JP2001263468A - 自動変速機のマニュアル変速制御装置 - Google Patents

自動変速機のマニュアル変速制御装置

Info

Publication number
JP2001263468A
JP2001263468A JP2000074419A JP2000074419A JP2001263468A JP 2001263468 A JP2001263468 A JP 2001263468A JP 2000074419 A JP2000074419 A JP 2000074419A JP 2000074419 A JP2000074419 A JP 2000074419A JP 2001263468 A JP2001263468 A JP 2001263468A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shift
automatic
manual
progress
driver
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000074419A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3446714B2 (ja
Inventor
Masao Saito
正雄 斉藤
Masakazu Nomura
誠和 野村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin AW Co Ltd
Original Assignee
Aisin AW Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin AW Co Ltd filed Critical Aisin AW Co Ltd
Priority to JP2000074419A priority Critical patent/JP3446714B2/ja
Publication of JP2001263468A publication Critical patent/JP2001263468A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3446714B2 publication Critical patent/JP3446714B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】自動シフト制御中に、運転者の手動変速モード
によるシフト要求がなされた場合でも、適切に対応する
ことが出来る、自動変速機のマニュアル変速制御装置の
提供。 【解決手段】自動変速モード70a及び手動変速モード
70bを有するシフト指示手段70が設けられた自動変
速機の制御装置21において、車両の状態に基づいた自
動変速動作を行うことのできる自動シフト手段63、6
5を設け、自動シフト手段による自動変速動作の進行度
を演算する変速進行度演算手段55を設け、自動シフト
手段による自動変速動作中に、運転者からマニュアル変
速要求があった場合に、演算された自動変速動作の進行
度に基づいて、マニュアル変速要求に基づく変速動作を
制御するシフト実行制御手段56、62、SUB1を設
けて構成される。変速進行度演算手段により演算される
自動変速の進行度合いに応じて、運転者のマニュアル変
速要求の実行を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、手動変速可能な手
動変速モードを有する自動変速機の、マニュアル変速制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動変速機のシフトレバーなどの変速指
示部に、通常のP−R−N−Dレンジなどの自動変速モ
ードの外に、運転者がシフトレバーやシフトスイッチで
ダウン/アップシフトを指示できる手動変速モードが設
けられ、運転者の意思でギヤ段をアップダウンさせるこ
とが出来るものが知られている。
【0003】こうした手動変速モードの場合、運転者が
高速段を指示したままの状態でブレーキを踏んで減速し
た際に、当該高速段を保持したままでは駆動力不足とな
ることから、所定のダウンマップに従って、変速段を制
御装置側で自動的にダウンシフトさせる制御が行われて
いる。
【0004】しかし、こうした制御を行うと、制御装置
側でのダウンシフト制御と、運転者が、速度低下に対応
するために意識的に手動変速でダウンシフトを行なった
場合のダウンシフト制御が競合する場合が生じる。そこ
で、従来は、手動変速モードにおいて、減速に伴う自動
ダウンシフト動作が行われている場合には、運転者によ
る手動変速モードによる変速要求が生じても当該変速要
求を禁止する制御を行ない、運転者が意図したと思われ
る変速段を越えた変速段への変速を防止していた。
【発明が解決しようとする課題】しかし、自動ダウンシ
フト動作による自動変速機の入力軸回転数、従って、エ
ンジン回転数の変化などを運転者が感じ取り、自動変速
の進行状態を認識した上で、更に手動変速要求を出力し
ている場合もあり、そのような場合には、そうした変速
要求は許可した方が、運転者に違和感を与えることが無
くなり、シフトフィーリングとしては良好なものとな
る。
【0005】こうした点は、アップシフト動作において
も同様であり、手動変速モードで低ギヤ段に保持した状
態でエンジンを高回転まで回転させた場合には、エンジ
ンのオーバーレブを防ぐために自動変速機は自動アップ
シフト動作を行うが、その際にも、運転者が自動変速機
によるアップシフト動作を認識した上で、更に手動変速
モードでアップシフト動作を要求する場合もある。
【0006】更に、シフトレバー等の変速指令手段が自
動変速モード部にあって、自動変速によるアップ/ダウ
ンシフト動作が行われている最中に、運転者が手動変速
モードに切り換えて、更にアップ/ダウンシフト要求を
行う場合も考えられる。こうした場合、適切なシフト動
作を行うには、運転者が自動シフト動作による変速進行
状態を認識しているか否かの判断が重要となるが、そう
した判断を行う技術は未だ確立されていない。
【0007】本発明は、上記した事情に鑑み、自動シフ
ト制御中に、運転者の手動変速モードによるシフト要求
がなされた場合でも、適切に対応することが出来る、自
動変速機のマニュアル変速制御装置を提供することを目
的とするものである。
【課題を解決するための手段】本発明の内、請求項1の
発明は、運転者がアップシフト及びダウンシフトを指示
する必要のない自動変速モード(例えば、図1の自動変
速モード部70aなど)及び運転者がアップシフト及び
ダウンシフトを指示することの出来る手動変速モード
(例えば、図1の、手動変速モード部70bなど)を有
するシフト指示手段(70)が設けられた、自動変速機
の制御装置(21)において、車両の状態に基づいて自
動変速動作を行うことの出来る自動シフト手段(63、
65)を設け、前記自動シフト手段による自動変速動作
の進行度を演算する変速進行度演算手段(55)を設
け、前記自動シフト手段による自動変速動作中に、前記
シフト指示手段から運転者のマニュアル変速要求があっ
た場合に、前記変速進行度演算手段によって演算された
前記自動変速動作の進行度に基づいて、前記マニュアル
変速要求に基づく変速動作を制御するシフト実行制御手
段(56、62、SUB1)を設けて構成される。
【0008】請求項2の発明は、請求項1において、前
記自動シフト手段による自動変速動作は、前記シフト指
示手段が自動変速モードにある場合に生じることを特徴
として構成される。
【0009】請求項3の発明は、請求項1において、前
記自動シフト手段による自動変速動作は、前記シフト指
示手段が手動変速モードにある場合に生じることを特徴
として構成される。
【0010】請求項4の発明は、請求項1において、前
記変速進行度演算手段は、前記自動変速動作における変
速機の入力軸の回転変化量(ΔN)の割合を指標として
前記進行度を演算することを特徴として構成される。
【0011】請求項5の発明は、請求項1において、前
記変速進行度演算手段は、前記自動変速動作における変
速機の入力軸の回転数を指標として前記進行度を演算す
ることを特徴として構成される。
【0012】請求項6の発明は、請求項1において、前
記変速進行度演算手段は、前記自動変速動作における自
動変速動作の開始時(T1)からの時間を計時するタイ
マを有し、該タイマの計時に基づいて前記進行度を演算
することを特徴として構成される。
【0013】請求項7の発明は、請求項1において、シ
フト実行制御手段は、前記変速進行度演算手段によって
演算推定された自動ダウンシフト動作の進行度に基づい
て、前記シフト指示手段からの運転者の手動変速モード
によるマニュアル変速要求を実行するか否かを判断する
ようにして構成される。
【0014】請求項8の発明は、請求項7において、シ
フト実行制御手段は、前記変速進行度演算手段により演
算された自動変速動作の進行度が進んでおり、運転者が
該自動変速動作を認識しているものと判断した場合に
は、前記自動シフト手段によるシフト動作に加えて、前
記シフト指示手段からの運転者の手動変速モードによる
マニュアル変速要求に基づくシフト動作を行うようにし
て構成される。
【0015】請求項9の発明は、請求項8において、シ
フト実行制御手段による、前記シフト指示手段からの運
転者の手動変速モードによるマニュアル変速要求に基づ
くシフト動作は、前記自動シフト手段によるシフト動作
による変速終了後に開始するようにして構成される。
【0016】請求項10の発明は、請求項8記載におい
て、前記シフト実行制御手段は、所定の変速認識値を格
納しており、前記変速認識値と前記演算された自動変速
動作の進行度を比較し、前記進行度が前記変速認識値を
越えた場合には、前記自動変速動作の進行度が進んでお
り、運転者が該自動変速動作を認識しているものと判断
することを特徴として構成される。
【0017】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、変速進行度演
算手段により、自動シフト手段による自動変速動作の進
行度が演算されるので、自動シフト手段による自動変速
動作中の、シフト指示手段からの運転者の手動変速モー
ドによるマニュアル変速要求に対して、当該要求を受け
入れるか否に関して該演算された自動変速動作の進行度
を参照して適切な対応が可能となる。
【0018】請求項2の発明によれば、自動変速モード
において自動変速動作を行っていた場合に、運転者がシ
フト指示手段を操作して手動変速モードに切り換えて手
動変速モードによるマニュアル変速動作を指示した場合
でも、当該要求を受け入れるか否に関して適切な対応が
可能となる。
【0019】請求項3の発明によれば、手動変速モード
において自動シフト手段が自動変速動作を行っていた場
合に、運転者がシフト指示手段を操作して手動変速モー
ドによるマニュアル変速動作を指示した場合でも、当該
要求を受け入れるか否に関して適切な対応が可能とな
る。
【0020】請求項4の発明によれば、自動変速動作の
進行度を、自動変速動作における変速機の入力軸の回転
変化量(ΔN)の割合を指標として演算することによ
り、変速段数(例えば、4−3、3−2など)係わりな
く、一定の値を、運転者が変速を認識することの出来る
変速認識値として設定することが出来、各変速段別に値
を用意する必要が無く、制御が簡単になる。
【0021】請求項5の発明によれば、自動変速動作の
進行度を自動変速動作における変速機の入力軸の回転数
を指標として演算することにより、進行度を演算するた
めのデータ処理が簡略化される。
【0022】請求項6の発明によれば、自動変速動作の
進行度を、自動変速動作の開始時(T1)からの時間を
計時するタイマの計時に基づいて演算することにより、
進行度を演算するためのデータ処理が簡略化される。
【0023】請求項7の発明によれば、シフト実行制御
手段(56、62、SUB1)が演算推定された自動変
速動作の進行度に基づいて、シフト指示手段からの運転
者の手動変速モードによるマニュアル変速要求を実行す
るか否かを判断するので、シフト指示手段による実際の
シフト動作が、演算推定された自動ダウンシフト動作の
進行度を反映させた形で行われ、運転者のシフト要求と
自動ダウンシフト動作が競合した場合でも適切に対応す
ることが出来る。
【0024】請求項8の発明によれば、運転者が自動変
速動作を認識しているものと判断した場合には、自動シ
フト手段によるシフト動作に加えて、シフト指示手段か
らの運転者のマニュアル変速要求に基づくシフト動作が
行なわれるので、運転者の変速意思を的確に反映した形
での制御が可能となる。
【0025】請求項9の発明によれば、シフト指示手段
からの運転者のマニュアル変速要求に基づくシフト動作
は、自動シフト手段によるシフト動作による変速終了後
に開始されるので、2段以上のシフト動作を、段階的に
行うことが出来、急激なシフトに伴うシフトショックの
発生を防止することが出来る。
【0026】請求項10の発明によれば、自動変速動作
の進行度が100%(自動変速終了)未満でも、運転者
が自動変速を認識するであろう所定の進行度を変速認識
値として設定することが出来、自動変速動作の終了とは
無関係に、運転者の変速意思を最大限に反映した制御が
容易に可能となる。
【0027】なお、括弧内の番号等は、図面における対
応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述
は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って、本発明の実
施の形態について説明する。
【0029】5速自動変速機1は、図2に示すように、
トルクコンバータ4、3速主変速機構2、3速副変速機
構5及びディファレンシャル8を備えており、かつこれ
ら各部は互に接合して一体に構成されるケースに収納さ
れている。そして、トルクコンバータ4は、ロックアッ
プクラッチ4aを備えており、エンジンの回転はエンジ
ンクランクシャフト13から、トルクコンバータ内の油
流を介して又はロックアップクラッチによる機械的接続
を介して主変速機構2の入力軸3に入力する。そして、
一体ケースにはクランクシャフトと整列して配置されて
いる第1軸3(具体的には入力軸)及び該第1軸3と平
行に第2軸6(カウンタ軸)及び第3軸(左右車軸)1
4a,14bが回転自在に支持されており、また該ケー
スの外側にバルブボディが配設されている。
【0030】主変速機構2は、シンプルプラネタリギヤ
7とダブルピニオンプラネタリギヤ9からなるプラネタ
リギヤユニット15を有しており、シンプルプラネタリ
ギヤ7はサンギヤS1、リングギヤR1、及びこれらギ
ヤに噛合するピニオンP1を支持したキャリヤCRから
なり、またダブルピニオンプラネタリギヤ9は上記サン
ギヤS1と異なる歯数からなるサンギヤS2、リングギ
ヤR2、並びにサンギヤS2に噛合するピニオンP2及
びリングギヤR2に噛合するピニオンP3を前記シンプ
ルプラネタリギヤ7のピニオンP1と共に支持する共通
キャリヤCRからなる。
【0031】そして、エンジンクランクシャフト13か
らトルクコンバータ4を介して連動している入力軸3
は、第1の(フォワード)クラッチC1を介してシンプ
ルプラネタリギヤ7のリングギヤR1に連結し得ると共
に、第2の(ダイレクト)クラッチC2を介してシンプ
ルプラネタリギヤ7のサンギヤS1に連結し得る。ま
た、ダブルピニオンプラネタリギヤ9のサンギヤS2
は、第1のブレーキB1にて直接係止し得ると共に、第
1のワンウェイクラッチF1を介して第2のブレーキB
2にて係止し得る。更に、ダブルピニオンプラネタリギ
ヤ9のリングギヤR2は、第3のブレーキB3及び第2
のワンウェイクラッチF2にて係止し得る。そして、共
通キャリヤCRが、主変速機構2の出力部材となるカウ
ンタドライブギヤ18に連結している。
【0032】一方、副変速機構5は、第2軸を構成する
カウンタ軸6の軸線方向リヤ側に向って、出力ギヤ1
6、第1のシンプルプラネタリギヤ10及び第2のシン
プルプラネタリギヤ11が順に配置されており、またカ
ウンタ軸6はベアリングを介して一体ケースに回転自在
に支持されている。前記第1及び第2のシンプルプラネ
タリギヤ10,11は、シンプソンタイプからなる。
【0033】また、第1のシンプルプラネタリギヤ10
は、そのリングギヤR3が前記カウンタドライブギヤ1
8に噛合するカウンタドリブンギヤ17に連結してお
り、そのサンギヤS3がカウンタ軸6に回転自在に支持
されているスリーブ軸12に固定されている。そして、
ピニオンP3はカウンタ軸6に一体に連結されたフラン
ジからなるキャリヤCR3に支持されており、また該ピ
ニオンP3の他端を支持するキャリヤCR3はUDダイ
レクトクラッチC3のインナハブに連結している。ま
た、第2のシンプルプラネタリギヤ11は、そのサンギ
ヤS4が前記スリーブ軸12に形成されて前記第1のシ
ンプルプラネタリギヤのサンギヤS3に連結されてお
り、そのリングギヤR4は、カウンタ軸6に連結されて
いる。
【0034】そして、UDダイレクトクラッチC3は、
前記第1のシンプルプラネタリギヤのキャリヤCR3と
前記連結されたサンギヤS3,S4との間に介在してお
り、かつ該連結されたサンギヤS3,S4は、バンドブ
レーキからなる第4のブレーキB4にて係止し得る。更
に、第2のシンプルプラネタリギヤのピニオンP4を支
持するキャリヤCR4は、第5のブレーキB5にて係止
し得る。
【0035】ついで、図2及び図3に沿って、本5速自
動変速機の機構部分の作用について説明する。
【0036】D(ドライブ)レンジにおける1速(1S
T)状態では、フォワードクラッチC1が接続し、かつ
第5のブレーキB5及び第2のワンウェイクラッチF2
が係止して、ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギ
ヤR2及び第2のシンプルプラネタリギヤ11のキャリ
ヤCR4が停止状態に保持される。この状態では、入力
軸3の回転は、フォワードクラッチC1を介してシンプ
ルプラネタリギヤのリングギヤR1に伝達され、かつダ
ブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤR2は停止状
態にあるので、両サンギヤS1、S2を逆方向に空転さ
せながら共通キャリヤCRが正方向に大幅減速回転され
る。即ち、主変速機構2は、1速状態にあり、該減速回
転がカウンタギヤ18,17を介して副変速機構5にお
ける第1のシンプルプラネタリギヤのリングギヤR3に
伝達される。該副変速機構5は、第5のブレーキB5に
より第2のシンプルプラネタリギヤのキャリヤCR4が
停止され、1速状態にあり、前記主変速機構2の減速回
転は、該副変速機構5により更に減速されて、出力ギヤ
16から出力する。
【0037】2速(2ND)状態では、フォワードクラ
ッチC1に加えて、第2のブレーキB2(及び第1のブ
レーキB1)が作動し、更に、第2のワンウェイクラッ
チF2から第1のワンウェイクラッチF1に作動が切換
わり、かつ第5のブレーキB5が係止状態に維持されて
いる。この状態では、サンギヤS2が第2のブレーキB
2及び第1のワンウェイクラッチF1により停止され、
従って入力軸3からフォワードクラッチC1を介して伝
達されたシンプルプラネタリギヤのリングギヤR1の回
転は、ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤR2
を正方向に空転させながらキャリヤCRを正方向に減速
回転する。更に、該減速回転は、カウンタギヤ18,1
7を介して副変速機構5に伝達される。即ち、主変速機
構2は2速状態となり、副変速機構5は、第5のブレー
キB5の係合により1速状態にあり、この2速状態と1
速状態が組合されて、自動変速機1全体で2速が得られ
る。なおこの際、第1のブレーキB1も作動状態とな
る。
【0038】3速(3RD)状態では、フォワードクラ
ッチC1、第2のブレーキB2及び第1のワンウェイク
ラッチF1並びに第1のブレーキB1はそのまま係合状
態に保持され、第5のブレーキB5の係止が解放される
と共に第4のブレーキB4が係合する。即ち、主変速機
構2はそのままの状態が保持されて、上述した2速時の
回転がカウンタギヤ18,17を介して副変速機構5に
伝えられ、そして副変速機構5では、第1のシンプルプ
ラネタリギヤのリングギヤR3からの回転がそのサンギ
ヤS3及びサンギヤS4の固定により2速回転としてキ
ャリヤCR3から出力し、従って主変速機構2の2速と
副変速機構5の2速で、自動変速機1全体で3速が得ら
れる。
【0039】4速(4TH)状態では、主変速機構2
は、フォワードクラッチC1、第2のブレーキB2及び
第1のワンウェイクラッチF1並びに第1のブレーキB
1が係合した上述2速及び3速状態と同じであり、副変
速機構5は、第4のブレーキB4を解放すると共にUD
ダイレクトクラッチC3が係合する。この状態では、第
1のシンプルプラネタリギヤのキャリヤCR3とサンギ
ヤS3,S4が連結して、プラネタリギヤ10,11が
一体回転する直結回転となる。従って、主変速機構2の
2速と副変速機構5の直結(3速)が組合されて、自動
変速機全体で、4速回転が出力ギヤ16から出力する。
【0040】5速(5TH)状態では、フォワードクラ
ッチC1及びダイレクトクラッチC2が係合して、入力
軸3の回転がシンプルプラネタリギヤのリングギヤR1
及びサンギヤS1に共に伝達されて、主変速機構2は、
ギヤユニットが一体回転する直結回転となる。この際、
第1のブレーキB1が解放されかつ第2のブレーキB2
は係合状態に保持されるが第1のワンウェイクラッチF
1が空転することにより、サンギヤS2は空転する。ま
た、副変速機構5は、UDダイレクトクラッチC3が係
合した直結回転となっており、従って主変速機構2の3
速(直結)と副変速機構5の3速(直結)が組合され
て、自動変速機全体で、5速回転が出力ギヤ16から出
力する。
【0041】更に、本自動変速機は、加速等のダウンシ
フト時に作動する中間変速段、即ち3速ロー及び4速ロ
ーがある。
【0042】3速ロー状態は、フォワードクラッチC1
及びダイレクトクラッチC2が接続し(第2ブレーキB
2が係合状態にあるがワンウェイクラッチF1によりオ
ーバランする)、主変速機構2はプラネタリギヤユニッ
ト15を直結した3速状態にある。一方、第5のブレー
キB5が係止して副変速機構5は1速状態にあり、従っ
て主変速機構2の3速状態と副変速機構5の1速状態が
組合されて、自動変速機1全体で、前述した2速と3速
との間のギヤ比となる変速段が得られる。
【0043】4速ロー状態は、フォワードクラッチC1
及びダイレクトクラッチC2が接続して、主変速機構2
は、上記3速ロー状態と同様に3速(直結)状態にあ
る。一方、副変速機構5は、第4のブレーキB4が係合
して、第1のシンプルプラネタリギヤ10のサンギヤS
3及び第2のシンプルプラネタリギヤ11のサンギヤS
4が固定され、2速状態にある。従って、主変速機構2
の3速状態と副変速機構5の2速状態が組合されて、自
動変速機1全体で、前述した3速と4速との間のギヤ比
となる変速段が得られる。
【0044】なお、図2において点線の丸印は、コース
ト時エンジンブレーキの作動状態を示す。即ち、1速
時、第3のブレーキB3が作動して第2のワンウェイク
ラッチF2のオーバランによるリングギヤR2の回転を
阻止する。また、2速時、3速時及び4速時は、第1の
ブレーキB1が作動して第1のワンウェイクラッチF1
のオーバランによるサンギヤS1の回転を阻止する。
【0045】また、R(リバース)レンジにあっては、
ダイレクトクラッチC2及び第3のブレーキB3が係合
すると共に、第5のブレーキB5が係合する。この状態
では、入力軸3の回転はダイレクトクラッチC2を介し
てサンギヤS1に伝達され、かつ第3のブレーキB3に
よりダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤR2が
停止状態にあるので、シンプルプラネタリギヤのリング
ギヤR1を逆転方向に空転させながらキャリヤCRも逆
転し、該逆転が、カウンタギヤ18,17を介して副変
速機構5に伝達される。副変速機構5は、第5のブレー
キB5に基づき第2のシンプルプラネタリギヤのキャリ
ヤCR4が逆回転方向にも停止され、1速状態に保持さ
れる。従って、主変速機構2の逆転と副変速機構5の1
速回転が組合されて、出力軸16から逆転減速回転が出
力する。
【0046】図1は、電気制御系を示すブロック図で、
21は、マイクロコンピュータ(マイコン)からなる電
子制御部(ECU)で、電子制御部21には、入力軸回
転数センサ26、出力軸回転数センサ27及びシフト指
示手段であるシフトレバー装置70が接続している。制
御部21は、変速進行度演算部55、変速進行認識判定
部56、変速実行部62、手動変速制御部63及び自動
変速制御部65を有している。
【0047】シフトレバー装置70は、図中右方に形成
された、P−R−N−D−3−2レンジからなる自動変
速モード部70a及び、現在選択されているギヤ段に対
してアップシフトを指示する「+」レンジと現在選択さ
れているギヤ段に対してダウンシフトを指示する「−」
レンジとからなる手動変速モード部70bを有してお
り、自動変速モード部70aと手動変速モード部70b
は、Dレンジと、+レンジと−レンジとの中間の待機位
置70cとの間を接続する接続溝70dで接続されてい
る。運転者が操作自在な変速レバー70eは自動変速モ
ード部と手動変速モード部70bとの間を接続溝70d
を介して図中左右方向にも移動自在に設けられている。
また、自動変速モード部70aでは、運転者が所望のレ
ンジに変速レバー70eを図中上下方向に移動させるこ
とにより位置決めし、自動変速制御部65を介して変速
実行部62が図示しない変速マップなどに基づいて自動
変速制御を行う。この場合、運転者は、アップシフト及
びダウンシフトを電子制御装置9に対して指示する必要
はない自動変速モードとなる。
【0048】また、変速レバー70eは、手動変速モー
ド部70bでは、図示しない付勢手段により待機位置7
0cに保持されており、運転者が車両の走行状態からギ
ヤ段を、現在選択されているギヤ段に対してダウンシフ
トしたい場合には変速レバー70eを−レンジ側に移動
させ、運転者が車両の走行状態からギヤ段を、現在選択
されているギヤ段に対してアップシフトしたい場合には
変速レバー70eを+レンジ側に移動させる。変速レバ
ー70eは、付勢手段により待機位置70cに付勢され
ているので、運転者が変速レバー70eを+又は−レン
ジに移動させても、直ちに待機位置70cに戻るように
駆動される。
【0049】手動変速モード部70bで変速レバー70
eが、+又は−レンジに移動させられると、シフトレバ
ー装置70からは手動シフト信号S1が手動変速制御部
63に出力され、手動変速制御部63はこれを受けて、
変速実行部62に対して、ギヤ段を現在選択されている
ギヤ段に対して1段アップ又はダウンシフトさせるよう
に指令し、変速実行部62は当該指令を実行する。
【0050】ついで、図4〜6に沿って、シフトレバー
装置70の変速レバー70eが自動変速モード部70a
にあり、自動変速モードにおいてダウンシフトが生じる
場合、例えばコーストダウン時の4→3変速について説
明する。4→3変速にあっては、具体的には、解放側油
圧Pが第3のクラッチC3用油圧であり、係合側油圧
は第4のブレーキB4用油圧である。
【0051】まず、図示しないスロットル開度センサ及
び車速センサからの信号に基づき、自動変速制御部65
はマップにより、4→3変速等のダウンシフトを判断す
ると、変速実行部62に対して、図4及び図5に示すフ
ローチャートに従って、係合側摩擦係合要素であるブレ
ーキB4、解放側摩擦係合要素であるクラッチC3の制
御を行うように指令する。以下、各摩擦係合要素への油
圧(制御信号圧)の供給状態を示すタイムチャートであ
る図6を参照しつつ説明する。
【0052】変速実行部62は、これを受けて、図5に
示すように、解放側の摩擦係合要素であるクラッチC3
については、図5のステップS1を実行し、入力トルク
Tt の関数により解放側トルクTを算出する(S
1)。該入力トルクTt は、例えば、マップによりス
ロットル開度とエンジン回転数に基づきエンジントルク
を求め、更にトルクコンバータの入出力回転数から速度
比を計算し、該速度比からマップにてトルク比を求め、
エンジントルクに上記トルク比を乗じて求められる。更
に、該入力トルクにトルク分担率等が関与して上記解放
側トルクT が求められる。
【0053】該解放側トルクT から解放側の待機係
合圧Pwが算出され(S2)、変速実行部62は、クラ
ッチC3への供給油圧が該待機係合圧Pwになるように
制御する(S3)。更に、変速実行部62は、図5のス
テップS4で、クラッチC3の供給油圧PをPwから
予め設定されている所定勾配からなる油圧δPによ
り、スイープダウンさせる(S4)。この制御は、供給
油圧Pが0になるまで継続される(S5)。
【0054】一方、係合側となるブレーキB4は、図4
に示すように、制御部21からのダウンシフト判断に基
づき、変速実行部62による計時が開始され(S3
0)、第4のブレーキB4用油圧サーボへの油圧P
所定圧Ps1になるように所定信号圧を出力する(S3
1)。
【0055】該所定圧Ps1は、油圧サーボの油圧室を
満たしてガタ詰めを行うために必要な油圧に設定されて
おり、所定時間tSAの間保持される。所定時間tSA
が経過すると(S32)、係合側油圧PBは、所定勾配
[(Ps1−Ps2)/t SB]でスイープダウンし
(S33)、係合側油圧PBが所定低圧Ps2になると
(S34)、該スイープダウンが停止され、該所定低圧
Ps2に保持される(S35)。該所定低圧Ps2は、
ピストンストローク圧以上でかつ係合側摩擦係合要素
(例えば第4のブレーキB4)にトルク容量を生じさせ
る圧に設定されており、該所定低圧Ps2は、計時tが
所定時間tSE経過するまで保持される(S36)。上
記ステップS31からS36までサーボ起動制御とな
る。ここで、所定低圧Ps2をトルク容量を生じさせる
圧に設定しているので、所定低圧Ps2で保持されてい
る間に、係合側摩擦係合要素(B4)の係合が開始、つ
まり変速が開始(入力軸の回転変化が開始)される。な
お、図6の入力軸回転数は出力軸回転数(車速)が一定
と仮定した場合の回転数変化である。
【0056】次に、変速実行部62は、図4に示すよう
に、係合側の摩擦係合要素であるブレーキB4のサーボ
起動制御(図4のステップS36まで)が終了すると
(t≧tSE)、直ちに完了制御に入る。該完了制御で
は、完了制御時間tFINがタイマに設定される(S3
7)。そして係合側油圧Pは、予め設定されている所
定勾配からなる油圧δPによりスイープアップし(S
38)、上記設定された所定時間tFIN が経過する
まで(t≦0)、上記スイープアップが続けられ(S3
9)、該時間が経過した時点で完了制御は終了し変速実
行部62による変速終了判断がなされ、ブレーキB4の
係合が完了し、4→3変速が完了する。
【0057】このようにして、シフトレバー70が自動
変速モード部70aにある場合のコーストダウンシフ
ト、例えば4−3ダウンシフト変速が行われるが、この
ダウンシフト動作は、車両の走行状態に応じてシフトレ
バー70が手動変速モード部70bにある場合において
も同様に、行われる場合がある。即ち、運転者が手動変
速モード部70bで変速レバー70eを操作して、手動
変速モードによる変速動作が行われている場合、運転者
が高速段(例えば4速)を指示したままの状態でブレー
キを踏んで減速した際に、当該高速段を保持したままで
は駆動力不足となることから、手動変速制御部63は、
所定のダウンシフトマップに従って、変速段を制御装置
側で自動的にダウンシフトさせる制御を行なう。
【0058】一方、手動変速制御部63によるダウンシ
フト制御中に、運転者が、速度低下に対応するために、
シフトレバー70を手動変速モード部70bで−レンジ
に移動させ、意識的に手動変速でダウンシフトを行なう
場合が生じる。
【0059】例えば、図8に示すように、手動変速モー
ド部70bでの運転中に車両が減速されて、時点T1で
ダウンシフトマップに基づいて、手動変速制御部63に
よる4−3ダウンシフト指令が自動変速指令として出力
され、当該指令に基づいて変速実行部62が前述のダウ
ンシフト動作を開始した後、運転者が変速レバー70e
を−レンジに操作して手動ダウンシフトを指令した場合
には、電子制御部21は、図7示す変速要求処理サブル
ーチンSUB1に基づいて、以下の処理を行なう。電子
制御部21は、まず運転者の変速要求が時点T1で実行
された自動ダウンシフトによる変速動作を認識して行わ
れたものか否かを判定する。
【0060】即ち、電子制御部21は、変速要求処理サ
ブルーチンSUB1のステップS1及びステップS2
で、手動変速モードにおいて、自動変速指令による変速
実行中に運転者によるマニュアル変速要求が発生したこ
とを検知すると、ステップS3で、入力軸回転数センサ
26及び出力軸回転数センサ27などからの信号を取り
込み、ステップS4で変速進行度演算部55に、運転者
が変速レバー70eを操作してマニュアル変速要求が出
された時点での、既に開始されている自動変速指令によ
る変速動作の進行度合いを演算させる。
【0061】即ち、マニュアル変速要求が出された時点
で、自動変速指令による変速がある程度まで進行してい
れば、図9に示すように、入力軸3の回転数、従って、
エンジンの回転数は、ダウンシフト動作により上昇して
おり、運転者は当該自動変速指令が行われているのを認
識したのち、更に変速レバー70eを操作してマニュア
ル変速要求をしている可能性が高いものと判断される。
【0062】そこで、変速進行度演算部55は、ステッ
プS4で入力軸回転数センサ26からの信号に基づき、
運転者からの手動変速モードにおけるマニュアル変速要
求が出力された時点での、自動ダウンシフト動作による
変速の進行度αを、図10に示すように、 α=(ΔN*100)/{Nos・(gi+1・gi)} ΔN:現在(例えば、マニュアル変速要求が出力された時点)の回転変化量 =(Ni−Nos*gi) Nos:回転変化開始時の出力軸回転数 gi+1:変速後のギヤ比 gi:変速前のギヤ比 Ni:現在(例えば、マニュアル変速要求が出された時
点)の入力軸回転数で演算し、求める。
【0063】従って、平均的な運転者が自動ダウンシフ
ト動作を認識する変速の進行度αを変速認識値として、
予め実験などで測定してメモリに格納しておき、演算さ
れた進行度αが所定の変速認識値を越えていた場合に
は、運転者は、自動ダウンシフト動作の進行を認識した
状態で、更に手動変速モード部70bで変速レバー70
eを操作してマニュアル変速要求を出力したものと判定
し、ステップS5を経由して、ステップS6に入り、運
転者によるマニュアル変速要求を許可し、ステップS7
に入り、図8(c)に示すように、図4のステップS3
9の変速終了判断の後、更にマニュアル変速要求に基づ
くダウンシフト動作に入り、変速実行部62を介して、
例えばB4ブレーキが解放されると共に、B5ブレーキ
が係合されて3−2ダウンシフトが行われる。
【0064】この場合、自動変速指令により、4−3変
速が行われ、当該変速中にマニュアル変速要求が出力さ
れて、更に3−2変速が行われるので、結果的に4−2
変速が行われることとなるが、運転者は自動ダウンシフ
ト動作によるダウンシフトを認識した上で、更にダウン
シフト要求を行っている可能性が高いので、4−2ダウ
ンシフトは、運転者の意図に沿った形で行われている必
然性が高く、運転者に何ら違和感をもたらすようなこと
はない。
【0065】また、図7のステップS5で、演算された
変速進行度αが所定の変速認識値を下回って自動ダウン
シフト動作による変速が十分に進行していない場合に
は、運転者は、自動ダウンシフト動作の進行を認識てい
ない状態で、更に手動変速モード部70bで変速レバー
70eを操作してマニュアル変速要求を出力したものと
判定し、ステップS8に入り、運転者によるマニュアル
変速要求を却下し、ステップS9に入り、図8(b)に
示すように、図4のステップS39の、変速終了判断の
後、更なるダウンシフト動作を行うことなく、定常状態
に戻る。この場合、マニュアル変速要求は却下され、結
果的に4−3変速のみが自動で行われることとなるが、
運転者は自動ダウンシフト動作によるダウンシフトを認
識しないまま、ダウンシフト要求を行っている可能性が
高いので、4−3ダウンシフトは、運転者の意図に沿っ
た変速態様である必然性が高く、運転者に対して何ら違
和感をもたらすようなことはない。
【0066】なお、運転者が自動ダウンシフト動作によ
るダウンシフトを認識する指標となる変速認識値として
の、変速の進行度αであるが、この値は、実験などで適
宜定めることが出来る。しかし、通常、α=70%程度
が望ましい。即ち、図9に示すように、自動ダウンシフ
ト動作によるダウンシフトが開始される時点T1から、
当該ダウンシフト動作が70%進行する時点T2までの
期間は、マニュアル変速要求が禁止され、時点T2から
図4のステップS34で変速終了判断の出た時点T4ま
での間が、マニュアル変速要求が許可される期間とな
る。なお、時点T4以降は、自動ダウンシフト動作によ
るダウンシフト動作が終了しているので、変速要求処理
サブルーチンSUB1に基づいた処理は終了し、以後の
マニュアル変速要求は通常のマニュアル変速要求として
処理される。
【0067】従って、図8に示すように、自動変速指令
により自動ダウンシフト動作が開始される時点T1か
ら、当該ダウンシフト動作が例えば70%進行する時点
T2までの期間の時点T3−1に運転者から出力された
マニュアル変速要求は禁止され、時点T2から図4のス
テップS34で変速終了判断の出た時点T4までの間の
時点T3−2に運転者から出力されたマニュアル変速要
求は許可されることとなる。
【0068】更に、ステップS4における変速の進行度
αは、前述の場合、図10に示すように、現在の回転数
変化量ΔNと回転変化開始時の入力軸回転数NTSとの
割合を指標としている。この方法は、変速段に無関係に
一定の値を設定しておくことが出来る。しかし、単に入
力軸回転数や、自動ダウンシフト動作によるダウンシフ
ト動作開始時点T1からの経過時間をタイマなどで計時
することにより進行度αを判定するようにしてもよい。
但しこの場合は、各変速段について(3−2、4−3な
ど)、当該変速段に応じた所定の値を設定する必要があ
る。
【0069】即ち、入力軸回転数が、例えば、図9に示
すように、マニュアル変速要求が出された時点T3にお
いて所定回転Nsetまで変化していれば、変速がある
程度進行しており、運転者は自動ダウンシフト動作によ
るダウンシフトを認識しているものと判断することが出
来る。
【0070】従って、図9に示すように、自動ダウンシ
フト動作によるダウンシフトが開始される時点T1か
ら、所定回転数Nsetに達する時点T5までの期間の
時点T3−1に運転者から出力されたマニュアル変速要
求は禁止され、時点T5から図4のステップS34で変
速終了判断の出た時点T4までの間の時点T3−2に運
転者から出力されたマニュアル変速要求は許可されるこ
ととなる。
【0071】更に、既に述べたように、図9に示すよう
に、自動ダウンシフト動作によるダウンシフト動作開始
時点T1からの時間Tsetを予め設定しておき、ダウ
ンシフト動作開始時点T1からの時間をタイマで計時
し、該タイマにより計時された時間が所定時間Tset
を経過した後は、運転者は変速を認識しているものと判
断することも出来る。
【0072】この場合、図9に示すように、自動ダウン
シフト動作によるダウンシフトが開始される時点T1か
ら、所定時間Tset変化する時点T5までの期間の時
点T3−1に運転者から出力されたマニュアル変速要求
は禁止され、時点T5から図4のステップS34で変速
終了判断の出た時点T4までの間の時点T3−2に運転
者から出力されたマニュアル変速要求は許可されること
となる。
【0073】上述の実施例は、自動変速制御部65が4
−3ダウンシフトを行っているときに、運転者が更にダ
ウンシフト指令をマニュアル変速要求として出力した場
合について述べたが、マニュアル変速要求が出力される
状態は、自動変速制御部65によるダウンシフトが、4
−3に限らず、5−4、3−2など、2−1などの最低
ギヤ段へのダウンシフト以外、どのようなギヤ段に係わ
るダウンシフト動作中でもよい。また、自動変速モード
部70aにおいて、自動変速制御部65がダウンシフト
を行っているときに、運転者が変速レバー70eを自動
変速モード部70aから手動変速モード部70bへ操作
してダウンシフト指令をマニュアル変速要求として出力
する場合にも適用できる。
【0074】更に、本発明は、運転者の変速レバー70
eの手動操作に基づかない自動変速動作中(即ち、Dレ
ンジ、手動変速モード部70bにおける自動アップ/ダ
ウンシフトなど)に、運転者による手動変速モードにお
けるマニュアル変速要求が出力された場合であれば、自
動変速動作はダウンシフトに限らず、アップシフト動作
でも適用することが出来る。従って、自動変速動作とマ
ニュアル変速要求が共にダウンシフトとダウンシフト又
はアップシフトとアップシフトの組み合わせに限らず、
自動変速動作がダウンシフトでマニュアル変速要求がア
ップシフトの組み合わせの場合、また、自動変速動作が
アップシフトでマニュアル変速要求がダウンシフトの組
み合わせの場合でもよい。
【0075】また、手動変速指令を出力する手動変速指
令出力手段は、変速レバー70eに限らず、変速スイッ
チなどの電気的なスイッチにより構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる電子制御部を示すブロック図。
【図2】本発明を適用しうる自動変速機の機構部分を示
すスケルトン図。
【図3】その摩擦係合要素の作動を示す図。
【図4】クラッチツークラッチ変速における自動ダウン
シフトの係合側油圧の制御を示すフローチャート。
【図5】クラッチツークラッチ変速における自動ダウン
シフトの解放側油圧の制御を示すフローチャート。
【図6】クラッチツークラッチ変速による自動ダウンシ
フト時の各摩擦係合要素に対する油圧の状態(信号圧)
を示すタイムチャート。
【図7】変速要求処理サブルーチンの一例を示すフロー
チャート。
【図8】自動ダウンシフト動作中にマニュアル変速要求
が出力された際の、処理の一例を示すタイムチャート。
【図9】自動ダウンシフト動作における変速の進行度を
示す各指標の例を示すタイムチャート。
【図10】変速の進行度を、回転変化開始時の入力軸回
転数に対する回転変化量で見る場合の、進行度の計算方
法を示す図。
【符号の説明】
21……制御装置(電子制御部) 55……変速進行度演算手段(変速進行度演算部) 56……シフト実行制御手段(変速進行認識判定部) 62……自動シフト手段、シフト実行制御手段(変速実
行部) 63……自動シフト手段(手動変速制御部) 65……自動シフト手段(自動変速制御部) 70……シフト指示手段(シフトレバー) SUB1……シフト実行制御手段(変速要求処理サブル
ーチン)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J552 MA02 MA12 MA18 MA25 NA01 NB01 PA20 PA32 PA33 RA03 RA06 SA03 SA08 VA32W VA33W VA37W VA66W VA68W VA74W VA77W VA78W VB01Z VC01Z VC03Z VD16W

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転者がアップシフト及びダウンシフト
    を指示する必要のない自動変速モード及び運転者がアッ
    プシフト及びダウンシフトを指示することの出来る手動
    変速モードを有するシフト指示手段が設けられた、自動
    変速機の制御装置において、 車両の状態に基づいて自動変速動作を行うことの出来る
    自動シフト手段を設け、 前記自動シフト手段による自動変速動作の進行度を演算
    する変速進行度演算手段を設け、 前記自動シフト手段による自動変速動作中に、前記シフ
    ト指示手段から運転者のマニュアル変速要求があった場
    合に、前記変速進行度演算手段によって演算された前記
    自動変速動作の進行度に基づいて、前記マニュアル変速
    要求に基づく変速動作を制御するシフト実行制御手段を
    設けて構成した、自動変速機のマニュアル変速制御装
    置。
  2. 【請求項2】前記自動シフト手段による自動変速動作
    は、前記シフト指示手段が自動変速モードにある場合に
    生じることを特徴とする、請求項1記載の自動変速機の
    マニュアル変速制御装置。
  3. 【請求項3】前記自動シフト手段による自動変速動作
    は、前記シフト指示手段が手動変速モードにある場合に
    生じることを特徴とする、請求項1記載の自動変速機の
    マニュアル変速制御装置。
  4. 【請求項4】 前記変速進行度演算手段は、前記自動変
    速動作における変速機の入力軸の回転変化量の割合を指
    標として前記進行度を演算することを特徴とする、請求
    項1記載の自動変速機のマニュアル変速制御装置。
  5. 【請求項5】 前記変速進行度演算手段は、前記自動変
    速動作における変速機の入力軸の回転数を指標として前
    記進行度を演算することを特徴とする、請求項1記載の
    自動変速機のマニュアル変速制御装置。
  6. 【請求項6】 前記変速進行度演算手段は、前記自動変
    速動作における自動変速動作の開始時からの時間を計時
    するタイマを有し、該タイマの計時に基づいて前記進行
    度を演算することを特徴とする、請求項1記載の自動変
    速機のマニュアル変速制御装置。
  7. 【請求項7】 シフト実行制御手段は、前記変速進行度
    演算手段によって演算推定された自動変速動作の進行度
    に基づいて、前記シフト指示手段からの運転者の手動変
    速モードによるマニュアル変速要求を実行するか否かを
    判断するようにして構成した、請求項1記載の自動変速
    機のマニュアル変速制御装置。
  8. 【請求項8】 シフト実行制御手段は、前記変速進行度
    演算手段により演算された自動変速動作の進行度が進ん
    でおり、運転者が該自動変速動作を認識しているものと
    判断した場合には、前記自動シフト手段によるシフト動
    作に加えて、前記シフト指示手段からの運転者の手動変
    速モードによるマニュアル変速要求に基づくシフト動作
    を行うようにして構成した、請求項7記載の自動変速機
    のマニュアル変速制御装置。
  9. 【請求項9】 シフト実行制御手段による、前記シフト
    指示手段からの運転者の手動変速モードによるマニュア
    ル変速要求に基づくシフト動作は、前記自動シフト手段
    によるシフト動作による変速終了後に開始するようにし
    て構成した、請求項8記載の自動変速機のマニュアル変
    速制御装置。
  10. 【請求項10】 前記シフト実行制御手段は、所定の変
    速認識値を格納しており、前記変速認識値と前記演算さ
    れた自動変速動作の進行度を比較し、前記進行度が前記
    変速認識値を越えた場合には、前記自動変速動作の進行
    度が進んでおり、運転者が該自動変速動作を認識してい
    るものと判断することを特徴とする、請求項8記載の自
    動変速機のマニュアル変速制御装置。
JP2000074419A 2000-03-16 2000-03-16 自動変速機のマニュアル変速制御装置 Expired - Fee Related JP3446714B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000074419A JP3446714B2 (ja) 2000-03-16 2000-03-16 自動変速機のマニュアル変速制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000074419A JP3446714B2 (ja) 2000-03-16 2000-03-16 自動変速機のマニュアル変速制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001263468A true JP2001263468A (ja) 2001-09-26
JP3446714B2 JP3446714B2 (ja) 2003-09-16

Family

ID=18592473

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000074419A Expired - Fee Related JP3446714B2 (ja) 2000-03-16 2000-03-16 自動変速機のマニュアル変速制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3446714B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012062964A (ja) * 2010-09-16 2012-03-29 Toyota Motor Corp 車両用自動変速機の変速制御装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012062964A (ja) * 2010-09-16 2012-03-29 Toyota Motor Corp 車両用自動変速機の変速制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3446714B2 (ja) 2003-09-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4078789B2 (ja) 自動変速機におけるロックアップ制御装置
JP3937282B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP3339405B2 (ja) 自動変速機の油圧制御装置
JP3301344B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP2009156433A5 (ja)
US8121764B2 (en) Shift control device for automatic transmission and control method thereof
JP3835124B2 (ja) 自動変速機のマニュアル変速制御装置
US6736757B2 (en) Speed shift control apparatus of automatic transmission
JP2000135938A (ja) 自動変速機の変速制御装置
KR101533117B1 (ko) 자동 변속기의 변속 제어 장치
JP5820114B2 (ja) 車両の走行制御装置
JP3478208B2 (ja) 自動変速機の油圧制御装置
JP3888021B2 (ja) 自動変速機のマニュアル変速制御装置
JP2001263468A (ja) 自動変速機のマニュアル変速制御装置
JPH08210493A (ja) 車両用自動変速機の制御装置
JP2001336627A (ja) 自動変速機のマニュアル変速制御装置
JPH08159266A (ja) 自動変速機の変速油圧制御装置
JP3951419B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP4345635B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP3293570B2 (ja) 自動変速機の油圧制御装置
JP4066598B2 (ja) 自動変速機の油圧制御装置
JP3341615B2 (ja) 車両用自動変速機の制御装置
JP4123708B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP4070632B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JPH03229932A (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080704

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090704

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100704

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100704

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110704

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110704

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120704

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120704

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130704

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees