JP2009294218A - 直線加速度計 - Google Patents
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Abstract
【課題】所定面内に延びており、所定面内に重心を有しており、外部の固定用部材に固定されるべき振動子であって、重心が位置する基部、この基部の周縁部から突出する駆動振動系および基部の周縁部から突出する検出振動系を備えている振動子において、外部からの加振に対する応答に伴うノイズないし振動感度(非回転時、非駆動時)を減少させる。
【解決手段】振動子1Aは、基部8Aの周縁部18から突出する固定部12A、12B、12C、12Dであって、固定用部材20に対して固定されるべき固定部を備えている。
【選択図】図2
【解決手段】振動子1Aは、基部8Aの周縁部18から突出する固定部12A、12B、12C、12Dであって、固定用部材20に対して固定されるべき固定部を備えている。
【選択図】図2
Description
本発明は、振動子、振動型ジャイロスコープおよび直線加速度計に関するものである。
最近、自動車の車体回転速度フィードバック式の車両制御方法に用いる回転速度センサーに、振動型ジャイロスコープを使用することが検討されている。こうしたシステムにおいては、操舵輪の方向自身は、ハンドルの回転角度によって検出する。これと同時に、実際に車体が回転している回転速度を振動ジャイロスコープによって検出する。そして、操舵輪の方向と実際の車体の回転速度を比較して差を求め、この差に基づいて車輪トルク、操舵角に補正を加えることによって、安定した車体制御を実現する。
こうした振動型ジャイロスコープにおいては、回転軸に対して垂直な方向へと向かって延びるように、振動子を配置することが望ましい。こうした振動型ジャイロスコープを提供するために、本出願人は、特開平11−281372号公報において、基部と、基部の周縁から径方向に突出する複数の駆動振動系と、基部の周縁から径方向に突出する複数の検出振動系とを備える平面型振動子を開示した。
本発明者は、更にこうした形式の振動子の具体的な支持構造を検討した結果、次の発見に至った。即ち、こうした振動子に駆動電極、検出電極等を形成し、振動子の重心付近を外部の固定用部材に対して接着して固定した後に、これらに対して外部から幅広い周波数の外部振動(外乱)を様々な方向へと向かって印加し、振動子から発生するノイズの出力の変化を検出した。この結果、振動子の具体的な設計や接着剤の種類にもよるが、例えば図10に示すように、特定の加振周波数の振動(z軸方向の振動)に対して反応し、例えば1deg/sec以上の振動感度でノイズが発生することがあった。
本発明の課題は、所定面内に延びており、この所定面内に重心を有しており、かつ外部の固定用部材に対して固定されるべき振動子であって、重心が位置する基部、この基部の周縁部から突出する駆動振動系および基部の周縁部から突出する検出振動系を備えており、外部からの加振に対する応答に伴うノイズが少ない振動子およびその支持構造を提供することである。
また、本発明の課題は、こうした振動子を利用することで、外乱による回転角速度の検出ノイズを低減できるような振動型ジャイロスコープを提供することである。
本発明は、所定面内に延びており、この所定面内に重心を有しており、かつ外部の固定用部材に対して固定されるべき振動子であって、重心が位置する基部、この基部の周縁部から突出する駆動振動系、基部の周縁部から突出する検出振動系、および基部の周縁部から突出する固定部であって、固定用部材に対して固定されるべき固定部を備えていることを特徴とする。
また、本発明は、前記振動子と、この振動子の固定部を固定するための固定用部材とを備えていることを特徴とする、振動子の固定構造に係るものである。
また、本発明は、前記振動子、振動子の固定部を固定するための固定用部材、駆動振動系内に駆動振動を励振するための励振手段、および駆動振動系内に駆動振動を励振し、かつ振動子を所定面内で回転させたときに、振動子に作用するコリオリ力に応じて検出振動系内に生ずる検出振動を検出する検出手段を備えていることを特徴とする、振動型ジャイロスコープに係るものである。
図1〜図4、図9、図10を参照しつつ、本発明の原理について更に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る振動子1Aを示す平面図であり、図2は、振動子1Aを固定用部材20に対して固定した状態を概略的に示す斜視図である。
振動子1Aは、基部8A、一対の駆動振動系2A、2Bおよび一対の検出振動系3A、3Bを備えている。本例の基部8Aは、略正方形状をしている。基部8Aの中央部には貫通孔13が形成されており、貫通孔13の内側に振動子1Aの全体の重心GO(振動子が振動していないときの重心)が存在する。基部8Aは、重心GOを中心として四回対称の形状をなしている。各駆動振動系2A、2B、各検出振動系3A、3Bは、それぞれ、基部8Aの周縁部18の四辺18a、18c、18b、18dから突出している。
各駆動振動系2A、2Bは、それぞれ、基部8Aの周縁部18の各辺18a、18cから、径方向(重心13から遠ざかる方向)に突出する細長い連結部7A、7Bをそれぞれ備えている。各連結部7A、7Bの先端からは、連結部7A、7Bの長手方向に直交する方向に向かって延びる各一対の駆動振動片4A、4B、4C、4Dが設けられている。9は、各駆動振動片と各連結部との接続部分である。14は各連結部の付け根である。
各検出振動系3A、3Bは、それぞれ、基部8Aの周縁部18から径方向に(重心GOから遠ざかる方向へと)突出して延びる細長い検出振動片5A、5Bを備えており、各検出振動片の先端には重量部6が設けられている。
図示しない駆動手段によって、各駆動振動片4A〜4Dを、矢印Aのように駆動振動片の接続部分9への付け根を中心として屈曲振動させる。この際、駆動振動片4Aと4Dとが逆位相で変位し、駆動振動片4Bと4Cとが逆位相で変位するようにする。これによって、駆動振動片4A〜4Dの各駆動振動を合わせた駆動振動の全体の重心GDが、振動子の全体の重心GO上か、少なくともその近傍に位置するようにする。
この状態で振動子1Aをz軸の周りに矢印ωのように回転させると、各連結部7A、7Bが、それぞれ、連結部の基部8Aへの付け根14を中心として矢印Bのように屈曲振動する。この際、重心GOを中心として見たときに、連結部7Aの屈曲振動の位相と、連結部7Bの屈曲振動の位相とは、互いに逆になる。言い換えると、任意の時点において、連結部7Aの変位の方向と、連結部7Bの変位の方向とは、重心GOを中心としたときに反対方向(反対の回転方向)になる。
これらの連結部7A、7Bの重心GOを中心とする屈曲振動に対応して、各検出振動片5A、5Bが付け根15を中心として矢印Cのように屈曲振動する。この際、重心GOを中心として見たときに、検出振動片5Aの屈曲振動の位相と、5Bの屈曲振動の位相とは、互いに逆になる。言い換えると、任意の時点において、屈曲振動片5Aの変位の方向と、5Bの変位の方向とは、重心GOを中心としたときに反対方向(反対の回転方向)になる。
本例では、基部8Aが正方形ないし四辺形であるので、基部8Aの四つの角部ないし隅部に、それぞれ略正方形状の固定部12A、12B、12C、12Dを形成する。各固定部は、各角部から、重心GOから遠ざかる方向へと向かって突出している。各固定部12A〜12Dは、図2に示すように、外部の固定用部材20に対して接着剤層13A〜13Dによって接着されている。各固定部と重心GOとの間には、それぞれ凹部または貫通孔10Aが形成されており、10Aの外側に連結片11が輪郭付けられている。従って、基部8Aの周縁部と固定部12A〜12Dとは、それぞれ2つの連結片11によって連結されている。
図3の振動子は、図1の振動子とほぼ同様のものであるが、検出振動片5C、5Dの先端に重量部が設けられていない。このため、検出振動片の質量を調節するために、検出振動片5C、5Dが、図1における検出振動片5A、5Bよりも長くなっている。
このような振動子の固定構造を採用することによって、例えば図9に示すように、振動子に対して外部振動を加振したときの振動感度(非駆動時、非回転時)の周波数変化が、図10に比べてフラットになった。その上、図10において振動感度が最大となる加振周波数は約380Hz近辺にあるが、図9においては580Hz近辺まで上昇した。このように、振動子を様々な周波数で加振したときのノイズが全体として減少するというだけでなく、そのピーク周波数が高周波側に変位し、かつピーク周波数におけるノイズも著しく減少することを発見した。
こうした作用効果が得られた理由は、以下のように考えられる。即ち、振動子に対して外部から振動が加わったとき、特にz軸方向の振動成分が加わったときに、振動子に対してGOを中心とした回転方向の振動を生じさせるような応力が発生するらしい。こうした振動応力が発生する理由は明確ではない。この結果として、GOの近傍を支持固定した場合には、振動子が回転振動するような振動成分が発生し、この回転方向の振動成分が検出手段に電位を発生させ、振動感度を生じさせるものと思われる。
図4は、図3の振動子について、こうした回転方向の振動成分を誇張して図示したものである。振動子の全体が固定部20に対して、図4において右まわりに回転している。この際には、当然接着剤層13A〜13Dが変形している。
この問題を解決するためには、固定用部材20に対して、振動子を更に強固に固定することが考えられるが、この場合には振動子に対して真正の回転が加わったときの振動感度が著しく低下するおそれがある。
また、本発明者は、振動子の外側に更に大きな枠を形成し、この枠を支持固定することも想到した。しかし、この場合には、振動子の全体の面積が大きくなるので、真正の回転に対して応答する部分の面積が、振動子の全体の面積に対して小さくなる。この一方、振動子に対してz軸方向の外部振動が加わった場合には、やはり振動子を重心GOの周りに回転させるような応力が作用するので、上記のノイズは消去できない。この結果、真正の回転に対する振動子の振動感度に対して、外部振動によって振動子に発生するノイズの割合が一層大きくなる。
これに対して、図1、図2に示すように、基部8Aの周縁部18から突出する突出部分を、外部の固定用部材20に対して固定するようにすれば、前記した振動子を全体として回転させるようなノイズを効果的に防止できる。なぜなら、このように重心GOから離れた位置を固定する構造は、基部8Aを回転させるような応力に対しては、強度が高いからである。その上、このような構造は、真正の回転に伴って発生する検出振動片5A、5Bの振動のQ値を減少させるものではないし、振動子の全体の面積を大きく増大させるものでもない。従って、真正の回転に対する振動感度はほとんど低下しない。
固定部を複数設けることによって、前述したノイズ防止の作用効果が一層向上する。その上、好適な実施形態においては、複数の固定部を、所定面内において、振動子の重心に対して回転対称な位置に設ける。これによって、振動子に対して重心GOの周りの回転方向の応力が加わったときに、その応力を基部の全体にわたって均等に抑制することができる。なぜなら、重心GOの周りの特定領域のみに固定部を設けて固定した場合には、固定部のない領域では振動子の変位が大きくなり、固定部のある領域では振動子の変位が小さくなる。このように振動子の変位が不均等になると、これに応じて別のノイズが発生する可能性があるからである。
複数の固定部が振動子の重心GOに対して回転対称な位置に存在するとは、複数の固定部が、所定面内でほぼ同じ所定角度離れている状態を意味する。従って、一つの固定部を所定面内で所定角度回転させる操作を行うと、他の固定部の位置に位置する。図1においては、固定部12A〜12Dは互いに90°ごと離れているので、各固定部を90°回転させる操作を行うと、隣接する他の固定部の位置にくる。
この際、各固定部は、3〜6回対称であることが好ましく、4回対称であることが一層好ましい。
特に好適な実施形態においては、基部が所定面内において、振動子の重心に対して回転対称の形状を有している。このように対称性の高い基部を使用することによって、振動子に対して外部振動が加わったときの不正規な振動の発生を一層抑制できる。この「回転対称」は、前述したような意味である。基部の位置は、3〜6回対称であることが好ましく、4回対称であることが一層好ましい。
複数の固定部を形成し、振動子の重心GOと各固定部との間にそれぞれ凹部または貫通孔(重心が存在する中心孔以外)を形成した場合には、各凹部または貫通孔の形状は互いにほぼ同様であることが好ましい。また、各凹部または貫通孔の形成位置は、各固定部の位置と同様に、重心GOを中心としたときに略回転対称であることが好ましい。
好適な実施形態においては、駆動振動系が、基部の周縁部から延びる細長い連結部と、この連結部から連結部に対して交差する方向に延びる少なくとも一片の駆動振動片とを備えており、駆動振動片がその連結部への付け根を中心として所定面内で屈曲振動し、振動子が所定面内で回転したときに連結部がその基部への付け根を中心として所定面内で屈曲振動することを特徴とする。この実施形態は図1、図3に示した。この実施形態において特に好ましくは、振動子が所定面内で回転したときに、複数の連結部がその基部への付け根を中心として所定面内で屈曲振動すると共に、少なくとも二つの連結部の振動の位相(重心GOを中心として回転方向に見たとき)が、互いに逆である。
この実施形態において一層好ましくは、振動子が複数の駆動振動系を備えており、複数の駆動振動系の駆動振動の全体の重心(非回転時)GDが、振動子の重心GOの近傍にある。駆動振動の全体の重心GDが、振動子の重心GOの近傍に位置しているとは、具体的には、実質的に重心GO上に位置していてもよいが、重心GOから直径1mmの円内に存在している場合も含む。
更に好適な実施形態においては、検出振動系が、周縁部から延びる細長い検出振動片を備えており、この検出振動片が、振動子が所定面内で回転したときに検出振動片の基部への付け根を中心として所定面内で屈曲振動する。
また、更に好ましくは、固定部と基部とが連結片によって連結されている。言い換えると、基部と重心GOとの間に凹部または貫通孔が形成されており、凹部または貫通孔の外側に連結片が形成される。これによって、検出振動のエネルギーの固定部への伝搬を一層小さくすることができる。
好適な実施形態においては、基部が多角形、好ましくは正多角形の形状を有しており、この基部の各角部にそれぞれ各固定部が連続している。この場合には、多角形の基部の各片から、前記した連結部や検出振動片が突出する。こうした形態は、前記したノイズを最小限とし、かつ検出振動の振動感度を保持する上で最も好ましい。
好ましくは、各駆動振動系が、重心GOを中心として回転対称の位置にある。例えば、図1においては、駆動振動系2Aと2Bとは、180°離れているので、駆動振動系2Aを180°回転させる操作を行うと、駆動振動系2Bの位置にくる。この回転対称は、具体的には2回対称、3回対称、4回対称であることが好ましい。
本発明の振動子においては、複数の振動系が所定面内に延びているが、これは厳密に幾何学的なものではなく、製造上の偏差を含むものであって、例えば厚さにして1mm以下の範囲内に複数の振動系が形成されている場合をも含む。
本発明において好ましくは、振動子の変位が主として所定面内で生ずる。こうした場合に、前述した振動子を回転させるような方向の応力によるノイズが特に発生しやすく、問題となり易い。
振動子の各部分は、別の部材によってそれぞれ形成することもできるが、一体で構成することが特に好ましい。
振動子の材質は特に限定するものでないが、水晶、LiNbO3、LiTaO3、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体(Li(Nb,Ta)O3)単結晶、ホウ酸リチウム単結晶、ランガサイト単結晶等からなる圧電単結晶を使用することが好ましい。
駆動手段、検出手段は、振動型ジャイロスコープ分野において通常のいずれの手段も採用できる。本発明の振動子を圧電性材料によって形成した場合には、この振動子に駆動手段、検出手段として駆動電極および検出電極を設ける。圧電性材料としては、圧電単結晶の他に、PZT等の圧電セラミックスがある。また、振動子を恒弾性金属によって形成した場合には、駆動手段、検出手段として、圧電性セラミックスを振動子上に貼りつけることができる。
振動子の固定部の外部固定用部材に対する固定方法は限定されず、接着法の他、粘着材を使用する方法、クランプ等で機械的に固定する方法、溶接法、固相拡散法などを例示できる。しかし、振動子の検出感度を高く保持するという観点からは、接着法が最も好ましい。
接着剤のtanδは、使用温度範囲(通常−40℃〜+80℃、特に好ましくは−40℃〜+85℃)の全体においてQ値を大きくでき、かつその変動を小さくするという観点から、0.03以下が更に好ましい。また、tanδの下限は特になく、0.00であってもよい。
使用温度範囲内における接着剤のtanδの最大値と最小値との差は、0.03以下であることが好ましい。
また、振動子の駆動振動のQ値を更に一定にするという観点から、接着剤の比重は1.1以下とすることが特に好ましい。このように接着剤の比重を1.0に近づけるためには、接着剤中の充填剤(フィラー)の含有量を7重量%以下とすることが好ましい。
接着剤の種類は限定されず、シリコーンRTVゴム、シリコーンゲル、シリコーン樹脂、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴムなどの合成ゴム、テフロン(登録商標)、四フッ化エチレン樹脂などのフッ素樹脂、塩化ビニール、ナイロン、ポリエチレンなどがある。
接着剤の動的弾性率は102〜1010Paが好ましく、動的損失は101〜108Paが好ましい。接着剤の厚さは、動的粘弾性の大きさにほぼ反比例するように調整できる。
接着剤は、振動型ジャイロスコープの使用温度範囲において、動的粘弾性変化の小さい粘弾性体であることが好ましく、使用温度範囲における動的粘弾性の変化率が3倍以内であることが望ましい。
接着剤部の形成方法は限定されない。例えば、未硬化の液状原料を、接着箇所に塗布、ポッティング、スプレー塗布することで、塗布膜を形成できる。例えば、脱アルコール型、脱アセトン型、脱オキシム型、脱酢酸型、付加反応型などの種々のシリコーン接着剤を、ディスペンサーによって接着箇所にポッティングし、付着させることができる。液状原料を接着箇所に塗布またはポッティングする場合には、液状原料の粘性を100Pa・s以下とすることによって、液状原料の付着面積を容易に広くでき、かつ塗布膜の厚さを均一にできる。また、高分子材料からなるシートや平板状成形体を、接着箇所に接着、粘着することができる。
接着剤の固化方法は限定されず、2液混合による付加反応型接着剤、加熱による付加反応型接着剤、脱アルコール型接着剤を例示できる。
支持部材と振動子との間に介在する接着剤層の厚さは、振動子を確実に固定するという観点からは0.05mm以上とすることが好ましく、0.1mm以上とすることが更に好ましい。支持部材と振動子との間に介在する接着剤部の厚さは、使用温度範囲の全体にわたって振動子のQ値の変化を一層少なくし、また検出振動の感度を向上させるという観点から、1mm以下とすることが好ましく、0.4mm以下とすることが更に好ましい。
外部の固定用部材の形状は限定されないが、突起または棒状であることが好ましい。
図5〜図8は、いずれも、本発明の各実施形態に係る振動子を示す平面図である。図1、図3に既に示した構成部分には同じ符号を付け、その説明を省略する。
図5の振動子1Cにおいては、各固定部12E、12F、12G、12Hは略正方形をしており、その位置は図1と同様である。ただし、各固定部と重心GOとの間にある凹部または貫通孔10Bは、それぞれ四辺形であり、好ましくは正方形である。各検出振動片5A、5Bの先端に重量部6が設けられている。
図6の振動子1Dは、図5の振動子と同様のものであるが、各検出振動片5C、5Dの先端に重量部が設けられていない。
図7の振動子1Eにおいては、基部8Cの四隅にそれぞれ略正方形状の突出部分12J、12K、12L、12Mが形成されており、各突出部分が外部の固定用部材に対して固定される。本例では、重心GOと各固定部12J〜12Mとの間に凹部や貫通孔が形成されていない。各検出振動片5A、5Bの先端に重量部6が設けられている。
図8の振動子1Fは、図7の振動子と同様のものであるが、各検出振動片5C、5Dの先端に重量部が設けられていない。
本発明の振動子を使用した直線加速度計によれば、振動子に駆動振動を与えたときの基部の伸縮振動によるノイズ信号が顕著に低減されているので、このノイズ信号の温度変化による誤差を防止することができる。
また、本発明の振動子を用いて、回転速度と直線加速度とを同時に計測するセンサーを作製することができる。本発明の振動子では、振動子に回転速度と直線加速度が同時に加わった場合、回転速度に対応する検出信号と、直線加速度に対応する信号とが同時に発生する。このときの検出信号のうち、駆動信号と同じ周波数の信号成分の振幅の変化が回転速度に比例しており、直流電圧信号成分の変化が直線加速度に比例している。
(本発明例)
図3に示す振動型ジャイロスコープを作製した。具体的には、厚さ0.3mmの水晶のZ板のウエハーに、スパッタ法によって、所定位置に、厚さ200オングストロームのクロム膜と、厚さ5000オングストロームの金膜とを形成した。ウエハーの両面にレジストをコーティングした。
図3に示す振動型ジャイロスコープを作製した。具体的には、厚さ0.3mmの水晶のZ板のウエハーに、スパッタ法によって、所定位置に、厚さ200オングストロームのクロム膜と、厚さ5000オングストロームの金膜とを形成した。ウエハーの両面にレジストをコーティングした。
このウエハーを、ヨウ素とヨウ化カリウムとの水溶液に浸漬し、余分な金膜をエッチングによって除去し、更に硝酸セリウムアンモニウムと過塩素酸との水溶液にウエハーを浸漬し、余分なクロム膜をエッチングして除去した。温度80℃の重フッ化アンモニウムに20時間ウエハーを浸漬し、ウエハーをエッチングし、振動子の外形を形成した。メタルマスクを使用して、厚さ2000オングストロームのアルミニウム膜を電極膜として形成した。
得られた振動子の基部8Aの寸法は3.5mm×3.5mmであり、各検出振動片5C、5Dの寸法は、幅0.4mm×長さ4mmであった。検出電極5A、5Bの寸法は、幅0.3mm×長さ3mmであり、検出振動片の付け根から1.2〜4.0mmの位置に形成されていた。各連結部7A、7Bの長さは3.1mmであり、幅は0.25mmであった。各固定部12A〜12Dの寸法は、縦1mm×横1mmであった。10Aは貫通孔とした。各連結片11の幅は0.3mmであった。振動子の中央部に0.75mm×0.75mmの正方形の貫通孔13を形成した。
次いで、シリコーン樹脂系接着剤をディスペンサーによって滴下し、この接着剤を図示しない治具によって各固定部12A〜12Dと同じ大きさ、形状に成形した。こうして成形された各接着剤によって各固定部12A〜12Dを固定用部材20に接着した。次いで、振動子と固定用部材とをパッケージに収容し、これを加振機に取り付け、100〜800Hzの周波数で加振した場合について、ロックインアンプを用いて信号強度を測定した。加振周波数に対する、加振加速度当たりの信号強度(振動感度)の変化を求めた。この結果を図9に示す。
(比較例)
図3において、各固定部12A〜12Dを設けなかった。また、貫通孔13に直径0.6mmの金属ピンを挿入し、金属ピンと振動子とを上記の接着剤によって接着した。この振動子について、加振周波数に対する、加振加速度当たりの信号強度(振動感度)の変化を求めた。この結果を図10に示す。
図3において、各固定部12A〜12Dを設けなかった。また、貫通孔13に直径0.6mmの金属ピンを挿入し、金属ピンと振動子とを上記の接着剤によって接着した。この振動子について、加振周波数に対する、加振加速度当たりの信号強度(振動感度)の変化を求めた。この結果を図10に示す。
以上述べたように、本発明によれば、外部からの加振に対する応答に伴うノイズないし振動感度(非回転時、非駆動時)が少ない振動子およびその支持構造を提供できる。
1A,1B,1C,1D,1E,1F…振動子、2A,2B…駆動振動系、3A,3B…検出振動系、4A,4B,4C,4D…駆動振動片、5A,5B,5C,5D…検出振動片、6…重量部、7A,7B…連結部、8A,8B,8C…基部、10A,10B…各固定部と重心との間に存在する凹部または貫通孔、11…連結片、12A,12B,12C,12D,12E,12F,12G,12H,12J,12K,12L,12M…固定部、14…連結部、7A,7Bの基部への付け根、15…検出振動片の基部への付け根、18…基部の周縁部、18a,18b,18c,18d…多角形の基部の各片、A…駆動振動、B…回転時の各連結部(7A,7B)の屈曲振動、C…回転時に検出振動片に励振される屈曲振動、GD…駆動振動系の全体の重心、GO…振動子の重心。
Claims (14)
- 所定面内に延びており、この所定面内に重心を有しており、かつ外部の固定用部材に対して固定されるべき振動子であって、前記重心が位置する基部、この基部の周縁部から突出する駆動振動系、前記基部の周縁部から突出する検出振動系、および前記基部の周縁部から突出する固定部であって、前記固定用部材に対して固定されるべき固定部を備えていることを特徴とする、振動子。
- 複数の前記固定部を備えていることを特徴とする、請求項1記載の振動子。
- 前記複数の固定部が、前記所定面内において前記重心に対して回転対称な位置に設けられていることを特徴とする、請求項2記載の振動子。
- 前記複数の固定部が、前記所定面内において前記重心に対して4回の回転対称な位置に設けられていることを特徴とする、請求項3記載の振動子。
- 前記基部が前記所定面内において前記重心に対して回転対称の形状を有していることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記載の振動子。
- 前記駆動振動系が、前記周縁部から延びる細長い連結部と、この連結部から連結部に対して交差する方向に延びる少なくとも一片の駆動振動片とを備えており、前記駆動振動片がその連結部への付け根を中心として前記所定面内で屈曲振動し、前記振動子が前記所定面内で回転したときに前記連結部がその基部への付け根を中心として前記所定面内で屈曲振動することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つの請求項に記載の振動子。
- 前記検出振動系が、前記周縁部から延びる細長い検出振動片を備えており、前記振動子が前記所定面内で回転したときに、前記検出振動片が、この検出振動片の基部への付け根を中心として前記所定面内で屈曲振動することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つの請求項に記載の振動子。
- 前記固定部と前記基部とが連結片によって連結されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一つの請求項に記載の振動子。
- 前記基部が多角形の形状を有しており、この基部の各角部にそれぞれ前記固定部が連続していることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一つの請求項に記載の振動子。
- 前記振動子が複数の前記駆動振動系を備えており、これらの複数の駆動振動系の駆動振動の全体の重心が前記振動子の前記重心上またはその近傍に存在することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一つの請求項に記載の振動子。
- 請求項1〜10のいずれか一つの請求項に記載の振動子と、この振動子の前記固定部を固定するための固定用部材とを備えていることを特徴とする、振動子の固定構造。
- 前記固定部と前記固定用部材とが接着されていることを特徴とする、請求項11記載の振動子の固定構造。
- 請求項1〜10のいずれか一つの請求項に記載の振動子、
この振動子の前記固定部を固定するための固定用部材、
前記駆動振動系内に駆動振動を励振するための励振手段、および
前記駆動振動系内に駆動振動を励振し、かつ前記振動子を所定面内で回転させたときに、前記振動子に作用するコリオリ力に応じて前記検出振動系内に生ずる検出振動を検出する検出手段を備えていることを特徴とする、振動型ジャイロスコープ。 - 直線加速度を検出するための直線加速度計であって、請求項1〜10のいずれか一つの請求項に記載の振動子と、この振動子に直線加速度が加わったときに前記振動子に加わるニュートンの力による前記振動子の変形を検出するための検出手段とを備えることを特徴とする、直線加速度計。
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