JP2001262119A - 紫外線吸収剤およびその使用 - Google Patents
紫外線吸収剤およびその使用Info
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Abstract
しかも超微粒子の欠点である、凝集し易く、分散性と伸
びすべりが悪い問題を克服し、樹脂および化粧品に有用
な、透明性と紫外線吸収性および安全性に優れた新規な
紫外線吸収剤を提供する。 【解決手段】 下記式(1) (Zn)1-xM3+ x- δO (式中、M3+はAl,Fe,Ce,Ti等の3価金属を
示し、xは0<x≦0.2の範囲の数を示し、δはカチ
オン格子欠陥を示す)で表わされ、且つ、平均2次粒子
径が0.1〜1.5μmの板状で、BET比表面積が2
0m2/g以上である酸化亜鉛系固溶体を有効成分とする
紫外線吸収剤および該紫外線吸収剤を配合た耐紫外線性
樹脂組成物および日焼け止め化粧料。
Description
剤、該紫外線吸収剤を配合した耐紫外線性樹脂組成物お
よび日焼け止め化粧料に関する。
子化合物(以下樹脂ともいう)は大量に消費されてい
る。これらは光に当ると、紫外線により物性が劣化す
る。そのため紫外線吸収剤を添加して、耐紫外線性を付
与している。また、人間の皮膚も紫外線により細胞の破
壊等が生じ、光線過敏性皮膚炎、悪性腫瘍などの発生を
誘発する。また老人性皮膚の発生を助長する。これらを
防止するものとして、紫外線吸収剤を配合した日焼け止
め化粧料も市販されている。
系、ベンゾフェノン系等の有機化合物系と、酸化チタ
ン、酸化亜鉛等の無機化合物系とがある。有機化合物系
は透明性が良く、紫外線吸収性も優れている。このた
め、樹脂にはほとんどこのタイプが使用されており、ま
た使用量も多い。これに対し無機化合物系は透明性が悪
く、紫外線吸収性も有機化合物系に比べて劣っている。
このため、樹脂に使用されることは少ない。しかし安全
性が高いため、主として日焼け止め化粧料に使用されて
いる。
均寿命も延びてきた近年、製品の安全性に対する要求も
ますます高まってきている。安全性とは、換言すると、
無毒性〜低毒性であると共に、環境ホルモンに該当しな
い等のことである。安全性の要求は、紫外線吸収剤も例
外ではない。前述の有機化合物系紫外線吸収剤は、毒性
とか環境ホルモンに該当する問題が指摘されている。他
方、無機化合物系紫外線吸収剤は、安全ではあるが、透
明性が悪く、樹脂中での分散性にも問題があるため、樹
脂には使用し難いという問題がある。最近、酸化亜鉛と
酸化チタンの微粒子が開発され、日焼け止め化粧料に使
用され始めた。しかし微粒子化により、凝集性が強くな
り分散性が悪化するとともに、伸びが悪く、使用性が悪
化し、さらに光触媒活性による耐光性の減少などの新た
な問題が出てきた。
400nm)、可視領域(400−760nm)と近赤外線
領域(>760nm)とに分けられる。紫外線領域は、さ
らにUVA領域、UVB領域およびUVC領域に分ける
ことができる。UVB領域は290〜320nmに及び、
皮膚の日焼けに最も大きな影響を及ぼす領域である。U
VC領域は200〜290nmの範囲であり、この領域の
紫外線は地球をとりまくオゾン層によって吸収されるた
め、地表に到達することはない。UVA領域は320〜
400nmの範囲である。UVA領域は日焼けを生じさせ
るが、日焼けさせる力はUVB領域よりも小さい。例え
ばUVA領域の紅斑惹起力は小さく急性な炎症を引き起
すことはない。このため、従来UVB領域の紫外線を遮
断する日焼け止め剤が使用されてきた。このような日焼
け止め剤の使用により、観察によりわかるような日焼け
の発生が遅れるため、長時間太陽光に当ることとなりが
ちである。UVA領域の紫外線は、皮膚に浸透し、損傷
を与えるものであることが近年知られてきた。すなわち
UVA領域の紫外線は、年々発生する皮膚ガンの30〜
40%の主原因であるとも云われている。またUVA領
域の紫外線は、UVB放射線により損傷を受けた細胞を
治療する酵素を抑制することにより、皮膚ガンを増進す
るとも云われている。さらには、UVA領域の紫外線
は、UVB領域の紫外線よりも皮膚深く浸透し、血管に
変化を生じさせ、皮膚の早期老化を生じさせ、UVB領
域の紫外線にプラスするとも報告されている。
線を吸収する紫外線吸収剤および該紫外線吸収剤を含有
する耐紫外線性樹脂組成物の提供を目的とする。
0<x≦0.2、好ましくは0.05<x<0.2、特に
好ましくは0.06≦x≦0.18の範囲の数を示し、
δはカチオン格子欠陥を示す)で表され、かつ平均2次
粒子径が0.1〜1.5μmの板状で、BET比表面積
が20m2/g以上である、酸化亜鉛系固溶体を有効成分と
する紫外線吸収剤を提供する。
を、Fe、CeおよびTiの酸化物の少なくとも一種でコーテ
ィングしている紫外線吸収剤を提供する。
0.01〜10重量部の式(1)で表され、かつ平均2
次粒子径が0.1〜1.5μmの板状で、BET比表面
積が20m2/g以上である酸化亜鉛系固溶体とからなる耐
紫外線性樹脂組成物を提供する。
平均2次粒子径が0.1〜1.5μmの板状で、BET
比表面積が20m2/g以上である酸化亜鉛系固溶体を有効
成分として含有する日焼け止め化粧料を提供する。
を吸収する紫外線吸収剤および該紫外線吸収剤を含有す
る耐紫外線性樹脂組成物等を提供すべく、鋭意研究に努
めた結果、xが0<x≦0.2の範囲にある式(1)の固
溶体が、特に有用であることを見出し本発明に到達し
た。式(1)で表される酸化亜鉛系固溶体は、ZnOにAl
等の三価金属が置換固溶した2次粒子が板状の化合物で
あり、結晶構造は酸化亜鉛と同じである。亜鉛以外に少
量の二価金属が固溶していても差し支えない。三価金属
としてはアルミニウムが最も好ましい。Xの範囲は0<x
≦0.2、好ましい範囲は0.05<x<0.2特に好
ましい範囲は0.06<x≦0.18である。
し、あるいは化粧品として使用したときの透明性を良く
するためには、1次粒子径が小さいこと、すなわちBE
T比表面積が大きいこと、2次粒子径が適度に小さいこ
とが必要である。この要求を満足するためには、BET
比表面積が20m2/g以上、好ましくは40m2/g以上、さ
らに好ましくは60m2/g以上であり、かつ平均2次粒子
径が0.1〜1.5μm、好ましくは0.2〜1.0μ
m、さらに好ましくは0.3〜0.7μmの板状である
式(1)の酸化亜鉛系固溶体を用いることが必要であ
る。平均2次粒子径が0.1μmより小さくなると分散
性が悪くなる。
をさらに向上させる、あるいは化粧品に用いた場合の色
を肌色に近づける等の目的を達成するためには、Ti、Fe
およびCeの酸化物の少なくとも一種で本発明固溶体の表
面を被覆するのがよい。被覆量は該固溶体の重量に基づ
いて約0.1〜約10重量%である。
性、分散性を良くしたり、化粧品に用いたときの撥水性
を良くしたりするために、親油性の表面処理剤で表面処
理することが好ましい。表面処理剤として好ましく用い
られるものを次に例示する。ステアリン酸、ラウリン
酸、ベヘニン酸等の高級脂肪酸類;前記高級脂肪酸のア
ルカリ金属塩(アニオン系界面活性剤);ステアリルア
シッドフォスフェート、ラウリルアシッドフォスフェー
ト、オレイルアシッドフォスフェート等のリン酸エステ
ル類;前記リン酸エステル類のアルカリ金属塩またはエ
タノールアミン塩類;ポリフルオロアルキルリン酸エス
テルジエタノールアミン塩、ポリ(パーフルオロアルキ
ルエチルアクリレート)等のフッ素系コーティング剤
類;ビニルエトキシシラン、ガンマーメタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリイソステ
アロイルチタネート系およびアルミニウム系カップリン
グ剤類;グリセリンモノステアレート等の多価アルコー
ルと脂肪酸のエステル類等。
処理は、それ自体公知の湿式または乾式法により実施で
きる。例えば、湿式法としては、メタノール、エタノー
ル、水等の溶媒に固溶体を分散させた系に、アルコール
に溶解またはアルコールと水の混合溶解に溶解させた表
面処理剤を、液体状またはエマルジョン状で加え、加熱
または非加熱下に十分に混合すればよい。表面処理剤の
添加量は、適宜選択できるが、該固溶体の重量に基づい
て約0.1〜10重量%とするのが好ましい。表面処理
後は、必要に応じ、例えば、濾過、乾燥、粉砕、分級等
の手段を適宜選択実施し、最終製品形態とすることがで
きる。
(2) (Zn)1-xM3+ x(OH)2An- x/n・mH2O (2) (式中、M3+はAl、Fe、Ce、Ti等の三価金属を示し、An-
はCl-、CO3 2-等のn(nは1〜6)価のアニオンを示し、x
は0<x≦0.2の範囲、mは0≦m≦2の範囲の数を示
す)で表されるハイドロタルサイト類またはハイドロタ
ルサイト類と酸化亜鉛との混合物を、約100〜170
℃、好ましくは約110〜150℃で少なくとも1時間
以上水熱処理後、濾過、乾燥し、約300〜800℃、
好ましくは約400〜700℃で焼成することにより実
施される。
は、従来公知の方法で実施できる。例えば、塩化亜鉛、
硝酸亜鉛、硫酸亜鉛等の水溶性亜鉛塩と、塩化アルミニ
ウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化第2
鉄、塩化セリウム等の水溶性三価金属塩の混合水溶液
を、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウ
ム等のアルカリを用いて、pHを約6以上、好ましくは約
7以上に保って、撹拌下に混合、反応させることにより
実施できる。
eの中から選ばれた酸化物の1種以上でコ−ティングす
る製造方法は、式(2)のハイドロタルサイト類を水に
分散し、攪拌下にTi,FeおよびCeの水溶性塩の少
なくとも1種を加え、加水分解させた後、ろ過、水洗、
乾燥後、約300〜800℃で焼成することにより実施
できる。または、式(1)の固溶体を、水または少量の
水を含むアルコ−ルに分散し、攪拌下にTi,Feおよ
びCeの水溶性またはアルコ−ル溶解性化合物を加え、
加水分解後、固液分離または固液分離後、約300〜8
00℃で焼成する方法により実施できる。上記コーティ
ング条件において、加水分解の前後にNaOH等のアルカリ
を添加してもよい。また、Ti、FeおよびCeの水溶性塩の
代わりにゾルを添加してもよい。
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、A
BS、ポリアクリレ−ト、ポリカ−ボネ−ト、ポリエチ
レンテレフタレ−ト、ポリメタクリレ−ト、ポリアミ
ド、ポリエステル、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ
メチルペンテン、ポリブテン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢
酸ビニル等の熱可塑性樹脂;フェノ−ル樹脂、メラミン
樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキ
ド樹脂等の熱硬化性樹脂;EPDM,SBR,NBR,
ブチルゴム、イソプレンゴム、クロロスルホン化ポリエ
チレン等のゴム;アクリル繊維、アセテ−ト繊維、ナイ
ロン、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエ
チレン繊維等の合成繊維等を例示できるが、これらに限
定されるものではない。
方法には特別な制約はなく、両者を均一に混合しうる任
意の混合手段を採用できる。例えば、押出機、ロ−ル、
バンバリ−ミキサ−、ホモジナイザ−等である。成形方
法にも特別な制約はなく、例えば、射出成形、押出成
形、ブロ−成形、プレス成形、回転成形、カレンダ−成
形、シ−トフォ−ミング成形、真空成形、紡糸等であ
る。
は、各種添加剤を必要に応じ添加しても良い。例えば、
酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、顔料、発砲剤、可塑
剤、充填剤、補強剤、架橋剤、防カビ剤、粘着防止剤等
を例示できる。
明する。
(Al3+=0.27モル/リットル,Zn2+=1.23
モル/リットル)と、水酸化ナトリウム水溶液(4モル
/リットル)を、予め2リットルの水を入れた容量3リ
ットルの反応槽(オ−バ−フロ−付き)に攪拌下、それ
ぞれ100ミリリットル/分、約75ミリリットル/分
定量的に供給した。水酸化ナトリウムの供給量を調節し
て、この反応pHを約7に保持した。また、反応温度は
約30℃で行った。得られた白色沈殿を含むスラリ−
を、減圧ろ過後、炭酸ナトリウム水溶液で十分に洗浄し
た後、乳化させ、これをオ−トクレ−ブに入れ、120
℃で20時間水熱処理を行った。この後、ろ過、水洗
し、乾燥した。
果、ハイドロタルサイト類であることが確かめられた。
この乾燥物を粉砕後、500℃で1時間焼成した。この
焼成物のX線回析パタ−ンを測定した結果、ZnOより
少し高角度側にシフトしているが、ZnOのみの回析パ
タ−ンであった。したがって、この物は、ZnOにAl
が固溶した化合物である。この物のBET比表面積は5
9m2/gであった。イソプロピルアルコ−ル溶媒中で、
超音波で5分間分散処理した後に、レ−ザ−回析法粒度
分布測定器で測定した粒度分析は、平均2次粒子径が
0.78μm,最大2次粒子径が2.3μmであった。
化学組成は次の通りであった。 Zn0.82Al0.18- δO この粉末100gを、エチルアルコ−ル500ミリリッ
トルに加え、ホモジナイザ−で約10,000r.p.
mの速度で攪拌下に、2gのラウリン酸を50ミリリッ
トルのエチルアルコ−ルに加熱溶解した液を加え、約1
0分間攪拌を継続し、表面処理を行った。その後、ろ
過、乾燥、粉砕した。透過率測定結果を図1に示す。
酸亜鉛の混合水溶液を、Al3+=0.18モル/リット
ル、Zn2+=1.32モル/リットルとする以外は同様
の操作を行った。得られた乾燥物は、ハイドロタルサイ
トと少量の酸化亜鉛のX線回析パターンを示した。この
乾燥物を粉砕後、500℃で1時間焼成した。焼成物の
X線回析パターンは、ZnOより少し高角度側にシフト
しているが、ZnOのみの回析パターンであった。従っ
て、この物質は、Alが固溶したZnO系固溶体であ
る。この固溶体のBET比表面積は52m2/g、平均2
次粒子径は0.66μm、最大2次粒子径は1.81μ
mで、化学組成は次の通りであった。 Zn0.88Al0.12- δO 透過率測定結果を図1に示す。
酸亜鉛の混合水溶液を、Al3+=0.09モル/リット
ル、Zn2+=1.41モル/リットルとする以外は同様
の操作を行った。得られた乾燥物は、ハイドロタルサイ
トと酸化亜鉛のX線回析パターンを示した。この乾燥物
を粉砕後、400℃で1時間焼成した。焼成物のX線回
析パターンは、ZnOより少し高角度側にシフトしてい
るが、ZnOのみの回析パターンであった。従って、こ
の物質は、Alが固溶したZnO系固溶体である。この
固溶体のBET比表面積は38m2/g、平均2次粒子径
は0.94μm、最大2次粒子径は2.6μmで、化学
組成は次の通りであった。 Zn0.94Al0.06- δO 透過率測定結果を図2に示す。
のX線回析パターンを示す乾燥物50gを500mlの
脱イオン水に入れ、ホモジナイザーで分散後、塩化セリ
ウム(CeCl3・7H2O)10gを溶解した200m
lの脱イオン水を、ホモジナイザーで攪拌下に加えた。
この後、0.2モル/リットルのNaOH水溶液を加
え、pHを約8に調節した。これをろ過、水洗、乾燥
後、粉砕し、400℃で1時間焼成した。この物のX線
回析パターンは、少し高角度側にシフトしているが、Z
nOの回析パターンと、弱い酸化セリウムCeO2の回
析パターンであった。この物のBET比表面積は56m2
/g、平均2次粒子径は0.56μm、最大2次粒子径は
1.81μmで、化学組成は次の通りであった。 Zn0.88Al0.12- δO.(CeO2)0.06 透過率測定結果を図2に示す。
酸亜鉛の混合水溶液をAl3+=0.09モル/リット
ル、Zn2+=0.91モル/リットルとし、反応pHを
約11とする以外は同様の操作を行った。得られた乾燥
物は、ハイドロタルサイトと少量の酸化亜鉛のX線回析
パターンを示した。この乾燥物100gを、約2リット
ルの水にホモジナイザーを用いて分散させた後、ホモジ
ナイザーで攪拌下に、10gのFeCl2・4H2Oを溶
解した水溶液100ミリリットルを加え、約30分間攪
拌した。その後、濾過、水洗、乾燥、粉砕し、400℃
で1時間焼成した。この焼成物は、肌色に近い色を示
し、X線回析パターンは、ZnOより少し高角度にシフ
トしているが、ZnOのみの回析パターンであった。従
ってこの物質は、AlとFeが固溶したZnO系固溶体
である。この固溶体のBET比表面積は39m2/g、平
均2次粒子径は0.72μm、最大2次粒子径は1.8μ
mで、化学組成は次の通りであった。 Zn0.88(Al0.09Fe3+ 0.03)0.12- δO 透過率の測定結果を図2に示す。
を、Al3+=0.5モル/リットル,Zn2+=1.0モ
ル/リットルとする以外は、実施例1と同様に操作して
反応、水熱処理等を行った。得られた乾燥物は、ハイド
ロタルサイトのX線回折パターンを示した。化学分析結
果は次の通りであった。 Zn0.67Al0.33(OH)2(CO3)0.165・0.33
H2O この乾燥物を粉砕後、600℃で1時間焼成した。この
物のX線回析パタ−ンを測定した結果、ZnOより少し
高角度側にシフトしているが、ZnOのみの回析パタ−
ンであった。したがって、この物は、ZnOにAlが固
溶した化合物である。この物のBET比表面積は110
m2/g、平均2次粒子径が0.45μm,最大2次粒子
径が1.6μmであった。化学組成は次の通りであっ
た。 Zn0.67Al0.33- δO) 透過率測定結果を図1に示す。
酸亜鉛の混合水溶液を、Al3+=0.33モル/リット
ル、Zn2+=1.17モル/リットルとする以外は同様
にして反応、水熱処理等を行った。得られた乾燥物は、
ハイドロタルサイトのX線回析パターンを示した。乾燥
物を粉砕後、500℃で1時間焼成した。この焼成物のX
線回析パターンは、ZnOより少し高角度側にシフトし
ているが、ZnOのみの回析パターンであった。従っ
て、この物質は、Alが固溶したZnO固溶体である。
この固溶体のBET比表面積は78m2/g、平均2次粒
子径は0.87μm、最大2次粒子径は2.1μmで、
化学組成は次の通りであった。透過率測定結果を図1に
示す。 Zn0.78Al0.22- δO [UV吸収スペクトルの測定]実施例1,2、3、4お
よび5,比較例1および2得られたZnO系固溶体及び
亜鉛華1号を、紫外線吸収剤として、それぞれ下記処方
で配合した。 塩化ビニル樹脂 100重量部 ジオクチルフタレート 50重量部 ステアリン酸カルシウム 1重量部 ステアリン酸亜鉛 0.4重量部 紫外線吸収剤 0.1重量部 上記配合物を均一に混合後、オープンロールを用い17
0℃で3分間混練した。混練して得られたシートを、プ
レス成形機を用いて、予熱を165℃で5分間行った
後、約120kg/cm2の圧力で5分間成型し、厚さ
1.0mmのシートを作成した。このシートについて、
分光光度計により波長300〜500nmの透過率を、
ZnO固溶体を含まない塩ビシートを対照に用い測定し
た。その結果を図1及び図2に示す。この結果から、固
溶体Zn1-xAlx- δOのxの範囲が0.2以下、より
具体的には0.18〜0.06において、約380nm
に紫外線吸収の極大値があり、然も、透明性も良いこと
が判る。これは、ZnOの吸収極大が340nmである
のに対し、約40nm長波長にあり、ZnOよりもUV
A(320〜400)領域の紫外線吸収が優れているこ
とを示す。xが0.2超え、より具体的には0.22よ
り大きいと、UVAの吸収が悪い。xが0.04以下に
なると、透明性が低下してくるとともに、紫外線の吸収
極大が短波長にシフトする傾向にある。従って、紫外線
吸収剤としては、x=0.18〜0.06の範囲にある
ことが最も好ましい。特に好ましいのは、x=0.12
前後である。
00gを、約1リットルのエチルアルコールに加え、ホ
モジナイザーで均一に分散後、高速攪拌下に、2gのラ
ウリン酸を溶解した約50ミリリットルのエチルアルコ
ールを加え、表面処理を行った。約10分間さらに攪拌
後、濾過、水洗、乾燥、粉砕した。この粉末は、水に加
えると水の表面に浮き、優れた撥水性を示した。また、
この粉末の一部を採り手で伸ばすと、良好な滑り性を示
した。
率が高い)と紫外線吸収性、特にUVA紫外線吸収性の
両方に優れ、且つ、分散性および伸びの良い無毒性の無
機の紫外線吸収剤,該吸収剤を利用した耐紫外線性樹脂
組成物、日焼け止め化粧料が提供される。
フである。
フである。
Claims (5)
- 【請求項1】 下記式(1) (Zn)1-xM3+ x- δO (1) (式中、M3+はAl、Fe、Ce、Ti等の三価金属を示し、xは
0<x≦0.2の範囲の数を示し、δはカチオン格子欠
陥を示す)で表され、かつ平均2次粒子径が0.1〜
1.5μmの板状で、BET比表面積が20m2/g以上で
ある酸化亜鉛系固溶体を有効成分とすることを特徴とす
る紫外線吸収剤。 - 【請求項2】 式(1)の固溶体表面が、Fe、Ceおよび
Tiの酸化物の少なくとも一種でコーティングされている
ことを特徴とする請求項1記載の紫外線吸収剤。 - 【請求項3】 固溶体の表面が、高級脂肪酸類、アニオ
ン系界面活性剤、リン酸エステル、フッソ系コーティン
グ剤、シラン系、チタン系、チタネート系およびアルミ
ニウム系カップリング剤および多価アルコールと脂肪酸
のエステルからなる群から選ばれた親油性表面処理剤の
少なくとも一種で表面処理されていることを特徴とする
請求項1または2記載の紫外線吸収剤。 - 【請求項4】 100重量部の樹脂が、0.01〜10
重量部の下記式(1) (Zn)1-xM3+ x- δO (1) (式中、M3+はAl、Fe、Ce、Ti等の三価金属を示し、xは
0<x≦0.2の範囲の数を示し、δはカチオン格子欠
陥を示す)で表され、かつ平均2次粒子径が0.1〜
1.5μmの板状で、BET比表面積が20m2/g以上で
ある請求項1記載の酸化亜鉛系固溶体を含有することを
特徴とする耐紫外線性樹脂組成物。 - 【請求項5】 請求項1、2または3記載の酸化亜鉛系
固溶体を有効成分として含有することを特徴とする日焼
け止め化粧料。
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