JP3630612B2 - 作業機の走行伝動構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、左右のクローラ式走行装置の作動で走行する作業機の走行伝動構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記のような作業機の走行伝動構造としては、例えば特開平10−37903号公報で開示されているように、走行用の動力を左右のクローラ式走行装置に左右のクラッチ・ブレーキを介して伝達するように構成されたものがあり、この構成のものにおいては、左右の両クラッチ・ブレーキを伝動状態とすることで、左右のクローラ式走行装置を等速駆動させる直進状態を現出し、一方のクラッチ・ブレーキを伝動状態とし他方のクラッチ・ブレーキを非伝動状態とすることで、一方のクローラ式走行装置のみを駆動し他方のクローラ式走行装置を従動させる緩旋回状態を現出し、一方のクラッチ・ブレーキを伝動状態とし他方のクラッチ・ブレーキを制動状態とすることで、一方のクローラ式走行装置のみを駆動し他方のクローラ式走行装置を制動させる急旋回状態を現出するようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術によると、クローラ式走行装置は接地面積が広く地面との付着力(摩擦力)が大きいものであることから、作業地が走行抵抗の大きい例えば地盤の軟弱な圃場などであると、左右のクローラ式走行装置を等速駆動させた直進状態から一方のクローラ式走行装置を従動させる緩旋回状態を現出するために一方のクラッチ・ブレーキを伝動状態から非伝動状態に切り換えた直後に、いきなり、その一方のクラッチ・ブレーキに対応するクローラ式走行装置が、その付着力や走行抵抗などによってブレーキで制動停止されたような殆ど従動しない状態、つまり、急旋回状態が現出された状態となって大きなショックを発生させる場合があった。
【0004】
又逆に、旋回状態から直進状態を現出するために一方のクラッチ・ブレーキを非伝動状態から伝動状態に切り換えると、その一方のクラッチ・ブレーキに対応するクローラ式走行装置が、その付着力や走行抵抗などによってブレーキで制動停止されたような状態からいきなり高速駆動されるようになる場合があることから、旋回走行から直進走行に移行する際においても大きなショックを発生させる場合があった。
【0005】
本発明の目的は、直進走行から旋回走行への移行及び旋回走行から直進走行への移行を大きなショックを発生させることなく円滑に行えるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
〔構成〕
上記目的を達成するため、本発明のうちの請求項1記載の発明では、走行用の動力を左右のクローラ式走行装置に差動装置を介して伝達し、該差動装置を、前記左右のクローラ式走行装置の差動を阻止して機体を直進させる非差動状態と、前記左右のクローラ式走行装置の差動を許容して機体の旋回を可能にする差動状態とに切り換える差動切換装置を設け、
前記差動装置と左右の各クローラ式走行装置との間に操向用の摩擦ブレーキを介装し、
前記差動切換装置に、前記差動装置の差動状態における前記左右のクローラ式走行装置の差動抑制を可能にする摩擦クラッチを備え、
前記差動切換装置と左右の摩擦ブレーキとを、前記摩擦ブレーキの制動力が所定値以下である場合には前記摩擦クラッチが接合状態となり、前記摩擦ブレーキの制動力が所定値を超える場合にはその制動力が大きくなるほど前記接合状態の摩擦クラッチの接合力が低下するように連係して、前記摩擦ブレーキの制動力と前記摩擦クラッチの差動抑制力とを調節可能に構成してある。
【0007】
〔作用〕
上記請求項1記載の発明によると、差動切換装置により差動装置を非差動状態に切り換えると、左右のクローラ式走行装置の差動が阻止されることから、左右のクローラ式走行装置を等速駆動させる直進状態を現出することができ、差動切換装置により差動装置を差動状態に切り換えると、左右のクローラ式走行装置をその差動を許容する状態で駆動させる旋回可能状態を現出することができ、この状態で一方の摩擦ブレーキにより一方のクローラ式走行装置に制動力を付与すると、差動装置の作用で一方のクローラ式走行装置が減速され、かつ、他方のクローラ式走行装置が増速されることから、左右のクローラ式走行装置を不等速駆動させる旋回状態を現出することができ、この旋回状態では摩擦ブレーキの制動力を調節することで、左右のクローラ式走行装置を等速に近い状態で不等速駆動させる緩旋回状態から、一方のクローラ式走行装置を完全に制動停止させる急旋回状態までを無段階で現出することができるようになる。
【0008】
つまり、前述した従来技術のように一方のクローラ式走行装置への伝動を絶つことで旋回状態を現出するのではなく、差動装置と摩擦ブレーキの作用で左右のクローラ式走行装置を不等速駆動させることで旋回状態を現出するようにしていることから、作業地が走行抵抗の大きい例えば地盤の軟弱な圃場などであっても、直進状態から旋回状態を現出する際に、一方のクローラ式走行装置がその付着力や走行抵抗などに起因していきなりブレーキで制動停止されたような状態になる、及び、旋回状態から直進状態を現出する際に、一方のクローラ式走行装置がその付着力や走行抵抗などに起因してブレーキで制動停止されたような状態からいきなり高速駆動される、といった不都合を招くことがなく、これによって、直進走行から旋回走行への移行及び旋回走行から直進走行への移行を大きなショックを発生させることなく円滑に行えるようになる。
【0009】
又、クラッチ・ブレーキを採用した前述の従来技術においては、非伝動状態に切り換えられた他方のクローラ式走行装置に対する制動力の変化にかかわらず、伝動状態が維持される一方のクローラ式走行装置の駆動速度が一定であるのに対し、上記請求項1記載の発明では差動装置を採用したことによって、摩擦ブレーキにて一方のクローラ式走行装置を減速させると他方のクローラ式走行装置が増速されるようになることから、クラッチ・ブレーキを採用する場合に比較して、左右のクローラ式走行装置の速度差をより大きくすることができるようになり、もって、より小さい旋回半径で機体を旋回させることができるようになる。
【0010】
一方、摩擦クラッチは、その接合力が大きいほど、滑りが生じ難くなって、左右のクローラ式走行装置に対する差動抑制力が大きくなることから、旋回性を低下させることになり、逆に、その接合力が小さいほど、滑りが生じ易くなって、左右のクローラ式走行装置に対する差動抑制力が小さくなることから、旋回性を向上させることになる。
【0011】
そのため、例えば、差動装置を非差動状態から差動状態に切り換えた直後や差動状態から非差動状態に切り換える直前に摩擦クラッチを接合させて左右のクローラ式走行装置の差動を抑制するようにすれば、差動状態での直進走行時に、左右のクローラ式走行装置に対する走行抵抗が大きく異なることに起因して機体が蛇行する虞を回避できるようになる。
【0012】
しかも、例えば、差動装置を差動状態に切り換えた際に現出される摩擦クラッチの接合力を設定変更できるように構成すれば、その設定変更で旋回操作時の旋回特性を変更することができ、又、一方のクローラ式走行装置に作用する摩擦ブレーキの制動力に応じて摩擦クラッチの接合力が変化するように構成すれば、摩擦ブレーキの制動力と摩擦クラッチの接合力との関係を変更することで旋回操作時の旋回特性を変更できるようになる。
【0013】
つまり、作業の種類や作業地の状態に応じた好適な旋回特性の設定を可能にすることができ、作業性の向上を図れるようになる。
更に、差動装置を採用したことで、左右のクローラ式走行装置を差動装置及び左右の摩擦ブレーキと同軸芯上に配設することができるので、差動装置及び左右の摩擦ブレーキを内装するミッションケースの小型化を図ることができ、それによって機体の小型化をも図れるようになる。
【0014】
また、一方の摩擦ブレーキを制動するに伴って旋回走行が開始され、その旋回開始から一方の摩擦ブレーキの制動力が所定値を超えるまでの間は、一方のクローラ式走行装置に対する制動力が低い状態であり、かつ、摩擦クラッチが接合されることで左右のクローラ式走行装置の差動抑制力が最大になることから、左右のクローラ式走行装置が等速に近い状態で不等速駆動される緩旋回状態が現出されるようになる。
そして、一方の摩擦ブレーキの制動力が所定値を超えると、その超過量が大きいほど、一方のクローラ式走行装置に対する制動力が大きくなり、かつ、接合状態の摩擦クラッチの接合力が低下して滑りが発生し易くなることで左右のクローラ式走行装置の差動抑制力が低下するようになることから、一方の摩擦ブレーキの制動力に応じて一方のクローラ式走行装置が制動減速され、かつ、他方のクローラ式走行装置が増速される旋回状態となり、一方の摩擦ブレーキの制動力が最大又はそれに近い状態になると、一方のクローラ式走行装置を制動停止させ、他方のクローラ式走行装置の駆動速度を2倍に増速させた急旋回状態が現出されるようになる
【0015】
〔効果〕
従って、直進走行から旋回走行への移行及び旋回走行から直進走行への移行を大きなショックを発生させることなく円滑に行える上に、旋回性能の向上、差動状態での直進走行時における直進性の向上、作業の種類や作業地の状態に応じた旋回特性の設定による作業性の向上、及びミッションケースや機体の小型化を図れるようになった。
【0016】
〔構成〕
本発明のうちの請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の発明において、前記差動切換装置が、前記摩擦クラッチとは別に差動切換装置の作動状態を切り換えるための爪クラッチを備えて構成され、この爪クラッチの噛合で前記差動装置の非差動状態を現出し、前記爪クラッチの噛合解除で前記差動装置の差動状態を現出するように構成してある。
【0017】
〔作用
ころで、例えば、差動切換装置を摩擦クラッチの接合で差動装置の非差動状態を現出するように構成することも考えられるが、この場合には、直進性を確保するために、摩擦クラッチとして、左右のクローラ式走行装置の差動を滑り無く確実に阻止し得る強い接合力を有する接合面積の大きい大型のものを採用する必要が生じ、又、それによって差動切換装置が大型化するとともに差動切換装置を内装するミッションケースも大型化するようになることから、製造コストが嵩む不都合や機体が大型化する不都合などを招くようになる。
【0018】
そこで、上記請求項2記載の発明では、差動装置の非差動状態の現出を滑りのない爪クラッチの噛合で行うようにしているのであり、これによって、差動切換装置の大型化などに起因した製造コストの高騰や機体の大型化を招くことなく差動装置の非差動状態の現出を確実に行えるようになる。
【0019】
〔効果〕
従って、製造コストの高騰や機体の大型化を招くことなく差動装置の非差動状態の現出を確実に行えるようになった。
【0020】
〔構成〕
本発明のうちの請求項3記載の発明では、上記請求項2記載の発明において、前記差動切換装置と左右の摩擦ブレーキとを、一方の摩擦ブレーキの制動開始に伴って前記爪クラッチが噛合解除し、前記摩擦ブレーキの制動力が所定値以下である場合には前記摩擦クラッチが接合状態となり、前記摩擦ブレーキの制動力が所定値を超える場合にはその制動力が大きくなるほど前記摩擦クラッチの接合力が低下し、前記摩擦ブレーキの制動解除に伴って前記爪クラッチが噛合するように連係した。
【0021】
〔作用〕
上記請求項3記載の発明によると、一方の摩擦ブレーキを制動開始させると、それに伴って爪クラッチが噛合解除されることから旋回走行が開始され、その旋回開始から一方の摩擦ブレーキの制動力が所定値を超えるまでの間は、一方のクローラ式走行装置に対する制動力が低い状態であり、かつ、摩擦クラッチが接合されることで左右のクローラ式走行装置の差動抑制力が最大になることから、左右のクローラ式走行装置が等速に近い状態で不等速駆動される緩旋回状態が現出されるようになる。
【0022】
そして、一方の摩擦ブレーキの制動力が所定値を超えると、その超過量が大きいほど、一方のクローラ式走行装置に対する制動力が大きくなり、かつ、摩擦クラッチの接合力が低下して滑りが発生し易くなることで左右のクローラ式走行装置の差動抑制力が低下するようになることから、一方の摩擦ブレーキの制動力に応じて一方のクローラ式走行装置が制動減速され、かつ、他方のクローラ式走行装置が増速される旋回状態となり、一方の摩擦ブレーキの制動力が最大又はそれに近い状態になると、摩擦クラッチが接合解除されて左右のクローラ式走行装置の差動を抑制しなくなることから、一方のクローラ式走行装置を制動停止させ、かつ、他方のクローラ式走行装置の駆動速度を2倍に増速させた急旋回状態が現出されるようになる。
【0023】
又、一方の摩擦ブレーキを制動解除すると、それに伴って爪クラッチが噛合されて左右のクローラ式走行装置の差動を阻止することから、左右のクローラ式走行装置がそれぞれの走行抵抗に差が生じて差動することに起因した機体の蛇行を回避できる好適な直進状態が現出されるようになる。
【0024】
〔効果〕
従って、左右のクローラ式走行装置の差動を阻止した直進走行から左右のクローラ式走行装置が等速に近い状態で不等速駆動される緩旋回走行への移行、その緩旋回走行から一方のクローラ式走行装置を制動停止させ他方のクローラ式走行装置の駆動速度を2倍に増速させた急旋回走行への移行、その急旋回走行から前述した緩旋回走行への移行、及び、その緩旋回走行から前述した直進走行への移行を、簡単な操作で円滑に一連で行えるようになった。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1には作業機の一例であるコンバインの走行伝動構造が示されており、エンジン1からの動力が、ベルトテンション式の走行クラッチ2を介して、高低2段の変速が可能となるように構成された油圧クラッチ式の第1副変速装置3に伝達され、第1副変速装置3からの動力が、高低2段の変速が可能となるように構成された噛合式の第2副変速装置4に伝達され、第2副変速装置4からの動力が、前後進の切り換えと前進3段の変速が可能となるように構成された油圧クラッチ式の主変速装置5に伝達され、主変速装置5からの動力が、差動装置6及び左右の車軸7を介して左右のクローラ式走行装置8に伝達されるように構成されている。
【0026】
尚、第1副変速装置3からの動力は、噛合式の刈取変速装置9及びベルト式伝動装置10を介して刈取搬送部11に作業用動力として伝達されるようになっている。
【0027】
図1及び図2に示すように、差動装置6は、主変速装置5の第1出力ギヤ5aと第2出力ギヤ5bとに噛合する入力ギヤ12aを備えた差動ケース12、差動ケース12に横軸芯P1周りに一体回転するとともに横軸芯P1と直交する軸芯P2周りに相対回転可能に支持された一対の差動ピニオン13、及び、一対の差動ピニオン13に亘って噛合する左右一対のサイドギヤ14、などによって構成されており、左右の各サイドギヤ14に対応する車軸7が連動連結され、各車軸7に操向用の摩擦ブレーキ15が装備されている。
【0028】
差動ケース12と右側の車軸7との間には、差動装置6を、左右のクローラ式走行装置8の差動を阻止して機体を直進させる非差動状態と、左右のクローラ式走行装置8の差動を許容して機体の旋回を可能にする差動状態とに切り換える差動切換装置16が介装されており、差動切換装置16は、爪クラッチ16Aの噛合で差動装置6の非差動状態を現出し、爪クラッチ16Aの噛合解除で差動装置6の差動状態を現出し、その差動状態では摩擦クラッチ16Bの接合による左右のクローラ式走行装置8の差動抑制が可能となるように、爪クラッチ16Aと油圧式の摩擦クラッチ16Bとを並列装備して構成されている。
【0029】
図2に示すように、左右の各摩擦ブレーキ15は、3位置切り換え式の第1制御弁17と第1圧力調整弁18の作動で、シーケンス弁19を介した第1油圧ポンプ20からの作動油が対応する操向用の第1油圧シリンダ21に供給されることで対応するクローラ式走行装置8に付与する制動力が大きくなり、対応する第1油圧シリンダ21から作動油が排出されることで対応するクローラ式走行装置8に付与する制動力が小さくなるように構成されている。爪クラッチ16Aは、2位置切り換え式の第2制御弁22の作動で、第2油圧ポンプ23からの作動油が第2油圧シリンダ24に供給されることで噛合し、第2油圧シリンダ24から作動油が排出されることで噛合を解除するように構成されている。摩擦クラッチ16Bは、第2圧力調整弁25の作動で、第2油圧ポンプ23からの作動油が供給されることで接合力が大きくなり、作動油が排出されることで接合力が小さくなるように構成されている。尚、図2に示す符号26は高圧リリーフ弁である。
【0030】
第1制御弁17は、搭乗運転部に配備された操向レバー27が中立位置Nに操作されると左右の第1油圧シリンダ21から作動油を排出する状態に切り換えられ、操向レバー27が左旋回操作域Lに操作されると左側の第1油圧シリンダ21に作動油を供給する状態に切り換えられ、操向レバー27が右旋回操作域Rに操作されると右側の第1油圧シリンダ21に作動油を供給する状態に切り換えられるように、操向レバー27に連係されている。
【0031】
第1圧力調整弁18は、操向レバー27が中立位置Nに操作されている状態ではリリーフ設定圧が最小となり、操向レバー27が左右いずれかの旋回操作域L,Rに操作されている状態では、操向レバー27が中立位置Nから離れる側に位置するほどリリーフ設定圧が大きくなるように、操向レバー27に連係されている。
【0032】
第2制御弁22は、操向レバー27が中立位置Nに操作されると第2油圧シリンダ24及び摩擦クラッチ16Bに作動油を供給する状態に切り換えられ、操向レバー27が左右いずれかの旋回操作域L,Rに操作されると第2油圧シリンダ24から作動油を排出し、かつ、摩擦クラッチ16Bに作動油を供給する状態に切り換えられるように、操向レバー27に連係されている。
【0033】
第2圧力調整弁25は、操向レバー27が、摩擦ブレーキ15の制動力が所定値a以下になる中立位置Nから左右の各旋回操作域L,Rの所定位置La,Raに亘る操作域に位置する状態ではリリーフ設定圧が最大となり、操向レバー27が左右いずれかの旋回操作域L,Rにおいて所定位置La,Ra以上に中立位置Nから離れる側に操作されるほどリリーフ設定圧が小さくなるように、操向レバー27に連係されている。
【0034】
つまり、図3に示すように、左右の摩擦ブレーキ15と差動切換装置16とは、操向レバー27の操作に基づいて、左右いずれか一方の摩擦ブレーキ15の制動開始に伴って爪クラッチ16Aが噛合解除し、摩擦ブレーキ15の制動力が所定値a以下である場合には摩擦クラッチ16Bが接合状態となり、摩擦ブレーキ15の制動力が所定値aを超える場合にはその制動力が大きくなるほど摩擦クラッチ16の接合力が低下し、摩擦ブレーキ15の制動解除に伴って爪クラッチ16Aが噛合するように連係されている。
【0035】
以上の構成から、操向レバー27を中立位置Nから左右いずれかの旋回操作域L,Rに操作すると、その操作方向に対応する一方の摩擦ブレーキ15が制動を開始し、それに伴って爪クラッチ16Aが噛合解除されることから、操向レバー27の操作方向に応じた旋回走行を開始させることができ、その旋回開始状態では、操向レバー27が左右いずれかの旋回操作域L,Rにおいて所定位置La,Raよりも中立位置N側に位置することによって、一方の摩擦ブレーキ15の制動力が所定値a以下となる一方のクローラ式走行装置8に対する制動力が低い状態となり、かつ、摩擦クラッチ16Bが完全に接合されていることで左右のクローラ式走行装置8に対する差動抑制力が最大になることから、左右のクローラ式走行装置8が等速に近い状態で不等速駆動される緩旋回状態を現出することができるようになっている。
【0036】
そして、その左右いずれかの旋回操作域L,Rにおいて操向レバー27を所定位置La,Raよりも中立位置Nから離れる側に操作すると、操向レバー27が中立位置Nから離れるほど、一方の摩擦ブレーキ15の対応するクローラ式走行装置8に対する制動力が大きくなり、かつ、摩擦クラッチ16Bの接合力が低下して滑りが発生し易くなることで左右のクローラ式走行装置8に対する差動抑制力が低下するようになることから、一方の摩擦ブレーキ15の操作量に応じて一方のクローラ式走行装置8が制動減速され、かつ、他方のクローラ式走行装置8が増速される旋回状態を現出することができ、操向レバー27の中立位置Nからの操作量を最大にすると、一方の摩擦ブレーキ15の対応するクローラ式走行装置8に対する制動力が最大となり、かつ、摩擦クラッチ16Bが接合解除されて左右のクローラ式走行装置8の差動を抑制しなくなることから、一方のクローラ式走行装置8を制動停止させ、かつ、他方のクローラ式走行装置8の駆動速度を2倍に増速させた急旋回状態を現出することができるようになっている。
【0037】
逆に、操向レバー27を中立位置Nからの操作量を最大にした状態から中立位置N側に操作すると、操向レバー27が所定位置La,Raに近づくほど、一方の摩擦ブレーキ15の対応するクローラ式走行装置8に対する制動力が小さくなり、かつ、摩擦クラッチ16Bの接合力が大きくなって滑りが発生し難くなることで左右のクローラ式走行装置8に対する差動抑制力が大きくなることから、一方の摩擦ブレーキ15の操作量に応じて一方のクローラ式走行装置8が増速され、かつ、他方のクローラ式走行装置8が減速される旋回状態を現出することができ、操向レバー27が所定位置La,Raに到達すると、一方の摩擦ブレーキ15の制動力が所定値a以下となる一方のクローラ式走行装置8に対する制動力が低い状態となり、かつ、摩擦クラッチ16Bが完全に接合されることで左右のクローラ式走行装置8に対する差動抑制力が最大になることから、左右のクローラ式走行装置8が等速に近い状態で不等速駆動される緩旋回状態を現出することができるようになっている。
【0038】
そして、操向レバー27を左右いずれかの旋回操作域L,Rから中立位置Nに操作すると、一方の摩擦ブレーキ15が制動解除され、それに伴って爪クラッチ16Aが噛合されて左右のクローラ式走行装置8の差動を阻止することから、左右のクローラ式走行装置8がそれぞれの走行抵抗に差が生じて差動することに起因した機体の蛇行を回避できる好適な直進状態を現出することができるようになっている。
【0039】
つまり、操向レバー27の操作による爪クラッチ16Aの切り換え操作で、左右のクローラ式走行装置8の差動を阻止して等速駆動させた直進状態から、左右のクローラ式走行装置8の差動を許容して不等速駆動させる旋回状態を現出することができ、又、旋回状態においては、操向レバー27の操作による摩擦ブレーキ15の制動力の調節及び摩擦クラッチ16の差動抑制力の調節で、左右のクローラ式走行装置8を等速に近い状態で不等速駆動させる緩旋回状態から、一方のクローラ式走行装置8を制動停止させ、かつ、他方のクローラ式走行装置8の駆動速度を2倍に増速させた急旋回状態までを無段階で現出させることができるようになっており、もって、簡単な操向レバー27の操作で、直進走行から緩旋回走行への移行、緩旋回走行から急旋回走行への移行、急旋回走行から緩旋回走行への移行、及び、緩旋回走行から直進走行への移行を、円滑に一連で行えるようになっている。
【0040】
〔別実施形態〕
以下、本発明の別実施形態を列記する。
(1)作業機としては、左右一対のクローラ式走行装置8で走行する構成のものであれば、バックホーやトラクタなどであってもよい。
(2)操向用の左右の摩擦ブレーキ15を走行ブレーキに兼用できるように構成してもよい。
(3)操向用の左右の摩擦ブレーキ15に、第1ポンプ20からの作動油が対応する第1油圧シリンダ21に供給されることで対応するクローラ式走行装置8に対する制動力が小さくなり、対応する第1シリンダ21から作動油が排出されることで対応するクローラ式走行装置8に対する制動力が大きくなるネガティブ形式のものを採用して、左右の摩擦ブレーキ15を駐車ブレーキに利用できるように構成してもよい。
(4)左右の摩擦ブレーキ15と差動切換装置16とを、左右いずれか一方の摩擦ブレーキ15の制動開始に伴って爪クラッチ16Aが噛合解除し、摩擦ブレーキ15の制動力が大きくなるほど摩擦クラッチ16Bの接合力が低下し、摩擦ブレーキ15の制動解除に伴って爪クラッチ16Aが噛合するとともに摩擦クラッチ16Bが完全接合するように連係してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの走行伝動構造を示す断面図
【図2】操向用の油圧回路図
【図3】差動切換装置と摩擦ブレーキとの関係をグラフ化した図
【符号の説明】
6 差動装置
8 クローラ式走行装置
15 摩擦ブレーキ
16 差動切換装置
16A 爪クラッチ
16B 摩擦クラッチ

Claims (3)

  1. 走行用の動力を左右のクローラ式走行装置に差動装置を介して伝達し、該差動装置を、前記左右のクローラ式走行装置の差動を阻止して機体を直進させる非差動状態と、前記左右のクローラ式走行装置の差動を許容して機体の旋回を可能にする差動状態とに切り換える差動切換装置を設け、
    前記差動装置と左右の各クローラ式走行装置との間に操向用の摩擦ブレーキを介装し、
    前記差動切換装置に、前記差動装置の差動状態における前記左右のクローラ式走行装置の差動抑制を可能にする摩擦クラッチを備え、
    前記差動切換装置と左右の摩擦ブレーキとを、前記摩擦ブレーキの制動力が所定値以下である場合には前記摩擦クラッチが接合状態となり、前記摩擦ブレーキの制動力が所定値を超える場合にはその制動力が大きくなるほど前記接合状態の摩擦クラッチの接合力が低下するように連係して、前記摩擦ブレーキの制動力と前記摩擦クラッチの差動抑制力とを調節可能に構成してある作業機の走行伝動構造。
  2. 前記差動切換装置は、前記摩擦クラッチとは別に差動切換装置の作動状態を切り換えるための爪クラッチを備えて構成され、この爪クラッチの噛合で前記差動装置の非差動状態を現出し、前記爪クラッチの噛合解除で前記差動装置の差動状態を現出するように構成してある請求項1記載の作業機の走行伝動構造。
  3. 前記差動切換装置と左右の摩擦ブレーキとを、一方の摩擦ブレーキの制動開始に伴って前記爪クラッチが噛合解除し、前記摩擦ブレーキの制動力が所定値以下である場合には前記摩擦クラッチが接合状態となり、前記摩擦ブレーキの制動力が所定値を超える場合にはその制動力が大きくなるほど前記摩擦クラッチの接合力が低下し、前記摩擦ブレーキの制動解除に伴って前記爪クラッチが噛合するように連係してある請求項2記載の作業機の走行伝動構造。
JP2000127906A 2000-04-27 2000-04-27 作業機の走行伝動構造 Expired - Fee Related JP3630612B2 (ja)

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