JP2001262179A - 精製油脂の製造方法 - Google Patents

精製油脂の製造方法

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JP2001262179A JP2000081320A JP2000081320A JP2001262179A JP 2001262179 A JP2001262179 A JP 2001262179A JP 2000081320 A JP2000081320 A JP 2000081320A JP 2000081320 A JP2000081320 A JP 2000081320A JP 2001262179 A JP2001262179 A JP 2001262179A
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孝行 松尾
Jiro Izumi
二郎 和泉
Yoji Kitamura
洋司 北村
Yoshiro Tanaka
嘉郎 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カロテン等の微量有用成分の変質および消失
を防止しながら、油脂中のガム質を除去できる油脂の精
製方法若しくは精製油脂の製造方法を提供する。 【解決手段】 パーム油等の原料油脂にリン酸を添加
し、この油脂をろ過して不溶物(ガム質)を除去する。
リン酸の添加量は、油脂100重量部に対し、0.05
〜0.1の範囲であり、リン酸は、濃度75重量%以上
の水溶液の形態で添加することが好ましい。また、ケイ
ソウ土などのろ剤も添加することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、精製油脂の製造方法に関し、詳
しくは、カロテン等の微量有用成分を含む油脂から、前
記微量有用成分の変質および消失を防止しつつ、リン脂
質を主成分とするガム質を除去することができる油脂の
精製方法若しくは精製油脂の製造方法に関する。なお、
ガム質とは、油脂中に含まれる物質であって、例えば、
リン脂質、リポタンパク質、粘質物、ステロール、金属
塩等のように吸水すると膨潤して水和ガムとなり、油脂
中に懸濁する物質の総称である(「油脂用語辞典」第4
3頁、日本油化学協会)。
【0002】
【従来の技術】パーム油等の油脂には、カロテン、リコ
ペン、ビタミン類などの有用成分が含まれている。これ
らの有用成分を得るには、低級アルコールを添加して油
脂中のトリグリセリドをグリセリンとエステルに変換
し、このエステル部から抽出する必要がある。通常、油
脂には、水、夾雑物、ガム質(リン脂質を主体とする成
分)等が含まれており、これらの不要成分が、カロテン
等の抽出工程などに悪影響を及ぼすため、精製工程にお
いて除去する必要がある。特に、ガム質は、加熱による
着色、異臭発生および安定性劣化等の原因となるうえ、
後工程での処理トラブルの原因ともなり得る。例えば、
ガム質があると、脱酸工程やカロテンの抽出工程の効率
が低下したりする。このため、ガム質の適切な分離、除
去は金属塩の排除と共に油脂精製の成否を左右する重要
な工程であり、この工程を脱ガム工程という。
【0003】従来の精製工程では、まず、原料油脂中の
水分や夾雑物を除去すると共に、ガム質を除去する。原
料油脂に温水を加えてリン脂質等を水和させたり、無機
酸や加熱処理による凝集を行なってから沈降分離もしく
は遠心分離等を行い、ガム質を除去する。その後、遊離
脂肪酸を苛性ソーダなどのアルカリで中和し、加熱して
遠心分離器などで分離する脱酸工程、アルカリ精製油中
の石鹸分を除去するための湯洗工程、活性白土等を用い
た脱色工程、更に脱ろう、脱臭、仕上げ濾過工程等を順
次行なって精製油脂が得られる。
【0004】脱ガム技術としては、油脂中のリン脂質
を、ホスホリパ−ゼA活性を有する酵素を使った処理に
より除去する方法がある(特開平2−153997号公
報、特開平11−131089号公報)。しかし、この
方法は、ガム質の水和除去を併せて実施する必要があ
り、また繰り返し使用による酵素活性の維持の問題や酵
素の化学的条件(pH、温度、安定性等)の制御が必要
なため、低コストで油脂中のガム質を十分低減させるの
が困難である。
【0005】特開平5−132693号公報には、油脂
に、水および乳化剤を加えて乳化し、これに除去剤や吸
着剤及び熱温水を加えるか又は加熱などでガム質等を分
離する精製方法が開示されている。また、特開平6−1
36384号公報には、油脂分を含む植物種子原料に、
超臨界状態もしくは高圧状態の流体を接触させることに
より油脂を抽出した後、抽出された油脂に、超臨界状態
または高圧状態の流体を多段の抽出塔においてさらに接
触させて精製する方法が開示されている。しかし、これ
らの方法では、油脂中のカロテンやリコペン等の微量有
用成分が変質したり、消失したりするため、前記微量有
用成分の収率が悪いという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、カ
ロテン等の微量有用成分の変質および消失を防止しなが
ら、油脂中のガム質を簡単に除去できる油脂の精製方法
若しくは精製油脂の製造方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の精製油脂の製造方法は、油脂にリン酸を添
加し、この油脂をろ過して不溶物を除去する方法であ
る。この方法によれば、カロテン等の有用成分の変質お
よび消失が防止され、かつガム質を簡単に除去できる。
前記リン酸の添加量は、油脂100重量部に対し、0.
05〜0.1重量部の範囲が好ましく、より好ましくは
0.07〜0.08重量部の範囲であり、特に好ましく
は0.075〜0.08重量部の範囲である。また、本
発明の方法が適用される油脂は、カロテンを含有する油
脂が好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の製造方法の一例
を説明する。本発明の製造方法は、カロテン等の抽出の
原料となる油脂に対し、リン酸を添加し、不溶物をろ過
することにより、ろ液として精製油脂を得る方法であ
る。
【0009】本発明が適用される油脂は、特に制限され
ない。カロテン、リコペン、ビタミン等の微量有用成分
を含有し、かつガム質を除去することが望まれる油脂に
対し、本発明を適用することが好ましい。このような油
脂としては、例えば、パーム油、キャロットオイル、ト
マトオイル等があげられる。このなかでも、カロテン等
の微量有用成分を多く含有するパーム油が好ましい。
【0010】リン酸の添加量は、前述のとおりである。
リン酸は、水溶液の形態で添加することが好ましい。こ
の濃度は、例えば、70〜100重量%の範囲であり、
好ましくは75重量%の範囲である。70重量%未満の
濃度であると、溶媒である水が、本発明の方法の後に行
う油脂のエステル化反応を阻害するおそれがある。
【0011】油脂に対しては、リン酸の他に、ろ剤を添
加してもよい。ろ剤としては、例えば、ケイソウ土、パ
ーライト、アルカリ活性白土等が使用でき、このなかで
も、ケイソウ土、パーライト等が好ましく、特に好まし
くはケイソウ土等である。ろ剤の添加割合は、油脂10
0重量部に対し、例えば、0.03〜0.15重量部の
範囲であり、好ましくは0.03〜0.1重量部の範囲
であり、特に好ましくは0.03〜0.05重量部の範
囲である。なお、後述のように、プレコート相を形成す
る場合のケイソウ土の配合割合は、前記配合割合よりも
多めに設定され、油脂100重量部に対し、例えば、
0.2〜1.0重量部の範囲であり、好ましくは0.2
〜0.7重量部の範囲であり、特に好ましくは0.2〜
0.4重量部の範囲である。また、この他に、他の添加
剤等を油脂に添加してもよい。
【0012】リン酸と、必要に応じろ剤等とを添加した
後、油脂をろ過して不溶物となったガム質をろ過する。
この一連の工程の例を、図1に示す。
【0013】貯蔵タンク1から、原料となる油脂を、ポ
ンプ2を作動させ、パイプ11を通し、途中で加熱器3
により加熱して分散槽4に送る。油脂の加熱温度は、例
えば、50〜70℃の範囲であり、好ましくは60〜7
0℃の範囲である。一方、タンク5からリン酸水溶液
を、タンク6からケイソウ土を、それぞれパイプ16,
17を通して分散槽4に送る。この分散槽4で、油脂に
リン酸およびケイソウ土を添加し混合攪拌する。そし
て、リン酸等が混合された油脂を、パイプ12を通して
プレコート槽7に送り、さらにポンプ8によりパイプ1
3を通してろ過器9に送る。ろ過器9はフィルター式で
あり、前記フィルターとしては、例えば、布フィルター
等が使用される。ここで、ガム質がろ過により除去され
る。ろ過後の精製油脂を、パイプ14を通して貯蔵タン
ク10に送り、ここに貯蔵する。なお、このろ過に先立
ち、ケイソウ土を多めに配合した油脂を、循環用のパイ
プ15を通してプレコート槽7とろ過器9との間で循環
させて、前記フィルター表面にプレコート相を形成させ
ることが好ましい。パイプ15は、パイプ14の途中か
ら分岐しており、その先端はプレコート槽7に導入され
ている。
【0014】このガム質の除去の際に、またはその前後
において、原料油脂から水および夾雑物を除去すること
が好ましい。夾雑物は、前記ガム質の除去と同じ工程お
よび同じ装置を使って除去しても良いし、別のろ過装置
等を使用して除去してもよい。また、水は、例えば、遠
心分離等の方法で除去することができる。
【0015】このように、ガム質が除去された精製油脂
から、例えば、以下のようにしてカロテンが抽出され
る。
【0016】前記精製油脂は、さらに精製することが好
ましい。例えば、遊離脂肪酸を苛性ソーダなどのアルカ
リで中和し、加熱して遠心分離器などで分離する脱酸工
程、アルカリ精製油中の石鹸分を除去するための湯洗工
程、活性白土等を用いた脱色工程、脱ろう工程、脱臭工
程および仕上げ濾過工程等を順次行うことが好ましい。
【0017】ガム質が除去され、必要に応じさらに前記
精製工程を経た油脂に対し、アルコールを添加し、アル
コーリシスすると、トリグリセリドが分解し、脂肪酸低
級アルキルエステルを主成分とする油相と、グリセリン
を主成分とする相とに分離する。この分離の際、カロテ
ンは、前記油相に移行する。前記アルコールとしては、
例えば、メタノール、エタノール等の低級アルコールが
好ましい。アルコールの添加量は、油脂100重量部に
対し、例えば、5〜50重量部であり、好ましくは5〜
45重量部である。アルコーリシスの温度は、例えば、
30〜120℃であり、好ましくは50〜100℃であ
り、特に好ましくは60〜80℃である。アルコーリシ
スの処理時間は、例えば、5〜60分間であり、好まし
くは60分間である。また、アルコーリシスは、触媒存
在下で行うことが好ましく、前記触媒としてはアルカリ
触媒が好ましく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、ナトリウムメチラート等が使用でき、この中で
好ましいのは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等で
ある。また、前記触媒の添加量は、油脂100重量部に
対し、例えば、0.1〜0.4重量部であり、好ましく
は0.2〜0.4重量部であり、特に好ましくは0.2
〜0.3重量部である。
【0018】そして、静置分離若しくは遠心分離等の手
段により、グリセリンを主成分とする相と油相とを分離
する。この油相に対し、親水性溶媒および水を混合し、
これを加熱すると、微小油滴状(粒径1〜10μm程
度)に分散したカロテン濃縮相と、脂肪酸低級アルキル
エステルを含む親水性相とに分離する。前記親水性溶媒
と水との合計添加量は、油脂100重量部に対し、例え
ば、3〜50重量倍であり、好ましくは4〜40重量倍
であり、特に好ましくは4〜30重量倍である。親水性
溶媒(A)と水(B)との重量比(A/B)は、例え
ば、99/1〜80/20の範囲であり、好ましくは9
5/5〜80/20の範囲であり、特に好ましくは92
/8〜85/15の範囲である。前記親水性溶媒として
は、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、アセトン等があげられ、好ましくはメタノール、エ
タノール等であり、特に好ましくはメタノールである。
前記加熱条件は、例えば、30〜120℃の範囲であ
り、好ましくは50〜100℃の範囲であり、特に好ま
しくは、60〜80℃の範囲である。
【0019】そして、前記カロテン濃縮相を採取すれ
ば、カロテンが得られる。例えば、前記混合物を静置し
てカロテン濃縮相を凝集分離し、これを採取する方法が
ある。この他に、前記混合物を、繊維が集合した部材
(繊維状部材)を通過させ、通過した混合物を静置する
方法がある。この方法によれば、前記繊維部材を通過す
る際に、カロテン濃縮相の凝集分離が促進され、油滴状
粒子(カロテン濃縮相)の粒径が速やかに大きくなる。
したがって、この方法によれば、単に静置するより、迅
速にカロテン濃縮相を凝集分離することができる。前記
繊維状部材としては、脂肪族低級アルキルエステルに濡
れやすい材質のものが好ましい。このような繊維として
は、例えば、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン
繊維、プロミック繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊
維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、グラスウ
ール等があげられ、このなかでも、ポリプロピレン繊
維、グラスウール等が好ましく、特に好ましくはポリプ
ロピレン繊維等である。接触面積が増大することから、
繊維は細い方が好ましく、例えば、繊維直径5〜100
μmの範囲であり、好ましくは繊維直径10〜70μm
の範囲である。繊維状部材の繊維の充填密度は、特に制
限されないが、0.05〜0.3g/cm3の範囲が好
ましく、特に好ましくは0.13〜0.19g/cm3
の範囲である。また、繊維状部材に対する前記混合物の
透過速度(線速度)は、特に制限されないが、10〜1
00cm/分が好ましく、特に好ましくは20〜50c
m/分である。
【0020】繊維状部材を通過させて、または通過させ
ずに前記混合物を静置分離すると、上相と下相とに別
れ、下相がカロテン濃縮相であるので、これを採取すれ
ば、カロテンが得られる。また、上相から、親水性溶媒
および水を回収し、これを再使用することが好ましい。
【0021】
【実施例】つぎに、実施例について、比較例と併せて説
明する。
【0022】図1に示す装置を用い、以下に示すように
してパーム油からガム質を除去し、精製油脂を製造し
た。
【0023】すなわち、まず、パーム油100重量部を
加熱器3で60℃に加熱し、これを分散槽4に移送し、
ここでリン酸水溶液(濃度:75重量%、以下同じ)
0.1重量部と、ケイソウ土0.6重量部とを添加して
混合した。この混合物を、プレコート槽7に移送し、さ
らにフィルター式ろ過器9に移送し、このろ過器9とプ
レコート槽7との間で、前記混合物を循環させ、ろ過器
9のろ布表面にプレコート相を形成した。このプレコー
ト槽7内のパーム油をろ過器9でろ過し、ろ過油脂を貯
蔵タンク10に移送した。また新たに、パーム油100
重量部を加熱器3で60℃に加熱して分散槽4に移送
し、ここでリン酸水溶液0.1重量部と、ケイソウ土
0.04重量部とを添加混合した。この混合物をプレコ
ート槽7に移送し、さらに前述の操作で予めプレコート
されたフィルター式ろ過器9でろ過し、ろ過油脂を貯蔵
タンク10に移送した。
【0024】また、リン酸の添加量を、パーム油脂10
0重量部に対し、リン酸0.1重量部およびリン酸0.
05重量部にした以外は、前述と同様にして2種類の精
製油脂を得た。一方、比較例として、リン酸無添加以外
は前述と同様にして、精製油脂を得た。
【0025】このようにして得られた実施例の精製油脂
(3種類)および比較例の精製油脂について、さらに、
脱酸工程およびエステル化反応工程を行い、以下の方法
により、これらの工程における脱酸工程の閉塞性および
リン酸Na塩の析出について調べた。また、これらの精
製工程を経た精製油脂について、以下の方法により、カ
ロテン量の減少を調べた。これらの結果を下記の表1に
示す。
【0026】(脱酸工程の閉塞性)精製油脂について、
イオン交換樹脂(種類:カチオン樹脂)を用いて脱酸工
程を行った。この工程の際に、前記イオン交換樹脂への
ガム質の吸着による効率の低下およびイオン交換樹脂閉
塞の有無を確認した。そして、脱酸工程における入口圧
力と出口圧力を測定し、以下の基準にしたがって、脱酸
工程の閉塞性を評価した。 ○:入口圧力2kg/cm2 出口圧力2〜1.8kg/cm2 圧力差0〜0.2kg/cm2 △:入口圧力2kg/cm2 出口圧力1.7〜1.6kg/cm2 圧力差0.3〜0.4kg/cm2 ×:入口圧力2kg/cm2 出口圧力1.6kg/cm2以下 圧力差0.4kg/cm2以上
【0027】(リン酸Na塩の析出)精製油脂について
以下の条件でエステル化反応を行い、このエステル化反
応時の水酸化ナトリウムの添加によるリン酸Na塩の析
出を調べた。そして、以下の基準にしたがい、リン酸N
a塩の析出を評価した。 ○:リン酸Na濃度100ppm以下 攪拌機損傷影響
が小 △:リン酸Na濃度100〜200ppm 攪拌機損傷
影響が中 ×:リン酸Na濃度200ppm以上 攪拌機損傷影響
が大
【0028】(エステル化反応)脂肪酸グリセリドと低
級アルコールとをアルカリ触媒存在下でエステル交換さ
せて反応率90〜97%のエステル化混合物を得る。こ
の混合物を、粗エステル化物(上層)とグリセリン水溶
液(下層)とに分離する。上層の粗エステル化物と低級
アルコールとを再度アルカリ触媒存在下でエステル化反
応させて、反応率98%以上のエステル化混合物を得
る。
【0029】(カロテンの減少の有無)試料(油脂)中
に含まれる水分やメタノールをエバポレータで除去後、
無水硫酸ナトリウムをひいたろ紙を通過させて各試料を
前処理する。そして、各試料1g(WT)を正確に量
り、これをメスフラスコに入れ、シクロヘキサンで50
mlに定容(メスアップ)する。この溶液5mlを、メ
スフラスコに入れ、シクロヘキサンで再度50mlに定
容(メスアップ)して、試験溶液を調製する。この試験
溶液を分光光度計の測定セルに入れ、波長448nmの
吸光度Abを測定する。この測定値から、下記式によ
り、カロテン濃度を算出する。この測定を精製油脂と未
精製油脂について行い、カロテンの減少の有無を確認す
る。カロテン濃度(ppm)=5×吸光度Ab×106
/2500×試料重量WT
【0030】 (表1) 実施例 比較例 リン酸添加量(ppm) 1000 750 500 0 脱酸工程の閉塞性 ○ ○ △ × リン酸Na塩の析出 △ ○ ○ ○ カロテン減少の有無 なし なし なし なし
【0031】前記表1から分かるように、リン酸を添加
してガム質を除去した実施例では、脱酸工程において、
イオン交換樹脂の閉塞や効率の低下が起きず、リン酸N
a塩の析出についても問題がなく、またカロテンの減少
や変質もなかった。これに対し、比較例では、ガム質の
ため、脱酸工程においてイオン交換樹脂が閉塞した。
【0032】
【発明の効果】以上のように、本発明の方法は、油脂に
リン酸を添加し、これをろ過して不溶物を除去するとい
う簡単な方法である。本発明により、カロテン等の微量
有用成分の変質および消失を防止しながら、油脂中のガ
ム質を簡単に除去できる。したがって、この方法で得ら
れた精製油脂を、脱酸工程などの後工程にかけてカロテ
ン等を分離回収しても、ガム質に由来する問題の発生が
防止でき、またカロテン回収効率も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の一例を実施する装置の一例
を示した構成図である。
【符号の説明】
1、10 貯蔵タンク 2、8 ポンプ 3 加熱器 4 分散槽 5、6 タンク 7 プレコート槽 9 ろ過器 11、12、13、14、15、16、17 パイプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北村 洋司 香川県坂出市番の州町22−1 ライオンオ レオケミカル株式会社内 (72)発明者 田中 嘉郎 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 Fターム(参考) 4H059 AA10 BC13 CA05 CA51 EA21 EA22

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油脂にリン酸を添加し、この油脂をろ過
    して不溶物を除去する精製油脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 リン酸の添加量が、油脂100重量部に
    対し0.05〜0.1重量部の範囲である請求項1記載
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 油脂が、カロテンを含有する油脂である
    請求項1または2記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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