JP5020111B2 - 油圧制御装置および油圧制御方法、油圧制御装置の調整方法 - Google Patents

油圧制御装置および油圧制御方法、油圧制御装置の調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、ネガティブブレーキの制動力を制御する油圧制御装置および油圧制御方法、および油圧制御装置の調整方法に関する。
ブレーキシリンダ内に油圧が作用していない状態でブレーキが結合され、ブレーキシリンダ内に油圧を作用させることによりブレーキを開放するネガティブブレーキが広く知られている。ネガティブブレーキでは、ブレーキシリンダ内の油圧を調整することにより、制動力を調整することができる。
ネガティブブレーキを用いた例として、例えばブルドーザにおけるクラッチアンドブレーキ式の操向装置がある。
クラッチアンドブレーキ式の操向装置を搭載したブルドーザでは、内輪側のクラッチを解放して駆動力を断ち、さらにブレーキを係合させることで旋回する。このとき、ブレーキ油圧を制御することで、オペレータが意図した旋回半径となるようにブレーキ制動トルクが調整される。
例えば、特許文献1,2には、ブルドーザ等の装軌車両において、操向レバーのストロークが大きくなるにつれてブレーキ油圧を低下させていき、制動力を増加させるクラッチ・ブレーキのモジュレーション特性を有する装軌車両の操向制御装置について開示されている。
これら特許文献には記載がないが、このような操向制御装置は、ブレーキ油圧を低下させる際に、まずブレーキ油圧の指令値を所定の第1油圧指令値まで低下させ、所定の第1時間だけこの第1油圧に保持する第1の制御が行われる(以下、本明細書においては、第1時間のことを「逆トリガ時間」、第1油圧指令値のことを「逆トリガ油圧指令値」と呼ぶ)。
操向制御装置は次に、所定の第2油圧指令値までブレーキ油圧の指令値を高め、所定の第2時間だけこの第2油圧指令値に保持する第2の制御を行う(以下、本明細書においては、第2時間のことを「トップ時間」、第2油圧指令値のことを「トップ油圧指令値」と呼ぶ)。
これら2つの制御は、ブレーキ係合時のショックを防ぎ、しかもブレーキ係合の時間遅れを極力小さくするために行われる制御である。
操向制御装置は、第1、第2の制御を行った後、目標とする油圧になるまでブレーキ油圧の指令値を所定の低下率で徐々に低下させる制御を行う。
ネガティブブレーキを用いた操向装置では、従来、上記のような一連の制御を行うことで、スムーズな制動力付与を実現し、ぎくしゃくしないスムーズな旋回特性を得ている。
なお、ネガティブブレーキを採用する理由は、万一故障などが生じて油圧が供給されなくなった場合に、車両が制御不能になることを防止するためである。
一方、クラッチやブレーキの圧力の制御としては、圧力を高めることによって係合を行う(ネガティブでない)ものの方がより一般的で広く用いられている。このような装置の例として、特許文献1に開示されたものがある。
この特許文献1に開示される技術では、クラッチを係合する際には、まず油圧指令値を高めて所定の時間だけこれを保持し(これは、ネガティブブレーキにおける上述の第1の制御に相当する)、次に油圧指令値を低下させて所定の時間だけこれを保持し(これは、ネガティブブレーキにおける上述の第2の制御に相当する)、その後フィルを検出したら油圧指令値を目標値まで徐々に上昇させるという制御を行っている。このように、この構成では、上述した第2の制御が終わるタイミングの検出を、クラッチバックへの油の供給(フィリング)完了を検出することで行っている。これにより、油圧を目標値まで徐々に上げ始めるタイミングを適切に検出して、係合時のショックを防止することができる。
これに対して、上記特許文献1,2のようにネガティブブレーキ方式が採用された構成では、第1・第2制御時には油を抜いていく工程となるため、第2の制御の終了タイミングを検出することができない。したがって、従来のネガティブブレーキにおいては、上記逆トリガ時間、逆トリガ油圧指令値、トップ時間、トップ油圧指令値のいずれも予め設定した固定値となっている。よって、各種部品のバラツキなどに起因して、制動開始時にショックが発生してしまうおそれがある。
このような不具合を防止するために、車両の出荷時や点検時等において、特許文献4に開示されるようなブレーキやクラッチの調整を行っている(0006段落参照)。
特開2000−177618号公報(平成12年6月27日公開) 特開2002−193137号公報(平成14年7月10日公開) 特開2001−343032号公報(平成13年12月14日公開) 特開2002−178949号公報(平成14年6月26日公開)
しかしながら、上記従来の調整作業は自動化することが困難なものであり、また、油圧制御装置を搭載したブルドーザ等の出荷時や点検時においてこのような調整作業を実施する場合、非常に面倒で時間を要していた。
本発明の課題は、製品の出荷時等におけるネガティブブレーキの油圧制御装置の調整作業を大幅に省力化することが可能な油圧制御装置および油圧制御方法、油圧制御装置の調整方法を提供することにある。
第1の発明に係る油圧制御装置は、ブレーキシリンダ内の油圧の低下に伴ってブレーキ軸に与える制動力が大きくなるネガティブブレーキの油圧制御装置であって、第1制御部と、逆トリガ時間学習制御部と、を備えている。第1制御部は、制動操作開始時において、ブレーキシリンダ内の油圧の指令値を所定の逆トリガ油圧指令値まで低下させ、所定の逆トリガ時間これを保持する第1制御を行う。逆トリガ時間学習制御部は、逆トリガ時間中のブレーキ軸の加速度が所定値を上回ったときに、逆トリガ時間を所定量減少させる。
ここでは、ネガティブブレーキ方式を採用したブルドーザ等に搭載された油圧制御装置において、操作開始前の油圧よりも低い所定の逆トリガ油圧指令値を逆トリガ時間だけ保持する第1制御と、この第1制御を行う際に制動操作時における制動力の急増に伴う急制動時の加速度をフィードバックして、逆トリガ時間の学習制御とを行う。
これにより、製品の出荷時等において、第1制御において逆トリガ時間を学習制御によって最適化する調整作業を自動で実施することができる。よって、この調整作業後には、制動操作開始時における油の排出等をスムーズに行って、急制動、いわゆるガク効きの発生を効果的に防止することができる。この結果、製品出荷時等において、ネガティブブレーキの油圧制御装置の調整作業を自動化することで、従来よりも大幅に省力化することができる。
第2の発明に係る油圧制御装置は、ブレーキシリンダ内の油圧の低下に伴ってブレーキ軸に与える制動力が大きくなるネガティブブレーキの油圧制御装置であって、第1制御部と、第2制御部と、逆トリガ時間学習制御部と、トップ油圧指令学習制御部と、を備えている。第1制御部は、制動操作開始時において、ブレーキシリンダ内の油圧の指令値を所定の逆トリガ油圧指令値まで低下させ、所定の逆トリガ時間これを保持する第1制御を行う。第2制御部は、第1制御の後、ブレーキシリンダ内の油圧の指令値を逆トリガ油圧指令値よりも高い所定のトップ油圧指令値まで上昇させ、所定のトップ時間これを保持する第2制御を行う。逆トリガ時間学習制御部は、逆トリガ時間中のブレーキ軸の加速度が所定値を上回ったときに、逆トリガ時間を所定量減少させる。トップ油圧指令学習制御部は、トップ時間中のブレーキ軸の加速度が所定値を上回ったときに、トップ油圧指令値を所定量増加させる。
ここでは、ネガティブブレーキ方式を採用したブルドーザ等に搭載された油圧制御装置において、操作開始前の油圧よりも低い所定の逆トリガ油圧を逆トリガ時間だけ保持する第1制御と、第1制御の後、記ブレーキシリンダ内の油圧の指令値を逆トリガ油圧指令値よりも高い所定のトップ油圧指令値まで上昇させ、所定のトップ時間これを保持する第2制御とを実施する。そして、この第1・第2制御を行う際に制動操作時における制動力の急増に伴う急制動時の加速度をフィードバックして、逆トリガ時間・トップ油圧指令値の学習制御を行う。
これにより、製品の出荷時や点検時において、第1制御においては逆トリガ時間、第2制御においてはトップ油圧指令値を学習制御によって最適化する調整作業を自動で実施することができる。よって、この調整作業後には、制動操作開始時における油の排出等をスムーズに行って、急制動、いわゆるガク効きの発生を効果的に防止することができる。そして、トップ油圧を所定のトップ時間維持した後、徐々に油圧を上昇あるいは低下させていくことで、作業車両に対してスムーズに制動力を付与することができる。この結果、製品出荷時等におけるネガティブブレーキの油圧制御装置の調整作業を、従来よりも大幅に省力化することができる。
第3の発明に係る油圧制御方法は、ブレーキシリンダ内の油圧の低下に伴ってブレーキ軸に与える制動力が大きくなるネガティブブレーキの油圧制御方法であって、逆トリガ工程と、逆トリガ時間学習制御工程と、を備えている。逆トリガ工程は、制動操作開始後、ブレーキシリンダ内の油圧の指令値を所定の逆トリガ時間だけ所定の逆トリガ油圧指令値に保持する。逆トリガ時間学習制御工程は、逆トリガ工程と並行して行われる工程であって、逆トリガ工程中のブレーキ軸の加速度が所定値を上回ったときに、逆トリガ時間を所定量減少させる。
ここでは、ブルドーザ等に搭載されたネガティブブレーキの油圧制御方法において、操作開始前の油圧よりも低い所定の逆トリガ油圧を逆トリガ時間だけ保持する第1制御と、この第1制御を行う際に制動操作時における制動力の急増に伴う急制動時の加速度をフィードバックして、逆トリガ時間の学習制御とを行う。
これにより、製品の出荷時等において、第1制御において逆トリガ時間を学習制御によって最適化する調整作業を自動で実施することができる。よって、この調整作業後には、制動操作開始時における油の排出等をスムーズに行って、急制動、いわゆるガク効きの発生を効果的に防止することができる。この結果、製品出荷時等において、ネガティブブレーキの油圧制御装置の調整作業を自動化することで、従来よりも大幅に省力化することができる。
第4の発明に係る油圧制御方法は、ブレーキシリンダ内の油圧の低下に伴ってブレーキ軸に与える制動力が大きくなるネガティブブレーキの油圧制御方法であって、逆トリガ工程と、逆トリガ時間学習制御工程と、トップ油圧指令保持工程と、トップ油圧指令学習制御工程と、を備えている。逆トリガ工程では、制動操作開始後、ブレーキシリンダ内の油圧の指令値を所定の逆トリガ時間だけ所定の逆トリガ油圧指令値に保持する。逆トリガ時間学習制御工程では、逆トリガ工程と並行して行われる工程であって、逆トリガ工程中のブレーキ軸の加速度が所定値を上回ったときに、逆トリガ時間を所定量減少させる。トップ油圧指令保持工程では、逆トリガ工程の後、ブレーキシリンダ内の油圧指令値が逆トリガ油圧指令値よりも高い所定のトップ油圧指令値になるように調整するとともに、トップ油圧指令値のままで所定のトップ時間保持する。トップ油圧指令学習制御工程では、トップ油圧指令保持工程と並行して行われる工程であって、トップ油圧指令保持工程中のブレーキ軸の加速度が所定値を上回ったときに、トップ油圧指令値を所定量増加させる。
ここでは、ブルドーザ等に搭載されたネガティブブレーキの油圧制御方法において、操作開始前の油圧よりも低い所定の逆トリガ油圧を逆トリガ時間だけ保持する第1制御と、第1制御の後、記ブレーキシリンダ内の油圧の指令値を逆トリガ油圧指令値よりも高い所定のトップ油圧指令値まで上昇させ、所定のトップ時間これを保持する第2制御とを実施する。そして、この第1・第2制御を行う際に制動操作時における制動力の急増に伴う急制動時の加速度をフィードバックして、逆トリガ時間・トップ油圧指令値の学習制御を行う。
これにより、製品の出荷時や点検時において、第1制御においては逆トリガ時間、第2制御においてはトップ油圧指令値を学習制御によって最適化する調整作業を自動で実施することができる。よって、この調整作業後には、制動操作開始時における油の排出等をスムーズに行って、急制動、いわゆるガク効きの発生を効果的に防止することができる。そして、トップ油圧を所定のトップ時間維持した後、徐々に油圧を上昇あるいは低下させていくことで、作業車両に対してスムーズに制動力を付与することができる。この結果、製品出荷時等におけるネガティブブレーキの油圧制御装置の調整作業を、従来よりも大幅に省力化することができる。
第5の発明に係る油圧制御装置の調整方法は、ブレーキシリンダ内の油圧の低下に伴ってブレーキ軸に与える制動力が大きくなるネガティブブレーキの制御のために用いられる、ブレーキ係合開始時にブレーキシリンダ内の油圧の指令値を所定の逆トリガ油圧指令値まで低下させて所定の逆トリガ時間だけこれを保持する制御を行う油圧制御装置を調整する方法であって、第1の計測工程と、逆トリガ時間調整工程とを含んでいる。第1の計測工程では、逆トリガ時間中のブレーキ軸の加速度を計測する。逆トリガ時間調整工程は、第1の計測工程中のブレーキ軸の加速度が所定値を上回ったときに、逆トリガ時間を所定量増加させる。そして、第1の計測工程中のブレーキ軸の加速度が所定値以下になるまで逆トリガ時間調整工程を繰り返す。
これにより、製品の出荷時や点検時等において、第1の計測工程において計測されるブレーキ軸の加速度に基づいて、第1制御において逆トリガ時間を学習制御によって最適化する調整作業を自動で実施することができる。よって、この調整作業の後には、制動操作開始時における油の排出等をスムーズに行って、急制動、いわゆるガク効きの発生を効果的に防止することができる。この結果、製品の出荷時等におけるネガティブブレーキの油圧制御装置の調整作業を、従来よりも大幅に省力化することができる。
第6の発明に係る油圧制御装置の調整方法は、ブレーキシリンダ内の油圧の低下に伴ってブレーキ軸に与える制動力が大きくなるネガティブブレーキの制御のために用いられる、ブレーキ係合開始時にブレーキシリンダ内の油圧の指令値を所定の逆トリガ油圧指令値まで低下させて所定の逆トリガ時間だけこれを保持し、その後逆トリガ油圧指令値よりも高い所定のトップ油圧指令値まで上昇させて所定のトップ時間これを保持する制御を行う油圧制御装置を調整する方法であって、第1の計測工程と、逆トリガ時間調整工程と、第2の計測工程と、トップ油圧調整工程と、を含んでいる。第1の計測工程では、逆トリガ時間中のブレーキ軸の加速度を計測する。逆トリガ時間調整工程では、第1の計測工程中のブレーキ軸の加速度が所定値を上回ったときに、逆トリガ時間を所定量減少させる。第2の計測工程では、トップ時間中のブレーキ軸の加速度を計測する。トップ油圧調整工程では、第2の計測工程中のブレーキ軸の加速度が所定値を上回ったときに、トップ油圧指令値を所定量増加させる。そして、第1の計測工程中のブレーキ軸の加速度が所定値以下になるまで逆トリガ時間調整工程を繰り返し、第2の計測工程中のブレーキ軸の加速度が所定値以下になるまでトップ油圧指令調整工程を繰り返す。
これにより、製品の出荷時や点検時等において、第1・第2の計測工程において計測されるブレーキ軸の加速度に基づいて、第1・第2制御において逆トリガ時間・トップ油圧指令値を学習制御によって最適化する調整作業を自動的に実施することができる。よって、この調整作業後には、制動操作開始時における油の排出等をスムーズに行うとともに、急制動、いわゆるガク効きの発生を効果的に防止することができる。この結果、製品出荷時等におけるネガティブブレーキの油圧制御装置の調整作業を、従来よりも大幅に省力化することができる。
本発明に係る油圧制御装置によれば、製品の出荷時等におけるネガティブブレーキの油圧制御装置の調整作業を、従来よりも大幅に省力化することができる。
本発明の一実施形態に係る油圧制御部(油圧制御装置)20を搭載したブルドーザ(作業車両)1について、図1〜図6を用いて説明すれば以下の通りである。
[ブルドーザ1全体の構成]
本実施形態のブルドーザ1は、図1に示すように、左右の履帯に対して別々に駆動力の伝達および切断、制動力の付与を行う、いわゆるクラッチ・ブレーキ方式のステアリング(S/T)装置5を搭載したクラッチ・ブレーキ車である。そして、ブルドーザ1は、さらにエンジン(ENG)2、トルクコンバータ(T/C)3およびトランスミッション(T/M)4を備えている。
(ステアリング装置5)
ステアリング装置5は、ブレーキシリンダ内の油圧を低下させると制動力が増大するネガティブブレーキ方式(図5(a)参照)を採用している。そして、ステアリング装置5は、図1および図2に示すように、縦軸10aと、横軸10bと、左右のブレーキ軸11a,11bと、左右のステアリング(S/T)クラッチ12a,12bと、左右のファイナルドライブ(F/D)13a,13bと、左右のステアリング(S/T)ブレーキ14a,14bと、左右のブレーキシリンダ15a,15bと、左右の電子制御弁(ECMV)16a,16bと、油圧制御部20とを有している。
縦軸10aは、トランスミッション4の出力軸であって、トランスミッション4から出力された回転駆動力が伝達される。
横軸10bは、縦横変換された縦軸10aの回転駆動力が伝達される。また、横軸10bには、回転数センサ21が取り付けられており、回転数センサ21によって横軸10bの回転数がセンシングされる。
左右のブレーキ軸11a,11bは、左右のステアリングクラッチ12a,12bを介して横軸10bと連結されており、横軸10bからの回転駆動力が左右のステアリングクラッチ12a,12bを介して伝達される。また、ブレーキ軸11a,11bには、回転数センサ22a,22bが取り付けられており、回転数センサ22a,22bによって左右それぞれのブレーキ軸11a,11bの回転数がセンシングされる。
左右のステアリング(S/T)クラッチ12a,12bは、横軸10bと左右のブレーキ軸11a,11bとをつなぐ位置に配置された回転駆動力の伝達手段である。そして、ステアリングクラッチ12a,12bは、横軸10bと左右のブレーキ軸11a,11bとを係合させることでブルドーザ1を直進させるとともに、左右のブレーキ軸11a,11bの一方を解放することで所望の方向へ旋回させる。具体的には、図2に示すように、ステアリングクラッチ12aに隣接配置されたクラッチシリンダ19aにおける油圧をコントロールする。このとき、これらに対向配置されたバネ部材17aに対する押圧力が変化する。これにより、ステアリングクラッチ12aにおいて、横軸10bとブレーキ軸11aとが係合あるいは解放される。
左右の履帯を駆動するファイナルドライブ(F/D)13a,13bは、ブルドーザ1の履帯が巻き掛けられる駆動スプロケットに接続された減速装置であって、左右のブレーキ軸11a,11bの端部に接続されており駆動スプロケットを駆動する。
左右のステアリング(S/T)ブレーキ14a,14bは、左右のブレーキ軸11a,11bに対応するようにそれぞれ配置されている。そして、左右のステアリングクラッチ12a,12bの一方が解放状態となった場合に、さらに解放状態となったブレーキ軸11a,11bの回転を制動することで、ブルドーザ1を旋回させることができる。
左右のブレーキシリンダ15a,15bは、左右のステアリングブレーキ14a,14bによる制動力を調整するための油圧シリンダであって、電子制御弁16a,16bにおいて圧力を調整された圧油によってコントロールされる。具体的には、ブレーキシリンダ15a,15b内から油が排出されて油圧が下がっていくと、図1および図2に示すように、ブレーキシリンダ15a,15bに対向配置されたバネ部材18a,18bに対する押圧力が低下していく。このとき、バネ部材18a,18bの弾性力によってブレーキシリンダ15a,15bが押し戻されてステアリングブレーキ14a,14bが係合し、ブレーキ軸11a,11bに対して制動力が付与される。
電子制御弁(ECMV)16a,16bは、上述した左右のブレーキシリンダ15a,15bに対して送られる圧油の圧力を調整するためのバルブであって、後述するガク効き防止制御によってコントロールされる。
なお、電子制御弁16a,16bは、図示しないハウジング内に収容された圧力制御弁、比例ソレノイドおよび圧力比例弁等によって構成されている。そして、ステアリングブレーキ14a,14bがブレーキ軸11a,11bに対して制動力を付与していないブレーキ解放状態では、比例ソレノイドを励磁させて、ポンプポートをブレーキシリンダ15a,15bに連通させる位置に圧力制御弁が移動し、ブレーキシリンダ15a,15b内の油圧は高圧に保たれる。
一方、ブレーキ軸11a,11bに対して制動力を付与する際には、ブレーキシリンダ15a,15b内に充填された油を排出するために、比例ソレノイドの電流値を下げてドレンポートを連通させる位置に圧力制御弁が移動する。そして、ブレーキシリンダ15a,15b内の油の排出が完了したら、ブレーキシリンダ15a,15b内が所望の圧力値となるように比例ソレノイドの電流値を制御する。
油圧制御部20は、図1に示すように、左右の電子制御弁16a,16bと、回転数センサ21、回転数センサ22a,22bと接続されており、各回転数センサ21,22a,22bからそれぞれの検出結果が送信される。そして、油圧制御部20は、横軸10bの回転数を検出する回転数センサ21、ブレーキ軸11a,11bの回転数を検出する回転数センサ22a,22bにおける検出結果に基づいて、電子制御弁16a,16bを制御してブレーキシリンダ15a,15bにおける油圧を調整する。これにより、油圧制御部20は、ステアリングブレーキ14a,14bにおける制動力をコントロールすることができる。油圧制御部20は、旋回操作開始時におけるステアリングブレーキ14a,14bの制動力の増大による急旋回を回避するために、後述するガク効き防止制御を実施する。このガク効き防止制御の内容については、後段にて詳述する。
なお、図2では、説明の便宜上、ステアリング装置5の左半分の構成を図示している。右半分の構成については、左半分の構成とほぼ同様であるものとし、ここでは右半分の構成についての説明は省略する。
(油圧制御部20)
本実施形態の油圧制御部20は、左右の電子制御弁16a,16bの制御を行うことで、図1等に示すクラッチ・ブレーキ方式を採用したブルドーザ1のステアリング装置5による旋回操作、制動力付与を制御する。また、油圧制御部20は、図3に示すように、第1制御部20a、第2制御部20bおよび学習制御部(逆トリガ時間学習制御部、トップ油圧指令学習制御部)20cという3つの制御ブロックによって構成されている。さらに、油圧制御部20は、ブルドーザ1の製品出荷時や点検時等において、旋回操作開始時に、図5(a)に示すように、図示しない旋回操作レバーの操作ストロークに応じて、ブレーキシリンダ15a,15b内の油圧を、一旦所定値まで急降下させるとともに、所定値からは徐々に油圧を低下させるように制御を行う。そして、油圧制御部20は、旋回操作開始直後には、図5(b)に示すように、第1制御部20aと第2制御部20bとによって後述する第1制御および第2制御を実施して、逆トリガ時間・トップ油圧指令値を学習制御によって最適化する調整作業を自動的に実施する。
第1制御部20aは、ブレーキ軸11a,11bの一方あるいは双方に対して制動力を付与してブルドーザ1の旋回、あるいは制動力付与を開始する際に、ブレーキシリンダ15a,15b内の圧力の指令値を所定の逆トリガ油圧指令値まで低下させ、この状態を所定の逆トリガ時間だけ保持する第1制御を行う。ここで、第1制御は、制動力油圧が高い状態で保持されていたブレーキシリンダ15a,15b内からスムーズに油を排出していくために必要な制御である。このため、逆トリガ油圧指令値は、後述するトップ油圧指令値よりも低い油圧指令値に設定されている(図5(b)参照)。
第2制御部20bは、上記第1制御の後、ブレーキシリンダ15a,15b内の圧力指令値を、上記逆トリガ油圧指令値よりも高い油圧指令値(トップ油圧指令値)まで引き上げ、この状態を所望のトップ時間だけ保持する第2制御を行う。ここで、第2制御は、第1制御においてブレーキシリンダ15a,15bからスムーズに排出され始めた圧油が一気に排出されることなく、少しずつ排出されるようにするために必要な制御である。このため、トップ油圧指令値は、ブレーキシリンダ15a,15bから徐々に排出されるように、逆トリガ油圧指令値よりも高い値になるように設定される(図5(b)参照)。
学習制御部20cは、上述した第1制御および第2制御において、旋回操作開始時における急旋回(ガク効き)の発生を防止するために、製品出荷時や点検時等において後述するガク効き防止制御を実施する。なお、このガク効き防止制御の詳細な説明については、後段にて詳述する。
<製品出荷時等における旋回操作時のガク効き防止制御>
本実施形態では、ブルドーザ1を出荷する際、あるいは点検の際において、油圧制御部20によって旋回操作開始時におけるガク効き防止制御を自動的に実施する。ここで、このガク効き防止制御について、図4〜図6に含まれるフローチャートや油圧特性のグラフを用いて説明すれば以下の通りである。
ここではまず、以上のようなクラッチ・ブレーキ方式を採用したステアリング装置5を搭載したブルドーザ1を、図4に示すように、左方向へ旋回させる際の調整作業を例として挙げて説明するが、右旋回時あるいは左右両方のブレーキ軸11a,11bへの制動力付与時においても、同様の制御によってガク効きの発生を防止できることは言うまでもない。
ブルドーザ1を左方向へ旋回させる際には、図4に示すように、走行中に係合させていた左のステアリングクラッチ12aを解放状態とし、その後、電子制御弁16aを制御してブレーキシリンダ15aを操作し、ステアリングブレーキ14aを解放状態から係合状態へ移行させる。
ここで、ガク効き防止制御とは、製品出荷時や点検時等において、旋回操作開始時における急旋回、いわゆるガク効きの発生を防止するために実施される調整作業の自動制御を意味している。具体的には、ガク効き防止制御では、上述した第1制御における逆トリガ時間の補正と第2制御におけるトップ油圧指令値の補正とが行われる。
逆トリガ時間の補正とは、第1制御における逆トリガ油圧指令出力中に、横軸10bの回転数とブレーキ軸11aの回転数との差から算出される加速度αが所定の閾値α0以上であった場合に、次回の旋回操作時におけるガク効きの発生を回避するために、所定時間だけ短縮するように行われる逆トリガ時間の補正をいう。これは、例えば、電子制御弁16aの性能バラツキ(個体差)によって油の排出時間に対するバルブ開口時間の設定値が長くなり過ぎたものが含まれていること等を考慮して、このようなバラツキを改善するものである。
そして、逆トリガ時間(Ttrig)とは、図5(b)に示すように、電子制御弁16aのドレイン回路を開口させるような低圧指令値(逆トリガ油圧指令値)を出力する時間をいう。そして、逆トリガ時間補正量(ΔTtrig)とは、逆トリガ時間の補正が必要と判定された場合に、逆トリガ時間を短縮していくための補正量をいう。
一方、トップ油圧指令値の補正とは、第2制御におけるトップ油圧指令出力中に、横軸10bの回転数とブレーキ軸11aの回転数との差から算出される加速度αが所定の閾値α0以上であった場合に、次回の旋回操作時におけるガク効きの発生を回避するために、所定量ずつ昇圧していくトップ油圧指令値の補正をいう。これは、例えば、電子制御弁16a,16bの性能バラツキやバネ部材18aのバネ定数のバラツキ(個体差)に起因して、ブレーキシリンダ15a内の油圧が必要以上に低くなって制動トルクが増大してしまったものを改善するものである。
そして、トップ油圧指令値(Ptop)とは、図5(b)に示すように、第1制御の終了後に、開口したドレイン回路を絞って残りの油を徐々に排出するために必要な油圧指令値をいう。よって、トップ油圧指令値としては、例えば、バネ部材18aのバネ荷重と釣り合う程度に、ある程度高い設定値となる。そして、トップ油圧指令値補正量(ΔPtop)とは、トップ油圧指令値の補正が必要と判定された場合に、トップ油圧指令値を少しずつ昇圧するための補正量を意味している。
また、旋回開始時の回転変化率(加速度)(α)とは、旋回開始時におけるブレーキ軸11a,11b間の回転数の差の所定時間あたりの変化量を意味している。そして、加速度(α0)とは、ブレーキ軸11a,11b間の回転数の差の所定時間あたりの変化量の閾値であって、上述した学習制御部20cによる補正が必要であるか否かの判定を行う際の基準となる。
次に、以上のような第1制御および第2制御、および逆トリガ時間とトップ油圧指令値とを最適化する制御によって構成されるガク効き防止制御について、図6のフローチャートを用いて具体的に説明する。
まず、製品出荷時等において、ステップS1において、ステアリングを中立状態にした後、ステップS2において、旋回操作指令の出力を開始する。
次に、ステップS3において、ステアリングクラッチ12aを解放した後、ステップS4において、ステアリングブレーキ14aの作動を開始すると同時に、ステップS5において、時間Tの計測を開始して第1制御を開始し、ステップS6において、旋回開始直後の第1制御中におけるブルドーザ1の実際の加速度αを算出する。なお、この加速度αは、左右のブレーキ軸11a,11bに装着された回転数センサ22a,22bによって旋回開始時における横軸10bの回転数とブレーキ軸11a,11bの回転数とをセンシングして変化量を算出し、所定時間で除すことで算出される。
具体的には、図4に示す左方向への旋回時には、右のステアリングクラッチ12bは回転駆動力が伝達されている状態にあることから、
横軸回転数(A)=ブレーキ軸回転数(C)
となる。よって、加速度αは、以下の関係式(1)によって算出される。
加速度α(rpm/sec)={ブレーキ軸回転数(C)−ブレーキ軸回転数(B)}/所定時間 ・・・・・(1)
次に、ステップS7において、ステップS5において計測が開始された旋回操作開始(第1制御開始)からの経過時間Tが、所定の逆トリガ時間Ttrigよりも短いか否かについて判定を行う。ここで、上記条件を満たす場合には、そのままステップS8へ移行する。一方、上記条件を満たさない場合には、ステップS8,9を飛ばしてステップS10へ移行する。
次に、ステップS8において、ステップS6において測定された逆トリガ時間Ttrig中の加速度αが所定の閾値α0を超えるか否かについて判定を行う。ここで、上記条件を満たす場合には、いわゆるガク効きが発生している状態と判断して、逆トリガ時間を調整するステップS9へ移行する。一方、上記条件を満たさない場合には、逆トリガ時間の補正は不要と判断して、ステップS6へと戻る。
次に、ステップS9においては、ステップS8においてガク効きの発生ありと判定されていることから、逆トリガ時間を最適化するための補正が行われる。具体的には、以下の関係式(2)によって逆トリガ時間の補正(最適化)が行われる。
Ttrig=Ttrig−ΔTtrig ・・・・・(2)
なお、ステップS9において逆トリガ時間の補正が行われた後、補正後の逆トリガ時間によってガク効きが生じるか否かは、再度、ステップS1からの処理の中で判定される。
次に、ステップS10において、トップ時間Ttopの計測を開始して、旋回操作開始からの経過時間Tが、逆トリガ時間Ttrigとトップ時間Ttopとの和よりも短いか否かについての判定が行われる。ここで、上記条件を満たす場合には、そのままステップS11へと移行する。一方、上記条件を満たさない場合には、ステップS11,12を飛ばしてガク効き防止制御を終了する。
次に、ステップS11では、ステップS6において測定された加速度αについて、再度、所定の閾値α0を超えるか否かについて判定を行う。ここで、上記条件を満たす場合には、いわゆるガク効きが発生している状態と判断して、補正ステップであるステップS12へ移行する。一方、上記条件を満たさない場合には、トップ油圧指令値の補正は不要と判断して、ステップS6へと戻る。
次に、ステップS12においては、ステップS11においてガク効きの発生ありと判定されていることから、トップ油圧指令値を最適化するための補正が行われる。具体的には、以下の関係式(3)によってトップ油圧指令値の補正(最適化)が行われる。
Ptop=Ptop+ΔPtop ・・・・・(3)
なお、ステップS12においてトップ油圧指令値の補正が行われた後、補正後のトップ油圧指令値によってガク効きが生じるか否かは、再度、ステップS1からの処理の中で判定される。
本実施形態では、以上のように、ブルドーザ1を出荷する際や点検を行う際において、ステップS1〜ステップS12までの工程により、図5(b)に示す逆トリガ時間Ttrigおよびトップ油圧指令値Ptopを最適化する調整作業を自動的に実施することができる。この結果、この調整作業の実施によって、ブルドーザ1が実際に作業を行う際には、旋回操作の開始時や制動力付与操作の開始時におけるガク効きの発生を効果的に防止することができる。
[本油圧制御部20の特徴]
(1)
本実施形態の油圧制御部20は、ブルドーザ1に搭載された製品の出荷時等において、図1に示すように、ネガティブブレーキ方式を採用したステアリング装置5に含まれるブレーキシリンダ15a,15bを制御する。そして、油圧制御部20は、図3に示すように、第1制御部20aと学習制御部20cとを備えている。第1制御部20aは、製品出荷時等において旋回操作を開始した際に、ブレーキシリンダ15a,15bの逆トリガ油圧指令値を低下させて所定の逆トリガ時間保持する第1制御を行う。学習制御部20cは、旋回操作開始後の旋回時における加速度等をフィードバックして、第1制御における逆トリガ時間を最適化する制御を自動的に行う。
これにより、ブルドーザ1の出荷時等において、旋回開始時における加速度αをフィードバックして、ブレーキ油圧制御パラメータ(逆トリガ時間)を最適化する補正を行うことができる。この結果、製品ごとにバネ部材18a,18bのバネ荷重や電子制御弁16a,16bの油圧特性等の各部品のバラツキに起因する制動力特性のバラツキがある場合でも、出荷前や点検の際等において、上述したガク効き防止制御を自動的に実施することで、従来の調整作業の負担を大幅に軽減しつつ、制動力特性を安定化させることができる。
(2)
本実施形態の油圧制御部20では、ブルドーザ1に搭載された製品の出荷時等において、図1に示すように、ネガティブブレーキ方式を採用したステアリング装置5に含まれるブレーキシリンダ15a,15bを制御する。そして、油圧制御部20は、図3に示すように、第1制御部20aと第2制御部20bと学習制御部20cとを備えている。第1制御部20aは、製品出荷時等において旋回操作を開始した際に、ブレーキシリンダ15a,15bの逆トリガ油圧指令値を低下させて所定の逆トリガ時間保持する第1制御を行う。第2制御部20bは、上記第1制御の後、ブレーキシリンダ15a,15b内の油圧指令値を、逆トリガ油圧指令値まで上昇させ、所定のトップ時間だけこれを保持する。学習制御部20cは、旋回操作開始後の旋回時における加速度等をフィードバックして、第1制御における逆トリガ時間、第2制御におけるトップ油圧指令値、を最適化する制御を行う。
これにより、ブルドーザ1の出荷時等において、旋回開始時における加速度αをフィードバックして、ブレーキ油圧制御パラメータ(逆トリガ時間およびトップ油圧指令値)を最適化する補正を行うことができる。この結果、製品ごとにバネ部材18a,18bのバネ荷重や電子制御弁16a,16bの油圧特性等の各部品のバラツキに起因する制動力特性のバラツキがある場合でも、出荷前や点検の際等において、上述したガク効き防止制御を自動的に実施することで、従来の調整作業の負担を大幅に軽減しつつ、さらに制動力特性を安定化させることができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、本発明のガク効き防止制御を、ブルドーザ1の左右への旋回操作開始時におけるガク効きの発生を防止することを目的として実施する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、旋回操作時におけるガク効きの発生の防止に限らず、左右の履帯に対してほぼ同じ大きさの制動力を同時に付与する際の一般的な制動操作開始時における急制動(ガク効き)の発生を防止することを目的として、本発明を実施してもよい。
(B)
上記実施形態では、ガク効き防止制御において、旋回開始時の横軸回転数とブレーキ軸回転数(B),(C)の変化量をセンシングして所定時間で除すことで加速度αを算出し、この加速度αが所定の閾値α0を超えるか否かに応じて、逆トリガ時間等の補正を行うか否かの判定を行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、加速度を直接的に算出して判定を行うことなく、旋回操作開始時における制御指令値の出力中に所定の回転数変化量に達した場合に、間接的に加速度を算出したものとして上記判定を行うように制御を行ってもよい。
具体的には、上記判定の基準となる回転数の検出方法としては、左右のブレーキ軸に装着した回転センサによって、旋回開始時の横軸回転数とブレーキ軸回転数の変化量をセンシングする。
上記実施形態と同様に、左旋回時には、
横軸回転数(A)=ブレーキ軸回軸回転数(C)
となるため、左右のブレーキ軸回転センサによって変化量をセンシングすることが可能となる。なお、直進時には、どちらか一方のブレーキ軸回転センサによって車輌速度を検出することが可能である。
そして、ブレーキ油圧制御パラメータの補正制御としては、ブレーキピストン中の油を排出する制御指令値を出力している際に、所定の回転数変化が生じた場合には、上述した制御指令値(Ttrig,Ptop)を補正していく。
この場合の補正対象パラメータについては、上記実施形態と同様に、逆トリガ時間およびトップ油圧であるから、ここではその説明を省略する。
これにより、旋回操作開始時における急旋回、いわゆるガク効きの発生を効果的に防止して、スムーズに旋回操作を行うことができるという、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
(C)
上記実施形態では、ガク効き防止制御において、第1制御における逆トリガ時間の補正を行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、ガク効き防止制御としては、第1制御における逆トリガ時間の補正以外にも、逆トリガ油圧の補正を行ってもよい。
また、逆トリガ油圧、時間の補正の少なくとも一方と、トップ油圧、時間の補正の少なくとも一方とを組み合わせることで、上述したガク効き防止制御を実施してもよい。
(D)
上記実施形態では、ガク効き防止制御において、第2制御におけるトップ油圧の補正を実施する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、ガク効き防止制御としては、第2制御におけるトップ油圧の補正以外にも、トップ時間の補正を行うようにしてもよい。
すなわち、第1制御における逆トリガ油圧、時間の補正の少なくとも一方と、第2制御におけるトップ油圧、時間の補正の少なくとも一方とを組み合わせることで、上述したガク効き防止制御を効果的に実施することができる。
ただし、第2制御においては、トップ油圧およびトップ時間のうち、ガク効き防止制御に対する影響がより大きい方をいう観点では、上記実施形態のように、トップ時間よりもトップ油圧を優先的に最適化するように学習制御を行うことがより好ましい。
(E)
上記実施形態では、旋回操作時には左右一方のブレーキ軸11a,11bに対して制動力を付与するクラッチ・ブレーキ方式のステアリング装置5を搭載したブルドーザ(作業車両)1に対して本発明を適用した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、変速クラッチ方式を採用した作業車両に対して、本発明を適用することも可能である。
(F)
上記実施形態では、本発明に係る油圧制御装置(油圧制御部20)が搭載された作業車両として、ブルドーザ1を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、トラクター等の農業用作業機を含む作業車両に対して、本発明に係る油圧制御装置を搭載してもよい。
本発明の油圧制御装置は、ネガティブブレーキの油圧制御装置の調整作業を大幅に省力化することができるという効果を奏することから、クラッチ・ブレーキ方式を採用した建設機械や農業用作業機を含む各種作業車両に対して広く適用可能である。
本発明の一実施形態に係る油圧制御部によって制御されるステアリング装置を搭載したブルドーザの主要な構成を示す図。 図1のブルドーザに搭載されたステアリング装置の構成を示す断面図。 図1の油圧制御部内に含まれる制御ブロックを示す図。 図1のブルドーザを左方向へ旋回させる際の状態を示す図。 (a)は、ネガティブブレーキ方式であることを示す油圧特性とブレーキ制動力との関係を示すグラフ。(b)は、旋回操作開始時における時間経過とブレーキ油圧との関係を示すグラフ。 本発明の油圧制御部によるガク効き防止制御の流れを示すフローチャート。
符号の説明
1 ブルドーザ(作業車両)
2 エンジン(ENG)
3 トルクコンバータ(T/C)
4 トランスミッション(T/M)
5 ステアリング(S/T)装置
10a 縦軸
10b 横軸
11a,11b 左右のブレーキ軸
12a,12b 左右のステアリング(S/T)クラッチ
13a,13b 左右のファイナルドライブ(F/D)
14a,14b 左右のステアリング(S/T)ブレーキ
15a,15b 左右のブレーキシリンダ
16a,16b 左右の電子制御弁(ECMV)
17a バネ部材
18a,18b バネ部材
19a クラッチシリンダ
20 油圧制御部(油圧制御装置)
20a 第1制御部
20b 第2制御部
20c 学習制御部(逆トリガ時間学習制御部、トップ油圧指令学習制御部)
21 回転数センサ
22a,22b 回転数センサ

Claims (6)

  1. ブレーキシリンダ内の油圧の低下に伴ってブレーキ軸に与える制動力が大きくなるネガティブブレーキの油圧制御装置であって、
    制動操作開始時において、前記ブレーキシリンダ内の油圧の指令値を所定の逆トリガ油圧指令値まで低下させ、所定の逆トリガ時間これを保持する第1制御を行う第1制御部と、
    逆トリガ時間中のブレーキ軸の加速度が所定値を上回ったときに、前記逆トリガ時間を所定量減少させる逆トリガ時間学習制御部と、
    を備えている油圧制御装置。
  2. ブレーキシリンダ内の油圧の低下に伴ってブレーキ軸に与える制動力が大きくなるネガティブブレーキの油圧制御装置であって、
    制動操作開始時において、前記ブレーキシリンダ内の油圧の指令値を所定の逆トリガ油圧指令値まで低下させ、所定の逆トリガ時間これを保持する第1制御を行う第1制御部と、
    前記第1制御の後、前記ブレーキシリンダ内の油圧の指令値を前記逆トリガ油圧指令値よりも高い所定のトップ油圧指令値まで上昇させ、所定のトップ時間これを保持する第2制御を行う第2制御部と、
    逆トリガ時間中のブレーキ軸の加速度が所定値を上回ったときに、前記逆トリガ時間を所定量減少させる逆トリガ時間学習制御部と、
    前記トップ時間中のブレーキ軸の加速度が所定値を上回ったときに、前記トップ油圧指令値を所定量増加させるトップ油圧指令学習制御部と、
    を備えている油圧制御装置。
  3. ブレーキシリンダ内の油圧の低下に伴ってブレーキ軸に与える制動力が大きくなるネガティブブレーキの油圧制御方法であって、
    制動操作開始後、前記ブレーキシリンダ内の油圧の指令値を所定の逆トリガ時間だけ所定の逆トリガ油圧指令値に保持する逆トリガ工程と、
    前記逆トリガ工程と並行して行われる工程であって、前記逆トリガ工程中のブレーキ軸の加速度が所定値を上回ったときに、前記逆トリガ時間を所定量減少させる逆トリガ時間学習制御工程と、
    を備えている油圧制御方法。
  4. ブレーキシリンダ内の油圧の低下に伴ってブレーキ軸に与える制動力が大きくなるネガティブブレーキの油圧制御方法であって、
    制動操作開始後、前記ブレーキシリンダ内の油圧の指令値を所定の逆トリガ時間だけ所定の逆トリガ油圧指令値に保持する逆トリガ工程と、
    前記逆トリガ工程と並行して行われる工程であって、前記逆トリガ工程中のブレーキ軸の加速度が所定値を上回ったときに、前記逆トリガ時間を所定量減少させる逆トリガ時間学習制御工程と、
    前記逆トリガ工程の後、前記ブレーキシリンダ内の油圧指令値が前記逆トリガ油圧指令値よりも高い所定のトップ油圧指令値になるように調整するとともに、前記トップ油圧指令値のままで所定のトップ時間保持するトップ油圧指令保持工程と、
    前記トップ油圧指令保持工程と並行して行われる工程であって、前記トップ油圧指令保持工程中のブレーキ軸の加速度が所定値を上回ったときに、前記トップ油圧指令値を所定量増加させるトップ油圧指令学習制御工程と、
    を備えている油圧制御方法。
  5. ブレーキシリンダ内の油圧の低下に伴ってブレーキ軸に与える制動力が大きくなるネガティブブレーキの制御のために用いられる、ブレーキ係合開始時に前記ブレーキシリンダ内の油圧の指令値を所定の逆トリガ油圧指令値まで低下させて所定の逆トリガ時間だけこれを保持する制御を行う油圧制御装置を調整する方法であって、
    前記逆トリガ時間中のブレーキ軸の加速度を計測する第1の計測工程と、
    第1の計測工程中のブレーキ軸の加速度が所定値を上回ったときに、前記逆トリガ時間を所定量増加させる逆トリガ時間調整工程と、を含み、
    前記第1の計測工程中のブレーキ軸の加速度が所定値以下になるまで前記逆トリガ時間調整工程を繰り返す、
    油圧制御装置の調整方法。
  6. ブレーキシリンダ内の油圧の低下に伴ってブレーキ軸に与える制動力が大きくなるネガティブブレーキの制御のために用いられる、ブレーキ係合開始時に前記ブレーキシリンダ内の油圧の指令値を所定の逆トリガ油圧指令値まで低下させて所定の逆トリガ時間だけこれを保持し、その後逆トリガ油圧指令値よりも高い所定のトップ油圧指令値まで上昇させて所定のトップ時間これを保持する制御を行う油圧制御装置を調整する方法であって、
    前記逆トリガ時間中のブレーキ軸の加速度を計測する第1の計測工程と、
    第1の計測工程中のブレーキ軸の加速度が所定値を上回ったときに、前記逆トリガ時間を所定量減少させる逆トリガ時間調整工程と、
    前記トップ時間中のブレーキ軸の加速度を計測する第2の計測工程と、
    第2の計測工程中のブレーキ軸の加速度が所定値を上回ったときに、前記トップ油圧指令値を所定量増加させるトップ油圧調整工程と、を含み、
    前記第1の計測工程中のブレーキ軸の加速度が所定値以下になるまで前記逆トリガ時間調整工程を繰り返し、
    前記第2の計測工程中のブレーキ軸の加速度が所定値以下になるまで前記トップ油圧指令調整工程を繰り返す、
    油圧制御装置の調整方法。
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