JP2002289723A - 水晶デバイス - Google Patents

水晶デバイス

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JP2002289723A
JP2002289723A JP2001083744A JP2001083744A JP2002289723A JP 2002289723 A JP2002289723 A JP 2002289723A JP 2001083744 A JP2001083744 A JP 2001083744A JP 2001083744 A JP2001083744 A JP 2001083744A JP 2002289723 A JP2002289723 A JP 2002289723A
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thermal expansion
substrate
wiring layer
glass
base
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Application number
JP2001083744A
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English (en)
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Takuya Ouchi
卓也 大内
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)
  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】基体と蓋体とから成る容器内部に水晶振動子を
気密に収容して成る水晶デバイスにおいて、基体と蓋体
との線熱膨張係数差に起因する熱応力により蓋体の基体
に対する接合信頼性が低い。 【解決手段】上面に水晶振動子5の搭載部を有し、該搭
載部から外表面にかけて導出された配線層2を有する基
体1と、前記基体1の搭載部に固定され、電極が前記配
線層2に電気的に接続されている水晶振動子5と、前記
基体1の上面に封止材8を介して取着され、前記水晶振
動子5を気密に収容する蓋体3とから成る水晶デバイス
6であって、前記基体1及び蓋体3の線熱膨張係数が1
4×10-6/℃乃至20×10-6/℃(40〜400
℃)である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータ等の
情報処理装置や携帯電話等の電子装置において、時間お
よび周波数の基準源として使用される水晶デバイスに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ等の情報処理装置や携帯電
話等の電子装置において時間および周波数の基準源とし
て使用される水晶デバイスは、一般に、四角板状の水晶
基板に電圧印加用の電極を形成して成る水晶振動子を、
水晶振動子収納用パッケージ内に気密に収容することに
よって形成されている。
【0003】前記水晶振動子収納用パッケージは、一般
に、酸化アルミニウム質焼結体等の電気絶縁材料から成
り、上面中央部に水晶振動子を収容する空所を形成する
ための凹部、および凹部表面から外表面にかけて導出さ
れたタングステン、モリブデン等の高融点金属等の金属
材料から成る配線層を有する基体と、鉄−ニッケル−コ
バルト合金、鉄−ニッケル合金等の金属材料、または酸
化アルミニウム質焼結体等のセラミックス材料から成る
蓋体とから構成されている。
【0004】そして、水晶振動子の電極を基体の凹部内
表面に露出する配線層及びその周辺の基体表面に導電性
接着材を介して取着することにより、水晶振動子が凹部
内に接着固定されるとともに配線層に電気的に接続さ
れ、しかる後、基体の上面に蓋体を封止材を介して取着
し、基体と蓋体とから成る容器内部に水晶振動子を気密
に収容することによって製品としての水晶デバイスが完
成する。なお、蓋体を基体に取着する封止材としては、
一般に、酸化鉛系等の低融点ガラスが使用されている。
【0005】更に前記水晶デバイスの外部電気回路基板
への実装は、基体の外表面に導出された配線層を外部電
気回路基板の配線導体に半田等の導電性接続材を介して
接続することによって行われ、水晶振動子は配線層を介
し外部電気回路に電気的に接続されるとともに外部電気
回路から印加される電圧に応じて所定の周波数で振動す
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
水晶デバイスは、水晶振動子の線熱膨張係数が約18×
10-6/℃(40〜400℃)であるのに対し、水晶振
動子が搭載固定される酸化アルミニウム質焼結体から成
る基体の線熱膨張係数が約7×10-6/℃(40〜40
0℃)であり、大きく相違すること、基体に水晶振動子
を固定する導電性接着材が硬質のエポキシ樹脂と導電性
粉末とから成り変形しにくいこと等から外部環境の変化
に伴って基体と水晶振動子の両者に繰り返し熱が作用す
ると基体と水晶振動子との線熱膨張係数差に起因する熱
応力が導電性接着材に繰り返し作用し、導電性接着材に
機械的な破壊を招来して水晶振動子の導電性接着材を介
しての固定が破れ、その結果、水晶デバイスとしての機
能が喪失するという欠点を有していた。
【0007】そこで、上記欠点を解消するため、基体の
線熱膨張係数を水晶振動子の線熱膨張係数に近似するよ
うに高くし、基体と水晶振動子との間に大きな熱応力が
生じることを防止するという手段が考えられる。
【0008】しかしながら、基体の線熱膨張係数を水晶
振動子に近似するように高くした場合、鉄−ニッケル−
コバルト合金、鉄−ニッケル合金、酸化アルミニウム質
焼結体等から成る蓋体の線熱膨張係数が約4×10-6
℃〜7×10-6/℃であり、基体との線熱膨張係数差が
非常に大きなものとなり(約10×10-6/℃以上)、
外部環境の変化に伴って基体と蓋体に繰り返し熱が作用
すると基体と蓋体との間に両者の線熱膨張係数差に起因
して大きな熱応力が生じるとともに該熱応力によって硬
くて脆い低融点ガラス等から成る封止材にクラックや割
れが発生してしまい、その結果、基体と蓋体とから成る
容器の気密封止が破れ、容器内部に収容する水晶振動子
を長期間にわたり正確、かつ安定に作動させることがで
きないという欠点が誘発される。
【0009】本発明は上記欠点に鑑み案出されたもので
あり、その目的は水晶振動子を長期間にわたり正常、か
つ安定に作動させることができる高信頼性の水晶デバイ
スを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上面に水晶振
動子の搭載部を有し、該搭載部から外表面にかけて導出
された配線層を有する基体と、前記基体の搭載部に固定
され、電極が前記配線層に電気的に接続されている水晶
振動子と、前記基体の上面に封止材を介して取着され、
前記水晶振動子を気密に収容する蓋体とから成る水晶デ
バイスであって、前記基体及び蓋体の線熱膨張係数が1
4×10-6/℃乃至20×10-6/℃(40〜400
℃)であることを特徴とするものである。
【0011】本発明の水晶デバイスによれば、基体及び
蓋体の線熱膨張係数を14×10-6/℃乃至20×10
-6/℃(40〜400℃)としたことから水晶振動子と
基体との線熱膨張係数差が小さくなり、水晶振動子を基
体に確実、強固に固定させることができ、同時に基体と
蓋体との間に大きな熱応力が発生するのを有効に防止
し、基体に蓋体を強固に取着させて基体と蓋体とから成
る容器の気密封止を完全となすことができ、これによっ
て容器内部に収容する水晶振動子を長期間にわたり正
常、かつ安定に作動させることが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】次に本発明の水晶デバイスについ
て添付の図面を基にして詳細に説明する。図1は本発明
の水晶デバイスの一実施例を示す断面図であり、図1に
おいて、1は基体、2は配線層、3は蓋体である。この
基体1と蓋体3とにより形成される容器4内に水晶振動
子5を気密に収容することにより水晶デバイス6が形成
される。
【0013】前記基体1は、線熱膨張係数が14×10
-6/℃乃至20×10-6/℃(40〜400℃)のガラ
スセラミック焼結体や結晶性ガラス等から成り、その上
面に水晶振動子5を収容するための空所となる凹部1a
が設けてあり、該凹部1a内に水晶振動子5が収容され
る。
【0014】前記基体1はその線熱膨張係数が14×1
-6/℃〜20×10-6/℃(40〜400℃)であ
り、水晶振動子5の線熱膨張係数(約18×10−6
℃:40〜400℃)に近似することから、基体1の凹
部1a内に水晶振動子5を搭載収容した後、両者に熱が
作用しても両者間に大きな熱応力が発生することはな
く、その結果、水晶振動子5を基体1の凹部1a内に確
実、強固に固定することができる。
【0015】前記線熱膨張係数が14×10-6/℃〜2
0×10-6/℃(40〜400℃)の基体1は、具体的
には、例えば、酸化バリウムを5〜60重量%含有する
ガラスと、40〜400℃における線熱膨張係数が8×
10-6/℃以上の金属酸化物粒子を含むフィラーとから
なり、前記ガラスおよび/またはフィラー中にジルコニ
ウム(Zr)化合物をZrO2換算で0.1〜25重量
%の割合で含有させたガラスセラミック焼結体が好適に
使用される。
【0016】前記ガラスセラミック焼結体は、ガラス成
分として酸化バリウムを5〜60重量%含有するガラス
を用いることが大事である。この酸化バリウム含有ガラ
スは低軟化点であり、比較的高い熱膨張係数を有してい
るために、ガラス量を少なく、かつ高熱膨張のフィラー
を多く添加することが可能であり、高い熱膨張係数を有
する焼結体が容易に得られる。酸化バリウムの量を5〜
60重量%の範囲とするのは、5重量%より少ないとガ
ラスの低軟化点化が困難となるとともに線熱膨張係数が
低くなり、高熱膨張のガラスセラミック焼結体を作製す
るのが難しく、60重量%より多いとガラス化が困難で
あり、特性が不安定となりやすく、また耐薬品性が著し
く低下してしまうためである。特に酸化バリウムの量は
20〜40重量%が望ましい。
【0017】またこのガラス中には鉛(Pb)を実質的
に含まないことが望ましい。鉛は毒性を有するため製造
工程中での被毒を防止するための格別な装置および管理
を必要とするために焼結体を安価に製造することができ
なくなるためである。鉛が不純物として不可避的に混入
する場合を考慮すると、鉛の含有量は0.05重量%以
下であることが望ましい。
【0018】更にこのガラスの40〜400℃における
線熱膨張係数が7×10-6/℃〜18×10-6/℃、特
に8×10-6/℃〜13×10-6/℃であることが望ま
しい。これは線熱膨張係数が上記範囲を逸脱するとフィ
ラーとの熱膨張差が生じ、ガラスセラミック焼結体の強
度の低下の原因になるためである。
【0019】また更に、前記酸化バリウム含有ガラスの
屈伏点は、400〜800℃、特に400〜700℃で
あることが望ましい。これは酸化バリウム含有ガラスお
よびフィラーからなる混合物を成形する場合、有機樹脂
等の成形用バインダーを添加するが、このバインダーを
効率的に除去するとともに基体1と同時に焼成される後
述する配線層2との焼成条件のマッチングを図るため必
要であり、屈伏点が400℃より低いとガラスが低い温
度で焼結が開始されるために、例えば、銀(Ag)、銅
(Cu)等の焼結開始温度が600〜800℃の配線層
2との同時焼成ができず、また成形体の緻密化が低温で
開始するためにバインダーは分解揮散できなくなりバイ
ンダー成分が残留し特性に影響を及ぼす結果になるため
である。また屈伏点が800℃より高いとガラス量を多
くしないと焼結しにくくなるため、高価なガラスを大量
に必要とするために焼結体のコストを高めることにな
る。
【0020】前記の特性を満足するガラスとしては、前
記酸化バリウム以外に、少なくとも酸化珪素(Si
2)を25〜60重量%の割合で含み、残部が酸化ホ
ウ素(B23)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化
カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、
酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)の群から
選ばれる少なくとも1種によって構成される。
【0021】一方、前記ガラスと組み合わせるフィラー
成分としては、40〜400℃における線熱膨張係数が
8×10-6/℃以上の金属酸化物を少なくとも含有する
ことが焼結体の高熱膨張化を図る上で大事である。線熱
膨張係数が8×10-6/℃以上の金属酸化物を含有しな
いと、ガラスセラミック焼結体の線熱膨張係数を14×
10-6/℃以上に高めることができないためである。
【0022】このような線熱膨張係数が8×10-6/℃
以上の金属酸化物としては、クリストバライト(SiO
2)、クォーツ(SiO2)、トリジマイト(Si
2)、フォルステライト(2MgO・SiO2)、ウオ
ラストナイト(CaO・SiO2)、モンティセラナイ
ト(CaO・MgO・SiO2)、ネフェリン(Na2
・Al23・SiO2)、メルビナイト(3CaO・M
gO・2SiO2)、アケルマイト(2CaO・MgO
・2SiO2)マグネシア(MgO)、カーネギアイト
(Na2O・Al23・2SiO2)、エンスタタイト
(MgO・SiO2)、ペタライト(LiAlSi
410)、ヒスイ(Na2O・Al23・4SiO2)の
群から選ばれる少なくとも一種以上が挙げられる。これ
らの中でも、クリストバライト、クォーツ、トリジマイ
ト等のSiO2系材料やフォルステライト、エンスタタ
イトの群から選ばれる一種が高熱膨張化を図る上で望ま
しい。
【0023】前記ガラスとフィラーは、焼成温度や最終
的に得られるガラスセラミック焼結体の熱膨張特性など
の目的に応じて適当な比率で混合される。前記酸化バリ
ウム含有ガラスは、フィラー無添加では収縮開始温度は
700℃以下で、850℃以上では溶融してしまい、配
線層2等を配設することができない。しかし、フィラー
を混合することにより焼成過程において結晶の析出が起
こり、フィラー成分を液相焼結させるための液相を適切
な温度で形成させることができる。また、成形体全体の
収縮開始温度を上昇させることができるため、このフィ
ラーの含有量の調整により配線層2との同時焼成条件の
マッチングを図ることができる。
【0024】前記ガラスとフィラーの比率は前記ガラス
粉末を20〜80体積%と、フィラー粉末を80〜20
体積%との割合とすることが好適である。このガラスと
フィラー成分の量を上記の範囲とするのはガラス成分量
が20体積%より少ない、言い換えればフィラーが80
体積%より多いと液相焼結することが難しく、焼成温度
が配線層2との同時焼成時に配線層2が溶融してしまう
恐れがある。またガラスが80体積%より多い、言い換
えるとフィラーが20体積%より少ないと焼結体の特性
がガラスの特性に大きく依存してしまい、材料特性の制
御が困難となるとともに、焼結開始温度が低くなるため
に配線層2との同時焼成が難しくなるという問題が生じ
る。またガラス量が多いために原料のコストも高くなる
傾向にある。
【0025】また、フィラー成分量は、酸化バリウムの
屈伏点に応じ、その量を適宜調整することが望ましい。
すなわち、ガラスの屈伏点が400〜700℃と低い場
合、低温での焼結性が高まるためフィラーの含有量は4
0〜80体積%と比較的多く配合できる。これに対し
て、ガラスの屈伏点が700〜800℃と高い場合、焼
結性が低下するためフィラーの含有量は20〜50体積
%と比較的少なく配合することが望ましい。
【0026】更に前記ガラスセラミック焼結体は、前記
フィラー成分中および/またはガラス成分中にジルコニ
ウム化合物(Zr化合物)を酸化ジルコニウム(ZrO
2)換算で0.1〜25重量%の割合で含有させておく
ことが大事である。前記Zr化合物は酸化バリウム含有
ガラスに溶融し、ガラスの耐酸化性を高める作用をな
し、これによってガラスセラミック焼結体の耐薬品性を
向上させることができるとともに酸性溶液あるいはアル
カリ性溶液での処理後のガラスセラミック焼結体の外観
の変化や配線層2の被着強度の劣化を抑制することが可
能となる。
【0027】前記Zr化合物としては、例えば、ZrO
2、ZrSiO4、CaO・ZrO2、ZrB2、ZrP2
7、ZrBの群から選ばれる少なくとも一種が挙げら
れる。このZr化合物は化合物粉末としてフィラー成分
中の一成分として混合する。この場合、添加時のZr化
合物、特にZrO2のBET比表面積によって、ガラス
セラミック焼結体の耐薬品性が変化する傾向にあり、B
ET比表面積が25m 2/g以上であることが望まし
く、BET比表面積が25m2/gよりも小さいと耐薬
品性の改善効果が小さくなる傾向にある。また他の配合
形態としては、ガラス粉末として酸化バリウム(Ba
O)、酸化珪素(SiO2)以外の成分として酸化ジル
コニウム(ZrO2)を含有するガラスを用いてもよ
い。
【0028】なお、前記Zr化合物を上記範囲としたの
は、0.1重量よりも少ないと耐薬品性の改善効果が低
く、25重量%よりも多いと線熱膨張係数が14×10
-6/℃よりも低くなるためである。特にZr化合物はZ
rO2換算で0.2〜10重量%が望ましい。
【0029】その他に、着色成分として、酸化クロム、
酸化コバルト、酸化マンガン、酸化ニッケルの群から選
ばれる少なくとも1種を配合してもよい。
【0030】前記ガラスセラミック焼結体は上記のよう
に調合されたガラス粉末とフィラー粉末との混合物に、
適当な成形の有機樹脂バインダーを添加した後、ドクタ
ーブレード法や圧延法、金型プレス法等の成形手段によ
り任意の形状、例えば、シート状に成形し、しかる後、
焼成することによって製作される。
【0031】また前記基体1は、凹部1aの表面から外
表面にかけて配線層2が導出されており、配線層2の凹
部1a表面に露出する部位に水晶振動子5の電極が導電
性接着材7を介して接着固定され、外表面に導出された
部位は外部電気回路基板の配線導体に半田等のロウ材を
介して接続される。
【0032】前記配線層2は、凹部1a内に収容される
水晶振動子5と外部電気回路基板の配線導体とを電気的
に接続する作用をなし、銅、銀、ニッケル、パラジウ
ム、金のうちの一種以上から成る金属材料により形成さ
れており、銅から成る場合であれば、銅粉末に適当な有
機溶剤、有機バインダー等を添加混合して得た金属ペー
ストを、基体1となるグリーンシートの表面にスクリー
ン印刷法等で所定パターンに印刷塗布しておくことによ
って形成される。
【0033】なお、前記配線層2は、その露出する表面
をニッケル、銅、金等の耐食性およびロウ材の濡れ性の
良好な金属から成るめっき層(不図示)で被覆しておく
と、配線層2の酸化腐食を良好に防止することができる
とともに、配線層2に対する半田等のロウ材の濡れ性を
良好とすることができ、外部電気回路基板の配線導体に
対する配線層2の接続をより一層容易、かつ確実なもの
とすることができる。従って、前記配線層2は、その露
出する表面をニッケル、銅、金等のめっき層、例えば、
順次被着された厚み1μm〜10μmのニッケルまたは
ニッケル合金めっき層、厚み0.1〜3μmの金めっき
層で被覆しておくことが好ましい。
【0034】また前記配線層2の表面をニッケル、銅、
金等のめっき層で被覆する場合、その最表面の算術平均
粗さ(Ra)を1.5μm以下、自乗平均平方根粗さ(R
ms)を1.8μm以下としておくと最表面の光の反射
率が40%以上となって水晶振動子5を配線層2に導電
性接着材7を介して接着する際、その位置決め等の作業
が容易となる。従って、前記配線層2の表面をニッケ
ル、銅、金等のめっき層で被覆する場合、その最表面の
算術平均粗さ(Ra)を1.5μm以下、自乗平均平方
根粗さ(Rms)を1.8μm以下としておくことが好
ましい。
【0035】更に前記配線層2の表面を被覆するニッケ
ル、銅、金等からなるめっき層の最表面の算術平均粗さ
(Ra)を1.5μm以下、自乗平均平方根粗さ(Rm
s)を1.8μm以下とするには配線層2を従来周知の
ワット浴にイオウ化合物等の光沢剤を添加した電解ニッ
ケルめっき液に浸漬して配線層2の表面にニッケルめっ
き層を被着させ、しかる後、シアン系の電解金めっき液
中に浸漬し、ニッケルメッキ層表面に金めっき層を被着
させることによって行なわれる。
【0036】更にまた配線層2には水晶振動子5が導電
性接着材7を介して接着固定され、同時に水晶振動子5
の電極が配線層2に電気的に接続される。
【0037】前記導電性接着材7は、一般に、銀粉末等
の導電性粉末をエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂に添加す
ることによって形成されており、配線層2上に水晶振動
子5を、未硬化の熱硬化性樹脂に導電性粉末を添加して
成る未硬化の導電性接着剤を介して、位置決めセット
し、未硬化の熱硬化性樹脂を加熱硬化することによって
水晶振動子5を凹部1a内の所定位置に固定するととも
に水晶振動子5の電極を配線層2に電気的に接続する。
【0038】前記水晶振動子5が導電性接着材7を介し
て接着固定されている基体1はまたその上面に蓋体3が
低融点ガラス等から成る封止材8を介して取着され、こ
れによって基体1と蓋体3とから成る容器4内部に水晶
振動子5が気密に収容され、水晶デバイス6となる。
【0039】前記蓋体3は基体1と同様、線熱膨張係数
が14×10-6/℃乃至20×10 -6/℃(40〜40
0℃)の材料から成り、蓋体3の線熱膨張係数と基体1
の線熱膨張係数とが実質的に同一であることから基体1
と蓋体3に外部環境の変化に伴って熱が繰り返し作用し
たとしても両者間には大きな熱応力が発生することはな
く、その結果、基体1に蓋体3を強固に取着させて基体
1と蓋体3とから成る容器4の気密封止を完全となすこ
とができ、これによって容器4内部に収容する水晶振動
子5を長期間にわたり正常、かつ安定に作動させること
が可能となる。
【0040】なお、前記線熱膨張係数が14×10-6
℃乃至20×10-6/℃(40〜400℃)の蓋体3は
前述の基体1と同じ材料、同じ方法によって所定の形状
に形成される。
【0041】かくして上述の水晶デバイス6によれば、
配線層2を外部電気回路に接続し、水晶振動子5の電極
に所定の電圧を印加させることによって水晶振動子5が
所定の周波数で振動し、コンピュータ等の情報処理装置
や携帯電話等の電子装置において時間および周波数の基
準源として使用される。
【0042】なお、本発明は上述の実施例に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば
種々の変更は可能であり、例えば、図2に示すように、
配線層2の一部に高さが30μm〜100μm程度の突
起9を形成しておくと、この突起9がスペーサーとなっ
て配線層2と水晶振動子5との間に一定のスペースが確
保され、このスペースに十分な導電性接着材7が入り込
んで水晶振動子5を配線層2に極めて強固に接着固定す
ることができる。
【0043】また上述の水晶デバイス6では、基体1上
面に凹部1aを設け、該凹部1a内に水晶振動子5を収
容するようになしたが、これを図3に示す如く、平坦な
基体1上に水晶振動子5を搭載固定し、該固定された水
晶振動子5を椀状の蓋体3で気密に封止するようになし
た水晶デバイス6にも適用し得る。
【0044】
【発明の効果】本発明の水晶デバイスによれば、基体及
び蓋体の線熱膨張係数を14×10-6/℃乃至20×1
-6/℃(40〜400℃)としたことから水晶振動子
と基体との線熱膨張係数差が小さくなり、水晶振動子を
基体に確実、強固に固定させることができ、同時に基体
と蓋体との間に大きな熱応力が発生するのを有効に防止
し、基体に蓋体を強固に取着させて基体と蓋体とから成
る容器の気密封止を完全となすことができ、これによっ
て容器内部に収容する水晶振動子を長期間にわたり正
常、かつ安定に作動させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水晶デバイスの一実施例を示す断面図
である。
【図2】本発明の水晶デバイスの他の実施例を示す要部
断面図である。
【図3】本発明の水晶デバイスの他の実施例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1・・・・・基体 1a・・・・凹部 2・・・・・配線層 3・・・・・蓋体 4・・・・・容器 5・・・・・水晶振動子 6・・・・・水晶デバイス 7・・・・・導電性接着材 8・・・・・封止材 9・・・・・突起
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 35/14 H03H 9/02 A H03H 9/02 L C04B 35/00 J Fターム(参考) 4G030 AA10 AA17 AA37 BA01 BA21 BA24 HA09 HA25 4G062 AA09 AA15 BB01 CC04 DA04 DA05 DA06 DB01 DB02 DC01 DC02 DD01 DE01 DE02 DF01 EA01 EA10 EB01 EC01 ED01 ED02 EE01 EE02 EF01 EG01 EG02 EG03 EG04 EG05 EG06 FA01 FA10 FB01 FB02 FC01 FC02 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM13 NN30 NN32 PP01 5J108 BB02 CC04 EE03 EE07 EE18 GG03 KK04

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上面に水晶振動子の搭載部を有し、該搭載
    部から外表面にかけて導出された配線層を有する基体
    と、前記基体の搭載部に固定され、電極が前記配線層に
    電気的に接続されている水晶振動子と、前記基体の上面
    に封止材を介して取着され、前記水晶振動子を気密に収
    容する蓋体とから成る水晶デバイスであって、 前記基体及び蓋体の線熱膨張係数が14×10-6/℃乃
    至20×10-6/℃(40〜400℃)であることを特
    徴とする水晶デバイス。
JP2001083744A 2001-03-22 2001-03-22 水晶デバイス Pending JP2002289723A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020187312A1 (zh) * 2019-03-20 2020-09-24 华为技术有限公司 移相器、天线及基站

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