ群T1,T11を、
例えばディスクリート部品で構成する場合には、隣接す
る2個のトランジスタを1パッケージに収容したものが
市販されているので、それを利用すればよい。また、集
積回路(Integrated Circuit、以下「IC」という。)
を用いる場合には、半導体ウェハ上で各トランジスタ群
を構成するトランジスタを互いに隣接して配置すること
により、それぞれベース・エミッタ間電圧VBEなどのト
ランジスタ特性の差をほとんど無視できる程度のレベル
にすることができる。
【0062】ここで、半導体ウェハ上に形成されたIC
における素子の特性のばらつきについて説明する。
【0063】ICは、半導体(一般にはシリコン)のイ
ンゴットから切り出された1枚のウェハ上に公知の回路
形成工程によって多数の同一回路を形成した後に、回路
(チップ)毎にダイシングしてモールドすることによっ
て製造される。
【0064】従って、ICにおける素子の特性のばらつ
きは、1枚のウェハ内部のチップ間で発生するばらつき
と、ウェハ間のばらつきと、ウェハを切り出したインゴ
ット間のばらつきとに分けることができる。
【0065】ICにおける素子の特性のばらつきは、回
路形成工程におけるばらつき、すなわちエッチング工程
のばらつき、露光工程のばらつき、不純物拡散工程の拡
散度合いのばらつき、各工程における温度のばらつきな
どの要因によって生じる。
【0066】このうちで、上記ばらつき要因であるエッ
チング、露光、不純物拡散の各工程はウェハ毎に行わ
れ、同一ウェハでは各工程の温度も同一であるので、1
枚のウェハ内部のチップ間では、特性のばらつきが生じ
にくい。特に、同一チップ内で近接して形成される素子
間におけるばらつきは、殆ど無視することができる。
【0067】従って、トランジスタ群T1,T11を構
成するトランジスタの特性の相対的なばらつきは、それ
ぞれ非常に低いレベルにすることができる。
【0068】次に、図1の回路における動作について説
明する。同図の回路において、トランジスタQ2のベー
ス・コレクタ間が短絡されているので、このトランジス
タQ2はエミッタ・ベース間で構成されるダイオードと
みなすことができる。従って、FET2のオンにより負
荷電流ILが流れて、シャント抵抗Rsの負荷側に0V
以上の電位が発生すると電流I1が流れる。負荷電流IL
の通電開始直後では、電流I1はトランジスタQ2のエ
ミッタ(P領域)、ベース(N領域)を介して抵抗R2
に流れるので、トランジスタQ2のエミッタ・ベース間
に電位差VBE(Q2)が生じる。よって、トランジスタQ
1,Q2のベース電位は、シャント抵抗Rsの電源部
側、すなわちFET2のソースの電位に比べて、 (IL+I1)・RS+VBE(Q2) だけ低下する。この電位差は、トランジスタQ1のベー
ス・エミッタ間および抵抗R1からなる直列回路にも印
加されるので、この電位差によって抵抗R1からトラン
ジスタQ1のエミッタ・ベース間に電流I2が流れて、
トランジスタQ1がオンになる。
【0069】抵抗R1は、下記式(1)に示すように、シ
ャント抵抗Rsの抵抗値RSのN倍(所定倍)の抵抗値
1を有するものを採用している。 R1=N・RS …(1) トランジスタQ1,Q2のベースとFET2のソースと
の電位差について下記式(2)が得られる。
【0070】 I2・R1+VBE(Q1) =(I1+IL)・RS+VBE(Q2) …(2) 但し、図1に示すように、I1はトランジスタQ2に流
れるエミッタ電流、I2はトランジスタQ1に流れるエ
ミッタ電流で、VBE(Q1)はトランジスタQ1のベース
・エミッタ間電圧、VBE(Q2)はトランジスタQ2のベ
ース・エミッタ間電圧である。
【0071】また、トランジスタQ1とトランジスタQ
2とは、上述したように、特性がほぼ同一のトランジス
タを採用しているので、 VBE(Q1)=VBE(Q2) …(3) が得られる。
【0072】上記式(1),(3)を上記式(2)に代入する
と、 I2=(I1+IL)/N …(4) が得られる。
【0073】また、トランジスタQ1とトランジスタQ
2とは、特性がほぼ同一のトランジスタを採用してお
り、ベース電流が等しいので、 IC(Q1)≒IC(Q2) …(5) になる。但し、IC(Q1)はトランジスタQ1に流れる
コレクタ電流、IC(Q1)はトランジスタQ1に流れる
コレクタ電流である。
【0074】ここで、一般に、トランジスタのhFE
(コレクタ電流)/(ベース電流)は十分に大きいので、各
トランジスタのエミッタ電流とコレクタ電流は等しいと
みなすことができ、下記式(6),(7)が得られる。 IC(Q1)=I2 …(6) IC(Q2)=I1 …(7) 従って、上記式(5),(6),(7)より I2≒I1 …(8) が得られる。従って、上記式(4),(8)より、 I2≒I1≒IL/(N−1) …(9) となる。
【0075】従って、上記式(7),(9)より、電圧検出
回路5への出力電圧VOUTは、 VOUT=2・R2・IC(Q2) ≒2・R2・I1 ≒2・R2・IL/(N−1) …(10) となる。従って、抵抗R2の抵抗値R2及び数値Nが既
知であるので、電圧検出回路5において、 IL≒VOUT・(N−1)/(2・R2) …(11) によって、負荷電流ILが求められる。
【0076】次に、図1の回路において、何らかの要因
でサージ電流が流入したときについて説明する。このサ
ージ電流により、シャント抵抗Rsに負荷電流ILが流
れる前に抵抗R1からトランジスタQ1に電流が流れた
場合でも、図1の回路では、トランジスタQ11により
トランジスタQ2から常にベース電流が引き出されてい
るので、常にトランジスタQ2が動作状態にあるため、
所定の電流I1が常に流れており、この電流I1に合わせ
て電流I2が決まることになる。従って、図1の回路で
は、シャント抵抗Rsに流れる電流が干渉されることは
なくなる。
【0077】このように、本実施形態によれば、トラン
ジスタQ2を常に動作状態にしておくことによって、サ
ージ電流などの流入により回路動作が不安定になるのを
防止することができる。
【0078】なお、トランジスタQ11によりトランジ
スタQ1からもベース電流が常に引き出されているの
で、これだけでは、通常の負荷電流ILが流れる状態の
ときに、トランジスタQ1のコレクタ電流が増加してし
まうことになる。そこで、図1の回路では、トランジス
タQ12を常に動作状態にしておくことにより、トラン
ジスタQ1のコレクタ電流のうちの所定レベルの電流を
分岐するようにしている。これによって、トランジスタ
Q1のコレクタ電流の増加を抑制することができ、電流
検出を精度良く行うことができる。
【0079】また、本実施形態によれば、オペアンプな
どの大規模回路を備えておらず、CPUなどの特別な回
路も備えていないので、IC化を容易に行うことがで
き、回路の小型化や低コスト化を図ることができる。
【0080】なお、トランジスタQ11のコレクタ電流
が、負荷電流ILの検出に悪影響を及ぼさない程度の低
レベルになるように、定電流源S1によるベース電流レ
ベル及び抵抗R11の抵抗値を設定しておくことが好ま
しい。また、トランジスタQ12のコレクタ電流が、ト
ランジスタQ11によるトランジスタQ1のコレクタ電
流の増加に見合う程度の低レベルになるように、定電流
源S2によるベース電流レベル及び抵抗R12の抵抗値
を設定しておくことが好ましい。
【0081】また、トランジスタQ11,Q12は、互
いにほぼ同一のトランジスタ特性を有するトランジスタ
で構成することが好ましい。一般に、バイポーラトラン
ジスタは、周囲温度が高くなるほどhFEが増大する傾向
を有する。すなわち、周囲温度が上昇するとコレクタ電
流(またはエミッタ電流)が増大する。従って、両者の
例えば温度特性が異なると、同じ周囲温度の変化に対す
るコレクタ電流の変化幅が異なるものになってしまう。
また、両者の例えばhFE特性が異なると、同じ電源電圧
変動によって生じるベース電流の変化に対するコレクタ
電流の変化幅が異なるものになってしまう。
【0082】ここで、トランジスタQ12は、トランジ
スタQ2のコレクタ電流のうちで、トランジスタQ11
のコレクタ電流によって増加した分の電流を分岐して抵
抗R2に流れないようにするのが目的であるので、トラ
ンジスタQ11のコレクタ電流とトランジスタQ12の
コレクタ電流とは比例していることが求められる。
【0083】そこで、トランジスタQ11,Q12を、
互いにほぼ同一のトランジスタ特性を有するトランジス
タで構成することによって、例えば、温度特性がほぼ同
一であれば、周囲温度の変化や、電源電圧変動によって
生じるベース電流の変化による両者の変化量がほぼ一致
することとなり、これによって、電流検出の精度が環境
の変化によって影響されるのを防止することができる。
【0084】なお、本発明は、上記各実施形態に限られ
ず、以下の変形形態〜を採用することができる。
【0085】図2は本発明に係る電流検出回路の変形
形態の回路図である。なお、図1と同一物には同一符号
を付し、説明を省略する。
【0086】この電流検出回路K2は、図2に示すよう
に、図1の電流検出回路K1に加えて、トランジスタQ
1と抵抗R2との間に、NPNトランジスタからなるト
ランジスタQ3(第3トランジスタ)が介設され、トラ
ンジスタQ2と抵抗R2との間に、NPNトランジスタ
からなるトランジスタQ4(第4トランジスタ)が介設
されている。
【0087】すなわち、トランジスタQ1のコレクタ
は、トランジスタQ3のコレクタに接続され、トランジ
スタQ2のコレクタは、トランジスタQ4のコレクタに
接続されている。トランジスタQ3のベースは、当該ト
ランジスタQ3のコレクタ及びトランジスタQ4のベー
スに接続され、トランジスタQ3のエミッタは、抵抗R
2を介して接地されている。トランジスタQ4のエミッ
タは、トランジスタQ3のエミッタに接続され、これに
よって、トランジスタQ4のエミッタとアースとの間の
抵抗値は、抵抗R2の抵抗値に等しくなるように構成さ
れている。
【0088】なお、図2の回路において、PNPトラン
ジスタQ1,Q2からなるトランジスタ群T1及びNP
NトランジスタQ3,Q4からなるトランジスタ群T2
は、それぞれ、上記実施形態と同様に、トランジスタ特
性の類似したトランジスタで構成している。
【0089】次に、図2の回路における動作について説
明する。シャント抵抗Rsと、抵抗R1およびトランジ
スタQ1,Q2との回路構成は上記実施形態(図1)と
同様であり、図1と同様の作用によって、トランジスタ
Q1がオンになる。
【0090】抵抗R1は、上記実施形態と同様に、下記
式(21)に示すように、シャント抵抗Rsの抵抗値RS
N倍(所定倍)の抵抗値R1を有するものを採用してい
る。 R1=N・RS …(21) トランジスタQ1,Q2のベースとFET2のソースと
の電位差について下記式(22)が得られる。
【0091】 I2・R1+VBE(Q1) =(I1+IL)・RS+VBE(Q2) …(22) 但し、上記実施形態と同様に、図2に示すように、I1
はトランジスタQ2に流れるエミッタ電流、I2はトラ
ンジスタQ1に流れるエミッタ電流で、VBE(Q1)はト
ランジスタQ1のベース・エミッタ間電圧、VBE(Q2)
はトランジスタQ2のベース・エミッタ間電圧である。
【0092】また、トランジスタQ1とトランジスタQ
2とは、上述したように、特性がほぼ同一のトランジス
タを採用しているので、 VBE(Q1)=VBE(Q2) …(23) が得られる。
【0093】上記式(21),(23)を上記式(22)に代入する
と、第1の関係として、 I2=(I1+IL)/N …(24) が得られる。
【0094】また、図2の回路において、トランジスタ
Q3,Q4は、いわゆるカレントミラー回路を構成して
いる。このカレントミラー回路では、共通のエミッタ抵
抗R2を接続しており、かつ、上述したように特性がほ
ぼ同一のトランジスタを採用していることからベース・
エミッタ間電圧が等しいので、第2の関係として、 IC(Q3)=IC(Q4) …(25) が得られる。但し、IC(Q3)はトランジスタQ3に流
れるコレクタ電流、IC(Q4)はトランジスタQ4に流
れるコレクタ電流である。
【0095】ここで、一般に、トランジスタのhFE
(コレクタ電流)/(ベース電流)は十分に大きいので、各
トランジスタのエミッタ電流とコレクタ電流は等しいと
みなすことができ、第3の関係として下記式(26)、第4
の関係として下記式(27)、第5の関係として下記式(2
8),(29)が得られる。 IC(Q3)=I2 …(26) IC(Q4)=I1 …(27) IC(Q3)=IE(Q3) …(28) IC(Q4)=IE(Q4) …(29) 従って、上記式(25),(26),(27)より I2=I1 …(30) となる。従って、上記式(24),(30)より、 I2=I1=IL/(N−1) …(31) となる。また、上記式(26),(28),(29)より、 I2=IE(Q3) …(32) となる。従って、上記式(31),(32)より、電圧検出回路
5への出力電圧VOUTは、 VOUT=2・R2・I1 =2・R2・IL/(N−1) …(33) となる。従って、抵抗R2の抵抗値R2及び数値Nが既
知であるので、電圧検出回路5において、 IL=VOUT・(N−1)/(2・R2) …(34) によって、負荷電流ILが求められる。
【0096】例えば、RS=10(mΩ)、R1=1(kΩ)、
2=33(kΩ)とすると、IL=3(A)のときはVOUT=2
(V)となる。
【0097】図3(a)は負荷電流ILの5(A)から50
(A)までの変化を示す図で、横軸には単位はない。図3
(b)は、図3(a)のように負荷電流ILが変化した
ときの図1の回路及び図2の回路における(負荷電流
L)/(出力電圧VOUT)の変化を比較した図である。
【0098】図3(b)において、図1の回路における
(IL)/(VOUT)の最小値は19.8、最大値は23.75であ
り、図2の回路における(IL)/(VOUT)の最小値は23.
4、最大値は24.8である。
【0099】すなわち、図2の回路では(IL)/(VOUT)
の変動は±3%に納まっているのに対して、図1の回路
では±9%もの変動がある。従って、図1の回路を用い
て負荷電流が小さい領域を精度良く検出するためには、
図1の抵抗R2の抵抗値を切り替える必要があるのに対
し、図2の回路では、その必要がない。
【0100】このように、本変形形態によれば、上記実
施形態に加えて、カレントミラー回路を構成するトラン
ジスタQ3,Q4をそれぞれトランジスタQ1,Q2に
接続することにより、負荷電流ILの一部を精度良く分
流し、その分流した電流の出力端を抵抗R2を介して接
地するようにしたので、負荷電流ILに比例した電圧を
精度良く得ることができ、これによって負荷電流IL
精度良く求めることができる。
【0101】図4は本発明に係る電流検出回路の異な
る変形形態の回路図である。なお、図1、図2と同一物
には同一符号を付し、説明を省略する。
【0102】この電流検出回路K3は、図4に示すよう
に、図2の電流検出回路K2に加えて、トランジスタQ
1と抵抗R1との間に、PNPトランジスタからなるト
ランジスタQ5(第5トランジスタ)が介設され、トラ
ンジスタQ2とシャント抵抗Rsの負荷3側との間に、
PNPトランジスタからなるトランジスタQ6(第6ト
ランジスタ)が介設されている。
【0103】すなわち、トランジスタQ1のエミッタ
は、トランジスタQ5のコレクタに接続され、トランジ
スタQ2のエミッタは、トランジスタQ6のコレクタに
接続されている。トランジスタQ5のベースは、当該ト
ランジスタQ5のコレクタ及びトランジスタQ6のベー
スに接続され、トランジスタQ5のエミッタは、抵抗R
1を介してシャント抵抗Rsの電源部1側に接続されて
いる。トランジスタQ6のエミッタは、シャント抵抗R
sの負荷3側に接続されている。
【0104】なお、図4の回路において、PNPトラン
ジスタQ1,Q2,Q5,Q6からなるトランジスタ群
T3及びNPNトランジスタQ3,Q4からなるトラン
ジスタ群T2は、それぞれ、上記実施形態と同様に、ト
ランジスタ特性の類似したトランジスタで構成してい
る。
【0105】次に、図4の回路における負荷電流IL
求める原理について説明する。まず、抵抗R1は、上記
変形形態と同様に、下記式(41)に示すように、シャン
ト抵抗Rsの抵抗値RSのN倍(所定倍)の抵抗値R1
有するものを採用している。 R1=N・RS …(41) トランジスタQ5,Q6のベースとFET2のソースと
の電位差について下記式(42)が得られる。
【0106】 I2・R1+VBE(Q5) =(I1+IL)・RS+VBE(Q6) …(42) 但し、図4に示すように、I1はトランジスタQ6に流
れるエミッタ電流、I2はトランジスタQ5に流れるエ
ミッタ電流で、VBE(Q5)はトランジスタQ5のベース
・エミッタ間電圧、VBE(Q6)はトランジスタQ6のベ
ース・エミッタ間電圧である。
【0107】また、トランジスタQ5とトランジスタQ
6とは、上述したように、特性がほぼ同一のトランジス
タを採用しているので、 VBE(Q5)=VBE(Q6) …(43) が得られる。
【0108】上記式(41),(43)を上記式(42)に代入する
と、第1の関係として I2=(I1+IL)/N …(44) が得られる。
【0109】また、図4の回路において、上記変形形態
の回路(図2)と同様に、トランジスタQ3,Q4
は、いわゆるカレントミラー回路を構成している。この
カレントミラー回路では、共通のエミッタ抵抗R2を接
続しており、かつ、上述したように特性がほぼ同一のト
ランジスタを採用していることからベース・エミッタ間
電圧が等しいので、第2の関係として、下記式(45)が得
られる。 IC(Q3)=IC(Q4) …(45) 但し、IC(Q3)はトランジスタQ3に流れるコレクタ
電流、IC(Q4)はトランジスタQ4に流れるコレクタ
電流である。
【0110】ここで、一般に、トランジスタのhFE
(コレクタ電流)/(ベース電流)は十分に大きいので、各
トランジスタのエミッタ電流とコレクタ電流は等しいと
みなすことができ、第3の関係として下記式(46)、第4
の関係として下記式(47)、第5の関係として下記式(4
8),(49)が得られる。 I2=IC(Q5)=IC(Q1) …(46) I1=IC(Q6)=IC(Q2) …(47) IC(Q3)=IE(Q3) …(48) IC(Q4)=IE(Q4) …(49) 従って、上記式(45),(46),(47)より I2=I1 …(50) となる。
【0111】従って、上記式(44),(50)より、 I2=I1=IL/(N−1) …(51) となる。
【0112】また、上記式(46),(48),(49)より、 I2=IE(Q3) …(52) となる。
【0113】従って、上記式(51),(52)より、電圧検出
回路5への出力電圧VOUTは、 VOUT=2・R2・I1 =2・R2・IL/(N−1) …(53) となる。
【0114】従って、抵抗R2の抵抗値R2及び数値N
が既知であるので、電圧検出回路5において、 IL=VOUT・(N−1)/(2・R2) …(54) によって、負荷電流ILが求められる。
【0115】このように、本変形形態によれば、PNP
トランジスタQ5のエミッタを抵抗R1を介してシャン
ト抵抗Rsの電源部1側に接続し、PNPトランジスタ
Q6のエミッタをシャント抵抗Rsの負荷3側に接続
し、PNPトランジスタQ1のエミッタをトランジスタ
Q5のコレクタに接続し、PNPトランジスタQ2のエ
ミッタをトランジスタQ6のコレクタに接続し、カレン
トミラー回路を構成するNPNトランジスタQ3,Q4
をそれぞれトランジスタQ1,Q2に接続することによ
り、負荷電流ILの一部を精度良く分流し、その分流し
た電流の出力端を抵抗R2を介して接地するようにした
ので、負荷電流ILに比例した電圧を精度良く得ること
ができ、これによって、負荷電流ILを精度良く求める
ことができる。
【0116】また、トランジスタQ5,Q6の一対と、
トランジスタQ1,Q2の一対とにおいて、トランジス
タQ5,Q6のベースをトランジスタQ5のコレクタに
接続し、トランジスタQ1,Q2のベースをトランジス
タQ5と反対側のトランジスタQ2のコレクタに接続し
ているので、トランジスタにおけるアーリー効果による
影響を防止することができる。
【0117】ここで、アーリー効果による影響について
説明する。アーリー効果とは、ベース・エミッタ間の印
加電圧VBEが等しくても、コレクタ・エミッタ間の印加
電圧VCEが変化すると、コレクタ電流ICが変化する現
象をいう。
【0118】図4の回路において、トランジスタQ5,
Q2は、それぞれ、ベース・コレクタ間が短絡されてい
るので常にVCE=VBEになることから、コレクタ電流I
Cはベース・エミッタ間電圧VBEのみによって決まる。
一方、トランジスタQ6,Q1のコレクタ・エミッタ間
電圧VCEは、電源部1の電圧変動に応じて変化するた
め、電源部1の電圧が変動すると、トランジスタQ6,
Q1のコレクタ電流ICは、アーリー効果による影響を
受けて変化してしまう。
【0119】しかし、図4の回路では、トランジスタQ
5,Q6のベースを、電流I2が流れる経路であるトラ
ンジスタQ5のコレクタに接続し、トランジスタQ1,
Q2のベースを、トランジスタQ5と反対側の電流I1
が流れる経路であるトランジスタQ2のコレクタに接続
しており、かつ、トランジスタQ5,Q6,Q1,Q2
のコレクタ・エミッタ間電圧VCEに対するコレクタ電流
Cの特性がほぼ一致しているので、電流I1側と電流I
2側とで、アーリー効果による影響を等しく受けること
となり、アーリー効果を相殺することができる。
【0120】従って、図4の回路によれば、電源部1の
電圧が変動した場合でも上記式(24)の関係が精度良く成
立するので、電源部1の電圧変動に関わりなく、電圧検
出回路5の検出電圧値を負荷電流ILに精度良く比例さ
せることができ、これによって負荷電流ILを精度良く
求めることができる。
【0121】図5は、図4の回路において、負荷電流I
Lが変化したときの検出電圧VOUTの変化を示す図であ
る。なお、RS=15(mΩ)、R1=301(Ω)、R2=2(kΩ)
としている。図5に示すように、電源部1の電圧が、6
(V)、12(V)、16(V)に変化した場合でも、電圧検出回
路5の検出電圧VOUTを負荷電流ILに精度良く比例させ
ることができる。
【0122】上記変形形態,の図2、図4におい
て、トランジスタQ3のコレクタとトランジスタQ3の
ベースとを直結しているが、これに代えて、トランジス
タQ3のコレクタとトランジスタQ3のベースとの間
に、NPNトランジスタを介設するようにしてもよい。
すなわち、このNPNトランジスタのベースをトランジ
スタQ3のコレクタに接続し、エミッタをトランジスタ
Q3のベースに接続し、コレクタをシャント抵抗Rsの
電源部1側に接続する。
【0123】この形態によれば、トランジスタQ3のコ
レクタ電流から引き抜かれる減少分が1/hFEになるの
で、トランジスタQ3,Q4からなるカレントミラー回
路の特性を向上することができ、これによって、さらに
精度良く負荷電流ILを検出することができる。
【0124】定電流源S1,S2の回路構成は、上記
実施形態に示すものに限られず、図6に示すような回路
構成でもよい。
【0125】図6において、定電流源S1,S2のトラ
ンジスタQ13,Q14は、公知のカレントミラー回路
を構成しており、トランジスタQ11,Q12に供給す
るベース電流は、抵抗R13,R14によって調整する
ことができる。この回路構成によれば、温度変化による
トランジスタQ13,Q14,Q15の特性変化や、h
FEのばらつきによる影響が低減され、トランジスタQ1
1,Q12に供給するベース電流のレベル制御を精度良
く行うことができる。
【0126】従って、トランジスタQ11のコレクタ電
流を、負荷電流ILの検出に悪影響を及ぼさない程度の
低レベルにしたり、トランジスタQ12のコレクタ電流
を、トランジスタQ11によるトランジスタQ1のコレ
クタ電流の増加に見合う程度の低レベルにすることが、
容易に、かつ精度良く行える。なお、同図に示すよう
に、トランジスタQ11,Q12のエミッタを直接接地
して、抵抗R11,R12(図1)を省略してもよい。
【0127】負荷3は、上記実施形態及び各変形形態
では、図1、図2、図4に示すようにランプとしている
が、これに限られない。例えば2次電池とすると、電源
部1から2次電池に供給される供給電流としての充電電
流を精度良く検出することができる。また、その充電電
流検出回路において、サージ電流などの流入により回路
動作が不安定になるのを未然に防止することができる。
【0128】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
第1トランジスタを第1抵抗を介して電流検出抵抗の電
源部側に接続し、第2トランジスタを電流検出抵抗の負
荷側に接続した回路において、第2トランジスタのベー
スに接続され、電源部から負荷に電流が供給されていな
いときにも当該ベースに所定レベルのベース電流を発生
させるベース電流生成手段を備えるようにしているの
で、何らかの要因でサージ電流が流入しても、第2トラ
ンジスタがオン状態のため、第1トランジスタおよび第
2トランジスタのベース電位は固定されたものとなるこ
とから、電流検出が正確に行えなくなるのを未然に防止
することができる。
【0129】また、カレントミラー回路を構成する第
3、第4トランジスタをそれぞれ第1、第2トランジス
タに接続するようにすることにより、電源部から負荷に
供給される供給電流に精度良く比例した電流を第2抵抗
に流すことができ、これによって供給電流を精度良く求
めることができる。
【0130】また、さらに、第5トランジスタを第1抵
抗と第1トランジスタとの間に介設し、第6トランジス
タを電流検出抵抗の負荷側と第2トランジスタとの間に
介設し、第5トランジスタのベースを、第5トランジス
タのコレクタに接続し、第1トランジスタのベースを、
反対側の第2トランジスタのコレクタに接続するように
したので、電源電圧の変動が、第5トランジスタのエミ
ッタ電流と第6トランジスタのエミッタ電流とに等しく
影響することとなり、これによって電源部の電圧変動に
関係なく電源部から負荷に供給される供給電流に精度良
く比例した電流を第2抵抗に流すことができ、これによ
って供給電流を精度良く求めることができる。
【0131】また、上記第1トランジスタのコレクタに
接続され、当該第1トランジスタに流れるコレクタ電流
のうちの所定レベルの電流を第2抵抗の手前で分岐させ
るコレクタ電流分岐手段を備えることにより、ベース電
流生成手段の作用により第1トランジスタのコレクタ電
流が増加するが、その増加による第2抵抗への流入電流
の増大幅を小さくすることができ、これによって、電流
検出を精度良く行うことができる。
【0132】また、コレクタ電流分岐手段は、ベース電
流生成手段によって発生するベース電流により第1トラ
ンジスタのコレクタ電流が増加する分にほぼ等しいレベ
ルの電流を分岐させるものであるとすることにより、第
1トランジスタのコレクタ電流の増加分が相殺されて、
第2抵抗に流入する電流は供給電流に比例するレベルに
維持されることになり、さらに一層、電流検出を精度良
く行うことができる。
【0133】また、上記ベース電流生成手段は、一対の
通電端子のうちの一方が上記第2トランジスタのベース
に接続され、他方が接地されたベース電流生成用トラン
ジスタと、このベース電流生成用トランジスタの制御端
子に、上記電源部から上記負荷に電流が供給されていな
いときにも所定レベルの制御電流を発生させるベース電
流生成用電流発生回路とを備えたもので、上記コレクタ
電流分岐手段は、一対の通電端子のうちの一方が上記第
1トランジスタのコレクタに接続され、他方が接地され
たコレクタ電流分岐用トランジスタと、このコレクタ電
流分岐用トランジスタの制御端子に、上記電源部から上
記負荷に電流が供給されていないときにも所定レベルの
制御電流を発生させるコレクタ電流分岐用電流発生回路
とを備えたもので、上記コレクタ電流分岐用トランジス
タは、上記ベース電流生成用トランジスタとほぼ同一の
トランジスタ特性を有するものであるとすると、簡易な
構成で電流検出を精度良く行うことができる。また、ト
ランジスタ特性がほぼ同一であるので、電流検出の精度
が環境の変化によって影響されるのを防止することがで
きる。
【0134】また、各トランジスタを半導体ウェハ上に
形成された集積回路により構成すると、半導体ウェハ上
に、例えば第1トランジスタと第2トランジスタとを隣
接して形成し、または第3トランジスタと第4トランジ
スタとを隣接して形成し、または第1、第2、第5およ
び第6トランジスタを隣接して形成し、またはベース電
流生成用トランジスタとコレクタ電流分岐用トランジス
タとを隣接して形成することにより、ベース・エミッタ
間電圧などのトランジスタ特性を精度良く一致させるこ
とができるので、供給電流に更に精度良く比例した電流
を第2抵抗に流すことができ、これによって供給電流の
検出精度を更に向上できる。また、回路の小型化や低コ
スト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電流検出回路の一実施形態の回路
図である。
【図2】電流検出回路の変形形態の回路図である。
【図3】(a)は負荷電流ILの5(A)から50(A)まで
の変化を示す図、(b)は(a)のように負荷電流IL
が変化したときの図1の回路及び図2の回路における
(負荷電流IL)/(出力電圧VOUT)の変化を比較した図で
ある。
【図4】電流検出回路の別の変形形態の回路図である。
【図5】図4の回路で負荷電流が変化したときの検出電
圧の変化を示す図である。
【図6】定電流源の別の回路構成例を示す回路図であ
る。
【図7】従来の電流検出回路の一例を示す回路図であ
る。
【符号の説明】
1 電源部 3 負荷 5 電圧検出回路 Rs シャント抵抗(電流検出抵抗) Q1〜Q6 トランジスタ(第1トランジスタ〜第6ト
ランジスタ) R1 抵抗(第1抵抗) R2 抵抗(第2抵抗) R11,R12 抵抗 S1 定電流源(ベース電流生成用電流発生回路) S2 定電流源(コレクタ電流分岐用電流発生回路)
フロントページの続き (72)発明者 水野 史章 愛知県名古屋市南区菊住1丁目7番10号 株式会社ハーネス総合技術研究所内 Fターム(参考) 2G035 AC01 AD02 AD10 5H410 CC02 DD02 EA11 EB01 EB37 FF05 FF25

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電源部と負荷の間に介設された所定の抵
    抗値を有する電流検出抵抗と、この電流検出抵抗の抵抗
    値の所定倍である第1抵抗値を有する第1抵抗と、所定
    の第2抵抗値を有する第2抵抗と、PNPトランジスタ
    からなる第1トランジスタ及び第2トランジスタとを備
    え、 上記第2トランジスタは、上記第1トランジスタのトラ
    ンジスタ特性とほぼ同一のトランジスタ特性を有するも
    ので、 上記第1トランジスタのエミッタは、上記第1抵抗を介
    して上記電流検出抵抗の電源部側に接続され、上記第1
    トランジスタのベースは、上記第2トランジスタのベー
    スに接続され、上記第1トランジスタのコレクタは、上
    記第2抵抗を介して接地され、 上記第2トランジスタのエミッタは、上記電流検出抵抗
    の負荷側に接続され、上記第2トランジスタのコレクタ
    は、当該第2トランジスタのベースに接続されるととも
    に所定の抵抗を介して接地されてなり、 上記第2抵抗の電圧降下に基づき上記電源部から上記負
    荷に供給される供給電流を検出する電流検出回路におい
    て、 上記第2トランジスタのベースに接続され、上記電源部
    から上記負荷に電流が供給されていないときにも当該ベ
    ースに所定レベルのベース電流を発生させるベース電流
    生成手段を備えたことを特徴とする電流検出回路。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電流検出回路において、
    NPNトランジスタからなり、上記第1トランジスタの
    コレクタと上記第2抵抗との間に介設された第3トラン
    ジスタと、NPNトランジスタからなり、上記第2トラ
    ンジスタのコレクタと上記所定の抵抗との間に介設され
    た第4トランジスタとを備え、 上記第4トランジスタは、上記第3トランジスタのトラ
    ンジスタ特性とほぼ同一のトランジスタ特性を有するも
    ので、 上記第3トランジスタのコレクタは、上記第1トランジ
    スタのコレクタに接続され、上記第3トランジスタのベ
    ースは、当該第3トランジスタのコレクタ及び上記第4
    トランジスタのベースに接続され、上記第3トランジス
    タのエミッタは、上記第2抵抗を介して接地され、 上記第4トランジスタのコレクタは、上記第2トランジ
    スタのコレクタに接続され、上記第4トランジスタのエ
    ミッタは、上記所定の抵抗を介して接地され、上記所定
    の抵抗の抵抗値は、上記第2抵抗値に等しくなるように
    構成されていることを特徴とする電流検出回路。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の電流検出回路において、
    PNPトランジスタからなり、上記第1トランジスタと
    上記第1抵抗との間に介設された第5トランジスタと、
    PNPトランジスタからなり、上記第2トランジスタと
    上記電流検出抵抗の負荷側との間に介設された第6トラ
    ンジスタとを備え、 上記第5トランジスタ及び第6トランジスタは、上記第
    1トランジスタのトランジスタ特性とほぼ同一のトラン
    ジスタ特性を有するもので、 上記第5トランジスタのエミッタは、上記第1抵抗を介
    して上記電流検出抵抗の電源部側に接続され、上記第5
    トランジスタのベースは、当該第5トランジスタのコレ
    クタ及び上記第6トランジスタのベースに接続され、上
    記第5トランジスタのコレクタは、上記第1トランジス
    タのエミッタに接続され、 上記第6トランジスタのエミッタは、上記電流検出抵抗
    の負荷側に接続され、上記第6トランジスタのコレクタ
    は、上記第2トランジスタのエミッタに接続されている
    ことを特徴とする電流検出回路。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の電流検
    出回路において、上記第1トランジスタのコレクタに接
    続され、当該第1トランジスタに流れるコレクタ電流の
    うちの所定レベルの電流を上記第2抵抗の手前で分岐さ
    せるコレクタ電流分岐手段を備えたことを特徴とする電
    流検出回路。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の電流検出回路において、
    上記コレクタ電流分岐手段は、上記ベース電流生成手段
    によって発生するベース電流により上記第1トランジス
    タのコレクタ電流が増加する分にほぼ等しいレベルの電
    流を分岐させるものであることを特徴とする電流検出回
    路。
  6. 【請求項6】 請求項4または5記載の電流検出回路に
    おいて、 上記ベース電流生成手段は、一対の通電端子のうちの一
    方が上記第2トランジスタのベースに接続され、他方が
    接地されたベース電流生成用トランジスタと、このベー
    ス電流生成用トランジスタの制御端子に、上記電源部か
    ら上記負荷に電流が供給されていないときにも所定レベ
    ルの制御電流を発生させるベース電流生成用電流発生回
    路とを備えたもので、 上記コレクタ電流分岐手段は、一対の通電端子のうちの
    一方が上記第1トランジスタのコレクタに接続され、他
    方が接地されたコレクタ電流分岐用トランジスタと、こ
    のコレクタ電流分岐用トランジスタの制御端子に、上記
    電源部から上記負荷に電流が供給されていないときにも
    所定レベルの制御電流を発生させるコレクタ電流分岐用
    電流発生回路とを備えたもので、 上記コレクタ電流分岐用トランジスタは、上記ベース電
    流生成用トランジスタとほぼ同一のトランジスタ特性を
    有するものであることを特徴とする電流検出回路。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の電流検
    出回路において、上記各トランジスタは、半導体ウェハ
    上に形成された集積回路により構成されていることを特
    徴とする電流検出回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008084593A1 (ja) * 2007-01-11 2008-07-17 Panasonic Corporation 蓄電素子の電圧検出器

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