JP2001264067A - 振動型ジャイロスコープ - Google Patents

振動型ジャイロスコープ

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JP2001264067A
JP2001264067A JP2000073569A JP2000073569A JP2001264067A JP 2001264067 A JP2001264067 A JP 2001264067A JP 2000073569 A JP2000073569 A JP 2000073569A JP 2000073569 A JP2000073569 A JP 2000073569A JP 2001264067 A JP2001264067 A JP 2001264067A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】−40℃−+85℃の温度範囲における非回転
時の振動型ジャイロスコープの出力の変動(0点温度ド
リフト)を低減する。 【解決手段】振動型ジャイロスコープは、振動子1に駆
動振動モードを励振するための駆動振動片4A−4D、
振動子にコリオリ力によって生じた検出振動モードを検
出するための、駆動振動片と分離された検出振動片1
6、駆動振動片に設けられている、駆動振動片のQ値を
調節するための金属膜20A、および検出振動片に設け
られている、金属膜に起因して検出振動片に生ずる不要
振動モードを低減する為の高分子材料製の振動減衰材1
8Aを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動子に加えられ
ている回転の回転角速度を検出するための振動型ジャイ
ロスコープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、特開平11−257968
号公報において、振動型ジャイロスコープの圧電性材料
製の振動子の各駆動振動片および検出振動片のQ値を幅
広く制御できるようにするために、電極膜とを別に金属
膜等からなるQ値調節部を形成することを提案した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この振動型ジ
ャイロスコープを実用化するのに際しては、未だ次の問
題があることを発見した。即ち、これまで振動型ジャイ
ロスコープが利用されてきた各種分野では、精密な観測
機器であることから、周囲環境の温度変化が少ないこと
が多く、このため測定値に対する温度ドリフトの影響は
少なかった。しかし、例えば車体制御システムにおいて
は、振動型ジャイロスコープおよびその振動子は、幅広
い環境温度、即ち高温と低温とにさらされる。このよう
な使用温度範囲は、−40℃〜+85℃の範囲にわたっ
ている。
【0004】本発明者は、前記振動子それ自体の有する
温度特性をできる限り除去したが、振動子をパッケージ
内に収容した後、−40℃〜+85℃の温度範囲でジャ
イロ出力を測定したところ、未だ変動が見られた。具体
的には、本発明者が、振動子が回転していないときのジ
ャイロ出力の温度変化を測定したところ、特定温度領域
において、振動子が回転していないときのジャイロ出力
が著しく変動することがあった(0点温度ドリフト)。
【0005】本発明の課題は、振動子に加えられている
回転の回転角速度を検出するための振動型ジャイロスコ
ープであって、振動子に駆動振動モードを励振するため
の駆動振動片、振動子にコリオリ力によって生じた検出
振動モードを検出するための検出振動片、および駆動振
動片に設けられている、この駆動振動片のQ値を調節す
るための金属膜を備えている振動型ジャイロスコープに
おいて、−40℃〜+85℃の温度範囲における非回転
時の振動型ジャイロスコープの出力の変動(0点温度ド
リフト)を低減することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、振動子に加え
られている回転の回転角速度を検出するための振動型ジ
ャイロスコープであって、振動子に駆動振動モードを励
振するための駆動振動片、振動子にコリオリ力によって
生じた検出振動モードを検出するための、駆動振動片と
分離された検出振動片、駆動振動片に設けられている、
この駆動振動片のQ値を調節するための金属膜、および
検出振動片に設けられている、金属膜に起因して検出振
動片に生ずる不要振動モードを低減する為の高分子材料
製の振動減衰材を備えていることを特徴とする。
【0007】本発明者は、前述した−40℃〜+85℃
の温度範囲における非回転時の振動型ジャイロスコープ
の出力の変動(0点温度ドリフト)の発生原因を追求
し、次の原因を突き止めた。 (1)駆動振動片上の金属膜の非対称性 (2)検出振動片中の不要な突起の生成
【0008】以下、これらの原因について説明する。図
1は、本発明者が検討した振動子の一つを概略的に示す
平面図である。振動子1それ自体の詳細な説明は後述す
る。ここで、各駆動振動片4A−4Dには、それぞれ駆
動電極13A、13B、13Cとは別に、駆動振動片の
振動のQ値を調節するための金属膜20Aが形成されて
いる。なぜなら、振動子1においては、図面において右
側の駆動振動系2Aにおける駆動振動の状態と、左側の
駆動振動系2Bにおける駆動振動の状態とを同じにする
必要がある。しかし、実際の振動子の製造プロセスにお
いては、右側と左側との各振動系2A、2Bには若干の
非対称性が発生する。このため、金属膜20Aを余分に
設けておき、振動子の作成後にレーザー光等によって各
金属膜20Aを削除する加工を行うことで、各駆動振動
片の振動のQ値を調節している。
【0009】しかし、こうした金属膜20Aは、前述し
た目的からして振動子1の両面に設ける必要はないの
で、振動子の片方の主面10上にのみ設けていた。とこ
ろが、これによって、図1の面(所定平面)を中心とし
て見たときに、各駆動振動片の質量が、主面10側が大
きくなり、反対側の主面(裏面)側では若干小さくなる
はずである。このため、各駆動振動片にY軸方向に矢印
Aのような駆動振動を励振したときに、Z軸方向(所定
平面に垂直な方向)へと向かう振動成分を僅かに生じさ
せる。つまり、この不要振動は、(1)駆動振動片上の
金属膜の非対称性によって生ずるものである。
【0010】しかし、本発明者は、こうした不要振動は
0点温度ドリフトには寄与しないものと想定していた。
なぜなら、図1に示す振動子1における検出振動Bは、
やはりY軸方向の振動、つまり所定平面内の振動であ
る。従って、かりに前述のような不要振動が存在したと
しても、そのようなZ軸方向(所定平面に垂直な方向)
の振動成分は、検出信号には影響を与えないはずであっ
た。
【0011】ところが、後述するように、高分子材料製
の振動減衰材を検出振動片16に設けることによって、
実際に0点温度ドリフトが著しく減少することを発見し
た。これは、前記の不要振動が実際に0点温度ドリフト
に寄与していたことを示すものと考えられる。この理由
は以下のように推定される。
【0012】図8、図10は、それぞれ図1の振動子1
を別々の方向から見た斜視図である。図8において円で
囲んだ部分、つまり検出振動片16の連結部6への付け
根の近辺には、図9に示すような突起24が発生してい
ることがあった。こうした突起24は、特に結晶軸a軸
の矢印の方向に向いた側面には発生せず、a軸の矢印と
は反対の方向に向いた側面23に発生する傾向があっ
た。また、図10において円で囲んだ部分、つまり検出
振動片16の側面には、図10に示すような突起30が
発生していることがあった。こうした突起30は、検出
振動片の特に結晶軸a軸の矢印の方向に向いた側面11
に生成していた。
【0013】つまり、各突起24、30の形態は、図1
における+X方向と−X方向とで非対称であった。この
結果、各検出振動片16にZ軸方向の不要振動モードが
発生したときに、各突起24、30に起因する歪みがX
−Y面内(所定平面内)に生成するものと思われる。そ
して、こうした歪みの大きさが、温度変化に応じてかな
り変動するものと推定される。
【0014】駆動振動片とは、駆動電極等の駆動手段が
設けられている振動片を言う。検出振動片とは、検出電
極等の検出手段が設けられている振動片を言う。この態
様において好ましくは、検出振動片は、駆動振動モード
では実質的に振動しない。駆動振動モードにおいては、
検出振動片における振幅は、最大振幅の0.01以下で
あることが好ましい。
【0015】好ましくは、振動子が所定平面内に延びて
おり、振動子が所定平面方向の一対の主面と、所定平面
に垂直な側面とを有しており、駆動振動モードおよび検
出振動モードが所定平面内の振動モードであり、不要振
動モードが所定平面に対して交差する方向の、好ましく
は直交する方向の振動モードである。こうした振動形態
の振動子一般に、本発明は特に好適である。
【0016】好ましくは、検出振動片の一対の主面上に
振動減衰材が付着しており、これによって不要振動モー
ドを抑制する。
【0017】また、好ましくは、検出振動片の側面上に
振動減衰材を付着させることができる。この場合には、
振動減衰材が所定平面に対して垂直な方向に伸びるの
で、所定平面に対して垂直な方向の不要振動モードを特
に効果的に抑制できる。
【0018】好ましくは、検出振動片に凹部または貫通
孔が形成されており、この凹部または貫通孔の内壁面上
に振動減衰材が付着している。この場合にも、振動減衰
材が所定平面に対して垂直な方向に伸びるので、所定平
面に対して垂直な方向の不要振動モードを特に効果的に
抑制できる。
【0019】振動子は、エリンバー等の恒弾性合金から
構成することができ、この場合には振動子上に多結晶圧
電素子を設ける。しかし、特に好ましくは、振動子が圧
電性単結晶からなり、振動子に、駆動振動を励起するた
めの駆動電極と、検出振動を検出するための検出電極と
を設ける。圧電性単結晶は、通常極めて低い粘性しか有
していないので、本発明による高分子材料製の振動減衰
材の効果が特に大きい。圧電性単結晶には、水晶、Li
TaO単結晶、LiNbO単結晶などがある。
【0020】振動子が所定平面内にa軸を有する単結晶
である場合には、0点温度ドリフトが特に起こりやす
く、本発明が有用である。
【0021】好ましくは、駆動振動片の側面上に金属膜
を形成することができる。これによって、駆動振動片に
おける金属膜の質量のアンバランスが生じにくくなり、
金属膜に起因する駆動振動片のZ軸方向の不要振動モー
ドが一層発生しにくくなる。これと同様の理由から、駆
動振動片に凹部または貫通孔を形成し、凹部または貫通
孔の内壁面上に振動減衰材を付着させることができる。
【0022】振動減衰材の材質は、−40℃−+85℃
の温度範囲における動的粘弾性の変化率が3倍以内であ
ることが望ましい。こうした粘弾性体としては、シリコ
ーン樹脂の他、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、
ウレタンゴムなどの合成ゴム、テフロン(登録商標)、
四フッ化エチレン樹脂などのフッ素樹脂、塩化ビニー
ル、ナイロン、ポリエチレンなどがある。また、粘弾性
体の動的弾性率は10−1010Paが好ましく、動
的損失は10−10Paが好ましい。振動減衰
材の厚さは、動的粘弾性の大きさに大凡反比例して調整
する。
【0023】振動減衰材の形成方法は限定されない。例
えば、未硬化の液状原料を、振動子上に塗布、ポッティ
ング、スプレー塗布することで、塗布膜を形成できる。
例えば、脱アルコール型、脱アセトン型、脱オキシム
型、脱酢酸型、付加反応型などの種々のシリコーン接着
剤を、ディスペンサーによって振動子上にポッティング
し、付着させることができる。液状原料を振動子上に塗
布またはポッティングする場合には、液状原料の粘性を
100Pa・s以下とすることによって、液状原料の付
着面積を容易に広くでき、かつ塗布膜の厚さを均一にで
きる。また、高分子材料からなるシートや平板状成形体
を振動子に接着、粘着することができる。
【0024】好ましくは、振動減衰材が、検出振動モー
ドにおける振動子中での最大振幅に対する各点の相対比
率が0.1以上の領域内に設けられており、これによっ
て前記不要振動モードを特に効果的に抑制できる。この
観点からは、振動減衰材が、検出振動モードにおける振
動子中での最大振幅に対する各点の相対比率が0.3以
上の領域内に設けられていることが一層好ましい。
【0025】検出振動片上に振動減衰材を形成する際に
は、振動減衰材の形成位置にずれが生じやすい。また、
たとえ振動減衰材を検出振動片上の所定箇所に正確に形
成できたものと仮定しても、その形成箇所における振幅
の振動子中での最大振幅に対する相対比率は、実際の振
動子の形成時のバラツキに応じて変化するものと思われ
る。このため、各振動子において、振動減衰材による不
要振動モードおよび検出振動モードの減衰の度合いが変
動してくる可能性がある。この問題を解決するために
は、検出振動片の長さに対する振動減衰材の長さの百分
率比を5%以上とすることが有効である。このように振
動減衰材を長くすることによって、振動減衰材の形成位
置のずれに起因する検出振動モードの減衰への影響を、
各検出振動片ごとにほぼ均一化することができる。
【0026】ただし、検出振動片の長さに対する振動減
衰材の長さの百分率比が70%を超えると、検出振動モ
ードの固有共振周波数が低下し過ぎるので、70%以下
とすることが好ましく、50%以下とすることが更に好
ましい。
【0027】金属膜を製造する方法としては、真空蒸着
法、スパッタリング法、電解メッキ法、無電解メッキ法
等の公知の方法を採用できる。
【0028】また、駆動振動片の幅と検出振動片の幅と
の差を大きくすることによって、Z軸方向への検出振動
片の固有共振周波数と駆動振動片の固有共振周波数との
差を大きくし、不要振動モードが駆動振動片から検出振
動片へと伝搬する際の効率を低減できる。この観点から
は、駆動振動片の幅と検出振動片の幅との差の駆動振動
片の幅に対する百分率比を20%以上とすることが好ま
しい。
【0029】ただし、これだけでは所定平面内(X−Y
平面内)における検出振動片の振動の固有共振周波数
も、駆動振動片の固有共振周波数に対して大きく変化す
る。このため、検出振動片の長さを駆動振動片の長さに
対して変化させることによって、両者の幅の差による平
面内振動の固有共振周波数の差を相殺することが好まし
い。
【0030】好適な実施形態においては、駆動振動系
が、基部の周縁部から延びる細長い支持部と、この支持
部から支持部に対して交差する方向に延びる少なくとも
一片の駆動振動片とを備えており、駆動振動片がその連
結部への付け根を中心として所定面内で屈曲振動し、振
動子が所定面内で回転したときに支持部がその基部への
付け根を中心として所定面内で屈曲振動する。
【0031】更に好ましくは、検出振動系が、連結部か
ら延びる細長い検出振動片を備えており、この検出振動
片が、振動子が所定面内で回転したときに検出振動片の
基部への付け根を中心として所定面内で屈曲振動する。
【0032】この実施形態において特に好ましくは、振
動子が所定面内で回転したときに、駆動振動系の支持部
および検出振動片が、その基部への付け根を中心として
所定面内で屈曲振動すると共に、支持部の振動の位相と
検出振動片の振動の位相(重心GOを中心として回転方
向に見たとき)とが、互いに逆である。
【0033】好ましくは、各駆動振動系が、重心GOを
中心として回転対称の位置にある。例えば、図1におい
ては、駆動振動系2Aと2Bとは、180°離れている
ので、駆動振動系2Aを180°回転させる操作を行う
と、駆動振動系2Bの位置にくる。この回転対称は、2
回対称、3回対称、4回対称であることが好ましい。
【0034】特に好適な実施形態においては、連結部が
所定面内において、振動子の重心に対して回転対称の形
状を有している。このように対称性の高い連結部を使用
することによって、振動子に対して外部振動が加わった
ときの不正規な振動の発生を一層抑制できる。この「回
転対称」は、前述したような意味である。基部の位置
は、3−6回対称であることが好ましく、4回対称であ
ることが一層好ましい。
【0035】図1−図7を参照しつつ、本発明を更に詳
細に説明する。図1は、圧電単結晶製の振動子1を備え
た振動型ジャイロスコープを、概略的に示す平面図であ
る。連結部6は、振動子の重心GOを中心として4回対
称の正方形をしている。連結部6の周縁部6aから、四
方に向かって放射状に二つの駆動振動系2A、2Bと検
出振動系3A、3Bとが突出しており、各振動系は互い
に分離されている。駆動振動系2Aと2Bとは、重心G
Oを中心として2回対称であり、検出振動系3Aと3B
とは、重心GOを中心として2回対称である。振動子は
X−Y平面内に延びており、Z軸を中心としてωのよう
に回転する。
【0036】駆動振動系2A、2Bは、連結部6の周縁
部6aから突出する支持部5A、5Bと、支持部5A、
5Bの先端5b側から支持部に直交する方向に延びる駆
動振動片4A、4B、4C、4Dを備えている。各振動
片4A−4Dには、それぞれ駆動電極13A、13B、
13C、13Dが設けられている。各検出振動系3A、
3Bは、細長い周方向検出振動片16からなり、各振動
片16には検出電極14A、14B、14C、14Dが
設けられている。
【0037】図1および図2(a)、(b)に示すよう
に、各駆動振動片4A−4Dの先端領域において、振動
子の一方の主面10上および他方の主面15上に、それ
ぞれ金属膜20A、20Bが形成されている。金属膜2
0Aと20Bとの質量はほぼ同等とする。なお、本例で
は、金属膜20A、20Bが、二層の下地層20a、2
0bと、この上に設けられている金属メッキ膜20cと
を備えている。この下地層の材質としては、金とクロム
の多層膜、金とチタンの多層膜が好ましく、金属メッキ
膜の材質としては、金が特に好ましい。各金属膜20
A、20Bはそれぞれ駆動電極13A、13Dの先端に
つながっている。
【0038】また、図3に示すように、駆動振動片の先
端側に貫通孔21を形成し、貫通孔21の内壁面21a
にそれぞれ振動減衰材20E、20Fを形成できる。ま
た、本例では各側面25上にもそれぞれ金属膜20C、
20Dを形成した。このように金属膜を駆動振動片の側
面上、貫通孔の内壁面上に形成すると、駆動振動片にお
ける金属膜の質量のアンバランスが生じない。
【0039】図4(a)においては、検出振動片16の
先端領域の主面10、15上に、それぞれ振動減衰材1
8Aが形成されている。図4(b)においては、検出振
動片16の先端領域の各側面11、12上に振動減衰材
18Bが形成されている。図4(c)においては、検出
振動片の各主面10、15上および各側面11、12上
にそれぞれ振動減衰材18A、18Bが形成されてい
る。
【0040】また、図5に示すように、検出振動片の先
端側に貫通孔22を形成し、貫通孔22の内壁面22a
にそれぞれ振動減衰材18Dを形成できる。また、本例
では検出振動片16の各側面11、12上にもそれぞれ
振動減衰材18Cが形成されている。このように振動減
衰材を検出振動片の側面上、貫通孔の内壁面上に形成す
ると、検出振動片における不要振動モードが一層効果的
に抑制される。
【0041】図6には、検出振動モードにおける振動子
の各点の振幅の最大振幅に対する相対比率を示し、図7
には、検出振動モードにおける検出振動片の各点の振幅
の最大振幅に対する相対比率を示す。このデータは、有
限要素法による固有モード解析によって得られたもので
ある。振動子の材質は水晶である。
【0042】図6および図7において、それぞれ色の異
なる領域は、各別に異なる最大振動振幅点との比率の領
域を示す。寒色に彩色された領域は振幅が小さく、暖色
に彩色された領域は振幅が大きい。特に検出振動片にお
いては、付け根は振幅が小さく、最大振幅の1/10未
満であるが、先端に近づくのに従って振幅が大きくなっ
ている。本発明において特に好ましくは、検出振動片の
うち、各点の振幅の最大振幅に対する比率が1/10以
上の領域(つまり濃い青色に彩色されている領域以外の
領域)に、振動減衰材を形成する。
【0043】
【実施例】(比較例)図1、図2に示す振動型ジャイロ
スコープを作製した。ただし、振動減衰材は設けなかっ
た。また、図2において、金属膜20Aを駆動振動片の
一方の主面10上だけに設け、他方の主面15上には設
けなかった。
【0044】厚さ0.3mmの水晶のZ板のウエハー
に、スパッタ法によって、所定位置に、厚さ200オン
グストロームのクロム膜と、厚さ5000オングストロ
ームの金膜とを形成した。ウエハーの両面にレジストを
コーティングした。
【0045】下地層20aは、スパッタリング法によっ
て設けた厚さ200オングストロームのクロム膜とし、
下地層20bは、スパッタリング法によって設けた厚さ
5000オングストロームの金膜とした。次いで、厚さ
5μmのレジスト膜をコーティングし、このレジスト膜
をフォトリソグラフィー法によってパターニングし、電
解メッキ法によって金メッキ膜20cを形成した。
【0046】このウエハーを、ヨウ素とヨウ化カリウム
との水溶液に浸漬し、余分な金膜をエッチングによって
除去し、更に硝酸セリウムアンモニウムと過塩素酸との
水溶液にウエハーを浸漬し、余分なクロム膜をエッチン
グして除去した。温度80℃の重フッ化アンモニウムに
20時間ウエハーを浸漬し、ウエハーをエッチングし、
振動子の外形を形成した。メタルマスクを使用して、厚
さ2000オングストロームのアルミニウム膜を電極膜
として形成した。
【0047】得られた振動子の連結部6の寸法は6.0
mm×6.0mmであり、各検出振動片16の寸法は、
幅1.0mm×長さ6.0mmであり、駆動振動片の寸
法は、幅1.0mm×長さ6.0mmであった。金属膜
20Aは、駆動振動片の先端から5.60−5.95m
mの位置に設けた。
【0048】振動子の中央部に0.75mm×0.75
mmの正方形の支持孔7を形成し、この孔に直径0.6
mmの金属ピンを通し、金属ピンに対して振動子をシリ
コーン樹脂接着剤によって接着した。
【0049】そして、こうして得られた振動型ジャイロ
スコープを回転テーブルに取り付け、静止時について、
ロックインアンプを用いて、検出電極から取り出した信
号のうち駆動信号と同期する成分のみの強度(0点信
号)を測定した。そして、−40℃−+85℃における
0点信号の変位(0点温度ドリフト)を測定したとこ
ろ、2°/sであった。
【0050】(実施例)比較例と同様にして振動型ジャ
イロスコープを製造した。ただし、図2に示すように、
駆動振動片の一方の主面10上および他方の主面15上
にそれぞれ金属膜20A、20Bを形成した。また、図
4(a)に示すように、検出振動片16の一方の主面1
0上および他方の主面15上に振動減衰材18Aを形成
した。振動減衰材の位置は、検出振動片16の先端面1
6bから0.5−1.0mmの位置であった。この際に
は、ディスペンサーを用いて、シリコーン樹脂接着剤
(一液性脱アルコール型シリコーン樹脂、室温硬化型、
動的弾性率5×10Pa、動的損失5×10
a)をポッティングし、室温で硬化させた。
【0051】こうして得られた振動型ジャイロスコープ
について、−40℃−+85℃における0点信号の変位
(0点温度ドリフト)を測定したところ、0.5°/s
であった。
【0052】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、−40℃−+85℃の温度範囲における非回
転時の振動型ジャイロスコープの出力の変動(0点温度
ドリフト)を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した振動型ジャイロスコープを概
略的に示す正面図である。
【図2】(a)は、駆動振動片4A−4Dを一方の主面
側から見た図であり、(b)は、駆動振動片を側面側か
ら見た図である。
【図3】駆動振動片に貫通孔21を形成し、貫通孔の内
壁面21a上および側面25上に金属膜20C−20F
を形成した状態を示す斜視図である。
【図4】(a)、(b)、(c)は、それぞれ、検出振
動片およびその上に形成された振動減衰材を示す図であ
る。
【図5】検出振動片に貫通孔22を形成し、貫通孔の内
壁面22a上および側面11、12上に振動減衰材18
C、18Dを形成した状態を示す斜視図である。
【図6】検出振動モードにおける、振動子の各点の振幅
の最大振幅に対する比率を示す図である。
【図7】検出振動モードにおける、検出振動片の各点の
振幅の最大振幅に対する比率を示す図である。
【図8】振動子1の斜視図である。
【図9】検出振動片の付け根領域の側面に生成する突起
24を示す斜視図である。
【図10】振動子1を図8とは別の方向から見た斜視図
である。
【図11】検出振動片の側面に細長く生成する突起30
を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 振動子 2A、2B 駆動振動系 3
A、3B検出振動系 4A、4B、4C、4D
駆動振動片 5A、5B支持部 6 連結
部 10 振動子の一方の主面 11、1
2 検出振動片の側面 13A、13B 駆動電
極 14A、14B、14C、14D 検出電極
15 他方の主面 16 検出振動片
18A、18B、18C、18D 振動減衰材
20A、20B、20C、20D、20E、20
F 金属膜 21 駆動振動片に形成された貫通
孔 21 貫通孔21の底壁面 22 検
出振動片に形成された貫通孔 22a 貫通孔2
2の内壁面 25 駆動振動片の側面

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】振動子に加えられている回転の回転角速度
    を検出するための振動型ジャイロスコープであって、 前記振動子に駆動振動モードを励振するための駆動振動
    片、前記振動子にコリオリ力によって生じた検出振動モ
    ードを検出するための、前記駆動振動片と分離された検
    出振動片、前記駆動振動片に設けられている、この駆動
    振動片のQ値を調節するための金属膜、および前記検出
    振動片に設けられている、前記金属膜に起因して前記検
    出振動片に生ずる不要振動モードを低減する為の高分子
    材料製の振動減衰材を備えていることを特徴とする、振
    動型ジャイロスコープ。
  2. 【請求項2】前記振動減衰材が、前記検出振動モードに
    おける前記振動子中での最大振幅に対する各点の相対比
    率が0.1以上の領域内に設けられていることを特徴と
    する、請求項1記載の振動型ジャイロスコープ。
  3. 【請求項3】前記振動子が所定平面内に延びており、前
    記振動子がこの所定平面方向の一対の主面と、前記所定
    平面に垂直な側面とを有しており、前記駆動振動モード
    および前記検出振動モードが前記所定平面内の振動モー
    ドであり、前記不要振動モードが前記所定平面に対して
    直交する方向の振動モードを含むことを特徴とする、請
    求項1または2記載の振動型ジャイロスコープ。
  4. 【請求項4】前記検出振動片の一対の前記主面上にそれ
    ぞれ前記振動減衰材が付着していることを特徴とする、
    請求項3記載の振動型ジャイロスコープ。
  5. 【請求項5】前記検出振動片の前記側面上に前記振動減
    衰材が付着していることを特徴とする、請求項3または
    4記載の振動型ジャイロスコープ。
  6. 【請求項6】前記検出振動片に凹部または貫通孔が形成
    されており、この凹部または貫通孔の内壁面上に前記振
    動減衰材が付着していることを特徴とする、請求項3−
    5のいずれか一つの請求項に記載の振動型ジャイロスコ
    ープ。
  7. 【請求項7】前記振動子が前記所定平面内にa軸を有す
    る単結晶であることを特徴とする、請求項3−6のいず
    れか一つの請求項に記載の振動型ジャイロスコープ。
  8. 【請求項8】前記駆動振動モードにおいて前記駆動振動
    片がその付け根を中心として屈曲振動し、前記検出振動
    モードにおいて前記検出振動片がその付け根を中心とし
    て屈曲振動することを特徴とする、請求項3−7のいず
    れか一つの請求項に記載の振動型ジャイロスコープ。
  9. 【請求項9】前記駆動振動片の側面上に前記金属膜が形
    成されていることを特徴とする、請求項3−8のいずれ
    か一つの請求項に記載の振動型ジャイロスコープ。
  10. 【請求項10】前記駆動振動片に凹部または貫通孔が形
    成されており、この凹部または貫通孔の内壁面上に前記
    金属膜が付着していることを特徴とする、請求項3−9
    のいずれか一つの請求項に記載の振動型ジャイロスコー
    プ。
  11. 【請求項11】前記駆動振動片の幅と前記検出振動片の
    幅との差の前記駆動振動片の幅に対する百分率比が20
    %以上であることを特徴とする、請求項1−10のいず
    れか一つの請求項に記載の振動型ジャイロスコープ。
  12. 【請求項12】前記振動減衰材が、−40℃−+85℃
    の温度範囲における動的粘弾性の変化率が3倍以内であ
    る粘弾性体からなることを特徴とする、請求項1−11
    のいずれか一つの請求項に記載の振動型ジャイロスコー
    プ。
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