JP2001260988A - 舶用減速逆転機のクラッシュアスターン制御方法 - Google Patents

舶用減速逆転機のクラッシュアスターン制御方法

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JP2001260988A
JP2001260988A JP2000075217A JP2000075217A JP2001260988A JP 2001260988 A JP2001260988 A JP 2001260988A JP 2000075217 A JP2000075217 A JP 2000075217A JP 2000075217 A JP2000075217 A JP 2000075217A JP 2001260988 A JP2001260988 A JP 2001260988A
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Takashi Miyamoto
貴志 宮本
Kazuyoshi Harada
和好 原田
Takayuki Sakamoto
隆幸 坂本
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Yanmar Co Ltd
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Yanmar Diesel Engine Co Ltd
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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の舶用減速逆転機においては、クラッシ
ュアスターン時のエンスト発生を防止するために、クラ
ッチを中立位置から後進位置へ切り換えたときに、負荷
に対するエンジンのトルクを検出し、クラッチを後進側
へ嵌入した後に、該クラッチの嵌入圧を負荷に応じて制
御するようにしていたので、嵌入圧の制御タイミングが
遅く、嵌入圧を適切に制御することができなかった。 【解決手段】 クラッチ機構100を前進側から後進側
へ切り換えて前進航走する船舶を急停止させる場合、ク
ラッチ機構を前進位置から中立位置へ切り換えた際に、
該クラッチ機構を中立位置から後進位置へ切り換えると
きの船体負荷総量を推定し、該船体負荷総量を、クラッ
チ機構を前進位置から中立位置へ切り換えた際のプロペ
ラ7の回転数と船体固有の定数とを用いて推定し、推定
した船体負荷に基づいて、後進切換時のクラッチ嵌入圧
を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クラッチを前進側
から後進側へ短時間で切り換えて、船舶を急停止させる
ための舶用減速逆転機のクラッシュアスターン制御方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、航走中の船舶を急停止させる
ために、クラッチを前進側から後進側へ短時間で切り換
える、所謂クラッシュアスターンと呼ばれる操作が行わ
れている。この場合クラッチは、前進位置から中立位置
へ一旦切り換えられ、その後中立位置から後進位置へ切
り換えられるように制御していた。また、クラッシュア
スターンを実行する際には、クラッチを前進側から後進
側へ切り換えたときにエンジン回転数が低下し、急激に
後進側へ切り換えると、エンジンに多大な負荷がかかっ
てエンストが発生する可能性がある。従って、クラッシ
ュアスターン時のエンスト発生を防止するために、クラ
ッチを中立位置から後進位置へ切り換えたときに、負荷
に対するエンジンのトルクを検出し、クラッチの嵌入圧
を負荷に応じて制御するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の如く制
御した場合、クラッチを後進側へ嵌入した後に該クラッ
チの嵌入圧を制御するようにしていたので、嵌入圧の制
御タイミングが遅く、嵌入圧を適切に制御することがで
きなかった。また、検出するのは負荷に対するエンジン
のトルクのみであったので、船体にかかる負荷の総量は
検出することができず、クラッチを後進側へ嵌入した場
合のエンジン回転数の落ち込み量が負荷の大きさによっ
て変化するため、クラッチの嵌入圧を適切な値に設定す
ることが困難であった。また、エンストが発生しないよ
うに、後進切換時のクラッチの嵌入圧を小さくして、ク
ラッチを滑らすように切り換えを行うと、船舶が停止す
るまでの時間が長くなってしまうという問題があった。
そこで、本発明においては、エンストが発生しない程度
で最大のクラッチ嵌入圧で後進切換が行われるような、
舶用減速逆転機のクラッシュアスターン制御方法を提供
するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するため
の手段を説明する。即ち、請求項1においては、クラッ
チを前進側から後進側へ切り換えて前進航走する船舶を
急停止させる場合、クラッチを前進位置から中立位置へ
切り換えた際に、該クラッチを中立位置から後進位置へ
切り換えるときの船体負荷の総量を推定する。
【0005】また、請求項2においては、前記船体負荷
総量を、クラッチを前進位置から中立位置へ切り換えた
際のプロペラ回転数と船体固有の定数とを用いて推定す
る。
【0006】また、請求項3においては、推定した船体
負荷に基づいて、後進切換時のクラッチ嵌入圧を算出す
る。
【0007】また、請求項4においては、クラッチを後
進側に嵌入した後、エンジン回転数に応じて該クラッチ
の嵌入圧を上昇させる。
【0008】また、請求項5においては、クラッチを後
進側へ嵌入したときのエンジン回転数の落ち込み量によ
り、推定した船体負荷を修正する。
【0009】また、請求項6においては、船体負荷の修
正を、エンジン回転数の落ち込み量がある目標範囲に収
束するまで繰り返し行う。
【0010】また、請求項7においては、船体負荷の修
正を、初期推定値から一定回数繰り返し行う。
【0011】また、請求項8においては、船体負荷の修
正を、エンジン回転数の落ち込み量が、ある目標値範囲
から外れた場合に行う。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を説明
する。図1は本発明のクラッシュアスターン制御方法に
より制御される舶用減速逆転機を示す油圧回路図、図2
は同じく舶用減速逆転機を示す概略図、図3はクラッチ
位置とエンジン回転数及び船体負荷との関係を示す図、
図4はプロペラ回転数と後進クラッチの初期嵌入圧力と
の関係を示す図、図5はクラッチを後進側へ切り換えた
際のエンジン回転数と嵌入圧力との経時変化を示す図、
図6はクラッチ嵌入圧力の制御フローを示す図、図7は
エンジン回転数の落ち込み量を示す図、図8はクラッチ
嵌入圧力制御の別実施例のフローを示す図、図9はエン
ジン回転数の落ち込み量が目標落ち込み量範囲に収束す
るまで船体負荷総量の修正を繰り返して、初期嵌入圧力
を調整する制御を行う際の、エンジン回転数の落ち込み
量及び初期嵌入圧力の変化を示す図である。
【0013】まず、本発明のクラッシュアスターン制御
方法により制御される舶用減速逆転機の構成について説
明する。図1においては、前進クラッチ10と後進クラ
ッチ90とが並列に設置されており、前後進切換弁2を
操作することにより圧油の供給先を前進クラッチ10、
後進クラッチ90、又は中立の何れかに切換可能として
いる。
【0014】前進クラッチ10及び後進クラッチ90内
には、それぞれ摩擦板とスチールプレートとが交互に配
置されており、該摩擦板は内側ギア(ピニオンギア)1
6に接続され、該スチールプレートは常時回転している
外側ギア17に接続されている。該摩擦板又はスチール
プレートを油圧ピストン1で押し付けることにより、外
側ギア17と内側ギア16とが一体になって回転し、内
側ギア16と噛み合う大ギア18を回転させ、大ギア1
8から出力軸6を介してプロペラ7に動力が伝達され
る。
【0015】この油圧ピストン1の押し付け力(クラッ
チ油圧)、即ち前進クラッチ10及び後進クラッチ90
の嵌入圧を加減することにより、摩擦板とスチールプレ
ートとをスリップさせる、即ち半クラッチ状態とするこ
とを可能としている。該油圧ピストン1のクラッチ油圧
は、電子トローリング装置20により制御されており、
前後進切換弁2には電子トローリング装置20の低速弁
5を介して圧油が供給されている。
【0016】図1には、直結電磁弁3を直結方向へ切り
換えた状態を示しており、この状態で前後進切換弁2を
前進側又は後進側へ切り換えると、高いクラッチ油圧で
完全に油圧ピストン1を押圧して、外側ギアからの動力
が内側ギアへ完全に伝達され、この場合には前進クラッ
チ10又は後進クラッチ90でのスリップは発生しな
い。また、直結電磁弁3を反対方向へ切り換えると、低
速弁5には比例電磁弁4を通じて圧油が入力され、該比
例電磁弁4により低速弁5から送出される油圧を調節す
ることが可能となる。そして、比例電磁弁4を制御して
低速弁5から送出される油圧を調節することにより、前
進クラッチ10及び後進クラッチ90内の嵌入圧を制御
することを可能としている。
【0017】図2に示すように、エンジン9の駆動力
は、前後進クラッチ10・90により構成されるクラッ
チ機構100を介してプロペラ7に伝達されている。該
エンジン9にはエンジン回転数を検出するエンジン回転
数センサ12が付設され、クラッチ機構100には、該
クラッチ機構100が前進クラッチ10が接続された状
態、後進クラッチ90が接続された状態、又は前後進ク
ラッチ10・90が共に接続されていない中立状態の何
れに切り換えられているかを検出するクラッチ信号検出
センサ11が付設され、プロペラ7にはプロペラ回転数
を検出するプロペラ回転数センサ13が付設されてい
る。
【0018】該エンジン回転数センサ12、クラッチ信
号検出センサ11、及びプロペラ回転数センサ13から
の検出信号がコントローラ15に入力され、該コントロ
ーラ15からの出力が、前後進クラッチ10・90の嵌
入圧を制御するアクチュエータである前記比例電磁弁4
に入力されるように構成している。
【0019】図3には、船舶を急停止させるために前進
から後進に短時間で切り換えを行うクラッシュアスター
ン時における、クラッチ機構100のクラッチ切換位置
と、エンジン回転数及び船体負荷との関係を示してい
る。クラッチが前進から中立へ切り換えられると、エン
ジン9にかかる負荷が減少してエンジン回転数が若干上
昇し、エンジン9によるプロペラ7の駆動が停止される
ため、船体負荷は時間とともに低下する。また、クラッ
チが中立から後進へ切り換えられると、エンジン9に大
きな負荷がかかるため、エンジン回転数は一旦落ち込ん
で、その後上昇し、船体負荷は急速に減少する。
【0020】そして、本発明のクラッシュアスターン時
においては、クラッチを前進から中立へ切り換えたとき
の船体負荷の総量を検出して、この検出した船体負荷の
総量により、クラッチを中立から後進へ切り換えるとき
の船体負荷総量の推定を行うようにしている。さらに、
推定した船体負荷の総量に基づいて算出した初期嵌入圧
力にて、後進切換時に後進クラッチ90を嵌入するよう
にしている。
【0021】船体負荷総量の推定は、例えば、クラッチ
機構100を前進位置から中立位置へ切り換えた際のプ
ロペラ7の回転数と、各船体に固有の定数とを用いて行
う。中立状態にあるときは、船体の慣性が大きいため船
体速度は時間とともにゆっくりと低下する。クラッシュ
アスターン時においては、前進位置から中立位置に切り
換えるまでに時間がかからないため、船体負荷総量は前
進位置から中立位置に切り換えた際のプロペラ7の回転
数により推定できる。そして、船体固有の定数として、
プロペラ7の形状、船体形状、エンジン9のトルク及び
船体重量等を予め前記コントローラ15に入力して記憶
させておくとともに、前進位置から中立位置へ切り換え
た際にプロペラ回転数センサ13により検出されるプロ
ペラ回転数が前記コントローラ15に入力されること
で、中立位置から後進位置へ切り換えられるときの船体
負荷総量が推定され、プロペラ7の回転数に応じた後進
クラッチ90の初期嵌入圧力がコントローラ15にて算
出される。
【0022】この場合、前進位置から中立位置へ切り換
えた際のプロペラ回転数と、中立位置から後進位置へ切
り換えられるときの後進クラッチ90の初期嵌入圧力と
の関係は、図4に示すように、プロペラ回転数、即ち船
体負荷が増加するにつれて初期嵌入圧力が低下するよう
な関係となっており、図4に示すプロペラ回転数と初期
嵌入圧力との関係は、マップとして予めコントローラ1
5に記憶されている。この各プロペラ回転数に対する初
期嵌入圧力の値は、コントローラ15に入力される前述
の船体固有の定数の値により変化するように構成されて
いる。
【0023】図5に示すように、クラッチ機構100を
中立位置から後進位置へ切り換えると、エンジン回転数
は、中立位置での回転数N0 から回転数N1 まで落ち込
むが、コントローラ15にて算出される中立位置から後
進位置へ切り換えた際の初期嵌入圧力P1 は、エンジン
回転数が回転数N1 まで落ち込んだ状態のエンジン9に
過大な負荷がかかってエンストが発生することがない程
度の低い圧力となるように設定されている。その後、エ
ンジン回転数は回転数N1 から上昇するが、このエンジ
ン回転数の上昇に応じて、後進クラッチ90の嵌入圧を
上昇させるようにしている。
【0024】以上のようにクラッチ機構100のクラッ
チ嵌入圧を制御するようにしているが、このクラッチ嵌
入圧力の制御フローを図6に示す。まず、クラッチ機構
100を前進から中立に切り換えると、クラッチ信号検
出センサ11によりその旨のクラッチ信号が検出され
て、コントローラ15に入力される(ステップS1
1)。クラッチ信号が入力されると、予め入力された船
体固有の定数、及びコントローラ15に入力されるプロ
ペラ回転数等により、クラッチ機構100を中立から後
進へ切り換えるときの船体負荷総量を推定し、推定した
船体負荷総量に基づいて後進クラッチ90の初期嵌入圧
力P1 を算出する(ステップS12)。
【0025】クラッチ機構100が中立から後進へ切り
換えられると、その旨のクラッチ信号がコントローラ1
5へ入力され、算出した初期嵌入圧力P1 にて後進クラ
ッチ90が嵌入される(ステップS13)。その後、一
旦落ち込んだエンジン回転数の上昇に応じて、後進クラ
ッチ9の嵌入圧を上昇させる(ステップS14)。
【0026】このように、クラッシュアスターン時にお
けるクラッチ機構100の嵌入圧を制御する場合におい
て、クラッチ機構100を前進位置から中立位置へ切り
換えた際に、該クラッチ機構100を中立位置から後進
位置へ切り換えるときの船体負荷の総量を推定すること
により、推定した船体負荷総量に応じて、クラッチ機構
100を中立位置から後進位置へ切り換えるときの後進
クラッチ90の初期嵌入圧力P1 を、事前に(中立位置
から後進位置へ切り換える前に)調整することが可能と
なり、初期嵌入圧力P1 の制御を適切に行うことができ
る。
【0027】また、推定を行う船体負荷総量は、クラッ
チを前進位置から中立位置へ切り換えた際のプロペラ回
転数と船体固有の定数とを用いて推定するので、各船体
に応じた船体負荷総量を正確に推定することができる。
さらに、船体固有の定数を予め入力するとともに、検出
したプロペラ回転数を入力するだけで船体負荷総量を推
定することができ、容易に推定を行うことが可能とな
る。
【0028】また、後進切換時のクラッチ嵌入圧(初期
嵌入圧力P1 )の算出を、推定した船体負荷に基づいて
行うようにしているので、後進切換時の船体負荷の大き
さに応じた初期嵌入圧力P1 で後進クラッチ90を嵌入
することができ、エンジン9に過大な負荷がかからない
程度での最大の初期嵌入圧力P1 で後進切換を行うこと
ができ、エンストを防止しつつ、船体を急停止させるこ
とが可能となる。
【0029】また、後進クラッチ90を後進側に嵌入し
た後に、エンジン回転数の上昇に応じて該後進クラッチ
90の嵌入圧を上昇させるように制御しているので、エ
ンジン9に過大な負荷をかけることなく嵌入圧を上昇さ
せることができ、エンストを防止しつつ、船体を急停止
させることが可能となる。
【0030】次に、クラッシュアスターン制御方法の別
実施例について説明する。即ち、船体負荷総量の推定
を、前述の如くプロペラ回転数や船体固有の定数により
行うことが困難であったり、推定した船体負荷総量が実
際の船体負荷総量とずれていた場合等に、クラッチ機構
100を後進側へ切り換えたときのエンジン回転数の落
ち込み量により、推定した船体負荷総量を修正するよう
な制御を行うことができる。
【0031】図7に示すように、クラッチ機構100を
中立から後進へ切り換えると、エンジン回転数は、落ち
込み量ΔNだけ落ち込むが、落ち込み量ΔNは船体負荷
の大きさに応じて変化する。従って、エンジン回転数の
落ち込み量ΔNにより推定した船体負荷総量を修正する
のである。
【0032】例えば、図8に示すフローのように、ま
ず、クラッチ機構100を前進から中立に切り換える
と、クラッチ信号検出センサ11によりその旨のクラッ
チ信号が検出されて、コントローラ15に入力される
(ステップS21)。クラッチ信号が入力されると、予
め入力された船体固有の定数、及びコントローラ15に
入力されるプロペラ回転数等により、クラッチ機構10
0を中立から後進へ切り換えるときの船体負荷総量を推
定し、推定した船体負荷総量に基づいて後進クラッチ9
0の初期嵌入圧力P1 を算出する(ステップS22)。
【0033】クラッチ機構100が中立から後進へ切り
換えられると、その旨のクラッチ信号がコントローラ1
5へ入力され、算出した初期嵌入圧力P1 にて後進クラ
ッチ90が嵌入される(ステップS23)。その後、一
旦落ち込んだエンジン回転数の上昇に応じて、後進クラ
ッチ9の嵌入圧を上昇させる(ステップS24)。
【0034】また、後進クラッチ90が嵌入されたとき
のエンジン回転数の落ち込み量ΔNの大きさにより、推
定した船体負荷総量の大きさを修正し、修正した船体負
荷総量を、次回クラッシュアスターンを行う際の船体負
荷総量として用いる(ステップS25)。この場合、修
正した船体負荷総量を用いて算出される修正初期嵌入圧
力Pは、例えば、次式(1)により求める。 P=(ΔN1 −ΔN0 )×P1 ×a ・・・ (1) ここで、ΔN0 は修正前の船体負荷総量を推定する際に
用いたエンジン回転数の落ち込み量を、P1 は修正前の
船体負荷総量により算出された初期嵌入圧力を、aはゲ
イン定数を示している。
【0035】このように、推定した船体負荷総量の大き
さを修正し、修正した船体負荷総量に基づいて初期嵌入
圧力Pを算出するような制御を行うことで、船体負荷総
量を推定する基礎となる、エンジントルク等から予め求
めたエンジン回転数の落ち込み量ΔN0 が実際の落ち込
み量ΔN1 とずれていて、算出された後進クラッチ90
の初期嵌入圧力P1 が適正値よりも高かったり低かった
りした場合でも、該初期嵌入圧力P1 を適正な初期嵌入
圧力Pに修正することができる。これにより、実際の船
体負荷総量の応じた初期嵌入圧力を算出することがで
き、初期嵌入圧力の精度を高めて、エンジン9に過大な
負荷がかからない程度での最大の初期嵌入圧力P1 で後
進切換を行うことが可能となり、エンストを防止しつ
つ、効率的な急停止を行うことができる。
【0036】また、このような船体負荷総量の修正を、
エンジン回転数の落ち込み量ΔNが、ある目標値範囲に
収束するまで繰り返し行うように制御することもでき
る。即ち、エンジン回転数の落ち込み量ΔNは、後進ク
ラッチ90の初期嵌入圧力P1が低くなると小さくな
り、後進クラッチ90の初期嵌入圧力P1 が高くなると
大きくなるが、図9に示すように、後進クラッチ90の
初期嵌入圧力が適正な嵌入圧となるようなエンジン回転
数の落ち込み量を、一定の範囲で目標落ち込み量範囲Δ
Nrとして予め設定しておき、エンジン回転数の落ち込
み量ΔNがこの目標落ち込み量範囲ΔNrに収束するよ
うに、前述の如くの船体負荷総量の修正を繰り返して初
期嵌入圧力を調整するのである。
【0037】例えば、図9に示すように、エンジン回転
数の落ち込み量が目標落ち込み量範囲ΔNrよりも大き
ければ、次回修正時に初期嵌入圧力を下げる方向に調整
し、エンジン回転数の落ち込み量が目標落ち込み量範囲
ΔNrよりも小さければ、次回修正時に初期嵌入圧力を
上げる方向に調整して落ち込み量を目標落ち込み量範囲
ΔNr内に収束させるように制御している。
【0038】このように、船体負荷の修正を、エンジン
回転数の落ち込み量がある目標範囲に収束するまで繰り
返し行うように制御することで、後進クラッチ90の初
期嵌入圧力を高精度で適正な圧力に調整することがで
き、エンストを確実に防止しつつ、効率的な急停止を行
うことができる。
【0039】この場合、エンジン回転数の落ち込み量が
目標落ち込み量範囲ΔNrに収束するまでの修正回数が
おおよそ分かっている場合等は、船体負荷総量の修正
を、該船体負荷総量の初期設定値から、予め設定してお
いた一定回数だけ行った後に、修正を終了するように制
御することもできる。
【0040】そして、エンジン回転数の落ち込み量が目
標落ち込み量範囲ΔNrに一旦収束した後に、落ち込み
量が目標落ち込み量範囲ΔNrから大きくなる方向又は
小さくなる方向へシフトして外れた場合に、再度、前述
の如くの船体負荷総量の修正を行って、エンジン回転数
の落ち込み量を目標落ち込み量範囲ΔNrに収束させる
ように制御することもできる。
【0041】このように、エンジン回転数の落ち込み量
が目標落ち込み量範囲ΔNrから外れた場合に、船体負
荷総量の修正を再度行うように制御することで、船体負
荷が経年変化した場合や、プロペラ7を変更して船体負
荷が変化した場合等にも容易に対応することができ、エ
ンストの防止と効率的な急停止とを確実に保持すること
ができる。
【0042】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次の
ような効果を奏するのである。即ち、請求項1記載の如
く、クラッチを前進側から後進側へ切り換えて前進航走
する船舶を急停止させる場合、クラッチを前進位置から
中立位置へ切り換えた際に、該クラッチを中立位置から
後進位置へ切り換えるときの船体負荷の総量を推定する
ので、推定した船体負荷総量に応じて、クラッチを中立
位置から後進位置へ切り換えるときの該クラッチの初期
嵌入圧力を、事前に(中立位置から後進位置へ切り換え
る前に)調整することが可能となり、初期嵌入圧力の制
御を適切に行うことができる。
【0043】さらに、請求項2記載の如く、前記船体負
荷総量を、クラッチを前進位置から中立位置へ切り換え
た際のプロペラ回転数と船体固有の定数とを用いて推定
するので、各船体に応じた船体負荷総量を正確に推定す
ることができる。さらに、例えばコントローラに船体固
有の定数を予め入力するとともに、検出したプロペラ回
転数を入力するだけで船体負荷総量を推定することがで
き、容易に推定を行うことが可能となる。
【0044】さらに、請求項3記載の如く、推定した船
体負荷に基づいて、後進切換時のクラッチ嵌入圧を算出
するので、後進切換時の船体負荷の大きさに応じた初期
嵌入圧力でクラッチを嵌入することができ、エンジンに
過大な負荷がかからない程度での最大の初期嵌入圧力で
後進切換を行うことができ、エンストを防止しつつ、船
体を急停止させることが可能となる。
【0045】さらに、請求項4記載の如く、クラッチを
後進側に嵌入した後、エンジン回転数に応じて該クラッ
チの嵌入圧を上昇させるので、エンジンに過大な負荷を
かけることなく嵌入圧を上昇させることができ、エンス
トを防止しつつ、船体を急停止させることが可能とな
る。
【0046】さらに、請求項5記載の如く、クラッチを
後進側へ嵌入したときのエンジン回転数の落ち込み量に
より、推定した船体負荷を修正するので、船体負荷総量
を推定する基礎となる、エンジントルク等から予め求め
たエンジン回転数の落ち込み量が実際の落ち込み量とず
れていて、算出されたクラッチの初期嵌入圧力が適正値
よりも高かったり低かったりした場合でも、該初期嵌入
圧力を適正な初期嵌入圧力に修正することができる。こ
れにより、実際の船体負荷総量の応じた初期嵌入圧力を
算出することができ、初期嵌入圧力の精度を高めて、エ
ンジンに過大な負荷がかからない程度での最大の初期嵌
入圧力で後進切換を行うことが可能となり、エンストを
防止しつつ、効率的な急停止を行うことができる。
【0047】さらに、請求項6記載の如く、船体負荷の
修正を、エンジン回転数の落ち込み量がある目標範囲に
収束するまで繰り返し行うので、クラッチの初期嵌入圧
力を高精度で適正な圧力に調整することができ、エンス
トを確実に防止しつつ、効率的な急停止を行うことがで
きる。
【0048】さらに、請求項7記載の如く、船体負荷の
修正を、初期推定値から一定回数繰り返し行うので、ク
ラッチの初期嵌入圧力を高精度で適正な圧力に調整する
ことができ、エンストを確実に防止しつつ、効率的な急
停止を行うことができる。
【0049】さらに、請求項8記載の如く、船体負荷の
修正を、エンジン回転数の落ち込み量が、ある目標値範
囲から外れた場合に行うので、船体負荷が経年変化した
場合や、プロペラを変更して船体負荷が変化した場合等
にも容易に対応することができ、エンストの防止と効率
的な急停止とを確実に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクラッシュアスターン制御方法により
制御される舶用減速逆転機を示す油圧回路図である。
【図2】同じく舶用減速逆転機を示す概略図である。
【図3】クラッチ位置とエンジン回転数及び船体負荷と
の関係を示す図である。
【図4】プロペラ回転数と後進クラッチの初期嵌入圧力
との関係を示す図である。
【図5】クラッチを後進側へ切り換えた際のエンジン回
転数と嵌入圧力との経時変化を示す図である。
【図6】クラッチ嵌入圧力の制御フローを示す図であ
る。
【図7】エンジン回転数の落ち込み量を示す図である。
【図8】クラッチ嵌入圧力制御の別実施例のフローを示
す図である。
【図9】エンジン回転数の落ち込み量が目標落ち込み量
範囲に収束するまで船体負荷総量の修正を繰り返して、
初期嵌入圧力を調整する制御を行う際の、エンジン回転
数の落ち込み量及び初期嵌入圧力の変化を示す図であ
る。
【符号の説明】
4 比例電磁弁 7 プロペラ 9 エンジン 10 前進クラッチ 11 クラッチ信号検出センサ 12 エンジン回転数センサ 13 プロペラ回転数センサ 15 コントローラ 90 後進クラッチ 100 クラッチ機構 P1 初期嵌入圧力 ΔN (エンジン回転数の)落ち込み量 ΔNr 目標落ち込み量範囲
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 隆幸 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマ ーディーゼル株式会社内 Fターム(参考) 3J057 AA03 BB04 GA30 GA36 GB02 GB14 GC10 GD08 GE01 HH07 JJ01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クラッチを前進側から後進側へ切り換え
    て前進航走する船舶を急停止させる場合、クラッチを前
    進位置から中立位置へ切り換えた際に、該クラッチを中
    立位置から後進位置へ切り換えるときの船体負荷の総量
    を推定することを特徴とする舶用減速逆転機のクラッシ
    ュアスターン制御方法。
  2. 【請求項2】 前記船体負荷総量を、クラッチを前進位
    置から中立位置へ切り換えた際のプロペラ回転数と船体
    固有の定数とを用いて推定することを特徴とする請求項
    1に記載の舶用減速逆転機のクラッシュアスターン制御
    方法。
  3. 【請求項3】 推定した船体負荷に基づいて、後進切換
    時のクラッチ嵌入圧を算出することを特徴とする請求項
    1又は請求項2に記載の舶用減速逆転機のクラッシュア
    スターン制御方法。
  4. 【請求項4】 クラッチを後進側に嵌入した後、エンジ
    ン回転数に応じて該クラッチの嵌入圧を上昇させること
    を特徴とする請求項3に記載の舶用減速逆転機のクラッ
    シュアスターン制御方法。
  5. 【請求項5】 クラッチを後進側へ嵌入したときのエン
    ジン回転数の落ち込み量により、推定した船体負荷を修
    正することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の
    舶用減速逆転機のクラッシュアスターン制御方法。
  6. 【請求項6】 船体負荷の修正を、エンジン回転数の落
    ち込み量がある目標範囲に収束するまで繰り返し行うこ
    とを特徴とする請求項5に記載の舶用減速逆転機のクラ
    ッシュアスターン制御方法。
  7. 【請求項7】 船体負荷の修正を、初期推定値から一定
    回数繰り返し行うことを特徴とする請求項5に記載の舶
    用減速逆転機のクラッシュアスターン制御方法。
  8. 【請求項8】 船体負荷の修正を、エンジン回転数の落
    ち込み量が、ある目標値範囲から外れた場合に行うこと
    を特徴とする請求項5に記載の舶用減速逆転機のクラッ
    シュアスターン制御方法。
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