JP2001263952A - ケミカルヒートポンプドライヤ - Google Patents

ケミカルヒートポンプドライヤ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 深夜電力など余剰のエネルギーを有効利用で
き、化学反応を効果的にコントロールすることのできる
ケミカルポンプドライヤを提供する。 【解決手段】 内部に化学反応物質を保持する高温側反
応器13及び、高温側反応器13に前記化学反応物質と
反応する反応ガスを供給/受給する低温側反応器14を
有したケミカルヒートポンプ11、12と、ケミカルヒ
ートポンプ11、12の高温側反応器13及び/又は低
温側反応器14に空気循環流路を介して接続され、空気
循環流路を流れる高温の循環空気を内部の被処理物に直
接又は間接的に接触させるドライヤ17と、高温側反応
器14内の空気循環流路に設けられ、化学反応物質と反
応ガスとの化学反応熱により循環空気を加熱する熱交換
器15と、高温側反応器内に設けられ、高温ガスや電力
などの外部エネルギーを前記化学反応物質と反応ガスと
の反応生成物に供給する熱供給器16とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケミカルヒートポ
ンプを適用した高効率のケミカルヒートポンプドライヤ
に関する。
【0002】
【従来の技術】ドライヤを用いた乾燥プロセスは、高エ
ネルギー負荷操作である。このエネルギー使用量を低く
押さえる一つの方法として、機械圧縮式ヒートポンプを
乾燥プロセスへ適用したヒートポンプドライヤがある。
これは主に電気エネルギーで作動する圧縮式ヒートポン
プを乾燥プロセスに組み込み、空気の除湿およびヒート
アップを行なうものである。一方、化学反応の際の反応
熱を利用して、外部機器との熱交換を行うケミカルヒー
トポンプ技術がある。このようなケミカルヒートポンプ
として、特開平10−89799号公報(以下イ号公報
という)には、CaOを充填した反応器と水を蒸発又は
凝縮させる蒸発−凝縮器がジョイントバルブを有するパ
イプで連結されたCaO/Ca(OH)2系ケミカルポ
ンプにおいて、反応器内に充填されたCaOと蒸発-凝
縮器で蒸発したH2Oが水和反応する際に発生する反応
熱と、蒸発−凝縮器内のH2Oが蒸発する際の蒸発熱を
連続的に出し入れする熱交換器を反応器及び蒸発-凝縮
器にそれぞれ設けたケミカルポンプが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のヒートポンプを用いる技術では以下のような問題点
があった。 (1)機械圧縮式ヒートポンプを用いるドライヤは、ヒ
ートポンプを組み込まないドライヤに比べて乾燥効率は
上がるものの、機械的駆動部分が大きくなるために用途
が限られるという問題点があった。 (2)電気エネルギーの使用量が多く、またリアルタイ
ムで電力を供給しなければならないため、深夜電力など
を有効に利用できず、運転コストが高くなる。 (3)熱媒体としてフロン等を用いるので、フロン等の
環境汚染物質が周囲に放出される場合があるという欠点
がある。 (4)機械圧縮式ヒートポンプは機械可動部分の耐熱性
が低いために特定の温度域での乾燥が困難であり、使用
条件が制約されることがある。 (5)イ号公報のケミカルポンプを用いる技術では、機
械式ヒートポンプ顕熱、潜熱蓄熱を利用するものに比
べ、ヒートポンプ性能や蓄熱性能において多くの有利な
点を有するものの、化学反応を利用するシステムである
がゆえにヒートポンプにおける蓄熱モードや放熱モード
を適正にコントロールすることが困難であり、液体を加
温冷却するシステムではうまくいくもののそれ以外のシ
ステムでは困難であるという問題があった。 (6)ケミカルヒートポンプを単独で用いるので、ケミ
カルヒートポンプの作動状態が放熱や蓄熱の各動作モー
ド毎に制限されて、放熱、蓄熱の際の熱ロスが多く、全
体システムを効率的に運営することが困難であるという
問題があった。 (7)熱交換効率の良い給湯や熱媒冷却システムでは温
冷熱生成がうまくいくものの、圧縮機などの機械系を用
いるのでエネルギーのロスが多く空気加熱などの熱交換
効率の悪いシステムは稼動しなかった。 (8)液体熱交換のみであったため除湿操作などの調湿
機能が働かなかった。
【0004】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
で、従来不可能であった高温域での使用を可能にし、電
気エネルギーをほとんど必要とせず、深夜電力など余剰
のエネルギーを有効利用でき、化学反応を効果的にコン
トロールして省エネルギータイプのケミカルポンプドラ
イヤを提供すると共に、大量に存在する資源である石灰
石から製造される生石灰と消石灰等を用いて、フロンな
どの環境汚染物質を用いることなく安全で環境にやさし
く日本国にとって有利なシステムを提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は以下の構成を有している。本発明の請求項1
に記載のケミカルヒートポンプドライヤは、内部に化学
反応物質を保持する高温側反応器及び、前記高温側反応
器に前記化学反応物質と反応する反応ガスを供給/受給
する低温側反応器を有したケミカルヒートポンプと、前
記ケミカルヒートポンプの高温側反応器及び/又は低温
側反応器に空気循環流路を介して接続され、前記空気循
環流路を流れる高温の循環空気を内部の被処理物に直接
又は間接的に接触させるドライヤと、前記高温側反応器
内の前記空気循環流路に設けられ、前記化学反応物質と
反応ガスとの化学反応熱により前記循環空気を加熱する
熱交換器と、前記高温側反応器内に設けられ、高温ガス
や電力などの外部エネルギーを前記化学反応物質と反応
ガスとの反応生成物に供給する熱供給器とを備えて構成
されている。これによって、以下の作用が得られる。 (a)ドライヤに供給される循環空気が高温側/低温側
反応器内の熱交換器で加熱され、高温側/低温側反応器
の発熱状態がもう一方の低温側/高温側反応器の作動に
より制御されるので、化学反応を効果的にコントロール
してエネルギーを有効利用することができる。 (b)外部から供給される深夜電力や高温ガス等のエネ
ルギーを化学反応物質が生成されるのに必要な熱量とし
て補給、蓄積しておき、この化学反応物質に貯えられた
エネルギーを必要な時期に取り出すことができるので、
供給される電力変動が大きい場合でも安定した条件下で
被処理物の均一乾燥を行うことができる。 (c)大量に存在する資源である石灰石から製造される
生石灰と消石灰等を用いているので、、省エネルギータ
イプのケミカルポンプドライヤを提供でき、フロンなど
の環境汚染物質を用いることなく安全で環境にやさしい
有利なシステムを提供できる。 (d)増熱モードというケミカルヒートポンプに蓄熱し
た熱量よりケミカルヒートポンプからの放熱量の方が大
きい作動モードを用いるため、ケミカルヒートポンプの
蓄放熱効率が2倍以上になる高効率システムの構築が可
能となる。
【0006】ここでケミカルヒートポンプは、化学反応
に伴う反応熱を利用して、ドライヤなどの外部機器との
熱交換を行うことのできるヒートポンプである。図1
(a)はこのようなケミカルヒートポンプの蓄熱過程を
示す概念図であり、図1(b)は放熱過程を示す概念図
である。図1において、1はケミカルヒートポンプ、2
は高温側反応器、3は高温側反応器2とバルブを有する
配管を介して接続される低温側反応器である。図1に示
すケミカルヒートポンプ1は高温側反応器2、低温側反
応器3と両者を結ぶパイプにより構成され、高温側反応
器2には化学反応物質として反応平衡圧力が比較的低い
反応材(蓄熱材)が充填され、低温側反応器3には高温
側反応材と反応するに見合う量の高反応平衡圧の反応ガ
スを生成する物質が充填され、減圧状態に保たれてい
る。なお、低温側反応としては、液体の蒸発/気体の凝
縮現象も利用される。以上のように構成されたケミカル
ヒートポンプについて、以下その動作を説明する。ま
ず、放熱過程で高温側反応器2と低温側反応器3とを連
結しているバルブを開けると、圧力差により低温側反応
器3からガスCが分離発生して、パイプを通って高温側
反応器2へ移動し、高温側反応器2の中のAと反応しA
Cが形成され反応熱が生成し、低温側反応器3では吸熱
反応が進行する。蓄熱過程では、高温側反応器2に熱を
加えると、放熱過程でAとCとが反応して生成したAC
が分解されてAが再生するとともに、発生したCガス
は、パイプを通って低温側反応器3へ移動しBと反応
し、反応熱を生成し、BCとなり、再び温・冷熱生成前
の状態に戻る。以上のように、ケミカルヒートポンプ
は、ACをAとCとに戻す反応と、AとCとによりAC
を生成する反応に伴う反応熱を主に利用するものであ
る。
【0007】請求項2記載のケミカルヒートポンプドラ
イヤは、請求項1において、前記低温側反応器の前記空
気循環流路に設けられ、前記循環空気との間で熱交換を
行う熱交換器を有して構成されている。これによって、
請求項1の作用に加えて以下の作用を有する。 (a)循環空気との間で熱交換を行う熱交換器を有して
いるので、蓄熱過程にある高温側反応器から発生する水
蒸気などの高温ガスを低温側反応器にて凝縮させて、そ
の凝縮熱により、循環空気を効率的に加熱することがで
き、外部エネルギーを無駄にすることなく有効利用でき
る。 (b)必要に応じて低温側熱交換器に排ガス等の外部エ
ネルギーを供給して、低温反応器内に残留する水などを
気化させるのに用いることができ、ケミカルヒートポン
プドライヤを含む全体システムにおける熱エネルギーの
流れを適正化して運用することができる。 (c)放熱過程にある低温側反応器から発生する水蒸気
などの高温ガスを高温側反応器にて反応させて、その反
応熱により、循環空気を効率的に加熱することができ、
外部エネルギーを無駄にすることなく有効利用できる。 (d)放熱過程にある低温側反応器から発生する水蒸気
の蒸発などの吸熱反応により、潜熱などの吸熱反応熱に
より、循環空気を効率的に冷却除湿することができ、排
気を無駄にすることなく循環させて有効利用することが
できる。
【0008】請求項3に記載のケミカルヒートポンプド
ライヤは、請求項1又は2において、前記ケミカルヒー
トポンプが前記ドライヤに対して2基並列にそれぞれ空
気循環流路を有して配置され、第1及び第2のケミカル
ヒートポンプそれぞれの高温側/低温側反応器における
化学反応物質の発熱又は吸熱による放熱過程と蓄熱過程
とを切り替える配管切替機構が設けられて構成されてい
る。これによって、請求項1又は2の作用に加えて以下
の作用を有する。 (a)第1及び第2のケミカルヒートポンプをそれぞれ
並列に配置しているので、ケミカルヒートポンプ毎に異
なる作動モードを交互に切り替えることで、各時点での
ドライヤシステム全体の熱の流れを効率化させることが
でき、ドライヤシステムをもっとも好ましい状態で作動
させることができる。 (b)第1及び第2のケミカルヒートポンプをそれぞれ
並列に配置しているので、各ケミカルヒートポンプ毎に
異なる作動モードを交互に切り替えることで、蓄熱過程
ケミカルヒートポンプと放熱過程ケミカルヒートポンプ
を同時に稼動させることができ、ドライヤ排気からの熱
回収とその際の加熱を連続的に行って、ケミカルヒート
ポンプシステム全体をケミカルヒートポンプ単体では不
可能な連続運転システムが構築できる。
【0009】図2は圧力(P)と温度(T)のパターン
で規定される作動モードの一例を示すグラフであり、図
2(a)〜(d)はそれぞれ(a)蓄熱モード、(b)
増熱モード、(c)冷凍モード、(d)昇温モードのパ
ターンを表している。 (a)蓄熱モードは、ケミカルヒートポンプの高温側反
応器(圧力PH)、ケミカルヒートポンプの低温側反応
器(圧力PL)にそれぞれ熱量QH、QLを出し入れする
操作であり、蓄熱過程と放熱過程がほぼ同レベルの温度
域で操作される。 (b)増熱モードは、蓄熱過程においてはケミカルヒ
ートポンプの高温側反応器(PH)に熱量QHを供給し、
低温側反応器(PL)で中温熱QMを生成する。放熱過
程においてはケミカルヒートポンプの低温側反応器
(PL)に安価な低温熱QLを供給して、高温側反応器
(PH)で中温熱QMを生成できる。すなわち、1度の高
温蓄熱QHで蓄熱過程と放熱過程の2度に亘って中温熱
Mが生成できる。 (c)冷凍モードは、増熱モードの操作原理とほぼ同じ
であるが、蓄熱過程においてはケミカルヒートポンプ
の高温側反応器(PH)に熱量QHを供給し、低温側反
応器(PL)で中温熱QMを生成できる。放熱過程にお
いてはケミカルヒートポンプの高温側反応器(PH)で
中温熱QMを生成できると共に、低温側反応器(PL
の吸熱反応により低温熱QLが生成する。すなわち、高
温蓄熱QHを行ない放熱過程に中温熱QMおよび低温熱Q
Lが利用できる。 (d)昇温モードは、蓄熱過程においてはケミカルヒ
ートポンプの高温側反応器(PH)に中温熱QMを供給
し、低温側反応器(PL)で低温熱QLを生成でき、
放熱過程においてはケミカルヒートポンプの低温側反応
器(PL)に中温熱QMを供給することにより、高温側
反応器(PH)で高温熱QHを生成できる。すなわち、中
温熱QMを用いて高温熱QHと低温熱QLが利用できる。
【0010】このように(b)増熱モードと(c)冷凍
モードでは、蓄熱過程における高温側反応器への入熱Q
Hによって、蓄熱過程と放熱過程の二度にわたり中温熱
Mを取り出せるため、結果として増熱が可能となる。
この場合、放熱過程で低温熱QLを低温側反応器に供給
する際、熱媒として常温空気などを用いればその熱エネ
ルギーコストは無視できる。逆に、この放熱過程で必要
な低温熱QLを低温側反応器に供給して、吸熱反応本来
の性能を活かすことにより冷熱生成も可能になる。これ
が(c)冷凍モードである。
【0011】ここで配管切替機構は、2基のケミカルヒ
ートポンプとドライヤとを連結する配管構成において、
例えば、四方切替弁などの切替弁を複数配置して、これ
らを適宜選択して作動させることにより、所望の循環流
路を形成させるものである。これらの切替操作は必要に
応じて、各切替弁を制御する制御装置等を用いて自動
的、半自動的に実行させることができる。
【0012】請求項4に記載のケミカルヒートポンプド
ライヤは、請求項1乃至3のいずれか1項において、前
記高温側反応器には前記化学反応物質として生石灰が配
置され、前記低温側反応器に貯留された水蒸気が前記高
温側反応器に供給されて生石灰の水和反応に伴う放熱が
制御されている。これによって、請求項1乃至3の作用
に加えて以下の作用を有する。 (a)高温側反応器における生石灰の水和反応が、高温
側反応器と制御部とを連結する配管を開閉するバルブ操
作によってコントロールされ、省エネルギー性や経済性
に優れたシステムとすることができる。 (b)大量に存在する資源である石灰石から製造される
生石灰と消石灰等を用いて、フロンなどの環境汚染物質
を用いることなく安全で環境にやさしく日本国にとって
有利なシステムを提供することができる。 (c)生石灰と消石灰の反応を用いることにより、その
反応性の良さ、すなわち反応可逆性、高反応速度、高反
応率などから、他の反応系より反応特性すなわち蓄放熱
特性に優れたシステムが構築できる。 (d)生石灰と消石灰の反応を用いることにより、その
反応熱量の大きさ、すなわち蓄熱密度の大きさから、他
の反応系よりコンパクト性に優れたシステムが構築でき
る。ここで生石灰(CaO)は白色の立方晶系の結晶性
粉末であり、水と反応すると強く発熱して次式のように
水酸化カルシウムを生成する。この化学反応に伴う反応
熱を利用して蓄熱材や放熱材として用いることができ
る。(CaO+H2O→Ca(OH)2、ΔH=−10
4.2kJ/mol)
【0013】請求項5に記載のケミカルヒートポンプド
ライヤは、請求項4において、前記高温側反応器に配置
される生石灰の平均粒径が0.1〜5mmであるように
構成されている。これによって、請求項4の作用に加え
て以下の作用を有する。 (a)生石灰の粒径が特定範囲に規定されているので、
生石灰の蓄熱及び放熱特性を最大限度に利用することが
でき、ケミカルヒートポンプドライヤをさらに効率的に
稼動させることができる。 (b)特定平均粒径の生石灰を用いるので、反応条件の
ばらつきを所定範囲に維持させることができ、化学反応
のコントロールを容易にして、ケミカルヒートポンプド
ライヤの操作を簡単に行うことができる。ここで高温側
反応器に充填配置される生石灰の平均粒径が0.3mm
より小さいと、粒子間の水蒸気の流路が確保できず、粒
子層内伝熱性も悪く効果的に水蒸気を生石灰に接触供給
させることが困難となる傾向にあり、0.1mmを超え
るとこの傾向がさらに強まるので好ましくない。逆に、
生石灰の平均粒径が1.5mmを超えると水和反応等に
必要な表面積が著しく減少すると共に、粒子の内部まで
反応が進行せず、反応効率を著しく低下させる傾向にあ
り、この平均粒径が5mmを超えるとこの傾向がさらに
顕著になるので好ましくない。
【0014】請求項6に記載のケミカルヒートポンプド
ライヤは、請求項3乃至5のいずれか1項において、前
記ドライヤの循環空気の供給側配管に前記循環空気の温
度を測定する温度センサが設けられ、前記第1及び第2
のケミカルヒートポンプにそれぞれ振り分けられる循環
空気の量比を前記循環空気の温度に応じて制御する調整
弁機構が設けられて構成されている。これによって、請
求項3乃至5のいずれか1項の作用に加えて以下の作用
を有する。 (a)温度センサの温度信号に基づいて第1及び第2の
ケミカルヒートポンプに供給する循環空気の量および配
分を制御する調整弁機構が設けられているので、外部エ
ネルギーの供給量や、ドライヤの負荷が変動しても、ド
ライヤに供給される循環空気の温度を常時安定に所定温
度範囲に維持させることができ、全体のドライヤシステ
ムを安定的に運用することができる。 (b)循環空気の量および配分を制御する調整弁機構を
用いて、第1及び第2のケミカルヒートポンプの稼動状
態が所定条件で制御されるので、それぞれに設けられた
熱交換器からの入出熱量等に応じて、ケミカルヒートポ
ンプドライヤの操作モードを選択することができ、外部
エネルギーとして供給される深夜電力等を無駄にするこ
となく有効に利用できる。調整弁機構は、例えば、第1
及び第2のケミカルヒートポンプにそれぞれ振り分けら
れる循環空気の量比とこれによる循環空気の温度との関
係を予め求めておき、この相関関係と温度センサで取得
される温度値とに基づいてバルブの開度を調整するよう
なものが該当する。
【0015】
【発明の実施の形態】図3は本発明の一実施の形態にお
けるケミカルヒートポンプドライヤの構成図である。図
3において、10は本実施の形態のケミカルヒートポン
プドライヤ、11、12はそれぞれ第1及び第2のケミ
カルヒートポンプ、13はケミカルヒートポンプ11、
12を構成する化学反応物質としての生石灰が充填され
た高温側反応器、14はケミカルヒートポンプ11、1
2を構成して高温側反応器13に反応ガスである水蒸気
をバルブ21を介して供給して生石灰の水和反応を制御
するための低温側反応器となる気化/凝縮器、15は高
温側反応器13や気化/凝縮器14に設けられ、循環空
気との間で熱交換させるための熱交換器、16は外部エ
ネルギーを供給するための熱供給器、17はケミカルヒ
ートポンプ11、12に配管を介して接続され循環空気
が供給されるドライヤ、18は循環空気を循環させると
共に一部の空気を排出あるいは外部空気を吸入するファ
ンなどを備えた循環機、19はドライヤ17の循環空気
が供給される供給側配管に設けられた温度センサ、20
は温度センサ19の温度信号により循環空気をケミカル
ヒートポンプ11、12に所定比率で振り分けるための
調整弁機構、22は気化/凝縮器14の下流側に設けら
れた循環空気内の湿分を除去するための除湿器、23は
ケミカルポンプ11、12からそれぞれの循環空気を合
流させ、各流路を流れる循環空気の量を制御して、ドラ
イヤ17に供給するための流量調整弁である。、なお、
図示しない切替弁などを備えた配管切替機構を用いて、
図3にそれぞれ一点鎖線と破線とで示す動作モード1、
2となるような配管構成になるようにケミカルヒートポ
ンプドライヤ10が切替られるようになっている。動作
モード1と動作モード2とは、ケミカルヒートポンプ1
1、12のそれぞれを蓄熱過程や放熱過程に交互に切替
た状態を表している。以下この動作モードの切り換え方
法について説明する。まず、最初の12時間において
は、一方のケミカルヒートポンプの高温側反応器に深夜
電力などの安価な外部エネルギーを蓄えておき、、他方
のケミカルヒートポンプの高温側反応器で放熱させる。
そして、次の12時間においては、バルブ21等の切り
替え操作により前記ケミカルヒートポンプの反応器の各
機能を切り換えることにより、前記高温側反応器に蓄え
られた外部エネルギーを放出させてこれを有効に利用す
ることができる。
【0016】ケミカルヒートポンプ11、12はそれぞ
れ、反応ガスを出入りさせる配管を介して連結された高
温側反応器13と気化/凝縮器14とを有して構成され
ている。高温側反応器13は、所定粒径、例えば0.7
〜1.0mmの粒径の生石灰が充填されたステンレス製
等の反応容器である。高温側反応器13はバルブ21を
介して気化/凝縮器14と接続されており、バルブ21
の開閉操作により気化/凝縮器14から導入される水蒸
気を高温側反応器13中の生石灰と水和反応させて、そ
の反応の際の反応熱で高温側反応器13に供給される熱
媒体や循環空気を加熱することができる。気化/凝縮器
14は、所定の減圧度に減圧された反応ガスとしての水
蒸気を保持する容器体であり、容器体に配置された熱交
換器15や熱供給器16等を介して、外部から供給され
る熱媒やドライヤ17からの循環空気との間で熱の授受
が行われるようになっている装置である。
【0017】ドライヤ17は、例えば野菜や調理品等の
食品や、水洗処理後の工業製品等の被処理物がベルトコ
ンベアを用いて連続供給されたり、あるいは被処理物が
固定配置された状態で乾燥させる形式のものであり、内
部に高温の循環空気が供給されるようになっている。除
湿器22は低温側反応器14で冷却された循環空気中の
湿分を除去する装置であり必要に応じて低温側反応器1
4の下流側に設けられている。
【0018】以上のように構成されたケミカルヒートポ
ンプドライヤ10の動作について説明する。図4は本実
施の形態のケミカルヒートポンプドライヤ10の動作状
態を示すフロー図である。以下、図3及び図4を共に参
照しながら説明する。図3に示すケミカルヒートポンプ
ドライヤ10の動作モード1においては、循環配管を介
して高温の循環空気がドライヤ17に供給され、対象物
の乾燥により温度降下し高湿化した空気がドライヤ17
から排出される。この排出された空気の一部は循環機1
8に設けられた枝管18aを介して外部へ排気され、あ
るいは循環機18により調整弁機構20を介して2つの
ケミカルヒートポンプ11、12へ送られる。この際、
循環機18に枝管18aを設けて、枝管18aから必要
に応じて温度や湿度調整のための外部空気を循環空気に
導入したり、一部の循環空気を枝管18aより排出する
ようにしてもよい。なお、調整弁機構20では、必要に
応じて、予め取得したケミカルヒートポンプ11、12
へ振り分ける空気の量比とこれによる循環空気の温度と
の関係及び、温度センサ19からの温度信号を用いて、
所望の温度が得られるように弁開度が調整されるように
なっている。また、この際、調整弁機構20と流量調整
弁23とが連動してケミカルポンプドライヤの各循環空
気流路を流れる循環空気の流量がそれぞれ所定値になる
ように制御されている。
【0019】蓄熱過程にあるケミカルヒートポンプ11
では、高温外部熱源により高温側反応器13が蓄熱され
つつ、低温側反応器である気化/凝縮器14で発生する
熱エネルギーが熱交換器15を介して循環空気を加熱す
るために使われる。こうして気化/凝縮器14の熱交換
器15で加熱された空気はドライヤ17に戻る。このと
き、もう一方のケミカルヒートポンプ12は放熱過程に
あり、循環機18で導入された新空気あるいは循環機1
8によりドライヤ17から循環供給される空気がケミカ
ルヒートポンプ12に導入される。導入された空気はケ
ミカルヒートポンプ12の気化/凝縮器14で熱交換器
15を介して吸熱され必要に応じて除湿器22で湿分が
除かれる。また、低温側反応で十分な熱が得られない場
合には、外部から必要な熱量を低温側反応器に補給する
ことになる。ただし、この熱補給は常温空気などの熱量
で十分な場合もあり、実質上エネルギーコストがゼロと
なることもある。その後、循環空気は放熱過程にあるケ
ミカルヒートポンプ12の高温側反応器13で加熱され
る。その後、ここまでに除湿、加熱された高温乾燥空気
は蓄熱過程にあるケミカルヒートポンプ11からの空気
と混合され、ドライヤ17へ導入される。以上のように
図3の一点鎖線で循環空気や熱量の流れを示す動作モー
ド1の状態でケミカルヒートポンプドライヤ10を所定
時間、例えば12時間運転する。しかる後に循環配管を
配管切替機構を用いて、図3に点線で示すような配管配
置に切り替えることにより、ケミカルヒートポンプ1
1、12のそれぞれの蓄熱過程と放熱過程を逆転させた
動作モード2の状態とすることができる。
【0020】こうして、2つのケミカルヒートポンプ1
1、12を周期的に蓄熱過程と放熱過程の役割を交換し
空気の循環経路を入れ替えることにより、一方のケミカ
ルヒートポンプ11に蓄熱された熱エネルギーは、それ
自身の気化/凝縮器14ともう一方のケミカルヒートポ
ンプ12の高温側反応器13で増熱されて2箇所から放
熱され高温の循環空気が生成される。ドライヤ17での
消費熱およびシステム全体からの熱ロスを補うために、
ケミカルヒートポンプ11、12の高温側反応器13や
気化/凝縮器14へ熱交換器15や熱供給器16を介し
て不足分の熱エネルギーが供給される。これらのエネル
ギーの総和は、単純に外気をボイラーなどで加熱して高
温乾燥空気を供給する場合のエネルギーに比べて、排気
エネルギーを回収し、ケミカルヒートポンプ11、12
の蓄熱、増熱効果を利用しているため、大幅に削減され
ることになる。
【0021】図4のフロー図に示すように本システムで
は、高温乾燥空気(QH,S=Qin594℃)の保持する
熱量がケミカルヒートポンプ11(CHP1)の高温側
反応器13において蓄熱され、気化/凝縮器14の側で
は凝縮熱によりQM,S150℃の熱が発生する。一方ケ
ミカルヒートポンプ12(CHP2)では同時に放熱過
程における常温空気熱QL,Rを利用した中温熱QM,R36
0℃の生成が進行する。これらQM,SとQM,Rを同時に使
用して、TA1=130℃の高温乾燥空気が生成され、ド
ライヤ17へ導入、循環される。CHP1とCHP2を
定期的に役割を交換することにより、即ち、図4に示す
熱フロー等の構成を左右入れ換えることにより、ケミカ
ルヒートポンプ11、12の何れかの高温側反応器13
に外部エネルギーを供給して蓄えて、本システムでほぼ
連続的な運転が可能となる。
【0022】以下に、本システムにおける熱効率の推算
結果の一例を示す。ここで、熱ロスのない場合である蒸
発に必要な熱量QevはQev=1.71MJ/kgであ
り、熱ロスが30%である場合の蒸発熱QevはQev=
2.45MJ/kgとなる。この場合の本システム稼動
に必要な熱量は2.14MJ/hrであり、一方一般的
な対流式ドライヤの場合の稼動に必要な熱量が10.5
MJ/hrとなるので乾燥エネルギーの大幅な節約が可
能となることがわかる。このようにドライヤ17での消
費熱およびシステム全体からの熱ロスを補うために、動
作モード1ではケミカルヒートポンプ11の高温側反応
器13に熱エネルギーが供給される。このエネルギーの
総和は、単純に外気をボイラー等で加熱して帯温転換空
気を供給する場合のエネルギーに比べて、排気エネルギ
ーの回収および2つのケミカルヒートポンプ(CHP
1)11、ケミカルヒートポンプ(CHP2)12の蓄
熱、増熱効果を利用しているため、大幅に削減される。
【0023】ここで図5は高温側反応器(PH)と気化
/凝縮器(PL)とで構成されるオペレーティングライ
ンにおける蒸気圧Pと温度Tとの関係を示すグラフであ
る。なお、蒸気圧Pは対数(lnP)で、温度Tは逆数
(1/T)で表示されている。ここで、TH,SはCHP
1の高温側反応器における温度、TM,RはCHP2の高
温側反応器における温度、TM,SはCHP1の気化/凝
縮器における温度、TL,RはCHP2の気化/凝縮器に
おける温度を示している。また、PSはCHP1にける
圧力レベル、PRはCHP2における圧力レベルを表し
ている。本実施の形態においては、図5に示すようにC
HP1では高温側反応器の温度TH,Sで外部エネルギー
H,S(Qin)が供給され、気化/凝縮器の温度TM,R
はQM,Rが取り出される。一方、CHP2では高温側反
応器から温度TM,SでQM, Sが放出され、気化/凝縮器で
は温度TL,Rで外部エネルギーQL,Rが供給される。この
ように、本システムによれば、QM,SとQM,Rの2つの熱
量を同時に取り出すことができる。
【0024】なお、本実施の形態においては、第1及び
第2のケミカルヒートポンプ11、12がドライヤ17
に対して2基並列に配置されて、それぞれドライヤ17
に接続する空気循環流路を有して配置される形態のもの
を示したが、ケミカルヒートポンプをドライヤに対して
2基直列に配置して、循環空気が第1及び第2のケミカ
ルヒートポンプに順次連続して流れるようにしてケミカ
ルヒートポンプドライヤを構成することも可能である。
【0025】(実施例)図6はケミカルヒートポンプド
ライヤにおける各作動モードの条件を検証するためのケ
ミカルヒートポンプの構成図である。図6において、3
0は実験用に構成されたケミカルヒートポンプ、31は
ケミカルヒートポンプ30を構成する生石灰の充填され
る反応器、32はケミカルヒートポンプ30を構成する
気化/凝縮器、33〜35は反応ガスとなる水蒸気が流
れる配管に設けられた各開閉バルブ、36、37は反応
器31及び気化/凝縮器32内を必要に応じて減圧する
ための真空ポンプ、38は反応器31に空気などを供給
するためのコンプレッサ、39は気化/凝縮器32の熱
交換部に熱媒体となる水を循環供給するための温度制御
機能を備えた水槽である。
【0026】反応器31は内部が二重円筒状に形成され
た内筒部分に0.7〜1.0mmの平均粒径の生石灰約
400gが充填され、外筒部分に形成された空気流路に
コンプレッサ38を介して所定温度の空気が供給され、
この内筒部分を介して、生石灰の水和により放熱状態に
ある石灰充填部と空気との間で熱交換が行われるように
なっている。なお、前記二重円筒の外側には反応器31
の外部への放熱を防ぐための断熱材等が配置されてい
る。反応器31と気化/凝縮器32とは配管を介して連
結され、開閉バルブ34を開閉して反応器31と気化/
凝縮器32との間の水蒸気の出し入れを制御できるよう
になっていて、必要な時期に化学反応を開始させること
ができる。化学反応を開始させるのに先立って、気化/
凝縮器32に所定量の水を配置し、気化/凝縮器32内
及び生石灰の充填された反応器31内を開閉バルブ34
を閉じた状態で真空ポンプ36、37でそれぞれ所定の
真空度に減圧した後、各開閉バルブ33、35を閉じて
各部を密閉状態にしておく。しかる後に、反応器31と
気化/凝縮器32とを連結する配管に設けられた開閉バ
ルブ34を開くことにより、気化/凝縮器32内の水蒸
気が反応器31側に移動して、生石灰の水和反応を進行
させることができる。
【0027】ここで図7はこのような実験により得られ
た、放熱過程における3種の異なる条件下で熱交換され
る熱量Qの時間変化を示すグラフであり、実線のデータ
は生石灰の発熱量を、破線のデータは供給空気により回
収された回収熱量を示している。図から明らかなよう
に、開閉バルブ34の開弁直後から発熱が開始され、生
成された温熱量の上昇と共にそれが熱風として回収され
ていることがわかる。この場合回収率が低いのは試験装
置がシンプルなためであり、実際のケミカルヒートポン
プドライヤでは熱効率のさらに高い熱交換器が用いられ
るため回収率は大幅に高くなる。また、図8は放熱過程
の3種の異なる条件下における、反応器31で加熱され
る空気の入り口温度と出口温度との温度の時間変化を示
すグラフである。図から明らかなように開閉バルブ34
の開弁後、約30〜80分の間で温度差が最大になるこ
とがわかり、また一回のサイクルが約2~3時間となる
ことがわかる。
【0028】以上、説明したように、本実施の形態のケ
ミカルヒートポンプドライヤは、熱エネルギーのロスが
多いとされる各種乾燥プロセスに着目して、乾燥プロセ
ス用に特化した石灰を用いる実用化システムである。こ
れにより、従来のヒートポンプドライヤで困難であった
温度域での乾燥を可能にし、電気エネルギーをほとんど
必要とせず、フロンなど環境汚染物質を全く使用しない
ケミカルヒートポンプを用いて、熱エネルギーの有効利
用による省エネルギータイプのドライヤを提供する。こ
うして、日本に大量に存在する資源である石灰石から製
造される生石灰と消石灰を用いて、安全で環境にやさし
い日本国にとって有利なシステムを提供することができ
る。本発明は、生石灰と消石灰の反応特性(温度、圧力
など)を詳細に検討して、この結果をもとに制御を行う
ものであり、これによって、安価な深夜電力等を高温側
反応器に一時的に貯留しておくことができ、日夜を問わ
ずドライヤシステムを効率的に稼動させることができ
る。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、以下のよ
うな優れた効果が得られる。
【0030】本発明の請求項1に記載のケミカルヒート
ポンプドライヤは、これによって、以下の効果が得られ
る。 (a)ドライヤに供給される循環空気が高温側/低温側
反応器内の熱交換器で加熱され、高温側/低温側反応器
の発熱状態がもう一方の低温側/高温側反応器の作動に
より制御されるので、化学反応を効果的にコントロール
してエネルギーを有効利用することができる。 (b)外部から供給される深夜電力や高温ガス等のエネ
ルギーを化学反応物質が生成されるのに必要な熱量とし
て補給、蓄積しておき、この化学反応物質に貯えられた
エネルギーを必要な時期に取り出すことができるので、
供給される電力の変動が大きい場合でも安定した条件下
で被処理物の均一乾燥を行うことができる。 (c)大量に存在する資源である石灰石から製造される
生石灰と消石灰等を用いるので、省エネルギータイプの
ケミカルポンプドライヤを提供でき、フロンなどの環境
汚染物質を用いることなく安全で環境にやさしい有利な
システムを提供できる。 (d)増熱モードというケミカルヒートポンプに蓄熱し
た熱量よりケミカルヒートポンプからの放熱量の方が大
きい作動モードを用いるため、ケミカルヒートポンプの
蓄放熱効率が2倍以上になる高効率システムの構築が可
能となる。
【0031】請求項2記載のケミカルヒートポンプドラ
イヤは、これによって、請求項1の効果に加えて以下の
効果を有する。 (a)循環空気との間で熱交換を行う熱交換器を有して
いるので、蓄熱過程にある高温側反応器から発生する水
蒸気などの高温ガスを低温側反応器にて凝縮させて、そ
の凝縮熱により、循環空気を効率的に加熱することがで
き、外部エネルギーを無駄にすることなく有効利用する
ことができる。 (b)必要に応じて低温側熱交換器に排ガス等の外部エ
ネルギーを供給して、低温反応器内に残留する水などを
気化させるのに用いることができ、ケミカルヒートポン
プドライヤを含む全体システムにおける熱エネルギーの
流れを適正化して運用することができる。 (c)放熱過程にある低温側反応器から発生する水蒸気
などの高温ガスを高温側反応器にて反応させて、その反
応熱により、循環空気を効率的に加熱することができ、
外部エネルギーを無駄にすることなく有効利用すること
ができる。 (d)放熱過程にある低温側反応器から発生する水蒸気
の蒸発などの吸熱反応により、潜熱などの吸熱反応熱に
より、循環空気を効率的に冷却除湿することができ、排
気を無駄にすることなく循環させて有効利用することが
できる。
【0032】請求項3に記載のケミカルヒートポンプド
ライヤは、これによって、請求項1又は2の効果に加え
て以下の効果を有する。 (a)第1及び第2のケミカルヒートポンプをそれぞれ
並列に配置しているので、ケミカルヒートポンプ毎に異
なる作動モードを交互に切り替えることで、各時点での
ドライヤシステム全体の熱の流れを効率化させることが
でき、ドライヤシステムをもっとも好ましい状態で作動
させることができる。 (b)第1及び第2のケミカルヒートポンプをそれぞれ
並列に配置しているので、各ケミカルヒートポンプ毎に
異なる作動モードを交互に切り替えることで、蓄熱過程
ケミカルヒートポンプと放熱過程ケミカルヒートポンプ
を同時に稼動させることができ、ドライヤ排気からの熱
回収とその際加熱を連続運転させて、ケミカルヒートポ
ンプシステム全体をケミカルヒートポンプ単体では不可
能な連続運転システムが構築できる。
【0033】請求項4に記載のケミカルヒートポンプド
ライヤは、これによって、請求項1乃至3の効果に加え
て以下の効果を有する。 (a)高温側反応器における生石灰の水和反応が、高温
側反応器と制御部とを連結する配管を開閉するバルブ操
作によってコントロールされ、省エネルギー性や経済性
に優れたシステムとすることができる。 (b)大量に存在する資源である石灰石から製造される
生石灰と消石灰等を用いて、フロンなどの環境汚染物質
を用いることなく安全で環境にやさしく日本国にとって
有利なシステムを提供することができる。 (c)生石灰と消石灰の反応を用いることにより、その
反応性の良さ、すなわち反応可逆性、高反応速度、高反
応率などから、他の反応系より反応特性すなわち蓄放熱
特性に優れたシステムが構築できる。 (d)生石灰と消石灰の反応を用いることにより、その
反応熱量の大きさ、すなわち蓄熱密度の大きさから、他
の反応系よりコンパクト性に優れたシステムが構築でき
る。
【0034】請求項5に記載のケミカルヒートポンプド
ライヤは、これによって、請求項4の効果に加えて以下
の効果を有する。 (a)生石灰の粒径が特定範囲に規定されているので、
生石灰の蓄熱及び放熱特性を最大限度に利用することが
でき、ケミカルヒートポンプドライヤをさらに効率的に
稼動させることができる。 (b)特定平均粒径の生石灰を用いるので、反応条件の
ばらつきを所定範囲に維持させることができ、化学反応
のコントロールを容易にして、ケミカルヒートポンプド
ライヤの操作を簡単に行うことができる。
【0035】請求項6に記載のケミカルヒートポンプド
ライヤは、これによって、請求項3乃至5のいずれか1
項の効果に加えて以下の効果を有する。 (a)温度センサの温度信号に基づいて第1及び第2の
ケミカルヒートポンプに供給する循環空気の量および配
分を制御する調整弁機構が設けられているので、外部エ
ネルギーの供給量や、ドライヤの負荷が変動しても、ド
ライヤに供給される循環空気の温度を常時安定に所定温
度範囲に維持させることができ、全体のドライヤシステ
ムを安定的に運用することができる。 (b)循環空気の量および配分を制御する調整弁機構を
用いて、第1及び第2のケミカルヒートポンプの稼動状
態が所定条件で制御されるので、それぞれに設けられた
熱交換器からの入出熱量等に応じて、ケミカルヒートポ
ンプドライヤの操作モードを選択することができ、外部
エネルギーとして供給される深夜電力等を無駄にするこ
となく有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)ケミカルヒートポンプの蓄熱過程を示す
概念図 (b)ケミカルヒートポンプの放熱過程を示す概念図
【図2】(a)蓄熱モードのグラフ (b)増熱モードのグラフ (c)冷凍モードのグラフ (d)昇温モードのグラフ
【図3】ケミカルヒートポンプドライヤの構成図
【図4】ケミカルヒートポンプドライヤ動作状態を示す
フロー図
【図5】オペレーティングラインにおける蒸気圧Pと温
度Tとの関係を示すグラフ
【図6】ケミカルヒートポンプの構成図
【図7】放熱過程で熱交換される熱量Qの時間変化を示
すグラフ
【図8】空気の入り口温度と出口温度の時間変化を示す
グラフ
【符号の説明】
1 ケミカルヒートポンプ 2 高温側反応器 3 低温側反応器 10 ケミカルヒートポンプドライヤ 11 ケミカルヒートポンプ 12 ケミカルヒートポンプ 13 高温側反応器 14 気化/凝縮器 15 熱交換器 16 熱供給器 17 ドライヤ 18 循環機 18a 枝管 19 温度センサ 20 調整弁機構 21 バルブ 22 除湿器 23 流量調整弁 30 ケミカルヒートポンプ 31 反応器 32 気化/凝縮器 33 開閉バルブ 34 開閉バルブ 35 開閉バルブ 36 真空ポンプ 37 真空ポンプ 38 コンプレッサ 39 水槽

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部に化学反応物質を保持する高温側反応
    器及び、前記高温側反応器に前記化学反応物質と反応す
    る反応ガスを供給/受給する低温側反応器を有したケミ
    カルヒートポンプと、 前記ケミカルヒートポンプの高温側反応器及び/又は低
    温側反応器に空気循環流路を介して接続され、前記空気
    循環流路を流れる高温の循環空気を内部の被処理物に直
    接又は間接的に接触させるドライヤと、 前記高温側反応器内の前記空気循環流路に設けられ、前
    記化学反応物質と反応ガスとの化学反応熱により前記循
    環空気を加熱する熱交換器と、 前記高温側反応器内に設けられ、高温ガスや電力などの
    外部エネルギーを前記化学反応物質と反応ガスとの反応
    生成物に供給する熱供給器とを備えたことを特徴とする
    ケミカルヒートポンプドライヤ。
  2. 【請求項2】前記低温側反応器の前記空気循環流路に設
    けられ、前記循環空気との間で熱交換を行う熱交換器を
    有することを特徴とする請求項1に記載のケミカルヒー
    トポンプドライヤ。
  3. 【請求項3】前記ケミカルヒートポンプが前記ドライヤ
    に対して2基並列にそれぞれ空気循環流路を有して配置
    され、第1及び第2のケミカルヒートポンプのそれぞれ
    の高温側反応器における化学反応物質の発熱又は吸熱に
    よる放熱過程と蓄熱過程とを切り替える配管切替機構が
    設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載
    のケミカルヒートポンプドライヤ。
  4. 【請求項4】前記高温側反応器には前記化学反応物質と
    して生石灰が配置され、前記低温側反応器に貯留された
    水蒸気が前記高温側反応器に供給されて生石灰の水和反
    応に伴う放熱が制御されることを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれか1項に記載のケミカルヒートポンプドラ
    イヤ。
  5. 【請求項5】前記高温側反応器に配置される前記生石灰
    の平均粒径が0.1〜5mmであることを特徴とする請
    求項4に記載のケミカルヒートポンプドライヤ。
  6. 【請求項6】前記ドライヤの循環空気の供給側配管に前
    記循環空気の温度を測定する温度センサが設けられ、前
    記第1及び第2のケミカルヒートポンプにそれぞれ振り
    分けられる循環空気の量比を前記循環空気の温度に応じ
    て制御する調整弁機構が設けられていることを特徴とす
    る請求項3乃至5のいずれか1項に記載のケミカルヒー
    トポンプドライヤ。
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