JP2001255440A - 移動装置の回収制御装置 - Google Patents

移動装置の回収制御装置

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JP2001255440A
JP2001255440A JP2000063167A JP2000063167A JP2001255440A JP 2001255440 A JP2001255440 A JP 2001255440A JP 2000063167 A JP2000063167 A JP 2000063167A JP 2000063167 A JP2000063167 A JP 2000063167A JP 2001255440 A JP2001255440 A JP 2001255440A
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Japan
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cable
optical fiber
emergency
fiber cable
power
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JP2000063167A
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English (en)
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Hideaki Takami
英明 高見
Ichita Kobayashi
一太 小林
Hiroshi Tsunewaki
寛 常脇
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 配管等に入って走行移動する点検台車を、異
常発生時に安全・確実に外部にまで引っ張って回収す
る。 【解決手段】 点検台車は走行移動に併せて、光ファイ
バケーブル8と複合ケーブル(電源ケーブル7aを含
む)を繰り出し・巻き取りしつつ進行する。異常が発生
した場合に非常ボタン52を押すと、電源ケーブル7a
による電力供給が遮断される。送電センサ105は、電
源ケーブル7aの電圧が低下すると、異常検出信号aを
非常判断回路106に送る。そうすると非常判断回路1
06は、非常回収モードに移行し、複合ケーブルを固定
・拘束させると共に、光ファイバケーブルドラム装置6
により弛みを一定としつつ光ファイバケーブル8を巻き
取らせる。またケーブル固定具兼回収リール9が、複合
ケーブル(電源ケーブル7aを含む)を巻き取って、点
検台車を引っ張って回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は移動装置の回収制御
装置に関し、検査対象構造物の内部に入り走行移動して
いった移動装置に異常が発生した場合に、移動装置を検
査対象構造物の外に安全に回収することができるように
工夫したものである。
【0002】
【従来の技術】配管内の状態を点検する点検台車が既に
開発されている。図2はその一例であり、点検台車1
は、カメラ制御台車2とバッテリ台車3とを自在継手4
により連結して構成した移動装置である。この点検台車
(移動装置)1は、搬入口201から検査対象構造物で
ある配管200内に搬入され、配管200内を無人で走
行移動して配管200内の状態(溶接状態等)を点検・
観察するものである。なお配管200には、下横穴20
2、横穴203、天井穴204等が形成されている。
【0003】点検台車1のバッテリ台車3には、複合ケ
ーブルドラム装置5と光ファイバケーブルドラム装置6
が搭載されている。そして、点検台車1が前進走行する
時には、前進走行速度に併せて、複合ケーブルドラム装
置5は、複合ケーブル7の弛み量が一定になるように、
複合ケーブル7を繰り出し、光ファイバケーブルドラム
装置6は、光ファイバケーブル8の弛み量が一定になる
ように、光ファイバケーブル8を繰り出す。また、点検
台車1が後進走行する時には、後進走行速度に併せて、
複合ケーブルドラム装置5は、複合ケーブル7の弛み量
が一定になるように、複合ケーブル7を巻き取り、光フ
ァイバケーブルドラム装置6は、光ファイバケーブル8
の弛み量が一定になるように、光ファイバケーブル8を
巻き取る。
【0004】複合ケーブル7は、電源ケーブルと非常時
脱出ワイヤと非常ボタン信号線とを一体にしたケーブル
であり、その基端部は、ケーブル固定具兼回収リール9
を介してコントローラ50に連結されている。また光フ
ァイバケーブル8もその基端がコントローラ50に連結
されており、この光ファイバケーブル8を介して点検台
車1とコントローラ50との間の信号通信(データの授
受)が行われる。
【0005】カメラ制御台車2に備えた点検兼前方監視
カメラ10は、前進走行時において、前進方向の障害物
の有無の確認と、配管200内の目視点検を行う。
【0006】バッテリ台車3に備えた後方監視カメラ1
1は、後進走行時や非常回収モード時(このモードは後
述する)において、後進方向の障害物の有無と、配管2
00内の監視を行う。また、バッテリ台車3にはバッテ
リが搭載されている。
【0007】点検台車2及びバッテリ台車3に備えた駆
動輪12a,12b及び補助輪13a,13bは、ハの
字(開脚角を80度)に配置しており、下横穴202、
横穴203、天井穴204を通過できるようにしてい
る。またカメラ制御台車2及びバッテリ台車3には、電
動モータを駆動源とするストレッチャー機構14a,1
4bと、このストレッチャー機構14a,14bの伸展
により配管天井に転接する天井突っ張り輪15a,15
bが備えられている。配管200が傾斜(最大勾配角度
は45度)しているときには、ストレッチャー機構14
a,14bを伸ばし、天井突っ張り輪15a,15bを
配管天井に突っ張る。こうすると、配管200と駆動輪
12a,12bとの間の摩擦力が大きくなり、傾斜した
配管200内を登坂走行することができる。
【0008】このような点検台車1に異常が発生したこ
とを、操作者が認めた場合には、従来では、操作者がコ
ントローラ50の非常ボタンを押す。そうすると、非常
ボタン信号が、複合ケーブル7の非常ボタン信号線を通
って点検台車1に届き、点検台車1は非常回収モードに
なる。
【0009】この非常回収モードになると、点検台車1
は、ストレッチャー機構14a,14bを縮め、駆動輪
12a,12bのクラッチを開放すると共にブレーキを
解除する。また配管200の外部では、ケーブル固定具
兼回収リール9が、複合ケーブル7を巻き取って引っ張
ることにより、点検台車1を引き出し、配管外部にまで
引っ張りだす。このとき、光ファイバケーブル8も、複
合ケーブル7に同期して引っ張る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで上述した従来
の回収手法では、次のような問題があった。 (1) 複合ケーブル7の中の非常ボタン信号線が断線する
と、非常ボタン信号をコントローラ50から点検台車1
に伝えることができず、異常時に非常回収モードに移行
することができない。 (2) 外部給電の電圧降下が発生したり、光ファイバケー
ブル8が断線したりという異常が発生しても、これらの
異常の検出ができなかった。このため、これらのトラブ
ル時の対応遅れにより、異常状態が波及し、2次故障発
生の可能性があった。 (3) 点検台車1の回収時において、光ファイバケーブル
8が点検台車1に巻き込まれたり、光ファイバケーブル
8が配管曲り部において配管壁面に摩擦・接触して摩耗
・損傷する恐れがあった。
【0011】本発明は、上記従来技術に鑑み、対象構造
物の内部に入って走行移動していった移動装置を、異常
発生時に、対象構造物の外にまで安全に回収することが
できる移動装置の回収制御装置を提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の構成は、対象構造物の内部に入って走行移動する台
車に、電源ケーブルと非常時脱出ワイヤを一体にした複
合ケーブルの弛み量が一定となるようにこの複合ケーブ
ルの繰り出し・巻き取りをする複合ケーブルドラム装置
と、データ通信をする光ファイバケーブルの弛み量が一
定となるようにこの光ファイバケーブルの繰り出し・巻
き取りをする光ファイバケーブルドラム装置を備えた移
動装置と、前記対象構造物の外部に配置され前記光ファ
イバケーブルの基端部に連結されているコントローラ
と、前記対象構造物の外部に配置されて前記複合ケーブ
ルの基端部が巻かれており、異常発生時には前記複合ケ
ーブルを巻き取ることにより、前記移動装置を引っ張っ
て前記対象構造物の外にまで回収する回収リールとを有
する移動装置の回収制御装置において、前記対象構造物
の外部には、異常発生時に押されることにより前記電源
ケーブルによる電力の供給を遮断する非常ボタンが配置
されると共に、前記移動装置には、送電センサと、非常
判断回路が配置されており、 前記送電センサは、前記
電源ケーブルの電圧が予め決めた規定値よりも低くなる
と異常検出信号を前記非常判断回路に送り、前記非常判
断回路は、異常検出信号を受信すると、前記複合ケーブ
ルドラム装置により複合ケーブルを固定・拘束させると
共に、前記光ファイバケーブルドラム装置により前記光
ファイバケーブルの弛み量を一定としつつ光ファイバケ
ーブルの巻き取りを行わせる非常処理指令を出力するこ
とを特徴とする。
【0013】また本発明の構成は、対象構造物の内部に
入って走行移動する台車に、電源ケーブルと非常時脱出
ワイヤを一体にした複合ケーブルの弛み量が一定となる
ようにこの複合ケーブルの繰り出し・巻き取りをする複
合ケーブルドラム装置と、データ通信をする光ファイバ
ケーブルの弛み量が一定となるようにこの光ファイバケ
ーブルの繰り出し・巻き取りをする光ファイバケーブル
ドラム装置を備えた移動装置と、前記対象構造物の外部
に配置され前記光ファイバケーブルの基端部に連結され
ているコントローラと、前記対象構造物の外部に配置さ
れて前記複合ケーブルの基端部が巻かれており、異常発
生時には前記複合ケーブルを巻き取ることにより、前記
移動装置を引っ張って前記対象構造物の外にまで回収す
る回収リールとを有する移動装置の回収制御装置におい
て、前記対象構造物の外部には、異常発生時に押される
ことにより前記電源ケーブルによる電力の供給を遮断す
る非常ボタンが配置されると共に、前記移動装置には、
送電センサと、制御用計算機と、非常判断回路が配置さ
れており、前記送電センサは、前記電源ケーブルの電圧
が予め決めた規定値よりも低くなると異常検出信号を前
記非常判断回路に送り、前記制御用計算機は前記光ファ
イバケーブルを通じて前記コントローラとデータ通信を
すると共に、通信が正常に行われている時には、所定時
間毎にパルス信号を前記非常判断回路に送り、前記非常
判断回路は、異常検出信号を受信したり、予め決めた時
間を越えて前記パルス信号を受信しなかったりすると、
前記複合ケーブルドラム装置により複合ケーブルを固定
・拘束させると共に、前記光ファイバケーブルドラム装
置により前記光ファイバケーブルの弛み量を一定としつ
つ光ファイバケーブルの巻き取りを行わせる非常処理指
令を出力することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。この実施の形態にかかる移動
装置の回収制御装置は、図2に示す点検台車(移動装
置)1に適用するものであり、点検台車1やコントロー
ラ50やケーブル固定具兼回収リール9の機械的な構成
は、前述したものと同様である。ただし、複合ケーブル
7には、非常ボタン信号線は含まれておらず、複合ケー
ブル7は、電源ケーブル7aと非常時脱出ワイヤを一体
としたものとしている。
【0015】図1は本実施の形態にかかる、移動装置の
回収制御装置を示す制御系統図である。同図に示すよう
に、複合ケーブル7に組み込まれた電源ケーブル7a
は、コントローラ50側から点検台車1側に電力を供給
する。即ち、トランス51から出力された電力は、非常
ボタン52を介して電源ケーブル7aに供給され、点検
台車1のトランス101に伝送される。
【0016】なお、非常ボタン52は、常閉接点形のス
イッチであり、定常時には投入(ON)状態となってお
り、異常発生時に押されると開放(OFF)状態とな
る。したがって異常発生時に操作者が非常ボタン52を
押してOFF状態にすると、電源ケーブル7aによる点
検台車1への電力の供給が遮断される。
【0017】また、非常ボタン52を押すと、非常ボタ
ン52からケーブル固定具兼回収リール9に非常回収指
令Aが送られ、ケーブル固定具兼回収リール9が、複合
ケーブル7(電源ケーブル7aと非常時脱出ワイヤを一
体にしたもの)を巻き取って点検台車1が引き出され
る。
【0018】トランス101に送られた電力(交流電
力)は、整流器102により直流に変換されてからバッ
テリ103に充電され、このバッテリ103から直流電
力が電力分配部104に送られる。またトランス101
からの交流電力が直接、電力分配部104に送られる。
電力分配部104は、電圧値を調整した(AC100
〔V〕,AC200〔V〕,DC3.3〔V〕,DC5
〔V〕,DC12〔V〕,DC24〔V〕等)の電圧
を、点検台車1の各種のコントローラやアンプやモータ
等に供給する。
【0019】送電センサ105は、電源ケーブル7aの
電圧を検出しており、送電電圧が予め決めた既定値より
も低くなると、異常検出信号aを非常判断回路106に
送信する。このため、非常ボタン52を押したときや、
非常ボタン52は押していないが電源ケーブル7aが切
断したり外部電源(トランス51等)が故障したりした
ときに、異常検出信号aが出力される。
【0020】非常判断回路106は、異常検出信号aを
受信すると、送電電圧異常と判断して非常回収モードに
移行し、後述する非常回収モードの制御動作を指令す
る。
【0021】コントローラ50と、点検台車1の制御用
計算機110とは、光ファイバケーブル8により接続さ
れており、両者間で信号通信(データの授受)が行われ
ている。即ち、コントローラ50と制御用計算機110
とは、0.1秒間隔で通信を行っている。コントローラ
50から制御用計算機110には、点検台車1の動作指
令が送られる。逆に、制御用計算機110からコントロ
ーラ50には、点検台車1の内部情報(駆動輪用の駆動
モータの状態、検出データ(画像データ等)、受信デー
タの異常の有無などに関する情報)が送られる。
【0022】このような通信が正常に行われた場合に
は、制御用計算機110は、デジタル出力器111を介
して、0.1秒毎に1つのパルス信号を非常判断回路1
06に出力する。なおデジタル表示部112には通信状
態等が表示される。
【0023】非常判断回路106は、デジタル出力器1
11からのパルス信号が連続して1秒以上入力されなか
った場合には、通信系あるいは制御用計算機110に異
常が発生したという通信異常と判断して非常回収モード
に移行し、後述する非常回収モードの制御動作を指令す
る。
【0024】コントローラ50も制御用計算機111と
同様にして、コントローラ50と制御用計算機111と
の間の通信が正常か否かを監視している。通信が連続し
て1秒以上正常でなかった場合には、通信異常と判断す
る。通信異常と判断したときには、コントローラ50か
らケーブル固定具兼回収リール9に非常回収指令Bが送
られ、ケーブル固定具兼回収リール9が、複合ケーブル
7(電源ケーブル7aと非常時脱出ワイヤを一体にした
もの)を巻き取って点検台車1が引き出される。
【0025】ここで、制御用計算機110において通信
状態の判断する手法を、図3に示すフローチャートを参
照しつつ説明する。制御用計算機110は、コントロー
ラ50側から信号を受信した場合(ステップS1)、前
回受信あるいは送信したデータIDから、今回取得する
IDの計算をする(S2)。なお、通信系統に不具合が
あった場合には、通信データがラッチされること、即
ち、前回送信されたデータがそのまま残り更新されない
状態になることがある。そこで、一般に通信プロトコル
では、通信データがラッチされているか否かを判断する
ために、通信データにデータIDを追加している。本例
では、データIDは通信データのシリアルナンバーを採
用しており、データIDは通信をするたびに1づつ加算
する手法が用いられている。
【0026】次に受信データのIDを読み込み(S
3)、この読み込んだIDが、計算上のID(前回読み
込んだID+1)と同じか否かを判断する(S4)。
【0027】IDが正しければ、コマンドを読み込み
(S5)、非常停止以外の場合(S6)には、コマンド
に対応した受信すべきデータ数を算出する(S7)。受
信すべきデータ数の計算はスタートビットからエンドビ
ット間のデータバイト数を数えることにより実施してい
る。また受信したデータ数を計測する(S8)。
【0028】受信したデータ数と受信すべきデータ数と
を比較し(S9)、データ数が同一であれば、更に、コ
マンドとデータ数を比較し(S10)、コマンドとデー
タ数が一致する場合には、データの受信が正常であると
判断する(S11)。このとき、デジタル出力器111
から非常判断回路106に1パルスを出力する。
【0029】そして、次回の送受信用にIDを保存し
(S12)、受信が正常に行われたことを送信側に伝え
る(S13)。
【0030】読み込んだIDと計算上のIDが異なって
いたり(S4)、受信したデータ数と受信すべきデータ
数とが一致していなかったり(S9)、コマンドとデー
タ数とが一致していなかった(S10)場合には、通信
エラー対応処理をする(S14)。
【0031】そして、次回の送受信用にIDを保存し
(S15)、伝送不良があったことを送信側に伝える
(S16)。
【0032】図1に戻り説明を続けると、パワーコント
ローラ121は制御用機器への電源供給のON/OFF
制御を行う。ライトコントローラ122は照明を制御す
る。クラッチ・ブレーキコントローラ123はクラッチ
/ブレーキを制御する。ストレッチャーコントローラ1
24はストレッチャー機構14a,14bの伸縮制御を
する。
【0033】目視系コントローラ125は、正常時に
は、制御用計算機110の指令に基づき、点検兼前方監
視カメラ10の映像と、後方監視カメラ11の映像を切
り換える。
【0034】ドラムコントローラ126は、正常時に
は、複合ケーブルドラムブレーキ131を解除させ、複
合ケーブルドラム装置5のドラムが回転できるようにし
ている。また、ドラムコントローラ126は、正常時に
は、アンプ切替器137を介して、アンプ群132を動
作させ、非常用アンプ133の動作を停止させる。
【0035】アンプ群132は、駆動輪12a,12b
を駆動させるための駆動用アンプ、点検兼前方監視カメ
ラを駆動させるための駆動用アンプ、複合ケーブルドラ
ム装置5を駆動させるための駆動用アンプ、光ファイバ
ケーブルドラム装置6を駆動させるための駆動用アンプ
を総称したものである。
【0036】光ファイバケーブルドラム装置6に備えら
れた光ファイバケーブルドラムモータ134には、正常
時にはアンプ群132から電力が供給され、非常回収モ
ード時には非常用アンプ133から電力が供給され、光
ファイバケーブルドラム装置6が作動して光ファイバケ
ーブル8の巻き取りや繰り出しが行われる。
【0037】光ファイバケーブル8の弛み量を検出する
センサであるポテンショメータ135は、検出弛み量を
PI制御コントローラ136に送る。PI制御コントロ
ーラ136は、検出した弛み量が一定になるように、正
常時にはアンプ群132(の中で光ファイバケーブルド
ラムモータ142に給電をするアンプ)の出力制御を
し、非常回収モード時には非常用アンプ133の出力制
御をする。
【0038】ここで、非常回収モード時の動作を説明す
る。非常判断回路106は、送電センサ105からの異
常検出信号aを受信して送電電圧異常と判断した場合
や、デジタル出力器111からのパルス信号が連続して
1秒以上入力されなかったため通信異常と判断した場合
には、非常回収モードに移行して、非常処理指令bを出
力する。
【0039】非常処理指令bが出力されると次のような
動作が行われる。まず、パワーコントローラ121は、
点検台車1内での消費電力を最小限にするため、制御用
計算機110、各種センサ、アンプ群132への電力供
給を停止する。
【0040】ライトコントローラ122は、後方監視カ
メラ11用の照明のみに電力を供給し、他の照明機器へ
の電力の供給を停止する。クラッチ・ブレーキコントロ
ーラ123は、各駆動輪12a,12bのクラッチを開
放にし、更に各ステアリングのブレーキを解除する。ス
トレッチャーコントローラ124は、ストレッチャー機
構14a,14bを縮める制御をして、天井突っ張り輪
15a,15bを引っ込める。目視系コントローラ12
5は、後方監視カメラ11のみを作動させる。
【0041】ドラムコントローラ126は、複合ケーブ
ルドラムブレーキ131を作動させ、複合ケーブルドラ
ム装置5のケーブルドラムが固定・拘束される。このた
め、複合ケーブル7は複合ケーブルドラム装置5に固定
・拘束され、巻き込みや繰り出しができない状態とな
る。
【0042】またドラムコントローラ126の制御によ
り、アンプ切替器137は、非常用アンプ133から光
ファイバケーブルドラムモータ134に電力供給をする
よう切換え制御をする。このため、光ファイバケーブル
ドラム装置5は、光ファイバケーブル8を巻き取ること
ができる。この巻き取りの際には、光ファイバケーブル
8の弛み量がポテンショメータ135により検出され、
この弛み量が一定となるように、PI制御コントローラ
136により非常用アンプ133の出力が制御される。
このため、光ファイバケーブル8の弛み量が一定となっ
た状態で、光ファイバケーブル8の巻き取りが行われ
る。
【0043】基本的には、弛み検出器であるポテンショ
メータ135の検出信号より、光ファイバケーブル8の
弛みが一定となるように、非常用アンプ133,PI制
御コントローラ136により、ケーブルドラム6aを回
転させる光ファイバケーブルドラムモータ134の動作
制御をするのである。
【0044】したがって、図4(a)に示すように、光
ファイバケーブル8が引っ張られ過ぎた場合には、ポテ
ンショメータ135が、弛み角+θを検出する。このと
き、非常用アンプ133,PIコントローラ136は、
ポテンショメータ135の+θの検出角に相当する角速
度でケーブルドラム6aの回転制御を行う。この動作に
より、光ファイバケーブル8は、図4(c)に示すよう
に弛み量が正常状態に戻る。
【0045】逆に、図4(b)に示すように、光ファイ
バケーブル8が弛み過ぎた場合には、ポテンショメータ
135が、弛み角−θを検出する。このとき、非常用ア
ンプ133,PIコントローラ136は、ポテンショメ
ータ135の−θの検出角に相当する角速度でケーブル
ドラム6aの回転制御を行う。この動作により、光ファ
イバケーブル8は、図4(c)に示すように弛み量が正
常状態に戻る。
【0046】このように、光ファイバケーブルドラム装
置6のケーブルドラム6aの回転制御をすることによ
り、光ファイバケーブル8の弛みを一定にしつつ、巻き
取りを行うことができる。
【0047】この結果、複合ケーブル7をケーブル固定
具兼回収リール9により巻き取って点検台車1を外部に
引き出す際に、光ファイバケーブル8の弛み量が一定と
なった状態で、光ファイバケーブル8を光ファイバケー
ブルドラム装置6に自動的に巻き取ることができ、光フ
ァイバケーブル8が点検台車1に巻き込まれたり、光フ
ァイバケーブル8が配管曲り部において配管壁面に摩擦
・接触して摩耗・損傷することがなくなった。
【0048】また、外部給電の電圧降下が発生したり、
光ファイバケーブル8が断線したりという異常が発生し
た場合にも、非常回収モードとなり、これらのトラブル
に対して迅速に対応することができる。したがって、こ
れらトラブルによる異常状態が波及したり、2次故障は
発生しない。
【0049】更に、複合ケーブル7の中に非常ボタン信
号線が含まれておらず、電圧低下により異常の発生を検
出するようにしているので、異常発生時に確実に非常回
収モードに移行することができ、安全性が向上する。
【0050】
【発明の効果】以上、実施の形態と共に具体的に説明し
たように、本発明では、対象構造物の内部に入って走行
移動する台車に、電源ケーブルと非常時脱出ワイヤを一
体にした複合ケーブルの弛み量が一定となるようにこの
複合ケーブルの繰り出し・巻き取りをする複合ケーブル
ドラム装置と、データ通信をする光ファイバケーブルの
弛み量が一定となるようにこの光ファイバケーブルの繰
り出し・巻き取りをする光ファイバケーブルドラム装置
を備えた移動装置と、前記対象構造物の外部に配置され
前記光ファイバケーブルの基端部に連結されているコン
トローラと、前記対象構造物の外部に配置されて前記複
合ケーブルの基端部が巻かれており、異常発生時には前
記複合ケーブルを巻き取ることにより、前記移動装置を
引っ張って前記対象構造物の外にまで回収する回収リー
ルとを有する移動装置の回収制御装置において、前記対
象構造物の外部には、異常発生時に押されることにより
前記電源ケーブルによる電力の供給を遮断する非常ボタ
ンが配置されると共に、前記移動装置には、送電センサ
と、非常判断回路が配置されており、 前記送電センサ
は、前記電源ケーブルの電圧が予め決めた規定値よりも
低くなると異常検出信号を前記非常判断回路に送り、前
記非常判断回路は、異常検出信号を受信すると、前記複
合ケーブルドラム装置により複合ケーブルを固定・拘束
させると共に、前記光ファイバケーブルドラム装置によ
り前記光ファイバケーブルの弛み量を一定としつつ光フ
ァイバケーブルの巻き取りを行わせる非常処理指令を出
力する構成とした。
【0051】このような構成としたため本発明では、異
常が発生したことを操作者が認識して非常ボタンを押し
たときや、送電電圧異常が発生したときに、光ファイバ
ケーブルを損傷することなく、安全・確実に移動装置
(点検台車)を外部にまで引っ張って回収することがで
きる。
【0052】また本発明では、対象構造物の内部に入っ
て走行移動する台車に、電源ケーブルと非常時脱出ワイ
ヤを一体にした複合ケーブルの弛み量が一定となるよう
にこの複合ケーブルの繰り出し・巻き取りをする複合ケ
ーブルドラム装置と、データ通信をする光ファイバケー
ブルの弛み量が一定となるようにこの光ファイバケーブ
ルの繰り出し・巻き取りをする光ファイバケーブルドラ
ム装置を備えた移動装置と、前記対象構造物の外部に配
置され前記光ファイバケーブルの基端部に連結されてい
るコントローラと、前記対象構造物の外部に配置されて
前記複合ケーブルの基端部が巻かれており、異常発生時
には前記複合ケーブルを巻き取ることにより、前記移動
装置を引っ張って前記対象構造物の外にまで回収する回
収リールとを有する移動装置の回収制御装置において、
前記対象構造物の外部には、異常発生時に押されること
により前記電源ケーブルによる電力の供給を遮断する非
常ボタンが配置されると共に、前記移動装置には、送電
センサと、制御用計算機と、非常判断回路が配置されて
おり、前記送電センサは、前記電源ケーブルの電圧が予
め決めた規定値よりも低くなると異常検出信号を前記非
常判断回路に送り、前記制御用計算機は前記光ファイバ
ケーブルを通じて前記コントローラとデータ通信をする
と共に、通信が正常に行われている時には、所定時間毎
にパルス信号を前記非常判断回路に送り、前記非常判断
回路は、異常検出信号を受信したり、予め決めた時間を
越えて前記パルス信号を受信しなかったりすると、前記
複合ケーブルドラム装置により複合ケーブルを固定・拘
束させると共に、前記光ファイバケーブルドラム装置に
より前記光ファイバケーブルの弛み量を一定としつつ光
ファイバケーブルの巻き取りを行わせる非常処理指令を
出力する構成とした。
【0053】このような構成としたため本発明では、異
常が発生したことを操作者が認識して非常ボタンを押し
たときや、送電電圧異常が発生したときや、更には通信
異常が発生したときに、光ファイバケーブルを損傷する
ことなく、安全・確実に移動装置(点検台車)を外部に
まで引っ張って回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる移動装置の回収装
置を示す制御系統図。
【図2】点検台車の使用状態を示す構成図。
【図3】制御用計算機における通信状態の判定手法を示
すフローチャート。
【図4】光ファイバケーブルドラム装置の巻き取り状態
を示す説明図。
【符号の説明】
1 点検台車(移動装置) 2 カメラ制御台車 3 バッテリ台車 4 自在継手 5 複合ケーブルドラム装置 6 光ファイバケーブルドラム装置 6a ケーブルドラム 7 複合ケーブル 7a 電源ケーブル 8 光ファイバケーブル 9 ケーブル固定具兼回収リール 10 点検兼前方監視カメラ 11 後方監視カメラ 12a,12b 駆動輪 13a,13b 補助輪 14a,14b ストレッチャー機構 15a,15b 天井突っ張り輪 50 コントローラ 51 トランス 52 非常ボタン 101 トランス 102 整流器 103 バッテリ 104 電力分配部 105 送電センサ 106 非常判断回路 110 制御用計算機 111 デジタル出力器 112 表示部 121 パワーコントローラ 122 ライトコントローラ 123 クラッチ・ブレーキコントローラ 124 ストレッチャーコントローラ 125 目視系コントローラ 131 複合ケーブルドラムブレーキ 132 アンプ群 133 非常用アンプ 134 光ファイバケーブルドラムモータ 135 ポテンショメータ(弛み検出器) 136 PI制御コントローラ 137 アンプ切替器 a 異常検出信号 b 非常処理指令 A,B 非常回収指令
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 常脇 寛 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 Fターム(参考) 2H038 CA68 5G369 AA16 BA04 EA04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象構造物の内部に入って走行移動する
    台車に、電源ケーブルと非常時脱出ワイヤを一体にした
    複合ケーブルの弛み量が一定となるようにこの複合ケー
    ブルの繰り出し・巻き取りをする複合ケーブルドラム装
    置と、データ通信をする光ファイバケーブルの弛み量が
    一定となるようにこの光ファイバケーブルの繰り出し・
    巻き取りをする光ファイバケーブルドラム装置を備えた
    移動装置と、 前記対象構造物の外部に配置され前記光ファイバケーブ
    ルの基端部に連結されているコントローラと、 前記対象構造物の外部に配置されて前記複合ケーブルの
    基端部が巻かれており、異常発生時には前記複合ケーブ
    ルを巻き取ることにより、前記移動装置を引っ張って前
    記対象構造物の外にまで回収する回収リールとを有する
    移動装置の回収制御装置において、 前記対象構造物の外部には、異常発生時に押されること
    により前記電源ケーブルによる電力の供給を遮断する非
    常ボタンが配置されると共に、 前記移動装置には、送電センサと、非常判断回路が配置
    されており、 前記送電センサは、前記電源ケーブルの
    電圧が予め決めた規定値よりも低くなると異常検出信号
    を前記非常判断回路に送り、 前記非常判断回路は、異常検出信号を受信すると、前記
    複合ケーブルドラム装置により複合ケーブルを固定・拘
    束させると共に、前記光ファイバケーブルドラム装置に
    より前記光ファイバケーブルの弛み量を一定としつつ光
    ファイバケーブルの巻き取りを行わせる非常処理指令を
    出力することを特徴とする移動装置の回収制御装置。
  2. 【請求項2】 対象構造物の内部に入って走行移動する
    台車に、電源ケーブルと非常時脱出ワイヤを一体にした
    複合ケーブルの弛み量が一定となるようにこの複合ケー
    ブルの繰り出し・巻き取りをする複合ケーブルドラム装
    置と、データ通信をする光ファイバケーブルの弛み量が
    一定となるようにこの光ファイバケーブルの繰り出し・
    巻き取りをする光ファイバケーブルドラム装置を備えた
    移動装置と、 前記対象構造物の外部に配置され前記光ファイバケーブ
    ルの基端部に連結されているコントローラと、 前記対象構造物の外部に配置されて前記複合ケーブルの
    基端部が巻かれており、異常発生時には前記複合ケーブ
    ルを巻き取ることにより、前記移動装置を引っ張って前
    記対象構造物の外にまで回収する回収リールとを有する
    移動装置の回収制御装置において、 前記対象構造物の外部には、異常発生時に押されること
    により前記電源ケーブルによる電力の供給を遮断する非
    常ボタンが配置されると共に、 前記移動装置には、送電センサと、制御用計算機と、非
    常判断回路が配置されており、 前記送電センサは、前記電源ケーブルの電圧が予め決め
    た規定値よりも低くなると異常検出信号を前記非常判断
    回路に送り、 前記制御用計算機は前記光ファイバケーブルを通じて前
    記コントローラとデータ通信をすると共に、通信が正常
    に行われている時には、所定時間毎にパルス信号を前記
    非常判断回路に送り、 前記非常判断回路は、異常検出信号を受信したり、予め
    決めた時間を越えて前記パルス信号を受信しなかったり
    すると、前記複合ケーブルドラム装置により複合ケーブ
    ルを固定・拘束させると共に、前記光ファイバケーブル
    ドラム装置により前記光ファイバケーブルの弛み量を一
    定としつつ光ファイバケーブルの巻き取りを行わせる非
    常処理指令を出力することを特徴とする移動装置の回収
    制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007276653A (ja) * 2006-04-07 2007-10-25 Olympus Corp 管内走行装置
JP2010233459A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Nagasaki Prefecture 農業用ロボット装置
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JP2020202628A (ja) * 2019-06-07 2020-12-17 村田機械株式会社 有軌道台車システム

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