JP2001262050A - 紙用コート剤 - Google Patents

紙用コート剤

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JP2001262050A JP2000078347A JP2000078347A JP2001262050A JP 2001262050 A JP2001262050 A JP 2001262050A JP 2000078347 A JP2000078347 A JP 2000078347A JP 2000078347 A JP2000078347 A JP 2000078347A JP 2001262050 A JP2001262050 A JP 2001262050A
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徹 宮原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶剤バリアー性、顔料の分散性、離解性に優
れた紙用コート剤を提供する。 【解決手段】 ビニル系単量体100重量部に対して、
未中和物換算で1〜30重量部のスチレン−マレイン酸
共重合体のアルカリ中和塩存在下で、ビニル系単量体を
乳化重合して得られる共重合体エマルジョンからなる紙
用コート剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶剤バリアー性、
顔料分散性、離解性に優れた紙用コート剤、とくに剥離
用アンダーコート剤に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】粘着
シート、ラベルなどにおいて、粘着剤(層)の保護やラ
ベルの貼付または印刷加工時の支持などを目的として、
これらに剥離紙を積層することが行なわれている。
【0003】このような剥離紙の製造は、基紙の上にポ
リエチレンをラミネートし、その上にシリコーン樹脂な
どの剥離剤溶液を塗布する方法が主流である。しかし、
資源、環境問題から、使用後の剥離紙を離解させてリサ
イクルし、再生紙とする必要性が生じてきているため、
回収に手間がかかるポリエチレンを含む剥離紙に代わる
回収の容易な剥離紙が求められている。
【0004】回収の容易な剥離紙としては、基紙の上に
ポリエチレンをラミネートする代わりに、アンダーコー
ト剤(目止剤)を塗工した上に、剥離剤のシリコーン樹
脂を、主にトルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンな
どの溶剤に溶解させた溶液として、クラフト紙、上質紙
などの基紙上に塗工したものが使われてきている。前記
アンダーコート剤は、シリコーン樹脂溶液が基紙中へ浸
透するのを防ぎ、シリコーン樹脂塗膜を得る目的で設け
られている。それゆえ、アンダーコート剤には、前記溶
剤に対するバリアー性(耐溶剤性)が要求される。
【0005】前記アンダーコート剤としては、SBRエ
マルジョン、アクリルエマルジョンなどのエマルジョン
類、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミドなどの
各種水溶性ポリマーや、無機質のクレーなどの顔料が使
用されている。
【0006】前記アンダーコート剤のうち、ポリビニル
アルコールは低コストのために現在では主流を占めてい
る。しかし、ポリビニルアルコール水溶液は高粘度とな
るために高濃度塗工ができないなどの問題が多いのが現
状である。
【0007】クレーは、ポリビニルアルコールなどの水
溶性ポリマーと比べて高濃度塗工が可能であるという特
徴を有し、一般的にエマルジョン類などに比べて低コス
トで塗工量を多くできることから注目されてきている
が、塗膜が硬くて脆いために塗膜が割れたり、剥離紙裁
断・加工時に粉が発生するという問題がある。この脆さ
をカバーするために、他のエマルジョンまたは水溶性樹
脂を併用している。
【0008】このような欠点に対して最近エマルジョン
型アンダーコート剤が注目されてきている。たとえば、
特公平1−156598号公報には親水性のエチレン性
不飽和単量体を含む単量体からの水溶性共重合体が提案
されている。溶剤バリアー性はその時点では満足するも
のであったようであるが、最近、コスト見合いで高不揮
発分での塗布、クレーなどの顔料を混和することにより
樹脂としては低塗布量化する流れが主流となってきてお
り、これにともない、樹脂単独での溶剤バリアー性の向
上と、クレーなどを混和したときの分散性の向上が要求
されてきている。しかし、これ以上溶剤バリアー性をあ
げようとすると、親水性基の増加にともないエマルジョ
ン自身およびクレーなどの顔料を混和したときに高粘度
化する傾向が生ずる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、シリコーン樹
脂塗工液に対する溶剤バリアー性、顔料分散性、離解性
(リサイクル性)に優れた剥離紙用アンダーコート剤を
提供することを目的としてなされたものであり、ビニル
系単量体100重量部(以下、部という)に対して、未
中和物換算で1〜30部のスチレン−マレイン酸共重合
体のアルカリ中和塩存在下で、ビニル系単量体を乳化重
合して得られる共重合体エマルジョンからなる紙用コー
ト剤(請求項1)、スチレン−マレイン酸共重合体の数
平均分子量が500〜20000、酸価が100〜70
0である請求項1記載の紙用コート剤(請求項2)、ス
チレン−マレイン酸共重合体のアルカリによる中和率が
50〜200%である請求項1または2記載の紙用コー
ト剤(請求項3)、請求項1、2または3記載の共重合
体エマルジョンに顔料を加えてなる紙用コート剤(請求
項4)および請求項1、2、3または4記載の紙用コー
ト剤からなる剥離紙用アンダーコート剤(請求項5)に
関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に使用されるスチレン−マ
レイン酸共重合体をアルカリで中和した塩(以下、スチ
レン−マレイン酸共重合体中和塩ともいう)は、本発明
に使用されるビニル系単量体を乳化重合して得られる共
重合体エマルジョンの保護コロイドとして使用される。
【0011】前記スチレン−マレイン酸共重合体を形成
するスチレン単位とマレイン酸単位の含有割合として
は、酸価が100〜700、さらには300〜500に
なるようにマレイン酸単位を含有させるのが好ましい。
酸価が100未満の場合には、塩にしたものの乳化能力
が充分でなくなる傾向が生じ、逆に700をこえる場合
には、形成されるエマルジョンの安定性が充分でなくな
る傾向が生ずる。
【0012】前記スチレン−マレイン酸共重合体の数平
均分子量としては、500〜20000、さらには10
00〜10000のものが好ましい。該分子量が500
未満の場合には、分散剤としては好ましいが、保護コロ
イドとしては能力が不足する傾向が生じ、20000を
こえる場合には、塩にしたものを用いて行なう乳化重合
の重合性が低下する傾向が生ずる。
【0013】前記スチレン−マレイン酸共重合体をアル
カリで中和する際の中和率(ここで、中和率とは、マレ
イン酸単位中のカルボキシル基の塩基性物質アルカリに
よる中和率である、100%をこえる分は、マレイン酸
単位中のカルボキシル基を中和してあまった分である)
は、50〜200%、さらには70〜150%が好まし
い。中和率50%未満の場合には、塩にしたものの乳化
能力が充分でなくなる傾向が生じ、逆に200%をこえ
る場合には、乳化重合中に反応性が低下する傾向が生じ
る。
【0014】前記アルカリとしては、メチルアミン、エ
チルアミン、イソプロピルアミン、ジメチルアミン、
N,N−ジメチルエタノールアミン、ジイソプロピルア
ミン、トリメチルアミン、トリエタノールアミンなどの
有機アミン;アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウムなどの無機アルカリなどがあげられる。これらの
なかでも、アンモニア、水酸化ナトリウムが形成される
塩が水に溶解しやすい、低コストであるなどの点から好
ましい。
【0015】前記スチレン−マレイン酸共重合体中和塩
の使用量は、未中和物換算で前記ビニル系単量体100
部に対して、1〜30部、好ましくは5〜20部であ
る。該使用量が1部未満の場合には、溶剤バリアー性、
顔料の分散性、離解性などの特性が充分得られず、30
部をこえる場合には、重合安定性が低下するので、所望
のエマルジョンが得られない。
【0016】前記ビニル系単量体を乳化重合して得られ
る共重合体は、本発明の紙用コート剤の主要成分として
紙にコート層を形成し、場合によってはアンダーコート
層となるものである。該共重合体は前記スチレン−マレ
イン酸共重合体中和塩および通常使用される後述する乳
化剤によりエマルジョン化され、紙用コート剤とされ
る。
【0017】前記ビニル系単量体を乳化重合して得られ
る重合体が単独重合体ではなく、共重合体であるのは、
バリアー性などの性能をよりバランスよく発揮させるた
めに必要であり、また、紙用コート剤として使用される
際の造膜温度の調整のためには、共重合体であることが
必要なためである。単独重合体では造膜温度の調整は困
難である。したがって、共重合体を形成する単量体単位
の種類としては、2種以上、好ましくは3〜8種であ
る。
【0018】前記ビニル系単量体の例としては、たとえ
ば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸
ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸ラウリルなどの炭素数1〜12のアルキ
ル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量
体、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マ
レイン酸、フマル酸などのカルボキシル基を有するビニ
ル系単量体(不飽和カルボン酸)、酢酸ビニル、スチレ
ン、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリ
ル、N−メチルロール(メタ)アクリルアミド、ジアセ
トンアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどのカ
ルボキシル基以外の官能基を有するビニル系単量体、ジ
ビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ア
リル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート
などの2つ以上のビニル系基を有する多官能性ビニル系
単量体などがあげられる。これらは2種以上用いられ
る。好ましい組み合わせ方としては、たとえばスチレ
ン、アクリル酸ブチル、メタアクリル酸メチル、メタア
クリル酸などの組み合わせがあげられ、共重合体のTg
が−50〜50℃であるのが、塗膜の造膜性、ブロッキ
ング防止性の点から好ましい。
【0019】なお、本発明におけるビニル系とは、ビニ
ルのみならずビニリデンのようにビニル基に含まれる水
素原子が他の基に置換されたものも含む概念である。
【0020】前記ビニル系単量体の乳化重合は、通常の
乳化重合により行なうことができる。この場合、重合反
応は水性媒体中で行なわれ、乳化剤が単量体全量に対し
て0.05〜4.0重量%(以下、%という)、好まし
くは0.5〜2.0%程度の範囲で用いられる。この量
は通常の量よりも少ない量である。
【0021】前記乳化剤の具体例としては、たとえばオ
レイン酸カリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンス
ルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリ
ウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリ
ウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモ
ニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ルリン酸エステルなどのアニオン系汎用界面活性剤;ポ
リオキシエチレンアルキルアリルエーテル硫酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンアルキルアリルフェニルエーテ
ル硫酸アンモニウム、アルキルアリルスルホコハク酸ナ
トリウム、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル
リン酸エステルなどのアニオン系反応性界面活性剤;ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルアリールエーテル、ポリ(オキシエチレン−
オキシプロピレン)ブロックコポリマー、ポリエチレン
グリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸エステルなどのノニオン系界面活性剤などが
あげられる。また、乳化分散能力を有する低分子化合物
をオリゴマー化したものや、ポリビニルアルコールおよ
びその変性物などを単独でまたは前記乳化剤と組み合わ
せて使用してもよい。これらのうちでも、アニオン系反
応性界面活性剤または低分子化合物をオリゴマー化した
ものが望ましい。これらを用いることで、安定に容易に
乳化重合することができる。
【0022】前記乳化重合時のモノマー濃度としては、
通常30〜70%、好ましくは40〜55%程度が用い
られる。
【0023】また、前記乳化重合の際に用いられる重合
開始剤としては、一般に用いられているラジカル重合開
始剤が用いられる。かかるラジカル重合開始剤の具体例
としては、たとえば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウ
ムなどの過硫酸塩、2,2′−アゾビスイソブチロニト
リル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)などのアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキ
サイドなどの過酸化物系重合開始剤などがあげられる。
これらのうちでは過硫酸塩が水溶性であるため取り扱い
上の点から好ましい。
【0024】かくして得られる本発明にかかわる共重合
体エマルジョンは、通常、固形分濃度が30〜70%、
さらには40〜55%、粘度が100〜10000mP
a・s、さらには500〜5000mPa・S、pHが
3.0〜9.0程度の特性を有するものである。
【0025】本発明の共重合体エマルジョンからなる紙
用コート剤は、前記共重合体エマルジョンをそのまま、
または濃度調整のみを行なって紙用コート剤として用い
てもよく、顔料、ワックスなどの添加剤を適宜添加した
ものを紙用コート剤として用いてもよい。
【0026】前記共重合体エマルジョンをそのまま、ま
たは濃度調整のみを行なって紙用コート剤として用いる
場合の濃度は、塗工性、作業性などの点から、通常、固
形分濃度20〜55%であるのが好ましい。
【0027】また、前記共重合体エマルジョンに顔料を
添加する場合の混合割合としては、共重合体エマルジョ
ン100部(固形分)に対して顔料500部以下、さら
には50〜200部であるのが、作業性、塗工性および
溶剤バリアー性などの点から好ましい。
【0028】前記顔料の具体例としては、たとえばクレ
ー、水酸化アルミナ、雲母、炭酸カルシウムなどの無機
顔料、ポリスチレン系ポリマー粉末、スチレンーブタジ
エン系ポリマー粉末、スチレン−アクリル系ポリマー粉
末などの有機顔料があげられるが、入手の容易さやエマ
ルジョンへの分散安定性を考慮するとクレーがとくに好
ましい。
【0029】前記のごとき本発明の紙用コート剤は、機
械的に安定で、たとえばグラビアコーター、エアーナイ
フコーター、バーコーターなどの常法により基紙上に塗
工することにより、たとえば剥離紙用アンダーコート剤
として使用することができる。塗工量は、通常、樹脂分
として2〜4g/m2程度が適当である。
【0030】前記基紙の具体例としては、たとえばクラ
フト紙、上質紙などの従来より剥離紙に使用されている
ものをいずれも使用することができる。
【0031】また、本発明の紙用コート剤は、比較的粘
度が低く(固形分50%で、100〜2000mPa・
s程度)、とくにクレーなどの顔料を混和しても同様で
あり、比較的高い濃度で使用することができ、高速塗工
が可能である。この顔料混和により総塗布量は変わら
ず、樹脂分として低塗布量化ができるので、コスト面で
有利となる。
【0032】また、本発明の紙用コート剤には、必要に
応じてメラミン樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネート系
樹脂、シラン系化合物、オキサゾリン系化合物などを架
橋剤として使用しても構わない。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例に基づい
てより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0034】実施例1〜13および比較例1〜6 表1および表2に示す単量体、乳化剤およびアルカリで
中和されたスチレン−マレイン酸共重合体中和塩を表1
および表2に示す量を用いて、乳化重合を行なった。
【0035】なお、各エマルジョンの固形分はいずれも
50%に調整した。
【0036】得られたエマルジョンおよび65%のクレ
ー水分散液を、固形分重量比が1:1になるように配合
し、塗工液の不揮発分が50%になるように水希釈して
撹拌したのち、乾燥塗工量6g/m2となるように、P
PC用紙に塗工し、100℃で1分間乾燥させた。
【0037】得られた塗工紙を試料として、下記性能試
験を行なった。結果を表1および表2に示す。
【0038】(溶剤バリアー性)試料に、油性の赤マジ
ックインキ(商品名)のインクをトルエンで希釈(少な
くともトルエンの裏抜けが確認できる濃度まで希釈)し
た溶液を刷毛で、縦横に塗工面に3回、トルエン溶液が
塗工紙の表面に残る程度塗り、裏抜けを観察し、評価し
た。 ◎:全く裏抜けしない ○:裏抜けしないが、赤い染料の沈みが見られる △:部分的に裏抜けする ×:完全に裏抜けする
【0039】(顔料分散性)前記クレー配合後の塗工液
の状態を観察し、下記の基準で評価した。 ◎:均一分散しており、粘度変化もない ○:均一に分散しているが、やや粘度が高い。粘度の経
時変化はない △:均一に分散しているが、高粘度 ×:分散不良または凝集物が多数発生
【0040】(離解性:JIS P 8209に準じ
る)前記試料より2gを切り取り、1cm角に裁断す
る。これと水500gをミキサーに入れ、5分間撹拌。
この分散液で紙すきを行ない、濾紙上にのせて水切り後
に50℃で乾燥させる。この方法で作成した離解性見本
の外観を目視で観察する。 ○:未離解樹脂なし △:一部未離解樹脂あり(すいた紙の間に樹脂状の皮膜
が残る) ×:未離解樹脂多い ××:紙が離解しない
【0041】(反応性)実施例1〜12で示したエマル
ジョンの重合中の反応性を観察した。 ○:反応性良好 △:反応性ややわるく、粗粒子が発生し、反応器などに
付着が多い ×:反応性わるく、粗粒子が大量に発生し、未反応の単
量体が多い
【0042】(シリコーン樹脂密着性)前記試料の塗工
面にトルエンで希釈したシリコーン樹脂(東芝シリコー
ン(株)製、TPR−6700/CM670)を、乾燥
塗工量が1.0g/m2となるように塗布し、熱風乾燥
・硬化させたのち、室温20℃、湿度65%の雰囲気下
で1日養生後、シリコーン樹脂塗工面を消しゴムでラビ
ングしたときのシリコーン樹脂の脱落状態を観察した。 ○:全く脱落が認められない △:かなり脱落する ×:ほとんど脱落する
【0043】なお、表1および表2中の各成分の略号お
よび商品名の内容は以下のとおりである。
【0044】[単量体] SM:スチレン MMA:メチルメタクリレート BA:n−ブチルアクリレート 2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート n−OA:n−オクチルアクリレート MAAm:メタクリルアミド MAA:メタクリル酸 AA:アクリル酸
【0045】[乳化剤] アクアロン HS−10:ポリオキシエチレンアルキル
プロペニルエーテル硫酸アンモニウム(第一工業製薬
(株)製) ポリウエット SN−4:アクリル酸・アクリロニトリ
ルオリゴマーの水溶液(住友化学エイビーエス・ラテッ
クス(株)製) エレミノール ES−70:ポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル硫酸アンモニウム(三洋化成工業
(株)製) ゴーセラン L−3266:変性ポリビニルアルコール
(日本合成化学工業(株)製)
【0046】[スチレン−マレイン酸共重合体] SMA−1000:数平均分子量1600、酸価48
0、エルフ・アトケム・ジャパン社製 SMA−2000:数平均分子量1700、酸価36
0、エルフ・アトケム・ジャパン社製 スクリプセット550:数平均分子量10000、酸価
180、モンサント社製
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】表2の結果から、比較例2〜4および6
は、一般的に溶剤バリアー性をあげる要素を持つ不飽和
酸、アミド類またはアクリロニトリルなどの親水基を多
く含有しているため、優れた溶剤バリアー性を示す場合
がある。しかし、乳化剤を多く使用しているため離解性
がなくなり、顔料分散性も乳化剤によるところが大きい
ので期待できない。比較例5は、離解性をあげるために
PVAを用いているが、優れた溶剤バリアー性、顔料分
散性はいまひとつ期待できない。
【0050】一方、表1の結果から、実施例では、スチ
レン−マレイン酸共重合体の塩基性物質中和塩の存在下
で補助的に乳化剤を併用しているので、乳化剤の影響が
少なくなり、溶剤バリアー性、顔料分散性および離解性
のバランスがよくなっている。
【0051】
【発明の効果】本発明の紙用コート剤は、スチレン−マ
レイン酸共重合体の塩基性物質中和塩を分散剤として乳
化剤を補助的に用いているので、乳化剤の影響を受けに
くく、(i)溶剤バリアー性、とくに(ii)顔料の分散
性および(iii)離解性に優れている。また、優れたバ
リアー性と顔料の分散性を有するので、顔料配合による
高固形分での塗布および樹脂分での低塗布量化が可能に
なり、トータルコストでのパフォーマンスも良好とな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 CC022 CC031 CC032 CC042 CC061 CC062 CF021 CG031 CG061 CG071 CG141 CG161 CG171 CH171 CJ031 GA01 GA06 HA176 HA216 HA286 HA306 HA526 HA546 JB03 JB09 KA08 KA09 MA10 MA14 NA10 NA24 PC10 4L055 AG62 AG64 AG70 AG89 AG97 BE08 EA30 EA32 EA40 FA30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル系単量体100重量部に対して、
    未中和物換算で1〜30重量部のスチレン−マレイン酸
    共重合体のアルカリ中和塩存在下で、ビニル系単量体を
    乳化重合して得られる共重合体エマルジョンからなる紙
    用コート剤。
  2. 【請求項2】 スチレン−マレイン酸共重合体の数平均
    分子量が500〜20000、酸価が100〜700で
    ある請求項1記載の紙用コート剤。
  3. 【請求項3】 スチレン−マレイン酸共重合体のアルカ
    リによる中和率が50〜200%である請求項1または
    2記載の紙用コート剤。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3記載の共重合体エ
    マルジョンに顔料を加えてなる紙用コート剤。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3または4記載の紙用コ
    ート剤からなる剥離紙用アンダーコート剤。
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