JP2001258791A - ポータブルトイレ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の脱臭付ポータブルトイレは、脱臭ユニ
ットが本体に装着されており、使用時以外の状態では脱
臭できないという課題を有している。 【解決手段】 本体１２中央の空間部１５に備えられて
いるポット１６に脱臭ユニット１９に設け、ポット１６
上部に開口した吸引口１８を有した脱臭ユニット１９下
部に排出口２３を設けたポータブルトイレとしているも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は病院や寝室に備えら
れるポータブルトイレから発生する臭気の脱臭処理を行
う脱臭機能付ポータブルトイレに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来この種のポータブルトイレとして
は、特開平７−３１５６０号、や特開平１１−２９０２
４２号等で提案されているように、脱臭ユニットがポー
タブルトイレ本体に設置される構成のものが知られてい
る。

【０００３】図７は、このポータブルトイレの構成を示
す側面断面図である。本体１は上面に開閉自在に取付け
られた便蓋２と便座３と本体１下部中央に設けられた空
間４内に排泄物を貯溜するポット５を装着した構成で、
本体１側面または底面に取付けられた脱臭ユニット６の
吸引口７は便座３とポット５との隙間８に臨ませられて
いる。

【０００４】また脱臭ユニット６内のファン９により吸
引された臭気は、活性炭等から成る吸着材１０で吸着さ
れ排出口１１より吹出された後、従来例では隙間８に開
口するもう一つ箇所よりポット５上面を流れ再度吸引口
７へ導かれるエアカーテン方式が提示されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来は、この種の脱臭
ユニットを有したポータブルトイレは、使用時は脱臭ユ
ニットが作用しているためポットから発生する臭気を脱
臭ユニット内に導き処理することができるが、通常小便
の場合は数回程度まではポットに蓋をして便蓋を閉めた
状態で置かれており、また大便の場合は使用後にポット
を取出して既設トイレまで運びそこで捨てるという動作
が行われる。しかし、上記動作の場合いずれも使用後は
脱臭を行うことが出来ず、介護現場での臭いの問題が解
決できないという課題を有している。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、排泄物を入れ
るポットに吸引口を有した脱臭ユニットを設けたもの
で、排泄中は勿論、ポットに蓋をした後も、また排泄後
にポットを既設トイレに持って行って捨てるまでの間で
も脱臭運転を継続できるようにしたものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】請求項１に記載した発明は、上面
に蓋を備え汚物を一時的に貯溜するポットと、ポットを
着脱自在に収納する空間部と、空間部上側に便座とその
便座を覆う開閉自在の便蓋とを備えた本体を有し、前記
ポットに吸引口を開口した脱臭ユニットを設けたもの
で、脱臭ユニットがポットと一体化されているため、ポ
ットが本体から離れた状態でも排泄後の臭気を継続して
脱臭できるポータブルトイレを実現するものである。

【０００８】請求項２に記載した発明は、脱臭ユニット
の吸引口と排気口を両端とする通気風路内に、化学吸着
または物理吸着させるゼオライトと複数の金属担持で混
合成型された吸着材と、脱臭ファンと、人体検出部と、
制御部を設けたもので、吸着材で硫化水素やアンモニア
等の排泄物から発生する代表臭気成分を完全に吸着させ
請求項１同様の効果を得るようにしたポータブルトイレ
としている。

【０００９】請求項３に記載した発明は、人体検出部と
して赤外線センサーを用い、赤外線センサーの発光部か
ら進行波と受光部への反射波とを本体外部へ導く導波管
を設け、導波管の一端を本体外に開口したもので、本体
内部に設置した脱臭ユニットの人体検出部でも本体外に
位置する人体を安定して検出させるようにしたポータブ
ルトイレとしている。

【００１０】請求項４に記載した発明は、ポットに蓋の
有無を判定する蓋検出手段と、脱臭ユニットの通気風路
に風路切換手段を設け、風路切換手段を介して一つは本
体外部へ通じる排出口Ａと他はポット内に通じる排出口
Ｂを設け、蓋検出手段の信号により風路切換手段を動作
させるようにしたもので、ポットに蓋がされた状態にな
ると、風路切換手段が動作し吸気され脱臭処理された流
れが排出口Ｂに通じるように排出風路が切換えられ循環
流れを形成させるようにしたポータブルトイレとしてい
る。

【００１１】請求項５に記載した発明は、脱臭ユニット
に駆動用の電池電源部を設けるようにして、ポットを本
体から取り外し既設トイレに持って捨てる直前まで脱臭
ユニットが動作できるようにしたポータブルトイレとし
ている。

【００１２】請求項６に記載した発明は、本体内に電池
電源部を充電する充電部を設け、ポットが本体に装着さ
れると電池電源部が充電部に差込まれる構成とし、ポッ
トが本体から取り外されると脱臭ユニットが電池電源部
により駆動されるようにして、ポットを本体に装着して
使用している間に充電し、ポットを取り外した時に電池
電源部の充電切れがないようにしたポータブルトイレと
している。

【００１３】

【実施例】（実施例１）以下本発明の第１の実施例につ
いて説明する。図１は実施例１のポータブルトイレの側
面構成を示す要部断面図である。本実施例のポータブル
トイレは、従来例同様に本体１２上面に開閉自在に取付
けられた便蓋１３と便座１４と本体１２下部中央に設け
られた空間部１５内に排泄物が貯溜されるポット１６を
装着した構成で、ポット１６には上面に蓋１７と上側側
面に吸引口１８を開口した脱臭ユニット１９が設けられ
ている。また蓋１７を閉めた状態で脱臭時に必要な空気
通路が確保されるように、取入口２０が蓋１７またはポ
ット１６と蓋１７との接合面で形成されている。本実施
例では持ち手２１が脱臭ユニット１９側に取付けられて
いるが、持ち手２１をポット１６上側に設け、ポット１
６を本体１２上面から引き上げる構成の場合は、脱臭ユ
ニット１９をポット１６底面に設けてもよく、ポット１
６への取り付け箇所については限定するものではない。

【００１４】以下本実施例の動作、作用について説明す
る。ポータブルトイレは通常、歩行が困難で既設のトイ
レまで歩けない要介護者や夜中だけ使用する高齢者等を
対象に寝室や病室等に設置されている。通常は臭いと汚
れ対策にポット１６内には水を張って、また臭いが室内
に洩れないように排泄物を貯溜するポット１６に蓋１７
をし、さらに便蓋１３と便座１４が閉じられている。

【００１５】従って使用する場合は、便蓋１３と便座１
４を上げてポット１６の蓋１７を取り便座１４のみを元
に戻した状態で利用者が便座１４に着座する。着座して
脱臭ユニット１９の運転スイッチ２２を入れるとファン
（図示せず）が始動し、ポット１６内の臭気成分が室内
空気と共に吸引口１８から吸引され脱臭ユニット１９内
へ導かれ、活性炭等からなる吸着材や触媒、オゾン処理
等によって脱臭されて排出口２３から寝室等の室内へ放
出される。使用終了後は、便座１４を一旦上げてポット
１６に蓋１７をし、使用開始時とは逆に便座１４を下ろ
した後に便蓋１３を閉じて終了する。その際脱臭ユニッ
ト１９は取入口２０より室内の空気を吸込み完了スイッ
チ２４が押されるまで継続して脱臭が行なわれる。

【００１６】その結果、排泄後にも長時間脱臭が行なわ
れることによりポット１６内の臭気レベルをほとんど閾
値以下にすることができる。従って、ポット１６を本体
１２から取出して既設トイレに持って行く状態でも臭い
の問題から解消される。また完了スイッチ２４に代わっ
てタイマー等の時間設定制御を設けても同等の効果を得
ることできる。

【００１７】（実施例２）続いて本発明の第２の実施例
について説明する。図２は本実施例を示すポータブルト
イレのポット１６の側面断面構成図である。実施例１と
異なる点は脱臭ユニット１９の吸引口１８と排出口２３
を両端とする通気風路２４内に、化学吸着または物理吸
着させる疎水性ゼオライトとマンガン、コバルト、銅等
から成る複数の金属担持で混合成型された吸着材２６
と、脱臭ファン２７と便座１４に使用者が着座したこと
を検知する赤外線センサーや圧力スイッチ等から成る人
体検出部２８及び運転制御を行なう制御部２９で構成し
たところである。

【００１８】次に動作、作用について説明すると、使用
者が便座１４に着座すると便座１４内に設けられた人体
検出部２８が作動し、その信号を受けて制御部２９によ
り脱臭ファン２７の運転が開始され、ポット１６内の臭
気成分が空気と共に吸引口１８から通気風路２５へ導か
れ、吸着材２６によって吸着脱臭されて排出口２３より
本体１２外へ排出され、人体検出部２８により人体が検
出されなくなると脱臭ファン２７を一定時間後に停止す
る。

【００１９】（実施例３）続いて本発明の第３の実施例
について説明する。図３は本実施例を示すポータブルト
イレの側面構成を示す要部断面図である。本実施例で
は、人体検出部２８として赤外線センサーを用い、赤外
線センサーの発光部３０からの進行波と受光部３１への
反射波とを外部へ導く筒状の導波管３２を本体１２に設
け、導波管３１の一端を本体１２外に開口するようにし
たものである。

【００２０】以下本実施例の動作について説明する。本
実施例では発光部３０から発せられる赤外線が本体１２
の壁面等で反射を起こし、人体を検出していないのに検
出したとする誤動作を生じないように、人体検出部２８
と足の脹脛等の人体反射部とを結ぶ赤外線経路に沿って
設けた筒状の導波管３２により赤外線を本体１２の外部
まで反射なく導くようにしている。

【００２１】（実施例４）続いて本発明の第４の実施例
について説明する。図４は本実施例を示すポータブルト
イレのポット１６の側面構成を示す要部断面図である。
本実施例では、ポット１６に蓋１７の有無を判定する圧
力センサーや光センサー等から成る蓋検出手段３３と、
脱臭ユニット１９の通気風路２５にダンパー機構や開閉
弁等で構成される風路切換手段３４と、この風路切換手
段３４の下流側に本体１２外へ通じる排出口Ａ３５とポ
ット１６内に開口する排出口Ｂ３６を設け、制御部２９
に蓋検出手段３３の信号により風路切換手段３４を動作
させるようにしたものである。

【００２２】以下本実施例の動作について説明する。本
実施例ではポット１６に蓋１７がされた状態になると、
蓋検出手段３３からの検知信号を受け風路切換手段３４
が設定条件になるように制御部２９が作用し、ポット１
６より吸気され脱臭処理された空気は、排出口Ｂ３６か
ら再度ポット１６内へ送られる循環流れが形成される。

【００２３】（実施例５）続いて本発明の第５の実施例
について説明する。図５は本実施例を示すポータブルト
イレのポット１６の側面構成を示す要部断面図である。
本実施例では、脱臭ユニット１９に駆動用の電池電源部
３７を設けるようにしたもので、ポット１６を本体１２
から取り外し、既設トイレに持って捨てる直前まで脱臭
ユニット１９が動作できるようにしたポータブルトイレ
としている。

【００２４】（実施例６）続いて本発明の第６の実施例
について説明する。図６は本実施例を示すポータブルト
イレの側面構成を示す要部断面図である。本実施例で
は、本体１２内に電池電源部３７を充電する充電部３８
を設け、ポット１６が本体１２に装着されると充電部３
８に差込まれ電池電源部３７が充電され、またポット１
６が本体１２から取外されると脱臭ユニット１９が電池
電源部３７により駆動されるようにしたもので、ポット
１６の排泄物を既設トイレに廃棄して洗浄した後、本体
１２に装着すると必然的に脱臭ユニット１９の電池電源
部３７が充電されるようにして、ポット１６を取外した
時に電池電源部３７の充電切れが起こらないようにした
ポータブルトイレとしている。

【００２５】

【発明の効果】請求項１に記載した発明は、上面に蓋を
備え汚物を一時的に貯溜するポットと、ポットを着脱自
在に収納する空間部と、空間部上側に便座と便座を覆う
開閉自在の便蓋とを備えた本体のポットに吸引口を開口
した脱臭ユニットを設けるようにして、排泄物が貯溜さ
れるポットから直接臭気を吸引し、かつ排泄時だけでな
く排泄後まで脱臭を継続して行うことができるため脱臭
効果が向上し、その結果寝室等の居住空間の臭いの問題
を解決することができるポータブルトイレを実現するも
のである。

【００２６】請求項２に記載した発明は、脱臭ユニット
の吸引口と排気口を両端とする通気風路内に、化学吸着
または物理吸着させるゼオライトと複数の金属担持で混
合成型された吸着材と、脱臭ファンと人体検出部と制御
部を設けて、請求項１の効果に加えて、脱臭ユニット運
転動作の自動化と排泄物特有の臭い成分である硫化水素
やメチルメルカプタン、アンモニアに対して高い脱臭効
率を有する材料で吸着材を形成しさらに脱臭効果が得ら
れるポータブルトイレを実現するものである。

【００２７】請求項３に記載した発明は、人体検出部と
して赤外線センサーを用い、本体に赤外線センサーの発
光部からの進行波と受光部への反射波とを導く導波管を
設け、導波管の一端を本体外に開口させて、脱臭ユニッ
トが本体内に設置される構成においても使用者を確実に
検出できるようにしたポータブルトイレを実現するもの
である。

【００２８】請求項４に記載した発明は、ポットに蓋の
有無を判定する蓋検出手段と、脱臭ユニットの通気風路
に風路切換手段を設け、風路切換手段下流側に一つは本
体外部へ開口する排出口Ａと他はポット内に開口する排
出口Ｂを設け、蓋検出手段の信号により風路切換手段を
動作させるもので、排泄後にポットを蓋で完全に密閉し
ても脱臭吸引が問題なくできるようにし、排泄後の臭気
を繰り返し吸着材に通過させ脱臭効果を向上させるポー
タブルトイレを実現するものである。

【００２９】請求項５に記載した発明は、脱臭ユニット
に駆動用の電池電源部を設けて、ポットを本体から取出
し既設トイレに捨てる時まで脱臭運転が継続してできる
ポータブルトイレを実現するものである。

【００３０】請求項６に記載した発明は、本体内に電池
電源部を充電する充電部を設け、ポットが本体に装着さ
れると電池電源部が充電部に差込まれる構成とし、ポッ
トが本体から取外されると脱臭ユニットが電池電源部に
より駆動されるようにして、脱臭ユニットがいつでも電
池駆動できるようにしたポータブルトイレを実現するも
のである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例であるポータブルトイレ
の側面構成を示す要部断面図

【図２】本発明の第２の実施例であるポットの側面構成
を示す要部断面図

【図３】本発明の第３の実施例であるポータブルトイレ
の側面構成を示す要部断面図

【図４】本発明の第４の実施例であるポットの側面構成
を示す要部断面図

【図５】本発明の第５の実施例であるポットの側面構成
を示す要部断面図

【図６】本発明の第６の実施例であるポータブルトイレ
の側面構成を示す要部断面図

【図７】従来のポータブルトイレの側面構成を示す断面
図

【符号の説明】

１２ 本体 １３ 便蓋 １４ 便座 １５ 空間部 １６ ポット １７ 蓋 １８ 吸引口 １９ 脱臭ユニット ２３ 排出口 ２５ 通気風路 ２６ 吸着材 ２７ 脱臭ファン ２８ 人体検出部 ２９ 制御部 ３０ 発光部 ３１ 受光部 ３２ 導波管 ３３ 蓋検出手段 ３４ 風路切換手段 ３５ 排出口Ａ ３６ 排出口Ｂ ３７ 電池電源部 ３８ 充電部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 香山 博之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Ｆターム(参考） 2D036 HA12 HA26 HA32 HA46 2D038 BB23 BC01 4C080 AA05 BB04 CC13 HH05 JJ03 KK08 LL10 MM04 QQ17 4G066 AA15B AA26B AA27B AA61B CA02 DA03 EA20

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上面に蓋を備え汚物を一時的に貯溜する
   ポットと、前記ポットを着脱自在に収納する空間部と、
   前記空間部上側に便座と前記便座を覆う開閉自在の便蓋
   とを備えた本体とを有し、前記ポットに吸引口を開口し
   た脱臭ユニットを設けたポータブルトイレ。
2. 【請求項２】 脱臭ユニットの吸引口と排気口を両端と
   する通気風路内に、化学吸着または物理吸着させるゼオ
   ライトと複数の金属担持で混合成型された吸着材と、脱
   臭ファンと、人体検出部と、制御部とを配設した請求項
   １記載のポータブルトイレ。
3. 【請求項３】 人体検出部として赤外線センサーを用
   い、本体に前記赤外線センサーの発光部からの進行波と
   受光部への反射波とを導く導波管を設け、前記導波管の
   一端を前記本体外に開口させた請求項２記載のポータブ
   ルトイレ。
4. 【請求項４】 ポットに蓋の有無を判定する蓋検出手段
   と、脱臭ユニットの通気風路に風路切換手段を設け、前
   記風路切換手段下流側に一つは本体外部へ通じる排出口
   Ａと他は前記ポット内に通じる排出口Ｂを設け、前記蓋
   検出手段の信号により前記風路切換手段を動作させるこ
   とを特徴とする請求項２または請求項３記載のポータブ
   ルトイレ。
5. 【請求項５】 脱臭ユニットに駆動用の電池電源部を設
   けた請求項１から４のいずれか１項記載のポータブルト
   イレ。
6. 【請求項６】 本体内に電池電源部を充電する充電部を
   設け、ポットが前記本体に装着されると前記電池電源部
   が前記充電部に差込まれる構成とし、前記ポットが前記
   本体から取外されると前記脱臭ユニットが前記電池電源
   部により駆動されることを特徴とした請求項５項記載の
   ポータブルトイレ。