JP2001262107A - 難燃性樹脂組成物、難燃性接着剤組成物及び金属接合体 - Google Patents

難燃性樹脂組成物、難燃性接着剤組成物及び金属接合体

Info

Publication number
JP2001262107A
JP2001262107A JP2000081947A JP2000081947A JP2001262107A JP 2001262107 A JP2001262107 A JP 2001262107A JP 2000081947 A JP2000081947 A JP 2000081947A JP 2000081947 A JP2000081947 A JP 2000081947A JP 2001262107 A JP2001262107 A JP 2001262107A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flame
meth
resin composition
retardant
adhesive composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000081947A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4459372B2 (ja
Inventor
Tetsuya Sakurai
哲也 櫻井
Hidehiro Mihara
英裕 三原
Koichi Taguchi
広一 田口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denki Kagaku Kogyo KK filed Critical Denki Kagaku Kogyo KK
Priority to JP2000081947A priority Critical patent/JP4459372B2/ja
Publication of JP2001262107A publication Critical patent/JP2001262107A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4459372B2 publication Critical patent/JP4459372B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerization Catalysts (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 人体や環境への悪影響が少なく、難燃性、接
着性及び耐湿性に優れた難燃性樹脂組成物と難燃性接着
剤組成物の提供。 【解決手段】 (1)重合性ビニルモノマー、(2)重
合開始剤、(3)還元剤、(4)リン酸塩を含有する難
燃性樹脂組成物。さらに、(5)エラストマー成分を含
有してもよく、難燃性接着剤組成物としてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐湿性に優れた難
燃性樹脂組成物、特に金属の接合に適した常温硬化型の
難燃性接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】金属板は、建築物の内装材、例えば間仕
切板、ドア及びエレベーター等や収納庫に使用されてい
る。
【0003】金属接着に使用する接着剤として、省力
化、省資源及び省エネルギーの点で、常温下、短時間で
硬化する常温速硬化型接着剤組成物を使用することが要
求されている。従来、常温速硬化型接着剤組成物として
は、二液型速硬化エポキシ系接着剤組成物、嫌気性接着
剤組成物、瞬間接着剤組成物及び第二世代のアクリル系
接着剤組成物(SGA)が知られている。
【0004】二液型速硬化エポキシ系接着剤は、主剤と
硬化剤を計量、混合して被着体に塗布し、主剤と硬化剤
の反応により硬化するものである。しかしながら、二液
型速硬化エポキシ系接着剤は剥離強度と衝撃強度が低い
という欠点があった。
【0005】嫌気性接着剤は、被着体間において接着剤
組成物を圧着して空気を遮断することにより硬化するも
のである。しかしながら、嫌気性接着剤組成物は、圧着
する際に接着剤組成物の一部が被着体からハミ出した場
合、ハミ出した部分は空気に接触するために硬化しない
という欠点があった。又、被着体間のクリアランスが大
きい場合も硬化しないという欠点があった。
【0006】瞬間接着剤は通常シアノアクリレートを主
成分とし、作業性に優れている。しかしながら、剥離強
度や衝撃強度が低いという欠点があり、耐湿性と耐水性
が劣るという欠点があった。
【0007】SGAは二液性であるが、二液の正確な計
量を必要とせず、計量や混合が不完全でも、時には二液
の接触だけでも、常温で数分〜数十分で硬化するため
に、作業性に優れ、しかも剥離強度や衝撃強度が高く、
ハミ出し部分の硬化も良好であるために、広く用いられ
ている。
【0008】しかしながら、硬化したSGAは有機高分
子化合物であるために、SGAにより接着した金属接合
体が火災に遭った場合は、高分子鎖の解重合または熱分
解を生じ、接着剤としての機能が果たせなくなる。その
結果、火災発生が想定される用途に使用される金属接合
体には、従来のSGAを使用できないという制約があっ
た。
【0009】この結果、接合部が火炎に曝される危険の
ある用途には、難燃性を付与した両面テープを用いる方
法や溶接工法が採用されている。
【0010】難燃性を付与した両面テープを用いる方法
として特開平9−194797号公報や特開平10−1
40094号公報には、光重合開始剤とポリリン酸アン
モニウムを添加した速硬化型難燃性両面テープが開示さ
れている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法では被着体が紫外線を透過し得る必要があるために金
属接着が出来ず、又、接着性が小さいために長期間高加
重が加わる用途では耐久性が不足するという課題があっ
た。
【0012】一方、溶接工法では、接合に有機化合物を
用いないため、高温に曝されても接合部位が剥がれ落ち
ないメリットがあるものの、溶接時に発生する熱により
歪みが発生し、歪みの除去作業が必要であるという課題
があった。又、意匠性が必要な金属接合体では外観が損
なわれるという課題があった。
【0013】本発明は、これらの課題を解決するため
に、特定の成分を用いた樹脂組成物が、耐湿性と難燃性
が要求される用途に用いられるとの知見を得て、本発明
を完成するに至った。
【0014】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、(1)
重合性ビニルモノマー、(2)重合開始剤、(3)還元
剤及び(4)リン酸塩を含有してなる難燃性接着剤組成
物であり、さらに、(5)エラストマー成分を含有して
なる該難燃性樹脂組成物であり、(1)重合性ビニルモ
ノマーが重合性(メタ)アクリル酸誘導体である該難燃
性樹脂組成物であり、難燃性樹脂組成物を第一剤及び第
二剤に分け、第一剤が少なくとも重合開始剤を含有して
なり、第二剤が少なくとも還元剤を含有してなる二剤型
難燃性樹脂組成物である又、該難燃性樹脂組成物からな
る難燃性接着剤組成物である。さらに、該難燃性樹脂組
成物の硬化体である。そして、該難燃性接着剤組成物に
より接合してなる金属接合体である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】本発明で使用する難燃性樹脂組成物は、
(1)重合性ビニルモノマー、(2)重合開始剤、
(3)還元剤及び必要に応じて用いる(5)エラストマ
ー成分を含有する樹脂組成物と、(4)リン酸塩とを含
有するものである。なお、樹脂組成物には、パラフィン
類や酸化防止剤を含有させてもよい。
【0017】本発明で使用する(1)重合性ビニルモノ
マーは、ラジカル重合可能であればいかなるものでもよ
い。重合性ビニルモノマーの中では、硬化速度等の点
で、重合性ビニルモノマーが重合性(メタ)アクリル酸
誘導体であることが好ましく、重合性ビニルモノマー1
00質量部中、重合性(メタ)アクリル酸誘導体が70
質量部以上であることがより好ましく、重合性ビニルモ
ノマーが全て重合性(メタ)アクリル酸誘導体であるこ
とが最も好ましい。
【0018】ここで重合性(メタ)アクリル酸誘導体と
は、重合性アクリル酸誘導体及び/又は重合性メタクリ
ル酸誘導体をいう。これらは通常、液状ないし固形状の
ものが使用される。重合性(メタ)アクリル酸誘導体と
しては例えば、次のようなものが挙げられる。
【0019】一般式 Z−O−R1 で示される単量体。式中、Zは(メタ)アクリロイル
基、 CH2=CHCOOCH2−CH(OH)CH2 −基又はCH 2 =C(CH3)
COOCH2−CH(OH)CH2 −基を示し、R1は水素、炭素数1
〜20のアルキル基、シクロアルキル基、ベンジル基、
フェニル基、テトラヒドロフルフリル基、グリシジル
基、ジシクロペンチル基、ジシクロペンテニル基又は
(メタ)アクリロイル基を示す。
【0020】このような単量体としては例えば、(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジ
ル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メ
タ)アクリル酸ジシクロペンチル、(メタ)アクリル酸
ジシクロペンテニル、グリセロール(メタ)アクリレー
ト及びグリセロールジ(メタ)アクリレート等が挙げら
れる。
【0021】一般式 Z−O−(R2O) p −R1 で示される単量体。式中、Z及びR1は前述の通りであ
る。R2は−C2H4−、−C3H6−、−CH2CH(CH 3)−、−C4H
8−又は−C6H12−を示し、pは1〜25の整数を表す。
【0022】このような単量体としては例えば、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、
ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレー
ト、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト及び1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト等が挙げられる。
【0023】一般式
【化1】 で示される単量体。式中、Z及びR2は前述の通りであ
る。R3は水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、
qは0〜8の整数を表す。
【0024】このような単量体としては例えば、2,2
−ビス(4−(メタ)アクリロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アク
リロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−(メタ)アクリロキシプロポキシフェニル)プロ
パン及び2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシテト
ラエトキシフェニル)プロパン等が挙げられる。
【0025】前記、又はに記載の単量体に含ま
れない多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル。
【0026】このような単量体としては例えば、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ネオペン
チルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールテトラ(メタ)アクリレート及びジペンタエリ
スリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。
【0027】 (メタ)アクリロイルオキシ基を有す
るウレタンプレポリマー。このような単量体は、例えば
水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル、有機ポリ
イソシアネート及び多価アルコールを反応することによ
り得られる。
【0028】ここで水酸基を有する(メタ)アクリル酸
エステルとしては例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキ
シエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル及び
(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等が挙げられる。
【0029】又、有機ポリイソシアネートとしては例え
ば、トルエンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト及びイソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
【0030】多価アルコールとしては例えば、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコール及びポリエステルポリオール等が
挙げられる。
【0031】 下記一般式(I)て示される酸性リン
酸化合物。
【化2】 式中、Rは CH2=CR4CO(OR5)m −基(但し、R4は水素
又はメチル基、R5は−C2H4−、−C3H6−、−CH2CH(C
H3)−、−C4H8−、−C6H12−又は
【化3】 を示し、mは1〜10の整数を表す。)を示し、nは1
又は2の整数を表す。
【0032】この一般式(I)で示される酸性リン酸化
合物としては例えば、アシッドホスホオキシエチル(メ
タ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロピル(メ
タ)アクリレート及びビス(2−(メタ)アクリロイル
オキシエチル)フォスフェート等が挙げられる。以上、
、、、、又はの単量体は、1種又は2種以
上を使用することができる。
【0033】又、重合性(メタ)アクリル酸誘導体以外
の重合性ビニルモノマーとしては例えば、スチレン、α
−アルキルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルエーテ
ル、ジビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、2−ビ
ニルピリジン、並びに、酢酸ビニル及びプロピオン酸ビ
ニル等のビニルエステル等が挙げられる。
【0034】本発明で使用する(2)重合開始剤として
は、有機過酸化物が好ましい。有機過酸化物としては例
えば、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハ
イドロパーオキサイド、ターシャリーブチルハイドロパ
ーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンジハイドロパー
オキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベン
ゾイルパーオキサイド及びターシャリーブチルパーオキ
シベンゾエート等が挙げられる。これらの中では、反応
性の点で、クメンハイドロパーオキサイドが好ましい。
【0035】重合開始剤の使用量は、重合性ビニルモノ
マー100質量部に対して0.1〜20質量部が好まし
く、1〜10質量部がより好ましい。0.1質量部未満
だと硬化速度が遅いおそれがあり、20質量部を越える
と貯蔵安定性が悪くなるおそれがある。
【0036】本発明で使用する(3)還元剤は、前記重
合開始剤と反応し、ラジカルを発生する公知の還元剤で
あれば使用できる。代表的な還元剤としては例えば、第
3級アミン、チオ尿素誘導体及び遷移金属塩等が挙げら
れる。
【0037】第3級アミンとしては例えば、トリエチル
アミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン及び
N,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。チオ
尿素誘導体としては例えば、2−メルカプトベンズイミ
ダゾール、メチルチオ尿素、シブチルチオ尿素、テトラ
メチルチオ尿素及びエチレンチオ尿素等が挙げられる。
遷移金属塩としては例えば、ナフテン酸コバルト、ナフ
テン酸銅及びバナジルアセチルアセトネート等が挙げら
れる。これらの中では、反応性の点で、チオ尿素誘導体
及び/又は遷移金属塩が好ましい。チオ尿素誘導体の中
では、反応性の点で、エチレンチオ尿素が好ましく、遷
移金属塩の中では、反応性の点で、バナジルアセチルア
セトネートが好ましい。
【0038】還元剤の使用量は重合性ビニルモノマー1
00質量部に対して0.05〜15質量部が好ましく、
0.5〜5質量部がより好ましい。0.05質量部未満
だと硬化速度が遅いおそれがあり、15質量部を越える
と未反応の還元剤が残り、接着強度が低下するおそれが
ある。
【0039】本発明で使用する(4)リン酸塩として
は、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネ
シウム、リン酸亜鉛及びリン酸アルミニウム等のリン酸
金属塩、これらリン酸金属塩の水和物、ポリリン酸アン
モニウム、ポリリン酸ナトリウム及びポリリン酸カリウ
ム等のポリリン酸塩、リン酸アンモニウム、エチレンジ
アミンのリン酸塩やジエチレントリアミンのリン酸塩等
のリン酸アミン塩並びにグアニジンのリン酸塩等が挙げ
られる。これらの中では、難燃性、硬化性、接着性及び
取り扱いが容易な点で、ポリリン酸塩が好ましく、ポリ
リン酸アンモニウムがより好ましい。
【0040】ポリリン酸アンモニウムとしては、ポリリ
ン酸アンモニウムを微粒子化したものが好ましく、粒子
表面が化学的に未処理のものや粒子表面を熱硬化性樹脂
でマイクロカプセル化したものが用いられる。
【0041】リン酸塩の使用量は、(1)重合性ビニル
モノマー、(2)重合開始剤、(3)還元剤及び必要に
応じて用いる(5)エラストマー成分を含有する樹脂組
成物100質量部に対して10〜75質量部が好まし
く、30〜60質量部がより好ましい。10質量部未満
だと十分な難燃性が得られないおそれがあり、75質量
部を越えると剥離接着強さや衝撃接着強さが低下すると
ともに著しい粘度上昇を伴い、接着剤組成物の塗布作業
が困難になるおそれがある。
【0042】リン酸塩の添加方法は特に制限はなく、
第一剤と第二剤それぞれに添加する方法、一方の剤の
みに添加する方法、同じ割合で等量ずつ均等に配分す
る方法があるが、第一剤と第二剤の粘度が等しくなる点
で、の方法が好ましい。
【0043】さらに、本発明では、樹脂組成物の靱性を
向上させる目的で、(5)エラストマー成分を使用する
ことが好ましい。エラストマー成分とは、常温でゴム状
弾性を有する高分子物質をいい、(メタ)アクリル系モ
ノマーに溶解又は分散できるものが好ましい。
【0044】このような(5)エラストマー成分として
は、アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重
合体、アクリロニトリル−ブタジエン−メチルメタクリ
レート共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン−
アクリロニトリル−スチレン共重合体、メチルメタクリ
レート−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS) 、ア
クリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、並び
に、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、線状ポリウレ
タン、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム及
びブタジエンゴム等の各種合成ゴム、天然ゴム、スチレ
ン−ポリブタジエン−スチレン系合成ゴムといったスチ
レン系熱可塑性エラストマー、ポリエチレン−EPDM
合成ゴムといったオレフィン系熱可塑性エラストマー、
並びに、カプロラクトン型、アジペート型及びPTMG
型といったウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリブチ
レンテレフタレート−ポリテトラメチレングリコールマ
ルチブロックポリマーといったポリエステル系熱可塑性
エラストマー、ナイロン−ポリオールブロック共重合体
やナイロン−ポリエステルブロック共重合体といったポ
リアミド系熱可塑性エラストマー、1,2−ポリブタジ
エン系熱可塑性エラストマー、並びに、塩ビ系熱可塑性
エラストマー等が挙げられる。これらのエラストマー成
分は相溶性が良ければ、1種又は2種以上が使用でき
る。又、末端メタクリル変性したポリブタジエンも使用
できる。
【0045】これらの中では、樹脂組成物に対する溶解
性及び接着性の点で、メチルメタクリレート−ブタジエ
ン−アクリロニトリル−スチレン共重合体及び/又はア
クリロニトリル−ブタジエンゴムが好ましく、メチルメ
タクリレート−ブタジエン−アクリロニトリル−スチレ
ン共重合体とアクリロニトリル−ブタジエンゴムの併用
がより好ましい。
【0046】エラストマー成分の使用量は、重合性ビニ
ルモノマー100質量部に対して5〜50質量部が好ま
しく、10〜30質量部がより好ましい。5質量部未満
だと剥離接着強さや衝撃接着強さが低下するおそれがあ
り、50質量部を越えると粘度が高すぎて作業上不都合
が生じるおそれがある。
【0047】又、本発明の接着剤組成物は空気に接して
いる部分の硬化を迅速にするために各種パラフィン類を
使用することができる。パラフィン類としては例えば、
パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、カルナバ
ろう、蜜ろう、ラノリン、鯨ろう、セレシン及びカンデ
リラろう等が挙げられる。これらの中では、パラフィン
が好ましい。パラフィン類の融点は40〜100℃のも
のが好ましい。
【0048】パラフィン類の使用量は、重合性ビニルモ
ノマー100質量部に対して、0.1〜5質量部である
ことが好ましい。0.1質量部未満だと空気に接してい
る部分の硬化が悪くなるおそれがあり、5質量部を越え
ると接着強度が低下するおそれがある。
【0049】更に、貯蔵安定性を改良する目的で重合禁
止剤を含む各種の酸化防止剤等を使用することができ
る。酸化防止剤としては例えば、ハイドロキノン、ハイ
ドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジターシャリ
ーブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス
(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、
トリフェニルホスファイト、フェノチアジン及びN−イ
ソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
等が挙げられる。これらの中では、p−メトキシフェノ
ールが好ましい。
【0050】酸化防止剤の使用量は、重合性ビニルモノ
マー100質量部に対して、0.001〜3質量部が好
ましい。0.001質量部未満だと効果がないおそれが
あり、3質量部を越えると硬化速度が低下するおそれが
ある。
【0051】本発明では粘度の調整や粘性・流動性の調
整をするために、微粉末シリカ等の充填剤を使用しても
よい。これらの他にも所望により可塑剤、着色剤及び防
錆剤等の既に知られている物質を使用してもよい。
【0052】本発明の実施態様として好ましくは接着剤
組成物、特に好ましくは二剤型の接着剤組成物として使
用することが挙げられる。二剤型については、本発明の
接着剤組成物の必須成分全てを貯蔵中は混合せず、接着
剤組成物を第一剤及び第二剤に分け、第一剤に少なくと
も重合開始剤を、第二剤に少なくとも還元剤を別々に貯
蔵する。二剤型は貯蔵安定性に優れる点で好ましい。こ
の場合、両剤を同時に又は別々に塗布して接触、硬化す
ることによって、二剤型の接着剤組成物として使用でき
る。
【0053】本発明の接着剤組成物により被着体を接合
して接合体を作製する。被着体の各種材料については、
紙、木材、セラミック、ガラス、陶磁器、ゴム、プラス
チック、モルタル、コンクリート及び金属等制限は無い
が、被着体が金属の場合、優れた接着性を示す。
【0054】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳細に説明す
る。なお、以下、各物質の使用量の単位は質量部で示
す。各物質については、次のような略号を使用した。
尚、ポリリン酸アンモニウムは熱硬化性樹脂により微粒
子化した市販品を用い、パラフィンの融点は約56℃で
ある。
【0055】〔略号〕 NBR:アクリロニトリル−ブタジエンゴム MBAS:メチルメタクリレート−ブタジェン−アクリ
ロニトリル−スチレン共重合体 酸性リン化合物:アシッドフォスフォキシエチルメタク
リレート
【0056】又各種物性については、次のようにして測
定した。
【0057】〔耐湿性〕温度23℃、相対湿度50%の
環境下でJIS K−6854に従い、一枚の試験片
(200mm×25mm×1.6mm、SECC鋼板)
の片方に第一剤と第二剤を等量混合したものを塗布し、
その後、直ちにもう片方の試験片(200mm×25m
m×0.5mm:SECC鋼板)を重ね合わせて張り合
わせた後、室温で24時間養生したものを試料とした。
次に、接着した試験片を温度60℃、湿度90%の環境
試験機内に7日間暴露後、環境試験機から取り出し、剥
離接着強さ(単位:kN/m)を測定し、暴露前の剥離
接着強さに対する強度保持率を評価した。尚、試料の剥
離接着強さ(単位:kN/m)は、温度23℃、相対湿
度50%の環境下において、引張速度50mm/分で測
定した。
【0058】〔難燃性〕UL−94垂直燃焼試験法に準
じて厚さ1/8インチ(0.3175cm)の硬化物を
作製し、燃焼性を評価した。
【0059】〔作業性〕耐湿性試験において、接着剤組
成物を試験片に塗布しやすかった場合を○、粘度が高く
塗布しにくかった場合を×とした。
【0060】(実験例1)表1に示す組成の樹脂組成物
を調製した。この樹脂組成物を用いて、表2に示す組成
の二剤型難燃性接着剤組成物を調製し、物性を評価し
た。結果を表2に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】(実験例2)表3に示す組成の二剤型難燃
性接着剤組成物を調製したこと以外は、実験例1と同様
に行った。結果を表3に示す。
【0064】
【表3】
【0065】
【発明の効果】本発明の接着剤組成物によって、難燃
性、接着性及び耐湿性に優れた金属板金接合体が得ら
れ、耐久性が大きいので長期間高加重が加わる用途に使
用できる。又、溶接工法と異なり、歪みが発生せず、外
観が損なわれない。従って、その産業上の有益性は極め
て大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/00 C08K 5/00 5/14 5/14 5/51 5/51 C08L 33/00 C08L 33/00 C09J 133/00 C09J 133/00 Fターム(参考) 4J015 CA05 CA07 CA08 CA10 4J040 DB011 DB041 DB081 DD051 DE011 DE021 DF011 DF041 DF051 DF061 DH031 DH041 DJ021 DN061 GA01 GA10 GA27 HA056 HA086 HA136 HA286 HB27 HB41 HC02 HC05 HD03 HD08 HD19 HD24 HD43 JA13 JB11 KA02 KA03 KA11 KA21 KA36 LA06 LA07 LA08 MA02 NA12

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)重合性ビニルモノマー、(2)重
    合開始剤、(3)還元剤及び(4)リン酸塩を含有して
    なる難燃性接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 さらに、(5)エラストマー成分を含有
    してなる請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (1)重合性ビニルモノマーが重合性
    (メタ)アクリル酸誘導体である請求項1又は2記載の
    難燃性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のうちの1項記載の難燃性
    樹脂組成物を第一剤及び第二剤に分け、第一剤が少なく
    とも重合開始剤を含有してなり、第二剤が少なくとも還
    元剤を含有してなる二剤型難燃性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のうちの1項記載の難燃性
    樹脂組成物からなる難燃性接着剤組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のうちの1項記載の難燃性
    樹脂組成物の硬化体。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の難燃性接着剤組成物によ
    り接合してなる金属接合体。
JP2000081947A 2000-03-23 2000-03-23 難燃性接着剤組成物及び金属接合体 Expired - Lifetime JP4459372B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000081947A JP4459372B2 (ja) 2000-03-23 2000-03-23 難燃性接着剤組成物及び金属接合体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000081947A JP4459372B2 (ja) 2000-03-23 2000-03-23 難燃性接着剤組成物及び金属接合体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001262107A true JP2001262107A (ja) 2001-09-26
JP4459372B2 JP4459372B2 (ja) 2010-04-28

Family

ID=18598814

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000081947A Expired - Lifetime JP4459372B2 (ja) 2000-03-23 2000-03-23 難燃性接着剤組成物及び金属接合体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4459372B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6893583B2 (en) 2001-03-08 2005-05-17 Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha Flame-retardant curable resin composition and flame-retardant curable adhesive composition
CN109306035A (zh) * 2018-09-27 2019-02-05 安徽龙川橡塑科技有限公司 一种环保阻燃nbr材料及其制备方法
CN110698989A (zh) * 2019-11-04 2020-01-17 福建省昌德胶业科技有限公司 一种阻燃型双组分结构粘接丙烯酸酯胶的研制

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4672103B2 (ja) * 2000-03-27 2011-04-20 電気化学工業株式会社 難燃性樹脂組成物、難燃性接着剤組成物及び金属接合体

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6893583B2 (en) 2001-03-08 2005-05-17 Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha Flame-retardant curable resin composition and flame-retardant curable adhesive composition
CN109306035A (zh) * 2018-09-27 2019-02-05 安徽龙川橡塑科技有限公司 一种环保阻燃nbr材料及其制备方法
CN110698989A (zh) * 2019-11-04 2020-01-17 福建省昌德胶业科技有限公司 一种阻燃型双组分结构粘接丙烯酸酯胶的研制

Also Published As

Publication number Publication date
JP4459372B2 (ja) 2010-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2642554B2 (ja) 接着剤組成物
JP4212761B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、接着剤組成物、接合体及び接着方法
JP4627117B2 (ja) 難燃硬化性樹脂組成物及び難燃硬化性接着剤組成物
KR0133554B1 (ko) 접착제 조성물
JP4306918B2 (ja) 難燃性樹脂組成物、難燃性接着剤組成物及び金属接合体
JP2010248395A (ja) 仮固定用接着剤組成物
JP4311852B2 (ja) 難燃性樹脂組成物、難燃性接着剤組成物及び金属接合体
KR100257205B1 (ko) 경화성수지조성물
JP3305613B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
JP2001262107A (ja) 難燃性樹脂組成物、難燃性接着剤組成物及び金属接合体
JP5193461B2 (ja) 接着剤組成物
JP4578625B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、接着剤組成物、接合体及び接着方法
JP2001271037A (ja) 難燃性樹脂組成物、難燃性接着剤組成物及び金属接合体
JP4545356B2 (ja) 亜鉛メッキ鋼板用接着剤組成物
JP2019065082A (ja) 組成物
JP4707320B2 (ja) 二剤型アクリル系接着剤組成物とそれを用いた接合体
JP4627133B2 (ja) 樹脂組成物及び接着剤
JP4578626B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、接着剤組成物、接合体及び接着方法
JP2769747B2 (ja) 接着剤組成物
JP2003105009A (ja) 難燃性樹脂組成物、接着剤組成物及び金属複合体
JP2757217B2 (ja) 接着剤組成物
JP3043835B2 (ja) 接着剤組成物
JP2000355647A (ja) 硬化性樹脂組成物及び接着剤組成物
JPH0987590A (ja) 接着剤組成物
JP2001192529A (ja) 硬化性樹脂組成物、接着剤組成物、硬化体及び複合体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060329

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091104

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100126

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4459372

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130219

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140219

Year of fee payment: 4

EXPY Cancellation because of completion of term