JP2001260347A - 圧電式インクジェットプリンタヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各インク噴出用ノズルごとの圧力室を備えた
キャビティープレートと、前記各圧力室内のインクの噴
出を行う圧電アクチェータとから成る圧電式インクジェ
ットプリンタヘッドにおいて、所定量のインクを噴出す
ることができ、且つ、大型化を招来することなく、印字
密度の向上を図る。 【解決手段】 前記キャビティープレートを、第１キャ
ビティープレート１０と第２キャビティープレート２０
の二つに構成する一方、前記圧電アクチェータも、第１
圧電アクチェータ３０と第２圧電アクチェータ４０の二
つに構成して、これらを積層し、前記第１キャビティー
プレート１０における圧力室１５に連通するノズル６１
と、前記第２キャビティープレート２０における圧力室
２５に連通するノズル６１とを列状に並べて設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、圧電式のインクジ
ェットプリンタヘッドのうち、その印字駆動に、積層し
た圧電アクチェータを使用した圧電式インクジェットプ
リンタヘッドに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の圧電式インクジェットプ
リンタヘッドは、例えば、特開平４−３４１８５１号公
報等に開示されているように、列方向に適宜ピッチ間隔
で並ぶ複数個のインク噴出用ノズル及びこの各ノズルご
との圧力室を備えたキャビティープレートと、前記各圧
力室ごとに形成した駆動電極及び隣接する圧力室に共通
するコモン電極を圧電シートを挟んで積層した圧電アク
チェータとからなり、この圧電アクチェータを、前記キ
ャビティープレートに、当該圧電アクチェータにおける
各駆動電極が各圧力室に対応するように積層した構成に
している。

【０００３】この構成においては、前記任意の駆動電極
とコモン電極に対する通電により、圧電シートのうち前
記通電した駆動電極の部分が、当該通電した駆動電極に
対応する圧力室内に向かって歪み変形することにより、
この圧力室内のインクをノズルから噴出して、所定の印
字を行う。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の圧
電式インクジェットプリンタヘッドにおいて、その印字
密度を高くするには、各インク噴出用ノズルにおける列
方向に沿ったピッチ間隔を小さくすることで、列方向に
沿った単位長さ当たりに設けられるノズルの個数を多く
することが必要である。

【０００５】一方、前記従来の圧電式インクジェットプ
リンタヘッドにおいては、前記各インク噴出用ノズルの
各々に対する圧力室を、前記各ノズルと同じピッチ間隔
で一列に並べて設けるという構成であるから、前記各ノ
ズルにおける列方向のピッチ間隔を、高印字密度化のた
めに小さくすると、これに応じて前記各圧力室のピッチ
間隔も小さくなり、ひいては、前記各圧力室における横
幅寸法が狭くなることになる。

【０００６】しかし、各圧力室における横幅寸法が狭く
なると、前記圧電アクチェータのうち前記圧力室に該当
する部分が通電によって積層方向に歪み変形するときに
おける圧力室内への歪み変形量が小さくなるから、通電
したときに所定量のインクを噴出することができなくな
る。

【０００７】このために、従来の圧電式インクジェット
プリンタヘッドにおいては、高印字密度化に一定の限界
が存在するという問題があった。

【０００８】この場合において、前記各ノズルの各々に
対する各圧力室を、前記各ノズルの列の左右両側に、交
互に振り分けて二列に配設するという構成にすることに
より、各圧力室における横幅寸法を、各圧力室を一列に
並べて設ける場合の二倍に広くすることができる。しか
し、その反面、圧力室が二列に並ぶことで、キャビティ
ープレート及びこれら積層する圧電アクチェータにおけ
る横幅寸法が二倍に広くなるので、圧電式インクジェッ
トプリンタヘッドの大型化及び重量のアップを招来する
という問題がある。

【０００９】本発明は、これらの問題を解消した圧電式
インクジェットプリンタヘッドを提供すること技術的課
題とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この技術的課題を達成す
るため本発明は、第１に、請求項１に記載したように、
「適宜ピッチ間隔で列状に並ぶ複数個のインク噴出用ノ
ズル及びこの各ノズルのうち一つ飛ばしの各ノズルごと
に連通する圧力室を備えた第１キャビティープレート
と、前記各ノズルのうち前記一つ飛ばし以外の各ノズル
ごとの圧力室を備えた第２キャビティープレートと、前
記第１キャビティープレートにおける各圧力室ごとの駆
動電極及び隣接する圧力室に共通するコモン電極を備え
た第１圧電アクチェータと、前記第２キャビティープレ
ートにおける各圧力室ごとの駆動電極及び隣接する圧力
室に共通するコモン電極を備えた第２圧電アクチェータ
とからなり、前記第１及び第２圧電アクチェータが、そ
の間に変形し難い剛体プレートを挟んで積層され、第１
圧電アクチェータに第１キャビティープレートが、第２
圧電アクチェータに第２キャビティープレートが各々積
層され、更に、前記第２圧電アクチェータ、前記剛体プ
レート及び第１圧電アクチェータに、前記第２キャビテ
ィープレートにおける各圧力室を前記各ノズルのうち一
つ飛ばし以外の各ノズルとを連通する連通孔が設けられ
ている。」という構成にした。

【００１１】また、本発明は、第２に、請求項２に記載
したように、「複数個のインク噴出用ノズル及びこの各
ノズルごとに連通する圧力室を備えた第１キャビティー
プレートと、同じく複数個のインク噴出用ノズル及びこ
の各ノズルごとに連通する圧力室を備えた第２キャビテ
ィープレートと、前記第１キャビティープレートにおけ
る各圧力室ごとの駆動電極及び隣接する圧力室に共通す
るコモン電極を備えた第１圧電アクチェータと、前記第
２キャビティープレートにおける各圧力室ごとの駆動電
極及び隣接する圧力室に共通するコモン電極を備えた第
２圧電アクチェータとからなり、前記第１及び第２圧電
アクチェータが、その間に変形し難い剛体プレートを挟
んで積層され、第１圧電アクチェータに第１キャビティ
ープレートが、第２圧電アクチェータに第２キャビティ
ープレートが各々積層され、更に、前記第１及び第２キ
ャビティープレートにおける各ノズルが、当該第１及び
第２キャビティープレートのうち各圧電アクチェータに
対する積層面と直角の側面に、二列に並べて開口してい
る。」という構成にした。

【００１２】

【発明の作用・効果】前記請求項１に記載した構成にお
いて、第１圧電アクチェータ及び第２圧電アクチェータ
の間に変形し難い剛体プレートを挟んでいることによ
り、前記第１圧電アクチェータに通電にて発生する積層
方向の歪み変形の殆ど全てが、第１キャビティープレー
トにおける圧力室に対して及ぶ一方、前記第２圧電アク
チェータに通電にて発生する積層方向の歪み変形の殆ど
全ても、第２キャビティープレートにおける圧力室に対
して及ぶことになる。

【００１３】これにより、列状に並んでいる各インク噴
出用ノズルのうち一つ飛ばしの各ノズルからは第１キャ
ビティープレートにおける圧力室からのインクの噴出
が、残りの各ノズルからは第２キャビティープレートに
おける圧力室からのインクの噴出が各々選択的に行わ
れ、所定の印字が行われる。

【００１４】また、前記第１キャビティープレートにお
ける各圧力室は、列状に並んでいる各インク噴出用ノズ
ルのうち一つ飛ばしの各ノズルの各々に対応する一方、
前記第２キャビティープレートにおける各圧力室も、列
状に並んでいる各インク噴出用ノズルのうち残りの一つ
飛ばしの各ノズルの各々に対応することにより、この第
１及び第２キャビティープレートにおける各圧力室の間
隔ピッチを、前記列状に並んでいる各インク噴出用ノズ
ルのピッチ間隔の二倍することができる。

【００１５】これにより、各圧力室における横幅寸法
を、インク噴出用ノズルの全てに対する圧力室を一列状
に並べた場合の二倍に広くすることができるから、所定
のインク噴出量を確実に確保することができる。

【００１６】更にまた、前記第１キャビティープレート
と、前記第２キャビティープレートとは、互いに同じ平
面上におてい平行に並べたものではなく、その間に第１
圧電アクチェータ、剛体プレート及び第２圧電アクチェ
ータを挟んで積層した形態であることにより、全体の幅
寸法が増大することを回避できる。

【００１７】しかし、前記した積層形態のために、積層
方向の厚さが厚くなるが、第１圧電アクチェータと第２
圧電アクチェータとの間に剛体プレートを挟んだことに
より、この一枚の剛体プレートを両圧電アクチェータに
対して共用できるから、両圧電アクチェータの各々に剛
体プレートを設ける場合よりも、積層方向の厚さを薄く
できると共に、部品点数を少なくできる。

【００１８】なお、前記各インク噴出用ノズルのうち一
つ飛ばしの各ノズルと、これ以外の各ノズルとは、請求
項４に記載したように、一つの列に並ぶ構成にするか、
又は、別々の列に並ぶ構成にしても良い。

【００１９】次に、請求項２に記載した構成において
も、同様に、第１圧電アクチェータ及び第２圧電アクチ
ェータの間に変形し難い剛体プレートを挟んでいること
により、所定の印字を、第１キャビティープレートにお
ける各圧力室に連通する各ノズルからのインクの噴出
と、第２キャビティープレートにおける各圧力室に連通
する各ノズルからのインクの噴出とによって確実に行う
ことができる。また、前記第１キャビティープレート
と、前記第２キャビティープレートとは積層され、且
つ、第１圧電アクチェータと第２圧電アクチェータの間
に剛体プレートが挟まれいることにより、これらの各イ
ンク噴出用ノズルにおける単位長さ当たりの個数を多く
した状態のもとで、各圧力室の横幅寸法を広くすること
ができるし、積層方向の厚さを薄くした状態で、全体の
幅寸法が増大することを回避できる。

【００２０】なお、請求項２の場合、第１キャビティー
プレートにおける各圧力室に連通する各インク噴出用ノ
ズルと、第２キャビティープレートにおける各圧力室に
連通する各インク噴出用ノズルとを、前者の各インク噴
出用ノズルの間に後者の各インク噴出用ノズルが位置す
るようにずらせることにより、各ノズルにおける列方向
に沿ってのピッチ間隔を狭くすることができる。

【００２１】従って、本発明によると、圧電式インクジ
ェットプリンタヘッドにおける高印字密度化を、インク
噴出量の減少、大型化及び重量のアップを招来すること
なく、確実に達成できる効果を有する。

【００２２】特に、請求項３に記載したように、前記前
記剛体プレートとその両表面における第１及び第２圧電
アクチェータとを一体化することにより、これらを製作
する工程及び組み立て工程を簡単化でき、より低価格化
を図ることができる利点がある。

【００２３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
について説明する。

【００２４】図１〜図７は、第１の実施の形態を示す。

【００２５】この図において、符号１０は、第１キャビ
ティープレートを、符号２０は、第２キャビティープレ
ートを、符号３０は、前記第１キャビティープレートに
対して積層される第１圧電アクチェータを、符号４０
は、前記第２キャビティープレートに対して積層される
第２圧電アクチェータを、符号５０は、厚さ方向に変形
し難い材料にて構成され、その表裏両面に前記第１及び
第２圧電アクチェータが積層される剛性プレートを、そ
して、符号６０は、前記第１キャビティープレート１０
に積層されるノズルプレートを各々示す。

【００２６】前記第１キャビティープレート１０は、カ
バープレート１１、マニホールドプレート１２、スペー
サプレート１３及びベースプレート１４の四枚の薄い金
属板を一体的に積層したものに構成され、そのカバープ
レート１１の表面には、前記薄い金属板製のノズルプレ
ート６０が積層され、このノズルプレート６０には、多
数個のインク噴出用ノズル６１が、二列に沿ってピッチ
間隔Ｐで穿設されている。

【００２７】また、前記ベースプレート１４には、先端
１５ａが前記各ノズル６１のうち一つ飛ばしの各ノズル
６１に連通する圧力室１５が、前記各ノズル６１のピッ
チ間隔Ｐの二倍のピッチ間隔で穿設され、また、前記マ
ニホールドプレート１２には、インクを前記各圧力室１
５の他端に導くためのインク通路１６が穿設され、これ
ら各圧力室１５は、前記第１圧電アクチェータ３０及び
スペーサプレート１３の積層にて密閉され、また、前記
インク通路１６は、スペーサプレート１３及びカバープ
レート１１の積層にて密閉される構成になっている。

【００２８】次に、前記第２キャビティープレート２０
は、前記第１キャビティープレート１０と略同様に、カ
バープレート２１、マニホールドプレート２２、スペー
サプレート２３及びベースプレート２４の四枚の薄い金
属板を一体的に積層したものに構成され、そのベースプ
レート２４には、複数個の圧力室２５が、前記ノズルプ
レート６０における各ノズル６１のピッチ間隔Ｐの二倍
のピッチ間隔で穿設され、また、前記マニホールドプレ
ート２２には、インクを前記各圧力室２５の他端に導く
ためのインク通路２６が穿設され、これら各圧力室２５
は、前記第２圧電アクチェータ４０及びスペーサプレー
ト２３の積層にて密閉され、また、前記インク通路２６
は、スペーサプレート２３及びカバープレート２１の積
層にて密閉される構成になっている。

【００２９】前記第１圧電アクチェータ３０は、二枚の
圧電シート３１，３２を一体的に積層した構造で、この
両圧電シート３１，３２のうち一方の圧電シート３１に
は、前記第１キャビティープレート１０における各圧力
室１５の各々に対応する駆動電極３３が、他方の圧電シ
ート３２には、前記圧力室１５のうち隣接する複数個の
圧力室に共通するコモン電極３４が各々形成されてい
る。

【００３０】また、前記第２圧電アクチェータ４０は、
前記第１圧電アクチェータ３０と略同様に、二枚の圧電
シート４１，４２を一体的に積層した構造で、この両圧
電シート４１，４２のうち一方の圧電シート４１に、前
記第２キャビティープレート２０における各圧力室２５
の各々に対応する駆動電極４３が、他方の圧電シート４
２には、前記圧力室２５のうち隣接する複数個の圧力室
２５に共通するコモン電極４４が各々形成されている。

【００３１】これら第１圧電アクチェータ３０及び第２
圧電アクチェータ４０は、その間に、前記剛性プレート
５０を挟んで一体的に積層され、この積層体の表面のう
ち前記第１及び第２キャビティープレート１０，２０か
らの露出する部分に、前記各駆動電極３３，４３及びコ
モン電極３４，４４に対する接続用端子電極７０の複数
個が形成されている。

【００３２】そして、この第１圧電アクチェータ３０、
第２圧電アクチェータ４０及び剛性プレート５０からな
る積層体における一方の表面に、前記第１キャビティー
プレート１０を、他方の表面に、前記第２キャビティー
プレート２０を各々積層するに際して、前記第２キャビ
ティープレート２０における各圧力室２５の先端２５ａ
を、前記ノズルプレート６０における各ノズル６１のう
ち一つ飛ばし以外の各ノズル６１に、前記第１圧電アク
チェータ３０、第２圧電アクチェータ４０、剛性プレー
ト５０及び第１キャビティープレート１０に穿設した連
通孔８０を介して連通するように構成する。

【００３３】この構成において、第１圧電アクチェータ
３０及び第２圧電アクチェータ４０の間に剛体プレート
５０を挟んでいることにより、前記第１圧電アクチェー
タ３０に通電にて発生する積層方向の歪み変形の殆ど全
てが、第１キャビティープレート１０における圧力室１
５に対して及ぶ一方、前記第２圧電アクチェータ４０に
通電にて発生する積層方向の歪み変形の殆ど全ても、第
２キャビティープレート２０における圧力室２５に対し
て及ぶことになる。

【００３４】従って、列状に並んでいる各インク噴出用
ノズル６１のうち一つ飛ばしの各ノズル６１からは第１
キャビティープレート１０における圧力室１５からのイ
ンクの噴出が、残りの各ノズル６１からは第２キャビテ
ィープレート２０における圧力室２５からのインクの噴
出が各々選択的に行われ、所定の印字が行われる。

【００３５】また、前記第１キャビティープレート１０
における各圧力室１５は、列状に並んでいる各インク噴
出用ノズル６１のうち一つ飛ばしの各ノズル６１の各々
に対応する一方、前記第２キャビティープレート２０に
おける各圧力室２５も、列状に並んでいる各インク噴出
用ノズル６１のうち残りの一つ飛ばしの各ノズル６１の
各々に対応することにより、この第１及び第２キャビテ
ィープレート１０，２０における各圧力室１５，２５の
ピッチ間隔を、前記列状に並んでいる各インク噴出用ノ
ズル６１のピッチ間隔Ｐの二倍にすることができる。

【００３６】これにより、各圧力室１５，２５における
横幅寸法を、インク噴出用ノズル６１の全てに対する圧
力室を一列状に並べた場合の二倍に広くすることができ
るから、所定のインク噴出量を確実に確保することがで
きる。

【００３７】更にまた、前記第１キャビティープレート
１０と、前記第２キャビティープレート２０とは、互い
に同じ平面上において平行に並べたものではなく、その
間に第１圧電アクチェータ３０、剛体プレート５０及び
第２圧電アクチェータ４０を挟んで積層した形態である
ことにより、全体の幅寸法が増大することを回避でき
る。

【００３８】しかし、前記した積層形態のために、積層
方向の厚さが厚くなるが、第１圧電アクチェータ３０と
第２圧電アクチェータ４０との間に剛体プレート５０を
挟んだことにより、この一枚の剛体プレート５０を両圧
電アクチェータ３０，４０に対して共用できるから、両
圧電アクチェータ３０，４０の各々に剛体プレートを別
々に設ける場合よりも、積層方向の厚さを薄くできると
共に、部品点数を少なくできる。

【００３９】なお、この第１の実施の形態は、第１キャ
ビティープレート１０における各圧圧力室１５に連通す
る各ノズル６１と、第２キャビティープレート２０にお
ける各圧力室２５に連通する各ノズル６１とを、別々に
二列に沿って配設する場合であったが、本発明は、これ
に限らず、第１の実施の形態の変形例である図８に示す
ように、第１キャビティープレート１０における各圧力
室１５に連通する各ノズル６１と、第２キャビティープ
レート２０における各圧力室２５に連通する各ノズル６
１とを、一列に沿って所定のピッチ間隔Ｐで交互に並べ
る構成にしても良いのである。

【００４０】次に、図９〜図１１は、第２の実施の形態
を示す。

【００４１】この第２の実施の形態は、基本的には、前
記第１の実施の形態と略同様に、第１圧電アクチェータ
３０、第２圧電アクチェータ４０及び剛性プレート５０
からなる積層体における一方の表面に、前記第１キャビ
ティープレート１０を、他方の表面に、前記第２キャビ
ティープレート２０を各々積層した構成である。

【００４２】そして、この実施の形態においては、ノズ
ルプレート６００を、前記第１の実施の形態のように、
第１キャビティープレート１０に対して積層して設ける
ことに代えて、このノズルプレート６００を、前記第１
及び第２キャビティープレート１０，２０のうち各圧電
アクチェータ３０，４０に対する積層面と直角の側面に
設けて、このノズルプレート６００に、前記第１キャビ
ティープレート１０における各圧力室１５の先端１５ａ
に連通するインク噴出用ノズル６１１と、前記第２キャ
ビティープレート２０における各圧力室２５の先端２５
ａに連通するインク噴出用ノズル６１２とを、二列に並
べて穿設するという構成にしたものである。

【００４３】なお、前記各第１キャビティープレート１
０における各圧力室１５に連通するノズル６１１と、第
２キャビティープレート２０における各圧力室２５に連
通するノズル６１２とは、その一方の各ノズル６１１の
間に他方の各ノズル６１２が位置するようにずれてお
り、これにより、前記ノズル６１１，６１２は、列方向
に沿って所定のピッチ間隔Ｐで二列に並ぶという構成に
されている。

【００４４】このようなノズル配列にすることにより、
第１キャビティープレート１０に対する各ノズル６１１
と、第２キャビティープレート２０に対する各ノズル６
１２とを、列方向に沿って同じ位置する設ける場合より
も、各ノズル６１１，６１２間のピッチ間隔Ｐを狭くす
ることができる。

【００４５】この第２の実施の形態においても、前記第
１の実施の形態と同様に、第１圧電アクチェータ３０及
び第２圧電アクチェータ４０の間に変形し難い剛体プレ
ート５０を挟んでいることにより、所定の印字を、第１
キャビティープレート１０における各圧力室１５に連通
する各ノズル６１１からのインクの噴出と、第２キャビ
ティープレート２０における各圧力室２５に連通する各
ノズル６１２からのインクの噴出とによって確実に行う
ことができる。

【００４６】また、前記第１キャビティープレート１０
と、前記第２キャビティープレート２０とは積層され、
且つ、第１圧電アクチェータ３０と第２圧電アクチェー
タ４０の間に剛体プレート５０が挟まれていることによ
り、これらの各インク噴出用ノズル６１１，６１２にお
ける単位長さ当たりの個数を多くした状態のもとで、各
圧力室１５，２５の横幅寸法を広くすることができる
し、積層方向の厚さを薄くした状態で、全体の幅寸法が
増大することを回避できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態による圧電式インク
ジェットプリンタヘッドの一部を示す斜視図である。

【図２】前記図１のII−II視拡大断面図である。

【図３】前記図２のIII −III 視側面図である。

【図４】前記図２のIV−IV視側面図である。

【図５】前記図２のＶ−Ｖ視側面図である。

【図６】前記図２において分解した状態を示す図であ
る。

【図７】前記第１の実施の形態において二枚のベースプ
レートとノズルプレートとの関係を示す分解斜視図であ
る。

【図８】前記第１の実施の形態の変形例を示す斜視図で
ある。

【図９】本発明の第２の実施の形態による圧電式インク
ジェットプリンタヘッドの一部を示す斜視図である。

【図１０】前記図９のＸ−Ｘ視拡大断面図である。

【図１１】前記第２の実施の形態において二枚のベース
プレートとノズルプレートとの関係を示す分解斜視図で
ある。

【符号の説明】

１０ 第１キャビティープレート ２０ 第２キャビティープレート １５，２５ 圧力室 ３０ 第１圧電アクチェータ ４０ 第２圧電アクチェータ ３３，４３ 駆動電極 ３４，４４ コモン電極 ５０ 剛体プレート ６０，６００ ノズルプレート ６１，６１１，６１２ インク噴出用ノズル ７０ 端子電極 ８０ 連通孔

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】適宜ピッチ間隔で列状に並ぶ複数個のイン
   ク噴出用ノズル及びこの各ノズルのうち一つ飛ばしの各
   ノズルごとに連通する圧力室を備えた第１キャビティー
   プレートと、前記各ノズルのうち前記一つ飛ばし以外の
   各ノズルごとの圧力室を備えた第２キャビティープレー
   トと、前記第１キャビティープレートにおける各圧力室
   ごとの駆動電極及び隣接する圧力室に共通するコモン電
   極を備えた第１圧電アクチェータと、前記第２キャビテ
   ィープレートにおける各圧力室ごとの駆動電極及び隣接
   する圧力室に共通するコモン電極を備えた第２圧電アク
   チェータとからなり、前記第１及び第２圧電アクチェー
   タは、その間に変形し難い剛体プレートを挟んで積層さ
   れ、第１圧電アクチェータに第１キャビティープレート
   が、第２圧電アクチェータに第２キャビティープレート
   が各々積層され、更に、前記第２圧電アクチェータ、前
   記剛体プレート及び第１圧電アクチェータに、前記第２
   キャビティープレートにおける各圧力室を前記各ノズル
   のうち一つ飛ばし以外の各ノズルとを連通する連通孔が
   設けられていることを特徴とする圧電式インクジェット
   プリンタヘッド。
2. 【請求項２】複数個のインク噴出用ノズル及びこの各ノ
   ズルごとに連通する圧力室を備えた第１キャビティープ
   レートと、同じく複数個のインク噴出用ノズル及びこの
   各ノズルごとに連通する圧力室を備えた第２キャビティ
   ープレートと、前記第１キャビティープレートにおける
   各圧力室ごとの駆動電極及び隣接する圧力室に共通する
   コモン電極を備えた第１圧電アクチェータと、前記第２
   キャビティープレートにおける各圧力室ごとの駆動電極
   及び隣接する圧力室に共通するコモン電極を備えた第２
   圧電アクチェータとからなり、前記第１及び第２圧電ア
   クチェータが、その間に変形し難い剛体プレートを挟ん
   で積層され、第１圧電アクチェータに第１キャビティー
   プレートが、第２圧電アクチェータに第２キャビティー
   プレートが各々積層され、更に、前記第１及び第２キャ
   ビティープレートにおける各ノズルが、当該第１及び第
   ２キャビティープレートのうち各圧電アクチェータに対
   する積層面と直角の側面に、二列に並べて開口している
   ことを特徴とする圧電式インクジェットプリンタヘッ
   ド。
3. 【請求項３】前記請求項１又は２の記載において、前記
   剛体プレートとその両表面における第１及び第２圧電ア
   クチェータとが一体化されていることを特徴とする圧電
   式インクジェットプリンタヘッド。
4. 【請求項４】前記請求項１の記載において、前記各イン
   ク噴出用ノズルのうち一つ飛ばしの各ノズルと、これ以
   外の各ノズルとは、一つの列に並んでいるか、又は別々
   の列に並んでいることを特徴とする圧電式インクジェッ
   トプリンタヘッド。
5. 【請求項５】前記請求項２の記載において、第１キャビ
   ティープレートにおける各圧力室に連通する各インク噴
   出用ノズルと、第２キャビティープレートにおける各圧
   力室に連通する各インク噴出用ノズルとは、前者の各イ
   ンク噴出用ノズルの間に後者の各インク噴出用ノズルが
   位置するようにずれていることを特徴とする圧電式イン
   クジェットプリンタヘッド。