JP2001257281A - 電子部品収納用容器 - Google Patents

電子部品収納用容器

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JP2001257281A
JP2001257281A JP2000064842A JP2000064842A JP2001257281A JP 2001257281 A JP2001257281 A JP 2001257281A JP 2000064842 A JP2000064842 A JP 2000064842A JP 2000064842 A JP2000064842 A JP 2000064842A JP 2001257281 A JP2001257281 A JP 2001257281A
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oxide
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lid
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Yoshiaki Ito
吉明 伊藤
Toshihiro Hashimoto
利弘 橋本
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】外部電気回路基板に強固に実装できない。 【解決手段】絶縁基体1と蓋体2とを封止材8を介して
接合させ、絶縁基体1と蓋体2とから成る容器4内部に
電子部品3を気密に収容する電子部品収納用容器であっ
て、前記絶縁基体1および蓋体2が40〜400℃にお
ける熱膨張係数が8.5〜20ppm/℃のセラミック
材で形成されており、かつ封止材8が酸化銀20〜40
重量%、五酸化燐20〜30重量%、ヨウ化銀5〜20
重量%、酸化硼素5〜15重量%、酸化亜鉛1〜6重量
%を含むガラス成分に、フィラーとしての燐酸ジルコニ
ウム・酸化ジルコニウム・酸化ニオブ固溶体を5〜15
重量%添加したガラスから成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体素子や圧電振
動子等の電子部品を気密に封止して収容するための電子
部品収納用容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体集積回路素子を初めとする
半導体素子あるいは水晶振動子、弾性表面波素子といっ
た圧電振動子等の電子部品を収容するための電子部品収
納用容器は、例えば酸化アルミニウム(Al23)質焼
結体等の電気絶縁材料から成り、その上面の略中央部に
電子部品を収容するための凹部およびその凹部周辺から
下面にかけて導出された、例えばタングステンやモリブ
デン等の高融点金属粉末から成る複数個のメタライズ配
線層を有する絶縁基体と、同じく酸化アルミニウム質焼
結体やガラス等の電気絶縁材科から成る蓋体とから構成
されている。
【0003】そして、電子部品が、例えば半導体素子の
場合には、絶縁基体の凹部の底面に半導体素子をガラ
ス、樹脂、ロウ材等から成る接着剤を介して接着固定す
るとともに半導体素子の各電極とメタライズ配線層とを
ボンディングワイヤ等の電気的接続手段を介して電気的
に接続し、しかる後、絶縁基体の上面に蓋体を低融点ガ
ラスから成る封止材を介して接合させ、絶縁基体と蓋体
とから成る容器内部に半導体素子を気密に収容すること
によって最終製品としての半導体装置となる。
【0004】また、電子部品が、例えば圧電振動子の場
合には、絶縁基体の凹部の底面に形成された一対の段差
部に、真空中において圧電振動子の一端をポリイミド導
電性樹脂等から成る接着剤を介して接着固定するととも
に圧電振動子の各電極をメタライズ配線層に電気的に接
続し、しかる後、絶縁基体の上面に蓋体を低融点ガラス
から成る封止材を介して接合させ、絶縁基体と蓋体とか
ら成る容器内部に圧電振動子を気密に収容することによ
って最終製品としての電子部品装置となる。
【0005】なお、絶縁基体に蓋体を接合させる低融点
ガラスから成る封止材としては、一般に例えば酸化鉛5
6〜66重量%、酸化ホウ素4〜14重量%、酸化珪素
1〜6重量%、酸化ビスマス0.5〜5重量%、酸化亜
鉛0.5〜3重量%を含むガラス成分にフィラーとして
のコージェライト系化合物を9〜19重量%、チタン酸
錫系化合物を10〜20重量%添加したガラスが使用さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の電子部品収納用容器においては、絶縁基体および蓋
体が一般に酸化アルミニウム質焼結体で形成されてお
り、その熱膨張係数は約6.5ppm/℃で半導体装置
等が実装される外部電気回路基板として最も多用されて
いるガラス−エポキシ絶縁体にCu配線層が形成された
プリント基板の熱膨張係数(11〜18ppm)と大き
く相違する。
【0007】そのため、この電子部品収納用容器の内部
に半導体素子や水晶振動子、弾性表面波素子等を収容
し、半導体装置や電子部品装置となすとともにこれをプ
リント基板上に半田等を介し接合実装させ、しかる後、
電子部品収納用容器とプリント基板の両方に半導体素子
の作動時に発する熱やプリント基板に実装されている他
の電子部品の発する熱が繰り返し印加されると容器の絶
縁基体と外部電気回路基板との間に両者の熱膨張係数の
相違に起因する大きな熱応力が発生するとともにこれが
両者の接合部に繰り返し作用して接合を破ってしまい、
その結果、容器内部に収容する半導体素子や水晶振動
子、弾性表面波素子等を所定の外部電気回路に長期にわ
たり正確、かつ強固に電気的接続させることができない
という欠点を有していた。
【0008】本発明は上記欠点に鑑み案出されたもの
で、その目的は、内部に半導体素子や水晶振動子、弾性
表面波素子等を気密に収容するとともに収容する半導体
素子や水晶振動子、弾性表面波素子等を所定の外部電気
回路に長期にわたり正確、かつ強固に電気的接続するこ
とができる電子部品収納用容器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、絶縁基体と蓋
体とを封止材を介して接合させ、絶縁基体と蓋体とから
成る容器内部に電子部品を気密に収容する電子部品収納
用容器であって、前記絶縁基体および蓋体が40〜40
0℃における熱膨張係数が8.5〜18ppm/℃のセ
ラミック材で形成されており、かつ封止材が酸化銀20
〜40重量%、五酸化燐20〜30重量%、ヨウ化銀5
〜20重量%、酸化硼素5〜15重量%、酸化亜鉛1〜
6重量%を含むガラス成分に、フィラーとしての燐酸ジ
ルコニウム・酸化ジルコニウム・酸化ニオブ固溶体を5
〜15重量%添加したガラスから成ることを特徴とする
ものである。
【0010】また本発明は、前記絶縁基体および蓋体が
酸化バリウムを5〜60重量%含有するガラスと、40
〜400℃における熱膨張係数が6ppm/℃以上の金
属酸化物粒子を含むフィラーとからなり、前記ガラスお
よび/またはフィラー中にZr化合物をZrO2換算で
0.1〜30重量%の割合で含有するガラスセラミック
焼結体からなることを特徴とするものである。
【0011】本発明の電子部品収納用容器によれば、絶
縁基体および蓋体を40〜400℃における熱膨張係数
が8.5〜18ppmのセラミック材で形成し、容器の
熱膨張係数をプリント基板の熱膨張係数に近似させたこ
とから、この電子部品収納用容器の内部に半導体素子や
水晶振動子、弾性表面波素子等を収容し、半導体装置や
電子部品装置となすとともにプリント基板上に実装させ
た後、容器とプリント基板の両方に熱が印加されたとし
ても容器とプリント基板との間には大きな熱応カが発生
することはなく、これによって容器をプリント基板上に
強固に実装し、容器内部に収容する半導体素子や水晶振
動子、弾性表面波素子等を所定の外部電気回路に長期に
わたり正確、かつ強固に電気的接続させることが可能と
なる。
【0012】また本発明の電子部品収納用容器によれ
ば、絶縁基体と蓋体とを接合させる封止材を酸化銀20
〜40重量%、五酸化燐20〜30重量%、ヨウ化銀5
〜20重量%、酸化硼素5〜15重量%、酸化亜鉛1〜
6重量%を含むガラス成分に、フィラーとしての燐酸ジ
ルコニウム・酸化ジルコニウム・酸化ニオブ固溶体を5
〜15重量%添加したガラスで形成し、その熱膨張係数
を8〜15ppm/℃として絶縁基体および蓋体の熱膨
張係数に近似させたことから絶縁基体と蓋体とを封止材
を介して接合した後、絶縁基体及び蓋体と封止材とに熱
が印加されても各々の間には大きな熱応力が発生するこ
とはなく、その結果、絶縁基体と蓋体とから成る容器の
気密封止を常に完全とし、容器内部に収容する半導体素
子や水晶振動子、弾性表面波素子等を安定に作動させる
ことが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明を添付図面に基づき
詳細に説明する。図lは本発明の電子部品収納用容器の
実施の形態の一例を示す断面図であり、同図においては
電子部品が半導体集積回路素子であり、電子部品収納用
容器が半導体素子収納用パッケージである場合の例を示
している。
【0014】図1において1は絶縁基体、2は蓋体であ
る。この絶縁基体1と蓋体2とで半導体集積回路素子3
を収容するための容器4が構成される。
【0015】前記絶縁基体1はその上面の略中央部に半
導体集積回路素子3を収容する空所を形成するための凹
部1aが設けてあり、該凹部1aの底面には半導体集積
回路素子3がガラス、樹脂、ロウ材等から成る接着剤を
介して接着固定される。
【0016】また前記絶縁基体1は凹部1a周辺から上
面にかけて複数個のメタライズ配線層5が被着形成され
ており、このメタライズ配線層5の凹部1a周辺部には
半導体集積回路素子3の各電極がボンディングワイヤ6
を介して電気的に接続され、また絶縁基体1の上面に導
出された部位には外部電気回路と接続される外部リード
端子7が銀ロウ等のロウ材を介して取着されている。
【0017】前記メタライズ配線層5は半導体集積回路
素子3の各電極を外部電気回路に電気的に接続する際の
導電路として作用し、銅、銀、金およびそれらを主とす
る合金等の金属粉末により形成されている。
【0018】前記メタライズ配線層5は銅や銀、金等の
金属粉末に適当な有機溶剤、溶媒、可塑剤等を添加混合
して得た金属ペーストを従来周知のスクリーン印刷法等
の厚膜手法を採用することによって絶縁基体1の凹部1
a周辺から上面にかけて所定パターンに被着形成され
る。
【0019】なお、前記メタライズ配線層5はその表面
にニッケル、金等の良導電性でかつ耐蝕性およびロウ材
との濡れ性が良好な金属をメッキ法により1〜20μm
の厚みに層着させておくと、メタライズ配線層5の酸化
腐蝕を有効に防止することができるとともにメタライズ
配線層5とボンディングワイヤ6との接続およびメタラ
イズ配線層5と外部リード端子7とのロウ付けを極めて
強固となすことができる。従って、前記メタライズ配線
層5の酸化腐蝕を防止し、メタライズ配線層5とボンデ
ィングワイヤ6との接続およびメタライズ配線層5と外
部リード端子7とのロウ付けを強固となすには、メタラ
イズ配線層5の表面にニッケル、金等をメッキ法により
1〜20μmの厚みに層着させておくことが好ましい。
【0020】更に前記メタライズ配線層5にロウ付けさ
れる外部リード端子7は容器4の内部に収容する半導体
集積回路素子3を外部電気回路に接続する作用をなし、
外部リード端子7を外部電気回路に接続することによっ
て内部に収容される半導体集積回路素子3はボンディン
グワイヤ6、メタライズ配線層5および外部リード端子
7を介して外部電気回路に電気的に接続されることとな
る。
【0021】前記外部リード端子7は鉄−ニッケル−コ
バルト合金や鉄−ニッケル合金等の金属材料から成り、
鉄−ニッケル−コバルト合金等のインゴット(塊)に圧
延加工法等、従来周知の金属加工法を施すことによって
所定の形状に形成される。
【0022】前記外部リード端子7はまたその表面にニ
ッケル、金等から成る良導電性でかつ耐蝕性に優れた金
属をメッキ法により1〜20μmの厚みに層着させてお
くと、外部リード端子7の酸化腐蝕を有効に防止するこ
とができるとともに外部リード端子7と外部電気回路と
の電気的接続を良好となすことができる。そのため、外
部リード端子7はその表面にニッケル、金等をメッキ法
により1〜20μmの厚みに層着させておくことが好ま
しい。
【0023】前記外部リード端子7が取着された絶縁基
体1はその上面に蓋体2が封止材8を介して接合され、
これによって絶縁基体1と蓋体2とから成る容器4の内
部に半導体集積回路素子3が気密に収容される。
【0024】本発明においては、前記容器4を構成する
絶縁基体1および蓋体2を40〜400℃における熱膨
張係数が8.5〜18ppm/℃のセラミック材で形成
しておくこと、絶縁基体1と蓋体2とを接合させ、絶縁
基体1と蓋体2とから成る容器4を気密に封止する接着
材8を酸化銀20〜40重量%、五酸化燐20〜30重
量%、ヨウ化銀5〜20重量%、酸化硼素5〜15、酸
化亜鉛1〜6重量%を含むガラス成分に、フィラーとし
ての燐酸ジルコニウム・酸化ジルコニウム・酸化ニオブ
固溶体を5〜15重量%添加したガラスで形成しておく
ことが重要である。
【0025】前記絶縁基体1および蓋体2を40〜40
0℃における熱膨張係数が8.5〜18ppm/℃のセ
ラミック材で形成する場合、具体的には、例えば、酸化
バリウムを5〜60重量%含有するガラスと、40〜4
00℃における熱膨張係数が6ppm/℃以上の金属酸
化物粒子を含むフィラーとからなり、前記ガラスおよび
/またはフィラー中にジルコニウム(Zr)化合物をZr
2換算で0.1〜30重量%の割合で含有させたガラ
スセラミック焼結体が好適に使用される。
【0026】前記ガラスセラミック焼結体は40〜40
0℃における熱膨張係数が8.5〜18ppm/℃であ
り、外部電気回路基板として最も多用されているガラス
−エポキシ絶縁体にCu配線層が形成されたプリント基
板の熱膨張係数(11〜18ppm/℃)と近似するた
め内部に半導体集積回路素子3を収容して半導体装置と
なすとともにプリント基板に実装した後、容器4とプリ
ント基板の両方に熱が印加されたとしても容器4とプリ
ント基板との間には大きな熱応力が発生することはな
く、これによって容器4をプリント基板上に強固に実装
し、容器4内部に収容する半導体素子を所定の外部電気
回路に長期にわたり正確、かつ強固に電気的接続させる
ことが可能となる。
【0027】前記絶縁基体1および蓋体2を形成するガ
ラスセラミック焼結体は、ガラス成分として酸化バリウ
ムを5〜60重量%含有するガラスを用いることが重要
である。この酸化バリウム含有ガラスは低軟化点であ
り、比較的高い熱膨張係数を有しているために、ガラス
量を少なく、かつ高熱膨張のフィラーを多く添加するこ
とが可能であり、高い熱膨張係数を有する焼結体が容易
に得られる。酸化バリウムの量を5〜60重量%の範囲
とするのは、5重量%より少ないとガラスの低軟化点化
が困難となるとともに熱膨張係数が低くなり、高熱膨張
のガラスセラミック焼結体を作製するのが難しく、60
重量%より多いとガラス化が困難であり、特性が不安定
となりやすく、また耐薬品性が著しく低下してしまうた
めである。特に酸化バリウムの量は20〜40重量%が
望ましい。
【0028】またこのガラス中には鉛(Pb)を実質的
に含まないことが望ましい。鉛は毒性を有するため製造
工程中での被毒を防止するための格別な装置および管理
を必要とするために焼結体を安価に製造することができ
なくなるためである。鉛が不純物として不可避的に混入
する場合を考慮すると、鉛の含有量は0.05重量%以
下であることが望ましい。
【0029】更にこのガラスの40〜400℃における
熱膨張係数が6〜18ppm/℃、特に7〜13ppm
/℃であることが望ましい。これは熱膨張係数が上記範
囲を逸脱するとフィラーとの熱膨張差が生じ、ガラスセ
ラミック焼結体の強度の低下の原因になるためである。
【0030】また更に、前記酸化バリウム含有ガラスの
屈伏点は、400〜800℃、特に400〜700℃で
あることが望ましい。これは酸化バリウム含有ガラスお
よびフィラーからなる混合物を成形する場合、有機樹脂
等の成形用バインダーを添加するが、このバインダーを
効率的に除去するとともに絶縁基体と同時に焼成される
メタライズ配線層との焼成条件のマッチングを図るため
必要であり、屈伏点が400℃より低いとガラスが低い
温度で焼結が開始されるために、例えば、銀(Ag)、
銅(Cu)等の焼結開始温度が600〜800℃のメタ
ライズ配線層との同時焼成ができず、また成形体の緻密
化が低温で開始するためにバインダーは分解揮散できな
くなりバインダー成分が残留し特性に影響を及ぼす結果
になるためである。また屈伏点が800℃より高いとガ
ラス量を多くしないと焼結しにくくなるため、高価なガ
ラスを大量に必要とするために焼結体のコストを高める
ことになる。
【0031】前記の特性を満足するガラスとしては、前
記酸化バリウム以外に、少なくとも酸化珪素(Si
2)を25〜60重量%の割合で含み、残部が酸化ホ
ウ素(B23)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化
カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、
酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)の群から
選ばれる少なくとも1種によって構成される。
【0032】一方、前記ガラスと組み合わせるフィラー
成分としては、40〜400℃における熱膨張係数が6
ppm/℃以上の金属酸化物を少なくとも含有すること
が焼結体の高熱膨張化を図る上で重要である。熱膨張係
数が6ppm/℃以上の金属酸化物を含有しないと、ガ
ラスセラミック焼結体の熱膨張係数を8.5ppm/℃
以上に高めることができないためである。
【0033】このような熱膨張係数が6ppm/℃以上
の金属酸化物としては、クリストバライト(Si
2)、クオーツ(SiO2)、トリジマイト(Si
2)、フォルステライト(2MgO・SiO2)、スピ
ネル(2MgO・Al23)、ウオラスナイト(Ca
O・SiO2)、モンティセラナイト(CaO・MgO
・SiO2)、ネフエリン(Na2O・Al23・SiO
2)、ジオプサイト(CaO・MgO・2SiO2)、メ
ルビナイト(3CaO・MgO・2SiO2)、アケル
マイト(2CaO・MgO・2SiO2)、マグネシア
(MgO)、アルミナ(Al23)、カーネギアイト
(Na2O・Al23・2SiO2)、エンスタタイト
(MgO・SiO2)、ホウ酸マグネシウム(MgO・
23)、セルシアン(BaO・Al23・2Si
2)、B23・2MgO・2SiO2、ガーナイト(Z
nO・Al23)の群から選ばれる少なくとも一種以上
が挙げられる。これらの中でも、クリストバライト、ク
オーツ、トリジマイト等のSiO2系材料やフォルステ
ライト、エンスタタイトの群から選ばれる一種が高熱膨
張化を図る上で望ましい。
【0034】前記ガラスとフィラーは、焼成温度や最終
的に得られるガラスセラミック焼結体の熱膨張特性など
の目的に応じて適当な比率で混合される。前記酸化バリ
ウム含有ガラスは、フィラー無添加では収縮開始温度は
700℃以下で、850℃以上では溶融してしまい、メ
タライズ配線層等を配設することができない。しかし、
フィラーを混合することにより焼成過程において結晶の
析出が起こり、フィラー成分を液相焼結させるための液
相を適切な温度で形成させることができる。また、成形
体全体の収縮開始温度を上昇させることができるため、
このフィラーの含有量の調整によりメタライズ配線層と
の同時焼成条件のマッチングを図ることができる。
【0035】前記ガラスとフィラーの比率は前記ガラス
粉末を20〜80体積%と、フィラー粉末を80〜20
体積%との割合とすることが好適である。このガラスと
フィラー成分の量を上記の範囲とするのはガラス成分量
が20体積%より少ない、言い換えればフィラーが80
体積%より多いと液相焼結することが難しく、焼成温度
が高くなり、メタライズ配線層との同時焼成時にメタラ
イズ配線層が溶融してしまう恐れがある。またガラスが
80体積%より多い、言い換えるとフィラーが20体積
%より少ないと焼結体の特性がガラスの特性に大きく依
存してしまい、材料特性の制御が困難となるとともに、
焼結開始温度が低くなるためにメタライズ配線層との同
時焼成が難しくなるという問題が生じる。またガラス量
が多いために原料のコストも高くなる傾向にある。
【0036】また、フィラー成分量は、酸化バリウムの
屈伏点に応じ、その量を適宜調整することが望ましい。
すなわち、ガラスの屈伏点が400〜700℃と低い場
合、低温での焼結性が高まるためフィラーの含有量は4
0〜80体積%と比較的多く配合できる。これに対し
て、ガラスの屈伏点が700〜800℃と高い場合、焼
結性が低下するためフィラーの含有量は20〜50体積
%と比較的少なく配合することが望ましい。
【0037】更に前記ガラスセラミック焼結体は、前記
フィラー成分中および/またはガラス成分中にジルコニ
ウム化合物(Zr化合物)を酸化ジルコニウム(ZrO
2)換算で0.1〜30重量%の割合で含有させておく
ことが重要である。前記Zr化合物は酸化バリウム含有
ガラスに溶融し、ガラスの耐酸化性を高める作用をな
し、これによってガラスセラミック焼結体の耐薬品性を
向上させることができるとともに酸性溶液あるいはアル
カリ性溶液での処理後のガラスセラミック焼結体の外観
の変化やメタライズ配線層の被着強度の劣化を抑制する
ことが可能となる。
【0038】前記Zr化合物としては、例えば、ZrO
2、ZrSiO4、CaO・ZrO2 ZrB2、ZrP2
7、ZrBの群から選ばれる少なくとも一種が挙げられ
る。このZr化合物は化合物粉末としてフィラー成分中
の一成分として混合する。この場合、添加時のZr化合
物、特にZrO2のBET比表面積によって、ガラスセ
ラミック焼結体の耐薬品性が変化する傾向にあり、BE
T比表面積が25m2/g以上であることが望ましく、
BET比表面積が25m2/gよりも小さいと耐薬品性
の改善効果が小さくなる傾向にある。また他の配合形態
としては、ガラス粉末として酸化バリウム(BaO)、
酸化珪素(SiO2)以外の成分として酸化ジルコニウ
ム(ZrO2)を含有するガラスを用いてもよい。
【0039】なお、前記Zr化合物を上記範囲に限定し
たのは、0.1重量%よりも少ないと耐薬品性の改善効
果が低く、30重量%よりも多いと熱膨張係数が8.5
ppm/℃よりも低くなるためである。特にZr化合物
はZrO2換算で0.2〜10重量%が望ましい。
【0040】その他に、着色成分として、酸化クロム、
酸化コバルト、酸化マンガン、酸化ニッケルの群から選
ばれる少なくとも1種を配合してもよい。
【0041】前記ガラスセラミック焼結体は上記のよう
に調合されたガラス粉末とフィラー粉末との混合物に、
適当な成形の有機樹脂バインダーを添加した後、ドクタ
ーブレード法や圧延法、金型プレス法等の成形手段によ
り任意の形状、例えば、シート状に成形し、しかる後、
焼成することによって製作される。
【0042】なお、前記ガラスセラミック焼結体からな
る絶縁基体1へのメタライズ配線層5の被着は、前記シ
ート状成形体に対して、銅(Cu)や銀(Ag)等の金
属粉末に有機バインダー、可塑剤、溶剤を添加混合して
得た金属ペーストを予めスクリーン印刷法により所定パ
ターンに印刷塗布しておくことによって行われる。
【0043】また焼成にあたっては、まず、成形のため
に配合したバインダー成分を除去する。バインダーの除
去は、700℃前後の大気雰囲気中で行われるが、メタ
ライズ配線5としてCuを用いる場合には、100〜7
00℃の水蒸気を含有する窒素雰囲気中で行われる。こ
の時、成形体の収縮開始温度は700〜850℃程度で
あることが望ましく、かかる収縮開始温度がこれより低
いとバインダーの除去が困難となるため、成形体中のガ
ラスの特性、特に屈伏点を前述したように制御すること
が必要となる。
【0044】焼成は、850℃〜1100℃の酸化性雰
囲気中で行われ、これにより相対密度90%以上まで緻
密化される。この時の焼成温度が850℃より低いと緻
密化することができず、1100℃を越えるとメタライ
ズ配線層5との同時焼成が難しくなる。但し、メタライ
ズ配線5として銅(Cu)を用いる場合には、850〜
1050℃の非酸化性雰囲気中で行われる。
【0045】このようにして作製されたガラスセラミツ
ク焼結体中には、酸化バリウム含有ガラス相と、フィラ
ー相、あるいは、ガラスとフィラーとの反応により生成
した結晶相やフィラー成分が分解して生成した結晶相等
が存在する場合もある。析出する結晶相としては、焼結
体全体の熱膨張係数を高める上で、少なくとも40〜4
00℃における熱膨張係数が6ppm/℃以上の酸化物
の結晶相が析出することが望ましい。40〜400℃に
おける熱膨張係数が6ppm/℃以上の酸化物の結晶相
としては、前述したような40〜400℃における熱膨
張係数が6ppm/℃以上の酸化物の結晶相が挙げられ
る。
【0046】なお、Zr化合物は、ガラス相中、および
/またはZr化合物相として焼結体中に存在するが、少
なくとも酸化バリウム含有ガラス相中に一部あるいは全
部が溶融していることが望ましい。
【0047】また本発明においては、絶縁基体1と蓋体
2とを接合させ、絶縁基体1と蓋体2とから成る容器4
を気密に封止する接着材8を酸化銀20〜40重量%、
五酸化燐20〜30重量%、ヨウ化銀5〜20重量%、
酸化硼素5〜15重量%、酸化亜鉛1〜6重量%を含む
ガラス成分に、フィラーとしての燐酸ジルコニウム・酸
化ジルコニウム・酸化ニオブ固溶体を5〜15重量%添
加したガラスで形成しておくことが重要である。
【0048】前記酸化銀20〜40重量%、五酸化燐2
0〜30重量%、ヨウ化銀5〜20重量%、酸化硼素5
〜15重量%、酸化亜鉛1〜6重量%を含むガラス成分
に、フィラーとしての燐酸ジルコニウム・酸化ジルコニ
ウム・酸化ニオブ固溶体を5〜15重量%添加したガラ
スから成る封止材8は、その熱膨張係数が8〜15pp
m/℃であり、絶縁基体1及び蓋体2の熱膨張係数に近
似していることから絶縁基体1と蓋体2とを封止材8を
介して接合した後、絶縁基体1及び蓋体2と封止材8と
に熱が印加されても各々の間には大きな熱応力が発生す
ることはなく、その結果、絶縁基体1と蓋体2とから成
る容器4の気密封止を常に完全とし、容器4内部に収容
する半導体集積回路素子3を安定に作動させることが可
能となる。
【0049】前記封止材8はまたその軟化溶融温度が3
50℃以下と低く、封止材8を加熱溶融させ、絶縁基体
1と蓋体2とから成る容器4の内部に半導体集積回路素
子3を気密に収容する際、封止材8を溶融させる熱が容
器4内部に収容する半導体集積回路素子3に作用しても
半導体集積回路素子3に特性の劣化を招来させることは
なく、半導体集積回路素子3を長期間にわたり正常に作
動させることもできる。
【0050】なお、前記封止材8はそれを構成する酸化
銀(AgO)が20重量%未満であるとガラスの軟化溶
融温度が高くなり、封止材8を介して容器4を気密封止
する際、封止材8を軟化溶融させる熱によって半導体集
積回路素子3に特性の劣化を招来してしまう傾向があ
り、また40重量%を超えると封止材8の耐薬品性が低
下し、容器4の気密封止の信頼性が大きく低下する傾向
にある。従って、前記酸化銀(AgO)はその量が20
〜40重量%の範囲に特定される。
【0051】また、五酸化燐(P25)はその量が20
重量%未満であるとガラスの軟化溶融温度が高くなり、
封止材8を介して容器4を気密封止する際、封止材8を
軟化溶融させる熱によって半導体集積回路素子3に特性
の劣化を招来してしまう傾向があり、また30重量%を
超えると封止材8の耐薬品性が低下し、容器4の気密封
止の信頼性が大きく低下する傾向にある。従って、前記
五酸化燐(P25)はその量が20〜30重量%の範囲
に特定される。
【0052】また、ヨウ化銀(AgI)はその量が5重
量%未満であるとガラスの軟化溶融温度が高くなり、封
止材8を介して容器4を気密封止する際、封止材8を軟
化溶融させる熱によって半導体集積回路素子3に特性の
劣化を招来してしまう傾向があり、また20重量%を超
えると封止材8の耐薬品性が低下し、容器4の気密封止
の信頼性が大きく低下する傾向にある。従って、前記ヨ
ウ化銀(AgI)はその量が5〜20重量%の範囲に特
定される。
【0053】また、酸化硼素(B23)はその量が5重
量%未満であるとガラスの結晶化が進んで流動性が低下
し、封止材8を介して容器4を気密封止することが困難
となる傾向があり、また15重量%を超えると封止材8
の軟化溶融温度が高くなり、封止材8を介して容器4を
気密封止する際、封止材8を軟化溶融させる熱によって
半導体集積回路素子3に特性の劣化が招来してしまう傾
向がある。従って、前記酸化硼素(B23)はその量が
5〜15重量%の範囲に特定される。
【0054】また、酸化亜鉛(ZnO)はその量が1重
量%未満であると封止材8の耐薬品性が低下し、容器4
の気密封止の信頼性が大きく低下する傾向にあり、また
6重量%を超えるとガラスの結晶化が進んで流動性が低
下し、封止材8を介して容器4を気密封止することが困
難となる傾向がある。従って、前記酸化亜鉛(ZnO)
はその量が1〜6重量%の範囲に特定される。
【0055】更にフィラーとして添加される燐酸ジルコ
ニウム・酸化ジルコニウム・酸化ニオブ固溶体はその量
が5重量%未満であると封止材8のガラスの強度が低下
し、容器4の気密封止の信頼性が大きく低下する傾向が
あり、また15重量%を超えると封止材8の熱膨張係数
が小さくなり絶縁基体1及び蓋体2の熱膨張係数と合わ
なくなり、容器4の気密封止の信頼性が低下してしま
う。従って、前記燐酸ジルコニウム・酸化ジルコニウム
・酸化ニオブ固溶体はその量が5〜15重量%の範囲に
特定される。
【0056】かくして本発明の電子部品収納用容器によ
れば、絶縁基体1の凹部1aの底面に半導体集積回路素
子3をガラス、樹脂、ロウ材等から成る接着剤を介して
接着固定するとともに半導体集積回路素子3の各電極を
メタライズ配線層5にボンディングワイヤ6を介して電
気的に接続し、しかる後、絶縁基体1の上面に凹部1a
を覆うように蓋体2を封止材8を介して接合させ、絶縁
基体1と蓋体2とから成る容器4の内部に半導体集積回
路素子3を気密に封止することによって最終製品として
の半導体装置が完成する。
【0057】次に図2は本発明の電子部品収納用容器の
実施の形態の他の例を示す断面図であり、同図において
は電子部品が水晶振動子等の圧電振動子であり、電子部
品収納用容器が圧電振動子収納用容器である場合の例を
示している。
【0058】図2において11は絶縁基体、12は蓋体
である。この絶縁基体11と蓋体12とで圧電振動子1
3を収容するための容器14が構成される。
【0059】なお、前記絶縁基体11及び蓋体12は前
述の絶縁基体1及び蓋体2と同様、40〜400℃にお
ける熱膨張係数が8.5〜18ppm/℃のセラミック
材、具体的には、酸化バリウムを5〜60重量%含有す
るガラスと、40〜400℃における熱膨張係数が6p
pm/℃以上の金属酸化物粒子を含むフィラーとからな
り、前記ガラスおよび/またはフィラー中にジルコニウ
ム(Zr)化合物をZrO2換算で0.1〜30重量%の
割合で含有させたガラスセラミック焼結体で形成されて
おり、絶縁基体1及び蓋体2と同様の方法によって製作
される。
【0060】前記絶縁基体11及び蓋体12は40〜4
00℃における熱膨張係数が8.5〜18ppm/℃で
あり、外部電気回路基板として最も多用されているガラ
ス−エポキシ絶縁体にCu配線層が形成されたプリント
基板の熱膨張係数(11〜18ppm/℃)と近似する
ため内部に水晶振動子等の圧電振動子13を収容して圧
電振動子装置となすとともにプリント基板に実装した
後、容器14とプリント基板の両方に熱が印加されたと
しても容器14とプリント基板との間には大きな熱応力
が発生することはなく、これよって容器14をプリント
基板上に強固に実装し、容器14内部に収容する水晶振
動子等の圧電振動子13を所定の外部電気回路に長期に
わたり正確、かつ強固に電気的接続させることが可能と
なる。
【0061】前記容器14を構成する絶縁基体11はそ
の上面に圧電振動子13を収容する空所を形成するため
の段差部を有する凹部11aが設けてあり、この凹部1
1aの段差部には圧電振動子13が樹脂等から成る接着
剤15を介して接着固定される。
【0062】前記接着剤15は例えばエポキシ樹脂系の
導電性樹脂から成り、絶縁基体11の凹部11aの段差
部に接着剤15を介して圧電振動子13を載置させ、し
かる後、接着剤15に熱硬化処理を施して熱硬化させる
ことによって圧電振動子13を絶縁基体11に接着固定
する。
【0063】また前記絶縁基体11には凹部11aの段
差部より底面にかけて導出するメタライズ配線層16が
形成されており、このメタライズ配線層16の凹部11
aの段差部に位置する部位には圧電振動子13の各電極
がエポキシ系導電性樹脂から成る接着剤15を介して電
気的に接続され、絶縁基体11の底面に導出された部位
には外部のプリント基板のCu配線層が半田等のロウ材
を介して取着される。
【0064】前記メタライズ配線層16は前述のメタラ
イズ配線層5と同様の材料により同様の方法によって形
成され、メタライズ配線層16の露出する外表面にはメ
タライズ配線層16の酸化腐蝕を有効に防止するととも
にメタライズ配線層16を外部のプリント基板のCu配
線層に半田等のロウ材を介して強固にロウ付けすること
ができるようにするためにニッケル、金等の良導電性で
かつ耐蝕性およびロウ材との濡れ性が良好な金属がメッ
キ法により1〜20μmの厚みに層着されている。
【0065】そして、圧電振動子13が接着固定された
絶縁基体11はその上面に、該絶縁基体11と同様の電
気絶縁材料から成る蓋体12が封止材17を介して接合
され、これによって絶縁基体11と蓋体12とから成る
容器14の内部に圧電振動子13が気密に収容される。
【0066】前記封止材17は、前述の封止材8と同様
に、酸化銀20〜40重量%、五酸化燐20〜30重量
%、ヨウ化銀5〜20重量%、酸化硼素5〜15重量
%、酸化亜鉛1〜6重量%を含むガラス成分に、フィラ
ーとしての燐酸ジルコニウム・酸化ジルコニウム・酸化
ニオブ固溶体を5〜15重量%添加したガラスで形成さ
れており、この封止材17はその軟化溶融温度が350
℃以下と低く、そのため封止材17を加熱溶融させ、絶
縁基体11と蓋体12とから成る容器14の内部に圧電
振動子13を気密に収容する際、封止材17を溶融させ
る熱が容器14の内部に収容する圧電振動子13に作用
しても圧電振動子13に特性の劣化を招来させることは
なく、その結果、圧電振動子13を長期間にわたり正常
に作動させることが可能となる。
【0067】また、前記封止材17はガラスから成り、
耐湿性に優れていることから、大気中に含まれる水分が
封止材17を通して容器14内部に入り込もうとしても
封止材17で完全に阻止され、その結果、容器14内部
に収容する圧電振動子13に水分が付着して圧電振動子
13表面の電極が酸化腐蝕するのを有効に防止して圧電
振動子13を長期間にわたり安定して所定の振動周波数
で振動させることが可能となる。
【0068】更に前記封止材17はその熱膨張係数が8
〜15ppm/℃で絶縁基体11及び蓋体12の熱膨張
係数に近似していることから絶縁基体11と蓋体12と
を封止材17を介して接合した後、絶縁基体11及び蓋
体12と封止材17とに熱が印加されても各々の間には
大きな熱応力が発生することはなく、その結果、絶縁基
体11と蓋体12とから成る容器14の気密封止を常に
完全とし、容器14内部に収容する圧電振動子13を安
定に作動させることも可能となる。
【0069】かくして本発明の電子部品収納用容器によ
れば、真空中もしくは中性雰囲気中において絶縁基体1
1の凹部11aの段差部に圧電振動子13の一端をエポ
キシ系導電性樹脂等から成る接着剤15を介して接着固
定するとともに圧電振動子13の各電極をメタライズ配
線層16に電気的に接続し、しかる後、絶縁基体11の
上面に凹部11aを覆うように蓋体12を封止材17を
介して接合させ、絶縁基体11と蓋体12とから成る容
器14の内部に圧電振動子13を気密に封止することに
よって最終製品としての圧電振動子装置が完成する。
【0070】なお、本発明は上述の実施の形態に限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種
々の変更や改良を加えることは何ら差し支えない。例え
ば、前述の例では圧電振動子13として水晶振動子を例
示したが、圧電磁気振動子や弾性表面波振動子等を収容
する圧電振動子収納用容器にも適用できることは言うま
でもない。
【0071】
【発明の効果】本発明の電子部品収納用容器によれば、
絶縁基体および蓋体を40〜400℃における熱膨張係
数が8.5〜18ppm/℃のセラミック材で形成し、
容器の熱膨張係数をプリント基板の熱膨張係数に近似さ
せたことから、この電子部品収納用容器の内部に半導体
素子や水晶振動子、弾性表面波素子等を収容し、半導体
装置や電子部品装置となすとともにプリント基板上に実
装させた後、容器とプリント基板の両方に熱が印加され
たとしても容器とプリント基板との間には大きな熱応力
が発生することはなく、これによって容器をプリント基
板上に強固に実装し、容器内部に収容する半導体素子や
水晶振動子、弾性表面波素子等を所定の外部電気回路に
長期にわたり正確、かつ強固に電気的接続させることが
可能となる。
【0072】また本発明の電子部品収納用容器によれ
ば、絶縁基体と蓋体とを接合させる封止材を酸化銀20
〜40重量%、五酸化燐20〜30重量%、ヨウ化銀5
〜20重量%、酸化硼素5〜15重量%、酸化亜鉛1〜
6重量%を含むガラス成分に、フィラーとしての燐酸ジ
ルコニウム・酸化ジルコニウム・酸化ニオブ固溶体を5
〜15重量%添加したガラスで形成し、その熱膨張係数
を8〜15ppm/℃として絶縁基体及び蓋体の熱膨張
係数に近似させたことから絶縁基体と蓋体とを封止材を
介して接合した後、絶縁基体及び蓋体と封止材とに熱が
印加されても各々の間には大きな熱応力が発生すること
はなく、その結果、絶縁基体と蓋体とから成る容器の気
密封止を常に完全とし、容器内部に収容する半導体素子
や水晶振動子、弾性表面波素子等を安定に作動させるこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子部品収納用容器の実施の形態の一
例を示す断面図である。
【図2】本発明の電子部品収納用容器の実施の形態の他
の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1、11・・・・絶縁基体 2、12・・・・蓋体 3・・・・・・・電子部品(半導体集積回路素子) 13・・・・・・電子部品(圧電振動子) 4、14・・・・容器 8、17・・・・封止材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G062 AA09 BB08 BB09 DA01 DB01 DC03 DC04 DD04 DE03 DF01 EA01 EB01 EC01 ED01 EE01 EF01 EG03 EG04 EG05 EG06 FA01 FB01 FC02 FC03 FC04 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH04 HH05 HH07 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ08 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM08 MM31 MM35 NN32

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁基体と蓋体とを封止材を介して接合さ
    せ、絶縁基体と蓋体とから成る容器内部に電子部品を気
    密に収容する電子部品収納用容器であって、前記絶縁基
    体及び蓋体が40〜400℃における熱膨張係数が8.
    5〜18ppm/℃のセラミック材で形成されており、
    かつ封止材が酸化銀20〜40重量%、五酸化燐20〜
    30重量%、ヨウ化銀5〜20重量%、酸化硼素5〜1
    5重量%、酸化亜鉛1〜6重量%を含むガラス成分に、
    フィラーとしての燐酸ジルコニウム・酸化ジルコニウム
    ・酸化ニオブ固溶体を5〜15重量%添加したガラスか
    ら成ることを特徴とする電子部品収納用容器。
  2. 【請求項2】前記絶縁基体および蓋体が酸化バリウムを
    5〜60重量%含有するガラスと、40〜400℃にお
    ける熱膨張係数が6ppm/℃以上の金属酸化物粒子を
    含むフィラーとからなり、前記ガラスおよび/またはフ
    ィラー中にZr化合物をZrO2換算で0.1〜30重
    量%の割合で含有するガラスセラミック焼結体からなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子部品収納用容
    器。
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