JP2001257098A - 放電電極への給電方法、高周波プラズマ生成方法および半導体製造方法 - Google Patents
放電電極への給電方法、高周波プラズマ生成方法および半導体製造方法Info
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Abstract
波(VHF)を用いて均一な処理を行うことができる放
電電極への給電方法、高周波プラズマ生成方法および半
導体製造方法を提供する。 【解決手段】 給電された高周波電力に基づいて放電状
態を発生させるための放電電極への給電方法であって、
高周波電力の位相および周波数位相のうち少なくとも一
方を時間的に変化させることにより、放電電極内に生じ
る電圧分布を変化させる。
Description
膜やエッチング処理に用いられる放電電極への給電方
法、高周波プラズマ生成方法および半導体製造方法に関
する。
れる太陽電池用薄膜半導体、フラットパネルディスプレ
イ用薄膜トランジスタなどは、高速製膜による低コスト
化、および、低欠陥密度、高結晶化率などの高品質化が
求められている。これらの要求を満たす新しいプラズマ
生成方法として、高周波電源の高高周波化(30MHz
〜300MHz)がある。高周波化により製膜速度の高
速化と高品質化が両立されることが、例えば文献Ma
t. Res. Soc. Symp. Proc.
Vol. 424, pp9, 1997に記されてい
る。特に、a−Siに代る新しい薄膜として注目されて
いる微結晶Si薄膜の高速高品質製膜にこの高高周波
(VHF)が適していることが最近分ってきている。
製膜は、均一大面積製膜が難しいという欠点がある。こ
れは、高高周波の波長が電極サイズと同程度のオーダー
であることから、電極端などで生じる反射波を主因とす
る定在波による電圧分布が電極面内に発生し、それにと
もないプラズマが不均一となり、結果、製膜は不均一に
なるためと考えられる。
30cmを越え、または、周波数が30MHzを越える
と、上記定在波の影響が顕著となり、半導体製膜上好ま
しい製膜膜厚均一性±10%の達成が困難になる。
り、縦軸に電圧Vppおよびイオン飽和電流をとって、
100MHzでの電圧分布の一例とともにイオン飽和電
流分布を示す特性線図である。イオン飽和電流分布は、
電子密度分布にほぼ等しく、計測が簡単であるので、一
般にプラズマ分布の指標として用いられる。電圧分布を
見ると電極上に定在波が生じており、それに対応してイ
オン飽和電流分布すなわちプラズマ分布が不均一になっ
ていることが分る。このように電極の一箇所のみに給電
する1点給電法では定在波が顕著に生じてしまうので、
定在波の発生を防止するために電極の四個所に給電する
4点給電法が提案されている。
に詳細が報告されているラダー電極を用いることで、さ
らなる均一化が図れる。これは、平行平板型電極は非常
に高い電界分布の均一性が必要とされるため、例えば電
極間隔が全面にわたって高い精度で一定に保たれている
必要があるのに対し、ラダー電極は電極棒の周囲に出来
る電界は電極径で決まり、しかも強いので、均一なプラ
ズマを発生させるための条件が平行平板より緩やかであ
るためである。
電法とラダー電極を併用した場合であっても、電極サイ
ズが30cmを越え、または、周波数が80MHzを越
えると均一な製膜の実現が難しくなってくる。
4点給電したときのラダー電極上に生じる電圧分布を示
す。60MHzでは比較的均一な電圧分布を示している
が、100MHzでは不均一になってしまっている。
適位置を見つける必要があり、非常に手間暇がかかると
いう問題がある。
件を変更すると、最適位置が変ってしまうと言う問題が
ある。
れまでにたとえば文献Mat, Res. Soc.
Symp. Rroc. Vol. 377, pp3
3,1995に記されているように、平行平板の給電側
と反対側にロスのないリアクタンス(コイル)を接続す
ることが提案されている。
変えることで、定在波の波形の中で分布が比較的平らな
部分、たとえばsin波の極大付近を電極上に発生させ
て、電極に生じる電圧分布を少なくするものである。し
かしながら、この方法は定在波を根本から無くすのでは
なく、sin波のうち平らな部分が電極上に発生するよ
うにするだけであるため、均一部分が得られるのは波長
の1/8程度までであり、それを越える範囲の均一化は
原理的に不可能である。
ロスのないリアクタンス(コイル)で終端したときの電
圧分布を示す。このように、終端端から30cm程度は
均一であるが、それ以上は不均一になってしまってお
り、この部分は製膜に用いることができない。
れたものであって、大面積の製膜やエッチング処理に高
高周波(VHF)を用いる放電電極への給電方法、高周
波プラズマ生成方法および半導体製造方法を提供するこ
とを目的とする。
の給電方法は、給電された高周波電力に基づいて放電状
態を発生させるための放電電極への給電方法であって、
前記高周波電力の位相を時間的に変化させることによ
り、前記放電電極内に生じる電圧分布を変化させること
を特徴とする。
電し、1つの給電点への位相と他の少なくとも1つの位
相との差を時間的に変化させることが肝要である。この
場合に、位相の差を時間的に変化させる手段としてフェ
ーズシフターを用いることが更に好ましい。また、フェ
ーズシフターは、高周波電力の発振周波数を決める発振
器と、その信号を必要電力に増幅する増幅器との間に挿
入することが好ましい。
ことによって位相を変化させることが好ましい。この場
合に、FM変調周波数の変調のシフトパターンを変化さ
せることが更に好ましい。また、位相もしくはFM変調
周波数の時間変化を、コンピュータで制御することが好
ましい。
用いて給電する際に、電圧分布、プラズマ発生密度分
布、ラジカル発生密度分布、製膜分布、エッチング分布
および半導体膜特性分布のうち少なくとも1つを予め複
数の位相または周波数について計測しておき、その計測
結果に基づいて必要な分布を得るために、前記特定の位
相で給電する時間、周期および頻度のうち少なくとも1
つを調整し、時間平均または時間積分を用いて均一分布
を得ることが好ましい。
せる周期、時間間隔、繰り返し時間を、当該放電電極で
発生させるプラズマ中の活性原子もしくは活性分子もし
くはイオンの消滅寿命より短くすることが好ましい。
せる周期、時間間隔、繰り返し時間を、プラズマ中の活
性原子もしくは活性分子もしくはイオンの消滅寿命の1
/2以下とすることが好ましい。
場合は、位相を変化させる周期、時間間隔、繰り返し時
間を、下式(1)から得られるSiH3活性分子の寿命
τと実質的に同じとするか、又は水素原子ラジカル寿命
の1.1×10-4秒間と実質的に同じとするか、又はこ
れら両者の時間より短くすることが好ましい。
2s-1)、Δxは電極から基板までの距離(cm)とす
る。
間隔、繰り返し時間を、前記τまたは1.1×10-4秒
間の1/2以下とすることが更に好ましい。
ズマ中におけるSiH3は長寿命である。
活性分子、例えば、SiH2の寿命は僅かに2.47×
10−6秒間にすぎない。そのため、シランによる製膜
を支配する製膜種はSiH3である。一方、基板表面で
の表面反応を支配するのは、このSiH3活性分子に加
えて、H原子ラジカルがある。一般に、良質な膜を製膜
するためには、これらのラジカルが途切れることなくプ
ラズマから基板に入射することが好ましいと考えられる
(後述する、プラズマOFFの間に増加するラジカルが
必要な応用、たとえば塩素系ラジカルを用いたエッチン
グの例は、これとは反対に、プラズマが途切れた方が好
ましい特殊な場合である)。本発明の方法によって定在
波を移動させるとき、定在波の節に当たる部分では、つ
ぎに定在波の腹の部分が移動して来るまでプラズマがO
FFの状態となっている。この状態が長いと、これらの
ラジカルの入射が途切れてしまう。これを途切れさせな
いためには、定在波の節の部分が移動してきてから、腹
の部分が移動してくるまでの時間が、ラジカルの寿命時
間以下になる必要がある。したがって、SiH3に関し
ては、上式(1)で決まる寿命以下の時間に定在波が移
動する必要がある。また、H原子ラジカルに関しても、
その寿命、すなわち1.1×10-4秒以下に定在波が移
動する必要がある。位相を変化させる周期、時間間隔、
繰り返し時間の1/2が定在波の節から腹が移動する時
間であるので、上記のような条件が必要であることにな
る。
間に増加する活性原子または活性分子またはイオンが必
要な応用に適用する場合には、位相を変化させる周期、
時間間隔、繰り返し時間を、当該活性原子または活性分
子またはイオンの発生寿命より長く、かつ10倍以下と
することが好ましく、更に好ましくは2倍以上4倍以下
とすることが好ましい。
上記の給電方法を用いてプラズマを空間的および時間的
に移動させることにより、プラズマ内の活性分子の発生
を高効率化することを特徴とする。
周波プラズマ生成方法を用いて、半導体薄膜の製膜もし
くはエッチングの分布均一化を図ることを特徴とする。
記の高周波プラズマ生成方法を用いて、半導体の製膜も
しくはエッチングの高速化を図ることを特徴とする。
00MHzの範囲にあることが好ましい。高周波の周波
数が10MHzを下回ると、微結晶シリコン薄膜などで
は製膜速度が遅くなり、また、不均一の発生が問題とな
ることもないので、周波数の下限値を10MHzとし
た。一方、周波数が900MHzを上回ると、位相変調
やFM変調によってさえも生成プラズマの均一化が困難
になり、製膜速度またはエッチング速度にばらつきを生
じるようになり、また、製膜品質が悪くなるので、周波
数の上限値を900MHzとした。
本発明の種々の好ましい実施の形態について説明する。
がら本発明の第1実施形態の給電方法について説明す
る。
置1Aは、基板2を取り囲む真空チャンバ3と、この真
空チャンバ3内で基板2に対面配置されるラダー電極5
と、このラダー電極5に給電する給電回路8Aとを備え
ている。真空チャンバ3は図示しない排気通路を介して
真空ポンプに連通し、内圧1×10−3〜1×10− 6
Torr程度まで真空排気されるようになっている。ま
た、真空チャンバ3内には図示しないガス供給管が電極
5の後方に設けられ、ガス供給源から製膜プロセスガス
としてシランやジシランがガス供給管に供給されると、
多数の吹き出し孔から電極5と基板2との間に製膜プロ
セスガスが供給されるようになっている。
蔵ヒータ(図示せず)により所定温度域に加熱されるよ
うになっている。なお、基板2には厚さ1mm×幅46
0mm×長さ460mmサイズの透明ガラス板を用い
た。
極部材を等ピッチ間隔に格子状に組み立て配列してなる
ものであり、4つの給電点7で回路8Aの給電線(中心
導体)6に接続されている。給電点7のうち2つはラダ
ー電極5の一方端側に配置された丸棒電極部材のほぼ三
等分点にそれぞれ設けられ、残りの2つはラダー電極5
の他方端側に配置された丸棒電極部材のほぼ三等分点に
それぞれ設けられている。なお、ラダー電極5は例えば
520mm×520mmサイズであり、丸棒電極部材は
例えば直径6mmである。
器10、フェーズシフター(位相シフタ)11、1対の
増幅器12および1対の整合器13が設けられている。
高周波発振器9は分配器10を介して1対の増幅器12
に接続され、各増幅器12は整合器13にそれぞれ接続
され、さらに各整合器13は各給電点7にそれぞれ接続
されている。
方の分岐回路にはコンピュータ14で駆動制御されるフ
ェーズシフター11が設けられている。各分岐回路は、
さらに2つにそれぞれ分岐し、給電点7を介して電極5
にそれぞれ接続されている。
zの水晶発振器を用い、フェーズシフター11には全固
体素子のアナログ電圧制御型位相器を用いた。高周波発
振器9からは高高周波(VHF)が発振され、これが分
配器10によって分配され、増幅器12および整合器1
3、給電点7を介して電極5に給電されるようになって
いる。フェーズシフター11は、コンピュータ14から
送られる所定の処理データ信号に基づいて一方側の分配
VHFを最高100kHzで高速位相変調するようにな
っている。
導体)6は同軸ケーブル61内を通って給電点7で電極
5に接続されている。絶縁碍子63がカップリング62
により同軸ケーブル61の先端に取り付けられ、電極5
がケーブル61の外套から絶縁されている。絶縁碍子6
3には側部に開口する複数の孔64が形成されている。
同軸ケーブル61内のガス通路66はガス供給源68お
よび碍子の孔64にそれぞれ連通している。ガス供給源
68には工業的に純粋な水素ガスH2が収容されてい
る。水素ガスは、ガス供給源68から供給され、ケーブ
ル61内のガス通路66を通って各側部孔64および上
端孔65から吹出し、給電点7及びその周囲に存在する
シランプラズマを追い払うとともに、水素濃度の高いプ
ラズマにより、給電点付近の絶縁碍子63などにデポジ
ットした不要な製膜成分をエッチングする役割を有す
る。このような水素ガスの吹き付けにより、電界集中部
となる給電点7付近への不要な製膜成分のデポジットと
パーティクルの発生を効果的に防止している。
ラス基板上に微結晶Si膜を製膜する場合について説明
する。
46cm、基板温度を200℃、真空チャンバの内圧を
150mTorr、シランガス供給量を50sccm、
水素ガス供給量を1500sccmとした。
Hzであり、この周波数では前述のように従来の給電法
では定在波が生じ、このサイズの基板への均一な製膜は
不可能である。
応する基板の位置をそれぞれとり、Z軸に製膜速度(n
m/秒)をとって、位相変調器により位相差0度と90
度の一定値に設定したときの製膜速度分布を示す三次元
分布図である。このように、一定の位相差では定在波の
ために製膜速度分布が生じる。一方、両図から明らかな
ように、位相差を変化させることによって製膜速度分布
を変化させることができることが分かる。これは位相差
の変化により、定在波分布が変化することが主因と考え
られる。
系から高周波電力を供給し、その位相差を時間的に変化
させることにより定在波を移動させ、時間積分において
均一な製膜厚分布を得ることを特長としている。
がゆっくりであると、それに応じてプラズマ中の活性分
子・原子などが増減するため基板へのこれら分子・原子
の到達フラックスが時間的に変動するため、製膜速度が
速いときと、遅いときがあり最悪の場合には全く製膜し
ないプラズマOFFに相当する状態になる場合もあると
ともに、積まれていく膜の膜質が時間的に変化して行く
状態となり、最終的にできあがった膜質に影響する場合
があり、微妙な膜質が問題となる微結晶型シリコン薄膜
太陽電池などでは問題があった。このため大面積の基板
に対して均一で良質な膜質で製膜することが困難であ
る。
の位相変調器を用いるとすると、摺動部分が損耗し、頻
繁に保守点検する必要があり、また高速な位相変調が不
可能であるなどの問題がある。
フター11をコンピュータ14で高速かつ高精度に制御
し、このフェーズシフター11の高速位相変調により電
極5の一方端側に供給する高周波電力の位相を他方端側
の高周波電力の位相からシフトさせているので、ある瞬
間を見ると電極5上に定在波が生じ、電圧振幅分布の局
所的なばらつきは生じるものの、処理時間全体で見ると
電極5上の電圧振幅分布が平均化され、電極5と基板2
との間に生成されるプラズマの密度が均一化される。
100kHzで高周波を高速変調することにより、電極
上に生じる定在波分布は当該周波数で移動することにな
り、これは製膜を支配するSiH3活性分子やH活性原
子の寿命より十分早いため、基板に到達するこれら活性
分子・原子のフラックスは時間的にほとんど変化しない
ので、均一な膜厚で、良質で均一な膜質の製膜が可能と
なった。
度分布をたとえば図4,図5に示したように計測し、こ
れをコンピュータにインプットしておき、それをもとに
均一分布を達成するために必要な各位相差での製膜時間
割合を計算し、図8に示すような位相差の変化パターン
を作成し、これを使用してフェーズシフターをコントロ
ールすることにより、製膜膜厚分布、製膜膜質とも±5
%以内に入る製膜ができるようになった。
の最大電力の定格により制限される800W程度で運転
したところ、平均値で2nm/秒程度の製膜速度が得ら
れた。また、上述のように、製膜された膜の膜厚分布
は、太陽電池や薄膜トランジスタTFTに必要な±5%
以内をクリアしていた。
がら第2の実施形態について説明する。なお、本実施形
態が上記実施形態と重複する部分の説明は省略する。
器9は整合器13を介して2つに分岐する給電回路8B
に接続されている。一方の分岐回路はさらに2つに分岐
して2つの給電点7にて電極5に接続されている。他方
の分岐回路には位相変調器15が設けられ、さらに2つ
に分岐して2つの給電点7にて電極5に接続されてい
る。位相変調器15には真空コンデンサーを有する機械
駆動式を用いた。高周波発振器9は上記第1の実施形態
と同じものを用いた。本実施形態ではこのような簡単な
構成で多点給電方式の給電点7を2つのグループに分
け、それぞれのグループの給電点への高周波電力の位相
に位相差を持たせ、給電点7を介して電極5に印加する
ことにより、定在波の位置を制御することが出来る。
した。製膜条件として、基板サイズを46cm×46c
m、基板温度を200℃、真空チャンバの内圧を150
mTorr、シランガス供給量を50sccm、水素ガ
ス供給量1500sccm、高周波の周波数は60MH
zとした。
と90度で図4と図5と同様の製膜速度分布が得られ
た。ただし、製膜速度の絶対値は1/5程度だった。
3分間を位相差0度、後半の3分間を位相差90度に手
動で制御し、製膜した。本実施の形態では、高周波電力
を、位相変調器の定格により制限される200W程度で
運転したところ、平均値で0.4nm/秒程度の製膜速
度が得られた。このとき、分布は±15%とすこし悪い
値であったが、なんとか低コストの太陽電池には使える
ものであった。
がら第3の実施形態について説明する。なお、本実施形
態が上記実施形態と重複する部分の説明は省略する。
器9は分配器10を介して2つに分岐する給電回路8C
に接続されている。一方の分岐回路には増幅器12およ
び整合器13が順次設けられ、さらに2つに分岐して2
つの給電点7にて電極5に接続されている。他方の分岐
回路には位相変調器15、増幅器12、整合器13が順
次設けられ、さらに2つに分岐して2つの給電点7にて
電極5に接続されている。なお、高周波発振器9および
位相変調器15は上記の第2実施形態と同じものを用い
た。
定格電力が200W程度だったので、製膜速度の平均値
は0.4nm/秒程度が限界であった。この第3の実施
形態では、高周波発振器9と増幅器12の間に位相変調
器15を挿入し、小電力(弱い周波数)で位相差を変化
させ、その後必要な高周波電力に増加させることを可能
とした。
うことができ、製膜速度の平均値を2nm/秒程度まで
高めることができた。位相差は変調器内の図示しないス
テッピングモータで真空コンデンサーの回転角を変化さ
せて容量を変化させ、位相差の変化範囲をその回転角範
囲の調整で適正化することにより、膜厚分布を太陽電池
製膜で好ましい10%以内に抑えることができた。
がら第4の実施形態について説明する。なお、本実施形
態が上記実施形態と重複する部分の説明は省略する。
てFM変調機能付きの高周波発振器9Dを備えている。
FM変調機能付きの高周波発振器9Dには任意波形発生
器を用いた。高周波発振器9Dには増幅器12および整
合器13が直列に接続されている。整合器13の出力側
回路は2つに分岐し、各分岐回路8Dはさらに2つに分
岐して、それぞれが1対の給電点7を介して電極5に接
続されている。
ってさらに簡易的に均一化を図る第4の実施形態を示
す。この実施例では、発振器にFM変調機能付きの高周
波発振器を用い、増幅器で増幅して電極に供給すること
により、定在波を時間的に移動させた。発振周波数は2
00MHz、変調周波数は1MHz、最大偏移量は20
%とした。これにより10cm角基板で均一性±10%
以内が得られた。これは、従来法で行った場合の均一性
±50%に比べて非常に良い結果である。
a, ”Role of Negative Ions
in High−Performance Etchi
ng Using Pulse−Time−Modul
ated Plasma”, Extended Ab
stracts of 4th Internatio
nal Conference on Reactiv
e Plasmas, SR 1.04, pp.41
5, 1998.にあるように、ハロゲン系のガス、例
えば、塩素系のガスを用いてプラズマを発生させ、塩素
負イオン(Cl−)を発生させて半導体のエッチングに
用いる場合、従来は、高周波電源から発生する電力をO
N/OFFすることにより、プラズマを発生、消滅させ
プラズマが消滅する際に電子付着効果により大量に塩素
負イオンが発生することと、基板表面に生じる壁電荷が
消滅する効果を用いてエッチングの高速化、高品質化を
図っている。
ことによって生じさせることを狙っている。図3に示し
た第2の実施の形態において、2つの異なる周波数の差
を4kHzとし、ハロゲン系のガス、例えば、塩素系の
ガスを用いてプラズマを発生させ、塩素負イオン(Cl
-)を発生させ、半導体のエッチングを行った。この
時、定在波の膜の部分ではプラズマがONの状態、節の
部分ではプラズマがOFFの状態になるので定在波を高
速で移動させることにより高効率で大量にかつ簡単に塩
素負イオンを発生させエッチングを高速で行うことがで
きる。
の変化周期は、前記参考論文に示されている塩素負イオ
ンの発生時間約100μ秒より長く、2倍以上4倍以下
になるように、250μ秒程度とした。このとき、プラ
ズマOFFの時間が125μ秒程度となり、充分な負イ
オン発生が得られる。これは周波数の差を4kHzにす
ることにより実現できる。
いることによって従来法で用いられる13.56MHz
とくらべてプラズマ密度が高くなると同時にプラズマシ
ース厚さが薄くなることにより、プラズマ中で発生する
大量の塩素負イオンが効率的に基板面に流入し、エッチ
ング速度がさらに速くなる効果が得られた。
一周波数を用いた場合の4倍程度のエッチング速度が得
られた。
方式の例について説明したが、本発明はこれのみに限ら
れることなく、2点給電方式、6点給電方式、8点給電
方式、10点給電方式、12点給電方式など他の多点給
電方式にも本発明を適用することができる。
ガスを各給電点に吹き付けて製膜成分のデポジットや粉
の発生を防止する場合について説明したが、本発明はこ
れのみに限られることなくアルゴンガス等の他のガスを
給電点に吹き付けるようにしても同様の効果が得られ
る。
のほかの、不必要な製膜成分のデポジットや粉の発生が
問題となる部分にも適用することができる。たとえば、
電極をサポートする絶縁碍子製の柱にシリコン膜がデポ
ジットすると柱の沿面絶縁強度が低下し、最悪の場合、
地絡する可能性がある。この柱に上記例と同様な水素の
局所的供給法を施した結果、デポジットが抑制され、地
絡することが無くなった。
ッチング処理に高高周波(VHF)を用いて均一な処理
を行うことができる。プラズマCVD製膜においては高
高周波であるにも拘わらず広範囲にわたりプラズマ密度
を均一化できる高周波プラズマ生成方法および半導体製
造方法が提供される。
電方法に用いた装置の回路を示すブロック構成図。
す断面ブロック図。
たときの製膜速度分布を示す特性分布図。
したときの製膜速度分布を示す特性分布図。
電方法に用いた装置の回路を示すブロック構成図。
電方法に用いた装置の回路を示すブロック構成図。
の制御パターンを示すタイミングチャート。
電方法に用いた装置の回路を示すブロック構成図。
分布をそれぞれ示す特性線図。
上に生じる電圧分布を示す特性線図。
(コイル)で終点したときの電圧分布図。
Claims (23)
- 【請求項1】 給電された高周波電力に基づいて放電状
態を発生させるための放電電極への給電方法であって、
前記高周波電力の電圧波形の位相を時間的に変化させる
ことにより、前記放電電極内に生じる電圧分布を変化さ
せることを特徴とする放電電極への給電方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の給電方法において、前記
放電電極に複数の給電点を介して給電することを特徴と
する給電方法。 - 【請求項3】 請求項2記載の給電方法において、1つ
の給電点への位相と他の少なくとも1つの位相との差
を、時間的に変化させることを特徴とする給電方法。 - 【請求項4】 請求項3記載の給電方法において、位相
の差を時間的に変化させる手段としてフェーズシフター
を用いることを特徴とする給電方法。 - 【請求項5】 請求項4記載の給電方法において、前記
フェーズシフターを、高周波電力の発振周波数を決める
発振器と、その信号を必要電力に増幅する増幅器との間
に挿入することを特徴とする給電方法。 - 【請求項6】 請求項1乃至3のいずれか1記載の給電
方法において、高周波電力の周波数をFM変調すること
によって位相を変化させることを特徴とする給電方法。 - 【請求項7】 請求項6記載の給電方法において、FM
変調周波数の変調のシフトパターンを変化させることを
特徴とする給電方法。 - 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれか1記載の給電
方法において、位相もしくはFM変調周波数の時間変化
を、コンピュータで制御することを特徴とする給電方
法。 - 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれか1記載の給電
方法において、特定の位相またはFM変調周波数を用い
て給電する際に、電圧分布、プラズマ発生密度分布、ラ
ジカル発生密度分布、製膜分布、エッチング分布および
半導体膜特性分布のうち少なくとも1つを予め複数の位
相またはFM変調周波数について計測しておき、その計
測結果に基づいて必要な分布を得るために、前記特定の
位相またはFM変調周波数で給電する時間、周期および
頻度のうち少なくとも1つを調整し、時間平均または時
間積分を用いて均一分布を得ることを特徴とする給電方
法。 - 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれか1記載の給
電方法において、位相またはFM変調周波数を変化させ
る周期、時間間隔、繰り返し時間を、当該放電電極で発
生させるプラズマ中の活性原子もしくは活性分子もしく
はイオンの消滅寿命より短くすることを特徴とする給電
方法。 - 【請求項11】 請求項10記載の給電方法において、
位相またはFM変調周波数を変化させる周期、時間間
隔、繰り返し時間を、プラズマ中の活性原子もしくは活
性分子もしくはイオンの消滅寿命の1/2以下とするこ
とを特徴とする給電方法。 - 【請求項12】 請求項1乃至11のいずれか1記載の
給電方法において、シランによる製膜の場合、位相また
はFM変調周波数を変化させる周期、時間間隔、繰り返
し時間を、下式から得られるSiH3活性分子の寿命τ
と実質的に同じとするか、又は、水素原子ラジカル寿命
の1.1×10-4秒間と実質的に同じとするか、又は、
これら両者の時間より短くすることを特徴とする給電方
法。 τ≒(Δx)2/(2D) 但し、Dは拡散係数でD=2.5×103(cm
2s-1)、Δxは電極から基板までの距離(cm) - 【請求項13】 請求項12記載の給電方法において、
位相またはFM変調周波数を変化させる周期、時間間
隔、繰り返し時間を、前記τまたは1.1×10-4秒間
の1/2以下とすることを特徴とする給電方法。 - 【請求項14】 請求項1乃至13のいずれか1記載の
給電方法において、位相またはFM変調周波数を変化さ
せる周期、時間間隔、繰り返し時間を、当該放電電極で
発生させるプラズマ中の活性原子または活性分子または
イオンの発生寿命より長く、かつ10倍以下とすること
を特徴とする給電方法。 - 【請求項15】 請求項14記載の給電方法において、
位相またはFM変調周波数を変化させる周期、時間間
隔、繰り返し時間を、プラズマ中の活性原子または活性
分子またはイオンの発生寿命の2倍以上4倍以下とする
ことを特徴とする給電方法。 - 【請求項16】 給電された高周波電力にもとづいて放
電状態を発生させるための放電電極への給電方法であっ
て、前記高周波電力の電極への給電部に水素、アルゴ
ン、ネオン、ヘリウム、窒素などの、製膜成分のデポジ
ットや粉の発生を抑制するガスを局所的に供給すること
を特長とする給電方法。 - 【請求項17】 請求項1乃至16のいずれか1記載の
給電方法において、放電電極がラダー型電極であること
を特徴とする給電方法。 - 【請求項18】 請求項1乃至17のいずれか1記載の
給電方法を用いてプラズマを空間的および時間的に移動
させることにより、プラズマ内の活性分子の発生を高効
率化することを特徴とする高周波プラズマ生成方法。 - 【請求項19】 給電された高周波電力にもとづいて高
周波プラズマを発生させる方法であって、製膜成分のデ
ポジットや粉の発生を抑制したい領域に、水素、アルゴ
ン、ネオン、ヘリウム、窒素などの、製膜成分のデポジ
ットや粉の発生を抑制するガスを局所的に供給すること
を特長とする高周波プラズマ生成方法。 - 【請求項20】 請求項18に記載の高周波プラズマ生
成方法を用いて、半導体薄膜の製膜もしくはエッチング
の分布均一化を図ることを特徴とする半導体製造方法。 - 【請求項21】 請求項18に記載の高周波プラズマ生
成方法を用いて、半導体の製膜もしくはエッチングの高
速化を図ることを特徴とする半導体製造方法。 - 【請求項22】 請求項16または19に記載の高周波
プラズマ生成方法を用いることを特徴とする半導体製造
方法。 - 【請求項23】 請求項1乃至22のいずれか1記載の
方法において、使用する高周波の周波数が10〜800
MHzの範囲にあることを特徴とする半導体製造方法。
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