JP2001253649A - 油圧エレベータの油圧回路 - Google Patents

油圧エレベータの油圧回路

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pressure
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷が下降する際に発生するエネルギーを負
荷上昇時に放出して省エネルギー化を図る。 【解決手段】 電動モータ12により駆動される主油圧
ポンプ4及び副油圧ポンプ13と、上記主油圧ポンプ4
より供給される油圧によりラム2aを伸縮して負荷1を
昇降させる油圧シリンダ2と、上記負荷1の下降時副油
圧ポンプ13より吐出される高圧油を蓄圧し、負荷1の
上昇時高圧油を副油圧ポンプ13へ放出して、副油圧ポ
ンプ13により電動モータ12を逆駆動するアキュムレ
ータ18とより構成したもので、負荷1が下降される際
に発生するエネルギーを負荷1を上昇させる際に利用す
ることができるため、省エネルギー化が図れるようにな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は下降時のエネルギ
ーをアキュムレータに蓄圧し、上昇時このエネルギーを
放出することにより、省エネルギー化を図った油圧エレ
ベータの油圧回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来油圧を利用して人や荷物などの負荷
を昇降する油圧エレベータの油圧回路としては、例えば
図1及び図2に示すものが公知である。図1に示す油圧
エレベータの油圧回路は、負荷aを昇降する油圧シリン
ダbのボトムc側に、パイロットチェック弁dを介して
油圧ポンプeが接続されており、油圧ポンプeは交流モ
ータよりなる電動モータfにより正逆回転されるように
なっている。
【0003】上記パイロットチェック弁dは油圧シリン
ダbのボトムc側の油圧をパイロット圧として導入した
電磁弁gによりオン、オフされると共に、油圧ポンプe
には、これを並列にチェック弁hとリリーフ弁iが、そ
して油圧ポンプeの吸入側に設けられた絞り弁jにはこ
れと並列にチェック弁kが接続されている。
【0004】上記構成された油圧エレベータの油圧回路
では、電動モータfにより油圧ポンプfが正転される
と、作動油タンクm内の油が絞り弁jを介して油圧ポン
プeへと吸入され、油圧ポンプeより吐出された油はパ
イロットチェック弁dより油圧シリンダcのボトム側へ
供給され、これによってラムnが伸長して、負荷aが上
昇されるようになっている。
【0005】また負荷aを下降させる場合は、電動モー
タfを逆転させながら電磁弁gを開放して、パイロット
チェック弁dをオンにする。これによって油圧シリンダ
bのボトムc側の油が絞り弁jを介して作動油タンクm
へドレンされるため、ラムnとともに負荷aが下降され
ると共に、負荷aの昇降速度は、絞り弁jの絞り量を調
整することにより、任意に調整できるようになってい
る。
【0006】一方図2に示す油圧エレベータの油圧回路
は、油圧ポンプeを駆動する電動モータfにインバータ
モータを使用して、このインバータモータを可変周波数
制御することにより、負荷aの昇降速度を制御するよう
にしたもので、図1に示す油圧回路の絞り弁jやチェッ
ク弁h、kが不要となるため、油圧回路が簡単になると
共に、負荷aを緩速停止させるなどの速度制御が可能に
なることから、目標とする停止位置に正確かつショック
なく停止させることができる効果を有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし図1に示す油圧
エレベータの油圧回路では、負荷aを下降させる際、電
動モータfを逆転させて油圧シリンダbのボトムc側の
油圧を作動油タンクmへとドレンさせるため、負荷aの
有する位置エネルギーは全く回収されず、省エネルギー
化が図れない欠点がある。
【0008】また図2に示す油圧エレベータの油圧回路
では、電動モータeを逆転させて負荷aを下降させる
際、油圧ポンプeの回転数が電動モータfの同期回転数
の例えば1500rpm(4ポールのインバータモータ
を50Hzの交流電源で駆動する場合)を越えると、電
動モータfは発電を開始して、回生エネルギーとして発
電した電力を電源へ戻すため、図1に示す油圧回路に比
べて省エネルギー効果は得られるが、電動モータfの発
電効率が低いなどの理由から、期待するほど大きな省エ
ネルギー効果は得られないなどの欠点がある。
【0009】この発明はかかる従来の欠点を改善するた
めになされたもので、負荷を下降させる際に発生するエ
ネルギーをアキュムレータに蓄圧し、これを負荷を上昇
させる際に放出することにより、省エネルギー化を図っ
た油圧エレベータの油圧回路を提供することを目的とす
るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の発明は、電動モータにより駆動される主
油圧ポンプ及び副油圧ポンプと、上記主油圧ポンプより
供給される油圧によりラムを伸縮して負荷を昇降させる
油圧シリンダと、上記負荷の下降時副油圧ポンプより吐
出される高圧油を蓄圧し、負荷の上昇時高圧油を副油圧
ポンプへ放出して、副油圧ポンプにより電動モータを逆
駆動するアキュムレータとより構成したものである。
【0011】上記構成により、負荷が下降される際に発
生するエネルギーを副油圧ポンプにより高圧油に変換し
てアキュムレータに蓄圧し、負荷を上昇させる際にこの
高圧油を放出して、副油圧ポンプにより電動モータを逆
駆動させることができ、これによって少ない消費電力で
主油圧ポンプを駆動することができるため、省エネルギ
ー化が図れるようになる。
【0012】上記目的を達成するため請求項2記載の発
明は電動モータを交流電動モータにより形成すると共
に、主油圧ポンプの吸入側に、負荷の下降速度を制御す
る絞り弁を設けたものである。
【0013】上記構成により、制御手段を使用せずに負
荷の昇降速度を制御することができるため、油圧回路が
安価に得られるようになる。
【0014】上記目的を達成するため請求項3記載の発
明は、電動モータをインバータモータにより形成すると
共に、インバータモータを可変周波数制御することによ
り、負荷の昇降速度を制御したものである。
【0015】上記構成により、負荷の昇降速度を任意に
制御することができると共に、目標停止位置の近傍に負
荷が達したら、緩速停止させることにより、負荷を目標
停止位置に正確かつショックなく停止させることができ
る。
【0016】上記目的を達成するため請求項4記載の発
明は、負荷の上限位置または下限位置を検出する位置検
出手段と、アキュムレータ内の圧力を検出する圧力検出
手段を設けて、両検出手段からの情報をもとに電動モー
タを回転制御することにより、アキュムレータ内の油圧
を常に設定油圧に維持するようにしたものである。
【0017】上記構成により、負荷が上限位置または下
限位置に停止しているときに電動モータを回転させて、
副油圧ポンプによりアキュムレータを蓄圧できるため、
負荷の上昇時アキュムレータに蓄圧された高油圧を効率
よく放出することができると共に、負荷の昇降速度が安
定するため、信頼性も向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】この発明の第1の実施の形態を図
3に示す図面を参照して詳述する。図3において1は人
や荷物を積載するケージなどの負荷で、油圧シリンダ2
のラム2a先端に取付けられており、油圧シリンダ2に
より昇降されるようになっている。上記油圧シリンダ2
のボトム2b側には、第1パイロットチェック弁3を介
して主油圧ポンプ4の吐出側が接続されており、主油圧
ポンプ4の吸入側は絞り弁5を介して作動油タンク6に
接続されている。
【0019】上記第1パイロットチェック弁3は油圧シ
リンダ2のボトム2b側の油圧をパイロット圧として導
入した第1電磁弁7によりオン、オフ制御されると共
に、上記主油圧ポンプ4にはチェック弁8とリリーフ弁
9が並列接続され、絞り弁5にはチェック弁10が並列
接続されている。
【0020】一方上記主油圧ポンプ4には両軸交流モー
タよりなる電動モータ12の一方の軸12aが接続され
ていて、この電動モータ12により正逆回転されるよう
になっており、電動モータ12の他方の軸12bには、
主油圧ポンプ4より容量の小さい高圧ポンプよりなる副
油圧ポンプ13が接続されていて、この副油圧ポンプ1
3も電動モータ12により正逆回転されるようになって
いる。
【0021】上記副油圧ポンプ13の吸入側はチェック
弁14を介して作動油タンク6に接続され、吐出側は管
路15により作動油タンク6に接続されていると共に、
副油圧ポンプ13の吸入側とチェック弁14の間は、第
2パイロットチェック弁17を介してアキュムレータ1
8に接続されている。そして上記第2パイロットチェッ
ク弁17は、油圧シリンダ2のボトム2b側の油圧をパ
イロット圧として導入した第2電磁弁19によりオン、
オフ制御されるようになっている。
【0022】次に上記構成された油圧エレベータの油圧
回路の作用を説明すると、いま負荷1を上昇すべく電動
モータ12により主油圧ポンプ4を正転させると、絞り
弁5を介して作動油タンク6より吸入された油が第1パ
イロットチェック弁3を介して油圧シリンダ2のボトム
2b側へ供給され、これによってラム2aが伸長して負
荷1を上昇させる。
【0023】またこのとき副油圧ポンプ13も正転され
るが、副油圧ポンプ13より吐出された油は管路15に
より作動油タンク6へドレンされて副油圧ポンプ13は
空転状態となるため、電動モータ12へ供給される電力
はほとんど消費されない。
【0024】一方負荷1を下降すべく電動モータ12を
逆転させると同時に、第1電磁弁7を開放して第1パイ
ロットチェック弁3をオンにすると、油圧シリンダ2の
ボトム2b側の油圧が主油圧ポンプ4を通って作動油タ
ンク6へドレンされる際、負荷1の有する位置エネルギ
ーにより主油圧ポンプ4が逆駆動される。これによって
電動モータ12を介して主油圧ポンプ4に接続された高
圧ポンプよりなる副油圧ポンプ13が負荷1の持つ位置
エネルギーにより駆動されて副油圧ポンプ13に高圧油
が発生すると共に、この高圧油は第2パイロットチェッ
ク弁17を介してアキュムレータ18へ流入してアキュ
ムレータ18に蓄圧され、アキュムレータ18に蓄圧さ
れた高圧油は、次の負荷1の上昇時に放出される。
【0025】すなわち負荷1を再び上昇すべく電動モー
タ12により主油圧ポンプ4を正転させると同時に、第
2電磁弁19を開放して第2チェック弁17をオンにす
ると、アキュムレータ18に蓄圧されていた高圧油が第
2パイロットチェック弁17を介して副油圧ポンプ13
の吸入側へ流入し、電動モータ12を逆駆動する。これ
によって電動モータ12は少ない消費電力で主油圧ポン
プ4を駆動して負荷1を上昇させることができるため、
省エネルギー化が図れるようになる。
【0026】なお副油圧ポンプ13の吸入側に設けられ
たチェック弁14は、第2電磁弁19の開放タイミング
が遅れた場合、副油圧ポンプ13に作動油タンク6の油
を吸入させて、副油圧ポンプ13に真空が発生するのを
防止するためのものである。また負荷1の昇降速度は絞
り弁10の絞り量を調整することにより任意に設定する
ことができる。
【0027】一方図4は電動モータ12に可変周波数制
御により速度制御されるインバータモータを使用した第
2の実施の形態を示すもので、次にこれを説明する。な
お第1の実施の形態と同一部分は同一符号を付してその
説明は省略する。
【0028】いま負荷1を上昇すべく電動モータ12を
正転させると、主油圧ポンプ4より吐出された油圧が油
圧シリンダ2のボトム2b側へ供給されてラム2aが伸
長し、これによって負荷1が上昇される点は前記第1の
実施の形態と同様であるが、電動モータ12を可変周波
数制御により速度制御することにより、負荷1の昇降速
度を任意に調整することができると共に、目標停止位置
の近傍に負荷1が達したら、電動モータ12の速度を漸
減させることにより、目標停止位置に負荷1を正確かつ
ショックなく停止させることができるようになる。
【0029】また負荷1を下降させた際アキュムレータ
18に蓄圧された高圧油を、負荷1の上昇時第2電磁弁
19を開放して第2パイロットチェック弁17をオンに
し、副油圧ポンプ13へ供給することにより、副油圧ポ
ンプ13により電動モータ12が逆駆動されるため、少
ない消費電力で主油圧ポンプ4を駆動することができ、
これによって省エネルギー化が図れるようになる。
【0030】なお図5は図4に示す第2実施例の変形例
を示すもので、次にこれを説明する。この変形例では、
油圧シリンダ2により昇降される負荷1の上限位置また
は下限位置をリミットスイッチなどの位置検出手段21
で検出し、同時にアキュムレータ18の圧力を圧力スイ
ッチなどの圧力検出手段22で検出して、両検出手段2
1、22で得られた情報をもとに制御手段23が電動モ
ータ12を回転制御することにより、アキュムレータ1
8内の圧力低下を防止したものである。
【0031】すなわち負荷1の昇降頻度が低いなどの理
由でアキュムレータ18内に設定圧力が蓄圧されていな
い場合、制御手段23は位置検出手段21からの信号に
より負荷1の停止位置を検出し、負荷1が上限位置また
は下限位置に停止しているのを検出したら、電動モータ
12を逆転させる。
【0032】これによって主油圧ポンプ4は、並列接続
されたチェック弁8により吐出油が循環されて空転状態
になると共に、副油圧ポンプ13の吸入側より吐出され
た高圧油は第2パイロットチェック弁17を介してアキ
ュムレータ18へ流入され、アキュムレータ18に蓄圧
される。そしてアキュムレータ18内の圧力が設定圧力
になったのを圧力検出手段22が検出すると、制御手段
23は電動モータ12を停止させるため、アキュムレー
タ18内の油圧は常に設定圧力に維持されるようにな
る。
【発明の効果】この発明は以上詳述したように、負荷が
下降される際に発生するエネルギーを副油圧ポンプによ
り高圧油に変換してアキュムレータに蓄圧し、負荷を上
昇させる際にこの高圧油を放出して、副油圧ポンプによ
り電動モータを逆駆動するようにしたもので、これによ
って少ない消費電力で主油圧ポンプを駆動することがで
きるため、省エネルギー化が図れるようになる。また電
動モータを交流電動モータにより形成すると共に、主油
圧ポンプの吸入側に、負荷の昇降速度を制御する絞り弁
を設けたことから、制御手段を使用せずに負荷の昇降速
度を制御することができるため、油圧回路が安価に得ら
れるようになる。さらに電動モータをインバータモータ
により形成すると共に、インバータモータを可変周波数
制御することにより、負荷の昇降速度を制御したことか
ら、負荷の昇降速度を任意に制御することができると共
に、目標停止位置の近傍に負荷が達したら、緩速停止さ
せることにより、負荷を目標停止位置に正確かつショッ
クなく停止させることができる。しかも負荷の上限位置
または下限位置を検出する位置検出手段と、アキュムレ
ータ内の圧力を検出する圧力検出手段を設けて、両検出
手段からの情報をもとに電動モータを回転制御すること
により、アキュムレータ内の油圧を常に設定油圧に維持
するようにすれば、負荷が上限位置または下限位置に停
止しているときに電動モータを回転させて、副油圧ポン
プによりアキュムレータを蓄圧できるため、負荷の上昇
時アキュムレータに蓄圧された高油圧を効率よく放出す
ることができると共に、負荷の昇降速度が安定するた
め、信頼性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の油圧エレベータの油圧回路を示す回路図
である。
【図2】従来の油圧エレベータの油圧回路を示す回路図
である。
【図3】この発明の第1の実施の形態になる油圧エレベ
ータの油圧回路を示す回路図である。
【図4】この発明の第2の実施の形態になる油圧エレベ
ータの油圧回路を示す回路図である。
【図5】この発明の第2の実施の形態になる油圧エレベ
ータの油圧回路の変形例を示す回路図である。
【符号の説明】
1 負荷 2 油圧シリンダ 2a ラム 4 主油圧ポンプ 5 絞り弁 12 電動モータ 13 副油圧ポンプ 18 アキュムレータ 21 位置検出手段 22 圧力検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F15B 11/04 F15B 11/04 Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動モータ12により駆動される主油圧
    ポンプ4及び副油圧ポンプ13と、上記主油圧ポンプ4
    より供給される油圧によりラム2aを伸縮して負荷1を
    昇降させる油圧シリンダ2と、上記負荷1の下降時副油
    圧ポンプ13より吐出される高圧油を蓄圧し、負荷1の
    上昇時高圧油を副油圧ポンプ13へ放出して、副油圧ポ
    ンプ13により電動モータ12を逆駆動するアキュムレ
    ータ18とを具備したことを特徴とする油圧エレベータ
    の油圧回路。
  2. 【請求項2】 電動モータ12を交流電動モータにより
    形成すると共に、主油圧ポンプ4の吸入側に、負荷1の
    下降速度を制御する絞り弁5を設けてなる請求項1記載
    の油圧エレベータの油圧回路。
  3. 【請求項3】 電動モータ12をインバータモータによ
    り形成すると共に、インバータモータを可変周波数制御
    することにより、負荷1の昇降速度を制御してなる請求
    項1記載の油圧エレベータの油圧回路。
  4. 【請求項4】 負荷1の上限位置または下限位置を検出
    する位置検出手段21と、アキュムレータ18内の圧力
    を検出する圧力検出手段22を設けて、両検出手段2
    1、22からの情報をもとに電動モータ12を回転制御
    することにより、アキュムレータ18内の油圧を常に設
    定油圧に維持してなる請求項1ないし3の何れか1項記
    載の油圧エレベータの油圧回路。
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