JP3501669B2 - プラズマcvd法による堆積膜形成方法、及びプラズマ発生用高周波電極と該電極で構成したプラズマcvd装置 - Google Patents

プラズマcvd法による堆積膜形成方法、及びプラズマ発生用高周波電極と該電極で構成したプラズマcvd装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、堆積膜、とりわけ
機能性堆積膜、殊に半導体デバイス、電子写真用感光体
デバイス、画像入力用ラインセンサー、フラットパネル
ディスプレイ、撮像デバイス、光起電力デバイス等に用
いられる堆積膜の形成に適したプラズマCVD法による
堆積膜形成方法、及びプラズマ発生用高周波電極と該電
極で構成したプラズマCVD装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体デバイス等の製造プロセス
においては、プラズマCVD装置及びプラズマCVD法
が工業的に実用化されている。特に13.56MHzの
高周波や2.45GHzのマイクロ波を用いたプラズマ
CVD装置は基板材料、堆積膜材料等が導電体、絶縁体
に関わらず処理できるので広く用いられている。従来の
プラズマ発生用高周波電極及び該高周波電極を用いたプ
ラズマCVD法の一例として、平行平板型の装置を用い
た方法について図11を参照しながら説明する。反応容
器100に絶縁性の高周波電極支持台を介して高周波電
極102が配置されている。高周波電極102は、対向
電極と平行に配された平板であり、この電極間の静電容
量で決まる電界によりプラズマを発生させる。プラズマ
が発生すると、実質的に導電体であるプラズマと、プラ
ズマと両電極や反応容器壁との間の等価的に主にコンデ
ンサとして働くシースが電極間に発生してプラズマ発生
前とは大きくインピーダンスが異なる場合が多い。高周
波電極102の回りには、高周波電極102の側部と反
応容器100との間で放電が発生しないようにアースシ
ールド101が配置されている。高周波電極102には
整合回路104と高周波電力供給線を介して高周波電源
105が接続されている。高周波電極102と平行に配
された対向電極112にはプラズマCVDを行うための
平板状の被成膜基体103が配置され、被処理基体10
3は、基体温度制御手段(図示せず)により所望する温
度に保たれる。
【0003】この装置を使用した場合のプラズマCVD
は以下のように行われる。反応容器100を真空排気手
段106によって高真空まで排気した後、ガス供給手段
107によって反応ガスを反応容器内に導入し、所定の
圧力に維持する。高周波電源105より高周波電力を高
周波電極102に供給して高周波電極102と対向電極
との間にプラズマを発生させる。この方法により、反応
ガスがプラズマにより分解、励起され被成膜基体103
上に堆積膜を形成する。高周波電力としては、13.5
6MHzの高周波電力を用いるのが一般的であるが、放
電周波数が13.56MHzの場合、放電条件の制御が
比較的容易であり、得られる膜の膜質が優れているとい
った利点を有するが、ガスの利用効率が低く、堆積膜の
形成速度が比較的小さいといった問題がある。
【0004】こうした問題に鑑みて、周波数が25〜1
50MHz程度の高周波を用いたプラズマCVD法につ
いての検討がなされている。例えばPlasma Ch
emistry and Plasma Proces
sing, Vol 7,No3,(1987)p26
7−273(以下、「文献1」という。)には、平行平
板型のグロー放電分解装置を使用して原料ガス(シラン
ガス)を周波数25〜150MHzの高周波電力で分解
してアモルファスシリコン(a−Si)膜を形成するこ
とが記載されている。具体的には、文献1には、周波数
を25MHz〜150MHzの範囲で変化させてa−S
i膜の形成を行い、70MHzを使用した場合、膜堆積
速度が、2.1nm/secと最も大きくなり、これは
上述の13.56MHzを用いたプラズマCVD法の場
合の5〜8倍程度の形成速度であること、及び得られる
a−Si膜の欠陥密度、光バンドギャップ及び導電率
は、励起周波数によってはあまり影響を受けないことが
記載されている。
【0005】上記従来例は平板状の基体を処理するのに
適したプラズマCVD装置を用いた堆積膜形成法の例で
あるが、複数の円筒状基体上に堆積膜を形成するのに適
したプラズマCVD装置を用いた堆積膜形成法の一例
が、特開昭60−186849号公報(以下、「文献
2」という。)に記載されている。文献2には、周波数
2.45GHzのマイクロ波エネルギー源を用いたプラ
ズマCVD装置及び無線周波エネルギー(高周波電力)
源を用いたプラズマCVD装置が開示されている。文献
2の高周波電力源を用いたRFプラズマCVD装置を図
面を参照しながら説明する。図12及び図13に示すプ
ラズマCVD装置は、文献2に記載されているRFプラ
ズマCVD装置に基づいたプラズマCVD装置である。
図12及び図13において、100は反応容器を示す。
反応容器100内には、6個の基体ホルダー112Aが
同心円状に所定の間隔で配されている。103はそれぞ
れの基体ホルダー112上に配された成膜用の円筒状基
体である。それぞれの基体ホルダー112の内部にはヒ
ーター111が設けられていて円筒状基体103を内側
より加熱できるようにされている。
【0006】また、それぞれの基体ホルダー112は、
モーター108に連結したシャフトに接続しており、回
転できるようにされている。102はプラズマ生起領域
の中心に位置したアンテナ型の高周波電極である。高周
波電極102は、整合回路104を介して高周波電源1
05に接続されている。排気パイプは、真空ポンプを備
えた排気機構106に連通している。107は、ガスボ
ンベ、マスフローコントローラ、バルブ等で構成された
原料ガス供給系である。原料ガス供給系は、ガス供給パ
イプを介して複数のガス放出孔を備えたガス放出パイプ
に接続される。
【0007】この装置を使用した場合のプラズマCVD
は以下のように行われる。反応容器100を排気機構1
06によって高真空まで排気した後、ガス供給手段10
7からガス供給パイプ及びガス放出パイプを介して原料
ガスを反応容器100内に導入し、所定の圧力に維持す
る。こうしたところで、高周波電源105より高周波電
力を整合回路104を介して高周波電極105に供給し
て高周波電極と円筒状基体103との間にプラズマを発
生させる。こうすることにより、原料ガスがプラズマに
より分解、励起され円筒状基体103上に堆積膜が形成
される。図12及び図13に示したプラズマCVD装置
を使用すれば、放電空間が円筒状基体103で取り囲ま
れているので高い利用効率で原料ガスを使用できるとい
う利点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
の文献1に記載の平行平板型装置での周波数25〜15
0MHzの高周波電力による成膜は実験室規模のもので
あり、大面積の膜の形成においてこうした効果が期待で
きるか否かについて全く触れるところはない。一般に、
励起周波数が高くなるにしたがって、高周波電極上の定
在波の影響が顕著になり、特に平板電極では2次元の複
雑な定在波が生じてくる。このため、大面積の膜を均一
に形成することが困難になることが予想される。また、
従来例の文献2に記載の円筒状基体の表面全面に堆積膜
を形成する場合には、円筒状基体を回転させる必要があ
り、回転させることによって実質的な堆積速度が上述し
た平行平板型のプラズマCVD装置を使用した場合の約
1/3〜1/5に低下するという問題がある。即ち、放
電空間が円筒状基体で取り囲まれているため、円筒状基
体が高周波電極と正対する位置では平行平板型のプラズ
マCVD装置と同程度の堆積速度で堆積膜が形成される
が、放電空間に接していない位置ではほとんど堆積膜は
形成されないためである。
【0009】文献2においては、高周波電力の具体的な
周波数については言及がなされていない。本発明者らが
図8に示したプラズマCVD装置を使用して、高周波電
力として一般的な13.56MHz、原料ガスとしてS
iH4を用い、堆積速度は高くなるがポリシランなど膜
質悪化の原因ともなり得る粉体が発生し易い数100m
Torrの圧力条件において円筒状基体を回転させて基
体の全周全面にアモルファスシリコン膜を堆積したとこ
ろ実質的な堆積速度は高々0.5nm/sであった。例
えば、図8に示したプラズマCVD装置を用いてアモル
ファスシリコン膜を感光層とする電子写真感光体を作製
する場合、アモルファスシリコン感光層の膜厚は30μ
m程度必要であるため、前述した0.5nm/s程度の
堆積速度では膜堆積に16時間以上要し、生産性が非常
に悪い。この方式においても、高周波電力の周波数を3
0MHz以上にするとプラズマの密度が上がり、堆積速
度は向上するが、定在波の影響により不均一なプラズマ
が形成されやすく、基体上に均質な堆積膜を形成するの
は極めて難しいといった問題がある。この点は、後述の
本発明者らが行った文献2に記載の方法を実施した比較
例の結果からして容易に理解される。
【0010】また、従来例の文献1及び文献2のいずれ
の方式においても、高周波電力の周波数を30MHz以
上にするとプラズマの密度が上がり、プラズマ中のラジ
カルの発生密度が上がる為、堆積速度は向上するが、プ
ラズマ中のラジカル同士の反応も進む為堆積膜の質を低
下させるポリシランの発生が多くなる。ラジカルの発生
密度が多い状況でポリシランの発生を抑える為には、成
膜時の圧力を下げることが効果があるが、プラズマを生
起したり維持することが困難になってくる。特に、プラ
ズマが生起する前後でのインピーダンスの違いが大きい
ために、高周波電力のちょっとしたプラズマの状況の変
化等で放電が消えてしまう問題がある。
【0011】そこで、本発明は、上記した従来技術にお
ける課題を解決し、大面積の基体上に膜厚が極めて均一
で且つ均質膜質である高品質な堆積膜を高速度で安定
に、効率よく形成することのできる堆積膜、とりわけ機
能性堆積膜、殊に半導体デバイス、電子写真用感光体デ
バイス、画像入力用ラインセンサー、フラットパネルデ
ィスプレイ、撮像デバイス、光起電力デバイス等に用い
られる堆積膜の形成に適したプラズマCVD法による堆
積膜形成方法、及びプラズマ発生用高周波電極と該電極
で構成したプラズマCVD装置を提供することを目的と
している。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、プラズマCVD法による堆積膜形成方法、
及びプラズマ発生用高周波電極と該電極で構成したプラ
ズマCVD装置を、つぎのように構成したことを特徴と
している。すなわち、本発明の堆積膜形成方法は、減圧
可能な反応容器、該反応容器内にプラズマCVDの原料
ガスを供給する原料ガス供給手段、および前記反応容器
内に配された基体保持手段、該反応容器内の反応後のガ
スを排気する排気手段、および高周波電源より高周波電
力を供給しプラズマを生成するための棒状若しくは板状
の導電性のプラズマ発生用高周波電極を有し、前記高周
波電源で発生させた高周波電力を前記プラズマ発生用高
周波電極に供給し、前記基体保持手段により保持される
基体と前記プラズマ発生用高周波電極との間にプラズマ
を発生させて基体に堆積膜を形成するプラズマCVD法
による堆積膜形成方法において、前記プラズマ発生用高
周波電極の高周波電力給電点の反対側を、LC回路内の
高圧可変コンデンサ(A)を介して接地すると共に、そ
の高周波電力給電点側にも高圧可変コンデンサ(B)を
設置し、前記LC回路内の高圧可変コンデンサ(A)の
容量及び前記高周波電力給電点側の高圧可変コンデンサ
(B)の容量をそれぞれ可変させて、該両コンデンサの
容量の総和量と略等しい容量(k)を可変的に制御し
て、前記プラズマ発生用高周波電極に供給される高周波
の位相を変化させることにより、プラズマ電位を均一化
して堆積膜を形成するようにしたことを特徴としてい
る。また、本発明の堆積膜形成方法は、前記可変される
両コンデンサの容量の総和量が、前記両コンデンサの容
量の総和量と略等しい容量(k)の±30%以内の範囲
にあることを特徴としている。また、本発明の堆積膜形
成方法は、前記プラズマ発生用高周波電極は、給電点の
反対側の先端部分における接地部分とのリアクタンス
を、接地までの線路の距離及び/又はコンデンサの静電
容量により調整することを特徴としている。また、本発
明の堆積膜形成方法は、前記高周波電力は、その周波数
が30〜600MHzまたは60〜300MHzの範囲
にあることを特徴としている。また、本発明の堆積膜形
成方法は、前記プラズマ発生用高周波電極は、表面が誘
電体で覆われていることを特徴としている。また、本発
明の堆積膜形成方法は、前記基体保持手段により保持さ
れる基体は、円筒状基体であり、前記反応容器内に配さ
れたプラズマ発生用高周波電極の周囲に複数の円筒状基
体の中心軸が実質的に同一円周上に立設するように配列
し、該プラズマ発生用高周波電極と複数の円筒状基体と
の間にプラズマを発生させて円筒状基体の表面上に堆積
膜を形成することを特徴としている。また、本発明の堆
積膜形成方法は、前記円筒状基体を回転させながら円筒
状基体の表面上に堆積膜を形成することを特徴としてい
る。また、本発明の堆積膜形成方法は、前記基体保持手
段により保持される基体は、円筒状基体であり、該円筒
状基体の周囲に複数のプラズマ発生用高周波電極を配列
し、該高周波電極と円筒状基体との間にプラズマを発生
させて円筒状基体の表面上に堆積膜を形成することを特
徴としている。また、本発明の堆積膜形成方法は、前記
円筒状基体を回転させながら円筒状基体の表面上に堆積
膜を形成することを特徴としている。また、本発明の堆
積膜形成方法は、前記複数のプラズマ発生用高周波電極
に同一電源より高周波電力を分割して供給することを特
徴としている。また、本発明の堆積膜形成方法は、前記
反応容器は誘電体部材で構成されており、前記プラズマ
発生用高周波電極が反応容器の外部に設置されているこ
とを特徴としている。また、本発明の堆積膜形成方法
は、前記誘電体部材で構成された反応容器には、前記反
応容器内にプラズマCVDの原料ガスを供給する原料ガ
ス供給手段であるガス管が該反応容器内部に埋め込まれ
ていることを特徴としている。また、本発明の堆積膜形
成方法は、前記基体が平板状基体であり、平板状基体に
対して平行に単数または複数の高周波電極を配列し、高
周波電極と平板状基体との間にプラズマを発生させて平
板状基体の表面上に堆積膜を形成することを特徴として
いる。また、本発明の堆積膜形成方法は、前記基体が成
膜時に保持ロールより送り出され、巻き取りロールによ
り巻き取られるシート状基体であり、シート状基体に対
して平行に単数または複数の高周波電極を配列し、高周
波電極とシート状基体との間にプラズマを発生させてシ
ート状基体の表面上に堆積膜を形成することを特徴とし
ている。
【0013】また、本発明のプラズマ発生用高周波電極
は、高周波電力によりプラズマを生成するための棒状若
しくは板状の導電性のプラズマ発生用高周波電極であっ
て、前記プラズマ発生用高周波電極の高周波電力給電点
の反対側が、LC回路内の高圧可変コンデンサ(A)を
介して接地され、またその高周波電力給電点側も高圧可
変コンデンサ(B)が設置され、前記LC回路内の高圧
可変コンデンサ(A)の容量及び前記高周波電力給電点
側の高圧可変コンデンサ(B)の容量をそれぞれ可変さ
せて、該両コンデンサの容量の総和量と略等しい容量
(k)を可変的に制御するように構成されていることを
特徴としている。また、本発明のプラズマ発生用高周波
電極は、前記可変される両コンデンサの容量の総和量
が、前記両コンデンサの容量の総和量と略等しい容量
(k)の±30%以内の範囲とされていることを特徴と
している。また、本発明のプラズマ発生用高周波電極
は、給電点の反対側の先端部分にける接地部分とのリア
クタンスを、接地までの線路の距離及び/又はコンデン
サの静電容量により調整するように構成されていること
を特徴としている。また、本発明のプラズマ発生用高周
波電極は、使用する高周波電力の周波数が30〜600
MHzまたは60〜300MHzの範囲にあることを特
徴としている。また、本発明のプラズマ発生用高周波電
極は、表面が誘電体で覆われていることを特徴としてい
る。
【0014】また、本発明の堆積膜形成装置は、減圧可
能な反応容器、該反応容器内にプラズマCVDの原料ガ
スを供給する原料ガス供給手段、および前記反応容器内
に配された基体保持手段、該反応容器内の反応後のガス
を排気する排気手段、および高周波電源より高周波電力
を供給しプラズマを生成するための棒状若しくは板状の
導電性のプラズマ発生用高周波電極を有し、前記高周波
電源で発生させた高周波電力を前記プラズマ発生用高周
波電極に供給し、前記基体保持手段により保持される基
体と前記プラズマ発生用高周波電極との間にプラズマを
発生させて基体に堆積膜を形成するプラズマCVD装置
において、前記プラズマ発生用高周波電極が上記した本
発明のいずれかのプラズマ発生用高周波電極で構成され
ていることを特徴としている。また、本発明の堆積膜形
成装置は、前記基体保持手段により保持される基体は、
円筒状基体であり、前記反応容器内に配されたプラズマ
発生用高周波電極の周囲に複数の円筒状基体の中心軸が
実質的に同一円周上に立設するように配列し、該プラズ
マ発生用高周波電極と複数の円筒状基体との間にプラズ
マを発生させて円筒状基体の表面上に堆積膜を形成する
ことを特徴としている。また、本発明の堆積膜形成装置
は、前記円筒状基体を回転させながら円筒状基体の表面
上に堆積膜を形成することを特徴としている。また、本
発明の堆積膜形成装置は、前記基体保持手段により保持
される基体は、円筒状基体であり、該円筒状基体の周囲
に複数のプラズマ発生用高周波電極を配列し、該高周波
電極と円筒状基体との間にプラズマを発生させて円筒状
基体の表面上に堆積膜を形成することを特徴としてい
る。また、本発明の堆積膜形成装置は、前記円筒状基体
を回転させながら円筒状基体の表面上に堆積膜を形成す
ることを特徴としている。また、本発明の堆積膜形成装
置は、前記複数のプラズマ発生用高周波電極に同一電源
より高周波電力を分割して供給することを特徴としてい
る。また、本発明の堆積膜形成装置は、前記反応容器は
誘電体部材で構成されており、前記プラズマ発生用高周
波電極が反応容器の外部に設置されていることを特徴と
している。また、本発明の堆積膜形成装置は、前記誘電
体部材で構成された反応容器には、前記反応容器内にプ
ラズマCVDの原料ガスを供給する原料ガス供給手段で
あるガス管が該反応容器内部に埋め込まれていることを
特徴としている。また、本発明の堆積膜形成装置は、前
記基体が平板状基体であり、平板状基体に対して平行に
単数または複数の高周波電極を配列し、高周波電極と平
板状基体との間にプラズマを発生させて平板状基体の表
面上に堆積膜を形成することを特徴としている。また、
本発明の堆積膜形成装置は、前記基体が成膜時に保持ロ
ールより送り出され、巻き取りロールにより巻き取られ
るシート状基体であり、シート状基体に対して平行に単
数または複数の高周波電極を配列し、高周波電極とシー
ト状基体との間にプラズマを発生させてシート状基体の
表面上に堆積膜を形成することを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、上記したとおりLC回
路内の高圧可変コンデンサ(A)の容量及び高周波電力
給電点側の高圧可変コンデンサ(B)の容量をそれぞれ
可変させて、該両コンデンサの容量の総和量と略等しい
容量(k)を可変的に制御して、プラズマ発生用高周波
電極に供給される高周波の位相を変化させることによ
り、プラズマ電位を均一化して、上述の本発明の課題を
達成したものであるが、それは、つぎのような本発明者
らの鋭意検討をした結果によるものである。以下にその
詳細について説明する。本発明者らは高周波電力の周波
数を30MHz以上にすると、気相反応が起こりにくい
高真空領域での放電が可能となり、非常に優れた膜特性
を得ることができ、堆積速度も13.56MHzの場合
に比べて向上するが、まだ高真空領域での放電の安定性
に問題があったり膜質と堆積速度の分布は悪化する知見
を得た。そこで、本発明者らは、高周波電力の周波数を
30MHz以上にすると、高真空領域での放電が可能に
なるが安定性にまだ問題があること、偏在的に膜質の悪
化や堆積速度の低下が発生する原因を解明すべく鋭意検
討を行った。すなわち、本発明は、該実験を介して得ら
れた知見に基づいて完成したものである。
【0016】まず、本発明者らは、高真空領域での放電
の安定性は、放電前後のインピーダンス変化が大きすぎ
ることが問題であると推定した。高真空領域での放電で
は、比較的簡単な低真空領域と比較して放電を生起する
電圧も維持する電圧も高い。高周波放電の場合、通常定
電力のグロー放電であり、一定パワーを整合回路を介し
て放電負荷にあったインピーダンス変換を行って放電を
維持している。この場合例えば極端な例で、瞬時のアー
ク放電が発生した場合インピーダンスが瞬間的に小さく
なり、低電圧大電流放電になりグロー放電が維持できな
くなり放電が消失してしまう。この時、放電前後のイン
ピーダンス変化が大きすぎると整合回路によるインピー
ダンスの変換がうまくいかずこのまま放電は消失したま
まとなるからである。次に本発明者らは、高周波電力の
周波数を30MHz以上にすると偏在的に膜質が悪化す
る原因を解明すべく鋭意検討を行った。その結果、プラ
ズマ電位分布と偏在的な膜質悪化に強い相関があること
が判明した。即ち、円筒状基体の軸方向に亘ってラング
ミュアプローブ法によりプラズマ電位を測定したとこ
ろ、偏在的に膜質が悪化する位置に対応する箇所におい
てプラズマ電位の低下が見られた。
【0017】これらの検討結果から膜質分布及び堆積速
度分布の悪化は、高周波電極上に発生する定在波および
高周波電極上での高周波電力の減衰に起因するものと推
察された。一般に高周波電極と対向電極間に高周波電力
を印加することによってプラズマを生成する場合、電極
に印加した高周波電力の周波数と電極の大きさとの関係
から電極上に無視できない定在波が発生する場合があ
る。即ち、高周波電力の周波数が高くなる場合や高周波
電極の面積が大きくなる場合に定在波が発生し易くな
り、この定在波が大きいと、高周波電極内での電界分布
が悪くなり、電極間のプラズマ密度、プラズマ電位、電
子温度などのプラズマ分布が乱れ、プラズマCVDの成
膜品質に悪影響を及ぼす。上述した実験においては、高
周波電極の先端で高周波電極上に反射波が発生し、入射
波との干渉により30MHz以上の周波数において膜
質、堆積速度に影響を与える定在波が発生したものと考
えられる。特に、定在波の節の位置では電界が弱くな
り、偏在的なプラズマ電位の低下を引き起こして偏在的
に膜質が悪化したものと考えられる。また、高周波電力
の周波数が高くなればなるほど、高周波電力のプラズマ
ヘの吸収が多くなり、高周波電極への高周波電力の給電
点から離れるにつれて高周波電力の減衰が大きくなり、
堆積速度分布に悪影響を及ぼす。また、400MHz〜
600MHzの周波数においては、高周波電力が給電点
から減衰しつつも、複数の位置に定在波の節が発生した
ものと考えられる。
【0018】本発明は以上の検討結果を基礎として完成
するに至ったものである。以下、図面を参照しながら本
発明を説明する。本発明のプラズマ発生用高周波電極を
用いたプラズマ電位均一化の方法について説明する。図
2において、高周波電源105で発生した高周波電力は
整合回路104を介して高周波電極102に供給され
る。高周波電極は、単純な棒状のアンテナ形状のもので
あり、通常、高周波電極102そのものは表皮抵抗
(R)とインダクタンス(L)の直列インピーダンスで
記述される。高周波電極102に対向する基体103は
端部において接地されているが十分インダクタンスを有
しており、同様に表皮抵抗(R)とインダクタンス
(L)の直列インピーダンス(R+jωL)で記述され
る。プラズマが生起していない場合、高周波電極102
と基体103の間にはその位置関係及び形状によって決
まる静電容量(C)を持つ。高周波電極102と基体1
03の間の静電容量(C)によって高周波電極102に
流れる高周波電流は決まってくる為、高周波電極102
と基体103との位置関係及び形状によってプラズマの
生起しやすさは大きく影響を受け、ちょっとした位置関
係の変化でも最適化の為の調整が必要になってくる。一
方、一旦プラズマが生起するとプラズマは抵抗を持つ導
電体となり、高周波電極102及び基体103とプラズ
マとの間のイオンシースは静電容量となる。静電容量は
面積及び媒体の誘電率が同じ場合、導電体間の距離と反
比例するが、イオンシースの厚みは、高周波電極−基体
間の距離に比べてかなり薄くその静電容量は大きい。こ
の為、プラズマ生起前後での高周波電極−基体間のイン
ピーダンスの変化が大きく整合回路の調整がかなり難し
く、プラズマの生起も難しくなってくる。また、ちょっ
としたプラズマの変化に対してもインピーダンス変化が
大きく自動整合回路などを用いても整合が間に合わなく
なり、最悪の場合プラズマが消えてしまう。プラズマの
均一性についても、高周波電極の先端は開放端になって
おり強い定在波が立ちやすくなっている。更に高周波電
極及び基体のインピーダンスに対してプラズマのインピ
ーダンスが低い場合、分布定数回路で考えた場合、高周
波電極の高周波導入側で多く高周波電流が流れる為、先
端に行くにつれて高周波電流は急激に減少する。かくし
て、このふたつの要因により不均一なプラズマが形成さ
れやすくなる。
【0019】一方、本発明のカソード電極を用いること
で、従来の場合と同様に高周波電源105で発生した高
周波電力は整合回路104を介して高周波電極102に
供給される。高周波電極102は、単純な棒状のアンテ
ナ形状のものであり、通常、高周波電極102そのもの
は表皮抵抗とインダクタンスの直列インピーダンスで記
述される。高周波電極102の先端に真空高圧可変コン
デンサ113を要したLC回路を介して接地する。周波
数が高い場合は自然にL成分によるインピーダンス(j
ωL)が大きくなる為C(静電コンデンサ)のみでも良
い。高周波電極−基体間の静電容量によるインピーダン
スよりも先端のLC回路によるインピーダンスを十分に
小さくした場合、高周波電極102に流れる高周波電流
は高周波電極のインピーダンス及び先端のLC回路によ
り決まり、基体103との位置関係や形状にはほとんど
依存しない。このため、基体形状の変更などを行っても
プラズマの生起のしやすさや安定性への影響は少なく最
適化も容易である。
【0020】プラズマが生起した場合、プラズマとイオ
ンシースの直列インピーダンスの絶対値に対して先端の
LC回路の絶対値を小さくすると、プラズマ生起後も高
周波電流は先端のLC回路のインピーダンスの効きが大
きく、プラズマ生起前後でのインピーダンス変化は比較
的少なくなる。このため、プラズマの状況の変化に対し
ても整合条件の変化が小さくプラズマは安定する。ま
た、高周波電流の多くは先端のLC回路に多く流れるた
め、高周波電極102の給電点と先端での高周波電流量
の差は小さくなり、プラズマの均一性も良くなる。それ
だけでなく、成膜中に高周波電極の先端の高圧可変コン
デンサ(A)および給電点の高圧可変コンデンサの容量
(B)を(A)+(B)≒kをみたし、kの値を可変さ
せていくことで位相が変化し、プラズマの電位分布もか
なり良くなる。しかしながら、kの値を成膜時変化させ
ていくわけであるが、この値が±30%の範囲に入らな
いと、マッチングが大きく変動し、悪いときで放電が落
ちてしまう。プラズマのインピーダンスはプラズマの条
件により異なるがその実部であるレジスタンスは50Ω
以下になることが多く、虚部であるリアクタンスは放電
周波数やその他の条件により変わる。
【0021】このため、本発明のプラズマ発生用高周波
電極の給電点の反対側の先端部分において接地部分との
リアクタンスの絶対値が、前記高周波電力の周波数にお
いて50Ω以下であることが好ましい。本発明のプラズ
マ発生用高周波電極は、給電点の反対側の先端部分にお
いて、接地部分とのリアクタンスを接地までの線路の距
離及び/又はコンデンサの静電容量により調整すること
が好ましい。本発明のプラズマ発生用高周波電極は、給
電点の反対側の先端部分に高圧可変コンデンサ(A)が
設置されており給電点側にも高圧可変コンデンサ(B)
が設置されており、A+B≒k(一定)を満たし、その
範囲が±30%以内に入るよう静電容量により調整する
ことが好ましい。本発明のプラズマ発生用高周波電極
は、使用する高周波電力の周波数が30〜600MHz
の範囲にあることが好ましい。本発明のプラズマ発生用
高周波電極は、表面が誘電体で覆われていることが好ま
しい。
【0022】本発明の上記構成のプラズマ発生用高周波
電極を用いたプラズマCVD法においては、以上に述べ
たように均一且つ安定なプラズマを形成できるプラズマ
発生用高周波電極を用いているため、極めて均一性の良
い膜質及び膜厚の堆積膜を形成できるが、以下に詳しく
説明する。図4に示したプラズマCVD装置は本発明の
プラズマCVDを用い堆積膜を形成させる装置の一例を
示すものである。図4及び図5において、100は反応
容器を示す。反応容器100、6個の基体ホルダー11
2が同心円状に所定の間隔で配されている。103はそ
れぞれの基体ホルダー112上に配された成膜用の円筒
状基体である。それぞれの基体ホルダー112の内部に
はヒーター111が設けられていて円筒状基体103を
内側より加熱できるようにされている。また、それぞれ
の基体ホルダー112は、モーターに連結したシャフト
に接続しており、回転できるようにされている。102
はプラズマ生起領域の中心に位置した高周波電力投入用
の高周波電極である。高周波電源105は、整合回路1
04を介して高周波電極102の一端に接続されてい
る。
【0023】高周波電極102は誘電体カバー109で
被覆されており、給電点と反対側の先端にLC回路を介
して接地されている。106は排気バルブを備えた排気
パイプであり、該排気パイプは、真空ポンプを備えた排
気機構106に連通している。原料ガス供給系は、ガス
ボンベ、マスフローコントローラ、バルブ等を備えてい
る。原料ガス供給系は、ガス供給パイプを介して複数の
ガス放出孔を備えたガス放出パイプに接続される。
【0024】この装置を使用した場合のプラズマCVD
は以下のように行われる。反応容器100を排気機構1
06によって高真空まで排気した後、ガス供給手段10
7からガス供給パイプ及びガス放出パイプを介して原料
ガスを反応容器100内に導入し、所定の圧力に維持す
る。こうしたところで、高周波電源105より高周波電
力を整合回路104を介して高周波電極102に供給し
て高周波電極と円筒状基体(103との間にプラズマを
発生させる。この際、高周波電極の先端(LC回路内
の)高圧可変コンデンサと給電点側の高圧可変コンデン
サの容量の和を等価(±30%以内)にし、可変させ
る。こうすることにより、原料ガスがプラズマにより分
解、励起され円筒状基体103上に堆積膜が形成され
る。
【0025】本発明において、誘電体カバー109に使
用する誘電体材料は任意の公知のものを選択できるが、
誘電損の小さい材料が好ましく、誘電正接が0.01以
下であるものが好ましく、より好ましくは0.001以
下がよい。高分子誘電体材料ではポリ四フッ化エチレ
ン、ポリ三フッ化塩化エチレン、ボリフッ化エチレンプ
ロピレン、ポリイミドなどが好ましく、ガラス材料で
は、石英ガラス、ホウケイ酸ガラスなどが好ましく、磁
器材料では窒化ホウ素、窒化シリコン、窒化アルミニウ
ム、などや酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化
ケイ素などの元素酸化物の中の単数または複数の元素酸
化物を主成分とする磁器が好ましい。本発明において、
高周波電極102の形状は円柱状、円筒状、多角柱状な
どの棒状のもの、長板状のものが好ましい。本発明にお
いて、高周波電源105の周波数は好ましくは30〜6
00MHz、更に好適には60〜300MHzの範囲と
するのが望ましい。
【0026】本発明において、装置構成は図6に示すよ
うに円筒状基体103の周囲に複数の高周波電極102
を配置したものでもよい。こうすることにより、成膜時
には常時、円筒状基体の全周表面をプラズマに曝すこと
ができるので堆積速度を大幅に向上することが可能とな
り生産性を大幅に向上できる。更に、高周波電極の本数
や配置箇所を最適化すれば円筒状基体を回転させなくて
も均一な堆積膜を基体全周表面に形成することが可能と
なり、回転機構が不要となるので装置構成を簡略化でき
る。また、円筒状基体を回転させることにより更に極め
て均一な堆積膜を形成できることは言うまでもない。
【0027】本発明のプラズマCVD法を用いて堆積膜
を形成させる方法を用いた装置構成は図9に示すように
平板状基体103に対して平行に複数の高周波電極10
2を配置したものでもよい。こうすることにより、大面
積の平板状基体上に膜厚が極めて均一で且つ均質膜質で
ある高品質な堆積膜を高速度で形成することができる。
本発明のプラズマCVD法を用いて堆積膜を形成させる
方法を用いた装置構成は図10に示すように成膜時に保
持ロールより送り出され、巻き取りロールに巻き取られ
るシート状基体103に対して平行に単数または複数の
高周波電極102を配置したものでもよい。こうするこ
とにより、大面積のシート状基体上に膜厚が極めて均一
で且つ均質膜質である高品質な堆積膜を高速度で形成す
ることができる。
【0028】本発明のプラズマCVD法を用いて堆積膜
を形成させる方法を用いたプラズマCVD装置を使用す
るに際して、使用するガスについては、形成する堆積膜
の種類に応じて公知の成膜に寄与する原料ガスを適宜選
択使用される。例えはa−Si系の堆積膜を形成する場
合であれば、シラン、ジシラン、高ジシラン等あるいは
それらの混合ガスが好ましい原料ガスとして挙げらる。
他の堆積膜を形成する場合であれば、例えば、ゲルマ
ン、メタン、エチレン等の原料ガスまたはそれらの混合
ガスが挙げられる。いずれの場合にあっても、成膜用の
原料ガスはキャリアーガスと共に反応容器内に導入する
ことができる。キャリアーガスとしては、水素ガス、及
びアルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを挙げる
ことができる。堆積膜のバンドギャップを調整する等の
特性改善用ガスを使用することもできる。そうしたガス
としては、例えば、窒素、アンモニア等の窒素原子を含
むガス、酸素、酸化窒素、酸化二窒素等の酸素原子を含
むガス、メタン、エタン、エチレン、アセチレン、プロ
パン等の炭化水素ガス、四フッ化珪素、六フッ化二珪
素、四フッ化ゲルマニウム等のガス状フッ素化合物また
はこれらの混合ガス等が挙げられる。形成される堆積膜
をドーピングするについてドーパントガスを使用するこ
ともできる。そうしたドーピングガスとしては、例え
ば、ガス状のジボラン、フッ化ホウ素、ホスフィン、フ
ッ化リン等が挙げられる。堆積膜形成時の基体温度は、
適宜設定できるが、アモルファスシリコン系の堆積膜を
形成する場合には、好ましくは60℃〜400℃、より
好ましくは100℃〜350℃とするのが望ましい。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれらによって限定されるものではない。 [実施例1]実施例1の図2に示した本発明のプラズマ
CVD法を用いて堆積膜を形成させる方法を用いたプラ
ズマCVD装置は、高周波電源として周波数30MHz
〜600MHzの電源を接続した装置を使用し、高周波
電極は、図1に示したように円柱状高周波電極をアルミ
ナセラミックス製の誘電体カバーを覆い、一端を高周波
電力の給電点とし反対側の一端に可変高圧コンデンサ
[A]を介して接地した構成のものである。また給電点
にも可変高圧コンデンサ[B]を設置し、[A]の容量
+[B]≒k(一定)の容量となるように2つの可変高
圧コンデンサを調節し、成膜中、前記式を満たす範囲に
て真空高圧コンデンサを可変させ、カソード電極に供給
される高周波の位相を変化させながら堆積膜を形成し
た。比較例として図3の単純棒状電極を用いたプラズマ
CVD装置を示した。成膜条件は表1に示した。この方
法を用いて電気特性評価基板(#7059ガラス)上に
アモルファスシリコン膜を形成、評価した。
【0030】
【表1】 以上のようにして形成したアモルファスシリコン膜の膜
質および膜質分布、並びに堆積速度分布および堆積速度
分布を比較例1と同様の方法で評価した。成膜した試料
の光感度のそれぞれの評価結果を表2に示した。
【0031】
【表2】 膜質及び膜質分布は電気特性評価基板の上端から下端ま
でに亘って約40mmおきの10箇所の位置で光感度
((光導電率σp)/(暗導電率σd))を測定するこ
とにより評価した。ここでは、光導電率σpは、1mw
/cm2の強度のHe−Neレーザー(波長632.8
nm)の照射時の導電率により評価している。本発明者
らのこれまでの電子写真感光体作製からの知見による
と、上記の方法による光感度が103以上の品質の堆積
膜を得られる条件を基に最適化して作製した電子写真感
光体において実用に値する画像が得られる。しかし、近
年の画像の高コントラスト化により、上述の光感度が1
4以上のものが必須になってきており、更に近い将来
105以上の光感度が求められることが予想される。
【0032】このような観点から、今回の実験では光感
度の値を下記の基準で評価した。 ◎:光感度が105以上であり、非常に優れた膜特性で
ある。 ○:光感度が104以上であり、良好な膜特性である。 △:光感度が103以上であり、実用上問題なし。 ×:光感度が103未満であり、実用に適さない。 堆積速度及び堆積速度分布はの評価は、軸方向に亘って
上述した光感度の測定位置と同様に約40mmおきの1
0箇所について渦電流式膜厚計(Kett科学研究所
製)を使用して膜厚を測定することにより評価した。堆
積速度は10箇所における膜厚に基づいて算出し、得ら
れた値の平均値を平均堆積速度とした。堆積速度分布の
評価は次のようにして行った。即ち、軸方向の堆積速度
分布については、軸方向18箇所における堆積速度の最
大値と最小値との差を求め、該差を18箇所の平均堆積
速度で割り、堆積速度分布{(最大値−最小値)/平均
値}を求め、これを軸方向の堆積速度分布として百分率
で表した。本発明、5mTorrの圧力条件で成膜した
ものは全ての試料において光感度が2×104〜1×1
5の範囲にあり問題のない良質膜特性であった(表
2)。
【0033】堆積速度分布は8%であった。比較の図3
に記載のプラズマCVD法を用いた装置により同様に堆
積させた薄膜の光感度は2×103〜1×104であり、
被処理基体の軸方向にムラを生じた。また、この装置に
て堆積させた薄膜の堆積速度分布は35%であり本発明
の堆積膜形成方法を用いた装置を用いることで膜厚の均
一性が格段によくなった。また、膜質も本発明の堆積膜
形成方法を用いた装置を使用することで均質でかつ良質
な堆積膜を形成できた。これは、比較にしめした装置で
は、被処理基体付近の軸方向のプラズマの電位分布にム
ラを生じるが、本発明の堆積膜形成方法を用いた装置を
用いることで位相を変化させることが可能となりプラズ
マの電位分布も均一に近い状態となったと考えられる。
【0034】[実施例2]実施例2では、図1記載のカ
ソード電極の周囲に複数本の基体が配置された図4およ
び図5に示された本発明の堆積膜形成方法を用いた装置
において以下に示す方法により堆積膜を形成した。電子
写真感光体は、表4に示す成膜条件で6本のAl製の円
筒状基体上に、電荷注入阻止層、光導電層及び衰面保護
層をこの順序で形成した。各々の電源周波数の条件で得
られた試料について、帯電能、画像濃度、画像欠陥につ
いて評価した。その結果、いずれの電子写真感光体もこ
れらの評価項目について電子写真感光体全面に亘って非
常に優れた結果を示した。このことからいずれの電子写
真感光体も電子写真特性に優れたものであることが判っ
た。また、堆積した膜の膜厚分布を測定したところ10
%ほどであり、電子写真感光体デバイスや画像入力用ラ
インセンサ等の実用に十分耐えうるものであった。
【0035】[実施例3]実施例3では、図1に記載の
カソード電極を用い、直径108mm、長さ358m
m、厚さ5mmの6本のAl製円筒状基体を反応容器内
に配置して基体は回転させずに本発明の堆積膜形成法を
用いて成膜を行った。高周波電極の構成は実施例1と同
様のものを、図6に示すように7本の高周波電極を反応
容器に配置した。高周波電源の周波数は100MHzの
ものを用い、この電源より発せられる高周波電力を分割
して7本のカソード電極に供給した。表1に示す成膜条
件で6本の円筒状基体上にアモルファスシリコン膜を形
成し、実施例1の手順で堆積速度及び堆積速度分布の評
価を行った。アモルファスシリコン膜を形成した円筒状
基体6本の内1本の軸方向に約20mmおきに線を引
き、周方向に約32mmおきに線を引いた場合の交点1
80箇所について実験1で用いた渦電流式膜厚計を使用
して膜厚を測定し各測定箇所における堆積速度を算出
し、得られた値の平均値を平均堆積速度とした。
【0036】得られた平均堆積速度は6nm/sであ
り、従来例に記述した装置に比べ格段に堆積速度が速く
なり生産性が向上した。軸方向の堆積速度分布は、軸方
向1列の測定点18箇所における堆積速度の最大値と最
小値との差を求め、該差を18箇所の平均堆積速度で割
り、1列あたりの堆積速度分布を求めた。ついで、他の
9列についても同様に1列あたりの堆積速度分布を求
め、得られた10列の堆積速度分布の平均値を算出し、
これを、軸方向の堆積速度分布として百分率で表した。
軸方向の堆積速度分布は5%であった。周方向の堆積速
度分布は、周方向1列の測定点10箇所における堆積速
度の最大値と最小値との差を求め、該差を10箇所の平
均堆積速度で割り、1列あたりの堆積速度分布を求め
た。ついで他の17列についても同様に1列あたりの堆
積速度分布を求め、得られた18列の堆積速度分布の平
均値を算出し、これを、周方向の堆積速度分布として百
分率で表した。周方向の堆積速度分布は12%であっ
た。
【0037】[実施例4]実施例4では、実施例3で用
いた同一の装置構成且つ同一方法にて、電子写真感光体
を作製した。電子写真感光体は、表4に示す成膜条件で
6本のAl製の円筒状基体上に、電荷注入阻止層、光導
層及び表面保護層をこの順序で形成した。得られた試料
について、帯電能、画像濃度、画像欠陥について評価し
た。その結果、いずれの電子写真感光体もこれらの評価
項目について電子写真感光体全面に亘って非常に優れた
結果を示した。このことからいずれの電子写真感光体も
電子写真特性に優れたものであることが判った。
【0038】[実施例5]実施例5は、成膜時に基体を
回転させること以外、実施例3と同様にして6本の円筒
状基体上にアモルファスシリコン膜を形成した。実施例
3と同様にして、堆積速度及び堆積速度分布を評価した
ところ、平均堆積速度は5nm/sであり、軸方向の堆
積速度分布は5%であり、周方向の堆積速度分布は4%
であった。均一性の良い堆積膜を形成できた。
【0039】[実施例6]実施例6では、図7の本発明
の反応容器が誘電体で構成され図1に示すカソード電極
を有するプラズマCVD装置を用いて、シリンダー軸方
向に40mm間隔で10枚の#7059ガラス基板上に
堆積膜を形成し、上記の要領で評価した。結果、堆積し
た膜の光感度の表3に示したように良質であり、比較の
単純棒状電極の装置に比べ非常に均質性の良い堆積膜が
形成された。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】 また、堆積した膜の平均堆積速度7.5nm/sであ
り、軸方向の堆積速度分布は6%であり、周方向の堆積
速度分布は6.5%であった。このように本発明の図7
に示す堆積膜形成方法を用いたプラズマCVD装置を用
いることで均質且つ、均一な堆積膜を形成できる。
【0042】[実施例7]実施例7では、実験6の堆積
膜形成方法を用いたプラズマCVD装置で原料ガス供給
管が反応容器内に埋め込まれた構成の図8に示すプラズ
マCVD装置を用いて、従来例に示した装置で堆積され
た堆積膜と比較した。比較方法として従来例で堆積され
た膜の表面には画像欠陥をおこす可能性がある10μm
以上の球状の突起物(以下球状突起)が150個/3m
2存在する。しかしながら本発明の原料ガス供給管が
反応容器内に埋め込まれた装置を用いることで球状の突
起物数が15個/3mm2ほどであり、球状突起を格段
に低減できる。
【0043】[実施例8]実施例8では、図9に示した
本発明の堆積膜形成方法を用いた装置を用い、縦400
mm、横400mm、厚さ1mmの#7059ガラス製
の平板状基体を反応容器に配置して成膜を行った。図5
に示すように3本の高周波電極を反応容器に配置した。
高周波電源の周波数は150MHzのものを用い、表4
に示す成膜条件で平板状基体上にアモルファスシリコン
膜を形成し、以下の手順で堆積速度及び堆速度分布を評
価した。実験1で用いた渦電流式膜厚計を使用して膜厚
を測定し各測定箇所における堆積速度を算出し、得られ
た値の平均値を平均堆積速度とした。得られた平均堆積
速度は7nm/sであった。堆積速度分布は、堆積速度
の最大値と最小値との差を求め、該差を平均堆積速度で
割り堆積速度分布として100分率で表した。得られた
堆積速度分布は12%であり、電子写真感光体デバイス
および画像入力用ラインセンサ等に十分耐え得るもので
あった。
【0044】[実施例9]実施例9においては、実験8
に示した堆積膜形成方法を用いた平行平板型位相制御可
能な装置を用い、図10のステンレス製のシート状基体
を反応容器に配置して巻き取りロールに巻き取りながら
成膜を行った。高周波電極の構成は図1に示した高周波
電極に、厚み5mmのアルミナセラミックス製の誘電体
カバーを覆ったものを用い、3本の高周波電極を反応容
器に配置した。高周波電源の周波数は150MHzのも
のを用い、表4に示す成膜条件でシート状基体上にアモ
ルファスシリコン膜を形成し、長さ500mmのシート
状基体を切り出して実施例6と同様の手順で堆積速度及
び堆速度分布を評価した。得られた平均堆積速度は4n
m/sであり、堆積速度分布は15%であり従来例に比
べ格段に堆積速度が速くなり生産性が良くなるばかりで
なく均一性も格段に良くなった。
【0045】
【発明の効果】本発明は、以上のとおりLC回路内の高
圧可変コンデンサ(A)の容量及び高周波電力給電点側
の高圧可変コンデンサ(B)の容量をそれぞれ可変させ
て、該両コンデンサの容量の総和量と略等しい容量
(k)を可変的に制御して、プラズマ発生用高周波電極
に供給される高周波の位相を変化させて、プラズマ電位
を均一化して堆積膜を形成することにより、種々の形状
の大面積基体、即ち、円筒状基体、平板状基体、シート
状基体などに膜厚が極めて均一で且つ均質膜質である高
品質な堆積膜を高速度で形成することが可能となる。し
たがって、本発明によれば大面積高品質の堆積膜、とり
わけ機能性堆積膜、殊に半導体デバイス、電子写真用感
光体デバイス、画像入力用ラインセンサー、フラットパ
ネルディスプレイ、撮像デバイス、光起電力デバイス等
に用いられる堆積膜を効率的に作製することができ、特
に、電子写真特性に優れた大面積堆積膜を安定して量産
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマCVD法に用いる高周波電極
の構成を説明するための模式構成図である。
【図2】本発明のプラズマCVD法に用いる高周波電極
を用いたプラズマCVD装置の一例の模式構成図であ
る。
【図3】従来のプラズマCVD法を用いた装置を示す模
式図である。
【図4】本発明のプラズマCVD法を用いた装置で被成
膜処理基体が同一円周上に複数本配置し、本発明のカソ
ード電極を用いた1例を示す横断面図である。
【図5】本発明のプラズマCVD法を用いた装置で被成
膜処理基体が同一円周上に複数本配置し、本発明のカソ
ード電極を用いた1例を示す縦断面図である。
【図6】本発明のプラズマCVD法を用いた装置で被処
理基体およびカソード電極が複数本存在し、カソード電
極は本発明のカソード電極を用いた装置の1例を示す模
式図である。
【図7】本発明のプラズマCVDを用いた装置で反応容
器が誘電体部材にて構成され、カソード電極は本発明の
カソード電極を用いた装置の1例を示す模式図である。
【図8】本発明のプラズマCVD法を用いた装置で反応
容器が誘電体部材にて構成され、且つガス導入管が反応
容器内に埋め込まれた状態で存在し、カソード電極は本
発明のカソード電極を用いた装置の1例を示す模式図で
ある。
【図9】本発明のカソード電極を用いた、平行平板型プ
ラズマCVD法を用いた装置の一例である。
【図10】本発明におけるロール状の被成膜処理基体の
模式図である。
【図11】従来の平行平板型装置の模式図である。
【図12】特開昭60−186849号公報のプラズマ
CVD装置の縦断面を示す模式図である。
【図13】特開昭60−186849号公報のプラズマ
CVD装置の横断面を示す模式図である。
【符号の説明】
100:反応容器 101:アースシールド 102:カソード電極(高周波発生電極) 103:被処理基体 104:整合回路 105:高周波電源 106:真空排気手段 107:ガス供給手段 108:モーター 109:誘電体部材 110:原料ガス供給管 111:ヒーター 112:基体ホルダー 113:高圧可変コンデンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H05H 1/46 H05H 1/46 A (56)参考文献 特開 昭58−145100(JP,A) 特開 平9−310181(JP,A) 特開 平8−176832(JP,A) 特開 平9−268370(JP,A) 特開 平7−86238(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/205 C23C 16/50 C23C 16/52 G03G 5/08 360 H01L 21/31 H05H 1/46

Claims (29)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】減圧可能な反応容器、該反応容器内にプラ
    ズマCVDの原料ガスを供給する原料ガス供給手段、お
    よび前記反応容器内に配された基体保持手段、該反応容
    器内の反応後のガスを排気する排気手段、および高周波
    電源より高周波電力を供給しプラズマを生成するための
    棒状若しくは板状の導電性のプラズマ発生用高周波電極
    を有し、前記高周波電源で発生させた高周波電力を前記
    プラズマ発生用高周波電極に供給し、前記基体保持手段
    により保持される基体と前記プラズマ発生用高周波電極
    との間にプラズマを発生させて基体に堆積膜を形成する
    プラズマCVD法による堆積膜形成方法において、 前記プラズマ発生用高周波電極の高周波電力給電点の反
    対側を、LC回路内の高圧可変コンデンサ(A)を介し
    て接地すると共に、その高周波電力給電点側にも高圧可
    変コンデンサ(B)を設置し、前記LC回路内の高圧可
    変コンデンサ(A)の容量及び前記高周波電力給電点側
    の高圧可変コンデンサ(B)の容量をそれぞれ可変させ
    て、該両コンデンサの容量の総和量と略等しい容量
    (k)を可変的に制御して、前記プラズマ発生用高周波
    電極に供給される高周波の位相を変化させることによ
    り、プラズマ電位を均一化して堆積膜を形成するように
    したことを特徴とするプラズマCVD法による堆積膜形
    成方法。
  2. 【請求項2】前記可変される両コンデンサの容量の総和
    量が、前記両コンデンサの容量の総和量と略等しい容量
    (k)の±30%以内の範囲にあることを特徴とする請
    求項1に記載のプラズマCVD法による堆積膜形成方
    法。
  3. 【請求項3】前記プラズマ発生用高周波電極は、給電点
    の反対側の先端部分に おける接地部分とのリアクタン
    スを、接地までの線路の距離及び/又はコンデンサの静
    電容量により調整することを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載のプラズマCVD法による堆積膜形成方
    法。
  4. 【請求項4】前記高周波電力は、その周波数が30〜6
    00MHzまたは60〜300MHzの範囲にあること
    を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載
    のプラズマCVD法による堆積膜形成方法。
  5. 【請求項5】前記プラズマ発生用高周波電極は、表面が
    誘電体で覆われていることを特徴とする請求項1〜請求
    項4のいずれか1項に記載のプラズマCVD法による堆
    積膜形成方法。
  6. 【請求項6】前記基体保持手段により保持される基体
    は、円筒状基体であり、前記反応容器内に配されたプラ
    ズマ発生用高周波電極の周囲に複数の円筒状基体の中心
    軸が実質的に同一円周上に立設するように配列し、該プ
    ラズマ発生用高周波電極と複数の円筒状基体との間にプ
    ラズマを発生させて円筒状基体の表面上に堆積膜を形成
    することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1
    項に記載のプラズマCVD法による堆積膜形成方法。
  7. 【請求項7】前記円筒状基体を回転させながら円筒状基
    体の表面上に堆積膜を形成することを特徴とする請求項
    6に記載のプラズマCVD法による堆積膜形成方法。
  8. 【請求項8】前記基体保持手段により保持される基体
    は、円筒状基体であり、該円筒状基体の周囲に複数のプ
    ラズマ発生用高周波電極を配列し、該高周波電極と円筒
    状基体との間にプラズマを発生させて円筒状基体の表面
    上に堆積膜を形成することを特徴とする請求項1〜請求
    項5のいずれか1項に記載のプラズマCVD法による堆
    積膜形成方法。
  9. 【請求項9】前記円筒状基体を回転させながら円筒状基
    体の表面上に堆積膜を形成することを特徴とする請求項
    8に記載のプラズマCVD法による堆積膜形成方法。
  10. 【請求項10】前記複数のプラズマ発生用高周波電極に
    同一電源より高周波電力を分割して供給することを特徴
    とする請求項8または請求項9に記載のプラズマCVD
    法による堆積膜形成方法。
  11. 【請求項11】前記反応容器は誘電体部材で構成されて
    おり、前記プラズマ発生用高周波電極が反応容器の外部
    に設置されていることを特徴とする請求項1〜請求項5
    のいずれか1項または請求項8〜請求項10のいずれか
    1項に記載のプラズマCVD法による堆積膜形成方法。
  12. 【請求項12】前記誘電体部材で構成された反応容器に
    は、前記反応容器内にプラズマCVDの原料ガスを供給
    する原料ガス供給手段であるガス管が該反応容器内部に
    埋め込まれていることを特徴とする請求項11に記載の
    プラズマCVD法による堆積膜形成方法。
  13. 【請求項13】前記基体が平板状基体であり、平板状基
    体に対して平行に単数または複数の高周波電極を配列
    し、高周波電極と平板状基体との間にプラズマを発生さ
    せて平板状基体の表面上に堆積膜を形成することを特徴
    とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のプラ
    ズマCVD法による堆積膜形成方法。
  14. 【請求項14】前記基体が成膜時に保持ロールより送り
    出され、巻き取りロールにより巻き取られるシート状基
    体であり、シート状基体に対して平行に単数または複数
    の高周波電極を配列し、高周波電極とシート状基体との
    間にプラズマを発生させてシート状基体の表面上に堆積
    膜を形成することを特徴とする請求項13に記載のプラ
    ズマCVD法による堆積膜形成方法。
  15. 【請求項15】高周波電力によりプラズマを生成するた
    めの棒状若しくは板状の導電性のプラズマ発生用高周波
    電極であって、 前記プラズマ発生用高周波電極の高周波電力給電点の反
    対側が、LC回路内の高圧可変コンデンサ(A)を介し
    て接地され、またその高周波電力給電点側も高圧可変コ
    ンデンサ(B)が設置され、前記LC回路内の高圧可変
    コンデンサ(A)の容量及び前記高周波電力給電点側の
    高圧可変コンデンサ(B)の容量をそれぞれ可変させ
    て、該両コンデンサの容量の総和量と略等しい容量
    (k)を可変的に制御するように構成されていることを
    特徴とするプラズマ発生用高周波電極。
  16. 【請求項16】前記プラズマ発生用高周波電極におい
    て、前記可変される両コンデンサの容量の総和量が、前
    記両コンデンサの容量の総和量と略等しい容量(k)の
    ±30%以内の範囲とされていることを特徴とする請求
    項15に記載のプラズマ発生用高周波電極。
  17. 【請求項17】前記プラズマ発生用高周波電極は、給電
    点の反対側の先端部分における接地部分とのリアクタン
    スを、接地までの線路の距離及び/又はコンデンサの静
    電容量により調整するように構成されていることを特徴
    とする請求項15または請求項16に記載のプラズマ発
    生用高周波電極。
  18. 【請求項18】前記プラズマ発生用高周波電極におい
    て、使用する高周波電力の周波数が30〜600MHz
    または60〜300MHzの範囲にあることを特徴とす
    る請求項15〜請求項17のいずれか1項に記載のプラ
    ズマ発生用高周波電極。
  19. 【請求項19】前記プラズマ発生用高周波電極は、表面
    が誘電体で覆われていることを特徴とする請求項15〜
    請求項18のいずれか1項に記載のプラズマ発生用高周
    波電極。
  20. 【請求項20】減圧可能な反応容器、該反応容器内にプ
    ラズマCVDの原料ガスを供給する原料ガス供給手段、
    および前記反応容器内に配された基体保持手段、該反応
    容器内の反応後のガスを排気する排気手段、および高周
    波電源より高周波電力を供給しプラズマを生成するため
    の棒状若しくは板状の導電性のプラズマ発生用高周波電
    極を有し、前記高周波電源で発生させた高周波電力を前
    記プラズマ発生用高周波電極に供給し、前記基体保持手
    段により保持される基体と前記プラズマ発生用高周波電
    極との間にプラズマを発生させて基体に堆積膜を形成す
    るプラズマCVD装置において、前記プラズマ発生用高
    周波電極が請求項14〜請求項18のいずれか1項に記
    載のプラズマ発生用高周波電極で構成されていることを
    特徴とするプラズマCVD装置。
  21. 【請求項21】前記基体保持手段により保持される基体
    は、円筒状基体であり、前記反応容器内に配されたプラ
    ズマ発生用高周波電極の周囲に複数の円筒状基体の中心
    軸が実質的に同一円周上に立設するように配列し、該プ
    ラズマ発生用高周波電極と複数の円筒状基体との間にプ
    ラズマを発生させて円筒状基体の表面上に堆積膜を形成
    することを特徴とする請求項20に記載のプラズマCV
    D装置。
  22. 【請求項22】前記円筒状基体を回転させながら円筒状
    基体の表面上に堆積膜を形成することを特徴とする請求
    項21に記載のプラズマCVD装置。
  23. 【請求項23】前記基体保持手段により保持される基体
    は、円筒状基体であり、該円筒状基体の周囲に複数のプ
    ラズマ発生用高周波電極を配列し、該高周波電極と円筒
    状基体との間にプラズマを発生させて円筒状基体の表面
    上に堆積膜を形成することを特徴とする請求項20に記
    載のプラズマCVD装置。
  24. 【請求項24】前記円筒状基体を回転させながら円筒状
    基体の表面上に堆積膜を形成することを特徴とする請求
    項23に記載のプラズマCVD装置。
  25. 【請求項25】前記複数のプラズマ発生用高周波電極に
    同一電源より高周波電力を分割して供給することを特徴
    とする請求項23または請求項24に記載のプラズマC
    VD装置。
  26. 【請求項26】前記反応容器は誘電体部材で構成されて
    おり、前記プラズマ発生用高周波電極が反応容器の外部
    に設置されていることを特徴とする請求項20または請
    求項23〜請求項25のいずれか1項に記載のプラズマ
    CVD装置。
  27. 【請求項27】前記誘電体部材で構成された反応容器に
    は、前記反応容器内にプラズマCVDの原料ガスを供給
    する原料ガス供給手段であるガス管が該反応容器内部に
    埋め込まれていることを特徴とする請求項26に記載の
    プラズマCVD装置。
  28. 【請求項28】前記基体が平板状基体であり、平板状基
    体に対して平行に単数または複数の高周波電極を配列
    し、高周波電極と平板状基体との間にプラズマを発生さ
    せて平板状基体の表面上に堆積膜を形成することを特徴
    とする請求項20に記載のプラズマCVD装置。
  29. 【請求項29】前記基体が成膜時に保持ロールより送り
    出され、巻き取りロールにより巻き取られるシート状基
    体であり、シート状基体に対して平行に単数または複数
    の高周波電極を配列し、高周波電極とシート状基体との
    間にプラズマを発生させてシート状基体の表面上に堆積
    膜を形成することを特徴とする請求項28に記載のプラ
    ズマCVD装置。
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