JP2011052911A - 蓄熱システムおよびその運転方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高効率であり、かつ、蓄熱量の多い蓄熱システムを提供する。
【解決手段】
蓄熱材を収容する反応容器201と、蓄熱材を加熱する熱交換器202と、反応容器201の上方に配置され、蓄熱材から脱離した水蒸気を凝縮させる凝縮器203とを、蓄熱容器2c内に備え、熱交換器202は第1の熱媒経路を含んでおり、第1の熱媒経路は、反応容器201の対向する側面S1、S2の何れか一方から他方に向かって延びる複数の第1主経路Ah〜Dhを含み、凝縮器203は第2の熱媒経路を含んでおり、第2の熱媒経路は反応容器201の対向する側面S1、S2の何れか一方から他方に向かって延びる複数の第2主経路Ac〜Dcを含み、第1主経路Ah〜Dhのうち少なくとも1つの第1主経路を流れる熱媒の流れは、第2主経路Ac〜Dcのうち少なくとも1つの第1主経路に最も近接する第2主経路を流れる熱媒の流れと対向している。
【選択図】図2
【解決手段】
蓄熱材を収容する反応容器201と、蓄熱材を加熱する熱交換器202と、反応容器201の上方に配置され、蓄熱材から脱離した水蒸気を凝縮させる凝縮器203とを、蓄熱容器2c内に備え、熱交換器202は第1の熱媒経路を含んでおり、第1の熱媒経路は、反応容器201の対向する側面S1、S2の何れか一方から他方に向かって延びる複数の第1主経路Ah〜Dhを含み、凝縮器203は第2の熱媒経路を含んでおり、第2の熱媒経路は反応容器201の対向する側面S1、S2の何れか一方から他方に向かって延びる複数の第2主経路Ac〜Dcを含み、第1主経路Ah〜Dhのうち少なくとも1つの第1主経路を流れる熱媒の流れは、第2主経路Ac〜Dcのうち少なくとも1つの第1主経路に最も近接する第2主経路を流れる熱媒の流れと対向している。
【選択図】図2
Description
本発明は、蓄熱システムおよびその運転方法に関する。
熱エネルギーを蓄える蓄熱技術は、従来から省エネルギー技術として有効である。また、近年、CO2ヒートポンプや燃料電池コージェネレーションシステム(以下、「燃料電池コージェネ」)を利用した給湯機器が注目されているが、これらの機器を小型化し、設置性の向上を図るために、高密度蓄熱技術の開発が待望されている。
従来からの蓄熱技術を大別すると、顕熱蓄熱、潜熱蓄熱および化学蓄熱に分類される。
これらの中で顕熱蓄熱および潜熱蓄熱によると、実用上熱交換損失等の損失が発生するものの、放熱過程において新たな熱エネルギーを投入する必要がないので、理論的には、蓄熱時に入力した熱量と同等の熱量を必要時に取り出すことができる。
これらの中で顕熱蓄熱および潜熱蓄熱によると、実用上熱交換損失等の損失が発生するものの、放熱過程において新たな熱エネルギーを投入する必要がないので、理論的には、蓄熱時に入力した熱量と同等の熱量を必要時に取り出すことができる。
顕熱蓄熱や潜熱蓄熱では、蓄熱性能が蓄熱材料の物性である比熱と相変化熱に依存し、潜熱蓄熱材としての蓄熱可能な熱量は、顕熱と相変化熱との和となる。しかし、蓄熱材料の相変化熱は一般的に低い温度域では高い温度域に比べて小さいため、低い温度域では相対的に蓄熱密度が低くなる。また、潜熱蓄熱では、利用する熱源の温度に応じて相変化温度の範囲が決まり、そのような相変化温度を有する潜熱材料が選択される。例えば、給湯機器における貯湯槽に用いられる潜熱蓄熱材料としては、80〜110℃付近の熱を蓄熱するために、例えば非特許文献1に記載された水和物や無機物を用いることができる。また、特許文献1には、そのような温度域において潜熱蓄熱材料として使用可能な混合物系の相変化物質が提示されている。
一方、化学蓄熱は可逆的な化学反応による反応熱を利用する蓄熱技術である。化学蓄熱には、利用する化学反応により、吸着系、水素吸蔵合金系、有機反応系、無機反応系などがある。従来の化学蓄熱は、上記のいずれの化学反応を利用する場合でも、気液反応もしくは気固反応を利用しており、気体の形態のまま貯蔵すると貯蔵気体の容積が極めて大きいために蓄熱密度がかなり低くなる。このため、蓄熱時に生成する気体を凝縮もしくは金属水素化物のような固体化合物に変換して容積の縮小を図るが、これによって生じる熱(生成熱)を外気に逃がしている。このため、熱を利用する時、すなわち放熱過程では、液体もしくは固体化合物から気体を生じさせて蓄熱時とは逆の反応を起すために、外部から新たな熱エネルギーを投入する必要がある。従って、従来の化学蓄熱システムを用いると、蓄熱できる熱エネルギーは、原理的に、蓄熱過程で蓄熱された熱エネルギーから放熱過程で反応のために必要とされる熱エネルギー(熱損失)を差し引いた値になる。
特許文献2には、固体の無機無水物と水蒸気とが反応して固体の水和物が生成される反応を利用した化学蓄熱システムが開示されている。
図15は、特許文献2に開示された化学蓄熱システムの構成を示す図である。このシステムでは、水和物(蓄熱材)を加熱するためにヒートポンプ709を用いている。また、気体の水蒸気の凝縮によって生じる生成熱(凝縮熱)を蓄熱の熱源であるヒートポンプ709に回収することが開示されている。しかしながら、このシステムは、蓄熱材の脱水および水和反応を行う反応容器701、蓄熱材から脱離した水蒸気を凝縮させる凝縮容器703、これらの容器を連結する連通管705、および連通管に設けられた接続バルブ707などによって構成されるので、大型であり、かつ、その構成が複雑になるという欠点があった。
これに対し、特許文献3は、1つの密閉容器内に、蓄熱材の反応容器と、凝縮器/蒸発器とを一体的に配置することを提案している。
図16(a)および(b)は、それぞれ、特許文献3に開示されたケミカルヒートポンプの上面図および断面図である。このケミカルヒートポンプでは、図16に示すように、反応容器60、複数の凝縮部52および複数の蒸発部53が1つの蓄熱容器54に設置されている。
反応容器60には、熱媒を流通させて蓄熱材を加熱するための経路が設けられている。この経路は、図16(a)からわかるように、反応容器60の側面の端部に設けられた熱媒入口56から、反対側の端部に設けられた熱媒出口57まで、熱媒を蛇行させながら流通させるように構成されている。また、凝縮部52は、熱媒を流通させる1本の伝熱管を備えている。伝熱管は、熱媒を、反応容器60の周囲を上部から下部まで回りながら流通させるように構成されている。
蓄熱容器54内の反応容器60の上方にはドーム型の滴下防止カバー55が設けられている。蒸発部53は、蓄熱容器54の底面に配置されている。なお、本明細書では、「上方」および「下方」は、それぞれ、水平面に対する上方および下方を指すものとする。
図16に示すケミカルヒートポンプでは、まず、熱媒入口56から蓄熱容器54に流入させた熱媒を反応容器60内で流通させ、熱媒出口57から蓄熱容器54の外部に流出させる。これにより、反応容器60の蓄熱材を加熱する。加熱によって蓄熱材から脱離した水蒸気は、滴下防止カバー55の開口部を通過して凝縮部52に移動し、凝縮される。凝縮された水(凝縮水)は、滴下防止カバー55によって、蓄熱容器54の下部に設けられた水貯留部58に誘導される。
図16に示す構成によると、反応容器と水蒸気を凝縮させる凝縮容器とを1つの容器(蓄熱容器)54内に配置するので、反応容器と凝縮容器とを別個に設ける構成(図15)と比べて、システムの複雑化および大型化を抑制できる。
なお、本明細書では、蓄熱過程および放熱過程を含む熱サイクルにおいて蓄熱できる熱エネルギー(熱量)を「蓄熱量」、蓄熱材料の単位体積(または単位重量)当たりの蓄熱量を「蓄熱密度」という。
電気学会雑誌,1981年,第101巻,15頁
しかしながら、本発明者が検討したところ、特許文献3に記載された蓄熱システム(図16)によると、蓄熱運転時に、反応容器60内の蓄熱材に温度分布が発生しやすいという問題があることがわかった。
特許文献3に記載された蓄熱システムでは、蓄熱材を加熱するための熱媒の流れ方向と、凝縮器52の伝熱管内の熱媒の流れ方向とが直交流である。このため、熱媒入口56近くの高温の熱媒によって加熱された温度の高い蓄熱材付近に、凝縮器52のうち温度の低い部分(伝熱管内の熱媒の温度が比較的低い部分)が存在する場合がある。ここで、蓄熱材の飽和水蒸気圧Psは、蓄熱材の温度に比例し、凝縮器52の表面の飽和水蒸気圧Pcは、凝縮器52の温度に比例する。したがって、飽和水蒸気圧Psの高い蓄熱材付近に、飽和水蒸気圧Pcの低い凝縮器52の表面が配置されることになり、蓄熱材の飽和水蒸気圧Psと、その蓄熱材に最も近い水蒸気凝縮器表面の飽和水蒸気圧Pcとの差ΔPが不均一になりやすい。
蓄熱材の水蒸発速度は上記の差ΔPに依存し、ΔPが大きいほど水蒸発速度が大きくなる。このため、ΔPが不均一になると、反応容器60内の蓄熱材の水蒸発速度も不均一になる。この結果、蓄熱時に、反応容器60内において、蓄熱材の濃縮が十分に進まない領域が生じ、その領域における平均水和数は、他の領域の平均水和数よりも大きくなる。ここで、「平均水和数」とは、ある領域における体積当たりの平均組成の水和数を意味する。蓄熱材が塩化カルシウムの水和物である場合、ある領域における体積当たりの平均組成がCaCl2/nH2O、すなわち(CaCl2)(H2O)nと表されるとき、nを平均水和数という。上記H2Oは塩化カルシウムと水和物を構成していているH2Oだけでなく液体として存在するH2Oをも含む。
上記のように平均水和数が反応容器60内の位置によってばらつくと、蓄熱運転時の効率が低くなるおそれがある。また、設計上の問題で、所定の平均水和数までしか濃縮できない蓄熱材を用いた場合には、反応容器1内の濃縮が十分に進まない領域では、蓄熱材を所定の平均水和数まで濃縮できない。このため、有効利用できる蓄熱量が少なくなり、蓄熱密度が低下するおそれがある。
なお、上述の「所定の平均水和数」とは、例えば水和物の脱水反応を利用した蓄熱方法において、脱水後に再び初期と同じ水和数まで水和するためには、激しく水と攪拌する必要があるような脱水後の蓄熱材の水和物の平均水和数を指す。塩化カルシウム水和物であれば、所定の平均水和数は4以下となる。平均水和数が4未満になると、蓄熱材中に塩化カルシウム2水和物や1水和物が存在する。これらの水和物は、激しく水と攪拌しなければ再水和しにくいので、放熱時に、蓄熱材の再水和によって十分な量の熱を取り出すことが困難となるからである。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、脱水反応によって蓄熱し、かつ、吸水反応(水和反応)によって放熱する蓄熱材を用いた蓄熱システムにおいて、蓄熱システムを複雑化あるいは大型化することなく、蓄熱密度を確保しつつ、蓄熱運転時の効率を高めることにある。
本発明の蓄熱システムは、蓄熱材から水を脱離することによって蓄熱し、かつ、前記脱離した水を前記蓄熱材と反応させることによって放熱する蓄熱システムであって、前記蓄熱材を収容する反応容器と、蓄熱運転時に、前記蓄熱材を加熱する熱交換器と、前記反応容器の上方に配置され、前記蓄熱材を加熱することによって前記蓄熱材から脱離した水蒸気を凝縮させて凝縮水を得る凝縮器と、前記反応容器、前記熱交換器および前記凝縮器を収容する蓄熱容器とを備え、前記熱交換器は、前記反応容器内において、前記蓄熱材を加熱するための熱媒を流通させる第1の熱媒経路を含んでおり、前記第1の熱媒経路は、前記反応容器の対向する側面の何れか一方から他方に向かって延びる複数の第1主経路を含み、前記凝縮器は、前記凝縮水を冷却するための熱媒を流通させる第2の熱媒経路を含んでおり、前記第2の熱媒経路は、前記反応容器の前記対向する側面の何れか一方から他方に向かって延びる複数の第2主経路を含み、前記複数の第1主経路のうち少なくとも1つの第1主経路を流れる熱媒の流れは、前記複数の第2主経路のうち前記少なくとも1つの第1主経路に最も近接する第2主経路を流れる熱媒の流れと対向している。
ある好ましい実施形態において、各第1主経路を流れる熱媒の流れは、前記複数の第2主経路のうち前記各第1主経路に最も近接する第2主経路を流れる熱媒の流れと対向している。
ある好ましい実施形態において、前記第1の熱媒経路は、前記第1の熱媒経路に熱媒を流入させる熱媒入口と、前記蓄熱材と熱交換した後の熱媒を前記熱媒経路から流出させる熱媒出口とを有し、前記少なくとも1つの第1主経路は、前記複数の第1主経路のうち前記熱媒入口から流入した熱媒が最初に流れる第1主経路を含む。
ある好ましい実施形態において、前記第1の熱媒経路は、全体として、前記反応容器の底部から上部に向かって熱媒を流通させるように構成されている。
前記第1主経路は、前記反応容器の底面からの高さが異なる位置に設けられた少なくとも2つの第1主経路を含んでおり、前記少なくとも2つの第1主経路のうち最も低い位置に設けられた最下段主経路を流れる熱媒の流れは、前記最下段主経路に最も近接する第2主経路を流れる熱媒の流れと対向していてもよい。
前記反応容器は上方に開放した開口を有し、前記開口を覆うように配置され、水蒸気を透過させるが、液体の水を透過させない水蒸気透過手段をさらに備えていてもよい。
圧縮機、放熱器、膨張機構、蒸発器およびこれらの間で冷媒を循環させる冷媒経路を含むヒートポンプ部と、前記蓄熱材を加熱するための前記熱交換器と、前記放熱器との間で熱媒を循環させる熱媒回路と、前記冷媒経路において、前記蒸発器と前記圧縮機との間に設けられた副熱交換器と、前記凝縮器と前記副熱交換器との間で熱媒を循環させる熱媒回路とをさらに備えていてもよい。
本発明の蓄熱システムの運転方法は、上記蓄熱システムの運転方法であって、前記蓄熱容器内に前記蓄熱材の温度を検知する蓄熱材温度検知機構をさらに備え、前記蓄熱材温度検知機構が検知した温度が上昇するにつれて、前記熱交換器の前記第1の熱媒回路を流通させる熱媒の流量を減少させる。
本発明の蓄熱システムの他の運転方法は、上記蓄熱システムの運転方法であって、前記蓄熱容器内に前記蓄熱材の温度を検知する蓄熱材温度検知機構をさらに備え、前記蓄熱材温度検知機構が検知した温度が上昇するにつれて、前記ヒートポンプ部の加熱出力を増大させることにより、前記熱交換器の前記第1の熱媒回路を流通させる熱媒の温度を高くする。
前記蓄熱材は塩化カルシウム水和物であってもよい。
本発明によれば、蓄熱運転時に、反応容器内の蓄熱材の水蒸発速度を従来よりも均一にできる。この結果、蓄熱材の脱水反応を均一に行うことができるので、蓄熱材を所望の塩濃度まで迅速に脱水させることができ、蓄熱運転時の効率を高めることができる。また、反応容器内の蓄熱材の単位体積当たりの平均水和数を均一にできるので、所定の平均水和数までしか濃縮できない蓄熱材を用いた場合においても、高い蓄熱密度を確保できる。
以下、図面を用いて本発明による実施形態の蓄熱システムの構成および動作を説明する。
本実施形態では、蓄熱材として、脱水反応によって蓄熱し、吸水反応によって放熱する蓄熱材を用いる。本実施形態で使用する蓄熱材としては、塩化カルシウム、臭化カルシウム、硫酸マグネシウムから選ばれた少なくとも1種の化合物を含む潜熱蓄熱材を用いることができる。例えば塩化カルシウムの水和物、臭化カルシウムの水和物などを用いてもよい。
(i)蓄熱システムの構成
図1は、本実施形態の蓄熱システムの概略図である。
図1は、本実施形態の蓄熱システムの概略図である。
蓄熱システム1000は、ヒートポンプ部1と、蓄熱部2と、ヒートポンプ部1によって加熱された高温の熱媒を蓄熱部2へ循環させる熱媒循環部3と、蓄熱部2で回収した水蒸気凝縮熱をヒートポンプ部1に搬送するための熱媒循環部4と、市水を蓄熱部2へ供給し、温水を取り出すための熱媒供給部5とを備えている。
ヒートポンプ部1は、圧縮機101と、熱交換器102と、膨張機構103と、蒸発器104と、副熱交換器105と、それらの間で冷媒10を循環させる冷媒回路106とを有している。
蓄熱部2は、蓄熱材を収容する反応容器201と、蓄熱運転時に蓄熱材を加熱するための熱交換器202と、蓄熱材を加熱することによって蓄熱材から脱離した水蒸気を凝縮させる凝縮器203とを有している。反応容器201、熱交換器202および凝縮器203は、同一の容器(「蓄熱容器」と呼ぶ。)2c内に収容されている。反応容器201は上方に開放した開口を有し、開口を覆うように水蒸気透過膜220が配置されている。凝縮部203は、反応容器201の上方に配置されている。また、本実施形態では、蓄熱容器2cの底部には、凝縮した水を貯蔵する凝縮水貯蔵部205が設けられている。この場合、凝縮した水が凝縮水貯蔵部205から反応容器201へ逆流することを防止するために、凝縮水貯蔵部205と反応容器201との間に凝縮水用バルブ204を設けることが好ましい。
熱媒循環部3は、熱媒経路304と、熱媒搬送ポンプ301と、三方弁302、303とを有している。熱媒経路304は、ヒートポンプ部1の熱交換器102と、反応容器201内の熱交換器202との間で熱媒30を循環させるように構成されている。これにより、蓄熱運転時に、ヒートポンプ部1によって加熱された熱媒30によって、反応容器201内の蓄熱材を加熱できる。
熱媒循環部4は、熱媒搬送ポンプ401と、熱媒経路402とを有している。熱媒経路402は、凝縮器203とヒートポンプ部1の副熱交換器105との間で熱媒40を循環させるように構成されている。これにより、凝縮器203において、水蒸気の凝縮によって生成される凝縮熱を、副熱交換器105を介してヒートポンプ部1に回収できる。
熱媒供給部5は、流量調整弁501と、熱媒50を循環させる熱媒経路502とを有している。熱媒50は、放熱運転時に熱交換器202に送られる。
本実施形態では、熱交換器202および凝縮器203における熱媒経路(配管)は、熱交換器202における熱媒30の流れと、凝縮器203における熱媒40の流れとが対向流となるように構成されている。
(ii)熱交換器および凝縮器における熱媒経路および熱媒の流通方向
以下、図2(a)〜(c)を参照しながら、熱交換器202および凝縮器203における熱媒経路(配管)の構成を具体的に説明する。図2(a)は、蓄熱部2の鉛直方向の模式的な断面図、図2(b)は、熱交換器202の水平方向の断面図であり、図2(c)は、凝縮部203の水平方向の断面図である。
以下、図2(a)〜(c)を参照しながら、熱交換器202および凝縮器203における熱媒経路(配管)の構成を具体的に説明する。図2(a)は、蓄熱部2の鉛直方向の模式的な断面図、図2(b)は、熱交換器202の水平方向の断面図であり、図2(c)は、凝縮部203の水平方向の断面図である。
反応容器201の高さ方向をz、反応容器201の底面に平行な面において、互いに直交する方向をx、yとする。ここでは、反応容器201の断面を長方形とし、その長辺および短辺に平行な方向をx、yとしているが、反応容器201の断面形状や方向x、yは図示する例に限定されない。
図2(a)および(b)に示すように、熱交換器202は、蛇行しながらx方向に延びる熱媒経路(配管)を有している。この熱媒経路は、反応容器201における互いに対向する側面S1、S2の何れか一方から他方に向かって延びる複数の主経路Ah、Bh、Ch、Dhを含んでいる。図示する例では、熱媒経路は、直線状の4つの主経路Ah、Bh、Ch、Dhと、隣接する主経路を接続するUターン部とを含んでおり、主経路Ah、Bh、Ch、Dhは互いに平行である。本明細書では、熱交換器202における熱媒経路を「第1の熱媒経路」、第1の熱媒経路に含まれる主経路を「第1主経路」と呼ぶことがある。
第1の熱媒経路は、第1の熱媒経路に熱媒30、50を流入させる熱媒入口601と、蓄熱材と熱交換した後の熱媒30、50を第1の熱媒経路から流出させる熱媒出口603とを有している。
熱媒入口601から第1の熱媒経路に流入した熱媒30、50は、まず、主経路Ah内を−y方向に流れた後、Uターンして、配管Bh内を−y方向と反対の方向(y方向)に流れる。次いで、配管Ch内を−y方向に、配管Dh内を方向y方向に流れる。このように、熱媒30は、Uターンを繰り返しながら、y方向およびその反対方向(−y方向)に沿って交互に流れて、熱媒出口603から流出する。
一方、図2(c)に示すように、凝縮器203は、蛇行しながらx方向に延びる熱媒経路(配管)を有している。この熱媒経路は、反応容器201における互いに対向する側面S1、S2の何れか一方から他方に向かって延びる複数の主経路Ac、Bc、Cc、Dcを含んでいる。図示する例では、熱媒経路は、直線状の4つの主経路Ac、Bc、Cc、Dcと、隣接する主経路を接続するUターン部とを含んでおり、主経路Ac、Bc、Cc、Dcは互いに平行である。また、蓄熱部2の上方から見て、これらの主経路Ac、Bc、Cc、Dcは、それぞれ、熱交換器202の主経路Ah、Bh、Ch、Dhと略重なるように配置されている。本明細書では、凝縮器203における熱媒経路を「第2の熱媒経路」、第2の熱媒経路に含まれる主経路を「第2主経路」と呼ぶことがある。
第2の熱媒経路は、第2の熱媒経路に熱媒40を流入させる熱媒入口605と、第2の熱媒経路から流出させる熱媒出口607とを有している。
熱媒入口605から第2の熱媒経路に流入した熱媒40は、まず、主経路Ac内をy方向に流れた後、Uターンして、配管Bc内をy方向と反対の方向(−y方向)に流れる。次いで、配管Cc内をy方向に、配管Dc内を方向―y方向に流れる。このように、熱媒40は、Uターンを繰り返しながら、y方向およびその反対方向(−y方向)に沿って交互に流れて、熱媒出口607から流出する。
このように、本実施形態では、蓄熱運転時において、熱交換器202の各主経路Ah〜Dh内の熱媒30の流れと、その主経路に最も近接する凝縮器203の主経路Ac〜Dc内の熱媒40の流れとが対向している。例えば主経路Ahを流れる熱媒30の流れと、主経路Ahの鉛直上方に位置し、主経路Ahに最も近い主経路Acを流れる熱媒40の流れとは対向している。なお、熱媒50は放熱運転時に熱交換器202を流通するので、蓄熱運転時に凝縮部203を流通する熱媒40と対向しない。
本実施形態の蓄熱システムによると、熱交換器202内の各主経路内の熱媒30の流れと、その主経路に最も近接する熱媒40の流れとを対向させるので、より高い温度の熱媒30によって加熱された蓄熱材の近傍に、凝縮器203の表面のうち温度のより高くなる部分が存在する。すなわち、蓄熱材の飽和水蒸気圧(蓄熱材飽和水蒸気圧)Psの高い蓄熱材の近傍に位置する凝縮器203の表面では、飽和水蒸気圧Pcが高くなる。同様に、蓄熱材飽和水蒸気圧Psの低い蓄熱材の近傍に位置する凝縮器203の表面では、飽和水蒸気圧Pcが低くなる。このため、蓄熱材飽和水蒸気圧Psとその蓄熱材に最も近い凝縮器203の表面の飽和水蒸気圧Pcとの差ΔPが均一になりやすい。前述したように、蓄熱材の脱水反応の速度(「水蒸発速度」ともいう。)は、蓄熱材の飽和水蒸気圧Psと、その蓄熱材に最も近接する凝縮器203の表面の水の飽和水蒸気圧Pcの差ΔPに比例する。したがって、反応容器201内の蓄熱材のΔPがより均一になれば、反応容器201内の蓄熱材の水蒸発速度がより均一になるので、蓄熱材の単位体積当たりの平均水和数もより均一になる。よって、設計上の問題で、所定の平均水和数までしか濃縮できない蓄熱材を用いた場合でも、反応容器201内の蓄熱材を、その位置にかかわらず、所定の水和数まで濃縮できるので、蓄熱システムの装置構成を複雑、大型化することなく、蓄熱密度の大きな蓄熱システムを提供することができる。
なお、少なくとも1つの第1主経路内の熱媒30の流れが、その第1主経路に最も近接する第2主経路内の熱媒40の流れと対向していれば、本願発明の上記効果が得られる。ただし、図2に示す例のように、全ての第1主経路内の熱媒30の流れが、それぞれ、最も近接する第2主経路内の熱媒40の流れと対向していることが好ましい。これにより、反応容器201内の蓄熱材の水蒸発速度をより効果的に均一にできる。
また、図2に示す構成では、第1および第2の熱媒経路のうち主経路以外の部分(例えばUターン部)を流れる熱媒30、40の流れは対向流ではないが、主経路以外の部分を流れる熱媒30、40の流れも対向流であってもよい。これにより、蓄熱材の水蒸発速度をさらに効果的に均一にできる。
図3(a)は、本実施形態における他の蓄熱容器2c’の鉛直方向の断面図であり、図3(b)および(c)は、それぞれ、他の蓄熱容器2c’における熱交換器202および凝縮器203の水平方向の断面図である。簡単のため、図2と同様の構成要素には同じ参照符号を付し、説明を省略する。
図3に示す蓄熱容器2c’では、蓄熱容器2c’の上方から見て、熱媒30の経路(第1の熱媒経路)と熱媒40の経路(第2の熱媒経路)とが略同一の形状を有し、重なり合っている。また、第1の熱媒経路の熱媒入口601の鉛直上方に、第2の熱媒経路の熱媒出口607が位置し、第1の熱媒経路の熱媒出口603の鉛直上方に第2の熱媒経路の熱媒入口605が位置している。このため、熱媒30の流れおよび熱媒40の流れは、これらの熱媒経路全体に亘って対向流となる。
この構成によると、熱媒入口601近傍の最も高温となる蓄熱材と、凝縮器203の表面のうち熱媒出口607近傍の最も高温となる部分とが近接し、熱媒出口603近傍の最も低温となる蓄熱材と、凝縮器203の表面のうち熱媒入口605近傍の最も低温となる部分とが近接する。このため、反応容器201内の蓄熱材全体のΔPをより効果的に均一にできるので、蓄熱運転の効率をさらに高めることが可能になる。
本実施形態における第1および第2の熱媒経路の構成は、図2および図3に示す構成に限定されない。熱媒経路の平面形状、熱媒入口や熱媒出口の位置、主経路の数などは適宜選択され得る。各熱媒経路には、複数個の熱媒入口や熱媒出口が設けられていてもよい。また、各熱媒経路における主経路は、側面S1、S2の一方から他方に向かって延びていればよく、例えば曲線状であってもよいし、屈曲部を有していてもよい。各熱媒経路における複数の主経路は互いに平行でなくてもよい。さらに、本実施形態では、各熱媒経路は、蛇行しながら一方向に延びる形状を有しているが、螺旋状などの他の形状を有していてもよい。
熱交換器202の第1の熱媒経路は、全体として、反応容器の底部から上部に向かって熱媒を流通させるように構成されていてもよい。これにより、底部の蓄熱材をより高温の熱媒で加熱できるので、鉛直方向における蓄熱材の温度分布を低減できる。例えば、後述する実施形態のように、第1の熱媒経路は、反応容器201内において、熱媒30を水平方向に流通させた後、その上方をさらに流通させるように構成されていてもよい。その場合には、熱媒入口601から流入した最も高温の熱媒30が最初に通過する第1主経路内の熱媒30の流れと、その主経路に最も近接する熱媒40の流れとが対向流であればよい。または、第1主経路のうち最も低い位置に設けられた主経路(最下段主経路)を流れる熱媒30の流れが、最下段主経路に最も近接する第2主経路を流れる熱媒40の流れと対向していればよい。これにより、ΔPの分布を低減でき、蓄熱材の水蒸発速度をより均一にできる効果が得られる。
(iii)蓄熱システム1000の動作
・蓄熱運転時
次に、再び図1および図2を参照しながら、蓄熱システムの動作を簡単に説明する。
・蓄熱運転時
次に、再び図1および図2を参照しながら、蓄熱システムの動作を簡単に説明する。
蓄熱運転時には、ヒートポンプ部1を運転し、熱交換器102において熱媒30を加熱する。加熱された熱媒30は、三方弁302を通り、反応容器201内に設置された熱交換器202で蓄熱材に放熱した後、三方弁303、熱媒搬送ポンプ301を通過し、再び熱交換器102に流入して、ヒートポンプ部1により加熱される。これにより、蓄熱材から水が蒸発する(脱水反応)。蒸発した水(水蒸気)は、水蒸気透過膜220を通過し、凝縮器203で凝縮熱を熱媒40に放熱して、凝縮水となる。この凝縮水は、凝縮水バルブ204を通って、凝縮水貯蔵部205に貯蔵される。
一方、凝縮器203を通過した熱媒40は、熱媒搬送ポンプ401により搬送され、ヒートポンプ部1の副熱交換器105において、圧縮機に吸入される前の低温冷媒に放熱する。この後、温度が下がった状態で再び蓄熱部2の凝縮器203に流入する。
蓄熱材が加熱されて水の蒸発が進むにつれて蓄熱材の水和数は減少し、所定量の水和数に到達した時点または所定時間が経過した時点で、熱媒搬送ポンプ301およびヒートポンプ部1の運転を停止し、蓄熱運転を終了する。同時に、凝縮水バルブ204を閉じる。
本実施形態によると、蓄熱運転時の蓄熱材の水蒸発速度を従来よりも均一にできる。以下、その理由を説明する。
前述したように、蓄熱材飽和水蒸気圧Psは蓄熱材の温度が高いほど高くなり、飽和水蒸気圧Pcは凝縮器203の表面温度が高いほど高くなる。
熱媒30は、熱交換器202において、蓄熱材に放熱するため、その温度は徐々に低下する。すなわち、熱媒30の温度は、熱媒入口601から熱媒出口603に向かうにつれて低くなる。このため、蓄熱材の温度も、熱媒30の温度に応じた分布を有する。また、凝縮器203に流入した熱媒40は、凝縮水から凝縮熱を受け取るため、その温度は徐々に上昇する。このため、凝縮器203の熱媒入口605から熱媒出口607に向かうにつれて、凝縮器203の表面温度は高くなる。
本実施形態では、図2を参照しながら前述したように、熱交換器202の主経路Ah内の熱媒30の流れと、凝縮器203の主経路Ac〜Dcのうち主経路Ahに最も近い主経路Ac内の熱媒40の流れとは対向流になっている。したがって、熱交換器202の主経路Ahの近傍に位置する蓄熱材の温度と、凝縮器203の主経路Acの表面温度とは、何れも、反応容器201の側面S1から側面S2に向かうにつれて徐々に高くなる。同様に、主経路Bh、Ch、Dh内の熱媒30の流れは、それぞれ、主経路Bc,Cc、Dc内の熱媒40の流れと対向流になっており、主経路Bh〜Dh上に位置する蓄熱材の温度は、それぞれ、凝縮器203の主経路Bc〜Dcの表面温度と同様の温度勾配を有する。
このため、蓄熱材飽和水蒸気圧Psと凝縮器203の表面の水の飽和水蒸気圧Pcの差ΔPは、蓄熱材の位置にかかわらず、より均一になる。この結果、蓄熱材からの水蒸発速度もより均一となり、蓄熱材の平均水和数を所定の値まで効率よく濃縮することができる。したがって、蓄熱運転時の効率を高めることができる。このように、本実施形態によると、熱媒30の流れと熱媒40の流れとを対向流とすることによって、蓄熱システムを大型化あるいは複雑化することなく、効率や蓄熱量を高めることができる。
・放熱運転時
一方、放熱運転時には、まず、凝縮水貯蔵部205に保持されていた水を、反応容器201内の蓄熱材に混合する。蓄熱材と水との混合は、蓄熱材上方から水を散布することによって行ってもよいし、反応容器201内に水供給配管を設置して、そこから水を注入することによって行ってもよい。
一方、放熱運転時には、まず、凝縮水貯蔵部205に保持されていた水を、反応容器201内の蓄熱材に混合する。蓄熱材と水との混合は、蓄熱材上方から水を散布することによって行ってもよいし、反応容器201内に水供給配管を設置して、そこから水を注入することによって行ってもよい。
次に、熱媒50が熱媒体流路5を流れるように、三方弁302および303の流れ方向を切り替えて、熱媒50を熱交換器202内に通過させる。熱交換器202において、蓄熱材からの放熱によって熱媒50を加熱する。加熱された熱媒50は三方弁303を通過して熱需要に供給される。このとき、必要に応じて、流量調整弁501を通過した熱媒50と混合されて、暖房温度などの所定温度に調整された後に熱需要に供給されてもよい。熱媒50は、ポンプなどの搬送手段を用いて搬送されてもよいし、供給側圧力によって搬送されてもよい。
なお、本実施形態では、凝縮水貯蔵部205に保持した水を蓄熱材に混合してから、熱交換器202内に熱媒50を通過させたが、先に熱交換器202内に熱媒50を通過させてから、凝縮水貯蔵部205に保持した水を蓄熱材に混合してもよい。
(iv)蓄熱システムの他の構成
図1に示す蓄熱システム1000は、蓄熱容器2c(または図3に示す蓄熱容器2c’)を1個のみ備えているが、本実施形態の蓄熱システムは、複数の蓄熱容器を備えていてもよい。複数の蓄熱容器は、鉛直方向に積層されていてもよいし、水平方向に配列されていてもよい。
図1に示す蓄熱システム1000は、蓄熱容器2c(または図3に示す蓄熱容器2c’)を1個のみ備えているが、本実施形態の蓄熱システムは、複数の蓄熱容器を備えていてもよい。複数の蓄熱容器は、鉛直方向に積層されていてもよいし、水平方向に配列されていてもよい。
複数の蓄熱容器を用いる場合には、各蓄熱容器は、図3に示す構成よりも、図2に示す構成を有することが好ましい。以下、図面を参照しながら、その理由を説明する。以下の図面でも、図1〜図3と同様の構成要素には同じ参照符号を付し、説明を省略する。
図4(a)および(b)は、図3に示す蓄熱容器2c’が鉛直方向にn個積層された構造を説明するための模式的な側面図であり、n個の蓄熱容器2c’(1)〜2c’(n)のうち3個の蓄熱容器2c’(N-1)、2c’(N)、2c’(N+1)のみを示している。図4(a)は蓄熱容器2c’の側面S11、図4(b)は、側面S11に対向する側面S22を示している。ここでは、側面S11、S22は、それぞれ、反応容器の側面S1、S2と同じ側の側面である。図4では、図4(c)および(d)は、それぞれ、熱交換器202および凝縮部203の水平方向の断面図である。
各蓄熱容器の熱交換器202は、最も下にある蓄熱容器2c’(1)から最も上にある蓄熱容器2c’(n)まで熱媒30を順に流通させるように、直列に接続されている。また、各蓄熱容器の凝縮器203は、最も上にある蓄熱容器2c’(n)から最も下にある蓄熱容器2c’(1)まで熱媒40を順に流通させるように、直列に接続されている。なお、蓄熱容器2c’の個数nは適宜選択される。
図4からわかるように、蓄熱容器2c’を鉛直方向に重ねようとすると、各蓄熱容器2c’に設けられる熱媒入口および熱媒出口は全て同じ側面S11に配置される。各蓄熱容器(例えば蓄熱容器2c’(N))の熱交換器202の熱媒出口603は、配管611によって、その上の蓄熱容器(蓄熱容器2c’(N+1))の熱交換器202の熱媒入口601に接続されている。同様に、各蓄熱容器(例えば蓄熱容器2c’(N))の凝縮器203の熱媒出口607は、配管612によって、その下の蓄熱容器(蓄熱容器2c’(N-1))の凝縮器203の熱媒入口605に接続される。このとき、配管611、612は全て、各蓄熱容器2c’の同じ側面S11に集中する。したがって、配管611、612による接続が困難になるおそれがある。
一方、図5(a)および(b)は、n個の蓄熱容器2c’が水平方向に配列された構造を示す模式的な側面図であり、n個の蓄熱容器2c’(1)〜2c’(n)のうち2個の蓄熱容器2c’(N)、2c’(N+1)のみを示している。図5(a)は蓄熱容器2c’の側面S11、図5(b)は、側面S11に対向する側面S22を示している。図5(a)および(b)の熱交換器202のIa−Ia’線、Ib−Ib’線に沿った断面図は、図4(c)に示す断面図と同様である。また、凝縮器203のIIa−IIa’線、IIb−IIb’線に沿った断面図は、図4(d)に示す断面図と同様である。
各蓄熱容器の熱交換器202は、蓄熱容器2c’(1)から蓄熱容器2c’(n)まで熱媒30を順に流通させるように、直列に接続されている。また、各蓄熱容器の凝縮器203は、蓄熱容器2c’(n)から蓄熱容器2c’(1)まで熱媒40を順に流通させるように、直列に接続されている。なお、蓄熱容器2c’の個数nは適宜選択される。
図5に示す構造でも、図4に示す構造と同様に、各蓄熱容器2c’に設けられる熱媒入口および熱媒出口は全て同じ側面に配置される。また、蓄熱容器2c’(N)の熱交換器202の熱媒出口は、配管611によって、隣接する蓄熱容器2c’(N+1)の熱交換器202の熱媒入口に接続されている。蓄熱容器2c’(N+1)の凝縮器203の熱媒出口は、配管612によって、蓄熱容器2c’(N)の凝縮器203の熱媒入口に接続されている。このとき、配管611、612は、各蓄熱容器2c’の同じ側の側面S11に集中するので、配管611、612による接続が困難になるおそれがある。
これに対し、図2に示す蓄熱容器2cを用いると、接続のための配管611、612を、蓄熱容器2cの対向する2つの側面S11、S22に分散して配置させることができるので、より容易に配線接続を行うことができる。
図6(a)および(b)は、蓄熱容器2cが鉛直方向に積層された構造を示す模式的な側面図であり、図6(a)は蓄熱容器2cの側面S11、図6(b)は、側面S11に対向する側面S22を示している。図6(c)は、熱交換器202のIa−Ia’線およびIc−Ic’線に沿った断面図、図6(d)は、熱交換器202のIb−Ib’線に沿った断面図である。図6(e)は、凝縮部203のIIa−IIa’線およびIIc−IIc’線に沿った断面図、図6(f)は、凝縮器203のIIb−IIb’線に沿った断面図である。簡単のため、図4と同様の構成要素には同じ参照符号を付し、説明を省略する。
図6に示す構成では、各蓄熱容器(例えば蓄熱容器2c(N))の熱交換器202の熱媒出口と、その上の蓄熱容器(蓄熱容器2c(N+1))の熱交換器202の熱媒入口とを接続する配管611は、これらの蓄熱容器の側面S11に設けられる。また、各蓄熱容器(例えば蓄熱容器2c(N))の凝縮器203の熱媒出口と、その下の蓄熱容器(蓄熱容器2c(N-1))の熱媒入口とを接続する配管612は、配管611が設けられた側面S11に対向する側面S22に設けられる。このように、接続のための配管611、612がそれぞれ異なる側面に形成されるので、図4に示す構成よりも、配管611、612による接続を容易に行うことができる。
また、図7(a)および(b)は、蓄熱容器2cが水平方向に配列された構造を示す模式的な側面図であり、図7(a)は蓄熱容器2cの側面S11、図7(b)は、側面S11に対向する側面S22を示している。図7(a)および(b)の熱交換器202のIa−Ia’線、Ib−Ib’線に沿った断面図は、図6(c)に示す断面図と同様である。また、凝縮器203のIIa−IIa’線、IIb−IIb’線に沿った断面図は、図6(e)に示す断面図と同様である。
図7に示す構成では、各蓄熱容器2c(N)の熱交換器202の熱媒出口と蓄熱容器2c(N+1)の熱交換器202の熱媒入口とを接続する配管611は、各蓄熱容器の側面S11に設けられている。また、蓄熱容器2c(N+1)の凝縮器203の熱媒出口と蓄熱容器2c(N)の凝縮器203の熱媒入口とを接続する配管612は、配管611が設けられた側面S11とは反対側の側面S22に設けられる。従って、配管611、612を異なる側面に分散して形成できるので、図5に示す構成よりも容易に配管611、612による接続を行うことができる。
このように、複数の蓄熱容器を備えた蓄熱システムを構成する場合には、図2に示す蓄熱容器2cを用いると、設置性に優れ、かつ、高効率な蓄熱システムを実現できるので好ましい。一方、図3に示す蓄熱容器2cを用いると、熱媒30、40を対向して流通させることによる効果が顕著となり、蓄熱運転時の効率をさらに高めることが可能になる。従って、蓄熱容器を1個のみ備えた蓄熱システムを構成する場合には、蓄熱容器2cを用いることが好ましい。
本実施形態の蓄熱システム1000の構成および動作は、上述した構成および動作に限定されない。例えば、本実施形態では、蓄熱材を加熱するための熱源としてヒートポンプを利用しているが、他の熱源を利用してもよい。また、蓄熱材から脱離した水の凝縮熱をヒートポンプ以外の回路や機器に回収することもできる。そのような場合でも、蓄熱材を加熱するための熱媒の流れと、蓄熱材から脱離した水(水蒸気)を冷却するための熱媒の流れとが対向流であれば、本願発明の効果を得ることができる。
本実施形態における反応容器201における開口の位置や形状も特に限定されない。本実施形態では、反応容器201の上面全体が開口されているが、反応容器201は、水蒸気を凝縮器203に移動させるために、上方に開放された開口を有していればよく、例えば上面の一部のみが開口されていてもよい。また、上方に開放された開口に加えて、側方に開放された開口をさらに有していてもよい。ただし、反応容器201は、その上面の略全体が開口していることが好ましい。これにより、蓄熱材から脱離した水蒸気を、より確実に、凝縮器203の表面のうち最も近接する部分で凝縮させることができるので、ΔPを均一にすることによる効果をより確実に得ることができる。
本実施形態における反応容器201の開口は、水蒸気透過膜220などの水蒸気透過機構によって覆われていることが好ましい。水蒸気透過機構は、水蒸気を透過させるが、液体の水を透過させない構造体であればよく、例えば気液分離膜を用いて構成されていてもよい。気液分離膜は、気体を通過させるが液体を通過させない膜であり、例えば中空糸や活性炭やポリテトラフルオロエチレン、または撥水性処理を施したポリビニリデンフオライド、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを含む膜である。好ましくは、水滴を通さずに水蒸気のみを微細孔を介して通す透湿膜が用いられる。これにより、蓄熱材から脱離して反応容器201の外部で凝縮された水が、上記開口を経て反応容器201に戻り、蓄熱材と再水和することを防止できる。このため、より大きな開口を設けることが可能となり、水蒸気の流動抵抗を大幅に低下させることができる。さらに、蓄熱材を加熱する際に、蓄熱材から脱離した水蒸気の流動抵抗を増大させることなく、蓄熱材が減圧沸騰により反応容器201の外部まで飛散することを防止できる。
なお、減圧沸騰により飛散した蓄熱材や凝縮した凝縮水が透湿膜に付着した状態で蓄熱運転を続けると、水蒸気は透湿膜を通過しにくくなるので、水蒸気の流動抵抗が大きくなる。このため、透湿膜は撥水性を有することが好ましい。さらに、透湿膜には、蓄放熱運転による反応容器201内の圧力変化に耐えうる強度が求められる。本発明者は、このような要求性能から検討した結果、本実施形態における水蒸気透過機構に用いる透湿膜として、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を含んだ撥水透湿膜が適用可能であることを見出した。
(実施例1)
本実施形態の蓄熱システムの実施例1を説明する。実施例1の蓄熱システムは、図1および図2を参照しながら前述した構成と同様の構成を有している。
本実施形態の蓄熱システムの実施例1を説明する。実施例1の蓄熱システムは、図1および図2を参照しながら前述した構成と同様の構成を有している。
実施例1では、ヒートポンプ部1の冷媒10として二酸化炭素、熱媒30、40、50として水を用いた。ヒートポンプ部1の膨張機構103として膨張弁を用いた。また、蓄熱材210として、塩化カルシウム水和物を用いた。塩化カルシウム水和物の平均水和数を、蓄熱完了時に4(塩化カルシウム4水和物)、放熱完了時に6(塩化カルシウム6水和物)となるように設定した。その他の構成については、前述の実施の形態と同じであるので、説明を省略する。
なお、ヒートポンプ部1の冷媒10は二酸化炭素に限らず、例えばR410Aやプロパンなどの冷媒であってもよい。熱媒30、40、50も水に限定されず、例えば不凍液やオイルであってもよい。また、熱交換器102を通過した冷媒の圧力、温度を低下させるための膨張機構103は膨張弁に限定されず、冷媒動力を回収可能な膨張機であってもよい。さらに、蓄熱材210は塩化カルシウム水和物に限定されず、例えば、臭化カルシウム水和物や、硫酸マグネシウム水和物などの水和物を用いてもよい。
<実施例1の蓄熱システムの動作>
・蓄熱運転時
次に、実施例1における蓄熱システムの動作を説明する。
・蓄熱運転時
次に、実施例1における蓄熱システムの動作を説明する。
本実施例では、蓄熱運転時の熱交換器202の熱媒(水)30の入口温度T1を80℃、および凝縮器203の熱媒(水)40の入口温度T2を10℃とした。また、凝縮水貯蔵部205内に水位センサを設置し、予め設定した水蒸発量に相当する水が凝縮水貯蔵部205に貯蔵されたことを検知した時点で、蓄熱運転を終了するように制御した。本実施例では、「予め設定した水蒸発量」は、蓄熱完了時の塩化カルシウム水和物の平均水和数が4、放熱完了時に塩化カルシウム水和物の平均水和数が6となる水蒸発量とした。
蓄熱運転時には、ヒートポンプ部1を運転し、熱交換器102において水30を80℃に加熱する。加熱された水30は熱交換器202に流入して、反応容器201内の塩化カルシウム6水和物を加熱する。このため、水30の温度は80℃から徐々に低下する。この結果、塩化カルシウム6水和物には、熱交換器202の熱媒入口601の近傍で高く、熱媒出口603に向かう経路に沿って徐々に低くなるような温度分布が発生する。
塩化カルシウム6水和物は、加熱によって脱水反応を生じ、4水和物へ減少する。図8は、塩化カルシウムと水の相図である。図8において、曲線(G)で示すように、例えば温度10℃の蓄熱材が加熱されると、蓄熱材の温度の上昇とともに、蓄熱材から水が蒸発して濃縮される(図8の点g1→点g2)。これによって、蓄熱材の平均水和数は6から4に減少する。蓄熱材から蒸発した水(水蒸気)は、水蒸気透過膜220を通過して、凝縮器203の表面のうち蓄熱材の位置から最も近い部分で主に凝縮される。液化した水は、凝縮水用バルブ204を通り、凝縮水貯蔵部205にて貯蔵される。
一方、凝縮器203に流入した水40の温度は、熱媒入口605の近傍(10℃)から熱媒出口607に向かって徐々に上昇する。このため、凝縮器203の表面には、熱媒入口605の近傍で低く、熱媒出口607に向かうにつれて高くなるような温度分布が発生する。
ここで、塩化カルシウム水和物からの水蒸発速度を説明する。図9に示すように、反応容器201内のある位置に収容されている塩化カルシウム水和物からの水蒸発速度は、塩化カルシウム水和物の飽和水蒸気圧Psと、凝縮器203の表面のうち塩化カルシウム水和物の位置に最も近い部分における水の飽和水蒸気圧Pcの差ΔPに比例する。
塩化カルシウム水和物の飽和水蒸気圧Psは、図10に示すように、本実施例の蓄熱システムの動作範囲においては、塩化カルシウム水和物の温度が高くなるほど大きくなる。したがって、反応容器201内の塩化カルシウム水和物の飽和水蒸気圧Psは、塩化カルシウム水和物の温度分布に応じて、熱交換器202の熱媒入口601の近傍で大きく、熱媒出口603の近傍に向かうにつれて小さくなる。
また、凝縮器203の表面における水の飽和水蒸気圧Pcは、図11に示すように、水の温度が高くなるほど大きくなる。すなわち、水の飽和水蒸気圧Pcは、凝縮器203の表面温度が高くなるほど大きくなる。したがって、凝縮器203の表面の水の飽和水蒸気圧Pcは、凝縮器203の表面温度の分布に応じて、凝縮器203の熱媒入口605で小さく、熱媒出口607に向かうにつれて大きくなる。
本実施例では、熱交換器202の主経路Ah内の水30の流れと、凝縮器203の主経路Ac内の水40の流れとは対向している。このため、主経路Ahの近傍に位置する塩化カルシウム水和物の飽和水蒸気圧Psと、最も近い凝縮器203の表面(ここでは、塩化カルシウム水和物の略真上に位置する表面)の水の飽和水蒸気圧Pcとの差ΔPは、水30の流れと水40の流れとを対向流にしない場合(直交流、並行流など)よりも均一になる。同様に、主経路Bh〜Dhの近傍に位置する塩化カルシウム水和物の飽和水蒸気圧Psと、最も近い凝縮器203の表面の水の飽和水蒸気圧Pcとの差ΔPも、それぞれ、より均一になる。したがって、反応容器201内の塩化カルシウム水和物の単位体積当りの平均水和数をより均一にできるので、蓄熱量を確保でき、また、蓄熱運転時の効率を高めることができる。
これに対し、例えば図16に示す従来の構成のように、熱交換器内の熱媒の流れと、凝縮器内の熱媒の流れとが直交流であったり、あるいは、並行流であれば、蓄熱材の位置によって上記ΔPが大きく変化し、不均一になる。図10、図11からわかるように、塩化カルシウム水和物および水の飽和水蒸気圧Ps、Pcは、それぞれ、温度に対して二次関数状に増大する。このため、上記ΔPのばらつきは非常に大きくなると考えられる。このように、従来の構成によると、蓄熱材の脱水反応を均一に進めることができないので、効率や蓄熱量が低下するおそれがある。
なお、本実施例では、塩化カルシウム水和物からの水蒸発量が所定量に達したことを検知した時点で蓄熱運転を終了したが、蓄熱運転の終了制御方法はこの方法に限定されない。例えば、蓄熱システムに、蓄熱材の飽和水蒸気圧Psが入力されたデータ記憶部、および反応容器201内の圧力検知手段を設置し、蓄熱材の飽和水蒸気圧Psが予めデータ記憶部に記憶された圧力になった時点で蓄熱運転を終了することもできる。
・放熱運転時
放熱運転時には、まず、凝縮水貯蔵部205に保持されていた水を、反応容器201に供給し、塩化カルシウム水和物と混合する。混合方法は、塩化カルシウム水和物の上部から水を散布してもよいし、反応容器201内に水供給配管を設置して、そこから水を注入する構成としてもよい。
放熱運転時には、まず、凝縮水貯蔵部205に保持されていた水を、反応容器201に供給し、塩化カルシウム水和物と混合する。混合方法は、塩化カルシウム水和物の上部から水を散布してもよいし、反応容器201内に水供給配管を設置して、そこから水を注入する構成としてもよい。
次に、三方弁302と三方弁303とを切り替えて、熱媒供給部5から水50を熱交換器202の熱媒経路内を通過させ、塩化カルシウム水和物からの放熱により、水50を加熱する。加熱された水50は三方弁303を通過し、熱需要に供給される。このとき、必要に応じて、流量調整弁501を通過した熱媒50と混合されて、暖房温度などの所定温度に調整された後に熱需要に供給されてもよい。熱媒50は、ポンプなどの搬送手段を用いて搬送されてもよいし、供給側圧力によって搬送されてもよい。
本実施例によれば、蓄熱運転時に、反応容器201内の塩化カルシウム水和物の単位体積当りの平均水和数を従来よりも均一できる。このため、例えば、設計上の問題で、反応容器201内の塩化カルシウム水和物が4水和物未満にならないように運転しなければならない場合においても、蓄熱密度の大きな蓄熱システムを提供することができる。
(実施例2)
次に、本実施形態の蓄熱システムの実施例2を説明する。
次に、本実施形態の蓄熱システムの実施例2を説明する。
本実施例の蓄熱システムは、熱交換器202の熱媒経路が、全体として、反応容器201の底部から上部に延びている点で、図1および図2を参照しながら前述した実施例1の蓄熱システムと異なっている。その他の構成は、実施例1の蓄熱システムの構成と同様であるので、説明を省略する。
以下、図12(a)〜(c)を参照しながら、本実施例における熱交換器202および凝縮器203の熱媒経路(配管)の構成を説明する。図12(a)は、蓄熱部2の鉛直方向の模式的な断面図、図12(b)は、熱交換器202の水平方向の断面図、図12(c)は、凝縮部203の水平方向の断面図である。
熱交換器202の第1の熱媒経路は、鉛直方向に積み重ねられた複数の段と、上下に隣接する2つの段を接続する接続経路とを有している。各段は、蛇行しながら水平方向に延びる経路を有している。また、第1の熱媒経路の熱媒入口は最下段に、熱媒出口は最上段に設けられている(図示せず)。これにより、熱媒30は、熱媒入口から熱交換器202に流入し、最下段の経路を流通した後、上方に移動して2段目の経路を流通する。このようにして、順に最上段(図示する例では3段目)の経路まで流通した後、熱媒出口から流出する。
また、第1の熱媒経路の最下段は複数の主経路Ah〜Dhを有している。これらの主経路Ah〜Dh内の熱媒30の流れは、その主経路に最も近接する凝縮部203の主経路Ac〜Dc内の熱媒40の流れと対向している。これにより、上述した実施例と同様に、ΔPをより均一にできる効果が得られる。
なお、最下段の経路内の熱媒30の流れ方向を上記のように設定すればよく、2段目〜最上段の経路内の熱媒30の流れ方向については、熱媒40と対向していなくてもよい。
最下段の経路には最も高い温度の熱媒30が流れるので、蓄熱材の飽和水蒸気圧Psに与える影響が大きいからである。例えば蓄熱材として塩化カルシウム水和物を用いる場合、図10に示すように、塩化カルシウム水和物の温度が45〜80℃の範囲においては、塩化カルシウム水和物の飽和水蒸気圧Psは温度に比例して大きく変化している。したがって、比較的高い温度範囲では、温度変化が蓄熱材の飽和水蒸気圧Psに与える影響が大きいことがわかる。これは、図8から分かるように、塩化カルシウム4水和物の融点である45℃以上になると、蓄熱材の大部分が塩化カルシウム水溶液となり、水が蒸発しやすくなるためと考えられる。
最下段の経路には最も高い温度の熱媒30が流れるので、蓄熱材の飽和水蒸気圧Psに与える影響が大きいからである。例えば蓄熱材として塩化カルシウム水和物を用いる場合、図10に示すように、塩化カルシウム水和物の温度が45〜80℃の範囲においては、塩化カルシウム水和物の飽和水蒸気圧Psは温度に比例して大きく変化している。したがって、比較的高い温度範囲では、温度変化が蓄熱材の飽和水蒸気圧Psに与える影響が大きいことがわかる。これは、図8から分かるように、塩化カルシウム4水和物の融点である45℃以上になると、蓄熱材の大部分が塩化カルシウム水溶液となり、水が蒸発しやすくなるためと考えられる。
このように、最下段の経路を流通する高温の熱媒30の流れによって生じる蓄熱材の温度分布によって、蓄熱材の飽和水蒸気圧Psがより大きく変化するので、最下段の経路内の熱媒30の流れを、凝縮部203の熱媒40の流れと対向させることによって、効果的にΔPを均一に近づけることが可能になる。
本実施例では、少なくとも最下段が複数の主経路Ah〜Dhを有していればよいが、蓄熱材を効率的に加熱するためには、他の段も複数の主経路を有していることが好ましい。また、図12(b)および(c)に示す熱媒経路の構成の代わりに、図3(b)および(c)に示す構成を有していてもよい。
なお、本実施形態における第1の熱媒経路は図示する構成に限定されず、複数の段から構成されていなくてもよい。その場合でも、反応容器201の底面からの高さが異なる位置に設けられた複数の主経路を有し、そのうちの最も低い位置にある主経路内の熱媒30の流れが、凝縮部203の熱媒40の流れと対向していることが好ましい。
本実施例においても、蓄熱運転時の熱交換器202の水30の入口温度を80℃、および凝縮器203の水40の入口温度を10℃として、蓄熱システムを動作させた。蓄熱運転時および放熱運転時の動作は、実施例1の動作と同様であるので、説明を省略する。
本実施例によると、実施例1と同様の効果が得られる。また、次のようなメリットもある。水蒸気の沸騰は、温度の高い蓄熱材(例えば塩化カルシウム水和物)で起こりやすい。本実施例では、反応容器201の底部近傍に位置する蓄熱材が沸騰しやすく、沸騰によって発生する気泡は、反応容器201内の蓄熱材(固体、スラリー状態または液体状態)を鉛直方向に攪拌し、均一化する効果がある。これにより、反応容器201内の蓄熱材の単位体積当りの平均水和数を、水平面内だけでなく、鉛直方向(z方向)にもより均一にできる。
(実施例3)
本実施形態の蓄熱システムの実施例3を説明する。本実施例の蓄熱システムは、図1および図2を参照しながら前述した実施例1と同様の構成を有している。ただし、蓄熱システムの動作(運転方法)が異なる。
本実施形態の蓄熱システムの実施例3を説明する。本実施例の蓄熱システムは、図1および図2を参照しながら前述した実施例1と同様の構成を有している。ただし、蓄熱システムの動作(運転方法)が異なる。
本実施例では、蓄熱運転時の熱交換器202の水30の入口温度を80℃、凝縮器203の水40の入口温度を10℃とした。また、凝縮水貯蔵部205内に水位センサを設置し、予め設定した水蒸発量に相当する水が凝縮水貯蔵部205に貯蔵されたことを検知した時点で、蓄熱運転を終了するように制御した。予め設定した水蒸発量は、蓄熱完了時に塩化カルシウム水和物の平均水和数が4、放熱完了時に塩化カルシウム水和物の平均水和数が6となる水蒸発量とした。
本実施例における蓄熱システムの運転方法では、蓄熱材の温度に応じて、熱交換器202の熱媒経路を流通させる熱媒30の量を制御する。その他の動作は実施例1における動作と同様であるので、説明を省略する。
再び図1を参照する。本実施例では、反応容器201内の蓄熱材(塩化カルシウム水和物)の温度が上昇するにつれて、熱交換器202内に流入させる熱媒(水)30の量を少なくする。流入させる水30の量は、例えば熱媒搬送ポンプ301の搬送量を減少させることによって少なくすることができる。また、蓄熱材の温度は、例えば反応容器201内に設けた蓄熱材温度検知機構によって検知できる。本実施例では、蓄熱材温度検知機構として、例えば熱電対を用いる。
具体的には、塩化カルシウム水和物の温度に対する、熱交換器202に流入させる水30の流量を予め設定しておき、検知した塩化カルシウム水和物の温度に応じて、水30の流量を制御する。本実施例では、図13に示すように、塩化カルシウム水和物の温度と、熱交換器202に流入させる水30の流量との関係を予め設定する。なお、これらの関係は図示するような比例関係に限定されない。例えば、塩化カルシウム水和物の温度が上昇するにつれて、水30の流量を段階的に減少させてもよい。
本実施例によると、実施例1と同様の効果が得られる。これに加えて、水30の流量を制御することにより次のようなメリットが得られる。
水30の流量制御を行わない場合、塩化カルシウム水和物の温度が例えば10℃程度と低いときには、熱交換器202の熱媒入口付近のみで、大部分の水30の熱が塩化カルシウム水和物に奪われてしまう。その結果、熱交換器202の熱媒入口付近と熱媒出口付近との間で、塩化カルシウム水和物の温度差が大きくなるおそれがある。
これに対し、本実施例では、塩化カルシウム水和物の温度が低いときに水30の流量を増大させるので、熱交換器202内における単位水流量当たりの熱交換時間を短くすることができる。したがって、熱交換器202の熱媒出口付近まで高温の水30を流すことができ、熱交換器202の熱媒入口付近と熱媒出口付近との間で、塩化カルシウム水和物に生じる温度差を低減できる。この結果、反応容器201内の塩化カルシウム水和物からの水蒸発速度をさらに均一にでき、反応容器201内の塩化カルシウム水和物の単位体積当りの平均水和数もさらに均一にできる。
一方、水30の流量にかかわらず、塩化カルシウム水和物の温度が上昇するにつれて、熱交換器202の熱媒入口付近と熱媒出口付近との間で、塩化カルシウム水和物に生じる温度差は小さくなる。ここで、ヒートポンプ部1の加熱効率は、水30の流量が小さいほど高くなる。そこで、本実施例では、塩化カルシウム水和物の温度が上昇するにつれて、熱交換器202内に流入する水30の流量が少なくなるように制御する。これにより、反応容器201内の塩化カルシウム水和物の単位体積当りの平均水和数を均一に保ちつつ、ヒートポンプの加熱効率の低下を抑えることが可能となる。
(実施例4)
次に、本実施形態の蓄熱システムの実施例4を説明する。本実施例の蓄熱システムは、図1および図2を参照しながら前述した実施例1と同様の構成を有している。ただし、蓄熱システムの動作(運転方法)が異なる。
次に、本実施形態の蓄熱システムの実施例4を説明する。本実施例の蓄熱システムは、図1および図2を参照しながら前述した実施例1と同様の構成を有している。ただし、蓄熱システムの動作(運転方法)が異なる。
本実施例では、蓄熱運転時の熱交換器202の水30の入口温度を80℃、凝縮器203の水40の入口温度を10℃とした。また、凝縮水貯蔵部205内に水位センサを設置し、予め設定した水蒸発量に相当する水が凝縮水貯蔵部205に貯蔵されたことを検知した時点で、蓄熱運転を終了するように制御した。予め設定した水蒸発量は、蓄熱完了時に塩化カルシウム水和物の平均水和数が4、放熱完了時に塩化カルシウム水和物の平均水和数が6となる水蒸発量とした。
本実施例における蓄熱システムの運転方法では、蓄熱材の温度に応じて、熱交換器の熱媒経路に流入する熱媒の温度(入口温度)を制御する。その他の動作は実施例1における動作と同様であるので、説明を省略する。
再び図1を参照する。本実施例では、反応容器201内の蓄熱材(塩化カルシウム水和物)の温度が上昇するにつれて、ヒートポンプ部1の加熱能力を高めることによって、熱交換器202内に流入させる熱媒(水)30の温度を高くする。蓄熱材の温度は、例えば反応容器201内に設けた蓄熱材温度検知機構によって検知できる。本実施例では、蓄熱材温度検知機構として、例えば熱電対を用いる。
具体的には、塩化カルシウム水和物の温度に対する、熱交換器202に流入させる水30の温度(入口温度)を予め設定しておき、検知した塩化カルシウム水和物の温度に応じて、水30の入口温度を制御する。本実施例では、図14に示すように、塩化カルシウム水和物の温度と、熱交換器202に流入させる水30の入口温度との関係を予め設定する。なお、これらの関係は図示するような比例関係に限定されない。例えば、塩化カルシウム水和物の温度が上昇するにつれて、水30の温度を段階的に減少させてもよい。また、本実施例では、ヒートポンプ部1の加熱能力を制御することにより、水30の入口温度を調整しているが、ヒートポンプ部1以外の熱源を利用する場合には、その熱源の加熱能力を制御すればよい。
本実施例によると、実施例1と同様の効果が得られる。これに加えて、水30の温度を制御することにより次のようなメリットが得られる。
水30の温度制御を行わない場合、塩化カルシウム水和物の温度が例えば10℃程度と低いときには、熱交換器202の熱媒入口付近のみで、大部分の水30の熱が塩化カルシウム水和物に奪われてしまう。その結果、熱交換器202の熱媒入口付近と熱媒出口付近との間で、塩化カルシウム水和物の温度差が大きくなるおそれがある。
これに対し、本実施例では、塩化カルシウム水和物の温度が低いときに水30の温度を低下させて、熱交換器202の熱媒入口付近の水30の温度(入口温度)と熱媒出口付近の水30の温度(出口温度)との差を小さくする。これにより、熱交換器202の熱媒入口付近と熱媒出口付近との間で、塩化カルシウム水和物に生じる温度差を低減できる。この結果、反応容器201内の塩化カルシウム水和物からの水蒸発速度をさらに均一にでき、塩化カルシウム水和物の単位体積当りの平均水和数もさらに均一にできる。
一方、水30の入口温度にかかわらず、塩化カルシウム水和物の温度が上昇するにつれて、熱交換器202の熱媒入口付近と熱媒出口付近との間で、塩化カルシウム水和物に生じる温度差は小さくなる。ここで、蓄熱部2の蓄熱密度は、水30の入口温度を上昇させて、塩化カルシウム水和物をより高い温度まで加熱した方が高くなる。そこで、本実施例では、塩化カルシウム水和物の温度が上昇するにつれて、熱交換器202内に流入する水30の入口温度が高くなるように制御する。これにより、反応容器201内の塩化カルシウム水和物の単位体積あたりの平均水和数を均一に保ちつつ、蓄熱密度を高めることが可能となる。
本発明は、特に低温域(例えば110℃以下、特に40℃〜90℃)の熱源を用いた蓄熱に好適に適用される。例えば、CO2ヒートポンプや燃料電池コージェネなどの種々の省エネルギー機器に適用すると、それらの機器における蓄熱槽を小型化できるので有利である。
1 ヒートポンプ部
2、2’ 蓄熱部
2c、2c’ 蓄熱容器
3、4 熱媒循環部
5 水供給部
10 冷媒
30、40、50 熱媒
101 圧縮機
102 熱交換器
103 膨張機構
104 蒸発器
105 副熱交換器
106 冷媒配管
201 反応容器
202 蓄熱材加熱用の熱交換器
203 凝縮器
204 凝縮水用バルブ
205 凝縮水貯蔵部
220 水蒸気透過膜
301、401 熱媒搬送ポンプ
302、303 三方弁
304、402、502 熱媒経路
501 流量調整弁
1000 蓄熱システム
Ah、Bh、Ch、Dh 熱交換器における主経路
Ac、Bc、Cc、Dc 凝縮器における主経路
S1、S2 反応容器の側面
S11、S22 蓄熱容器の側面
601、605 熱媒入口
603、607 熱媒出口
611、612 配管
49 ケミカルヒートポンプ
60 蓄熱部(反応容器)
51 ヘッダー
52 凝縮部
53 蒸発部
54 密閉容器
55 滴下防止カバー
56 熱媒体の入口
57 熱媒体の出口
58 水貯留部
59 プレートフィン
CA 蓄熱材
2、2’ 蓄熱部
2c、2c’ 蓄熱容器
3、4 熱媒循環部
5 水供給部
10 冷媒
30、40、50 熱媒
101 圧縮機
102 熱交換器
103 膨張機構
104 蒸発器
105 副熱交換器
106 冷媒配管
201 反応容器
202 蓄熱材加熱用の熱交換器
203 凝縮器
204 凝縮水用バルブ
205 凝縮水貯蔵部
220 水蒸気透過膜
301、401 熱媒搬送ポンプ
302、303 三方弁
304、402、502 熱媒経路
501 流量調整弁
1000 蓄熱システム
Ah、Bh、Ch、Dh 熱交換器における主経路
Ac、Bc、Cc、Dc 凝縮器における主経路
S1、S2 反応容器の側面
S11、S22 蓄熱容器の側面
601、605 熱媒入口
603、607 熱媒出口
611、612 配管
49 ケミカルヒートポンプ
60 蓄熱部(反応容器)
51 ヘッダー
52 凝縮部
53 蒸発部
54 密閉容器
55 滴下防止カバー
56 熱媒体の入口
57 熱媒体の出口
58 水貯留部
59 プレートフィン
CA 蓄熱材
Claims (10)
- 蓄熱材から水を脱離することによって蓄熱し、かつ、前記脱離した水を前記蓄熱材と反応させることによって放熱する蓄熱システムであって、
前記蓄熱材を収容する反応容器と、
蓄熱運転時に、前記蓄熱材を加熱する熱交換器と、
前記反応容器の上方に配置され、前記蓄熱材を加熱することによって前記蓄熱材から脱離した水蒸気を凝縮させて凝縮水を得る凝縮器と、
前記反応容器、前記熱交換器および前記凝縮器を収容する蓄熱容器と
を備え、
前記熱交換器は、前記反応容器内において、前記蓄熱材を加熱するための熱媒を流通させる第1の熱媒経路を含んでおり、前記第1の熱媒経路は、前記反応容器の対向する側面の何れか一方から他方に向かって延びる複数の第1主経路を含み、
前記凝縮器は、前記凝縮水を冷却するための熱媒を流通させる第2の熱媒経路を含んでおり、前記第2の熱媒経路は、前記反応容器の前記対向する側面の何れか一方から他方に向かって延びる複数の第2主経路を含み、
前記複数の第1主経路のうち少なくとも1つの第1主経路を流れる熱媒の流れは、前記複数の第2主経路のうち前記少なくとも1つの第1主経路に最も近接する第2主経路を流れる熱媒の流れと対向している蓄熱システム。 - 各第1主経路を流れる熱媒の流れは、前記複数の第2主経路のうち前記各第1主経路に最も近接する第2主経路を流れる熱媒の流れと対向している請求項1に記載の蓄熱システム。
- 前記第1の熱媒経路は、前記第1の熱媒経路に熱媒を流入させる熱媒入口と、前記蓄熱材と熱交換した後の熱媒を前記熱媒経路から流出させる熱媒出口とを有し、
前記少なくとも1つの第1主経路は、前記複数の第1主経路のうち前記熱媒入口から流入した熱媒が最初に流れる第1主経路を含む請求項1または2に記載の蓄熱システム。 - 前記第1の熱媒経路は、全体として、前記反応容器の底部から上部に向かって熱媒を流通させるように構成されている請求項1から3のいずれかに記載の蓄熱システム。
- 前記第1主経路は、前記反応容器の底面からの高さが異なる位置に設けられた少なくとも2つの第1主経路を含んでおり、
前記少なくとも2つの第1主経路のうち最も低い位置に設けられた最下段主経路を流れる熱媒の流れは、前記最下段主経路に最も近接する第2主経路を流れる熱媒の流れと対向している請求項1から4のいずれかに記載の蓄熱システム。 - 前記反応容器は上方に開放した開口を有し、
前記開口を覆うように配置され、水蒸気を透過させるが、液体の水を透過させない水蒸気透過手段をさらに備える請求項1から5のいずれかに記載の蓄熱システム。 - 圧縮機、放熱器、膨張機構、蒸発器およびこれらの間で冷媒を循環させる冷媒経路を含むヒートポンプ部と、
前記蓄熱材を加熱するための前記熱交換器と、前記放熱器との間で熱媒を循環させる熱媒回路と、
前記冷媒経路において、前記蒸発器と前記圧縮機との間に設けられた副熱交換器と、
前記凝縮器と前記副熱交換器との間で熱媒を循環させる熱媒回路と
をさらに備える請求項1から6のいずれかに記載の蓄熱システム。 - 前記蓄熱容器内に前記蓄熱材の温度を検知する蓄熱材温度検知機構をさらに備え、
前記蓄熱材温度検知機構が検知した温度が上昇するにつれて、前記熱交換器の前記第1の熱媒回路を流通させる熱媒の流量を減少させる請求項1から7のいずれかに記載の蓄熱システムの運転方法。 - 前記蓄熱容器内に前記蓄熱材の温度を検知する蓄熱材温度検知機構をさらに備え、
前記蓄熱材温度検知機構が検知した温度が上昇するにつれて、
前記ヒートポンプ部の加熱出力を増大させることにより、前記熱交換器の前記第1の熱媒回路を流通させる熱媒の温度を高くする請求項7に記載の蓄熱システムの運転方法。 - 前記蓄熱材は塩化カルシウム水和物である請求項1から7のいずれかに記載の蓄熱システムの運転方法。
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---|---|---|---|
JP2009202927A JP2011052911A (ja) | 2009-09-02 | 2009-09-02 | 蓄熱システムおよびその運転方法 |
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JP (1) | JP2011052911A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015174291A1 (ja) * | 2014-05-15 | 2015-11-19 | 株式会社豊田自動織機 | 化学蓄熱装置 |
WO2023053859A1 (ja) * | 2021-09-30 | 2023-04-06 | キヤノンオプトロン株式会社 | 蓄熱構造体、および蓄熱システム |
-
2009
- 2009-09-02 JP JP2009202927A patent/JP2011052911A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015174291A1 (ja) * | 2014-05-15 | 2015-11-19 | 株式会社豊田自動織機 | 化学蓄熱装置 |
WO2023053859A1 (ja) * | 2021-09-30 | 2023-04-06 | キヤノンオプトロン株式会社 | 蓄熱構造体、および蓄熱システム |
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