JP2001263376A - クラッチの制御装置 - Google Patents

クラッチの制御装置

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JP2001263376A
JP2001263376A JP2000079167A JP2000079167A JP2001263376A JP 2001263376 A JP2001263376 A JP 2001263376A JP 2000079167 A JP2000079167 A JP 2000079167A JP 2000079167 A JP2000079167 A JP 2000079167A JP 2001263376 A JP2001263376 A JP 2001263376A
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Japan
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clutch
load
force
actuator
transmission torque
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JP2000079167A
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English (en)
Inventor
Tomomitsu Terakawa
智充 寺川
Yoshitomi Haneda
吉富 羽根田
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラッチの制御装置において、クラッチ伝達
トルクを精度良く制御すること。 【解決手段】 クラッチディスク23はプレッシャプレ
ート24を介してスプリング25によりフライホイール
21側に押圧され、アクチュエータ30は車両の運転状
態に応じて上記押圧力に抗する力を発生する。また、制
御手段は、車両の運転状態に基づいてクラッチディスク
の目標伝達トルクに応じた値を演算するとともに、アク
チュエータの発生している力に基づいてクラッチディス
クの実際の伝達トルクに応じた値を検出し、前記目標伝
達トルクに応じた値と前記実際の伝達トルクに応じた値
とを比較して同目標伝達トルクに応じた値と同実際の伝
達トルクに応じた値とが等しくなるように前記アクチュ
エータを制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に搭載された
内燃機関等の動力源と変速機との間のトルク伝達を行う
摩擦クラッチの制御装置に係り、特に、クラッチ伝達ト
ルクの制御精度を高めたクラッチの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、特開昭58−191635号
公報に記載されているように、運転者の変速意思が確認
された場合等にアクチュエータを駆動し、従来のマニュ
アルトランスミッション車に採用されるクラッチ装置と
同様のクラッチ装置の断接操作を自動的に行うクラッチ
の制御装置が知られている。この種の装置では、コイル
スプリング、或いはダイヤフラムスプリング等(以下、
これらをスプリングと総称する。)の発生する力がプレ
ッシャプレートを介してクラッチディスクに伝達され、
これによりクラッチディスクが所定の圧着荷重にてフラ
イホイールに係合されるようになっている。
【0003】また、この種の装置は、電動モータ等のア
クチュエータが発生する力(荷重)をクラッチベアリン
グ及びレリーズレバーを介して前記プレッシャプレート
に伝達し、これにより前記スプリングの付勢方向とは反
対方向の力をプレッシャプレートに加えることにより、
クラッチの自動制御を達成するようになっている。より
具体的には、車両の運転状態に応じて目標とすべきクラ
ッチ伝達トルク(クラッチトルク)が決定され、これに
基づいて前記アクチュエータのロッド移動量やクラッチ
ベアリングの移動量等の目標ストロークが決定され、ス
トロークセンサにより検出される実際のストロークが前
記決定された目標ストロークとなるようにアクチュエー
タが制御されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のクラッチの制御装置においては、ストロークに基づ
く制御がなされており、ストロークとクラッチ伝達トル
クを決定するクラッチ荷重(クラッチディスクスプリン
グ荷重)との関係は、クラッチ装置の製造誤差やクラッ
チディスクの摩耗等により変化するため、所望のクラッ
チ伝達トルクが精度良く得られないという問題がある。
【0005】
【発明の概要】本発明は、上記課題に対処するためにな
されたものであって、その構成上の特徴は、車両の駆動
源の出力軸と一体的に回転するフライホイールに対向配
置され、車両の変速機の入力軸と一体的に回転するクラ
ッチディスクと、前記クラッチディスクの軸方向に移動
可能であって同クラッチディスクに対向配置されたプレ
ッシャプレートと、前記プレッシャプレートを前記フラ
イホイール側に押圧する付勢力を付与することにより前
記クラッチディスクを同フライホイールに係合させるた
めの圧着荷重を生ぜしめるスプリングと、指示信号に応
じて力を発生するとともに同力を前記スプリングの付勢
力に抗する力として前記プレッシャプレートに付与する
アクチュエータと、前記車両の運転状態に応じて前記指
示信号を前記アクチュエータに付与する制御手段とを含
み、前記フライホイールと前記変速機の入力軸間におけ
る前記クラッチディスクの伝達トルクを制御するクラッ
チの制御装置において、前記制御手段は、前記車両の運
転状態に基づいて前記クラッチディスクの目標伝達トル
クに応じた値を演算するとともに、前記アクチュエータ
の発生している力に基づいて同クラッチディスクの実際
の伝達トルクに応じた値を検出し、前記目標伝達トルク
に応じた値と前記実際の伝達トルクに応じた値とを比較
して同目標伝達トルクに応じた値と同実際の伝達トルク
に応じた値とが等しくなるように前記アクチュエータに
対して前記指示信号を出力するよう構成されたことにあ
る。
【0006】この場合において、上記クラッチの制御装
置は、前記アクチュエータの発生する力により前記クラ
ッチディスクの軸方向に移動されるクラッチベアリング
と、前記クラッチベアリングにより駆動され前記プレッ
シャプレートに前記スプリングの付勢力に抗する力を伝
達するレリーズレバーとを含み、前記目標伝達トルクに
応じた値は前記クラッチベアリングの目標荷重であり、
前記実際の伝達トルクに応じた値は前記クラッチベアリ
ングに加わる実際の荷重であることが望ましい。
【0007】このような構成によれば、クラッチディス
クはプレッシャプレートを介してスプリングによりフラ
イホイール側に付勢(押圧)され、アクチュエータは車
両の運転状態に応じて上記付勢力(押圧力)に抗する力
(荷重)を発生する。また、制御手段は、車両の運転状
態に基づいてクラッチディスクの目標伝達トルクに応じ
た値を演算するとともに、アクチュエータの発生してい
る力に基づいてクラッチディスクの実際の伝達トルクに
応じた値を検出し、前記目標伝達トルクに応じた値と前
記実際の伝達トルクに応じた値とを比較して同目標伝達
トルクに応じた値と同実際の伝達トルクに応じた値とが
等しくなるように前記アクチュエータを制御する。
【0008】この場合、クラッチ伝達トルク(クラッチ
ディスクの伝達トルク)はクラッチディスク自体のスプ
リングの荷重(クラッチディスクスプリング荷重)と比
例関係にあり、このクラッチディスクスプリング荷重
は、上記プレッシャプレートを前記フライホイール側に
押圧するスプリングの付勢力(スプリングの押圧力、即
ちクラッチカバースプリング荷重)から前記アクチュエ
ータが発生する同スプリングの付勢力に抗する力(荷
重)を減じたものである。また、上記スプリングの付勢
力は既知である。従って、アクチュエータが発生する力
とクラッチ伝達トルクとの間には一義的な関係があるた
め、アクチュエータの発生する力に基づいてクラッチデ
ィスクの実際の伝達トルクに応じた値を求めることが可
能である。そこで、上記構成のように、アクチュエータ
の発生する力に基づいて実際の伝達トルクに応じた値を
検出しておき、同検出した実際の伝達トルクに応じた値
が車両の運転状態に基づいて求めた目標クラッチ伝達ト
ルクに応じた値となるように同アクチュエータを制御す
ることにより、クラッチ伝達トルクそのものが精度良く
制御され得る。
【0009】特に、クラッチ装置が上記クラッチベアリ
ング(レリーズベアリング)及び上記レリーズレバーを
含む場合には、アクチュエータの発生している力とクラ
ッチベアリングの荷重との間には一義的な関係があるの
で、同クラッチベアリングの荷重とクラッチ伝達トルク
との間にも一義的な関係が成立する。従って、目標伝達
トルクに応じた値を前記クラッチベアリングの目標荷重
として決定し、前記実際の伝達トルクに応じた値を前記
クラッチベアリングに加わる実際の荷重として検出し、
これらが等しくなるようにアクチュエータを制御するこ
とによっても、クラッチ伝達トルクそのものを精度良く
制御することができる。
【0010】また、上記構成のクラッチの制御装置にお
いて、前記アクチュエータは電動モータであり、前記実
際の伝達トルクに応じた値は前記電動モータの出力トル
クを決定する電流値を基に検出されることが好適であ
る。
【0011】このような構成によれば、アクチュエータ
として電動モータが使用されるため、クラッチの制御を
容易かつ精度良く行うことができる。また、前記実際の
伝達トルクに応じた値は、前記電動モータに流れる電流
値から検出されるため、荷重センサやストロークセンサ
等を別途設ける必要がなく、装置のコストを低下させる
ことができる。
【0012】また、本発明の他の構成上の特徴は、車両
の駆動源の出力軸と一体的に回転するフライホイールに
対向配置され、車両の変速機の入力軸と一体的に回転す
るクラッチディスクと、前記クラッチディスクの軸方向
に移動可能であって同クラッチディスクに対向配置され
たプレッシャプレートと、前記プレッシャプレートを前
記フライホイール側に押圧する付勢力を付与することに
より前記クラッチディスクを同フライホイールに係合さ
せるための圧着荷重を生ぜしめるスプリングと、指示信
号に応じて力を発生するアクチュエータと、前記アクチ
ュエータの発生する力により前記クラッチディスクの軸
方向に移動されるクラッチベアリングと、前記クラッチ
ベアリングにより駆動され前記プレッシャプレートに前
記スプリングの付勢力に抗する力を伝達するレリーズレ
バーと、前記車両の運転状態に応じて前記指示信号を前
記アクチュエータに付与する制御手段とを含み、前記フ
ライホイールと前記変速機の入力軸間における前記クラ
ッチディスクの伝達トルクを制御するクラッチの制御装
置において、前記制御手段は、前記車両の運転状態に基
づいて前記クラッチディスクの目標伝達トルクに応じた
前記クラッチベアリングの目標荷重を演算するととも
に、前記クラッチベアリングに加わる実際の荷重を求
め、同クラッチベアリングの目標荷重と同クラッチベア
リングに加わる実際の荷重とが等しくなるように、前記
アクチュエータに対して前記指示信号を出力するよう構
成されたことにある。
【0013】この構成によれば、スプリングはプレッシ
ャプレートをフライホイール側に押圧する付勢力を付与
することによりクラッチディスクをフライホイールに係
合させるための圧着荷重を生ぜしめ、クラッチベアリン
グはアクチュエータの発生する力により前記クラッチデ
ィスクの軸方向に移動され、レリーズレバーはクラッチ
ベアリングにより駆動され、プレッシャプレートに対し
てスプリングの付勢力に抗する力を伝達する。そして、
制御手段は、車両の運転状態に基づいてクラッチディス
クの目標伝達トルクに応じたクラッチベアリングの目標
荷重を演算するとともに、クラッチベアリングに加わる
実際の荷重を求め、同クラッチベアリングの目標荷重と
同クラッチベアリングに加わる実際の荷重とが等しくな
るようにアクチュエータの発生する力を制御する。
【0014】上述したように、クラッチディスクの伝達
トルクと比例関係にあるクラッチディスクの荷重は、プ
レッシャプレートを介してクラッチディスクに付与され
るスプリングの荷重からクラッチベアリングに加わる荷
重を減じたものであるから、クラッチディスクの伝達ト
ルクはクラッチベアリングに加わる荷重を制御すること
で、精度良く制御される。従って、上記構成のようにア
クチュエータの発生する力を制御することで、目標とす
るクラッチディスクの伝達トルクを精度良く得ることが
できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるクラッチの制
御装置の一実施形態について図面を参照しつつ説明す
る。図1に概略的に示された本クラッチの制御装置は、
駆動源としてのエンジン10と変速機11との間に配設
される摩擦クラッチ20と、同クラッチ20を操作する
アクチュエータ30と、このアクチュエータ30に指示
信号(駆動信号)を出力するクラッチ制御回路40とを
含んで構成されている。
【0016】摩擦クラッチ20は、図2にその詳細を示
したように、フライホイール21、クラッチカバー2
2、クラッチディスク23、プレッシャプレート24、
コイルスプリング25、クラッチベアリング(レリーズ
ベアリング)26、クラッチレバー27、クラッチフォ
ーク28を主たる構成要素として備えている。
【0017】フライホイール21は、鋳鉄製の円板であ
り、エンジン10のクランクシャフト(駆動源の出力
軸)10aにボルト固定されていて、同クランクシャフ
ト10aと一体的に回転するようになっている。クラッ
チカバー22は、略円筒形状であって、円筒部22a
と、円筒部22aの内周側においてフライホイール側に
突出するように形成されたレバー支持部22bとを含ん
でなり、円筒部22aの外周部にてフライホイール21
にボルト固定されて同フライホイール21と一体的に回
転するようになっている。
【0018】クラッチディスク23は、エンジン10の
動力を変速機11に伝達するリング状の摩擦板であっ
て、フライホイール21とプレッシャプレート24との
間に配設され、中央部にて変速機11の入力軸11aと
スプライン連結されることにより軸方向に移動できるよ
うになっている。また、クラッチディスク23の外周部
の両面には、摩擦材からなるクラッチフェーシング23
a,23bがリベットにより張り付け固定されている。
【0019】プレッシャプレート24は、変速機11の
入力軸方向(クラッチディスク23の軸方向)に進退可
能に配置されていて、クラッチディスク23をフライホ
イール21側に押圧してフライホイール21との間に挟
み込み、クラッチディスク23をフライホイール21と
係合させて一体的に回転させるためのものであり、略リ
ング形状を有し、クラッチカバー22の回転に伴って回
転するように同クラッチカバー22と連結されている。
【0020】コイルスプリング25は、プレッシャプレ
ート24とクラッチカバー22の円筒部22aの底面と
の間に軸方向に配設され、プレッシャプレート24をフ
ライホイール21側に付勢し、これによりプレッシャプ
レート24を介してクラッチディスク23をフライホイ
ール21側に押圧・圧着するようになっている。
【0021】クラッチベアリング26は、変速機11の
入力軸11aの外周を包囲するように同入力軸11aに
対し軸方向に摺動可能に支持されていて、クラッチレバ
ー27の一端部と当接し、アクチュエータ30の発生す
る力をクラッチレバー27に伝達するようになってい
る。
【0022】クラッチレバー27は、プレッシャプレー
ト24をフライホイール21から軸方向において離間す
る方向(コイルスプリング25の付勢力に抗する方向)
に移動させるもの(コイルスプリング25の付勢力に抗
する力を伝達するもの)であって、他端部が部材27a
を介してプレッシャプレート24に連結されているとと
ともに、クラッチカバー22の支持部22bに揺動可能
に支持され、クラッチベアリング26から伝達される力
により揺動するようになっている。
【0023】クラッチフォーク28は、アクチュエータ
30の作動に応じてクラッチベアリング26を軸方向に
摺動させるためのものであって、支持点28aにて図示
しない変速機ケースに揺動可能に支持されていて、その
一端はクラッチベアリング26と当接し、他端はアクチ
ュエータ30のロッド31の先端部と連結されている。
【0024】アクチュエータ30は、前述したロッド3
1を進退移動させるものであって、直流電動モータ32
と、この電動モータ32を支持するとともに車両の適宜
個所に固定されたハウジング33とを備えている。ハウ
ジング33内には、電動モータ32により回転駆動され
る回転軸34と、側面視にて扇型をなしハウジング33
に揺動可能に支持されたセクタギヤ35が収容されてい
る。前記回転軸34にはウオームが形成され、前記セク
タギヤ35の円弧部と歯合している。また、ロッド31
の基端部(クラッチレバー27と連結されている先端部
と反対側の端部)は、セクタギヤ35に回動可能に支持
されている。これらにより、電動モータ32が回転する
とセクタギヤ35が回転し、ロッド31がハウジング3
3に対して進退移動するようになっている。
【0025】再び図1を参照すると、クラッチ制御回路
40は、マイクロコンピュータ(CPU)41、インタ
ーフェース42〜44、EEPROM45、及び駆動回
路46等から構成されている。CPU41は、後述する
プログラム及びマップ等を記憶したROM、及びRAM
を内蔵している。
【0026】インターフェース42は、バスを介してC
PU41に接続されるとともに、変速機のシフトレバー
が操作されたときに生じる荷重(シフトレバー荷重)を
検出するシフトレバー荷重センサ51、車速Vを検出す
る車速センサ52、実際の変速段を検出するギヤ位置セ
ンサ53、及び変速機11の入力軸11aの回転数を検
出する変速機入力軸回転数センサ54、及びモータ32
の回転速度を検出するモータ回転速度センサ57と接続
されていて、CPU41に対し車両の運転状態及び、モ
ータ32の状態を表す各センサの検出信号を供給するよ
うになっている。
【0027】インターフェース43は、バスを介してC
PU41に接続されるとともに、エンジン制御装置60
と双方向の通信が可能となるように接続されている。こ
れにより、クラッチ制御回路40のCPU41は、エン
ジン制御装置60が入力しているスロットル開度センサ
55及びエンジン回転数センサ56の情報を取得し得る
ようになっている。なお、スロットル開度TA及びエン
ジン回転数NEも車両の運転状態を表す値である
【0028】EEPROM45は、電源が供給されてい
ない場合においても、データを記憶・保持する不揮発性
のメモリである。このEEPROM45は、バスを介し
てCPU41に接続されていて、電源供給時においてC
PU41から供給されるデータを格納するとともに、同
CPU41に記憶しているデータを供給するようになっ
ている。
【0029】駆動回路46は、CPU41に接続された
インターフェース44からの指令信号によりオン又はオ
フする4個のスイッチング素子(図示省略)を内蔵して
いる。これらのスイッチング素子は、周知のブリッジ回
路を構成し、選択的に導通状態とされるとともに導通時
間が制御され、電動モータ32に所定方向及び同所定方
向とは逆方向の任意の大きさの電流(モータ電流MI)
を流すようになっている。
【0030】エンジン制御装置60は、図示しないマイ
クロコンピュータを主として構成され、エンジン10の
燃料噴射量及び点火時期等を制御するものであり、前述
したようにエンジン10のスロットル開度TAを検出す
るスロットル開度センサ55と、同エンジン10の回転
数NEを検出するエンジン回転数センサ56等と接続さ
れ、それぞれのセンサからの信号を入力・処理するよう
になっている。
【0031】次に、上記のように構成されたクラッチ制
御装置の作動について説明する。この装置においては、
従来の運転者によるクラッチペダル操作に代わり、車両
運転状態に応じてクラッチ制御回路40が電動モータ3
2のモータ電流MIを制御し、これによりアクチュエー
タ30がクラッチの断接操作を自動的に行う。即ち、断
接操作は、CPU41が、例えば(1)車両が走行して
いる状態から停止する状態に移行していることを検出し
た場合(変速機入力軸回転数が所定値以下に低下した場
合)、(2)シフトレバー荷重センサ51の検出する荷
重が所定値以上となったことを検出した場合(ドライバ
ーの変速意思が確認された場合)、(3)車両が停止し
ている状態において、アクセルペダルが踏込まれたこと
を検出した場合、等において実行される。これらは、ク
ラッチディスク23のクラッチ伝達トルクが車両の運転
状態に応じて決定される目標クラッチトルクと等しくな
るようにモータ電流MIを制御することで達成される。
【0032】ここで、本実施形態における制御の原理に
ついて図3を参照しつつ説明する。図3は、上記クラッ
チの制御装置における荷重について説明するために本ク
ラッチの制御装置を概念的に示した図であり、図中に矢
印にて示したFx,Fy,Fz,及びFwは、クラッチ
ディスク23の有するクラッチディスクスプリング23
cが発生する力であるクラッチディスクスプリング荷
重、コイルスプリング25が発生する力であるクラッチ
カバースプリング荷重、クラッチレバー27がプレッシ
ャプレート24をコイルスプリング25の付勢力に抗し
て押し戻す力であるクラッチベアリング荷重反力、及び
クラッチベアリング26がクラッチレバー27を押動す
る力であるクラッチベアリング荷重をそれぞれ表してい
る。
【0033】このクラッチの制御装置においては、クラ
ッチディスク23が伝達するトルク(即ち、「クラッチ
伝達トルク」、以下、単に「クラッチトルク」とい
う。)CTは、クラッチディスクスプリング荷重Fx×
クラッチディスク23の摩擦係数μ×クラッチディスク
23の面積S×クラッチディスク23の面数である。即
ち、クラッチトルクCTは、クラッチディスクスプリン
グ荷重Fxに比例する。
【0034】また、プレッシャプレート24が停止して
いる場合、クラッチディスクスプリング荷重Fx=クラ
ッチカバースプリング荷重Fy−クラッチベアリング荷
重反力Fzの関係(式1)が成立する。一方、クラッチ
ベアリング荷重反力Fzとクラッチベアリング荷重Fw
の間には、クラッチベアリング荷重Fw=k×クラッチ
ベアリング荷重反力Fzという関係(式2)がある。こ
こで、kはレバー比であって定数である。以上から、ク
ラッチベアリング荷重Fw=k×(クラッチカバースプ
リング荷重Fy−クラッチディスクスプリング荷重F
x)という関係(式3)が得られ、クラッチカバースプ
リング荷重Fyは既知であるので、Fwを制御すること
によりFxが制御できることが解る。
【0035】そこで、本実施形態のクラッチの制御装置
は、車両の運転状態から決定されるクラッチディスク2
3の目標伝達トルクを同目標伝達トルクに応じた値であ
る目標クラッチベアリング荷重に変換する。一方、実際
にモータ32に流れる電流(モータ電流MI)から同モ
ータ32の発生している力を検出し、これと同モータ3
2の回転加速度とから実際にモータ32に加わっている
荷重(トルク)を検出する。そして、このモータ32の
荷重から実際のクラッチの伝達トルクに応じた値である
実際のクラッチベアリング荷重Fwを(モータ32の荷
重を定数倍等して)検出し、実際のクラッチベアリング
荷重Fwが目標クラッチベアング荷重となるようにモー
タ電流MIを制御し、これにより、狙いとするクラッチ
ディスク23の目標クラッチトルクMCTを精度良く得
るようにした。
【0036】次に、以上の原理に基づく本実施形態の実
際の作動について、先ず、クラッチディスク23がフラ
イホイール21に係合しトルク伝達を行っている状態に
ある場合から説明する。ただし、ここでの「係合」に
は、所謂半クラッチ状態を含んでいる。
【0037】CPU41は、図4にフローチャートにて
示したルーチン(プログラム)の実行を所定時間の経過
毎にステップ400から開始し、ステップ402に進ん
で完全断フラグFの値が「0」であるか否かを判定す
る。ここで、完全断フラグFは、クラッチディスク23
がフライホイール21に対して非係合状態にあると判定
されたとき値「1」が設定され、係合状態にあると判定
されたとき値「0」が設定されるフラグであって、モー
タ32の制御態様を決定するために使用されるフラグで
ある。なお、完全断フラグFの値を変更するステップに
ついては後述する。
【0038】現段階はトルク伝達が行われているのであ
るから、完全断フラグFの値は「0」となっている。従
って、CPU41はステップ402にて「Yes」と判
定してステップ404に進み、同ステップ404にて目
標クラッチトルクMCTが「0」より大きいか否かを判
定する。この目標クラッチトルクMCTは、所定時間の
経過毎に実行される図示しない他のルーチンにより、車
両の運転状態に応じて(車両の運転状態を表す上記各セ
ンサの検出値に基づいて)演算されている。
【0039】いま、演算されている目標クラッチトルク
MCTが正の値であるとすると、CPU41はステップ
404にて「Yes」と判定してステップ406に進
み、目標クラッチトルクMCTに基づいて目標クラッチ
荷重MCKを演算する。この目標クラッチ荷重MCKは
目標とするクラッチディスクスプリング荷重Fxと等し
く、ステップ406での演算は、例えば、MCK=f
(MCT)=k1×MCT(k1:定数)のように行
う。次いで、CPU41はステップ408に進み、目標
クラッチ荷重MCKに基づいて目標クラッチベアリング
荷重MCBKを演算する。この演算は上記式3に従い、
MCBK=g(MCK)=k×(CKSK−MCK)と
して行う。CKSKはクラッチカバースプリング荷重で
ある。
【0040】次に、CPU41はステップ410に進
み、完全断フラグFの値が「0」か否かを判定する。こ
の場合、完全断フラグFの値は「0」であるので、CP
U41はステップ410にて「Yes」と判定してステ
ップ412に進み、同ステップ412にて実際のクラッ
チベアリング荷重CBKが上記目標クラッチベアリング
荷重MCBKと等しくなるように、同実際のクラッチベ
アリング荷重CBKと同目標クラッチベアリング荷重M
CBKとを比較しながら、モータ電流MIを変更する
(以下、この制御を「第1フィードバック制御」とい
う。)。
【0041】この第1フィードバック制御について、よ
り具体的に述べると、先ず、モータ回転速度センサ57
の出力に基づいて、所定時間前のモータ32の回転速度
と、現時点でのモータ32との回転速度との差を演算
し、現在のモータ回転加速度Aを求める。次いで、CP
U21が認識している現在のモータ電流MIと、モータ
回転加速度Aとから、実際にモータ32に加わっている
荷重(負荷)TCを、TC=km×MI−I×A(ここ
で、kmは定数、Iはモータ32が駆動するアクチュエ
ータ系の慣性)から求める。そして、実際にモータ32
に加わっている荷重TCに所定の比例定数(クラッチレ
バー27、クラッチフォーク28等のレバー比により決
まる)を乗じて実際のクラッチベアリング荷重CBKを
求め、前記目標クラッチベアリング荷重MCBKが実際
のクラッチベアリング荷重CBKより大きいときはモー
タ電流MIを正の値(正方向)とするとともに所定量だ
け大きくして、プレッシャプレート24をフライホイー
ル21から離間させる方向の力を強め、目標クラッチベ
アリング荷重MCBKが実際のクラッチベアリング荷重
CBKより小さいときはモータ電流MIを正の値とする
とともに所定量だけ小さくする。以上が、第1フィード
バック制御である。その後、CPU21はステップ49
5に進み、本ルーチンを一旦終了する。なお、上記ステ
ップ412における実際のクラッチベアリング荷重CB
Kの求め方は、実際のクラッチベアリング荷重CBKを
用いる後述の各ステップにおいて、同様に適用される。
【0042】以上は、図5に示した点0〜点Pまでの領
域において行われる制御であり、目標クラッチベアリン
グ荷重MCBKが実際のクラッチベアリング荷重CBK
より大きいときは、図5の点0から点Pに向けてモータ
32が駆動され、目標クラッチベアリング荷重MCBK
が実際のクラッチベアリング荷重CBKより小さいとき
は、図5の点Pから点0に向けてモータ32が駆動され
ることになる。
【0043】ここで、図5について説明を加えると、同
図はクラッチのプレッシャプレート24の軸方向の位置
に対する各部の荷重を示したものであり、曲線Aはクラ
ッチディスクスプリング荷重Fx、曲線Bはクラッチカ
バースプリング荷重Fy(CKSK)、及び曲線Cはク
ラッチベアリング荷重反力Fz(CBKH)を示してい
る。なお、ここでは、説明を簡単にするため、クラッチ
レバー27のレバー比kを「1」とする。従って、クラ
ッチベアリング荷重反力Fz(CBKH)とクラッチベ
アリング荷重Fw(CBK)とは等しいものとなる。
【0044】次に、上記のような状態、即ち、クラッチ
ディスク23が係合している状態において車両の運転状
態が変化し、目標クラッチトルクMCTが「0」となっ
た場合、即ち、クラッチディスク23を非係合とするべ
き状態となった場合について説明する。この場合、未だ
クラッチディスク23は係合している状態にあるので、
完全断フラグFの値は「0」となっている。従って、C
PU41はステップ400に続くステップ402にて
「Yes」と判定してステップ404に進み、目標クラ
ッチトルクMCTが「0」となっていることから同ステ
ップ404にて「No」と判定してステップ414に進
む。
【0045】CPU41は、ステップ414にてフラグ
Gの値が「0」であるか否かを判定する。フラグGは、
完全断フラグFの変更を適切に行うために使用されるフ
ラグであり、図5における点P〜点Rの領域にあるとき
にその値が「1」とされ、その他の領域にあるときは、
その値は「0」とされる。なお、フラグGを変更するス
テップについては後述する。
【0046】現段階においては、クラッチの状態は点P
〜点R以外の領域(点0〜点Pの領域)にあるので、フ
ラグGの値は「0」となっている。このため、CPU4
1はステップ414にて「Yes」と判定してステップ
416に進み、目標クラッチ荷重MCKにクラッチ断可
能荷重CDKANOを設定する。このクラッチ断可能荷
重CDKANOは、図5において直線L1にて表される
値であり、クラッチ断判定荷重CDHANより大きく、
クラッチベアリング荷重CBKがクラッチ断可能荷重C
DKANOとなれば、クラッチディスク23が必ず非係
合状態となるような値に選択されている。
【0047】次に、CPU41はステップ418に進
み、同ステップ418にて上述のステップ412にて説
明した手法と同様の手法により実際のクラッチベアリン
グ荷重CBKを求め、同実際のクラッチベアリング荷重
CBKが図5において直線L2にて示されるクラッチ断
判定荷重CDHAN以下か否かを判定する。このクラッ
チ断判定荷重CDHANは、実際のクラッチベアリング
荷重CBKがクラッチ断判定荷重CDHAN以上となれ
ば、一応、クラッチディスク23が非係合状態となった
ものと判断しうる値に設定されている。
【0048】現段階においては、クラッチディスク23
が係合状態にあって、これを非係合状態へと変更する作
動を開始した直後であるので、実際のクラッチベアリン
グ荷重CBKはクラッチ断判定荷重CDHANよりも小
さい。従って、CPU41は、上記ステップ418にて
「Yes」と判定してステップ420に進み、同ステッ
プ420にてフラグGの値を確認的に「0」としてか
ら、上述のステップ408以降に進む。
【0049】この結果、CPU41は、ステップ408
にて、先のステップ416によりクラッチ断可能荷重C
DKANOとされた目標クラッチ荷重MCKをMCBK
=g(MCK)=k×(CKSK−MCK)なる式に従
って目標クラッチベアリング荷重MCBKに変換し、ス
テップ410及びステップ412にて、この目標クラッ
チベアリング荷重MCBKを得るべくモータ32を制御
する。
【0050】かかる状態が継続して上記ステップが繰り
返し実行されると、クラッチベアリング荷重CBKは次
第に大きくなり、クラッチディスク23はフライホイー
ル21から離間して行く(図5の点0から点Pを参
照)。そして、所定の時間が経過すると、クラッチベア
リング荷重CBKがクラッチ断判定荷重CDHANより
も大きくなる。このとき、CPU41が図4のルーチン
を実行すると、ステップ402,404,414,41
6に続くステップ418にて「No」と判定し、ステッ
プ422に進んでフラグGの値を「1」に変更する。
【0051】この結果、次にCPU41がステップ40
0から処理を開始すると、同CPU41はステップ40
2,404に続くステップ414にて「No」と判定し
てステップ424に進み、同ステップ424にて実際の
クラッチベアリング荷重CBKがクラッチ断判定荷重C
DHAN以下か否かを判定する。現段階においては、実
際のクラッチベアリング荷重CBKがクラッチ断判定荷
重CDHANより大きくなった直後であるから、CPU
41はステップ424にて「No」と判定し、そのまま
上記ステップ408以降に進む。この結果、ステップ4
12のフィードバック制御が実行され、モータ電流MI
は更に増大されて行く。
【0052】かかる状態が継続すると、実際のクラッチ
ベアリング荷重CBKは極大値をとり、その後次第に減
少し、更に時間が経過すると実際のクラッチベアリング
荷重CBKがクラッチ断判定荷重CDHAN以下となる
(図5の点R参照)。このため、CPU41はステップ
424にて「Yes」と判定し、ステップ426にて完
全断フラグFの値を「1」に設定するとともに、ステッ
プ428にてフラグGの値を「0」に設定し、続くステ
ップ430にて目標クラッチ荷重MCKにクラッチ断保
持荷重CDHOJIを設定する。このクラッチ断保持荷
重CDHOJIは、図5において直線L3にて表される
値であり、クラッチ断判定荷重CDHANより小さい所
定の値に選択されている。
【0053】次いで、CPU41は、ステップ408に
て、先のステップ430によりクラッチ断保持荷重CD
HOJIとされた目標クラッチ荷重MCKをMCBK=
g(MCK)=k×(CKSK−MCK)なる式に従っ
て目標クラッチベアリング荷重MCBKに変換し、ステ
ップ410に進む。この場合においては、先のステップ
426で完全断フラグFの値は「1」に変更されている
ため、CPU41はステップ410にて「No」と判定
しステップ432に進み、目標クラッチベアリング荷重
MCBKを得るべくモータ32を制御する。
【0054】このステップ432におけるフィードバッ
ク制御を第2フィードバック制御といい、同第2フィー
ドバック制御では、ステップ412にて説明した方法と
同じ方法により、現在のモータ回転加速度Aと現在のモ
ータ電流MIとから実際にモータ32に加わっている荷
重(負荷)TCを求め、荷重TCに所定の比例定数を乗
じて実際のクラッチベアリング荷重CBKを求める。そ
して、前記目標クラッチベアリング荷重MCBKが実際
のクラッチベアリング荷重CBKより大きいときはモー
タ電流MIを負の値(負方向)とするとともにその絶対
値を所定量だけ大きくし、目標クラッチベアリング荷重
MCBKが実際のクラッチベアリング荷重CBKより小
さいときはモータ電流MIを負の値とするとともにその
絶対値を小さくする。その後、CPU41はステップ4
95に進み、本ルーチンを一旦終了する。
【0055】かかる状態において、CPU41が本ルー
チンを再び実行すると、完全断フラグFの値が先のステ
ップ426にて「1」とされていることから、同CPU
41はステップ402にて「No」と判定してステップ
434に進み、同ステップ434にて目標クラッチトル
クMCTが「0」か否かを判定する。この場合、目標ク
ラッチトルクMCTは「0」であるから、CPU41は
ステップ434にて「Yes」と判定してステップ43
6に進み、目標クラッチ荷重MCKにクラッチ断保持荷
重CDHOJIを設定する。その後、CPU41はステ
ップ408,410、及びスプリング432と進んで第
2フィードバック制御を実行し、ステップ495にて本
ルーチンを一旦終了する。
【0056】以降においても、目標クラッチトルクMC
Tが「0」である限り、CPU41はステップ400,
402,434,436,及びステップ408,41
0,432を繰り返し実行する。この結果、クラッチベ
アリング荷重CBKは、クラッチ断保持荷重CDHOJ
Iに維持され、クラッチディスク23は完全に非係合状
態となる。以上は、図5に示した点R〜点Sまでの領域
において行われる作動である。
【0057】次に、クラッチディスク23がフライホイ
ール21と非係合状態にあって、トルク伝達を全く行っ
ていないときに車両の運転状態が変化し、目標クラッチ
トルクMCTが「0」でなくなった場合(「0」より大
きくなった場合)、即ち、クラッチディスク23を係合
させるべき状態となった場合について説明する。この場
合、クラッチディスク23は非係合状態にあるので、先
のステップ426にて完全断フラグFの値は「1」とさ
れている。従って、CPU41はステップ400に続く
ステップ402にて「No」と判定してステップ434
に進み、目標クラッチトルクMCTが「0」でないこと
から同ステップ434にて「No」と判定し、ステップ
438に進む。
【0058】CPU41は、ステップ438にてフラグ
Gの値が「0」か否かを判定する。この場合、フラグG
は先のステップ428にて「0」とされているため、C
PU41はステップ438にて「Yes」と判定し、ス
テップ440に進んで目標クラッチ荷重MCKにクラッ
チ断可能荷重CDKANOを設定する。次いで、CPU
41はステップ442に進み、クラッチベアリング荷重
CBKがクラッチ断判定荷重CDHAN以下か否かを判
定する。
【0059】現段階においては、クラッチディスク23
が非係合状態にあって、これを係合状態へと変更する作
動を開始した直後であるので、実際のクラッチベアリン
グ荷重CBKはクラッチ断判定荷重CDHANよりも小
さい。従って、CPU41は、上記ステップ442にて
「Yes」と判定してステップ444に進み、同ステッ
プ444にてフラグGの値を確認的に「0」としてか
ら、上述のステップ408以降に進む。
【0060】この結果、CPU41は、ステップ408
にて、先のステップ440にてクラッチ断可能荷重CD
KANOとされた目標クラッチ荷重MCKを、MCBK
=g(MCK)=k×(CKSK−MCK)なる式によ
り目標クラッチベアリング荷重MCBKに変換し、また
完全断フラグFの値は「1」であることからステップ4
10にて「No」と判定し、ステップ432にて第2フ
ィードバック制御を実行する。即ち、モータ32の状態
を図5の点Sから点Rに近づける。
【0061】その後、所定の時間が経過すると、実際の
クラッチベアリング荷重CBKがクラッチ断判定荷重C
DHANより大きくなるので、CPU41はステップ4
02,434,438,440に続くステップ442に
て「No」と判定し、ステップ446に進んでフラグG
の値を「1」に設定する。この結果、以降においてCP
U41が本ルーチンを実行するとき、同CPU41はス
テップ438にて「No」と判定してステップ448に
進み、同ステップ448にて実際のクラッチベアリング
荷重CBKがクラッチ断判定荷重CDHAN以上か否か
を判定するようになる。この時点では、実際のクラッチ
ベアリング荷重CBKはクラッチ断判定荷重CDHAN
より大きいので、CPU41はそのままステップ408
以降に進む。この結果、プレッシャプレート24の位置
がフライホイール21に一層近づいて行く。
【0062】そして、所定の時間が経過すると、クラッ
チベアリング荷重CBKが減少し、同クラッチベアリン
グ荷重CBKはクラッチ断判定荷重CDHAN以下とな
る。この結果、CPU41は、ステップ448にて「Y
es」と判定してステップ450に進み、同ステップ4
50にて完全断フラグFの値を「0」に設定し、続くス
テップ452にてフラグGの値を「0」に設定する。次
いで、CPU41はステップ454にてステップ406
と同様に目標クラッチトルクMCTを目標クラッチ荷重
MCKに変換し、ステップ408に進んで目標クラッチ
荷重MCKを目標クラッチベアリング荷重MCBKに変
換する。そして、完全断フラグFの値は、先のステップ
450にて「0」に設定されていることから、CPU4
1はステップ410にて「Yes」と判定して前述のス
テップ412に進み、第1フィードバック制御を実行す
る。
【0063】この結果、次にCPU41がステップ40
0から処理を開始すると、同CPU41はステップ40
2にて「Yes」と判定してステップ404以降に進む
ようになり、クラッチディスク23が係合状態にある場
合における上述と同じ制御が実行され、車両の運転状態
が変化しなければ、ステップ404〜412によって目
標クラッチトルクMCTが得られるようにモータ電流M
Iが制御される。
【0064】以上、説明したように、上記実施形態に係
るクラッチの制御装置においては、車両の運転状態に応
じて目標クラッチトルクが決定され、この目標クラッチ
トルクに応じて互いに一義的な関係にある目標クラッチ
荷重、目標クラッチベアリング荷重が決定され、一方、
実際にモータ32に流れる電流MIがクラッチ制御回路
40からモータ32への指令信号から検出・推定され、
この検出・推定されたモータ電流MI及びモータ32の
回転加速度を基にして実際のクラッチベアリング荷重が
検出され求められる。そして、同実際のクラッチベアリ
ング荷重と前記目標クラッチベアリング荷重とが等しく
なるようにモータ電流MIが制御される。この結果、上
記本発明の実施形態によれば、必要とするクラッチトル
クを極めて高精度に実現することができる。
【0065】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ことはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採
用することができる。例えば、上記実施形態において
は、モータ電流MIを、クラッチ制御回路40からの指
令信号に基づいて検出・推定していたが、電流検出セン
サを別途設けることで直接モータ電流MIを検出するよ
うに構成することもできる。また、クラッチの形式は上
記実施形態のものに限らず、コイルスプリングに代えて
ダイヤフラムスプリングによりクラッチディスクを押圧
する形式のものにも本発明を適用することができる。な
お、本発明におけるクラッチディスクのスプリング荷重
は(クラッチディスクスプリング荷重)は別部材として
のスプリングの荷重、又は、クラッチディスク自体が有
する弾性力による荷重の何れにも適用される。さらに、
上記ステップ412,432における第1,第2フィー
ドバック制御は、所謂比例制御(P制御)であったが、
これをPID制御としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による一実施形態に係るクラッチの制
御装置の概略を示す全体図である。
【図2】 図1に示したクラッチ及びアクチュエータの
概略断面図である。
【図3】 図1に示したクラッチの制御装置における荷
重について説明するため、同クラッチの制御装置を概念
的に示した図である。
【図4】 図1に示したCPUが実行するルーチン(プ
ログラム)をフローチャートにて示した図である。
【図5】 図1に示したクラッチのプレッシャプレート
の位置に対する荷重を示した図である。
【符号の説明】
10…エンジン、11…変速機、20…摩擦クラッチ、
21…フライホイール、22…クラッチカバー、23…
クラッチディスク、30…アクチュエータ、32…直流
電動モータ、40…クラッチ制御回路、41…CPU。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の駆動源の出力軸と一体的に回転する
    フライホイールに対向配置され、車両の変速機の入力軸
    と一体的に回転するクラッチディスクと、 前記クラッチディスクの軸方向に移動可能であって同ク
    ラッチディスクに対向配置されたプレッシャプレート
    と、 前記プレッシャプレートを前記フライホイール側に押圧
    する付勢力を付与することにより前記クラッチディスク
    を同フライホイールに係合させるための圧着荷重を生ぜ
    しめるスプリングと、 指示信号に応じて力を発生するとともに同力を前記スプ
    リングの付勢力に抗する力として前記プレッシャプレー
    トに付与するアクチュエータと、 前記車両の運転状態に応じて前記指示信号を前記アクチ
    ュエータに付与する制御手段とを含み、前記フライホイ
    ールと前記変速機の入力軸間における前記クラッチディ
    スクの伝達トルクを制御するクラッチの制御装置におい
    て、 前記制御手段は、 前記車両の運転状態に基づいて前記クラッチディスクの
    目標伝達トルクに応じた値を演算するとともに、前記ア
    クチュエータの発生している力に基づいて同クラッチデ
    ィスクの実際の伝達トルクに応じた値を検出し、前記目
    標伝達トルクに応じた値と前記実際の伝達トルクに応じ
    た値とを比較して同目標伝達トルクに応じた値と同実際
    の伝達トルクに応じた値とが等しくなるように前記アク
    チュエータに対して前記指示信号を出力するよう構成さ
    れたことを特徴とするクラッチの制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のクラッチの制御装置にお
    いて、 前記アクチュエータの発生する力により前記クラッチデ
    ィスクの軸方向に移動されるクラッチベアリングと、前
    記クラッチベアリングにより駆動され前記プレッシャプ
    レートに前記スプリングの付勢力に抗する力を伝達する
    レリーズレバーとを含み、前記目標伝達トルクに応じた
    値は前記クラッチベアリングの目標荷重であり、前記実
    際の伝達トルクに応じた値は前記クラッチベアリングに
    加わる実際の荷重であることを特徴とするクラッチの制
    御装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2に記載のクラッチの
    制御装置において、前記アクチュエータは電動モータで
    あり、前記実際の伝達トルクに応じた値は前記電動モー
    タの出力トルクを決定する電流値を基に検出されること
    を特徴とするクラッチの制御装置。
  4. 【請求項4】車両の駆動源の出力軸と一体的に回転する
    フライホイールに対向配置され、車両の変速機の入力軸
    と一体的に回転するクラッチディスクと、 前記クラッチディスクの軸方向に移動可能であって同ク
    ラッチディスクに対向配置されたプレッシャプレート
    と、 前記プレッシャプレートを前記フライホイール側に押圧
    する付勢力を付与することにより前記クラッチディスク
    を同フライホイールに係合させるための圧着荷重を生ぜ
    しめるスプリングと、 指示信号に応じて力を発生するアクチュエータと、 前記アクチュエータの発生する力により前記クラッチデ
    ィスクの軸方向に移動されるクラッチベアリングと、 前記クラッチベアリングにより駆動され前記プレッシャ
    プレートに前記スプリングの付勢力に抗する力を伝達す
    るレリーズレバーと、 前記車両の運転状態に応じて前記指示信号を前記アクチ
    ュエータに付与する制御手段とを含み、前記フライホイ
    ールと前記変速機の入力軸間における前記クラッチディ
    スクの伝達トルクを制御するクラッチの制御装置におい
    て、 前記制御手段は、 前記車両の運転状態に基づいて前記クラッチディスクの
    目標伝達トルクに応じた前記クラッチベアリングの目標
    荷重を演算するとともに、前記クラッチベアリングに加
    わる実際の荷重を求め、同クラッチベアリングの目標荷
    重と同クラッチベアリングに加わる実際の荷重とが等し
    くなるように、前記アクチュエータに対して前記指示信
    号を出力するよう構成されたことを特徴とするクラッチ
    の制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9827407B2 (en) 2011-06-27 2017-11-28 Ferring B.V. Applicator system for applying a viscous liquid to the human skin
JP2017535729A (ja) * 2014-11-19 2017-11-30 デーナ、オータモウティヴ、システィムズ、グループ、エルエルシー クラッチパックにおけるクラッチ力の制御方法

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