JP2001260403A - サーマルヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

サーマルヘッドおよびその製造方法

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JP2001260403A
JP2001260403A JP2000071167A JP2000071167A JP2001260403A JP 2001260403 A JP2001260403 A JP 2001260403A JP 2000071167 A JP2000071167 A JP 2000071167A JP 2000071167 A JP2000071167 A JP 2000071167A JP 2001260403 A JP2001260403 A JP 2001260403A
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Japan
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plane
protective film
thermal head
insulating film
resistant substrate
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JP2000071167A
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Tatsuo Nishio
辰夫 西尾
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Ricoh Elemex Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サーマルヘッドの放熱性を向上して蓄熱によ
る悪影響を防止する。 【解決手段】 第1の平面108の一部、長板状耐熱性
基板100の端面102、第2の平面112の一部にわ
たって覆われる保護膜116で発熱素子106の近傍が
覆われ、保護膜116から露出される第1の平面108
および第2の平面112が絶縁膜126によって電気的
に絶縁され、発熱体106から発生される熱を放熱する
ための放熱器120が流動性熱伝達物質122を介して
第1の平面108または第2の平面112に取り付けら
れたサーマルヘッドであって、前記保護膜116が、長
板状耐熱性基板100の端面102の厚み寸法よりも長
い寸法にわたって第1の平面108の一部および第2の
平面112の一部を覆うようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放熱効率が高いサ
ーマルヘッドおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、昇華型プリンタ、感熱プリンタな
どの画像形成装置は、サーマルヘッドを用いて画像を形
成している。従来用いられているサーマルヘッドは、つ
ぎのような構造になっている。
【0003】たとえば、特公平6−79856号公報に
開示されているサーマルヘッドは、図5または図6に示
すように構成されている。図5に示すサーマルヘッド
は、紙面の表裏方向に伸延する長板状耐熱性基板400
の端面402に、紙面の表裏方向に伸延するグレーズ4
04が形成され、そのグレーズ404には複数の発熱素
子が配列された発熱体406が形成されている。長板状
耐熱性基板400の第1の平面408には、発熱体40
6に接続されて複数の発熱素子に選択的に電力を供給す
るためのパターン409が形成されている。長板状耐熱
性基板400の第2の平面410には、発熱体406の
複数の発熱素子に共通する電極411が形成されてい
る。発熱体406の上面には保護膜412が被せられ
る。そして、このサーマルヘッドは、図7に示してある
ように、絶縁シート414を介在させた状態で放熱器に
取り付けられる。
【0004】図6に示すサーマルヘッドは、図5に示し
たサーマルヘッドとほとんど同じ構成であるが、発熱体
406の上面に被せられる保護膜412が、図5では発
熱体406の上面にだけ形成されているが、図6では発
熱体406の上面だけではなく、第1の平面408と第
2の平面410に1.5〜2.0mm程度回り込んで形成
されている点で異なっている。そして、このサーマルヘ
ッドは、図7に示してあるように、絶縁シート414を
介在させた状態で放熱器416に取り付けられる。
【0005】図8に示すサーマルヘッドは、紙面の表裏
方向に伸延する長板状耐熱性基板400の端面402
に、紙面の表裏方向に伸延するグレーズ404が形成さ
れ、そのグレーズ404には複数の発熱素子が配列され
た発熱体406が形成されている。長板状耐熱性基板4
00の第1の平面408には、発熱体406に接続され
て複数の発熱素子を選択的に制御し、また電力を供給す
るための制御素子を含むパターン409が形成されてい
る。長板状耐熱性基板400の第2の平面410には、
発熱体406の複数の発熱素子に共通する電極411が
形成されている。発熱体406の上面には、第1の平面
408と第2の平面410に回り込むように保護膜41
2が被せられる。そして、第1の平面408と第2の平
面410に、発熱体406の上面から伸延する保護膜4
12と一部重なるように絶縁膜415が形成される。こ
のサーマルヘッドは、第2の平面410側の絶縁膜41
5に接着される両面テープ418によって放熱器416
に取り付けられる。また、第1の平面408側の絶縁膜
415には、絶縁テープ420を介して保護カバー42
2が接触される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来のサーマルヘッドでは、発熱量に対して放
熱量が不足気味となり、画像品質を悪化させるという不
具合の発生が懸念される。この不具合の発生は、印刷速
度の高速化が要求されている、または、マルチタイムリ
ボンが使用されている昇華型プリンタにおいて特に懸念
される。昇華型プリンタは、単位時間あたりの発熱量が
他の種類のプリンタに比較して大きく、蓄熱しやすいの
で、放熱が不足気味となることが多いからである。
【0007】放熱が不足気味になると、サーマルヘッド
の温度が全体として下がりにくくなるため、1枚の印刷
において高濃度の画像を印刷した後、または高濃度の文
字を印刷した後に残像のように尾を引く現象、また、比
較的高濃度の均一画像を印刷すると印刷が進むにしたが
って印刷濃度が濃くなる現象(これらの現象を尾引き現
象と言う)を招くことがある。また、複数枚の印刷を行
うと、徐々に印刷濃度が濃くなる現象も現れる。
【0008】これらの現象に対処するため、従来のサー
マルヘッドを用いたプリンタでは、蓄熱に対するこれら
の現象の発生を抑えるため、均一補正、立ち上げ補正、
立ち下げ補正などを行って、印刷時の制御においてサー
マルヘッドの全体的な温度の変動ができるだけ小さくな
るように各発熱素子への電力の供給を制御している。
【0009】ところで、サーマルヘッドの温度上昇は、
サーマルヘッド全体の熱伝導率が大きく影響している。
通常、サーマルヘッドの耐熱性基板として用いられるセ
ラミック基板では、その熱伝導率が60×10-3cal
/cm・sec・℃であり、ここから熱伝達が行われる
保護膜が50×10-3cal/cm・sec・℃、流動
性熱伝達物質(たとえば、熱伝導性グリス、熱伝導性接
着剤)が1〜2×10-3cal/cm・sec・℃、絶
縁層が0.5×10-3cal/cm・sec・℃、放熱
器(たとえばアルミニウム)が486×10-3cal/c
m・sec・℃である。これらの数値からわかるよう
に、絶縁層の熱伝達率は他の部材に比較して極端に小さ
く、絶縁層が放熱を阻害する一因になっていることがわ
かる。
【0010】本発明は、上述した従来のサーマルヘッド
の不具合を解消するために成されたものであり、発熱体
に最も近い長板状耐熱性基板の端面から回り込んだ第1
の平面または第2の平面の近傍を熱伝達経路として活用
できる構造とし、サーマルヘッドの放熱性を向上して蓄
熱による悪影響を防止できるサーマルヘッドおよびその
製造方法の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決し、
目的を達成するため、請求項1に記載の発明にかかるサ
ーマルヘッドは、長板状耐熱性基板の端面の長手方向に
複数の発熱素子を配列して発熱体が形成され、前記長板
状耐熱性基板の平面の長手方向に前記複数の発熱素子を
選択的に制御し電力を供給するための制御素子が設けら
れた第1の平面と前記複数の発熱素子に共通の電極が形
成された第2の平面とが形成され、前記第1の平面の一
部、前記長板状耐熱性基板の端面、前記第2の平面の一
部にわたって覆われる保護膜で前記発熱素子の近傍が覆
われ、前記保護膜から露出される前記第1の平面および
前記第2の平面が絶縁膜によって電気的に絶縁され、前
記発熱体から発生される熱を放熱するための放熱器が流
動性熱伝達物質を介して前記第1の平面または前記第2
の平面に取り付けられたサーマルヘッドであって、前記
保護膜は、前記長板状耐熱性基板の端面の厚み寸法より
も長い寸法にわたって前記第1の平面の一部および前記
第2の平面の一部を覆っていることを特徴とする。
【0012】この請求項1に記載の発明によれば、保護
膜が、長板状耐熱性基板の端面の厚み寸法よりも長い寸
法にわたって第1の平面の一部および第2の平面の一部
を覆っているので、長板状耐熱性基板と放熱器との間の
熱伝達が良好となり、放熱効率が向上して、サーマルヘ
ッドの稼動に伴う蓄熱を少なくすることができ、前述し
た「尾引き現象」の発生を回避することができる。した
がって、同一の印刷速度であれば、従来のサーマルヘッ
ドよりも高画質の印刷ができる。また、従来のサーマル
ヘッドと同品質の印刷をするのであれば、印刷速度を速
くすることができる。
【0013】請求項2に記載の発明にかかるサーマルヘ
ッドは、請求項1に記載のサーマルヘッドにおいて、前
記保護膜の前記絶縁膜から露出している部分の寸法は、
前記長板状耐熱性基板の端面の厚み寸法よりも長い寸法
であることを特徴とする。
【0014】この請求項2に記載の発明によれば、前記
保護膜の前記絶縁膜から露出している部分の寸法を、前
記長板状耐熱性基板の端面の厚み寸法よりも長い寸法と
しているので、長板状耐熱性基板と放熱器との間の熱伝
達がさらに良好となり、放熱効率が向上して、サーマル
ヘッドの稼動に伴う蓄熱を少なくすることができ、前述
した「尾引き現象」の発生を回避することができる。し
たがって、同一の印刷速度であれば、従来のサーマルヘ
ッドよりも高画質の印刷ができる。また、従来のサーマ
ルヘッドと同品質の印刷をするのであれば、印刷速度を
速くすることができる。
【0015】請求項3に記載の発明にかかるサーマルヘ
ッドは、請求項1に記載のサーマルヘッドにおいて、前
記保護膜から露出された前記第1の平面および前記第2
の平面を電気的に絶縁する絶縁膜は、前記保護膜と前記
絶縁膜との接合点において前記保護膜に対し段差なく面
一に形成されていることを特徴とする。
【0016】この請求項3に記載の発明によれば、絶縁
膜は、保護膜と絶縁膜との接合点において保護膜に対し
段差なく面一に形成されているので、流動性熱伝達物質
の介在する厚みを段差があるときよりも薄くすることが
でき、その分、長板状耐熱性基板と放熱器との間の熱伝
達が良好となり、放熱効率が向上して、サーマルヘッド
の稼動に伴う蓄熱を少なくすることができ、前述した
「尾引き現象」の発生を回避することができる。したが
って、同一の印刷速度であれば、従来のサーマルヘッド
よりも高画質の印刷ができる。また、従来のサーマルヘ
ッドと同品質の印刷をするのであれば、印刷速度を速く
することができる。
【0017】請求項4に記載の発明にかかるサーマルヘ
ッドは、請求項1に記載のサーマルヘッドにおいて、前
記保護膜から露出された前記第1の平面および前記第2
の平面を電気的に絶縁する絶縁膜は、前記保護膜と前記
絶縁膜との接合点において前記保護膜の厚さよりも薄く
形成されていることを特徴とする。
【0018】この請求項4に記載の発明によれば、保護
膜から露出された第1の平面および第2の平面を電気的
に絶縁する絶縁膜は、前記保護膜と前記絶縁膜との接合
点において前記保護膜の厚さよりも薄く形成されている
ので、流動性熱伝達物質の介在する厚みを段差があると
きよりも薄くすることができ、その分、保護膜と放熱器
とを接着する両面テープの影響を少なくでき、長板状耐
熱性基板と放熱器との間の熱伝達が良好となり、放熱効
率が向上して、サーマルヘッドの稼動に伴う蓄熱を少な
くすることができ、前述した「尾引き現象」の発生を回
避することができる。したがって、同一の印刷速度であ
れば、従来のサーマルヘッドよりも高画質の印刷ができ
る。また、従来のサーマルヘッドと同品質の印刷をする
のであれば、印刷速度を速くすることができる。
【0019】請求項5に記載の発明にかかるサーマルヘ
ッドの製造方法は、長板状耐熱性基板の端面の長手方向
に複数の発熱素子を配列して発熱体を形成し、前記長板
状耐熱性基板の平面の長手方向に前記複数の発熱素子を
選択的に制御し電力を供給するための制御素子を設けた
第1の平面を形成し、前記長板状耐熱性基板の平面の長
手方向に前記複数の発熱素子に共通の電極を形成した第
2の平面を形成し、前記第1の平面の一部、前記長板状
耐熱性基板の端面、前記第2の平面の一部にわたって覆
う保護膜で前記発熱素子の近傍を覆い、前記保護膜から
露出される前記第1の平面および前記第2の平面を電気
的に絶縁するための絶縁膜で覆い、前記発熱体から発生
される熱を放熱するための放熱器を流動性熱伝達物質を
介して前記第1の平面または前記第2の平面に取りつけ
ることによってサーマルヘッドを製造するサーマルヘッ
ドの製造方法であって、前記保護膜を、前記長板状耐熱
性基板の端面の厚み寸法よりも長い寸法にわたって前記
第1の平面の一部および前記第2の平面の一部を覆うよ
うにしたことを特徴とする。
【0020】この請求項5に記載の発明によれば、保護
膜が、長板状耐熱性基板の端面の厚み寸法よりも長い寸
法にわたって第1の平面の一部および第2の平面の一部
を覆うようにサーマルヘッドを製造しているので、長板
状耐熱性基板と放熱器との間の熱伝達が良好となり、放
熱効率が向上して、サーマルヘッドの稼動に伴う蓄熱を
少なくすることができ、前述した「尾引き現象」の発生
を回避することができる。したがって、同一の印刷速度
であれば、従来のサーマルヘッドよりも高画質の印刷が
できる。また、従来のサーマルヘッドと同品質の印刷を
するのであれば、印刷速度を速くすることができる。
【0021】請求項6に記載の発明にかかるサーマルヘ
ッドの製造方法は、請求項5に記載のサーマルヘッドの
製造方法において、前記保護膜の前記絶縁膜から露出し
ている部分の寸法が前記長板状耐熱性基板の端面の厚み
寸法よりも長い寸法となるようにしたことを特徴とす
る。
【0022】この請求項6に記載の発明によれば、前記
保護膜の前記絶縁膜から露出している部分の寸法が前記
長板状耐熱性基板の端面の厚み寸法よりも長い寸法とな
るようにしたので、長板状耐熱性基板と放熱器との間の
熱伝達がさらに良好となり、放熱効率が向上して、サー
マルヘッドの稼動に伴う蓄熱を少なくすることができ、
前述した「尾引き現象」の発生を回避することができ
る。したがって、同一の印刷速度であれば、従来のサー
マルヘッドよりも高画質の印刷ができる。また、従来の
サーマルヘッドと同品質の印刷をするのであれば、印刷
速度を速くすることができる。
【0023】請求項7に記載の発明にかかるサーマルヘ
ッドの製造方法は、請求項5に記載のサーマルヘッドの
製造方法において、前記保護膜から露出される前記第1
の平面および前記第2の平面を電気的に絶縁するための
絶縁膜を、前記保護膜と前記絶縁膜との接合点において
前記保護膜に対し段差なく面一に形成することを特徴と
する。
【0024】この請求項7に記載の発明によれば、絶縁
膜は、保護膜と絶縁膜との接合点において前記保護膜に
対し段差なく面一に形成しているので、流動性熱伝達物
質の介在する厚みを段差があるときよりも薄くすること
ができ、その分、長板状耐熱性基板と放熱器との間の熱
伝達が良好となり、放熱効率が向上して、サーマルヘッ
ドの稼動に伴う蓄熱を少なくすることができ、前述した
「尾引き現象」の発生を回避することができる。したが
って、同一の印刷速度であれば、従来のサーマルヘッド
よりも高画質の印刷ができる。また、従来のサーマルヘ
ッドと同品質の印刷をするのであれば、印刷速度を速く
することができる。
【0025】請求項8に記載の発明にかかるサーマルヘ
ッドの製造方法は、請求項5に記載のサーマルヘッドの
製造方法において、前記保護膜から露出される前記第1
の平面および前記第2の平面を電気的に絶縁するための
絶縁膜を、前記保護膜と前記絶縁膜との接合点において
前記保護膜の厚さよりも薄く形成することを特徴とす
る。
【0026】この請求項8に記載の発明によれば、保護
膜から露出される第1の平面および第2の平面に形成さ
れた絶縁膜は、前記保護膜と前記絶縁膜との接合点にお
いて前記保護膜の厚さよりも薄く形成しているので、流
動性熱伝達物質の介在する厚みを段差があるときよりも
薄くすることができ、その分、保護膜と放熱器とを接着
する両面テープの影響が少なくでき、長板状耐熱性基板
と放熱器との間の熱伝達が良好となり、放熱効率が向上
して、サーマルヘッドの稼動に伴う蓄熱を少なくするこ
とができ、前述した「尾引き現象」の発生を回避するこ
とができる。したがって、同一の印刷速度であれば、従
来のサーマルヘッドよりも高画質の印刷ができる。ま
た、従来のサーマルヘッドと同品質の印刷をするのであ
れば、印刷速度を速くすることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、本発
明にかかるサーマルヘッドおよびその製造方法の好適な
実施の形態を詳細に説明する。サーマルヘッドは、その
構成上、放熱器と長板状耐熱性基板とを固着する必要が
あり、その固着に際しては長板状耐熱性基板の第1の平
面または第2の平面を放熱器に固定するが、放熱器と長
板状耐熱性基板との電気的絶縁は不可欠である。本発明
のサーマルヘッドは、発熱体に最も近い長板状耐熱性基
板の端面から回り込んだ第1の平面または第2の平面の
近傍を熱伝達経路として活用できる構造とし、サーマル
ヘッドの放熱性を向上し、蓄熱による悪影響を防止して
いる。
【0028】実施の形態1 図1は、実施の形態1にかかるサーマルヘッドの概略構
成図である。図に示すサーマルヘッドは、紙面の表裏方
向に伸延する長板状耐熱性基板100の端面102に、
長板状耐熱性基板100の長手方向に伸延するグレーズ
104が形成され、そのグレーズ104には複数の発熱
素子が配列された発熱体106が形成されている。な
お、本実施の形態では、長板状耐熱性基板100の材質
をセラミックとしている。長板状耐熱性基板100の長
手方向の第1の平面108には、発熱体106に接続さ
れて複数の発熱素子を選択的に制御し、また電力を供給
するためのパターン110が形成されている。長板状耐
熱性基板100の第2の平面112には、発熱体106
の複数の発熱素子に共通する電極114が形成されてい
る。発熱体106の近傍を、第1の平面108、長板状
耐熱性基板100の端面102、第2の平面112にわ
たる保護膜116で覆う。なお、この保護膜116は、
特公平6−79856号公報に開示されているスパッタ
リングによる方法を用いて、第1の平面108と第2の
平面112に1.5〜2.0mm程度回り込むように形成
されている。
【0029】ところで、記録紙に当接して印刷をする発
熱体を担うグレーズ104の熱伝達率は、0.5×10
-3cal/cm・sec・℃であり、この部分は、1画
素ごとの蓄熱を目的としている。つぎの画素の印刷に備
えてグレーズ104からの熱エネルギーを吸収し、伝達
する長板状耐熱性基板100を形成するセラミック基板
の熱伝達率は、60×10-3cal/cm・sec・℃
であり、実にグレーズ104の熱伝達率の120倍の熱
伝導率を有している。また、グレーズ104のつぎに熱
エネルギーを伝達する保護膜116の熱伝達率は、50
×10-3cal/cm・sec・℃であり、流動性熱伝
達物質(たとえば、熱伝導性グリス、熱伝導性接着剤)が
1〜2×10-3cal/cm・sec・℃、絶縁層11
8が0.5×10-3cal/cm・sec・℃、放熱器
(たとえばアルミニウム)120が486×10-3cal
/cm・sec・℃である。これらの数値から明らかな
ように、絶縁層118の熱伝達率が他の部材に比較して
著しく悪く、サーマルヘッドの放熱を阻害していること
がわかる。
【0030】熱伝導率の単位、cal/cm・sec・
℃からもわかるように、距離、時間、温度差により熱エ
ネルギーの移送の程度が変化することがわかる。したが
って、熱伝導率の大きいセラミック基板であっても、グ
レーズ104からの距離が短い部位で放熱器120に取
り付けることが好ましい。なお、時間や温度によって熱
エネルギーの移送の程度を変えることも理論的には可能
であるが、時間や温度は、サーマルヘッドの使用状態に
よって変動してしまうため、これらを変えることによる
サーマルヘッドの温度上昇の制御は実際のところ非常に
困難である。したがって、本発明では、長板状耐熱性基
板100と放熱器120との間に介在する絶縁層118
または両面テープ126の厚さや形状を変えて長板状耐
熱性基板100から放熱器120への熱伝達率が大きく
なるようにしている。
【0031】保護膜116の熱伝達率は、絶縁層118
の熱伝達率に対して40倍の熱伝達率を有しているの
で、放熱器120と接している領域が広いほど熱伝達効
率が上がる。このため、図1に示したサーマルヘッドで
は、少なくとも長板状耐熱性基板100の端面102の
板厚t以上、望ましくはその板厚tの2倍から3倍の距
離の領域Lを保護膜116で覆っている。そして、長板
状耐熱性基板100を放熱器120に取り付ける際に
も、保護膜116と放熱器120との間に介在すること
になる、たとえば、熱伝導性グリス、熱伝導性接着剤な
どの流動性熱伝達物質122は、熱伝達率の大きな、好
ましくは、1×10-3cal/cm・sec・℃以上の
熱伝達率を有する材料を使用し、その厚さも可能な限り
薄くする。なお、放熱器120の長板状耐熱性基板10
0側には、長板状耐熱性基板100に放熱器120を圧
接させて取り付ける際に、流動性熱伝達物質122が両
面テープ128側にはみ出して接着力が低下してしなわ
ないように、余分な流動性熱伝達物質122を流し込む
ための溝124が設けてある。なお、溝124の形状
は、使用する流動性熱伝達物質122の種類に応じて最
適な形状にすることが望ましい。
【0032】第1の平面108と第2の平面112の保
護膜116が形成されていない領域には、絶縁膜126
が形成される。その絶縁膜126に両面テープ128を
接着して長板状耐熱性基板100と放熱器120とを固
着させるか、または、絶縁膜126に接着剤を塗布して
長板状耐熱性基板100と放熱器120とを固着させ
る。なお、この両面テープ128や接着剤も長板状耐熱
性基板100と放熱器120との熱伝達の良否に関係す
るので、両面テープ128や接着剤も熱伝達率の大きな
材料を用いることが望ましい。両面テープ128は発泡
層を有していることから両面テープ128の熱伝達率は
0.3×10-3cal/cm・sec・℃程度が一般的
である。なお、流動性熱伝達物質122が接着剤を兼ね
るようにしても良い。また、第1の平面108側の絶縁
膜126には、絶縁テープ130を介して保護カバー1
32が接触される。
【0033】このように、保護膜116が、長板状耐熱
性基板100の端面102の厚み寸法tよりも長い寸法
Lにわたって第1の平面108の一部および第2の平面
112の一部を覆っているので、長板状耐熱性基板10
0と放熱器120との間の熱伝達が良好となり、サーマ
ルヘッドの稼動に伴う蓄熱を少なくすることができる。
この結果、放熱効率が向上して、従来から懸念されてい
た「尾引き現象」の発生を極力回避することができる。
したがって、同一の印刷速度であれば、従来のサーマル
ヘッドよりも高画質の印刷ができる。また、従来のサー
マルヘッドと同品質の印刷をするのであれば、印刷速度
を速くすることができる。
【0034】実施の形態2 図2は、実施の形態2にかかるサーマルヘッドの概略構
成図である。この図に示すサーマルヘッドは、第2の平
面112に形成される絶縁膜126から露出している部
分の保護膜116の寸法が、図に示すように長板状耐熱
性基板100の端面102の厚み寸法tよりも長い寸法
Lである点で、図1に示したサーマルヘッドと異なって
いる。このように、第2の平面112に形成される保護
膜116の、第2の平面112の一端から絶縁膜126
に至る寸法をLとすると、電極114を伝ってくる熱が
保護膜126から流動性熱伝達物質122を介して放熱
器120に伝わる率が多くなるので、図1のサーマルヘ
ッドよりも、長板状耐熱性基板100と放熱器120と
の間の熱伝達が良好となり、サーマルヘッドの稼動に伴
う蓄熱を少なくすることができる。この結果、放熱効率
が向上して、従来から懸念されていた「尾引き現象」の
発生を極力回避することができる。したがって、同一の
印刷速度であれば、従来のサーマルヘッドよりも高画質
の印刷ができる。また、従来のサーマルヘッドと同品質
の印刷をするのであれば、印刷速度を速くすることがで
きる。
【0035】図1または図2に示すサーマルヘッドは、
つぎの手順で製造される。まず、紙面の表裏方向に伸延
する長板状耐熱性基板100の端面102に、長板状耐
熱性基板100の長手方向に伸延するグレーズ104を
形成する。つぎに、そのグレーズ104に複数の発熱素
子が配列された発熱体106を形成する。そして、長板
状耐熱性基板100の長手方向の第1の平面108に、
発熱体106に接続されて複数の発熱素子を選択的に制
御し、また電力を供給するためのパターン110を形成
する。さらに、長板状耐熱性基板100の第2の平面1
12に、発熱体106の複数の発熱素子に共通する電極
114を形成する。発熱体106の近傍を、第1の平面
108、長板状耐熱性基板100の端面102、第2の
平面112にわたる保護膜116で覆う。図1のサーマ
ルヘッドの場合、この保護膜116は、長板状耐熱性基
板100の端面102の厚み寸法tよりも長い寸法Lに
わたって第1の平面108の一部および第2の平面11
2の一部を覆うようにする。一方、図2のサーマルヘッ
ドの場合、保護膜116の絶縁膜126から露出してい
る部分の寸法Lは、長板状耐熱性基板100の端面10
2の厚み寸法tよりも長い寸法にわたって第2の平面1
12の一部を覆うようにする。
【0036】保護膜116が形成されていない第1の平
面108と第2の平面112の平面の領域に絶縁膜12
6を形成する。その絶縁膜126に両面テープ128を
接着して長板状耐熱性基板100と放熱器120とを固
着させるか、または、絶縁膜126に接着剤を塗布して
長板状耐熱性基板100と放熱器120とを固着させ
る。さらに、第1の平面108側の絶縁膜126に、絶
縁テープ130を介して保護カバー132を接触させ
る。以上の手順によって図1のサーマルヘッドが形成さ
れる。
【0037】実施の形態3 図3は、実施の形態3にかかるサーマルヘッドの概略構
成図である。この図に示してあるサーマルヘッドの構造
は、図1に示したサーマルヘッドの構造とほぼ同じであ
る。唯一異なっているのは、第2の平面112に形成さ
れている絶縁膜126が保護膜116と同じ厚さに形成
してある点である。絶縁膜126と保護膜116とを面
一にするには、まず、絶縁保護のための絶縁膜126を
図1と全く同じく保護膜116に一部重なるように塗布
し、その後、スクレーパーなどの治具を用いて絶縁膜1
26を保護膜116と同じ厚さになるまで除去する。こ
のようにして、絶縁膜126を保護膜116と同じ厚さ
に面一に形成する。
【0038】このように、絶縁膜126は、保護膜11
6と絶縁膜126との接合点において保護膜116に対
し段差なく面一に形成されているので、絶縁膜126の
厚みと流動性熱伝達物質122の介在する厚みを、図1
のように段差があるときよりも薄くすることができ、そ
の分、長板状耐熱性基板100と放熱器120との間の
熱伝達が良好となり、サーマルヘッドの稼動に伴う蓄熱
を少なくすることができる。その結果、放熱効率が向上
して、前述した「尾引き現象」の発生を極力回避するこ
とができる。したがって、同一の印刷速度であれば、従
来のサーマルヘッドよりも高画質の印刷ができる。ま
た、従来のサーマルヘッドと同品質の印刷をするのであ
れば、印刷速度を速くすることができる。
【0039】図3に示すサーマルヘッドは、つぎの手順
で製造される。まず、紙面の表裏方向に伸延する長板状
耐熱性基板100の端面102に、長板状耐熱性基板1
00の長手方向に伸延するグレーズ104を形成する。
つぎに、そのグレーズ104に複数の発熱素子が配列さ
れた発熱体106を形成する。そして、長板状耐熱性基
板100の長手方向の第1の平面108に、発熱体10
6に接続されて複数の発熱素子を選択的に制御し、また
電力を供給するためのパターン110を形成する。さら
に、長板状耐熱性基板100の第2の平面112に、発
熱体106の複数の発熱素子に共通する電極114を形
成する。発熱体106の近傍を、第1の平面108、長
板状耐熱性基板100の端面102、第2の平面112
にわたる保護膜116で覆う。この保護膜116は、長
板状耐熱性基板100の端面102の厚み寸法tよりも
長い寸法Lにわたって第1の平面108の一部および第
2の平面112の一部を覆うようにする。
【0040】保護膜116が形成されていない第1の平
面108と第2の平面112の平面の領域に絶縁膜12
6を形成する。つぎに、絶縁膜126と保護膜116の
接続点を滑らかにする。絶縁膜126と保護膜116と
を面一にするには、絶縁保護のための絶縁膜126を保
護膜116に一部重なるように塗布し、その後、スクレ
ーパーなどの治具を用いて絶縁膜126を保護膜116
と同じ厚さになるまで除去する。そして、その絶縁膜1
26に両面テープ128を接着して長板状耐熱性基板1
00と放熱器120とを固着させるか、または、絶縁膜
126に接着剤を塗布して長板状耐熱性基板100と放
熱器120とを固着させる。さらに、第1の平面108
側の絶縁膜126に、絶縁テープ130を介して保護カ
バー132を接触させる。以上の手順によって図3のサ
ーマルヘッドが形成される。
【0041】実施の形態4 図4は、実施の形態4にかかるサーマルヘッドの概略構
成図である。この図に示してあるサーマルヘッドの構造
は、図3に示したサーマルヘッドの構造とほぼ同じであ
る。この実施の形態では、保護膜116から露出した第
1の平面108、および第2の平面112を電気的に絶
縁する絶縁膜126の材料の粘度を調整することによ
り、乾燥後の絶縁膜126の実質的な厚みが減少するよ
うにし、最終的には、図に示すように、絶縁膜126と
保護膜116との接合点において絶縁膜126が保護膜
116よりもへこむようにする。つまり、この実施の形
態では絶縁膜126に粘度の低い材料を用い、乾燥した
ときにその接合点部分で自然にへこんだ形状になるよう
にしている。
【0042】このように、絶縁膜126は、保護膜11
6と絶縁膜126との接合点において保護膜116の厚
さよりも薄く形成されているので、絶縁膜126の厚み
と流動性熱伝達物質122の介在する厚みを段差がある
ときよりも薄くすることができ、その分、保護膜116
と放熱器120とを接着する両面テープ128の影響が
少なくでき、長板状耐熱性基板100と放熱器120と
の間の熱伝達が良好となり、サーマルヘッドの稼動に伴
う蓄熱を少なくすることができる。その結果、放熱効率
が向上して、前述した「尾引き現象」の発生を極力回避
することができる。したがって、同一の印刷速度であれ
ば、従来のサーマルヘッドよりも高画質の印刷ができ
る。また、従来のサーマルヘッドと同品質の印刷をする
のであれば、印刷速度を速くすることができる。
【0043】図4に示すサーマルヘッドは、つぎの手順
で製造される。まず、紙面の表裏方向に伸延する長板状
耐熱性基板100の端面102に、長板状耐熱性基板1
00の長手方向に伸延するグレーズ104を形成する。
つぎに、そのグレーズ104に複数の発熱素子が配列さ
れた発熱体106を形成する。そして、長板状耐熱性基
板100の長手方向の第1の平面108に、発熱体10
6に接続されて複数の発熱素子を選択的に制御し、また
電力を供給するためのパターン110を形成する。さら
に、長板状耐熱性基板100の第2の平面112に、発
熱体106の複数の発熱素子に共通する電極114を形
成する。発熱体106の近傍を、第1の平面108、長
板状耐熱性基板100の端面102、第2の平面112
にわたる保護膜116で覆う。この保護膜116は、長
板状耐熱性基板100の端面102の厚み寸法tよりも
長い寸法Lにわたって第1の平面108の一部および第
2の平面112の一部を覆うようにする。
【0044】保護膜116が形成されていない第1の平
面108と第2の平面112の平面の領域に絶縁膜12
6を形成する。この絶縁膜126は乾燥後の絶縁膜12
6の実質的な厚みが減少するように粘度の低い材料を用
いて形成する。つぎに、絶縁膜126を乾燥させる。乾
燥すると、絶縁膜126は絶縁膜126と保護膜116
との接合点において保護膜116よりも自然にへこんだ
形状になる。その絶縁膜126に両面テープ128を接
着して長板状耐熱性基板100と放熱器120とを固着
させるか、または、絶縁膜126に接着剤を塗布して長
板状耐熱性基板100と放熱器120とを固着させる。
さらに、第1の平面108側の絶縁膜126に、絶縁テ
ープ130を介して保護カバー132を接触させる。以
上の手順によって図4のサーマルヘッドが形成される。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、保護膜が、長板状耐熱性基板の端面の厚
み寸法よりも長い寸法にわたって第1の平面の一部およ
び第2の平面の一部を覆っているので、長板状耐熱性基
板と放熱器との間の熱伝達が良好となり、放熱効率が向
上して、サーマルヘッドの稼動に伴う蓄熱を少なくする
ことができ、前述した「尾引き現象」の発生を回避する
ことができるという効果を奏する。
【0046】請求項2に記載の発明によれば、前記保護
膜の前記絶縁膜から露出している部分の寸法を、前記長
板状耐熱性基板の端面の厚み寸法よりも長い寸法として
いるので、長板状耐熱性基板と放熱器との間の熱伝達が
さらに良好となり、放熱効率が向上して、サーマルヘッ
ドの稼動に伴う蓄熱を少なくすることができ、前述した
「尾引き現象」の発生を回避することができる。したが
って、同一の印刷速度であれば、従来のサーマルヘッド
よりも高画質の印刷ができる。また、従来のサーマルヘ
ッドと同品質の印刷をするのであれば、印刷速度を速く
することができる。
【0047】請求項3に記載の発明によれば、絶縁膜
は、保護膜と絶縁膜との接合点において前記保護膜に対
し段差なく面一に形成されているので、絶縁膜の厚みと
流動性熱伝達物質の介在する厚みを段差があるときより
も薄くすることができ、その分、長板状耐熱性基板と放
熱器との間の熱伝達が良好となり、放熱効率が向上し
て、サーマルヘッドの稼動に伴う蓄熱を少なくすること
ができ、前述した「尾引き現象」の発生を回避すること
ができるという効果を奏する。
【0048】請求項4に記載の発明によれば、保護膜か
ら露出される第1の平面および第2の平面に形成された
絶縁膜は、前記保護膜と前記絶縁膜との接合点において
前記保護膜の厚さよりも薄く形成されているので、流動
性熱伝達物質の介在する厚みを段差があるときよりも薄
くすることができ、その分、保護膜と放熱器とを接着す
る両面テープの影響が少なくでき、長板状耐熱性基板と
放熱器との間の熱伝達が良好となり、放熱効率が向上し
て、サーマルヘッドの稼動に伴う蓄熱を少なくすること
ができ、前述した「尾引き現象」の発生を回避すること
ができるという効果を奏する。
【0049】請求項5に記載の発明によれば、保護膜
が、長板状耐熱性基板の端面の厚み寸法よりも長い寸法
にわたって第1の平面の一部および第2の平面の一部を
覆うように製造しているので、長板状耐熱性基板と放熱
器との間の熱伝達が良好となり、放熱効率が向上して、
サーマルヘッドの稼動に伴う蓄熱を少なくすることがで
き、前述した「尾引き現象」の発生を回避することがで
きるという効果を奏する。
【0050】請求項6に記載の発明によれば、前記保護
膜の前記絶縁膜から露出している部分の寸法が前記長板
状耐熱性基板の端面の厚み寸法よりも長い寸法となるよ
うにしているので、長板状耐熱性基板と放熱器との間の
熱伝達がさらに良好となり、放熱効率が向上して、サー
マルヘッドの稼動に伴う蓄熱を少なくすることができ、
前述した「尾引き現象」の発生を回避することができ
る。したがって、同一の印刷速度であれば、従来のサー
マルヘッドよりも高画質の印刷ができる。また、従来の
サーマルヘッドと同品質の印刷をするのであれば、印刷
速度を速くすることができる。
【0051】請求項7に記載の発明によれば、絶縁膜
は、保護膜と絶縁膜との接合点において前記保護膜に対
し段差なく面一に形成しているので、流動性熱伝達物質
の介在する厚みを段差があるときよりも薄くすることが
でき、その分、長板状耐熱性基板と放熱器との間の熱伝
達が良好となり、サーマルヘッドの稼動に伴う蓄熱を少
なくすることができ、放熱効率が向上して、前述した尾
引き現象または徐々に印刷濃度が濃くなる現象の発生を
回避することができるという効果を奏する。
【0052】請求項8に記載の発明によれば、保護膜か
ら露出される第1の平面および第2の平面に形成された
絶縁膜は、前記保護膜と前記絶縁膜との接合点において
前記保護膜の厚さよりも薄く形成しているので、流動性
熱伝達物質の介在する厚みを段差があるときよりも薄く
することができ、その分、保護膜と放熱器とを接着する
両面テープの影響が少なくでき、長板状耐熱性基板と放
熱器との間の熱伝達が良好となり、放熱効率が向上し
て、サーマルヘッドの稼動に伴う蓄熱を少なくすること
ができ、前述した「尾引き現象」の発生を回避すること
ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかるサーマルヘッド
の概略構成図である。
【図2】本発明の実施の形態2にかかるサーマルヘッド
の概略構成図である。
【図3】本発明の実施の形態3にかかるサーマルヘッド
の概略構成図である。
【図4】本発明の実施の形態4にかかるサーマルヘッド
の概略構成図である。
【図5】従来のサーマルヘッドの概略構成図である。
【図6】従来のサーマルヘッドの概略構成図である。
【図7】従来のサーマルヘッドの概略構成図である。
【図8】従来のサーマルヘッドの概略構成図である。
【符号の説明】
100 長板状耐熱性基板 102 端面 104 グレーズ 106 発熱体 108 第1の平面 110 パターン 112 第2の平面 114 電極 116 保護膜 118 絶縁層 120 放熱器 122 流動性熱伝達物質 124 溝 126 両面テープ 126 絶縁膜 128 両面テープ 130 絶縁テープ 132 保護カバー 400 長板状耐熱性基板 402 端面 404 グレーズ 406 発熱体 408 第1の平面 409 パターン 410 第2の平面 411 電極 412 保護膜 414 絶縁シート 415 絶縁膜 416 放熱器 418 両面テープ 420 絶縁テープ 422 保護カバー

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長板状耐熱性基板の端面の長手方向に複
    数の発熱素子を配列して発熱体が形成され、前記長板状
    耐熱性基板の平面の長手方向に前記複数の発熱素子を選
    択的に制御し電力を供給するための制御素子が設けられ
    た第1の平面と前記複数の発熱素子に共通の電極が形成
    された第2の平面とが形成され、前記第1の平面の一
    部、前記長板状耐熱性基板の端面、前記第2の平面の一
    部にわたって覆われる保護膜で前記発熱素子の近傍が覆
    われ、前記保護膜から露出される前記第1の平面および
    前記第2の平面が絶縁膜によって電気的に絶縁され、前
    記発熱体から発生される熱を放熱するための放熱器が流
    動性熱伝達物質を介して前記第1の平面または前記第2
    の平面に取り付けられたサーマルヘッドであって、前記
    保護膜は、前記長板状耐熱性基板の端面の厚み寸法より
    も長い寸法にわたって前記第1の平面の一部および前記
    第2の平面の一部を覆っていることを特徴とするサーマ
    ルヘッド。
  2. 【請求項2】 前記保護膜の前記絶縁膜から露出してい
    る部分の寸法は、前記長板状耐熱性基板の端面の厚み寸
    法よりも長い寸法であることを特徴とする請求項1に記
    載のサーマルヘッド。
  3. 【請求項3】 前記保護膜から露出された前記第1の平
    面および前記第2の平面を電気的に絶縁する絶縁膜は、
    前記保護膜と前記絶縁膜との接合点において前記保護膜
    に対し段差なく面一に形成されていることを特徴とする
    請求項1に記載のサーマルヘッド。
  4. 【請求項4】 前記保護膜から露出された前記第1の平
    面および前記第2の平面を電気的に絶縁する絶縁膜は、
    前記保護膜と前記絶縁膜との接合点において前記保護膜
    の厚さよりも薄く形成されていることを特徴とする請求
    項1に記載のサーマルヘッド。
  5. 【請求項5】 長板状耐熱性基板の端面の長手方向に複
    数の発熱素子を配列して発熱体を形成し、前記長板状耐
    熱性基板の平面の長手方向に前記複数の発熱素子を選択
    的に制御し電力を供給するための制御素子を設けた第1
    の平面を形成し、前記長板状耐熱性基板の平面の長手方
    向に前記複数の発熱素子に共通の電極を形成した第2の
    平面を形成し、前記第1の平面の一部、前記長板状耐熱
    性基板の端面、前記第2の平面の一部にわたって覆う保
    護膜で前記発熱素子の近傍を覆い、前記保護膜から露出
    される前記第1の平面および前記第2の平面を電気的に
    絶縁するための絶縁膜で覆い、前記発熱体から発生され
    る熱を放熱するための放熱器を流動性熱伝達物質を介し
    て前記第1の平面または前記第2の平面に取りつけるこ
    とによってサーマルヘッドを製造するサーマルヘッドの
    製造方法であって、前記保護膜を、前記長板状耐熱性基
    板の端面の厚み寸法よりも長い寸法にわたって前記第1
    の平面の一部および前記第2の平面の一部を覆うように
    したことを特徴とするサーマルヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記保護膜の前記絶縁膜から露出してい
    る部分の寸法が前記長板状耐熱性基板の端面の厚み寸法
    よりも長い寸法となるようにしたことを特徴とする請求
    項5に記載のサーマルヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記保護膜から露出される前記第1の平
    面および前記第2の平面を電気的に絶縁するための絶縁
    膜を、前記保護膜と前記絶縁膜との接合点において前記
    保護膜に対し段差なく面一に形成することを特徴とする
    請求項5に記載のサーマルヘッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記保護膜から露出される前記第1の平
    面および前記第2の平面を電気的に絶縁するための絶縁
    膜を、前記保護膜と前記絶縁膜との接合点において前記
    保護膜の厚さよりも薄く形成することを特徴とする請求
    項5に記載のサーマルヘッドの製造方法。
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