JP2001260839A - 車両用制動圧力制御方法 - Google Patents

車両用制動圧力制御方法

Info

Publication number
JP2001260839A
JP2001260839A JP2000078686A JP2000078686A JP2001260839A JP 2001260839 A JP2001260839 A JP 2001260839A JP 2000078686 A JP2000078686 A JP 2000078686A JP 2000078686 A JP2000078686 A JP 2000078686A JP 2001260839 A JP2001260839 A JP 2001260839A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
valve
vehicle
wheel
supply valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000078686A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadashige Sakamoto
忠重 坂元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bosch Corp
Bosch Braking Systems Corp
Original Assignee
Bosch Braking Systems Co Ltd
Bosch Braking Systems Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bosch Braking Systems Co Ltd, Bosch Braking Systems Corp filed Critical Bosch Braking Systems Co Ltd
Priority to JP2000078686A priority Critical patent/JP2001260839A/ja
Publication of JP2001260839A publication Critical patent/JP2001260839A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車輪制動装置の減圧制御時の減圧ゲインを容
易且つきめ細かく制御できる車両用制動圧力制御方法を
提供すること。 【解決手段】 車輪制動装置の作動流体の減圧制御時、
排出弁8A〜8Dを連通位置として車輪制動装置とリザ
ーバ30A、30Bとの間を連通させるとともに、供給
弁7A〜7Dを、圧力発生源1と車輪制動装置との間を
遮断する位置あるいは車輪制動装置の作動流体を増圧さ
せない範囲内で開とし、この供給弁7A〜7Dの開度
(遮断のときは0)を調整することにより車輪制動装置
の作動流体の減圧速度を調整するようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用制動圧力制御
方法に関し、更に詳しくは、車輪制動装置の作動流体圧
を減圧制御する方法に係る車両用制動圧力制御方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】例えばアンチスキッド制御時において、
車輪制動装置としてのホイールシリンダのブレーキ液の
減圧制御時、ホイールシリンダとアンチスキッド制御用
リザーバとの間に配設された排出弁を連通状態とするこ
とにより、ホイールシリンダからブレーキ液を排出弁を
介してリザーバへ排出させ、ホイールシリンダのブレー
キ液を減圧させる。
【0003】そして、減圧ゲイン、すなわちホイールシ
リンダのブレーキ液の減圧速度は、排出弁内あるいは排
出弁の出口側に設けられた絞りの径に依存し、各車両ご
とに絞り径は固定であるので、車両の走行状態や路面状
態などに応じて減圧ゲインを調整することができない。
また、絞り径の設定は、例えば高μ路面から低μ路面に
車両がμジャンプして移行したときでは急減圧する必要
があるため、絞りの径はこれに対処できるように大きく
する必要がある。しかし、高μ路面走行時のアンチスキ
ッド制御では上記の高μ→低μジャンプのときほどの急
減圧は必要なく絞りの径もそれほど大きくする必要はな
い。従って、これらの中間の絞り径とすればよいが、車
種に応じて最適な絞り径を決定するするのは手間と時間
がかかる。
【0004】そこで、例えば特開平8−133051号
公報では、減圧制御時に排出弁の遮断と連通を短時間で
切換えることにより減圧ゲインを調整している。図10
はこの作用を模式的に示したものであるが、図において
Lはホイールシリンダにおけるブレーキ液圧のレベルを
示す。25は通常遮断位置をとり、ソレノイド部sが励
磁されると連通位置に切り換わる排出弁(電磁弁)であ
り、26は液圧ポンプである。
【0005】アンチスキッド制御中は、液圧ポンプ26
が駆動され、排出弁25が連通位置に切り換わるとブレ
ーキ液はホイールシリンダから排出され、液圧ポンプ2
6により再びホイールシリンダへと戻される。液圧ポン
プ26の吐出側とホイールシリンダとの間には減圧制御
時に絞り位置をとるメカバルブが配設されており(図示
せず)、減圧制御時、ホイールシリンダには一定のレー
トでブレーキ液が流入している。そして、このとき排出
弁25の遮断と連通を繰り返すことにより、ホイールシ
リンダにおける液圧レベルLの下がる速さ、すなわち減
圧ゲインを調整している。
【0006】また、特開平11−268625号公報で
は、減圧制御時、マスタシリンダとホイールシリンダと
の間に配設された供給弁を遮断状態にするとともに、ホ
イールシリンダとアンチスキッド用リザーバとの間に配
設された排出弁(電磁弁)のソレノイド部への励磁電圧
のPWM制御(パルス幅変調制御)を行うことにより弁
体のストローク、すなわちバルブ開度を調整して減圧ゲ
インを調整している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】先に挙げた特開平8−
133051号公報では、排出弁25の遮断と連通との
切換えのみにより排出量を調整しているのできめ細かな
減圧ゲインの制御はできない。また、後に挙げた特開平
11−268625号公報では、減圧ゲインの調整方法
は排出弁の開度を調整することにより行われている。し
かし、排出弁では、以下に述べるように弁体の微妙なス
トローク制御が難しいという問題がある。
【0008】図11は排出弁を模式的に示したものであ
る。アーマチュア24とこれに例えば溶接又はろう付け
Wで固定された弁体としての弁球27は弁座28と対向
して配設され、アーマチュア24及び弁球27は、予負
荷を与えられたコイルばね29及びホイールシリンダ側
とリザーバ側との差圧によって弁座28側に付勢され、
非励磁の状態(図示の状態)では弁球27は弁座28に
圧接してホイールシリンダ側とリザーバ側とを遮断して
いる。
【0009】図示しない電磁コイルに電流を流すと、ア
ーマチュア24と磁性材で成る固定子(図示せず)との
間に作用する磁力により、アーマチュア24は、コイル
ばね29及びホイールシリンダ側とリザーバ側との差圧
による力に抗して図において上方に移動して弁球27は
弁座28から離座し、ホイールシリンダ側とリザーバ側
とは連通する。
【0010】弁球27に作用する力及びその方向を図1
1の右方に示す。コイルばね29のばね力Fspr 及びホ
イールシリンダ側とリザーバ側との差圧により生じる力
FΔ P2は、弁球27を弁座28に付勢する方向(図にお
いて下方)に作用し、磁力F mag は弁球27を弁座28
から離座させる方向(図において上方)へと作用する。
【0011】弁球27の着座状態からのストロークに対
する、上記各力の変化を図12に示す。弁球27のスト
ロークの増大にともない(弁球27と弁座28との間の
開度が大きくなると)、磁力Fmag (細線)も増大して
いく。磁力Fmag はある一定電流値Aにおける、弁球2
7のストロークに対する変化であり、電流Aより大であ
る一定電流A’のときは磁力Fmag ’(>Fmag )とな
る。
【0012】コイルばね29のばね力Fspr (点線)
は、弁球27のストロークに比例して増大していく。ホ
イールシリンダ側とリザーバ側との差圧により生じる力
FΔP2(一点鎖線)は、弁球27のストロークの増大に
ともない(開度が大となることにともない)減少してい
き、ある開度でホイールシリンダ側とリザーバ側とが連
通状態となり、差圧により生じる力FΔP2が0となる。
spr +FΔP2(太線)は、ばね力Fspr と差圧により
生じる力FΔP2との合力を示し、すなわち、弁球27を
弁座28へと付勢する力である。
【0013】図11の状態から、弁球27を弁座28か
ら離座させるには、図12において、電流値をA’とす
る。すなわち、磁力Fmag ’の最小値が、閉位置におけ
る合力Fspr +FΔP2の値よりも大となるようにする。
このとき、磁力Fmag ’は弁球27のストロークの増大
にともない増加していくが、この磁力Fmag ’と反対方
向に弁球27に作用している合力Fspr +FΔP2は減少
していく。従って、磁力Fmag ’と合力Fspr +FΔP2
との力関係において、少しのストロークの増大で磁力F
mag ’の割合が急に大きくなる。すなわち、図11の状
態から、磁力F mag ’を発生させるべく電磁コイルに電
流A’を与えて弁球27が少し離座しただけで急激に開
度が大きくなってしまう。また、弁球27が閉じる方向
に移動するにしたがって、この閉じる方向へと付勢する
合力Fspr +FΔP2の割合が急に増大するので、開度が
小さくなると大きな加速度をもって弁球27は一気に閉
じてしまう。電磁コイルに流れる電流の大きさを変える
ことによって磁力の大きさを変えて弁球27のストロー
クを調整するが、上述したような弁球27に対向して作
用する2つの力の、弁球27のストローク変化に対する
特性により、排出弁においては弁球27の微妙なストロ
ーク調整、すなわち弁開度のきめ細かい制御が困難であ
る。
【0014】本発明は上述の問題に鑑みてなされ、車輪
制動装置の減圧制御時の減圧ゲインを容易且つきめ細か
く制御できる車両用制動圧力制御方法を提供することを
課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するに
あたり、本発明では、車輪制動装置の作動流体の減圧制
御時、排出弁を連通位置として車輪制動装置とリザーバ
との間を連通させるとともに、供給弁を、圧力発生源と
車輪制動装置との間を遮断する位置、あるいは車輪制動
装置の作動流体を増圧させない範囲内で開とし、この供
給弁の開度(遮断のときは0)を調整することにより車
輪制動装置の作動流体の減圧速度を調整するようにして
いる。供給弁においては、弁体に作用する磁気力、及び
これと反対方向に作用するばね力とマスタシリンダ側と
ホイールシリンダ側との差圧により生じる力との合力
が、弁体のストローク変化に対して同傾向の特性曲線な
ので、弁体の微妙なストローク調整が容易に行え、車輪
制動装置への作動流体の流入量をきめ細かく調整でき
る。このことにより、車両状態や路面状態等に応じた最
適な車輪制動装置の減圧ゲインの制御が可能になる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0017】本発明におけるブレーキ配管系統図の一例
として、図1にアンチスキッド制御用のブレーキ配管系
統図を示す。符号1は圧力発生源としてのブースタ付き
マスタシリンダを示し、ブレーキペダル2がブースタ3
を介してマスタシリンダ本体4に接続され、マスタシリ
ンダ本体4には、作動流体としてのブレーキ液の貯蔵用
リザーバ5が設けられている。マスタシリンダ本体4に
は2つの液圧発生室が画成されており、ブレーキペダル
2を踏み込むと管路31a、31b内に圧力が発生す
る。
【0018】管路31aは、2ポート2位置電磁切換弁
(供給弁)7A、7Cを介して右側前輪FR及び左側後
輪RLのホイールシリンダに接続している。他方の管路
31bは、2ポート2位置電磁切換弁(供給弁)7B、
7Dを介して左側前輪FL及び右側後輪RRのホイール
シリンダに接続している。すなわち、X配管が採用され
ている。
【0019】また、右側前輪FR及び左側後輪RLのホ
イールシリンダは2ポート2位置電磁切換弁(排出弁)
8A、8C及び弛め管路Rを介してリザーバ30Aに接
続されている。同様に他方の系統の左側前輪FL及び右
側後輪RRのホイールシリンダは2ポート2位置電磁切
換弁(排出弁)8B、8D及び弛め管路Rを介してリザ
ーバ30Bに接続されている。
【0020】リザーバ30A、30Bは公知の構造を有
し、シリンダ本体内に摺動可能にピストンがばねにより
図において上方に付勢されて、ブレーキ液貯蔵室と空気
室とを画成している。これらリザーバ30A、30Bの
ブレーキ液貯蔵室は、管路31aa、31baを介して
液圧ポンプ10の吸込側に接続され、液圧ポンプ10の
吐出側は、ダンパ17a、17bを介して管路31a、
31bに接続されている。
【0021】液圧ポンプ10は公知のように構成され、
モータ11、偏心機構12、逆止弁33a、33b及び
逆止弁34a、34bから成っており、一対のプランジ
ャが相反する方向に往復動することにより、リザーバ3
0A、30Bのブレーキ液を管路31a、31b側に戻
すように構成されている。
【0022】また、供給弁7A〜7Dの入口側には絞り
15が設けられ、排出弁8A〜8Dの出口側には絞り1
6が設けられている。更に、供給弁7A〜7Dには並列
にマスタシリンダ1側への方向を順方向とする逆止弁g
が設けられている。
【0023】各車輪FR、RL、RR、FLには近接し
てそれぞれ車輪速度センサW1、W2、W3、W4が配
設され、これらの検出信号はコントロールユニット(E
CU;Electronic Control Unit )20に供給される。
ECU20はこれらセンサの出力を受けてブレーキを弛
めるべきか、保持するべきか、増圧するべきかを判断
し、この判断結果に基づいて供給弁7A〜7D及び排出
弁8A〜8Dのソレノイド部sを励磁、または非励磁す
る。
【0024】ホイールシリンダの液圧を上昇させる場合
には、ソレノイド部sはすべて非励磁となっており(図
示の状態)、供給弁7A〜7Dは連通位置をとる。従っ
て、運転者がブレーキペダル2を踏むことによって発生
した圧液は供給弁7A〜7Dを通ってホイールシリンダ
に供給されブレーキがかけられる。
【0025】ECU20がブレーキを弛めるべきである
と判断すると、排出弁8A〜8Dのソレノイド部sが励
磁されて連通状態とされると共に、後述するように、供
給弁7A〜7Dは遮断あるいは微開状態とされ、ホイー
ルシリンダの圧液は排出弁8A〜8Dを通ってリザーバ
30A、30Bに排出されブレーキが弛められる。
【0026】次に、供給弁7A〜7Dの具体的な構成に
ついて図2を参照して説明する。図2は例えば供給弁7
Aを示すが、他の供給弁7B〜7Dも同じ構成であり、
その作用も同じである。また、以下の説明では右前輪F
Rの制動系について説明するが、他の3つの制動系につ
いても同様のことが言える。
【0027】ボビン42に上述のソレノイド部sに相当
する電磁コイル45が巻装されている。電磁コイル45
の内周の中心軸線に沿ってケーシング40と磁性材でな
る固定子46がある。ケーシング40と固定子46の軸
方向の孔には、アーマチュア41とこのアーマチュア4
1に固定されるロッド44が軸方向に案内されて摺動自
在に嵌合している。固定子46の下側部分の周面にはO
リング48及びカップシール52が嵌着され、ケーシン
グブロック47に液密に取り付けられている。ロッド4
4の下端部には弁球51が固定されており、これは弁座
形成部材53の上端部に形成される弁座53aとバルブ
リフトをおいてロッド44の軸方向で対向している。
【0028】ロッド44と弁座形成部材53との間には
コイルばね50が張設されており、ロッド44を図にお
いて上方に付勢して図示する位置をとらせている。弁座
形成部材53に形成された通孔53bはマスタシリンダ
側に接続される管路、図1において管路31aに連通し
ており、弁球51を配設させている固定子46下方部内
の弁室49は図1の右前輪FRのホイールシリンダ側に
連通している。
【0029】以上のように構成される供給弁7Aは、ソ
レノイド部としての電磁コイル45にECUから励磁信
号として電気エネルギーが供給され電流が流れると、ア
ーマチュア41が下方へと磁気吸引力を受けるとともに
ロッド44も下方へと移動し、その先端部に固定された
弁球51が弁座53aに着座することによりマスタシリ
ンダ側とホイールシリンダ側とを遮断する。電流がゼロ
となるとコイルばね50のばね力でロッド44が上方へ
と復動し、弁球51が弁座53aから離座してマスタシ
リンダ側とホイールシリンダ側とを連通する。
【0030】すなわち、開弁させたい場合には、電磁コ
イル45を流れる電流を遮断するか、あるいは閉弁時に
流す電流よりも小さな電流を流す。そして、電磁コイル
45を流れる電流を制御することによって、弁の開度、
すなわちホイールシリンダへのブレーキ流入量を調整し
て減圧ゲインを調整する。
【0031】電流の制御は、例えば電磁コイル45にパ
ルス状の電圧を供給して、その電圧のPWM制御によっ
て行われる。図5はそのパルス電圧の波形を示すが1サ
イクル中におけるONの時間TONの比率(デューティー
比)を制御することによって電磁コイル45に流れる電
流を制御している。
【0032】図3は供給弁を模式的に示したものであ
り、図示の状態は非励磁の状態を示す。弁球51に作用
する力及びその方向を図3の右方に示す。コイルばね5
0のばね力Fspr 及びマスタシリンダ側とホイールシリ
ンダ側との差圧により生じる力FΔP1は、弁球51を弁
座53aから離座させる方向(図において上方)へ作用
し、磁力Fmag は弁球51を弁座53aに着座させる方
向(図において下方)へと作用する。
【0033】弁球51の図示の状態からのストロークに
対する、上記各力の変化を図4に示す。弁球51のスト
ロークの増大にともない(弁球51と弁座53aとの間
の開度が小さくなると)、磁力Fmag (細線)も増大し
ていく。磁力Fmag はある一定電流値における、弁球2
7のストロークに対する変化であり、電流が大きくなる
と磁力も大となる。
【0034】コイルばね50のばね力Fspr (点線)
は、弁球51のストロークに比例して増大していく。マ
スタシリンダ側とホイールシリンダ側との差圧により生
じる力FΔP1(一点鎖線)は、初め連通状態であるので
マスタシリンダ側とホイールシリンダ側との液圧は等し
く差圧により生じる力FΔP1は0であり、その後徐々に
開度が小さくなっていきこの絞り効果により差圧により
生じる力FΔP1が生じ増大していく(閉で最大とな
る)。Fspr +FΔP1(太線)は、ばね力Fspr と差圧
により生じる力FΔP1との合力を示し、すなわち、弁球
51を弁座53aから離す方向へと付勢する力である。
【0035】磁力Fmag の最小値が、開位置における合
力Fspr +FΔP1よりも大となるべく大きさの電流を電
磁コイルに流すと弁球51は閉方向へとストロークす
る。供給弁においては、弁球51に対して対向して作用
している2つの力、磁力Fmagと合力Fspr +FΔ
P1は、弁球51のストローク変化に対して同傾向で増減
する。従って、弁球51のストローク変化に対してどち
らか一方の力のみが急に大きくなってしまうことがな
い。従って、弁球51の細かなストローク制御を容易に
行うことができる。
【0036】次に、減圧制御時における減圧ゲインの調
整について説明する。
【0037】図6はホイールシリンダを模式的に示した
ものであるが、Lはホイールシリンダの液圧レベルを示
す。減圧制御時、排出弁8Aはそのソレノイド部sが励
磁されて連通状態(全開)とされ、ブレーキ液は排出弁
8Aを介して排出されホイールシリンダ液圧は減圧され
る。ホイールシリンダからのブレーキ液の排出量自体
は、排出弁8Aの出口側に設けられた絞り16(図1参
照)の径及びホイールシリンダの圧力とリザーバのブレ
ーキ液貯蔵室の圧力との差によって決まる。すなわち、
差圧が一定の場合、上記排出量は一定である。本実施の
形態では、その車両で必要な最も大きな径に設定されて
いる。すなわち、高μ路から低μ路へジャンプして急速
にスリップした場合に必要とされる減圧ゲインが得られ
るべく設定されている。
【0038】一方供給弁7Aは、このとき遮断あるいは
微開状態とされる。つまり遮断状態とされれば、排出弁
8Aは全開であるので、液圧レベルLの下がる速さは最
も速く最大の減圧ゲインとなる。微開状態とすればその
開度に応じてホイールシリンダへのブレーキ液の流入量
が変わり、これに応じて減圧ゲインも変化する。供給弁
7Aからの流入量と排出弁8Aからの排出量が同じにな
れば、液圧レベルLは変動せず一定となる(減圧ゲイン
が0)。従って、供給弁7Aの開度を、増圧させない範
囲内で調整することによりホイールシリンダのブレーキ
液圧の減圧ゲインを制御することができる。開度の制御
は上述したソレノイド部sへの励磁電圧のPWM制御に
より行われる(遮断のときは開度0)。デューティー比
が大のときは開度は小さく、デューティー比が小のとき
は開度大となる。
【0039】図7は、上記供給弁7A及び排出弁8Aの
開閉動作とホイールシリンダ液圧の時間経過を示すグラ
フである。時刻t1で、排出弁8Aが開となるととも
に、供給弁7Aは得ようとする減圧ゲインの大きさに応
じて閉あるいは微開とされ、その開度を制御することに
より減圧制御が行われる。これにより、ホイールシリン
ダ液圧は最適な減圧ゲインで時刻t2にかけて減圧され
る。このとき、供給弁7Aの開度が大のとき減圧ゲイン
は小さく(実線)、供給弁7Aの開度が小(または遮
断)のときは減圧ゲインが大きい(一点鎖線)。
【0040】次に、図8を参照して減圧ゲインを決定す
る上述のPWM制御のデューティー比決定の流れについ
て説明する。
【0041】車両制御アルゴリズム演算ブロック68に
は、操舵角センサ61、ヨーレートセンサ62、前後方
向Gセンサ63、横方向Gセンサ64、踏力センサ65
の各検出信号が入力される。また、車輪速度センサ60
の検出信号に基づいて演算ブロック67にて演算された
車輪速度及び車輪加減速度も入力される。そして、これ
ら信号に基づいて、車両制御アルゴリズム演算ブロック
68では、車両がスピンしている、車輪がスリップして
いるなどの状況を判定し、車輪のブレーキ液圧の制御モ
ードを決定する。また、減圧制御時には減圧ゲインの範
囲を決定し、後段の演算ブロックにて、その範囲の中か
ら所望の減圧ゲインが選ばれる(PWM制御のデューテ
ィー比が決定される)。
【0042】すなわち、表1に示されるように、車両諸
元(ホイールシリンダの消費液量、車輪のイナーシャな
ど)、路面状態(高μ、低μ、悪路、高μ→低μジャン
プ時、低μ→高μジャンプ時など)、車両状態(車輪加
減速度、車両加減速度、旋回時、ブレーキペダルを踏み
込む速度や大きさなど)に応じて減圧ゲインの大小が決
定される。
【0043】
【表1】
【0044】この車両制御アルゴリズム演算ブロック6
8からの出力信号に応じて供給弁と排出弁が駆動され
る。排出弁は、減圧制御時、ソレノイド部への励磁電圧
がONかOFFかで、連通か遮断かの制御が行われる。
【0045】他方、減圧制御時、供給弁の駆動にあたっ
ては、所望の開口度となるべくデューティー比が決定さ
れる。車両制御アルゴリズム演算ブロック68からの出
力信号を受けて、PWMデューティー比演算ブロック7
0にてデューティー比が演算される。制御開始時にはP
WM初期値設定ブロック69より与えられる初期値とす
るが、その後制御が進むにつれ学習演算により加減され
る。更に、PWMデューティー比補正ブロック71にて
デューティー比の補正が行われる。例えば、作動流体
(ブレーキ液)の温度センサ76の検出値、すなわちブ
レーキ液の粘度に応じて補正され、また、ブロック66
にて得られる励磁電圧の大きさ、更にはブロック75に
て推定演算されたマスタシリンダとホイールシリンダと
の差圧に応じて、デューティー比は補正される。
【0046】マスタシリンダとホイールシリンダとの差
圧が大のときはデューティー比小とされ、差圧が小のと
きはデューティー比大とされる。また、この差圧は供給
弁と排出弁の駆動出力(ブロック77の出力)によって
補正される。すなわち、減圧したか(このとき差圧大と
なる)、増圧したか(このとき差圧小となる)に応じて
補正される。また、差圧はブロック67にて得られる車
輪速度と車輪加減速度に基づいて演算して求めている
が、液圧センサを用いて直接測定してもよい。また、マ
スタシリンダとホイールシリンダのどちらか一方のみの
圧力に基づいてデューティー比の補正を行うようにして
もよい。
【0047】以上のような補正を受けて、ブロック72
にてデューティー比が決定される。そして、このデュー
ティー比で供給弁のソレノイド部へ電圧が供給され、供
給弁は所望の開度となるべく駆動される。
【0048】図9は本発明の第2の実施の形態によるブ
レーキ配管系統図を示す(1つの車輪90についての系
統を示す)。圧力発生源である液圧ポンプ86及びアキ
ュムレータ85と、車輪制動装置であるホイールシリン
ダ89との間には、供給弁84が配設され、ホイールシ
リンダ89とリザーバ87との間には排出弁83が配設
されている。
【0049】車両始動時に液圧ポンプ86を駆動し、リ
ザーバ87のブレーキ液を吸入してアキュムレータ85
に蓄圧しておく。運転者がブレーキペダル80を踏み込
むと踏力センサ81からの信号がECU82へと供給さ
れ、この信号を受けてECU82は供給弁84のソレノ
イド部sへの励磁信号を出力する。これにより、供給弁
84は連通位置へと切り換わり、アキュムレータ85に
蓄圧されているブレーキ圧液が供給弁84を通ってホイ
ールシリンダ89へと供給されブレーキがかけられる。
【0050】車輪速度センサ88からの信号はECU8
2に入力されるようになっており、例えばアンチスキッ
ド制御における減圧時には、更にECU82からの信号
により排出弁83のソレノイド部sが励磁されて連通位
置へと切り換わり、ブレーキ液はホイールシリンダ89
から排出弁83を通ってリザーバ87へと排出され、こ
のとき、供給弁84は、上記第1の実施の形態と同様に
図8に示される流れでそのソレノイド部sに供給される
電圧のデューティー比が決定され、これに応じて開度、
すなわちホイールシリンダ89のブレーキ液圧減圧ゲイ
ンが制御される。
【0051】以上、本発明の各実施の形態について説明
したが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、
本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能であ
る。
【0052】上記各実施の形態では、ソレノイド部への
供給電圧のPWM制御によりソレノイド部を流れる電流
を制御したが、電流そのものを直接制御するようにして
もよい。
【0053】また、上記各実施の形態では、供給弁とし
て電磁弁を用いたが、これに代えて、空気圧や油圧のよ
うな流体のエネルギーを機械的エネルギーに変換して弁
体をストロークさせるメカバルブを用いてもよい。この
場合、その流体エネルギーを調整することにより弁体の
ストロークを調整する。
【0054】また、アンチスキッド制御時の減圧に限ら
ず、他の車両状態、例えば駆動スリップ時や、旋回時の
横すべり時や、車間距離自動制御時の減圧制御にも適用
できる。更に、4輪車に限らず、自動2輪車にも適用可
能である。
【0055】また、図1のブレーキ配管図において、排
出弁8A〜8Dの排出側にそれぞれ設けられている絞り
16はなくても良い。また、ホイールシリンダからの弛
め液をリザーバ30A、30Bに排出するのではなく、
マスタシリンダ1のリザーバ5に戻すようにしてもよ
い。
【0056】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、排出
弁側の絞り径を車両ごとに調整する手間が省ける。ま
た、路面状態などに応じて減圧ゲインのきめ細かな制御
が可能となる。更に、現在用いられている制動システム
からハードウエアは一切変更することなく上記効果を実
現できるのでコストがかからない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるブレーキ配管
系統図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による供給弁の部分
拡大断面図である。
【図3】同供給弁の要部の模式図である。
【図4】同供給弁の弁体ストロークと弁体に作用する力
との関係を示すグラフである。
【図5】同供給弁のソレノイド部を励磁する電圧の波形
図である。
【図6】第1の実施の形態による減圧ゲイン調整の作用
を説明するための模式図である。
【図7】同作用を供給弁、排出弁の切換え動作、及びホ
イールシリンダ液圧の時間経過で見た場合のグラフであ
る。
【図8】本実施の形態による供給弁及び排出弁の駆動出
力演算のブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態によるブレーキ配管
系統図である。
【図10】従来例の減圧ゲイン調整の作用を説明するた
めの模式図である。
【図11】排出弁の要部の模式図である。
【図12】排出弁の弁体ストロークと弁体に作用する力
との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 マスタシリンダ 7A、7B、7C、7D 供給弁 8A、8B、8C、8D 排出弁 30A、30B リザーバ 41 アーマチュア 45 電磁コイル 46 固定子 50 コイルばね 51 弁球 53a 弁座 81 踏力センサ 83 排出弁 84 供給弁 85 アキュムレータ 87 リザーバ 89 ホイールシリンダ L ホイールシリンダの液圧レベ
ル s ソレノイド部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧力発生源と車輪制動装置との間を連通
    及び遮断する供給弁と、前記車輪制動装置とリザーバと
    の間を遮断及び連通する排出弁とを備え、前記車輪制動
    装置の作動流体の減圧制御時は、前記排出弁を介して前
    記リザーバへ前記作動流体を排出するようにした車両用
    制動圧力制御方法において、 前記減圧制御時、前記排出弁を連通させるとともに、前
    記供給弁を遮断あるいは前記車輪制動装置の作動流体を
    増圧させない範囲内で開とし、 該供給弁の開度を調整することにより前記車輪制動装置
    の作動流体の減圧速度を調整するようにしたことを特徴
    とする車両用制動圧力制御方法。
  2. 【請求項2】 前記圧力発生源と前記車輪制動装置の少
    なくとも一方の圧力を測定または推定し、その圧力また
    は差圧に応じて前記供給弁の開度を調整するようにした
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用制動圧力制御
    方法。
  3. 【請求項3】 車両諸元、車両状態、路面状態、作動流
    体温度のうち少なくとも1つに応じて前記供給弁の開度
    を調整するようにしたことを特徴とする請求項1又は請
    求項2に記載の車両用制動圧力制御方法。
  4. 【請求項4】 前記供給弁は電磁弁であり、そのソレノ
    イド部を励磁する電気エネルギーを調整することで前記
    供給弁の開度を調整するようにしたことを特徴とする請
    求項1に記載の車両用制動圧力制御方法。
  5. 【請求項5】 前記電気エネルギーの調整は、前記ソレ
    ノイド部を励磁する電圧のパルス幅変調により行われる
    ことを特徴とする請求項4に記載の車両用制動圧力制御
    方法。
  6. 【請求項6】 前記圧力発生源と前記車輪制動装置の少
    なくとも一方の圧力を測定または推定し、その圧力また
    は差圧を前記電気エネルギー調整の関数とすることを特
    徴とする請求項4又は請求項5に記載の車両用制動圧力
    制御方法。
  7. 【請求項7】 車両諸元、車両状態、路面状態、作動流
    体温度のうち少なくとも1つを前記電気エネルギー調整
    の関数とすることを特徴とする請求項4乃至請求項6の
    何れかに記載の車両用制動圧力制御方法。
JP2000078686A 2000-03-21 2000-03-21 車両用制動圧力制御方法 Pending JP2001260839A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000078686A JP2001260839A (ja) 2000-03-21 2000-03-21 車両用制動圧力制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000078686A JP2001260839A (ja) 2000-03-21 2000-03-21 車両用制動圧力制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001260839A true JP2001260839A (ja) 2001-09-26

Family

ID=18596063

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000078686A Pending JP2001260839A (ja) 2000-03-21 2000-03-21 車両用制動圧力制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001260839A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009542521A (ja) * 2006-07-11 2009-12-03 コンティネンタル・テーベス・アクチエンゲゼルシヤフト・ウント・コンパニー・オッフェネ・ハンデルスゲゼルシヤフト 低圧アキュームレータを有する自動車ブレーキシステム
WO2011108083A1 (ja) * 2010-03-02 2011-09-09 トヨタ自動車株式会社 車両制御装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009542521A (ja) * 2006-07-11 2009-12-03 コンティネンタル・テーベス・アクチエンゲゼルシヤフト・ウント・コンパニー・オッフェネ・ハンデルスゲゼルシヤフト 低圧アキュームレータを有する自動車ブレーキシステム
WO2011108083A1 (ja) * 2010-03-02 2011-09-09 トヨタ自動車株式会社 車両制御装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4691808B2 (ja) 車両用液圧ブレーキ装置
JP3716493B2 (ja) 制動力制御装置
US8167381B2 (en) Brake fluid pressure control device for bar handle vehicle
US20150232076A1 (en) Brake Control Device
US6739676B1 (en) Braking system having vacuum booster whose boosting ratio is lowered at fixed transition point at which wheel cylinder pressure increase is initiated
US6293633B1 (en) Braking force control apparatus
JP3528415B2 (ja) 制動圧力制御装置
JPH09290743A (ja) 制動力制御装置
JPH0231337Y2 (ja)
US7325886B2 (en) Vehicular brake control system
JPH10338116A (ja) 電磁弁
JP2002217028A (ja) 電磁弁制御装置
JPH11301442A (ja) 車両用液圧ブレーキ装置
JP2001260839A (ja) 車両用制動圧力制御方法
JP2001263531A (ja) 電磁弁制御装置
JP2006027453A (ja) 電磁制御弁制御装置およびブレーキ液圧制御装置
JP3541739B2 (ja) ブレーキ装置
JP2000062596A (ja) 車両のブレーキ液圧制御装置
JP2002002466A (ja) ブレーキ装置,積載状態検出方法および液圧制御方法
JP2900542B2 (ja) 車両用ブレーキ圧力制御装置
JP3735884B2 (ja) ブレーキ制御装置
JP2001071881A (ja) ブレーキ液圧源装置
JPH10329674A (ja) 液圧ブレーキ装置
JP3539135B2 (ja) ブレーキ装置
JP4529756B2 (ja) 車両用ブレーキ制御装置