JP2022068973A - ヒートポンプ給湯システム - Google Patents
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Abstract
【課題】上水を節約しながら水分を供給することにより、吸着式の蓄熱材に蓄熱した熱を利用して給湯を行うことができるヒートポンプ給湯システムを提供すること。【解決手段】ヒートポンプ式熱源機と、ヒートポンプ式熱源機の加熱運転によって蓄熱する蓄熱部と、蓄熱部の熱を利用して加熱した湯水を給湯する給湯部と、蓄熱部の熱が不足する場合に湯水を加熱するための潜熱回収式熱交換器を有する燃焼式熱源機を備えたヒートポンプ給湯システムにおいて、蓄熱部は、水分の吸着によって発熱する吸着式の蓄熱材と、加熱運転によって蓄熱材を加熱するための蓄熱材加熱部と、蓄熱材の発熱を利用して湯水を加熱する湯水加熱部と、蓄熱材に送風する送風部と、蓄熱材に水分を供給する水分供給部を備え、潜熱回収式熱交換器とヒートポンプ式熱源機における蒸発熱交換器の何れか一方又は両方において発生した凝縮水を、水分供給部が供給する水分として使用する。【選択図】図1
Description
本発明は、ヒートポンプ式熱源機を備えたヒートポンプ給湯システムに関し、特にヒートポンプ式熱源機で発生させた熱を蓄熱部に蓄熱し、蓄熱部の熱を利用して加熱した湯水を給湯するヒートポンプ給湯システムに関する。
従来から、加熱運転効率に優れたヒートポンプ式熱源機によって加熱した湯水を貯湯槽に貯湯し、貯湯した湯水を給湯に使用するヒートポンプ給湯システムが広く利用されている。ヒートポンプ式熱源機は加熱能力が大きくないので、給湯時に貯湯槽の湯切れが発生しないように例えば400L程度の大容量の貯湯槽が使用される。それ故、貯湯槽を有する貯湯ユニットの大型化が避けられず、設置環境が制限される。そして、貯湯槽からの放熱による貯湯熱量の放熱ロスが避けられず、無駄になる熱がある。
また、貯湯槽の湯水を給湯に使用できない場合にも給湯可能なように、ヒートポンプ式熱源機と燃焼式熱源機を備えたヒートポンプ給湯システムも広く利用されている。貯湯槽の湯切れが発生しても燃焼式熱源機で加熱して給湯できるので、貯湯槽の容量を例えば100L程度に小さくして貯湯ユニットを小型化することが可能である。それでもやはり貯湯ユニットの小型化が十分ではなく、一層の小型化が要求されている。また、貯湯槽からの放熱による貯湯熱量の放熱ロスも避けられない。
そこで、例えば特許文献1のように、ヒートポンプ式熱源機を駆動して湯水よりも蓄熱密度が大きい潜熱蓄熱材に蓄熱し、蓄熱した熱を利用して加熱した湯水を給湯するヒートポンプ給湯システムが検討されている。湯水よりも蓄熱密度が大きいので蓄熱部を小型化でき、ヒートポンプ給湯システムを小型にすることができる。しかし、潜熱蓄熱材は、固液相変化における潜熱を利用するため、蓄熱材からの放熱による蓄熱量の放熱ロスが避けられない。
貯湯槽の放熱ロスを防ぐために、例えば特許文献2のように、燃焼式熱源機の高温の排気を利用して貯湯槽の周囲の温度を上昇させると共に、その排気の熱を蓄熱する潜熱蓄熱材によって貯湯槽の周囲を保温する給湯システムが知られている。しかし、貯湯槽の周囲に排気通路を形成するので、貯湯ユニットの小型化には不適当である。
一方、例えば特許文献3のように潜熱蓄熱材よりも蓄熱密度が大きい吸着式の蓄熱材を利用して蓄熱し、蓄熱した熱を利用して加熱した湯水を生成することができる冷温熱供給装置が知られている。特許文献1,2の潜熱蓄熱材よりも蓄熱密度が大きい吸着式の蓄熱材を用いることにより、一層小型のヒートポンプ給湯システムを提供することが可能である。また、吸着式の蓄熱材は吸着質として水分を吸着して発熱するので、水分を吸着していない状態では基本的に設置環境と同じ温度であり、蓄熱量の放熱ロスがない。
特許文献3の冷温熱供給装置は、吸着式の蓄熱材から放熱させる際に、空気中の水分を利用する。空気中の水分量は、天気によって変動する。それ故、家庭用の給湯システムに適用した場合に、給湯使用時に十分に水分を供給して放熱させることができず、蓄熱した熱を利用して給湯することができない虞がある。
本発明の目的は、上水を節約しながら水分を供給することにより、吸着式の蓄熱材に蓄熱した熱を利用して給湯を行うことができるヒートポンプ給湯システムを提供することである。
請求項1の発明のヒートポンプ給湯システムは、ヒートポンプ式熱源機と、前記ヒートポンプ式熱源機の加熱運転によって蓄熱する蓄熱部と、前記蓄熱部の熱を利用して加熱した湯水を給湯する給湯部と、前記蓄熱部の熱が不足する場合に湯水を加熱するための潜熱回収式熱交換器を有する燃焼式熱源機を備えたヒートポンプ給湯システムにおいて、前記蓄熱部は、水分の吸着によって発熱する吸着式の蓄熱材と、前記加熱運転によって前記蓄熱材を加熱するための蓄熱材加熱部と、前記蓄熱材の発熱を利用して湯水を加熱する湯水加熱部と、前記蓄熱材に送風する送風部と、前記蓄熱材に水分を供給する水分供給部を備え、前記潜熱回収式熱交換器と前記ヒートポンプ式熱源機における蒸発熱交換器の何れか一方又は両方において発生した凝縮水を、前記水分供給部が供給する水分として使用することを特徴としている。
上記構成によれば、ヒートポンプ式熱源機を駆動して吸着式の蓄熱材に蓄熱し、蓄熱した蓄熱材に水分を供給して発熱させ、この熱を利用して加熱した湯水を給湯する。蓄熱材に吸着させる水分は、ヒートポンプ式熱源機を駆動したときに発生する凝縮水、燃焼式熱源機で燃焼させたときに発生する凝縮水を使用する。従って、凝縮水を使用して上水を節約しながら蓄熱材に水分を供給して発熱させ、この蓄熱材の発熱を利用して加熱した湯水を給湯することができる。
請求項2の発明のヒートポンプ給湯システムは、請求項1の発明において、前記凝縮水を貯留する貯留部を備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、ヒートポンプ式熱源機を駆動したときに発生する凝縮水、燃焼式熱源機で燃焼させたときに発生する凝縮水を貯留部に貯留し、この貯留した凝縮水を蓄熱材に供給する水分として使用することができる。従って、凝縮水の発生時期と蓄熱材に水分を供給する時期が一致しなくても、蓄熱材に供給する水分として凝縮水を使用することができるので、上水を節約しながら吸着式の蓄熱材の発熱を利用して安定した給湯を行うことができる。
上記構成によれば、ヒートポンプ式熱源機を駆動したときに発生する凝縮水、燃焼式熱源機で燃焼させたときに発生する凝縮水を貯留部に貯留し、この貯留した凝縮水を蓄熱材に供給する水分として使用することができる。従って、凝縮水の発生時期と蓄熱材に水分を供給する時期が一致しなくても、蓄熱材に供給する水分として凝縮水を使用することができるので、上水を節約しながら吸着式の蓄熱材の発熱を利用して安定した給湯を行うことができる。
請求項3の発明のヒートポンプ給湯システムは、請求項1又は2の発明において、前記潜熱回収式熱交換器で発生した凝縮水は、中和手段による中和後に前記水分供給部から供給されることを特徴としている。
上記構成によれば、燃焼ガスに含まれる成分が溶け込んで強い酸性を示す潜熱回収式熱交換器で発生した凝縮水は、中和器で中和された後、蓄熱材に供給される。従って、酸性の凝縮水による例えば腐食等の不具合を防ぐことができ、ヒートポンプ給湯システムの耐久性向上に寄与する。
上記構成によれば、燃焼ガスに含まれる成分が溶け込んで強い酸性を示す潜熱回収式熱交換器で発生した凝縮水は、中和器で中和された後、蓄熱材に供給される。従って、酸性の凝縮水による例えば腐食等の不具合を防ぐことができ、ヒートポンプ給湯システムの耐久性向上に寄与する。
請求項4の発明のヒートポンプ給湯システムは、請求項2の発明において、前記凝縮水が不足する場合に前記貯留部に上水を供給するための補給通路を有することを特徴としている。
上記構成によれば、凝縮水が不足する場合には貯留部に上水を補給できる。従って、例えば乾燥した気候でも放熱運転に必要な水分が不足することがなく、蓄熱部に十分に蓄熱されているにもかかわらず蓄熱された熱を利用する給湯ができない事態を防ぐことができる。
上記構成によれば、凝縮水が不足する場合には貯留部に上水を補給できる。従って、例えば乾燥した気候でも放熱運転に必要な水分が不足することがなく、蓄熱部に十分に蓄熱されているにもかかわらず蓄熱された熱を利用する給湯ができない事態を防ぐことができる。
本発明のヒートポンプ給湯システムによれば、上水を節約しながら水分を供給することにより、吸着式の蓄熱材に蓄熱した熱を利用して給湯を行うことができる。
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
最初に、本発明の貯湯給湯システム1の構成について、図1に基づいて説明する。ヒートポンプ給湯システム1は、ヒートポンプ式熱源機10と、蓄熱部20と、給湯部30と、燃焼式熱源機40を備えている。そして、ヒートポンプ式熱源機10、蓄熱部20、給湯部30、燃焼式熱源機40の運転を制御するための制御部2を有する。
ヒートポンプ式熱源機10について説明する。
ヒートポンプ式熱源機10は、圧縮機11と凝縮熱交換器12と膨張弁13と蒸発熱交換器14を冷媒通路15により接続したヒートポンプ回路と、蒸発熱交換器14に送風するための第1送風機16を有する。制御部2は、ヒートポンプ式熱源機10のヒートポンプ回路内に充填された冷媒を循環させて行う加熱運転を制御する。
ヒートポンプ式熱源機10は、圧縮機11と凝縮熱交換器12と膨張弁13と蒸発熱交換器14を冷媒通路15により接続したヒートポンプ回路と、蒸発熱交換器14に送風するための第1送風機16を有する。制御部2は、ヒートポンプ式熱源機10のヒートポンプ回路内に充填された冷媒を循環させて行う加熱運転を制御する。
加熱運転では、圧縮機11によって圧縮されて温度が上昇した冷媒が、凝縮熱交換器12における熱交換によって加熱対象を加熱する。この熱交換によって温度が低下した冷媒は、膨張弁13で断熱膨張して外気よりも低温になる。この低温の冷媒は、蒸発熱交換器14において、第1送風機16から送風される外気との熱交換によって加熱される。加熱された冷媒は、再び圧縮機11に導入される。
蓄熱部20について説明する。
図1、図2に示すように、蓄熱部20は、複数の粒状の蓄熱材21を収容するケース22と、送風部としてケース22内の蓄熱材21に送風するための第2送風機23と、水分供給部としてケース22内の蓄熱材21に水分を供給するための散水ノズル24を有する。粒状の蓄熱材21は、水分を吸着して発熱する吸着式の蓄熱材であり、粒状なので粒同士の間に隙間があり、粒同士の隙間を第2送風機23から送風された空気が流動する。
図1、図2に示すように、蓄熱部20は、複数の粒状の蓄熱材21を収容するケース22と、送風部としてケース22内の蓄熱材21に送風するための第2送風機23と、水分供給部としてケース22内の蓄熱材21に水分を供給するための散水ノズル24を有する。粒状の蓄熱材21は、水分を吸着して発熱する吸着式の蓄熱材であり、粒状なので粒同士の間に隙間があり、粒同士の隙間を第2送風機23から送風された空気が流動する。
制御部2は、第2送風機23を駆動して、ケース22の上部の給気口22aから空気をケース22内に送る。ケース22内を流動した空気は、ケース22の下部の排気口22bから排気される。第2送風機23を駆動しないときにはケース22の空気の出入りを遮断できるように、ケース22には吸気口22aと排気口22bに例えばシャッター機構22c,22dを備え、制御部2がシャッター機構22c,22dを開閉制御するようにしてもよい。
ケース22内の上部(給気口22a側部分)には、蓄熱材加熱部としてヒートポンプ式熱源機10の凝縮熱交換器12が収容されている。ケース22内の下部(排気口22b側部分)には、湯水加熱部として蓄熱材21の発熱を利用して給湯用の上水を加熱する蓄熱出湯熱交換器31が収容されている。
給湯部30について説明する。
図1に示すように、例えば給湯栓に湯水を給湯する給湯部30は、蓄熱出湯熱交換器31と、蓄熱出湯熱交換器31に上水を供給する給水通路32と、蓄熱出湯熱交換器31で加熱された湯水を供給するための給湯通路33を有する。また、給水通路32の途中から分配弁34を介して分岐された給水分岐通路35を有する。この給水分岐通路35には燃焼式熱源機40が配設され、給湯通路33の途中に設けられた混合弁36を介して、給湯通路33に接続されている。
図1に示すように、例えば給湯栓に湯水を給湯する給湯部30は、蓄熱出湯熱交換器31と、蓄熱出湯熱交換器31に上水を供給する給水通路32と、蓄熱出湯熱交換器31で加熱された湯水を供給するための給湯通路33を有する。また、給水通路32の途中から分配弁34を介して分岐された給水分岐通路35を有する。この給水分岐通路35には燃焼式熱源機40が配設され、給湯通路33の途中に設けられた混合弁36を介して、給湯通路33に接続されている。
給水通路32には上水の温度を検知する給水温度センサ32aが配設されている。給湯通路33には、蓄熱出湯熱交換器31で加熱された湯水の温度を検知する出湯温度センサ33aと、給湯流量を検知する給湯流量センサ33bと、給湯温度を検知する給湯温度センサ33cが配設されている。
燃焼式熱源機40は、バーナ41で発生させた燃焼ガスの顕熱を回収して湯水を加熱する顕熱回収式熱交換器42と、顕熱が回収された燃焼ガスの潜熱を回収して上水を加熱する潜熱回収式熱交換器43を備えた熱源機である。
制御部2は、給湯流量センサ33bの流量検知によって給湯運転の制御を開始する。
給湯運転では、給湯温度センサ33cの検知温度が予め設定された給湯設定温度になるように調整して給湯する。制御部2は、蓄熱部20に蓄熱された熱を利用して給湯することができる場合には、給水温度センサ32aと出湯温度センサ33aの検知温度に基づいて混合弁36の混合比率を調整することにより、蓄熱出湯熱交換器31で加熱された湯水と燃焼させない燃焼式熱源機40を通過した上水とを混合して給湯設定温度に調整して給湯する。
給湯運転では、給湯温度センサ33cの検知温度が予め設定された給湯設定温度になるように調整して給湯する。制御部2は、蓄熱部20に蓄熱された熱を利用して給湯することができる場合には、給水温度センサ32aと出湯温度センサ33aの検知温度に基づいて混合弁36の混合比率を調整することにより、蓄熱出湯熱交換器31で加熱された湯水と燃焼させない燃焼式熱源機40を通過した上水とを混合して給湯設定温度に調整して給湯する。
一方、蓄熱部20の蓄熱された熱を利用して給湯することができない場合には、制御部2は給水温度センサ32aの検知温度に基づいて、燃焼式熱源機40で上水を予め設定された給湯設定温度に加熱できるように加熱能力を調整して給湯する。このとき、潜熱回収式熱交換器43では、燃焼ガスに含まれる水分が上水との熱交換によって凝縮して凝縮水が発生する。この凝縮水は、燃焼ガスの成分が溶け込んで強い酸性になっているので、中和手段として中和剤を有する中和器44に導入される。中和器44で中和された凝縮水は、貯留部45に貯留される。
貯留部45には、貯留された凝縮水を散水ノズル24に供給する凝縮水供給通路46が接続されている。凝縮水供給通路46には開閉電磁弁47が配設され、制御部2は蓄熱材21に水分を供給する場合に開閉電磁弁47を開く。また、貯留部45には、開閉電磁弁48が配設された補給通路49が接続されている。補給通路49は、貯留部45の凝縮水が不足する場合に、開閉電磁弁48を開いて給水通路32から貯留部45に上水を補給可能なように給水通路32から分岐されている。
貯留部45には、ヒートポンプ式熱源機10の蒸発熱交換器14から延びる凝縮水貯留通路18が接続されている。凝縮水貯留通路18は、ポンプ17を備えている。加熱運転中のヒートポンプ式熱源機10の蒸発熱交換器14において、低温の冷媒との熱交換により外気に含まれる水分が凝縮して凝縮水が発生する。蒸発熱交換器14から落下した凝縮水は、ポンプ17の駆動によって凝縮水貯留通路18を介して貯留部45に貯留される。凝縮水が蒸発熱交換器14に霜として付着する場合には、ヒートポンプ式熱源機10の除霜運転により融けて落下し、貯留部45に貯留される。
次に、蓄熱部20の蓄熱運転、放熱運転について説明する。
図3に示すように、蓄熱運転では、制御部2はシャッター機構22c,22dを開いて第2送風機23を駆動すると共に、ヒートポンプ式熱源機10の加熱運転により矢印Rhで示すように凝縮熱交換器12に高温の冷媒を供給する。凝縮熱交換器12において、加熱対象として矢印Adで示す第2送風機23から送風された空気が高温の冷媒との熱交換によって加熱され、排気口22bに向かって流動する。
図3に示すように、蓄熱運転では、制御部2はシャッター機構22c,22dを開いて第2送風機23を駆動すると共に、ヒートポンプ式熱源機10の加熱運転により矢印Rhで示すように凝縮熱交換器12に高温の冷媒を供給する。凝縮熱交換器12において、加熱対象として矢印Adで示す第2送風機23から送風された空気が高温の冷媒との熱交換によって加熱され、排気口22bに向かって流動する。
このとき、加熱された空気によって蓄熱材21が加熱され、蓄熱材21に吸着されている水分が蒸発(脱離)して、矢印Awで示すように空気と共に排気口22bからケース22の外に排気されるので、蓄熱材21を乾燥させることができる。尚、蓄熱材21は、接触している凝縮熱交換器12や蓄熱材21との熱伝導によっても加熱され、乾燥される。乾燥された蓄熱材21は、水分を吸着して発熱することができる蓄熱された状態である。
凝縮熱交換器12で熱交換により温度が下がった冷媒は、矢印Rcで示すように蓄熱部20からヒートポンプ式熱源機10の膨張弁13に導入される。蓄熱部20に蓄熱完了後、図2のようにシャッター機構22c,22dを閉じてケース22の空気の出入りを遮断することにより、ケース22内の蓄熱材21が外気に含まれる水分を吸着することを防止して放熱ロスを防ぐ。
図4に示すように、放熱運転では、制御部2はシャッター機構22c,22dを開いて第2送風機23を駆動すると共に、矢印Sで示すように貯留部45から散水ノズル24に凝縮水を供給し、散水ノズル24から凝縮水を散布する。散布された凝縮水は、第2送風機23から送風された矢印Ahで示す空気と共に蓄熱材21の隙間を通って流動する間に、蓄熱材21に水分として吸着される。また、散布された凝縮水の一部は、水滴として蓄熱材21の表面に沿って流下して、蓄熱材21に吸着される。水分を吸着した蓄熱材21は発熱する。発熱した蓄熱材21の隙間を流動する空気は加熱され、蓄熱材21は放熱することになる。
このとき、蓄熱出湯熱交換器31には矢印Wcで示すように給水通路32から上水が供給され、蓄熱出湯熱交換器31において蓄熱材21の隙間を通って加熱された空気との熱交換によって上水が加熱される。蓄熱出湯熱交換器31が接触している発熱した蓄熱材21からの熱伝導によっても上水が加熱される。蓄熱出湯熱交換器31で加熱された湯水は、矢印Whで示すように給湯通路33に供給される。蓄熱出湯熱交換器31で熱交換により温度が下がった空気は、矢印Acで示すように排気口22bからケース22の外に排気される。
上記実施例のヒートポンプ給湯システム1の作用、効果について説明する。
ヒートポンプ給湯システム1は、ヒートポンプ式熱源機10の加熱運転によって蓄熱部20の吸着式の蓄熱材21に蓄熱し、蓄熱した蓄熱材21に水分を供給して発熱させ、この発熱を利用して加熱した湯水を給湯する。蓄熱材21に吸着させる水分は、ヒートポンプ式熱源機10の加熱運転で発生する凝縮水と燃焼式熱源機40で燃焼させたときに潜熱回収式熱交換器43で発生する凝縮水の何れか一方又は両方を使用する。従って、凝縮水を使用して上水を節約しながら蓄熱材21に水分を吸着させて発熱させ、この蓄熱材21の発熱を利用して加熱した湯水を給湯することができる。
ヒートポンプ給湯システム1は、ヒートポンプ式熱源機10の加熱運転によって蓄熱部20の吸着式の蓄熱材21に蓄熱し、蓄熱した蓄熱材21に水分を供給して発熱させ、この発熱を利用して加熱した湯水を給湯する。蓄熱材21に吸着させる水分は、ヒートポンプ式熱源機10の加熱運転で発生する凝縮水と燃焼式熱源機40で燃焼させたときに潜熱回収式熱交換器43で発生する凝縮水の何れか一方又は両方を使用する。従って、凝縮水を使用して上水を節約しながら蓄熱材21に水分を吸着させて発熱させ、この蓄熱材21の発熱を利用して加熱した湯水を給湯することができる。
また、ヒートポンプ式熱源機10を駆動したときに発生する凝縮水、燃焼式熱源機40で燃焼させたときに発生する凝縮水を貯留部45に貯留しておき、この貯留部45に貯留した凝縮水を蓄熱材21に供給する水分として使用する。従って、凝縮水の発生時期と蓄熱材21に水分を供給する時期が一致しなくても、蓄熱材21に供給する水分として凝縮水を使用することができる。
潜熱回収式熱交換器43で発生する凝縮水は、燃焼ガスに含まれる成分が溶け込んで強い酸性を示す。この酸性の凝縮水は中和器44で中和された後に蓄熱材21に供給する水分として供給されるので、酸性の凝縮水による例えば腐食等の不具合を防ぐことができ、ヒートポンプ給湯システム1の耐久性向上に寄与する。
例えば乾燥した天気により蓄熱運転で発生する凝縮水が少なくなって、凝縮水が不足する場合には貯留部45に上水を補給できるので、蓄熱部20に十分に蓄熱されているにもかかわらず放熱運転に必要な水分が不足して、蓄熱された熱を利用する給湯ができない事態を防ぐことができる。
図5に示すように、蓄熱部20から供給される湯水を加熱して給湯可能なように、給湯部30における燃焼式熱源機40を混合弁36よりも下流側の給湯通路33に配設したヒートポンプ給湯システム1Aを構成することもできる。蓄熱部20の熱で給湯できる場合には、蓄熱出湯熱交換器31で加熱された湯水に給水分岐通路35からの上水を混合して温度調整した湯水を、燃焼させない燃焼式熱源機40を介して給湯する。蓄熱部20の熱が不足している場合でも、蓄熱部20の熱を予熱として利用して燃焼式熱源機40で加熱し、蓄熱された熱を活用することができる。蓄熱部20の熱を給湯に利用できない場合には、給水分岐通路35から供給される上水を燃焼式熱源機40で給湯設定温度に加熱して給湯することができる。
その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、上記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含するものである。
1,1A :ヒートポンプ給湯システム
2 :制御部
10 :ヒートポンプ式熱源機
11 :圧縮機
12 :凝縮熱交換器(蓄熱材加熱部)
13 :膨張弁
14 :蒸発熱交換器
15 :冷媒通路
16 :第1送風機
17 :ポンプ
18 :凝縮水貯留通路
20 :蓄熱部
21 :蓄熱材
22 :ケース
22a :給気口
22b :排気口
22c,22d :シャッター機構
23 :第2送風機(送風部)
24 :散水ノズル(水分供給部)
30 :給湯部
31 :蓄熱出湯熱交換器(湯水加熱部)
32 :給水通路
32a :給水温度センサ
33 :給湯通路
33a :出湯温度センサ
33b :給湯流量センサ
33c :給湯温度センサ
34 :分配弁
35 :給水分岐通路
36 :混合弁
40 :燃焼式熱源機
41 :バーナ
42 :顕熱回収式熱交換器
43 :潜熱回収式熱交換器
44 :中和器(中和手段)
45 :貯留部
46 :凝縮水供給通路
47,48 :開閉電磁弁
49 :補給通路
2 :制御部
10 :ヒートポンプ式熱源機
11 :圧縮機
12 :凝縮熱交換器(蓄熱材加熱部)
13 :膨張弁
14 :蒸発熱交換器
15 :冷媒通路
16 :第1送風機
17 :ポンプ
18 :凝縮水貯留通路
20 :蓄熱部
21 :蓄熱材
22 :ケース
22a :給気口
22b :排気口
22c,22d :シャッター機構
23 :第2送風機(送風部)
24 :散水ノズル(水分供給部)
30 :給湯部
31 :蓄熱出湯熱交換器(湯水加熱部)
32 :給水通路
32a :給水温度センサ
33 :給湯通路
33a :出湯温度センサ
33b :給湯流量センサ
33c :給湯温度センサ
34 :分配弁
35 :給水分岐通路
36 :混合弁
40 :燃焼式熱源機
41 :バーナ
42 :顕熱回収式熱交換器
43 :潜熱回収式熱交換器
44 :中和器(中和手段)
45 :貯留部
46 :凝縮水供給通路
47,48 :開閉電磁弁
49 :補給通路
Claims (4)
- ヒートポンプ式熱源機と、前記ヒートポンプ式熱源機の加熱運転によって蓄熱する蓄熱部と、前記蓄熱部の熱を利用して加熱した湯水を給湯する給湯部と、前記蓄熱部の熱が不足する場合に湯水を加熱するための潜熱回収式熱交換器を有する燃焼式熱源機を備えたヒートポンプ給湯システムにおいて、
前記蓄熱部は、水分の吸着によって発熱する吸着式の蓄熱材と、前記加熱運転によって前記蓄熱材を加熱するための蓄熱材加熱部と、前記蓄熱材の発熱を利用して湯水を加熱する湯水加熱部と、前記蓄熱材に送風する送風部と、前記蓄熱材に水分を供給する水分供給部を備え、
前記潜熱回収式熱交換器と前記ヒートポンプ式熱源機における蒸発熱交換器の何れか一方又は両方において発生した凝縮水を、前記水分供給部が供給する水分として使用することを特徴とするヒートポンプ給湯システム。 - 前記凝縮水を貯留する貯留部を備えたことを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ給湯システム。
- 前記潜熱回収式熱交換器で発生した凝縮水は、中和手段による中和後に前記水分供給部から供給されることを特徴とする請求項1又は2に記載のヒートポンプ給湯システム。
- 前記凝縮水が不足する場合に前記貯留部に上水を供給するための補給通路を有することを特徴とする請求項2に記載のヒートポンプ給湯システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020177840A JP2022068973A (ja) | 2020-10-23 | 2020-10-23 | ヒートポンプ給湯システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020177840A JP2022068973A (ja) | 2020-10-23 | 2020-10-23 | ヒートポンプ給湯システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2022068973A true JP2022068973A (ja) | 2022-05-11 |
Family
ID=81521812
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2020177840A Pending JP2022068973A (ja) | 2020-10-23 | 2020-10-23 | ヒートポンプ給湯システム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2022068973A (ja) |
-
2020
- 2020-10-23 JP JP2020177840A patent/JP2022068973A/ja active Pending
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